JP3117982U - 光ケーブル成端キャビネット - Google Patents
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Abstract
【課題】作業の際に成端キャビネット内の心線の損傷を防止し、容易にかつ確実に接続作業を行うことができる光ケーブル成端キャビネットを提供する。
【解決手段】ベース板上に左右対称に設置された第1及び第2接続収納部20,30と、第1と第2光ケーブルの心線を接続するべく介在する光ジャンパコード4とを有し、各接続収納部が、下層部とその開閉蓋と、上層部とその開閉蓋と、下層部内側壁に取り付けられた光アダプタとを有し、心線が下層部内にて光アダプタの裏面へ接続可能であり、光ジャンパコードの一端が上層部から取り出され光アダプタの表面の装着部へ接続可能である。
【選択図】図3C
【解決手段】ベース板上に左右対称に設置された第1及び第2接続収納部20,30と、第1と第2光ケーブルの心線を接続するべく介在する光ジャンパコード4とを有し、各接続収納部が、下層部とその開閉蓋と、上層部とその開閉蓋と、下層部内側壁に取り付けられた光アダプタとを有し、心線が下層部内にて光アダプタの裏面へ接続可能であり、光ジャンパコードの一端が上層部から取り出され光アダプタの表面の装着部へ接続可能である。
【選択図】図3C
Description
本考案は、例えば光ファイバーケーブルを構内に引き込む際に構内光ケーブルと接続するための光ケーブル成端キャビネットに関する。
従来、光ファイバーケーブル(以下、「光ケーブル」と略称する)の光ファイバ(心線)を、他の光ケーブルと接続するために成端する成端キャビネット(すなわち成端箱)が知られている。成端キャビネットは、例えば局側からの加入者光ケーブルを構内・宅内に引き込む際に加入者光ケーブルと構内光ケーブルとの間を接続するために設置される。成端キャビネットの側部または内部には、心線をコネクタ接続可能に成端する光コネクタアダプタ(以下、「光アダプタ」と略称する)が設けられている(特許文献1、2参照)。
成端キャビネット内では、通常、一方の側の多数の光ケーブル(例えば局側からの加入者光ケーブル)が成端され、多数の心線が取り出されて成端され各々コネクタが取り付けられ、他方の側の光ケーブル(例えば構内光ケーブル)もまた多数の心線が取り出されて成端され各々コネクタが取り付けられ、そして、接続すべきコネクタ同士を光アダプタを介して接続していた。また、個々の顧客のための回線開通工事及び保守作業においては、接続されているコネクタ同士を切り離して別のコネクタと接続する作業や老朽化した部材を交換する作業等も頻繁に行われていた。さらに、通常、心線には余長部が確保されているためその収納部も設けられる。また、当面使用しない保留心線のある場合はその収納部も設けられる。
また、従来、1本の光ケーブルを分岐するスプリッタは成端キャビネットの外部に設けられることが一般的であった。
特開平10−332949号公報
特開2004−198709号公報
従来の成端キャビネットでは、その内部において双方の側からの多数の心線が輻輳しているため、接続対象の心線を速やかに見出して取り出すことが困難であった。また収納も困難であった。
さらに、回線開通工事や保守作業時に、光ケーブルの心線接続用品や接続工具が必要であった。
また、回線開通工事や保守作業の際に既存の接続された心線を引っかけ切断する故障がしばしば発生した。
さらに、心線余長部または保留心線が適切に収納されていないことから輻輳状態がさらに悪化し、誤切断を誘因していた。
このように、回線開通工事や保守作業を繰り返せば繰り返すほど成端キャビネット内の心線の輻輳状態は悪化していた。
また、スプリッタを成端キャビネットの外部に設置した場合、光ケーブルをスプリッタに引き入れ、分岐された心線を再び引き出して成端キャビネットへ引き入れるべく接続する必要があり煩雑であると同時に、スプリッタを設置するスペースも必要であった。
さらに、回線開通工事や保守作業時に、光ケーブルの心線接続用品や接続工具が必要であった。
また、回線開通工事や保守作業の際に既存の接続された心線を引っかけ切断する故障がしばしば発生した。
さらに、心線余長部または保留心線が適切に収納されていないことから輻輳状態がさらに悪化し、誤切断を誘因していた。
