JP3118062U - 度付きサングラス - Google Patents

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武彦 吉田
充久 植梶
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Abstract

【課題】デザイン性に優れ、軽量且つ外観を変更可能な度付きサングラスを提供する。
【解決手段】左右一対のテンプル7に連結されたフレーム2と、フレーム2に対して着脱自在に取り付けられ、内側に開口部30が形成された可撓性のサングラスレンズ3と、サングラスレンズ3の開口部30に嵌着された度付きレンズ4とを備える。
【選択図】図1

Description

本考案は、デザイン性に優れ、軽量且つ外観を変更可能な度付きサングラスに関する。
近年、デザイン性に優れたサングラスのニーズが高まっており、例えば、顔面の形状に沿うように前方に向けて大きな曲率で湾曲したサングラス等、デザイン性に優れた各種のサングラスが市販されている。また、近年、常時度付き眼鏡を使用している近眼者や老眼者が、度付き眼鏡を使用したままサングラスを使用できるように、度付き眼鏡と重ね合わせることが可能なサングラスが市販されている。しかし、サングラスを度付き眼鏡に重ね合わせると、サングラス及び度付き眼鏡のデザイン性が損なわれ、さらに、眼鏡全体としての重量が増加し、使用者に不快感や疲労感を与えるという問題がある。
そこで、このような問題を解決することを目的として、特許文献1に記載のサングラスや、特許文献2に記載の眼鏡が提案されている。これらの公報に記載のサングラスや眼鏡は、内側に開口部が形成された度無しのサングラスレンズがフレームに固定されており、このサングラスレンズの開口部に度付きレンズが嵌着されて構成されている。このようなサングラス及び眼鏡は、使用者が、サングラスレンズを通して物体を見ることで、サングラスとして使用でき、度付きレンズを通して物体を見ることで、度付き眼鏡として使用することができる。
登録実用新案第3008949号公報 登録実用新案第3044534号公報
しかし、上記文献記載のサングラスや眼鏡は、サングラスレンズがフレームに固定されているため、サングラスレンズを取り替えて、使用者の好みやTPO(時(Time)、所(Place)、場所(Occasion))に応じた外観に変更することができないという問題がある。
本考案は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、デザイン性に優れ、軽量且つ外観を変更可能な度付きサングラスを提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本考案は、実用新案登録請求の範囲の請求項1に記載の如く、左右一対のテンプルに連結されたフレームと、前記フレームに対して着脱自在に取り付けられ、内側に開口部が形成された可撓性のサングラスレンズと、前記サングラスレンズの開口部に嵌着された度付きレンズとを備えることを特徴とする度付きサングラスを提供するものである。
本考案の度付きサングラスは、サングラスレンズの開口部に度付きレンズが嵌着される構成となっているために、サングラスレンズと度付きレンズとを重ね合わせる必要が無く、そのため、サングラスと度付き眼鏡とを重ね合わせることでデザイン性が損なわれるという問題を回避することが可能である。また、このような重ね合わせの必要が無いので、重ね合わせによる重量の増加も回避することが可能である。さらに、本考案の度付きサングラスは、サングラスレンズがフレームに対して着脱自在に取り付けられているため、サングラスレンズを取り替えることで、外観を変更することも可能である。
サングラスレンズの開口部に度付きレンズを嵌着させるための具体的構成としては、実用新案登録請求の範囲の請求項2の如く、前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか一方に凸部が設けられると共に、前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか他方に前記凸部と嵌合する凹部が設けられた構成を採用することが可能である。
斯かる構成によれば、凸部と凹部とを嵌合させることにより、度付きレンズを開口部に確実に嵌着させることができる。
