JP3117888B2 - インクタンク、インクジェットカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクタンク、インクジェットカートリッジおよびインクジェット記録装置

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JP3117888B2 JP32874294A JP32874294A JP3117888B2 JP 3117888 B2 JP3117888 B2 JP 3117888B2 JP 32874294 A JP32874294 A JP 32874294A JP 32874294 A JP32874294 A JP 32874294A JP 3117888 B2 JP3117888 B2 JP 3117888B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録用
のインクを保有するインクタンクおよびインクジェット
カートリッジに関し、それを製造する製造方法、更には
このカートリッジを用いたプリンタをも提供するもの
で、インクジェット技術を使用する、複写機、ファクシ
ミリ等の記録機器、通信機器、事務機器、複合機器、プ
リンタ等に適用可能な発明に関する。なお、ここで、記
録とは、布、糸、紙、シート材等のインク付与を受ける
インク支持体全てへのインク付与等(プリント)を含む
もので、また、文字等の意味のある画像だけでなく、パ
ターン画像等の無意味な画像をも含むものである。記録
装置は、各種情報処理装置全てあるいはその出力器とし
てのプリンタを含むものであり、本発明はこれらへの用
途が可能なものである。
【0002】
【従来の技術】パソコン端末、コピー、FAX等の出力
装置として、熱転写・LBP・ドットインパクト、イン
クジェット等の記録装置が使用されている。このなか
で、インクジェット方式は、静粛性に優れる印刷方法と
して注目を浴びているが、このうち加熱による液体の発
泡を利用したものは、(以下BJと呼ぶ)高密度化が容
易である・静粛性に優れる・カラー化が容易・高速印刷
に耐え得る等の優れた特徴を有し、高品位で安価な印刷
方法として注目を浴びている。
【0003】ところで、従来、インクジェットカートリ
ッジは、カートリッジ内のインクがインク吐出できない
段階になると、ヘッドと共に廃棄されるが、この状態の
カートリッジ内に残存するインクの量は比較的多いもの
となってしまっていた。そして、これはカートリッジ内
のほぼ全体に収納されている負圧発生体であるスポンジ
のインク保持能力に支配されるので、著しい改良を加え
ることはできない。
【0004】例えば、この種のインク容器としては、特
開昭63−87242号公報を挙げることができる。即
ち、インク容器内に発泡材が配置され、複数のインク射
出オリフィスを備えたインクジェット記録ヘッド一体の
カートリッジである。このインク容器においては、発泡
材であるポリウレタンフォームのような多孔質媒体にイ
ンクを貯蔵するためにフォームの毛細管力による負圧の
発生およびインクの保持(インク容器からのインク漏れ
防止)を達成している。したがって、唯一のインク貯蔵
室のほぼ全体に装填されるフォームを必要とすることか
らインクの充填量が制限されるとともにフォーム中に使
用されずに残るインク量が多くなり、インクの使用効率
が悪いという問題がある。又、インクの残量検知が困難
であり、更にインク消費期間中に負圧が徐々に変化して
しまい、ほぼ一定の負圧を維持することが困難であると
いう問題があった。
【0005】かかる問題に対して、実質的にインクのみ
を保持する構成を採用したインクジェットカートリッジ
が開発されている。例えば、特開平2−522号公報に
は、上方に位置してインクのみを大量に保持する1次イ
ンク貯蔵部と、下方に位置したインクジェット記録ヘッ
ドとの間にわずかな多孔質部材を配置したインクジェッ
ト記録ヘッド一体型のインクジェットカートリッジが開
示されている。この発明では、多孔質部材をインク貯蔵
部には内蔵せずにインク流路中にのみ配置したことによ