このように、回線開通工事や保守作業を繰り返せば繰り返すほど成端キャビネット内の心線の輻輳状態は悪化していた。
また、スプリッタを成端キャビネットの外部に設置した場合、光ケーブルをスプリッタに引き入れ、分岐された心線を再び引き出して成端キャビネットへ引き入れるべく接続する必要があり煩雑であると同時に、スプリッタを設置するスペースも必要であった。
以上の現状に鑑み本考案は、回線開通工事や保守作業の際に成端キャビネット内の心線の損傷を防止し、心線の輻輳状態を改善し、容易にかつ確実に接続作業を行うことができる光ケーブル成端キャビネットを提供することを目的とする。さらに、スプリッタのための外部スペースを省いてコンパクト化できる光ケーブル成端キャビネットを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく本考案は以下の構成を提供する。なお、括弧内の数字は、図面中の符号である。
(1)請求項1に係る光ケーブル成端キャビネットは、ベース板(12)と外蓋(11)とを具備する筐体内にて第1光ケーブル(2)の心線(2a)と、第2光ケーブル(3)の心線(3a)とをそれぞれ成端させこれらの間を接続する光ケーブル成端キャビネット(1)において、
前記ベース板上の中央空間の両側に左右対称に設置された第1接続収納部(20)及び第2接続収納部(30)と、前記第1光ケーブルの心線(2a)と前記第2光ケーブルの心線(3a)とを接続するべく介在する光ジャンパコード(4)とを有し、
前記第1接続収納部(20)が、前記第1光ケーブルの心線を収納しかつ成端させるための第1下層部(20a)と、前記第1下層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第1下層部開閉蓋(25)と、前記第1下層部開閉蓋上に設けられ前記光ジャンパコードを収納する第1上層部(20b)と、前記第1上層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第1上層部開閉蓋(21)と、前記第1下層部の内側壁に取り付けられかつ表裏各面における対応する装着部同士を接続させる第1光アダプタ(23)とを有し、
前記第2接続収納部(30)が、前記第2光ケーブルの心線を収納しかつ成端させるための第2下層部(30a)と、前記第2下層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第2下層部開閉蓋(35)と、前記第2下層部開閉蓋上に設けられ前記光ジャンパコードを収納する第2上層部(30b)と、前記第2上層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第2上層部開閉蓋(31)と、前記第2下層部の内側壁に取り付けられかつ表裏各面における対応する装着部同士を接続させる第2光アダプタ(33)とを有し、
前記第1光ケーブルの心線(2a)が前記第1下層部(20a)内にて前記第1光アダプタ(23)の裏面の装着部へ接続可能であり、かつ前記光ジャンパコード(4)の一端(4a)が前記第1上層部(20b)から取り出され該第1光アダプタ(23)の表面の装着部へ接続可能であり、かつ
前記第2光ケーブルの心線(3a)が前記第2下層部(30a)内にて前記第2光アダプタ(33)の裏面の装着部へ接続可能であり、かつ前記光ジャンパコード(4)の他端(4a)が前記第2上層部(30b)から取り出され該第2光アダプタ(33)の表面の装着部へ接続可能であることを特徴とする。
(1)請求項1に係る光ケーブル成端キャビネットは、ベース板(12)と外蓋(11)とを具備する筐体内にて第1光ケーブル(2)の心線(2a)と、第2光ケーブル(3)の心線(3a)とをそれぞれ成端させこれらの間を接続する光ケーブル成端キャビネット(1)において、
前記ベース板上の中央空間の両側に左右対称に設置された第1接続収納部(20)及び第2接続収納部(30)と、前記第1光ケーブルの心線(2a)と前記第2光ケーブルの心線(3a)とを接続するべく介在する光ジャンパコード(4)とを有し、
