JP3118318B2 - 高純度m−フェニレンジアミンの製造方法 - Google Patents

高純度m−フェニレンジアミンの製造方法

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はm−フェニレンジアミン
(以下m−PDAと略記する)の製造方法に関する。さ
らに詳しくは粗m−ジニトロベンゼン(以下m−DNB
と略記する)を用いて、これより高純度のm−PDAを
製造する方法に関する。m−PDAは、工薬・染料の中
間体として、或いは耐熱性樹脂原料としても重要な化合
物である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】m−P
DAは通常、m−DNBを触媒の存在下接触水素化反応
することにより得られている。又、m−DNBはベンゼ
ン又はニトロベンゼンを強度の混酸でニトロ化する事に
より得られるが、その際の異性体であるo−ジニトロベ
ンゼン(以下o−DNBと略記する)及びp−ジニトロ
ベンゼン(以下p−DNBと略記する)が副生し通常m
−DNBとしては約90%程度の純度である。これら異
性体の分離方法としては、アルコール又はベンゼンに対
する溶解度差を利用する方法、苛性アルカリ水溶液で加
熱処理する方法、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナト
リウムと加熱する方法等が知られているが、いずれも得
られるm−DNBの製品純度は99%程度にとどまり、
o−DNB及びp−DNBの完全な分離は不可能であっ
た。
【0003】従って、m−DNBを水素化反応して得ら
れるm−PDAには、o−及びp−異性体等の不純物が
含有されているので、精留等により精製の必要がある
が、異性体の沸点差が小さいため、数十段の精留塔を用
いた苛酷な精留や、さらにはこれを再結晶する等の後処
理工程が必要であった。
【0004】微量でもo−、及びp−異性体等の不純物
がm−PDAに含有されていればm−PDAの経時着色
の原因となるだけでなく、特に耐熱性樹脂原料にm−P
DAを用いる場合は品質の悪い樹脂しか得ることができ
ず、その改良が要請されている。
【0005】それらの解決法として本発明者等は粗m−
DNB中のo−及びp−DNBのみを選択的に低級アル
コールと塩基性化合物の存在下に反応させて、対応する
アルコキシニトロベンゼンとした後、得られた反応混合
物をそのまま水素化反応後アルコキシアニリン類とm−
PDAを分留する事により高純度のm−PDAを製造す
る方法を先に出願した(特開昭59−141542号公
報)。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこれらの課
題を解決するために鋭意検討した結果、粗m−DNBを
塩基性化合物の存在下フェノール類と反応させた場合、
実質的にm−DNBの損失がなくフェノール類はo−、
及びp−DNBと選択的に反応してしかも完全にフェノ
キシニトロベンゼン類に変換できる事を見出した。引き
続き、この様にして得られた反応混合物はそのまま水素
化反応を行う事により、副生するフェノキシアニリン類
は蒸留精製の際m−PDAとの沸点差が大きくなり分離
が容易になると共に釜残として残り、前述の欠点をなく
す事ができる。さらに、フェノキシ化反応時相間移動触
媒を併用する場合には、フェノール類の使用量を極めて
少なくできる事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明はo−、及びp−DNBを含
有する粗m−DNBを塩基性化合物の存在下フェノール
類と反応させて、実質的にo−、及びp−DNBのみを
選択的に対応するフェノキシニトロベンゼンに転化し、
得られた反応混合物からm−DNBを分離する事なく、
そのまま水素化反応を行い、ついで得られたm−PDA
を蒸留により分離する事を特徴とし、さらにはフェノキ
シ化反応時、相間移動触媒を添加する事を特徴とする、
高純度m−PDAの製造方法を提供するものである。
【0008】本発明方法に於いて粗m−DNBのフェノ
キシ化反応は以下の様にして行う。本発明方法で使用さ
れるフェノール類の種別としては、一般式(1)(化
3)
【0009】
【化3】
【0010】及び/または一般式(2)(化4)
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、各Rはそれぞれ水素原子、ハロゲ
ン原子、水酸基、アルキル基、アミノ基、アルコキシ
基、カルボキシル基、アセチル基、フェニル基、ベンジ
ル基を示し、mは1〜5の整数、nは1〜4の整数であ
る。Xは、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、或いは
−C(CF32−、−CO−、−S−、−SO−、−S
2−N=N−、−NH−、又は−O−の2価の基
を示し、更にXは単結合で直接結合していてもよい。〕
【0013】で表されるフェノール類であり、例えば、
フェノール、或いはクレゾール、キシレノール等のアル
キルフェノール類、カテコール、レゾルシン、ハイドロ
キノン等のヒドロキシフェノール類、クロロフェノー
ル、ジクロロフェノール、ブロモフェノール等のハロゲ
ン置換フェノール類、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ
フタル酸等のカルボキシフェノール類、メトキシフェノ
ール、エトキシフェノール等のアルコキシフェノール
類、ヒドロキシジフェニルメタン等のベンジルフェノー
ル類、ヒドロキシアセトフェノン等のアセチルフェノー
ル類、ヒドロキシジフェニル、ビフェノール、ビスフェ
ノールA等のビフェノール類等を使用できるが、工業的
に入手しやすく、且つ水素化反応後のフェノキシアニリ
ン類とm−PDAとの蒸留分離性を考慮するとビフェノ
ール類が好ましい。これら使用するフェノール類は、一
種又は数種の組合せで用いても問題はなく、特に限定さ
れるものではない。
【0014】使用されるフェノ−ル類の量は、相間移動
触媒を併用する場合粗m−DNB中に含まれるo−及び
p−DNBの合計モルに対して、フェノ−ル類を化学量
論的に1当量以上用いるならば特に限定はされない。少
ない場合は、o−及びp−DNBが残存する可能性があ
り、多い場合は、反応器の容積効率の悪化や経済的に不
利になる等、得策ではない。好ましくは、o−及びp−
DNBの合計モルに対してフェノ−ル類を1.0〜3.
