JP3118794B2 - 汚泥からの重金属類溶出方法 - Google Patents
汚泥からの重金属類溶出方法Info
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Description
する汚泥からカドミ、亜鉛、銅等の重金属類を除去し、
汚泥の有効利用と環境保全を行うためのもので、汚泥と
結合している重金属類を汚泥から金属イオンとして分離
させる技術に関するものである。
汚泥が発生するが、これの処分方法として埋立・焼却・
緑農地への利用等が行われている。しかし、一般の下水
汚泥には対象流入汚水が多岐にわたるため亜鉛・カドミ
・銅等の重金属類が含まれており、処理過程で汚泥に重
金属類が濃縮されて高濃度含有の汚泥が発生する。この
ため、汚泥及び汚泥の焼却灰の埋立でも長期的には埋立
て地周辺でこれら重金属類の溶出による環境汚染が懸念
され、焼却灰の溶融固化による不溶性化等の研究もなさ
れている。
し、発酵処理したコンポストとして緑農地への利用も行
われているが、ここでも施用地での有害重金属類の蓄積
が心配されている。このため、長年にわたってこの重金
属類の除去の研究が行われてきたが、いまだ経済的に有
効に除去する方法が確立されていないのが現状である。
結合している重金属類を汚泥から引き離さなければなら
ない。このため重金属類を可溶性塩として溶液側に移す
必要があり、これを有効に行う方法について研究されて
きた。これまで研究されてきた溶出方法の1つは、鉱山
等で利用されていた鉄酸化細菌・硫黄酸化細菌等を利用
するバクテリアリーチングの方法であり、他は、強酸剤
による可溶性塩類を生成させる方法がある。
による方法は、汚泥に硫黄酸化細菌の栄養源として硫黄
を添加し、1週間から1月程度培養して重金属塩類を溶
出させるものである。この方法では、まず硫黄酸化細菌
により硫酸イオンが生成してPHを低下させる。次いで
鉄酸化細菌の酸化力の作用も加わり重金属塩類を溶出さ
せる。また、強酸剤を利用する方法は、硫酸・塩酸・硝
酸などの強酸剤を添加して溶出させようとするものであ
る。
ングでは長期間(1週間〜1月)の溶出操作で90%程
度の溶出処理が可能であるが、長期間処理のため装置が
極めて大きくなる点、及びバクテリアを利用するので管
理が困難な点で実用には至っていない。また短時間での
溶出を目的とした強酸剤を用いる方法は、バクテリアリ
ーチングの硫黄酸化細菌を用いたPHのみに依存する方
法と同様で、鉄酸化細菌の強力な酸化作用が無いため、
短時間での溶出率が数十%程度以下と不十分で実用には
供さないものである。
にしているのは、汚泥と重金属類の結合形態が、無機物
との結合、有機物との結合、細胞内に取り込まれた状態
等非常に緩い物から極めて強固に結合している物まで多
種多様の状態のためである。このため結合形態を明かに
しようと近年の分析では土壌の分析に準じて、順次段階
的に溶媒を変えて溶出させて結合形態を究明しようとす
る研究が行われいてる。一例として、酸可溶態、キレー
ト剤可溶態、置換態、加給態等に分類した研究の報告も
ある。
種々の結合形態で結合していて、単純な操作での溶出は
困難なため、環境保全上必要な技術であるが、実用に至
っていないのが現状である。また、今日までにチタン系
不溶性電極と導電性金属電極を用いた汚泥の電解が提案
されているが、これは汚泥の脱水性の改善を目的とした
もので、塩化鉄、塩化アルミなどの金属塩を助剤として
用い、電解時のPHも中性近辺か若干酸性側でのもので
あった。このような場合には汚泥の脱水性の改善はでき
るが、電解時PHが高く、また金属塩添加の場合は添加
金属イオンが邪魔をして重金属類のイオン化を阻害し、
重金属類の溶出を全く不可能なものとしていた。
行い実用化するためになされたもので、強酸剤と電気分
解を組み合わせ重金属類を溶出させ、汚泥から除去する
ことにより、汚泥中の重金属類を除去し、有効利用のた
めの安全な汚泥の提供と環境保全を目的とする。
で発生する汚泥に硫酸、塩酸、硝酸等の強酸剤を添加
し、PHを2以下にして陽極にチタン系の不溶性電極、
陰極にアルミ・鉄等の金属を用いて電気分解し、電極面
での酸化還元作用を行うことにより汚泥から重金属類を
イオン化して溶出させることを特徴とするものである。
即ち、重金属類のイオンが存在できるに十分なPHのも
とで、陽極での酸化と陰極での還元で汚泥から重金属類
を分離イオン化させることにより、短時間での重金属類
の溶出が可能であることを見いだし、本発明にいたった
ものである。
場等で発生した汚泥は、通常濃縮槽で濃縮され脱水処理
されるか、また、消化槽に送られ消化後消化汚泥として
脱水処理される。脱水した固形物は投棄、焼却、発酵な
どの最終処理処分が行なわれる。本発明はこれら処理行
程の脱水前の汚泥に強酸剤の添加によるPHの調整並び
に電解処理を行うもので、本発明の処理後脱水した固形
物は重金属類の極めて少ない安全なものとなり最終処分
を容易にし、また、有効利用の範囲が拡大するものであ
る。
調整槽と、電源に接触した少なくとも1個の不溶性電極
から成る陽極と、少なくとも1個の導電性金属電極から
成る陰極を配置した電解処理槽を用いる。まず最初にP
H調整槽に汚泥を導入し、強酸剤を添加してPHを2以
下にし、次いで電解槽に導入して、陽陰電極間に通電し
ての電解処理により容易に行うことができる。
合している重金属類を可溶性塩類として溶出させる。ま
た、添加する強酸剤は、後段の電解時の電導度を大きく
することと、電解による溶出を補助するためのもので、
硫酸・塩酸・硝酸等の強酸剤が適している。このときの
PHは2以下が好ましく、PH2より低い方がより効果