好ましくは、実用新案登録請求の範囲の請求項3の如く、前記凸部は、前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか一方に部分的に設けられ、及び/又は、前記凹部は、前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか他方に部分的に設けられている構成とすることができる。
斯かる好ましい構成によれば、凹部と凸部とが部分的に設けられているので、サングラスレンズの内周縁の一部分と度付きレンズの外周縁の一部分とが嵌合することになる。このように、一部分のみが嵌合する構成とすると、全体が嵌合する構成に比べて、局所的に高い応力が度付きレンズに発生し難い。よって、斯かる好ましい構成によれば、局所的に高い応力によって度付きレンズが欠けたり、割れたりすることを防ぐことができる。
また、サングラスレンズの具体的構成として、実用新案登録請求の範囲の請求項4の如く、前記サングラスレンズは、内側にそれぞれ開口部が形成された左右一対のリム部と、該左右一対のリム部を連結し該左右一対のリム部と一体的に形成されたブリッジ部とを備え、前記左右一対のリム部及び前記ブリッジ部は、前記フレームに対して一体として着脱自在である構成を採用することが可能である。
斯かる構成によれば、リム部とブリッジ部とが一体として着脱自在であるので、サングラスレンズの着脱を容易に行うことができる。
また、サングラスレンズの他の具体的構成として、実用新案登録請求の範囲の請求項5の如く、前記サングラスレンズは、内側にそれぞれ開口部が形成された左右一対のリム部を備え、前記左右一対のリム部は、前記フレームに対して互いに独立して着脱自在である構成としてもよい。
斯かる構成によれば、左右一対のリム部が独立して着脱自在であるので、それぞれのリム部を独立して取り替えることが可能である。従って、例えば、左右のリム部の色や形状の組み合わせを自由に変更することができ、度付きサングラスの外観の細かい変更も可能となる。
本考案の度付きサングラスは、サングラスレンズの開口部に度付き眼鏡が嵌着される構成となっているため、サングラスレンズと度付きレンズとを重ね合わせる必要が無く、通常のサングラスと同等の優れたデザイン性を備えることが可能である。また、サングラスレンズと度付きレンズとを重ね合わせる必要が無いため、重量が増加するという問題も回避でき、軽量化を図ることが可能である。さらに、サングラスレンズがフレームに対して着脱自在に取り付けられているため、サングラスレンズを取り替えることで、外観を変更することも可能である。
(実施形態1)
以下、添付図面を参照しつつ、本考案の一実施形態に係る度付きサングラス1について説明する。図1(a)は、度付きサングラス1の正面図であり、度付きレンズ4が嵌着されたサングラスレンズ3がフレーム2(図1(b)参照)に装着された状態を示し、図1(b)は、その平面図である。
度付きサングラス1は、左右一対のテンプル7に連結されたフレーム2と、フレーム2に対して着脱自在に取り付けられ、内側に開口部が形成された可撓性のサングラスレンズ3と、サングラスレンズ3の開口部に嵌着された度付きレンズ4とを備えている。
サングラスレンズ3は、図1(b)に示すように、顔面の形状に沿うように前方(図1(b)における矢印X方向)に向けて所定の曲率で湾曲した薄板状に形成されている。サングラスレンズ3の材質は、特に限定されるものでないが、例えばポリカーボネートなどの可撓性を有する材料を使用することができる。
図2(a)は、サングラスレンズ3の正面図であり、図2(b)は、図2(a)のA―A断面図である。サングラスレンズ3は、内側にそれぞれ開口部30が形成された左右一対のリム部31と、該左右一対のリム部31を連結し、該左右一対のリム部31と一体的に形成されたブリッジ部32とを備え、左右一対のリム部31及びブリッジ部32は、フレーム2に対して一体として着脱自在な構成となっている。各リム部31の開口部30の内周縁30aには、内周縁30aに沿って形成された凸部30bが設けられている。凸部30bは、内周縁30aの全周に設けられていても、また、部分的に設けられていてもよい。本実施形態では、凸部30bは、図2(a)に示すように、内周縁30aの上下左右の4箇所に別れて部分的に設けられている。なお、凸部30bを部分的に設ける場合において、凸部30bが設けられる内周縁30aの位置は、特に限定されるものでなく、例えば、内周縁30aの上下或いは左右の2箇所などであってもよい。