0倍モル、さらに好ましくは、1.1〜1.5倍モルで
ある。相間移動触媒を使用しない場合は、5〜30倍モ
ル、好ましくは10〜20倍モルである。
【0015】本発明方法で用いる反応溶媒は、フェノキ
シ化反応を妨げない溶媒であれば特に限定はされない。
反応生成物と溶媒の分離性、経済性等を考慮すると水を
用いるのが好適である。
【0016】本発明方法で反応温度は、特に限定はされ
ないが、反応溶媒に水を用いる場合は水の沸点付近(9
5〜100℃)が好適であり、m−DNBを溶解する溶
媒を用いる場合はそれ以下でも差し支えない。用いる溶
媒の沸点以上の温度で、加圧下反応する事もできるが、
経済的ではなく、又、m−DNBのタール化やフェノキ
シ化等によりm−DNBの収率低下、さらには水素化後
のm−PDAの収率及び品質の低下をきたす。
【0017】本発明方法で使用される塩基性化合物とし
ては苛性ソーダ、苛性カリ及び水酸化カルシウム等のア
ルカリ金属、及びアルカリ土類金属の水酸化物若しくは
それらの炭酸塩、重炭酸塩、亜硫酸塩及び重亜硫酸塩等
があげられる。特に好適には安価で塩基度の強い苛性ソ
−ダが良い。使用されるこれら塩基性化合物の使用量は
粗m−DNB中に含まれるo−及びp−DNBの合計量
と化学量論的に当量以上あれば良い。使用量が多いとm
−DNBのタール化を招き収率及び品質の低下をきたす
結果となり、好ましくは1.0〜2.0当量で十分であ
る。尚これらを添加する場合、固体のままでも水溶液で
使用しても問題はないが、分離精製法によっては残存塩
基化合物等の除去の為に水溶液で使用するのが有利であ
る。本発明に用いる相間移動触媒とは一般式(3)(化
5)
【0018】
【化5】
【0019】及び一般式(4)(化6)
【0020】
【化6】
【0021】〔式中、各Rはそれぞれアルキル基、フェ
ニル基、ベンジル基、アルコキシ基を示し、Xはハロゲ
ン原子、水酸基、サルフェート基、アセチル基を示
す。〕で表される四級アルキルアンモニウム塩類、及び
アミンオキシド類であり例えば、テトラメチルアンモニ
ウムクロライド、テトラメチルアンモニウムアセテー
ト、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウム
アイオダイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチ
ルアンモニウムアイオダイド、トリオクチルメチルアン
モニウムクロライド、トリドデシルメチルアンモニウム
クロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベン
ジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリ
エチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルア
ンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウ
ムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ジメチルドデシルアミンオキシド、ジメチルテトラ
デシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオ
キシド、ジメチルオクタデシルアミンオキシド等を例示
する事ができる。
【0022】この相間移動触媒は一種、及び数種の組合
せで用いても何ら問題はなく、用いられる量は通常粗m
−DNBに対し0.1重量%以上なら特に限定されな
い。少ない場合はo−、及びp−DNBが残存する可能
性があり、多い場合は経済的に不利である。好ましくは
0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.5〜
5重量%である。
【0023】次に本発明の製造方法を実施するには、フ
ェノキシ化反応でえられたo−、及びp−フェノキシニ
トロベンゼンを含む粗m−DNBはそのまま公知の方
法、例えば貴金属触媒の存在下、常圧、又は加圧下にア
ルコール、トルエン等の有機溶媒又は水溶媒を用い水素
化され、対応するアミン化合物が混合した反応物に変換
後、引き続き蒸留により容易に分離精製され高純度のm
−PDAが得られる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により、
具体的に説明する。尚、以下において用いる原料粗m−
DNBの組成は、m−DNB88.6%、o−DNB
9.0%、p−DNB2.4%であり、分析はガスクロ
マトグラフで行った。
【0025】実施例1 粗m−DNB200.0g、ビスフェノールA18.6
