JP3118359B2 - メラミンシアヌレートの製造方法 - Google Patents
メラミンシアヌレートの製造方法Info
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Description
製造方法に関し、詳しくは、微粉末状のメラミンとシア
ヌール酸を用い、少量の水の存在下でメラミンシアヌレ
ートを製造する方法に関する。
て、ハロゲン系難燃剤が広く用いられてきたが、燃焼時
にダイオキシン等の有毒物を発生する、発煙性が高い、
成形加工時に金型を腐食する等いくつかの問題点があ
り、低ハロゲン化からノンハロゲン化の要望が強くなっ
ている。このような状況の中で、メラミンやメラミンシ
アヌレート等トリアジン環を有する物質が難燃剤として
検討されており、ウレタン樹脂ではメラミンを、ポリア
ミド樹脂ではメラミンシアヌレートを直接数%〜30%
程度混合することにより難燃性を付与することができる
ことが知られている。
メラミンとシアヌール酸をそれぞれ別々に水に溶解し、
それら水溶液を混合して反応させ、生成した難溶性のメ
ラミンシアヌレートの沈澱を濾別、乾燥する方法で調製
されていた。
施する場合、(1) メラミンおよびシアヌール酸の水への
溶解度が低く濃厚な水溶液を調製できないため生産効率
が低い、(2) 反応生成物が微粒子状となるためそれを濾
過等で分離するのは容易ではない、(3) 分離後のメラミ
ンシアヌレート粒子がかなりの量の水を含んでいるので
乾燥に長時間を要する(4) 乾燥後のメラミンシアヌレー
トは微粒子が凝集した塊状なので粉砕に要するエネルギ
ーが非常に大きい等の難点があった。
はなく水を媒介させる方法、すなわち、メラミンまたは
シアヌール酸の一方または両方を水性溶媒中に固相状態
で分散させた状態で反応させる方法(特開昭54−14
1792)があるが、上述の水溶液による反応に比べて
生産効率が向上し、濾過時間は短縮されるものの上記し
た(3) および(4) の欠点は改善されていない。
ヌール酸に対して、その合計量100重量部当たり水2
0〜2000重量部を加え、かき混ぜまたは練りまぜな
がら反応させる方法(特開昭54−55587)、平均
粒径が100μm以下のメラミンとシアヌール酸との粉
体均一混合物を調製し、次いでこの混合物に、混合物に
基づき30〜300%の水を加えて反応させる方法(特
開昭54−55588)等が開示されている。
ンを固体のまま混合加熱してメラミンシアヌレートを製
造する方法(特開昭54−125690)が開示されて
いる。この方法は反応器に高価な耐食材料を用いる必要
があり、尿素とメラミンの混合物が加熱にともない脱ア
ンモニアを起こしながら白濁融液中で反応するため、得
られるメラミンシアヌレートはブロック状で取扱いが容
易でなく、収率も不十分であり、高純度品を得るために
はさらに精製が必要である。
ル酸を用いた場合でも、液体媒体を用いずに反応温度を
250〜500℃とすることにより、メラミンとシアヌ
ール酸が反応しメラミンシアヌレートが生成する(特願
平4−329696)。この方法は、水を使用しないた
め、濾過、乾燥工程がいらないという長所があるが、2
50〜500℃と水を使用する方法と比較して高温で反
応を行なわなければならない。
水を添加し、かき混ぜまたは練りまぜながら反応して得
られた生成物は、水を除くための乾燥工程、あるいは濾
過・乾燥工程を、さらには粉砕工程をも経る必要があ
り、また添加する水の量を少なくした場合高純度の製品
が得られ難かった。本発明の目的は、従来の技術に対
し、製造工程が簡略化され工業的に優れたメラミンシア
ヌレートの製造方法を提供することである。
を解決するために鋭意研究した結果、反応原料であるメ
ラミンとシアヌール酸を微粉砕することにより、添加す
る水の量を大幅に削減しても反応が進行し高純度のメラ
ミンシアヌレートが得られ、しかもこの反応は比較的低
温条件下で行うことができることを見いだし、本発明を
完成するに到ったものである。すなわち、本発明はメラ
ミンとシアヌール酸からメラミンシアヌレートを製造す
る方法において、平均粒子径が10μm以下のメラミン