さらに、本実施形態に係るサングラスレンズ3は、フレーム2に装着される装着部を備えている。装着部は、フレーム2と磁着する磁着部33とフレーム2と係合する係合部34とで構成されている。磁着部33は、サングラスレンズ3に穿孔された孔に、磁石又はステンレスなどの磁性体材料を嵌め込むことによって形成されている。この磁石や磁性体材料は、サングラスレンズ3の前面及び後面の両面に露出している。本実施形態では、磁着部33は、図2(a)に示すように、左右の各リム部31の開口部30より外側に形成されている。このように、磁着部33に用いられる磁石又は磁性体材料がサングラスレンズ3の後面に露出していると、サングラスレンズ3の後面をフレーム2の前面に強固に磁着させることが可能となる。なお、サングラスレンズ3の後面をフレーム2の前面と強固に磁着させることができる限りにおいて、磁着部33に用いられる磁石又は磁性体材料をサングラスレンズ3の後面に露出させなくてもよい。磁石又は磁性体材料をサングラスレンズ3の後面に露出させなくても、磁着を強固に行うことができる場合として、例えば、サングラスレンズ3とフレーム2との磁着を強力な磁石を用いて行う場合などが挙げられる。このような場合は、磁着部33に用いられる磁石又は磁性体材料の後面側を装飾部材などで覆って、サングラスレンズ3の後面のデザイン性を向上させてもよい。
また、サングラスレンズの前面に磁石又は磁性体材料が露出すると、サングラスレンズ3の前面のデザイン性が低下する恐れがある。これを回避する場合は、サングラスレンズ3に穿孔された孔に磁石又は磁性体材料を嵌め込むことに代えて、サングラスレンズ3の後面に磁石又は磁性体材料を接着剤等で接着させることによって磁着部33を形成してもよい。磁石又は磁性体材料をサングラスレンズ3の後面に接着させて形成する場合は、サングラスレンズ3に孔を穿孔する必要が無いため、磁着部33を比較的容易に形成することができる。なお、磁着部33が形成される位置及び数は、特に限定されるものでなく、使用者の視界の確保やデザイン性などを考慮して決定することができる。
一方、係合部34は、本実施形態においては、図2(a)に示すように、ブリッジ部32の下部から上方向に切り込まれた切欠きによって構成されている。係合部34が形成される位置及び数は、特に限定されるものでなく、磁着部23と同様に、使用者の視界の確保やデザイン性などを考慮して決定することができる。
図3(a)は、度付きレンズ4の正面図であり、図3(b)は、図3(a)のB―B断面図である。度付きレンズ4は、図3(a)に示すように、外周縁40aに外周縁40aに沿って形成された凹部40bが設けられている。この凹部40bは、前述した開口部30の内周縁30aに設けられた凸部30bと嵌合可能な形状に形成されている。なお、凹部40bは、外周縁40bの全周に設けられる必要は無く、少なくとも、凸部30bと対応する位置に設けられていればよい。例えば、本実施形態のように、凸部30bが開口部30の内周縁30aの上下左右の4箇所に設けられている場合は、凹部40bは、少なくとも外周縁40aの上下左右に設けられていればよい。なお、度付きレンズ40の種類は、特に限定されるものでなく、度付きのサングラスレンズであっても、通常の透明な度付きのレンズであってもよい。また、左右の各リム部31の開口部30に嵌着させる度付きレンズ4は、度や色等が同じである必要はなく、例えば、左右の開口部30に嵌着される度付きレンズ4の組み合わせは、TPOや使用者の好みに応じたものとすることができる。
図4は、サングラスレンズ3がフレーム2から取り外された状態の度付きサングラス1の正面図である。フレーム2は、外枠21と、連結部材22と、装着部とを備えている。外枠21は、サングラスレンズ3の外周縁と対応した形状となっており、図1(b)に示すように、サングラスレンズ3に対応した曲率をもって湾曲している。この曲率は、特に限定されるものでないが、本実施形態では、曲率半径が80〜150mmの曲率を採用している。曲率半径が80〜150mmの曲率は、スポーツ用サングラス等に使用されている6カーブレンズや、8カーブレンズと呼ばれる曲率の大きいレンズを装着するフレームに採用されている大きさであり、通常のサングラスや通常の眼鏡のフレームに採用されている曲率(曲率半径:250〜450mm)に比べて大きい曲率である。
