JP3118093U - 生物剤に対する保護のための濾過装置 - Google Patents

Abstract

【課題】新規コネクタによって接続されたフェイスマスクと、生物剤に対するフィルターによって構成された濾過装置を提供する。
【解決手段】生物剤に対する防護用フィルターは、細菌及びウィルスに対する防壁として高い効率を有するセラミック微小繊維で作られたひだのある膜から成る使い捨てフィルターである。フィルターは、制御された気密及び丸い角をもつ透明プラスチック容器、例えばポリプロピレン、ブタジエン−スチレン、又はＥＶＡ−ポリカーボネートコポリマーの容器内に置かれる。
【効果】コネクタは、簡単で、速く、そして効率的な方法で、フィルターをマスクに接続する。前記濾過装置は、生物剤に対する非常に高い防壁、高い密閉性を提供し、そして使用するのが非常に簡単である。
【選択図】なし

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、新しいコネクタによって連結されたフェイスマスクと、生物剤に対するフィルターによって構成された濾過装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
先行技術
労働者が、感染症、アレルギー、又は毒性を引き起こしうる、遺伝学的に修飾されたものを含む微生物である伝染性生物剤にさらされるいくつかの環境が存在する。
いくつかの労働環境、例えば微生物学実験室、及びバイオテクノロジー関連の産物において、伝染性の薬剤が、通常周知である。
他の職種においても、労働者がさらされる薬剤は知られておらず、そして可能性のある危険性だけが評価されることができる；例えば農作業、廃棄物処理、特に医療系廃棄物、獣医学の実験室、救急のクリーンアップにおいてこれが起こる。
【０００３】
これらの全ての状況において、防護手段の使用が厳密に必要である。特に、空気によるウイルスの伝染からのユーザーの防護を保証する必要があるあらゆる状況において防護マスクが広く使用される。
【０００４】
数種類の防護マスクが、例えばＥＰ０４５９１２３Ｂｌ（優先権ＤＥ４０１７３３６）、ＥＰ０５１１５９２Ａ１（優先権ＩＴＭＩ９１１１７２）、ＥＰ０５１１５９３Ｂ２（優先権ＩＴＭＩ９１１１７１）及びＩＴ１０４５６４４に記載されている。これらのマスクは、ガス、粉から、及び化学薬品に対してユーザーの防護を保証する。
多くの活動、例えば病院及び獣医学環境において、生物剤に対する防護が必要とされる。
例えば、生物剤に対する防護は、細菌によって容易に汚染される可能性があり、それによって続く患者への伝染の危険性を増大させる麻酔装置において重要である。
【０００５】
麻酔用呼吸装置による交差感染の問題に関するいくつかの研究がある（例えば、■Ｃｉｒｃｕｉｔｉ ｐｅｒ ａｎｅｓｔｅｓｉａ ｅ ｉｎｆｅｚｉｏｎｅ ｃｒｏｃｉａｔａ■−Ｄ．Ｔ．Ｍ− Ｌｅｉｊｔｅｎ、Ｒ．Ｐ．Ｍｏｔｏｎ、Ｖ．Ｓ．Ｒｅｊｇｅｒ-Ｉｎｃｏｎｔｒｏ ｄｉ ａｇｇｉｏｒｎａｍｅｎｔｏ Ａ．Ａ．Ｒ．Ｏ．Ｉ．−Ａｒｅｚｚｏ １９９１を参照のこと）。
【０００６】
汚染から麻酔用装置を、並びに汚染された装置から患者を守るために、最も能率的な方法は空気濾過である。
この目的のためのフィルターは、例えば■Ｂａｃｔｅｒｉａ Ｒｅｍｏｖａｌ ｏｆ ｔｈｅ Ｐａｌｌ Ｕｌｔｉｐｏｒ Ｂｒｅａｔｈｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ Ｆｉｌｔｅｒ■ − Ｍ．Ｊ． Ｌａｔｈａｍ Ｐｈ． Ｄ．，Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ ａｎｄ Ｌａｂｏｒａｔｏｒｙ Ｓｅｒｖｉｃｅｓ， Ｐａｌｌ Ｅｕｒｏｐｅ Ｌｉｍｉｔｅｄに記載されている。