的である。対象とする重金属類はカドミ、銅、亜鉛、等
でこれらは酸に対して同一性状を示すので、代表として
亜鉛について測定した結果の一例を表−1に示す。表1
では初期PHを変えて同一条件で電解した場合の亜鉛の
溶出率の相違である。
る。この電極に他の可溶性の金属電極を用いると電極よ
り電極金属イオンが溶出し、汚泥からの重金属類の溶出
を阻害する。すなわち、表2の実施No5(酸添加後陽
極鉄電極、陰極鉄電極で電解)のように実施No1(酸
添加のみで電解処理をしない)より溶出率は低下してい
る。またここでは、汚泥に対しては酸化チタン、白金等
の金属が適している。これらの金属は触媒電極としても
用いられている。
各種の金属の使用が可能ではあるが、表2実施No2、
3、4のように陽極を不溶性電極として陰極を変えた場
合、アルミ、鉄、不溶性電極の順に溶出率は低下してい
る。このことより卑な金属が良好な結果となっており、
陰極としてはアルミが適している。これらの陽極及び陰
極は、電解槽内に対向して配置し、十分な通電面積を得
るため、通常は板状体電極を必要枚数平行して交互に配
置することが望ましいが、棒状体、筒状体、有孔体、網
状体等、他の形状とすることも出来る。
圧の方が設備的に安全で、経済的であるが、実際には1
から5V程度が好適である。また電流は塩類のイオン化
による導電性との関連もあり、電極単位面積当たりの電
流密度は5〜50A/m2 で十分であるが、溶出率はP
Hの影響が極めて大きく、表1の電流密度と溶出率のよ
うに、実施No2よりNo3が電流密度は小さいが溶出
率は大きくなっているのように、かならずしも大きくす
る必要はない。
H調整槽に汚泥液を供給し、硫酸を添加混合してPHを
2以下にすると汚泥と緩やかに結合している重金属類は
溶出化する。次いで、白金族金属酸化物を活性成分とす
る被覆をチタン板上に設けたような不溶性金属電極板を
陽極とし、アルミ陰性を対向して配置した電解処理槽に
導入して電極に直流電流を通電すると、陽極で酸化、ま
た、陰極で還元作用を受けて各種の結合状態の重金属類
が溶出する。このように、添加物として硫酸のような強
酸剤を用い、PHを2以下にして不溶性電極とアルミの
ような卑な金属を電極に用いて電気分解することによ
り、極めて短時間で長時間を要するバクテリアリーチン
グと同等以上の溶出効果を達成できる。
酸化剤として硫酸を用い、PHと電流密度変化の場合の
溶出率の相違、表2に電極の相違による溶出率の相違を
示す。
ン系不溶性電極、陰極にアルミ電極を用いて電解処理す
ることにより、3時間で100%の溶出率を達成した。
添加し、PHを2以下として陽極に不溶性電極を陰極に
アルミ等の卑な金属を用いて電解することにより、バク
テリアリーチング等の方法に比べ、極めて短時間で同等
以上の重金属類の溶出ができる。このため、汚泥から重
金属類の除去が実施面で可能になり、汚泥の有効利用の
途が開け、また、投棄する場合においても溶融等の大量
のエネルギーを使用しなくても投棄場所の環境汚染を軽
減することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 下水処理場等で発生する汚泥に硫酸、塩
酸、硝酸等の強酸剤を添加し、PHを2以下にして、陽
極にチタン系不溶性電極、陰極にアルミ・鉄等の導電性
金属を用いて電気分解する汚泥からの重金属類溶出方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06331292A JP3118794B2 (ja) | 1994-12-07 | 1994-12-07 | 汚泥からの重金属類溶出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06331292A JP3118794B2 (ja) | 1994-12-07 | 1994-12-07 | 汚泥からの重金属類溶出方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08155494A JPH08155494A (ja) | 1996-06-18 |
JP3118794B2 true JP3118794B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=18242062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06331292A Expired - Fee Related JP3118794B2 (ja) | 1994-12-07 | 1994-12-07 | 汚泥からの重金属類溶出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3118794B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105712594A (zh) * | 2014-12-04 | 2016-06-29 | 北京有色金属研究总院 | 一种从重金属废水污泥中回收重金属的方法 |
CN105884157A (zh) * | 2016-05-31 | 2016-08-24 | 浙江大学 | 一种利用电解法去除和回收污泥中重金属的方法 |
-
1994
- 1994-12-07 JP JP06331292A patent/JP3118794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08155494A (ja) | 1996-06-18 |
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