連結部材22は、外枠21の左右方向中央部の上下を連結している。装着部は、サングラスレンズ3を装着するための構成となっており、本実施形態では、サングラスレンズ3と磁着する磁石23と、サングラスレンズ3と係合する係止部24とで構成されている。磁石23は、外枠21に固定され、サングラスレンズ3の磁着部33と対応した位置に支持されている。本実施形態では、磁着部33がサングラスレンズの左右の各リム部31の開口部30より外側(サングラスレンズ3の左右両端)に形成されているので、磁石23は、外枠21の内側の左右両端の位置に支持されている。このように、磁着部33と対応した位置に磁石23が支持されていることで、サングラスレンズ3と外枠21とを磁着させることができ、この磁着によってサングラスレンズ3を外枠21に密着させた状態でフレーム2に装着せることができる。従って、度付きサングラス1全体が優れたデザインを保つことが可能となる。なお、磁石23は、磁着部33に磁石が用いられる場合は、磁着部33と互いに引き付け合う方向に磁極の向きが設定されることになる。また、磁着部33に磁石が用いられる場合は、磁石23に代えて磁性体材料を用いることも可能である。
一方、係止部24は、図5に示すように、係合部34を構成する切欠きと係合可能な側面視略L字状の部材によって構成されている。本実施形態では、この略L字状の部材は、外枠21の前方へ突出するように、外枠21の左右方向中央部の下部に取り付けられている。なお、係止部24の構成は、係合部34と係合することができる構成である限りにおいて、特に限定されるものではない。
図4に示すように、フレーム2の外枠21の左右両端には、ヨロイ5が形成されている。本実施形態においては、ヨロイ5は、フレーム2と一体物として形成されている。この左右の各ヨロイ5は、丁番構造6(図1(b)参照)を介してテンプル7と連結されている。さらに、外枠21の左右方向中央部よりやや外側の下部には、左右一対のパッド8が取り付けられている。
以上の構成を有する度付きサングラス1において、度付きレンズ4のサングラスレンズ3の開口部30への嵌着、及びサングラスレンズ3のフレーム2への装着について説明する。まず、度付きレンズ4のサングラスレンズ3の開口部30への嵌着について説明する。度付きレンズ4のサングラスレンズ3の開口部30への嵌着は、度付きレンズ4を開口部30に押し込むことによって行うことができる。即ち、上記したように、サングラスレンズ3が可撓性を備えているので、度付きレンズ4を開口部30に押し込むと、開口部30が度付きレンズ4の外周縁40aによって押し広げられる。そして、度付きレンズ4の凹部40bが凸部30bの設けられた位置まで押し込まれると、開口部30が元の大きさに戻ろうとして、図6に示すように、凸部30bと凹部40bとが嵌合し、この嵌合によって開口部30と度付きレンズ4とが嵌着する。また、開口部30から度付きレンズ4を取り外す場合は、サングラスレンズ3の前方又は後方に度付きレンズ4を押し出せばよい。サングラスレンズ3が可撓性を備えているので、度付きレンズ4を押し出すと、度付きレンズ4の外周部40aによって開口部30が押し広げられ、凸部30bと凹部40bとの嵌合が解除されることにより、開口部30から度付きレンズ4の取り外しが行われる。
次に、サングラスレンズ3のフレーム2への装着について説明する。サングラスレンズ3のフレーム2への装着は、サングラスレンズ3の後面下部をフレーム2の外枠21の前面上部に当接させ、外枠21に対してサングラスレンズ3を下方にずらして、外枠21とサングラスレンズ3の外周縁とを重ね合わせる。上記したように、磁石23が磁着部33と対応する位置にあるため、サングラスレンズ3の外周縁とフレーム2とが重なり合うと、磁石23と磁着部33が接し、磁石23と磁着部33とが磁着する。また、サングラスレンズ3の外周縁を下方にずらして外枠21に重ね合わせることで、係止部24を構成する略L字状の部材に係合部34を構成する切欠きが上方から嵌り、これによりサングラスレンズ3が係止部24によって下方から支持されることになる。下方からサングラスレンズ3が支持されることによって、サングラスレンズ3がずれ落ちることが防止される。
一方、フレーム2からサングラスレンズ3の取り外しは、上記した装着と逆の手順で行うことができる。即ち、フレーム2に対してサングラスレンズ3を上方にずらし、サングラスレンズ3を外枠21の前面から離すことで行うことができる。
以上のように、度付きサングラス1は、サングラスレンズ3をフレーム2に対して着脱自在に装着することができるため、サングラスレンズ3を取り替えて、外観を変更することが可能である。従って、本実施形態の度付きサングラス1は、度付きレンズ4だけでなく、サングラスレンズ3もTPOや使用者の好みに応じたものとすることが可能であるので、外観をさまざまな形態に変更することが可能である。また、サングラスレンズ3は、左右のリム部31とブリッジ部32とが一体として着脱自在であるので、フレーム2に対する着脱を容易に行うことができる。その上、上記のように、サングラスレンズ3の開口部30に度付きレンズ4が嵌着される構成となっているために、サングラスレンズ3と度付きレンズ4とを重ね合わせる必要が無く、そのため、サングラスレンズと度付きレンズとを重ね合わせることでデザイン性が損なわれるという問題を回避することが可能である。さらに、このような重ね合わせの必要が無いので、従来のようにサングラスと度付き眼鏡を重ね合わせることによって眼鏡全体の重量が増加するという問題も回避することが可能である。