前記第1接続収納部(20)が、前記第1光ケーブルの心線を収納しかつ成端させるための第1下層部(20a)と、前記第1下層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第1下層部開閉蓋(25)と、前記第1下層部開閉蓋上に設けられ前記光ジャンパコードを収納する第1上層部(20b)と、前記第1上層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第1上層部開閉蓋(21)と、前記第1下層部の内側壁に取り付けられかつ表裏各面における対応する装着部同士を接続させる第1光アダプタ(23)とを有し、
前記第2接続収納部(30)が、前記第2光ケーブルの心線を収納しかつ成端させるための第2下層部(30a)と、前記第2下層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第2下層部開閉蓋(35)と、前記第2下層部開閉蓋上に設けられ前記光ジャンパコードを収納する第2上層部(30b)と、前記第2上層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第2上層部開閉蓋(31)と、前記第2下層部の内側壁に取り付けられかつ表裏各面における対応する装着部同士を接続させる第2光アダプタ(33)とを有し、
前記第1光ケーブルの心線(2a)が前記第1下層部(20a)内にて前記第1光アダプタ(23)の裏面の装着部へ接続可能であり、かつ前記光ジャンパコード(4)の一端(4a)が前記第1上層部(20b)から取り出され該第1光アダプタ(23)の表面の装着部へ接続可能であり、かつ
前記第2光ケーブルの心線(3a)が前記第2下層部(30a)内にて前記第2光アダプタ(33)の裏面の装着部へ接続可能であり、かつ前記光ジャンパコード(4)の他端(4a)が前記第2上層部(30b)から取り出され該第2光アダプタ(33)の表面の装着部へ接続可能であることを特徴とする。
(2)請求項2に係る光ケーブル成端キャビネットは、請求項1において、前記第1下層部開閉蓋及び前記第2下層部開閉蓋の回動軸を、それぞれ内側の側縁に設けたことを特徴とする。
(3)請求項3に係る光ケーブル成端キャビネットは、請求項1または2において、前記第1上層部開閉蓋及び前記第2上層部開閉蓋の回動軸を、それぞれ外側の側縁に設けたことを特徴とする。
(4)請求項4に係る光ケーブル成端キャビネットは、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記第1下層部の内側壁及び前記第2下層部の内側壁を、下方から上方へ向かって外側へ傾斜させたことを特徴とする。
(5)請求項5に係る光ケーブル成端キャビネットは、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記第1下層部内にスプリッタ(27)を設置し、前記第1光アダプタを用いて前記スプリッタと接続することを特徴とする。
(6)請求項6に係る光ケーブル成端キャビネットは、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記中央空間の端部に、前記第1光ケーブルの保留心線または前記第2光ケーブルの保留心線の収納部を設けたことを特徴とする。
(7)請求項7に係る光ケーブル成端キャビネットは、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記中央空間の端部に、前記光ジャンパコードの余長収納部を設けたことを特徴とする。
・請求項1では、互いに接続しようとする第1光ケーブルと第2光ケーブルの心線の接続収納部を筐体のベース板上に左右対称にそれぞれ設置し、各接続収納部は、心線を収納し成端させる下層部と、光ジャンパコードを収納する上層部とからなる2層構造である。下層部の内側壁には光アダプタが取り付けられ、下層部の開閉蓋の上に上層部が設けられ、上層部にも開閉蓋が設けられている。従って、下層部の開閉蓋が回動して開閉するときには、上層部も下層部の開閉蓋と一体的に回動する。
第1光ケーブルの心線を第1光アダプタに、第2光ケーブルの心線を第2光アダプタに接続し、そして第1光アダプタと第2光アダプタとを光ジャンパコードで接続することにより、心線接続用品や接続コードが不要となり、容易、迅速かつ確実に接続することができる。