とシアヌール酸との混合物100重量部に対して20重
量部未満の水を加え反応をさせることを特徴とするメラ
ミンシアヌレートの製造方法である。
を用いる必要はなく、一般に市場で入手可能なものでよ
く、例えば、三井東圧化学社製、工業用メラミン(融点
354℃、昇華開始温度210℃、平均粒子径20μ
m)が挙げられる。
く、一般に市場で入手可能なものでよい。例えば、四国
化成社製、商品名ICA−P(融点360℃、昇華開始
温度230℃、平均粒子径80μm)が挙げられる。な
お、シアヌール酸にはエノール型とケト型の2つの互変
異性体があり、化学的にはエノール型をシアヌール酸、
ケト型をイソシアヌール酸と称するが、本発明で用いる
シアヌール酸とはエノール型だけを意味するのではな
く、エノール型とケト型の両方を意味するものである。
酸は、メラミンとシアヌール酸が均一に混合された状態
で混合物の平均粒子径は10μm以下、好ましくは5μ
m以下である。このような混合物を得るための方法に対
して特に制限はないが、例えば、あらかじめジェットミ
ル等の粉砕器で、平均粒子径が10μm以下になるよう
に調製した粉体メラミンと粉体シアヌール酸とを、ヘン
シェルミキサーやナウターミキサー等の混合器を用いて
混合することによって得たり、または、あらかじめ粉体
メラミンと粉体シアヌール酸とを混合した後、必要に応
じてジェットミル等の粉砕器で平均粒子径10μm以下
にすること等により得られる。混合物の平均粒子径が1
0μmより大きいと充分に反応が進行せず、未反応物質
が残り純度が低下する。
する割合は、メラミンシアヌレートが等モル反応によっ
て生成することからモル比が1:1であることが好まし
い。しかし、得られる反応生成物がメラミンシアヌレー
トとメラミンの混合物でよい場合や、メラミンシアヌレ
ートとシアヌール酸との混合物でよい場合はモル比が
1:1でなくてもよい。
シアヌール酸の混合物100重量部に対して20重量部
未満であり、好ましくは5〜15重量部である。添加量
を20重量部以上添加すると反応生成物の濾過および乾
燥工程を長時間必要とすることからも好ましくない。
のメラミンとシアヌール酸を混合する前のメラミンまた
はシアヌール酸に添加してもよいし、平均粒子径10μ
m以下に調製されたメラミンとシアヌール酸の均一混合
物に添加してもよい。
には種々の方法があるが、水を添加した後、攪拌混合し
ながら所定の温度で反応を行う方法、あるいは、水を添
加しさらに混合を行い充分に水を分散させた後、攪拌混
合せずに所定の温度で反応を行う方法等がある。
もある比較的低温での反応が可能なことからも40〜3
50℃であり、好ましくは80〜250℃である。反応
温度が40℃より低いと反応は進行するものの反応速度
は極めて遅く、反応時間が長くなり実用的ではない。ま
た、350℃以上では反応時間の温度依存性が小さくな
り、これ以上の温度で反応を行うとエネルギー効率が悪
くなる。反応時間は反応温度や撹拌状態によって影響を
受けるが、通常10分〜5時間程度である。
え、しかも反応生成物として得られるメラミンシアヌレ
ートはそのまま製品として得られることが特徴として挙
げられる。また、反応終了後必要に応じて適当な温度で
短時間の加熱を行うことにより反応器から取り出すこと
なくそのまま乾燥を行うことができる。このように添加
する水の量が非常に少なくてすむため、従来法における
濾過工程が省略でき、また、生成したメラミンシアヌレ
ートの乾燥を短時間で行うことができるため、乾燥に要
するエネルギーが少なくて済む。これによって、反応、
乾燥の2つの工程を1つの装置で行うことができ、さら
に簡略化されたプロセスの構築も可能である。
いが、原料の微粉砕を行うことおよび水の添加量が少な
いことにより、得られたメラミンシアヌレートは塊状に
凝集せず粉体状を維持しており、製品の粉砕工程まで省
略できるため、非常に簡略化されたプロセスを構築する
ことができる。
説明する。
化学社製工業用メラミン(融点354℃、昇華開始温度
210℃、平均粒子径20μm)1.95kgと四国化
成社製シアヌール酸、商品名ICA−P(融点360
℃、昇華開始温度230℃、平均粒子径80μm)2.