また、度付きレンズ4とサングラスレンズ3の開口部30との嵌着は、凸部30bと凹部40bとの嵌合により行われる構成となっているため、度付きレンズ4を開口部30に確実に嵌着させることができる。
さらに、本実施形態では、上記のように凸部30bが開口部30の内周縁30aに部分的に設けられているので、開口部30の内周縁30aの一部分と度付きレンズ4の外周縁40aの一部分とが嵌合することになる。このように開口部30の内周縁30aと度付きレンズ4の外周縁40aとの一部分のみが嵌合する構成とすると、これらの全体が嵌合する構成に比べて、局所的に高い応力が度付きレンズ4に発生し難く、そのため局所的に高い応力によって度付きレンズ4が欠けたり、割れたりすることを防ぐことができる。
また、度付きレンズ4は、サングラスレンズ3に嵌着したりサングラスレンズ3から取り外したりすることができる構成となっている。そのため、嵌着や取り外しの際に度付きレンズ4に力がかかり、度付きレンズ4が欠けたり、割れたりするおそれがあるので、凸部30bを剛性が比較的低い部材で構成するようにしてもよい。例えば、図7に示すように、内周縁30aの凸部30bを設ける位置に凹溝30cを設け、凹溝30cに内周縁30aから突き出るように、剛性の比較的低い材質で形成された突起部材30dを嵌合させる。この突起部材30dの内周縁30aから突き出た部分が凸部30bを形成することになる。このように、突起部材30dに剛性の比較的低い材質を使用することで、嵌着や取り外しの際に度付きレンズ4が欠けたり、割れたりすることを防ぐことができる。
また、図8(a)に示すように、度付きレンズ4に、開口部30の内周縁30a付近に受け止められる脱落防止部41を形成してもよい。脱落防止部41を形成すると、度付きレンズ4を開口部30に嵌着させるために、開口部30に押し込んでも、図8(b)に示すように、脱落防止部41が内周縁30a付近に受け止められ、開口部30に嵌まり込むことができないので、嵌着の際や、度付きサングラス1を使用している際に度付きレンズ4が開口部30の反対側から抜け落ちることを防止することができる。
なお、上記では凸部30bを開口部30の内周縁30aに設け、度付きレンズ4の外周部40aに凹部40bを設ける構成について説明したが、この構成に代えて、凹部40bを開口部30の内周縁30aに設け、凸部30bを度付きレンズ4の外周部40aに設ける構成を採用することも可能である。
また、本実施形態では、サングラスレンズ3の開口部30と度付きレンズ4が、凸部30bと凹部40bとの嵌合によって脱着自在である場合について説明した。サングラスレンズ3の開口部30と度付きレンズ4との嵌着を確実にするために、前記の嵌合に代えて、或いは、前記嵌合と共に、サングラスレンズ3の開口部30と度付きレンズ4とを接着剤で接着することで、サングラスレンズ3の開口部30と度付きレンズ4との嵌着を行ってもよい。具体的には、例えば、開口部30に度付きレンズ4を嵌め込んだ後に、開口部30の内周縁30bと度付きレンズ4の外周縁40bとの隙間に接着剤を充填することで行う。なお、サングラスレンズ3の開口部30と度付きレンズ4との嵌着を、接着剤での接着のみを用いて行う場合は、開口部30の内周縁30aや度付きレンズ4の外周縁40aに凸部30bや凹部40bを設けることを要しない。なお、この嵌合に用いられる接着剤は、特に限定されるものでなく、例えば、無溶剤系接着剤、紫外線硬化樹脂等を用いることができる。
さらに、上記では、サングラスレンズ3のフレーム2への装着は、磁着と係合とで行っているが、サングラスレンズ3のフレーム2への装着は、これに限定されるものでなく、例えば、磁着及び係合のいずれか一方のみで行うことや、或いはビス留め等を用いて行うことも可能である。
(実施形態2)
図9は、本実施形態に係る度付きサングラス1Aの正面図であり、度付きレンズ4Aが装着されたサングラスレンズ3Aがフレーム2Aに取り付けられた状態を示す。本実施形態に係る度付きサングラス1Aも、実施形態1の度付きサングラス1と同様に、左右一対のテンプル7Aに連結されたフレーム2Aと、フレーム2Aに対して着脱自在に取り付けられ、内側に開口部30Aが形成された可撓性のサングラスレンズ3Aと、サングラスレンズ3Aの開口部30Aに嵌着された度付きレンズ4Aとを備えている。