りインクの使用効率を向上出来るとしている。また、多
孔質部材の側方にインクを保持可能な空間としての2次
インク貯蔵部を設けることにより、温度上昇(圧力低
下)で1次インク貯蔵部内の空気が膨張することによる
1次インク貯蔵部からの流出インクを溜め、記録時の記
録ヘッドへの負圧を実質上一定に維持出来るとしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報の発明では、非記録時においては、上方に位置し
てインクのみを大量に保持する1次インク貯蔵部からの
インクにより多孔質部材はインクが充分過ぎるほど含浸
せしめられているので、多孔質部材自体の負圧の発生が
ほとんど無くなっている。そのため、わずかな衝撃によ
りインクジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが
漏れるという問題があり、実用に適さない。
【0007】また、これに対し、インクを袋内に封入し
てその袋の負圧力を一定にするためのバネ構成を付加し
たインクジェットカートリッジも知られている。しかし
ながら、かかる構成は、高価なものとなるだけでなく、
そのバネ構成の性能を維持して大量生産を達成すること
は困難なものであった。
【0008】いずれにしても、インクジェットカートリ
ッジとして、インクジェットプリントの分野では、安価
で、合理的な技術水準にあるものは提供されていない。
【0009】そこで、本発明者たちは、インクジェット
プリントの技術分野に適したインク容器としては、記録
時においては、記録ヘッドから吐出されるインク量に見
合ったインクを良好に供給することができ、非記録時に
おいては吐出口からのインク漏れなどの不都合がないこ
との両面性をそれぞれ検討した。その結果、基本構成と
して、負圧発生部材を収容すると共に大気との連通を得
るための大気連通部を備えた第1収納室と該第1収納室
に対して連通するが実質的に密閉状態で第1収納室へ供
給するためのインクを直接収納するための第2収納室を
持つ構成がインクジェットの特性にとって重要な前提で
あることに至った。
【0010】その一方で、本発明者達は、本発明の技術
分野とは異なる接触記録技術を検討することによって、
インクジェットプリント分野の技術的な特異性について
再検討することにした。一般に、記録媒体に接触して記
録を行う記録計器用ペンは、インク吸収性もあり保持性
もある記録芯に対してインク供給を行なうものであるか
ら、記録芯自体が大気にさらされていることを前提と
し、記録芯に直接接触する領域にはインクで過飽和状態
となっているインク含侵体を必須とする。つまり接触記
録技術は、インクジェット分野の技術内容とは根本的に
異なる。
【0011】調査したところ、特開昭57−16385
号公報を見出した。この公報は、記録媒体に接触して記
録を行う記録芯(多孔質型インク吸収性芯)を用いるこ
とを前提とする記録計器用ペンを開示するが、課題とし
ているものは、記録芯自体からのインクあふれのみであ
った。
【0012】すなわち、かかる公報には、下方の記録芯
に接触する第1吸液材と上方の大気連通口側にインクを
わずかに吸収しているが第1吸液材に比べてインクを含
みにくい第2吸液材とを備え、記録芯を下方に突出させ
た中央室と、この室の両側にインクを供給する密閉型イ
ンク収容室とを必須の構成とする発明が開示されてい
る。そして、この構成によれば、周囲温度の上昇によっ
て密閉型インク収容室内の空気が膨張して密閉型インク
収容室内のインクが第1吸液材に至り、第1吸液材が保
持しきれなくなったインクを第2吸液材が吸収すること
により、記録芯からインクがあふれて落下することを防
止できるとしている。さらに、この公報には、2つの密
閉型インク収容室の一方が空気だけになった際に、その
空気の膨張を大気連通口側に逃がすための一定幅の溝
を、中央室と密閉型インク収容室との仕切り壁とは異な
る側面の最下端から最上端までにわたって設けることも
開示されている。
【0013】本発明者達は、技術的には類似点の少ない
非接触記録のインクジェットヘッドに、このタンク構成