【０００７】
他の環境において、アクアラングが生物剤に対する防護装置として使用される。
アクアラングは非常に高い効率をもっているが、関連した障害を伴うそれらの大きさ、及び緊急時の作業のような不快な環境における故障のためにいくつかの問題点を示す。
その結果、生物剤に対する効果的な防壁を保証することに加えて、あらゆる環境において使用が簡単であり、かつ、快適である濾過装置を発見する必要があった。
【考案の開示】
【０００８】
概要
本発明は、新規コネクタによって連結されたフェイスマスクと、生物剤に対するフィルターによって構成された濾過装置に関する。
前記濾過装置は、生物剤に対する高い防壁特性、高い密閉性を有し、そして使用がとても簡単である。
【０００９】
本発明の説明
新規濾過装置は以下の：
Ａ）防護マスク
Ｂ）生物剤に対するフィルター
Ｃ）フィルターをマスクに容易に、速やかに、そして効果的に連結するのに有用なコネクタ、
から成る。
図１と図２は、それぞれ濾過装置の正面図と側面図を表す。
図２において、フィルターは文字Ｂによって示され、一方コネクタは文字Ｃによってマークされている。
マスクは、特にＥＮ１３６：９８、クラス３、及びＤｉｒｅｃｔｉｖｅ ８９／６８６／ＣＥＥ、及び続く変更を伴う現行の規則に従った防護マスクである。
【００１０】
マスクは、プラスチック製のフェイス−ピース、主としてブチルゴム又はシリコン製フェイス−ピース、ユーザーの視野を与えうる透明プラスチックのスクリーン、例えばポリカーボネートのスクリーン、並びに上記マスクの内側の部分をフィルター又はアクアラングと連絡させるための呼吸手段、呼気弁、吸気弁、及び発声手段を含むプラスチック群を含む。
前記フェイス−ピースは、ユーザーの顔に接するように配置されたシール・リップ、そしてスクリーンが傷付くのを防ぐための空気循環を提供する２つの弁を提供する。
マスクは、速くそして用意に固定するためのバックルを備える。
マスクは、ガス、粉末、及び化学薬品に対する典型的なフィルターの使用、酸素の閉回路呼吸装置の使用、並びに過圧力条件下での使用を可能にするＥＮ１４８−１−ＤＩＮ ３１８３コネクタを備えた全ての呼吸装置で使用することができる、標準のネジ切りをもつスリーブを備える。
【００１１】
生物剤に対する防護用フィルターは、最近及びウイルスに対する防壁として高い効率を有するセラミック微小繊維で作られたひだのある膜にから成る使い捨てフィルターである。
フィルターは、制御された気密及び丸い角をもつ透明プラスチック容器、例えばポリプロピレン、ブタジエン−スチレン、又はＥＶＡ−ポリカーボネートコポリマーの容器内に置かれる。
図３及び図４は、ｍｍで関連した寸法によりフィルターを表す。さらに、フィルター内の膜の位置をも示す。膜は、＞７０ｄｉｎｅ／ｃｍの表面張力により液体の貫通を避ける、労働者側で疎水性（液密）であり、そして高い加湿収率を保証するために環境側で親水性である。
６０ｌ／分での防湿性は、＜２，５ｃｍ Ｈ₂Ｏであり、そして呼気段階における湿気の損失は、８ｍｇ／ｌ未満である。
フィルターは、吸気段階中の気体からの高い熱回収をも提供する。
濾過面積が７００ｃｍ²である一方で、全体的な交換表面は、１０ｍ²超である。
フィルターの重さは、４４〜５０ｇの範囲にあり、そして用量は、８０〜９０ｍｌに及ぶ。
【００１２】
先に記載され、そして本発明の濾過装置で使用されるフィルターは、ガス及び汚染された体液のような液体によって伝染しうるウイルス及び細菌の貫通に対し総合的な防壁を提供するために、呼吸回路として衛生関係の分野で広く使用される既知の装置である。
その結果、それは標準的な衛生関係の装置における使用のためにコネクタ、例えば標準ＩＳＯ５３５６−１及び５３５６−２に従うコネクタ２２／１５ Ｍ／Ｆを備える。