本実施形態のサングラスレンズ3Aは、内側にそれぞれ開口部30Aが形成された左右一対のリム部31Aを備え、左右一対のリム部31Aは、フレーム2Aに対して互いに独立して着脱自在である構成となっている。左右一対の各リム部31Aは、フレーム2Aに装着される装着部を備えている。図10は、左右一対のリム部31Aの正面図である。図10に示すように、装着部35Aは、リム部31Aの上部(例えば、開口部30Aの上側の部分)に穿孔された2つのビス孔35aから構成されている。各リム部31Aの前面上部は、2つのビス孔35aを覆う装飾部材36(図9参照)を取り付けることが可能な構成となっている。さらに、左右一対の各リム部31Aは、実施形態1の左右一対の各リム部31と同様の構成により、度付きレンズ4Aを開口部30Aに嵌着することができるようになっている。
図11は、フレーム2Aの正面図である。図11に示すように、フレーム2は、略直線状の外枠21Aで構成されている。外枠21Aは、サングラスレンズ3Aの各リム部31Aが取り付けられるための装着部25を左右に備えている。図11に示すように、各装着部25は、外枠21Aに穿孔された2つのビス孔25aから構成されている。さらに、外枠21Aの左右両端には、ヨロイ5Aが形成され、左右方向中央部に左右一対のパッド8Aが取り付けられている。左右の各ヨロイ5Aは、実施形態1のヨロイ5と同様に、丁番構造(図示しない)を介してテンプル7Aと連結されている。
以上の構成を有する度付きサングラス1において、サングラスレンズ3Aのフレーム2Aへの装着について説明する。サングラスレンズ3Aの度付きレンズ2への装着は左右一対の各リム部31Aをフレーム2Aに装着することで行う。例えば、左側のリム部31Aをフレーム2Aに装着する場合は、左側のリム部31Aの後面を外枠21Aの左側の装着部25の前面に当接させ、左側のリム部31Aのビス孔35aと外枠21Aの左側の装着部25のビス孔25aとにビスを通し、左側のリム部31Aをフレーム2Aに固定する。次に、装飾部材36を左側のリム部31Aの前面上部に取り付けて、ビス孔35aを覆う。これと同様の方法で、右側のリム部31Aのフレーム2Aへの装着を行うことができる。このように、左右一対の各リム部31Aのフレーム2Aへの装着は、各リム部31A毎に独立して行うことが可能である。
一方、フレーム2Aからサングラスレンズ3Aの取り外しは、左右の各リム部31Aをフレーム2Aから取り外すことで行う。取り外し手順は、上記した装着と逆の手順で行うことができる。例えば、左側のリム部31Aを取り外す場合は、装飾部材36を左側のリム部31Aから取り外し、ビス孔25a、35aからビスを外すことで行うことができる。
このように、本実施形態の度付きサングラス1Aは、左右一対のリム部31Aが独立して着脱自在であるので、それぞれのリム部31Aを独立して取り替えることが可能である。従って、例えば、左右のリム部31Aの色や形状の組み合わせを自由に変更することができ、TPOや使用者の好みに応じて度付きサングラス1Aの外観の細かい変更も可能となる。
なお、上記では、サングラスレンズ3Aの各リム部31Aとフレーム2Aとの装着はビス留めにて行う場合について説明したが、この装着はビス止めに限定されるものでなく、磁着や嵌合或いは磁着と嵌合との両方を用いて行ってもよい。ここでは、磁着と嵌合との両方を用いて装着を行う場合について説明する。
図12は、左右一対の各リム部31Aの背面図である。各リム部31Aの装着部35は、磁着部37と嵌合部38とから構成されている。磁着部37は、図12に示すように、リム部31Aの後面の上部に固定された磁着部材によって構成されている。磁着部材は、磁石や磁性体材料によって構成することができる。嵌合部38は、この磁着部材の背面に形成されている。本実施形態では、図12に示すように、嵌合部38は、磁着部材の背面に2つ形成されている。さらに、各嵌合部38は、磁着部材に形成された上下一対の突起で構成されている。
図13(a)は、フレーム2Aの外枠21Aの正面図であり、図13(b)は、図13(a)の点線で囲んだ部分の拡大図である。外枠21Aの左右の各装着部25は、図13(b)に示すように、外枠21Aに埋設され、外枠21Aの前面において外部に露出した磁石27と、この前面に形成された嵌合部28とで構成されている。本実施形態では、各装着部25は、外枠21Aに交互に配列された3つの磁石27と2つ嵌合部28とによって構成されている。各嵌合部28は、リム部31Aに形成された嵌合部38を構成する上下一対の突起と嵌合する上下一対の凹溝にて構成されている。