のみを適用することに着眼したところ、環境条件の変化
に伴って、大気連通口からのインクあふれという新たな
現象が確認された。しかも記録芯に直接接触する領域に
はインクで過飽和状態となっているインク含侵体である
第1吸液材は、負圧を発生することを必要としないため
にインクジェット技術にとっての共通性が見られないこ
とも確認できた。この新規な現象は、記録計器用ペンの
分野では認識されておらず、負圧を安定したものにする
ための技術的示唆もこの分野からは得るものがなかっ
た。
【0014】また、上記公報の一定幅の溝は、空気と共
にインクを排出促進する機能もあるため、大気連通口か
らのインクあふれを一層促進してしまうことも確認でき
た。更に、両側のインク収容室からのインク消費は、同
等ではなく、先に一方のインク収容室のインクが無くな
ると、他方に大量のインクが残存しているにもかかわら
ず、インクジェット記録ができなくなってしまった。こ
れは、インク収容室のインクが無駄になり、根本的にイ
ンクジェット技術の目的に反する結果であった。この原
因は、第1吸液材内に空気が大量に入り込み、結果的に
インクの供給が出来なくなったためであった。
【0015】そして、このような背景問題を解決した画
期的なインクジェット用カートリッジを本発明出願人は
先に出願している。この発明は、負圧発生部材を収容す
ると共に大気との連通を得るための大気連通部を備えた
第1収納室と該第1収納室に対して連通するが実質的に
密閉状態で第1収納室へ供給するためのインクを直接収
納するための第2収納室を持つ前提構成のカートリッジ
に、インクジェット用として有効に機能できる構成を与
えるものである。この構成は、インクジェットカートリ
ッジの使用初期から使用終了までの間の大半を負圧が実
質上ほぼ一定にできるタンク構造体であるために、高速
記録にも対応可能な交換型インクタンクおよびプリンタ
をも提供できるものである。
【0016】また、本発明者たちは、先に出願した特願
平5−218635号において、プリント可能な姿勢の
自由度を大きくしたインクジェットカートリッジを提案
している。かかる発明は、インクジェットカートリッジ
の姿勢差にかかわらず微小連通部が最下位置となる部位
に設けることにより、プリント可能な姿勢の自由度を大
きくすることを達成するものである。
【0017】しかしながら、さらに高速印刷時のインク
供給性、および回復時の回復性を高めたインクタンクお
よびインクジェットカートリッジの出現が要望されてい
る。本発明の主たる目的はかかる背景技術に鑑み、上記
従来技術の問題を解消し、かつ高速印刷時のインク供給
性および回復時の回復性を高レベルに高めたインクタン
クおよびインクジェットカートリッジさらにこれらを用
いたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は上記インクタンクを簡
単な構成で安価で供給できるインクタンクおよびインク
ジェットカートリッジさらにこれらを用いたインクジェ
ット記録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給口
と大気に連通する大気連通部とを備えかつ負圧発生部材
を収容した第1収納室と、前記インク供給口が設けられ
た側面に対面する側面を仕切り壁とし、該仕切り壁の一
部であって前記大気連通部から離れた位置に開口された
連通部のみを介して前記第1収納室に連通するが実質的
に密閉状態で当該連通部を介して前記第1収容室へ供給
するインクを直接収納する第2収納室とを備えて構成さ
れるインクタンクにおいて前記インク供給口と前記連
通部とは互いに対面しない位置に離間して配置されてお
り、かつ前記インク供給口と前記仕切り壁の対面部分と
に挟まれた領域の前記負圧発生部材の全範囲が他の領域
に比して高圧縮に、前記連通口と前記対面する側面の対
面部分とに挟まれた領域の前記負圧発生部材の全範囲が
前記インク供給口と前記仕切り壁の対面部分とに挟まれ
た領域に比して低圧縮に保持されていることを特徴とす
るインクタンクにある。
【0020】本発明の第2の態様は、インクジェット記