さらに、標準ＩＳＯ５９４−２に従うＬｕｅｒ−ｌｏｃｋモニタリングのためのコネクタをも取り付け可能である。
【００１３】
フィルターは、マスクのような防護デバイスとの組み合わせた使用のために構成されず、そして決して用いられなかった。
コネクタ（図５及び６）は、マスク側で、４０ｍｍに見合う外径をもつ円筒、及びそれをマスクにねじ留めするために適当なねじ切りから成る。
フィルター側の外径が３５．５ｍｍである一方で、内径は２５．６（＋０．２／−０．０）ｍｍである。
円筒は、プラスチック材料、特にグラスファイバーを含むポリアセタール・コポリマー（ｐｏｌｙａｃｅｔａｌｉｃ ｃｏｐｏｌｙｍｅｒ）で作られる。
コネクタの内壁は、遮蔽及び密封機能をもつＯ−リングを挿入する、端（フィルター側）から５ｍｍの距離に、４ｍｍの幅で、そして２．４ｍｍの深さの環状の小溝を有する。
前記リングは、様々な混合物、例えばフルオロ、シリコン、エチレン−プロピレン、又はニトリル・ベースの混合物、好ましくはニトリリック混合物で製造されることができる。
【００１４】
コネクタは、ねじで留めすることによってマスクに利用されることができて、その回転により、容易に圧力をかけることによって前記フィルターの速くて、容易な適用を保証する。
フィルターは、フェイスマスクへのより速い適用を可能にするために、予めコネクタと組み立てられることもできる；この場合、Ｏ−リングは必要ではなく、そして上記組み立ては、例えば好適なにかわの使用のような既知の技術によって達成されうる。
フィルターの防壁特性、及びマスクとコネクタとの密封の組み合わせのおかげで、前記装置は生物剤に対する能率的な防護を提供する。
【００１５】
細菌とウイルスに対する防壁としてのヒダのあるフィルターの効果は、微生物含有エアロゾル、及び細菌とウイルスによって汚染された液体による試験によって広く調査されてきた。
特に、フィルターが、Ｃ型肝炎ウイルス（ＨＣＶ）、Ｂ型肝炎ウイルス（ＨＢＶ）、ヒト免疫不全ウイルス（ＨＩＶ）、シュードモナス種（Ｓｐ．Ｐｓｅｕｄｏｍｏｎａｓ）、スタフィロコッカス・アウレウス（Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅｕｓ）、セラチア・マルセッセンス（Ｓｅｒｒａｔｉａ Ｍａｒｃｅｓｃｅｎｓ）、ミコバクテリウム・ツベルクロシス（Ｍｙｃｏｂａｃｔｅｒｉｕｍ Ｔｕｂｅｒｃｕｌｏｓｉｓ）、及びウイルスＭＳ２（バクテリオファージ）による汚染を防ぐのに有効であると分かった。
【００１６】
主な既知の試験の詳細は、以下の刊行物：
− 「呼吸装置内のＣ型肝炎伝染の防壁としてのヒダのある疎水性フィルターの効果」（Ｇ．Ｌｉｏｙｄ， Ｊ．Ｈｏｗｅｌｌｓ， Ｊ．Ｂｅｎｂｏｕｇｈ −Ｃｅｎｔｒｅ ｆｏｒ Ａｐｐｌｉｅｄ Ｍｉｃｒｏｂｉｏｌｏｇｙ ＆ Ｒｅｓｅａｒｃｈ− Ｐｏｒｔｏｎ Ｄｏｗｎ， Ｓａｌｉｓｂｕｒｙ， Ｗｉｌｔｓｈｉｒｅ ＳＰ４ ＯＪＧ， ＵＫ）；
【００１７】
− 「呼吸装置内のヒト免疫不全ウイルス伝染に対する防壁としてのヒダのある疎水性フィルターの効果」（Ｇ．Ｌｉｏｙｄ， Ｊ．Ｈｏｗｅｌｌｓ ―Ｃｅｎｔｒｅ ｆｏｒ Ａｐｐｌｉｅｄ Ｍｉｃｒｏｂｉｏｌｏｇｙ ＆ Ｒｅｓｅａｒｃｈ− Ｐｏｒｔｏｎ Ｄｏｗｎ， Ｓａｌｉｓｂｕｒｙ， Ｗｉｌｔｓｈｉｒｅ ＳＰ４ ＯＪＧ， ＵＫ）；
【００１８】