下層部の蓋を開いた状態で第1光ケーブルと第2光ケーブルのそれぞれの心線を成端し、光アダプタの裏側に接続可能としているため、初期工事の際に心線の探索や確認が容易で、速やかに取り出すことができ、作業性が向上する。
また、回線開通工事及び保守作業時は、下層部の蓋を閉じ、上層部の蓋のみを開いて光ジャンパコードを接続することにより、下層部に収納された心線が下層部の蓋によって保護されるため心線を誤って損傷するおそれがない。
なお、複数の筐体の各々の接続収納部が同一直線上に位置するように、複数の筐体を縦方向に並設することができ、増設も容易に行うことができる。
第1光ケーブルの心線を第1光アダプタに、第2光ケーブルの心線を第2光アダプタに接続し、そして第1光アダプタと第2光アダプタとを光ジャンパコードで接続することにより、心線接続用品や接続コードが不要となり、容易、迅速かつ確実に接続することができる。
下層部の蓋を開いた状態で第1光ケーブルと第2光ケーブルのそれぞれの心線を成端し、光アダプタの裏側に接続可能としているため、初期工事の際に心線の探索や確認が容易で、速やかに取り出すことができ、作業性が向上する。
また、回線開通工事及び保守作業時は、下層部の蓋を閉じ、上層部の蓋のみを開いて光ジャンパコードを接続することにより、下層部に収納された心線が下層部の蓋によって保護されるため心線を誤って損傷するおそれがない。
なお、複数の筐体の各々の接続収納部が同一直線上に位置するように、複数の筐体を縦方向に並設することができ、増設も容易に行うことができる。
・請求項2では、下層部の開閉蓋の回動軸を内側の側縁に設けたことにより、下層部の開閉蓋を開いて下層部内で作業する際の作業性が向上する。
・請求項3では、上層部の開閉蓋の回動軸を外側の側縁に設けたことにより、上層部の開閉蓋を開いて上層部内で作業する際の作業性が向上する。
・請求項4では、光アダプタを取り付けた下層部の内側壁を傾斜させたことにより、光ジャンパの接続作業が容易となる。
・請求項5では、スプリッタを下層部に設けたことにより、外付けスプリッタが不要となり配線を簡素化し、空間を節約できる。スプリッタへ接続する心線も下層部に収納されることにより、保守作業の際に誤切断されることを避けられる。
・請求項6では、保留心線収納部を設けたことにより誤切断されることを避けられ、輻輳状態を解消できる。
・請求項7では、光ジャンパーコード余長収納部を設けたことにより、輻輳状態を解消できる。
以下、図面を参照しつつ本考案の実施の形態を説明する。
図1は、本考案の光ケーブル成端キャビネット1の外観斜視図である。ベース板12とこれを覆う箱形の外蓋11とから形成される筐体内に各構成要素が収容されている。光ケーブル成端キャビネット1は、例えば、局側からの加入者光ケーブルを構内・宅内に引き込む際に加入者光ケーブルと構内光ケーブルとの間を接続するために設置される。図示の例では、加入者光ケーブルである第1光ケーブル2がキャビネット左下から引き込まれ、構内光ケーブルである第2光ケーブル3がキャビネット右下から引き出されている。第1光ケーブル2と第2光ケーブル3は、適宜の本数であり、それぞれのケーブルの心線の数も1または複数である。
図1は、本考案の光ケーブル成端キャビネット1の外観斜視図である。ベース板12とこれを覆う箱形の外蓋11とから形成される筐体内に各構成要素が収容されている。光ケーブル成端キャビネット1は、例えば、局側からの加入者光ケーブルを構内・宅内に引き込む際に加入者光ケーブルと構内光ケーブルとの間を接続するために設置される。図示の例では、加入者光ケーブルである第1光ケーブル2がキャビネット左下から引き込まれ、構内光ケーブルである第2光ケーブル3がキャビネット右下から引き出されている。第1光ケーブル2と第2光ケーブル3は、適宜の本数であり、それぞれのケーブルの心線の数も1または複数である。
図2は、図1の外蓋11を取り外した光ケーブル成端キャビネット1の内部を示す正面図である。この状態は、初期工事後の通常使用の状態である。ベース板12上の中央空間の両側に左右対称に第1接続収納部20と、第2接続収納部30とが設けられている。第1接続収納部20は、第1光ケーブル2の心線を第1光アダプタ23へ接続しかつ収納するために、上下2層構造(図面奥行き方向に2層)に形成されている。同じく第2接続収納部30は、第2光ケーブル3の心線を第2光アダプタ33へ接続しかつ収納するために、上下2層構造に形成されている。