g、30%苛性ソ−ダ水21.7g、及びテトラメチル
アンモニウムクロライド2.0gを攪拌機付反応機に仕
込み還流下(97〜100℃)で7時間反応させた。こ
の反応マスを分析したところ、o−,及びp−DNBは
不検出でありビスフェノールAとの反応は完結している
事、さらに、m−DNB176.7g(回収率99.7
%)、ビスフェノールAとo−及びp−DNBが反応し
たフェノキシ化物31.2g(収率97.7%)が定量
され、m−DNBは損失なくほぼ定量的に回収できる事
を確認した。引き続き、残存している塩基性化合物を除
去するため、熱水約100gで溶融湯洗後油水分離し
て、油層をそのまま以下の水素添加工程の原料として使
用した。上記油層206.2g(この中のm−DNBは
173.2gであった)、メタノール103.1g及び
5%Pd−炭素0.31gをステンレス製オートクレー
ブに仕込み、反応温度100℃、水素圧40kg/cm
2Gで水素添加した。反応は90分で終了した。放冷後
残存水素を放出し反応液を濾過して触媒と分離した。上
記濾液(この中にm−PDA104.2gを含んでい
た)を脱溶媒後、減圧度15mmHg、理論段数10段
の精留塔で還流比5〜10で回分蒸留し、沸点162℃
のm−PDA(文献値での常圧での沸点は282〜28
4℃)留分95.9g(蒸留工程での取り出し収率9
2.0%)を得た。このm−PDA留分はメタノールを
対照とした450nmに於ける光透過率で98%を示
し、純度は99.99%であった。
【0026】実施例2 テトラメチルアンモニウムクロライドを添加せずに、ビ
スフェノールAを200.0g用いた以外は、実施例1
と同様にフェノキシ化反応を行った。反応開始後10時
間で分析したところ、o−及びp−DNBは不検出であ
りm−DNB172.4g(回収率97.3%)、o−
及びp−DNBとビスフェノールAが反応したフェノキ
シ化物30.1g(収率94.3%)が定量された。得
られた反応マスに30%苛性ソーダ水215.0gを加
え過剰のビスフェノールAをソーダ塩化し、さらにトル
エン200gを加え静置後トルエン層と水層を分離し
た。ついでトルエン層に水200.0gを加え洗浄分液
し、トルエン層をそのまま水素添加工程の原料として使
用した。上記トルエン層203.5g(この中のm−D
NBは169.0gであった)、及び5%Pd−炭素
0.31gをステンレス製オートクレーブに仕込み実施
例1と同様に水素添加反応、及び触媒濾別を行い得られ
た濾液(この中にm−PDA101.6gを含んでい
た)を脱溶媒後、実施例1と同様に回分蒸留しm−PD
A留分94.0g(蒸留工程での取り出し収率92.5
%)を得た。このm−PDA留分はメタノールを対照と
した450nmに於ける光透過率で98%を示し、純度
は99.99%であった。
【0027】実施例3 ビスフェノールAの替わりに4−ヒドロキシジフェニル
27.7g、テトラメチルアンモニウムクロライドの替
わりにジメチルヘキサデシルアミンオキシド2.0gを
使用する以外実施例1と同様に、7時間反応を行った。
この反応マスを分析したところ、o−及びp−DNBは
不検出で、m−DNB176.7g(回収率99.7
%)、2−ニトロ−4’−フェニルジフェニルエーテル
28.7g(収率97.3%)4−ニトロ−4’−フェ
ニルジフェニルエーテル7.3g(収率93.0%)が
存在していた。引き続き、残存する塩基性化合物等の除
去の為熱水約100gで溶融湯洗後油水分離して油層を
そのまま以下の水素添加工程の原料として使用した。上
記油層210.7g(この中のm−DNBは173.0
gであった)、メタノール105.4g及び5%Pd−
炭素0.31gをステンレス製オートクレーブに仕込み
実施例1と同様に水素添加反応、及び触媒濾別を行い得
られた濾液(この中にm−PDA103.4gを含んで
いた)を脱溶媒後、実施例1と同様に回分蒸留し、精m
−PDA留分96.3g(蒸留工程での取り出し収率9
3.0%)を得た。このm−PDA留分はメタノールを
対照とした450nmに於ける光透過率で97%を示
し、純度は99.99%であった。
【0028】比較例1 粗m−DNBをフェノール類と反応させる工程なしに、
そのまま実施例1と同一条件で水素添加した。反応は6
0分で終了した。放冷後残存水素を放出し反応液を濾過
して触媒を分離した。上記濾液(この中にm−PDA1
02.7gを含んでいた)を脱溶媒後、実施例1と同一
精留塔、同一蒸留条件でm−PDAとo−及びp−異性
体(これらの文献値の常圧の沸点は、o−異性体256
〜258℃、p−異性体267℃)とを回分蒸留し純度
99.95%のm−PDAを得たが、蒸留時の取り出し