− “ｅｆｆｉｃａｃｉａ ｄｉ ｕｎ ｆｉｌｔｒｏ ｉｄｒｏｆｏｂｉｃｏ ｃｏｎ ｍｅｍｂｒａｎａ ｐｉｅｇｈｅｔｔａｔａ ｑｕａｌｅ ｂａｒｒｉｅｒａ ａｌｌａ ｔｒａｓｍｉｓｓｉｏｎｅ ｄｅｌ Ｍｙｃｏｂａｃｔｅｒｉｕｍ Ｔｕｂｅｒｃｕｌｏｓｉｓ ｎｅｉ ｓｉｓｔｅｍｉ ｄｉ ｖｅｎｔｉｌａｚｉｏｎｅ ａｒｔｉｆｉｃｉａｌｅ” （Ｓ．Ｓｐｅｉｇｔｈ， Ａ．Ｍ．Ｂｅｎｎｅｔ， Ｍ．Ｒ．Ｌｅｖｅｒ， Ｊ．Ｂｅｎｂｏｕｇｈ −Ｃｅｎｔｒｅ ｆｏｒ Ａｐｐｌｉｅｄ Ｍｉｃｒｏｂｉｏｌｏｇｙ ＆ Ｒｅｓｅａｒｃｈ― Ｐｏｒｔｏｎ Ｄｏｗｎ， Ｓａｌｉｓｂｕｒｙ， Ｗｉｌｔｓｈｉｒｅ ＳＰ４ ＯＪＧ， ＵＫ）、
で見つけることができる。
前述の試験する全てにおいて、フィルター効率が９９．９９９９％より優れていることが分かった。
【００１９】
さらに、フィルターの防壁効果は、単分散させたバクテリオファージＭＳ−２のエアロゾルによって証明された（Ｐａｌｌ Ｕｌｔｉｐｏｒ Ｂｒｅａｔｈｉｎｇ装置・フィルターのウイルス除去効果 −Ｐ．Ｒ．Ｂａｌｌ， Ｄ．Ｓａｕｎｄｅｒｓ− Ｂｓｃ．Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ ａｎｄ Ｌａｂｏｒａｔｏｒｙ ｓｅｒｖｉｃｅｓ Ｐａｌｌ Ｅｕｒｏｐｅ Ｌｉｍｉｔｅｄ）。
ＭＳ−２は、ヒトに対して病原性ではなく、似通った形状及び大きさのヒトに病原性をもつウイルスを模擬するために役立つ、０．０２μｍのおおよその寸法をもつポリヘドリック・ウイルスである。
この場合においても、フィルターの効率が、９９，９９９％より優れていることが分かった。
【００２０】
それは、前記試験が、最も重要な状況に相当する、単分散させた粒子を用いて実施されたことに言及することに価値がある；通常の条件において、大抵の微生物は単分散されず、それどころか、それらは通常状態における使用の効率がむしろ試験の結果を超越するような、幅広い種類の液滴形態及び単独の微生物として存在する。
その結果、フィルターは、ＭＳ−２バクテリオファージより大きな寸法をもつ全ての微生物、特にバチルス・アンスラシス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ Ａｎｔｌｉｒａｃｉｓ）に対して有効である。
【００２１】
コネクタは、濾過装置を使用している間の安全な気密を保証する非常に高い密閉性を有する。
フェイス−ピースは、ユーザーの顔に接するように、かつ、あらゆる顔面の形状に適応するように配置されたシール・リップを伴って提供される；これは、完璧で、かつ、安全な密閉性を保証する。
全体的な装置の密閉性は、マスク検査装置によって実施された空気圧式試験（ａ ｐｎｅｕｍａｔｉｃ ｔｅｓｔ）によって評価された。
【００２２】
本発明の装置は、その軽さ及びその使用の容易さのおかげで、それを装着するための簡単な方法のおかげで、そして最後に、適用及びマスクからのフィルターの撤去の迅速な方法のおかげで、便利であり、かつ、快適である。
マスクは、以下の手順：
フィルターをコネクタを介してマスクに連結し、そして
そのマスクをストラップによってユーザーの顔にぴったりと固定する、
を通して装着されることができる。
容易な使用と高い快適性を保証することに加えて、その装置は光学的なゆがみが全く無い最大の視野をも保証する。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】濾過装置の正面図を表す。
【図２】濾過装置の側面図を表す。フィルターは文字Ｂによって示され、一方コネクタは文字Ｃによってマークされている。
【図３】ｍｍで関連した寸法によりフィルターを表す。
【図４】ｍｍで関連した寸法によりフィルターを表す。
【図５】マスク側で、４０ｍｍに見合う外径をもつ円筒、及びそれをマスクにねじ留めするために適当なねじ切りから成るコネクタを表す。
【図６】マスク側で、４０ｍｍに見合う外径をもつ円筒、及びそれをマスクにねじ留めするために適当なねじ切りから成るコネクタを表す。

Claims (19)