第1光ケーブル2は、把持具16により把持され、1または複数の心線2aを取り出され、心線2aは上下2層構造の第1接続収納部20(の下層部)へと引き込まれている。図2における第1接続収納部の正面には、上層部を覆う開閉蓋21とその蝶番21a、21b、下層部の開閉蓋25の内側縁近傍部分とその蝶番25a、25bと、下層部の傾斜した内側壁23と、内側壁23に取り付けられた光アダプタ23、24が現れている。開閉蓋21は図2では閉じているが、蝶番21a、21bを設けた外側縁を軸として回動し開くことができる。また、図2では下層部の開閉蓋25も閉じているが、蝶番25a、25bを設けた内側縁を軸として回動し開くことができる。
光ジャンパコード4は、第1接続収納部20の上層部に収納されているが(波線)、上層部の内側壁(適宜の取り出し用開口部が設けられる)から先端のコネクタ4aが取り出されて、光アダプタ23の表面側の複数の装着部23aの1つへ接続されている。光ジャンパコード4の他端は、第1接続収納部20の上層部の端部(適宜の取り出し用開口部が設けられる)から引き出されて中央空間の端部を通され、第2接続収納部30の上層部へと引き込まれている。このような光ジャンパコード4を介して、第1光ケーブル2の心線と第2光ケーブル3の心線とが接続されることとなる。光ジャンパコード4は、必要な本数だけ設けられる。
光ジャンパコード4が中央空間の端部を通る中間部分において光ジャンパコード余長部処理部13が設けられ、その中に光ジャンパコード余長部4bが収納されている。
同様に、第2光ケーブル3もまた、適宜の把持具により把持され、1または複数の心線3aを取り出され、心線3aは上下2層構造の第2接続収納部30(の下層部)へと引き込まれている。図2における第2接続収納部の正面には、上層部を覆う開閉蓋31とその蝶番31a、31b、下層部の開閉蓋35の内側縁近傍部分とその蝶番35a、35bと、下層部の傾斜した内側壁33と、内側壁33に取り付けられた光アダプタ33が現れている。開閉蓋31は図2では閉じているが、蝶番31a、31bを設けた外側縁を軸として回動し開くことができる。また、図2では下層部の開閉蓋35も閉じているが、蝶番35a、35bを設けた内側縁を軸として回動し開くことができる。
光ジャンパコード4は、第2接続収納部30の上層部に収納されているが(波線)、上層部の内側壁(適宜の取り出し開口部が設けられる)から先端のコネクタ4aが取り出されて、光アダプタ33の表面側の複数の装着部33aの1つへ接続されている。光ジャンパコード4の他端は、第2接続収納部30の上層部の端部(適宜の取り出し開口部が設けられる)から引き出され、第1接続収納部20へと向かう。
第2光ケーブルの心線3aの余長部3a1または保留心線は、中央空間の端部に設けた保留心線収納部15内に収納されている。中央空間の「端部」とは、図2のベース板12上において左右方向に垂直な方向の端部(ベース板12周縁の近傍)である。
図3A〜図3Cは、光ケーブル成端キャビネットの外蓋を取り外した状態の左右方向の概略断面図であり、図3Aは、初期工事を行う前の状態、図3Bは初期工事中の状態、図3Cは初期工事後の回線開通工事または保守作業の状態をそれぞれ示す。
図3Aを参照すると、ベース板12上の中央空間を挟んで左右対称に第1接続収納部20と第2接続収納部30とが設けられている。
図3Aにおいて、第1接続収納部20は、下層部20aと上層部20bの2層構造となっている。第1接続収納部20の下層部20aは、外側壁29と傾斜した内側壁22により囲まれた収納空間を有する。下層部20a内には第1光ケーブル2の心線が取り込まれる。内側壁22は下方から上方に向かって内側から外側に向かって傾斜している(例えば傾斜角65度)。内側壁22には、光アダプタ23、24が取り付けられている。光アダプタ23、24は表裏各面に複数の装着部を具備し、これらの表裏の対応する装着部同士を接続させている。光アダプタ23の複数の装着部は、例えば図2に示したように升目状に並べて設けられている。下層部20aの上端面は開閉蓋25で覆われ、その内側縁に設けた蝶番25a等を軸として回動可能である。