収率は41.5%に過ぎなかった。このm−PDAのメ
タノールを対照とした450nmに於ける光透過率は8
6%を示したにとどまった。又、蒸留時の取り出し収率
を約85%とするためには、理論段数50段の精留塔を
使用して還流比20〜30が必要であった。
【0029】比較例2 粗m−DNB200.0g、水1500.0g、及び3
0%亜硫酸ソーダ溶液100.0gを攪拌機付フラスコ
に仕込み、還流下5時間(95〜100℃)サルファイ
ト処理を行った。引き続き、90〜95℃に保温したま
ま油層と水層を分離後、油層を毎回500.0gの熱水
にて3回洗浄を行い分液乾燥後、精m−DNB148.
0g(回収率83.5%)を得た。このものの純度は9
8.5%であり、o−DNB0.4%、及びp−DNB
1.1%を含んでいた。上記精m−DNB148.0
g、メタノール90.0g及び5%Pd−炭素0.31
gをステンレス製オートクレーブに仕込み、実施例1と
同様に水素添加反応、及び触媒濾別を行い得られた濾液
(この中にm−PDA90.0gを含んでいた)を脱溶
媒後、実施例1と同一精留塔、同一条件でm−PDAと
o−及びp−異性体とを回分蒸留し、純度99.97%
のm−PDAを得たが、蒸留時の取り出し収率は85.
0%であり、メタノールを対照とした450nmに於け
る光透過率は93%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術では達成され
なかった経時着色の少ない高純度のm−PDAを高収率
で得ることができ、品質及び経済的に有利な工業的製造
が達成される。即ち、本発明の範囲外である従来技術に
は、精m−PDAを得る際、例えば比較例に示す通り、
異性体を含むm−DNBを亜硫酸ソーダで苛酷な処理を
行ったり、或いは直接水素化し苛酷な精留を行っている
が、いずれの方法も品質及び収率共満足いく技術ではな
く、工業的に不利な製造方法である。これに対し、本発
明は実施例に示す通り、粗m−DNB中の異性体のみを
塩基性化合物の存在下、若しくは相間移動触媒の併用
下、フェノール類を用い比較的温和な条件下でフェノキ
シ化反応を行い、対応するフェノキシニトロベンゼンに
変換し引き続き水素化後分留を行えば、従来技術と比べ
はるかに容易に高収率で、且つ高純度のm−PDAが得
られる事は明白であり、本発明の意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−141542(JP,A) 特開 平5−331113(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 211/51 B01J 31/02 102 C07C 209/36 C07C 209/86 C07B 61/00 300

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 o−及びp−ジニトロベンゼンを含有す
    る粗m−ジニトロベンゼンを塩基性化合物の存在下、一
    般式(1)(化1) 【化1】 及び/または一般式(2)(化2) 【化2】 〔式中、各Rはそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水酸
    基、アルキル基、アミノ基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アセチル基、フェニル基、ベンジル基を示し、m
    は1〜5の整数、nは1〜4の整数である。Xは、炭素
    数1〜10の2価の炭化水素基、或いは−C(CF32
    −、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−N=
    N−、−NH−、又は−O−の2価の基を示し、更にX
    は単結合で直接結合していてもよい。〕で表されるフェ
    ノール類と反応させて、実質的にo−、p−ジニトロベ
    ンゼンのみを選択的に対応するフェノキシニトロベンゼ
    ンに転化し、得られた反応混合物からm−ジニトロベン
    ゼンを分離する事なく、そのまま水素化反応を行い、つ
    いで得られたm−フェニレンジアミンを蒸留により分離
    する事を特徴とする高純度m−フェニレンジアミンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフェノキシ化反応に於い
    て、相間移動触媒を添加する事を特徴とする高純度m−
    フェニレンジアミンの製造方法。
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