1. 以下の：
   Ａ）防護用フェイスマスク、
   Ｂ）生物剤に対するフィルター、及び
   Ｃ）上記フィルターを上記マスクに、容易に、速やかに、そして効果的に連結するため有用なコネクタ、
   から成る濾過装置。
2. 前記マスクが、プラスチック製のフェイス−ピース、透明なプラスチック・スクリーン、当該マスクの内側部分をフィルター又はアクアラングと連絡させるための呼吸手段、呼気弁、吸気弁、及び発声手段を含むプラスチック群、そして最後に、シーリング・リップ、及び空気循環のための２つの弁を含むことを特徴とする、請求項１に記載の濾過装置。
3. 前記プラスチック製フェイス−ピースがブチルゴム又はシリコンで製造され、前記スクリーンがポリカーボネートで製造され、そしてシーリング・リップが天然ゴムで製造されることを特徴とする、請求項２に記載の濾過装置。
4. 素速く締め付けるためのバックルを備えることを特徴とする、請求項１に記載の濾過装置。
5. ＥＮ １４８−１ ＤＩＮ ３１８３コネクタを備えたあらゆる呼吸装置で使用可能なネジ切りをもつスリーブを備えることを特徴とする、請求項１に記載の濾過装置。
6. 前記フィルターが、セラミック微細繊維で作製されたヒダのある膜から成る、生物剤に対する防護フィルターであることを特徴とする、請求項１に記載の濾過装置。
7. 前記膜が、労働者側で、＞７０ｄｉｎｅ／ｃｍの表面張力により液体の貫通を避ける疎水性であり、かつ、高い加湿収率を確保するために、環境側で親水性である、請求項６に記載の濾過装置。
8. 前記膜が、制御された気密及び丸い角を有する透明なプラスチック容器内に配置される、請求項６に記載の濾過装置。
9. 前記容器のプラスチック材料が、ポリプロピレン、ブタジエン−スチレン、又はＥＶＡ−ポリカーボネート・コポリマーで作製される、請求項８に記載の濾過装置。
10. 前記コネクタが、マスク側で、４０ｍｍに見合う外径をもつ円筒、及びそれをマスク上にねじ留めするための適当なネジ切りから成り；フィルター側の外径が３５．５ｍｍであり、一方で、内径が２５．６（＋０．２／−０．０）ｍｍであることを特徴とする、請求項１に記載の濾過装置。
11. コネクタの内部壁に、遮蔽及び密閉機能をもつＯ−リングが挿入される、端（フィルター側）から５ｍｍの距離に、４ｍｍの幅と２．４ｍｍの深さの環状の小溝を有することを特徴とする、請求項１０に記載の濾過装置。
12. 前記円筒が、プラスチック材料で作製されていることを特徴とする、請求項１０に記載の濾過装置。
13. 前記の円筒のプラスチック材料が、グラスファイバーを含むポリアセタール・コポリマーである、請求項１２に記載の濾過装置。
14. 前記Ｏ−リングが、フルオロ若しくはシリコン、又はエチレン−プロピレン、あるいはニトリル・ベースの混合物によって製造されることを特徴とする、請求項１１に記載の濾過装置。
15. 生物剤に対する防護手段として請求項１に記載の濾過装置を使用する方法。
16. 前記生物剤が、Ｃ型肝炎ウイルス（ＨＣＶ）、Ｂ型肝炎ウイルス（ＨＢＶ）、ヒト免疫不全ウイルス（ＨＩＶ）、シュードモナス種、スタフィロコッカス・アウレウス、セラチア・マルセッセンス、及びミコバクテリウム・ツベルクロシスである、請求項１５に記載の濾過装置の使用方法。
17. 前記生物剤がバチルス・アンスラシスである、請求項１５に記載の濾過装置の使用方法。
18. 防護マスクと、生物剤に対するフィルターとを接続するために有用である、請求項１０に記載のコネクタ。
19. 請求項２に記載のマスクと、請求項６に記載のフィルターとを接続するために請求項１８に記載のコネクタを使用する方法。

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