なお、第1接続収納部20の下層部20a内にはスプリッタ27を設けることが好適である。光アダプタの装着部の一部24はスプリッタ27との接続用に用いることができる。
第1接続収納部20の上層部20bは、下層部20aの開閉蓋25上に設けられている。開閉蓋25aの外側縁から上層部20bの外側壁28aが立設されており、開閉蓋25aの内側縁近傍から上層部20bの内側壁28bが立設されている。(但し、内側壁28bには光ジャンパコードの取り出し用開口が適宜設けられる。)従って、上層部20bは、下層部20aの開閉蓋25と一体化されており開閉蓋25と共に回動可能である。さらに、上層部20bの上端面もまた開閉蓋21で覆われ、その外側縁に設けた蝶番21a等を軸として回動可能である。
同様に、図3Aにおいて、第2接続収納部30は、上述の第1接続収納部20と左右対称な構成となっている。すなわち、第2接続収納部30は、下層部30aと上層部30bの2層構造となっている。下層部30aは、外側壁39と傾斜した内側壁32により囲まれた収納空間を有する。下層部30a内には第2光ケーブル3の心線が取り込まれる。内側壁32は下方から上方に向かって内側から外側に向かって傾斜している(例えば傾斜角65度)。内側壁32には、光アダプタ33が取り付けられている。光アダプタ33は表裏各面に複数の装着部を具備し、これらの表裏の対応する装着部同士を接続させている。光アダプタ33の複数の装着部は、例えば図2に示したように升目状に並べて設けられている。下層部30aの上端面は開閉蓋35で覆われ、その内側縁に設けた蝶番35a等を軸として回動可能である。
第2接続収納部30の上層部30bは、下層部30aの開閉蓋35上に設けられている。開閉蓋35aの外側縁から上層部30bの外側壁38aが立設されており、開閉蓋35aの内側縁近傍から上層部30bの内側壁38bが立設されている。(但し、内側壁38bには光ジャンパコードの取り出し用開口が適宜設けられる。)従って、上層部30bは、下層部30aの開閉蓋35と一体化されており開閉蓋35と共に回動可能である。さらに、上層部30bの上端面もまた開閉蓋31で覆われ、その外側縁に設けた蝶番31a等を軸として回動可能である。
なお、図3Aにおいて、第1接続収納部20及び第2接続収納部30の端部(図3Aの手前方向)については、光ケーブルの心線2a、3aまたは光ジャンパコード4の引き込み及び取り出しに用いるため、壁に適宜の開口を設ける。
次に、図3Bは、初期工事を行うために下層部20a、30aの開閉蓋25、35を開いた状態である。なお、上層部20b、30bの開閉蓋21、31は閉じた状態である。この状態では、下層部20a、30aの収納空間内での作業を行うことができる。
第1接続収納部20の下層部20a内では、第1光ケーブル2の心線2aを成端したコネクタを光アダプタ23の裏面の装着部に接続する。また、第1光ケーブル2の心線2aの一部をスプリッタ27へ接続し、スプリッタ27で分岐された複数の心線を光アダプタ24の裏面の装着部に接続する。
第2接続収納部30の下層部30a内では、第2光ケーブル3の心線3aを成端したコネクタを光アダプタ33の裏面の装着部に接続する。
作業後には開閉蓋25、35を閉じる。下層部20a、30aにおける作業は、基本的に、初期工事においてのみ行えばよく、その後の回線開通工事及び保守作業時には下層部20a、30aにアクセスする必要はほとんどない。
第1接続収納部20の下層部20a内では、第1光ケーブル2の心線2aを成端したコネクタを光アダプタ23の裏面の装着部に接続する。また、第1光ケーブル2の心線2aの一部をスプリッタ27へ接続し、スプリッタ27で分岐された複数の心線を光アダプタ24の裏面の装着部に接続する。
第2接続収納部30の下層部30a内では、第2光ケーブル3の心線3aを成端したコネクタを光アダプタ33の裏面の装着部に接続する。
作業後には開閉蓋25、35を閉じる。下層部20a、30aにおける作業は、基本的に、初期工事においてのみ行えばよく、その後の回線開通工事及び保守作業時には下層部20a、30aにアクセスする必要はほとんどない。