00kgを装入し、室温で10分間混合した。次いでジ
ェットミルを用いて、混合物の全量を室温にて粉砕し、
3.88kgの微粉砕混合物を得た。この微粉砕混合物
の平均粒子径は2.63μm(レーザー光線回折方式体
積基準による測定)であった。
れ、さらに水4.5gを添加し、室温で10分間充分に
薬さじで混合を行った後、るつぼにふたをして電気炉に
入れ、200℃で2時間加熱した。この結果、29.5
gのメラミンシアヌレートが得られた。このときの収率
は98.3%、純度は98.8%、平均粒子径は6.5
9μmであった。得られたメラミンシアヌレートを熱重
量分析チャートした結果、昇華開始温度は290℃であ
った。このチャートを(図1)に示す。この図では10
0℃付近に重量減少がみられず、反応中に水が完全に蒸
発していることから、濾過、乾燥工程が不必要であるこ
とがわかる。
入った容量500mlのガラス製ビーカーに入れ、撹拌
しながら95℃で1時間反応を行った。その後、減圧濾
過により水を分離し、120℃で乾燥を行を行ったが、
完全に乾燥するまでに8時間要した。このとき得られた
メラミンシアヌレートは塊状であり、これをボールミル
で粉砕を行い14.7μmにした。得られたメラミンシ
アヌレートの熱重量分析の結果は(図1)と同様に単一
のピークを示していた。
m)と四国化成社製シアヌール酸、商品名ICA−P
(平均粒子径80μm)を微粉砕しないでそのまま用い
た他は実施例1と同様にした。このとき得られた生成物
の熱重量分析チャートを(図2)に示す。この図から、
原料であるメラミンとシアヌール酸が未反応のまま多量
に残っていることがわかる。なお、メラミンおよびシア
ヌール酸の熱重量分析チャートをそれぞれ(図3)およ
び(図4)に示した。
入れ、水を添加しない他は実施例1と同様にしたとこ
ろ、メラミンシアヌレートはほとんど得られず、熱重量
分析チャートはメラミンとシアヌール酸の混合物である
ことを示していた。
工業用メラミン(平均粒子径3.10μm)1.95k
gと、同様に微粉砕した四国化成社製シアヌール酸、商
品名ICA−P(平均粒子径2.88μm)2.00k
gとを、容積が10リットルの加熱型ヘンシェルミキサ
ーに入れ、さらに水0.6kgを加えて、混合しながら
200℃まで昇温した。さらに、混合しながら200℃
で2時間反応させたところ3.93kgのメラミンシア
ヌレートが得られた。このときの収率は99.0%、純
度は99.2%であった。熱重量分析チャートは(図
1)と同様で単一のピークを示していた。
化された経済的、かつ高純度のメラミンシアヌレートの
製造方法を提供することができ、産業上優位である。
ートの熱重量分析のチャートである。
析のチャートである。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】メラミンとシアヌール酸からメラミンシア
ヌレートを製造する方法において、平均粒子径が10μ
m以下のメラミンとシアヌール酸との混合物100重量
部に対して20重量部未満の水を加え反応させることを
特徴とするメラミンシアヌレートの製造方法。 - 【請求項2】メラミンとシアヌール酸との混合物100
重量部に対する水の添加量が5〜15重量部である請求
項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05332008A JP3118359B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | メラミンシアヌレートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05332008A JP3118359B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | メラミンシアヌレートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07188193A JPH07188193A (ja) | 1995-07-25 |
JP3118359B2 true JP3118359B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=18250113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05332008A Expired - Lifetime JP3118359B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | メラミンシアヌレートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3118359B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE551331T1 (de) * | 2004-10-15 | 2012-04-15 | Basf Se | Verfahren zur herstellung von melamincyanurat in kristalliner form |
EP3683288B1 (en) | 2017-09-12 | 2023-06-07 | Adeka Corporation | Composition and flame retardant resin composition |
CN110590688B (zh) * | 2019-09-25 | 2021-11-09 | 河北冀衡集团有限公司 | 一种制备氰尿酸的方法 |
CN114751869B (zh) * | 2022-04-21 | 2024-02-13 | 山东泰星新材料股份有限公司 | 一种高分散三聚氰胺氰尿酸盐阻燃剂的制备方法 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP05332008A patent/JP3118359B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07188193A (ja) | 1995-07-25 |
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