以上に説明した構成のフレーム2Aと各リム部31Aとの装着は、リム部31Aに形成された嵌合部38を構成する突起を外枠21Aに形成された嵌合部28を構成する凹溝に前方から差し込んで、嵌合部28、38同士を嵌合させると共に、磁着部37と磁石27とを磁着させることで行う。また、リム部31Aをフレーム2Aから取り外すときは、リム部31Aをフレーム2Aの前方に引っ張ることで、リム部31Aをフレーム2Aから取り外すことで行うことができる。
図1(a)は、本考案の一実施形態に係る度付きサングラスの正面図であり、度付きレンズが嵌着されたサングラスレンズがフレームに装着された状態を示す。図1(b)は、その平面図である。 図2(a)は、サングラスレンズの正面図である。図2(b)は、図2(a)に示すA−A断面の断面図である。 図3(a)は、度付きレンズの正面図である。図3(b)は、図3(a)に示すB−B断面の断面図である。 図4は、サングラスレンズがフレームから取り外された状態の度付きサングラスの正面図である。 図5は、フレームの係止部付近の側面図である。 図6は、度付きレンズが嵌着された状態のサングラスレンズの縦断面図である。 図7は、突起部材で凸部が形成されたサングラスレンズの縦断面図である。 図8は、度付きレンズが嵌着された状態のサングラスレンズの縦断面図である。 図9は、本考案の他の実施形態に係る度付きサングラスの正面図であり、度付きレンズが嵌着されたサングラスレンズがフレームに装着された状態を示す。 図10は、サングラスレンズを構成する左右一対のリム部の正面図である。 図11は、フレームの正面図である。 図12は、左右一対のリム部の背面図である。 図13(a)は、外枠の正面図である。図13(b)は、外枠の部分拡大図である。
符号の説明
1、1A 度付きサングラス
2、2A フレーム
21、21A 外枠
23 磁石
24 係止部
3、3A サングラスレンズ
30、30A 開口部
30a 内周縁
30b 凸部
31、31A リム部
32 ブリッジ部
33 磁着部
34 係合部
4、4A 度付きレンズ
40a 外周縁
40b 凹部
7、7A テンプル

Claims (5)

  1. 左右一対のテンプルに連結されたフレームと、
    前記フレームに対して着脱自在に取り付けられ、内側に開口部が形成された可撓性のサングラスレンズと、
    前記サングラスレンズの開口部に嵌着された度付きレンズとを備えることを特徴とする度付きサングラス。
  2. 前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか一方に凸部が設けられると共に、
    前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか他方に前記凸部と嵌合する凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の度付きサングラス。
  3. 前記凸部は、前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか一方に部分的に設けられ、及び/又は、
    前記凹部は、前記度付きレンズの外周縁及び前記開口部の内周縁の何れか他方に部分的に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の度付きサングラス。
  4. 前記サングラスレンズは、内側にそれぞれ開口部が形成された左右一対のリム部と、該左右一対のリム部を連結し該左右一対のリム部と一体的に形成されたブリッジ部とを備え、
    前記左右一対のリム部及び前記ブリッジ部は、前記フレームに対して一体として着脱自在であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の度付きサングラス。
  5. 前記サングラスレンズは、内側にそれぞれ開口部が形成された左右一対のリム部を備え、
    前記左右一対のリム部は、前記フレームに対して互いに独立して着脱自在とされていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の度付きサングラス。
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