次に、図3Cは、初期工事後に適宜回線開通工事または保守作業を行うために上層部20b、30bの開閉蓋21、31を開いた状態である。なお、初期工事の最終工程で光ジャンパコードを接続する際もこの状態で行う。図3Cの状態では、光ケーブル2、3の心線2a、3aは開閉蓋25、35により保護されているので、断線等のおそれがない。この状態での作業は、光ジャンパコード4の一端のコネクタを第1接続収納部20の光アダプタ23、24の表面の装着部に接続し、他端を第2接続収納部30の光アダプタ33の表面の装着部に接続する。作業後には開閉蓋21、31を閉じる。なお、回線開通工事または保守作業においては、光ジャンパコード4の追加、接続位置の変更、取り外し等を行うことができる。
図4は、図3Bの横断面図にほぼ対応する初期工事の状態の前面図である。図3Bでは示していないが、図4では既に1本の光ジャンパコード4が接続されている。開閉蓋25、35が開かれて下層部に収納された心線2a,3a、スプリッタ27等が現れている。図示の例では、心線2aは成端されて第1心線接続部26に接続され、第1心線接続部26と光アダプタ23の裏面との間は接続用心線2bで接続している。同様に、心線3aは成端されて第2心線接続部36に接続され、第2心線接続部36と光アダプタ33の裏面との間は接続用心線3bで接続している。このような接続形態は公知である。
図5は、図3Cの横断面図にほぼ対応する保守作業状態の前面図である。図3Cでは示していないが、図5では既に1本の光ジャンパコード4が接続されている。開閉蓋25、35は閉じており、開閉蓋21、31が開かれて上層部に収納された光ジャンパコード4が現れている。
1 成端キャビネット
2 第1光ケーブル
2a 第1心線
2b 第1接続用心線
3 第2光ケーブル
3a 第2心線
3a1 心線余長
3b 第2接続用心線
4 光ジャンパコード
4a 光ジャンパコードコネクタ
4b 光ジャンパコード余長
11 外蓋
12 ベース板
13 光ジャンパコード余長処理部
15 保留心線収納部
16 第1光ケーブル把持具
20 第1接続収納部
20a 下層部
20b 上層部
21 上層部開閉蓋
21a、21b 上層部開閉蓋蝶番
22 光アダプタ取付内側壁
23 光アダプタ
23a コネクタ装着口
24 スプリッタ用光アダプタ
25 下層部開閉蓋
26 第1心線接続部
27 スプリッタ
28a 上層部外側壁
28b 上層部内側壁
29 下層部外側壁
30 第2接続収納部
30a 下層部
30b 上層部
31 上層部開閉蓋
31a、31b 上層部開閉蓋蝶番
32 光アダプタ取付内側壁
33 光アダプタ
33a コネクタ装着口
35 下層部開閉蓋
35a、35b 下層部開閉蓋蝶番
36 第2心線接続部
38a 上層部外側壁
38b 上層部内側壁
39 下層部外側壁
2 第1光ケーブル
2a 第1心線
2b 第1接続用心線
3 第2光ケーブル
3a 第2心線
3a1 心線余長
3b 第2接続用心線
4 光ジャンパコード
4a 光ジャンパコードコネクタ
4b 光ジャンパコード余長
11 外蓋
12 ベース板
13 光ジャンパコード余長処理部
15 保留心線収納部
16 第1光ケーブル把持具
20 第1接続収納部
20a 下層部
20b 上層部
21 上層部開閉蓋
21a、21b 上層部開閉蓋蝶番
22 光アダプタ取付内側壁
23 光アダプタ
23a コネクタ装着口
24 スプリッタ用光アダプタ
25 下層部開閉蓋
26 第1心線接続部
27 スプリッタ
28a 上層部外側壁
28b 上層部内側壁
29 下層部外側壁
30 第2接続収納部
30a 下層部
30b 上層部
31 上層部開閉蓋
31a、31b 上層部開閉蓋蝶番
32 光アダプタ取付内側壁
33 光アダプタ
33a コネクタ装着口
35 下層部開閉蓋
35a、35b 下層部開閉蓋蝶番
36 第2心線接続部
38a 上層部外側壁
38b 上層部内側壁
39 下層部外側壁
Claims (7)
- ベース板(12)と外蓋(11)とを具備する筐体内にて第1光ケーブル(2)の心線(2a)と、第2光ケーブル(3)の心線(3a)とをそれぞれ成端させこれらの間を接続する光ケーブル成端キャビネット(1)において、
前記ベース板上の中央空間の両側に左右対称に設置された第1接続収納部(20)及び第2接続収納部(30)と、前記第1光ケーブルの心線(2a)と前記第2光ケーブルの心線(3a)とを接続するべく介在する光ジャンパコード(4)とを有し、
前記第1接続収納部(20)が、前記第1光ケーブルの心線を収納しかつ成端させるための第1下層部(20a)と、前記第1下層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第1下層部開閉蓋(25)と、前記第1下層部開閉蓋上に設けられ前記光ジャンパコードを収納する第1上層部(20b)と、前記第1上層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第1上層部開閉蓋(21)と、前記第1下層部の内側壁に取り付けられかつ表裏各面における対応する装着部同士を接続させる第1光アダプタ(23)とを有し、
前記第2接続収納部(30)が、前記第2光ケーブルの心線を収納しかつ成端させるための第2下層部(30a)と、前記第2下層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第2下層部開閉蓋(35)と、前記第2下層部開閉蓋上に設けられ前記光ジャンパコードを収納する第2上層部(30b)と、前記第2上層部を覆いかつその一方の側縁を軸として回動可能な第2上層部開閉蓋(31)と、前記第2下層部の内側壁に取り付けられかつ表裏各面における対応する装着部同士を接続させる第2光アダプタ(33)とを有し、
前記第1光ケーブルの心線(2a)が前記第1下層部(20a)内にて前記第1光アダプタ(23)の裏面の装着部へ接続可能であり、かつ前記光ジャンパコード(4)の一端(4a)が前記第1上層部(20b)から取り出され該第1光アダプタ(23)の表面の装着部へ接続可能であり、かつ
前記第2光ケーブルの心線(3a)が前記第2下層部(30a)内にて前記第2光アダプタ(33)の裏面の装着部へ接続可能であり、かつ前記光ジャンパコード(4)の他端(4a)が前記第2上層部(30b)から取り出され該第2光アダプタ(33)の表面の装着部へ接続可能であることを特徴とする光ケーブル成端キャビネット。 - 前記第1下層部開閉蓋及び前記第2下層部開閉蓋の回動軸を、それぞれ内側の側縁に設けたことを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル成端キャビネット。
- 前記第1上層部開閉蓋及び前記第2上層部開閉蓋の回動軸を、それぞれ外側の側縁に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の光ケーブル成端キャビネット。
- 前記第1下層部の内側壁及び前記第2下層部の内側壁を、下方から上方へ向かって外側へ傾斜させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ケーブル成端キャビネット。
- 前記第1下層部内にスプリッタ(27)を設置し、前記第1光アダプタを用いて前記スプリッタと接続することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ケーブル成端キャビネット。
- 前記中央空間の端部に、前記第1光ケーブルの保留心線または前記第2光ケーブルの保留心線の収納部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光ケーブル成端キャビネット。
- 前記中央空間の端部に、前記光ジャンパコードの余長収納部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ケーブル成端キャビネット。
Priority Applications (1)
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JP2005008881U JP3117982U (ja) | 2005-10-26 | 2005-10-26 | 光ケーブル成端キャビネット |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3117982U (ja) |
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2005
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