録ヘッドにインクを供給するインク供給口と大気に連通
する大気連通部とを備えかつ負圧発生部材を収容した第
1収納室と、前記大気連通部から離れた位置に設けられ
た連通部のみを介して前記第1収納室に連通するが実質
的に密閉状態で第1収納室へ供給するインクを直接収納
する第2収納室とを備えたインクタンクであって、一端
面に開口部を有しかつ奥側に前記第1の収納室を手前側
に前記第2の収納室をそれぞれ画成する一体の容器と、
該容器の奥面に設けられた前記インク供給口と、前記容
器奥側に前記開口部から収容される前記負圧発生部材
と、前記容器の奥側に収容された前記負圧発生部材に密
着して当該容器の前記奥面に相対向して当該容器内部に
接合されて前記第1収容部と前記第2収容部とを仕切り
かつ前記インク供給口と互いに対面しない位置に離間し
て前記連通部を配置する仕切り壁と、前記容器の開口部
に接合されて前記第2収納室を形成する蓋部材とを具備
し、前記インク供給口と前記仕切り壁の対面部分とに挟
まれた領域の前記負圧発生部材の全範囲が他の領域に比
して高圧縮に、前記連通口と前記対面する側面の対面部
分とに挟まれた領域の前記負圧発生部材の全範囲が前記
インク供給口と前記仕切り壁の対面部分とに挟まれた領
域に比して低圧縮に保持されていることを特徴とするイ
ンクタンクにある。
【0021】本発明の第3の態様は、第1または2の態
様のインクタンクにおいて、前記インク供給口の前記第
1収納室側の周囲には前記負圧発生部材側へ突出する突
出部が配置されており、当該突出部により、前記インク
供給口と前記仕切り壁の対面部分とに挟まれた領域の前
記負圧発生部材の全範囲が他の領域に比して高圧縮に保
持されていることを特徴とするインクタンクにある。
【0022】本発明の第4の態様は、第1または2の態
様のインクタンクにおいて、前記負圧発生部材の前記第
1収容室に収容される前の寸法の当該第1収容室の内寸
法に対する比が領域によって異なり、前記インク供給口
と前記仕切り壁とに挟まれた領域が他の領域より大きく
設定されており、当該負圧発生部材を前記第1収納室に
組み込むことにより前記インク供給口と前記仕切り壁の
対面部分とに挟まれた領域の全範囲が他の領域に比して
高圧縮に保持されていることを特徴とするインクタンク
にある。
【0023】本発明の第5の態様は、第1または2の態
様のインクタンクにおいて、前記インク供給口の前記第
1収容室側にはフィルタが設けられており、当該フィル
タは前記負圧発生部材に圧接して設けられていることを
特徴とするインクタンクにある。
【0024】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様のインクタンクと、このインクタンクの前記イン
ク供給口に接合されるインクジェットヘッドとからなる
ことを特徴とするインクジェットカートリッジにある。
【0025】本発明の第7の態様は、第6の態様のイン
クジェットカートリッジにおいて、前記インクジェット
ヘッドは、インクを吐出するための吐出口を有する液流
路と前記吐出口からインクを吐出するための発熱抵抗素
子とを有することを特徴とするインクジェットカートリ
ッジにある。
【0026】本発明の第8の態様は、第6または7の態
様のインクジェットカートリッジを着脱可能にするキャ
リッジを備えたことを特徴とするインクジェット記録装
置にある。
【0027】
【0028】
【0029】
【作用】本発明では、以上の構成により、インク供給口
と仕切り壁の略対面部分との間の負圧発生部材の圧縮が
高く保持されている。したがって、微小連通部が接する
部分の負圧発生部材の圧縮は上記部分より低圧縮となる
ので、第2収容室内のインクは微小連通部から第1収容
室の負圧発生部材へ容易に供給され、そのインクは低圧
縮領域に全体にまんべんなく供給される。また、負圧発
生部材に導入されたインクは、インク供給口へ連通する
高圧縮領域、すなわち毛管力の大きい領域に容易に集め
られて、安定してインク供給口へと導かれる。ここで、
高圧縮領域全体に隣接してインクが十分に供給された低
圧縮領域が存在するので、高圧縮領域へのインクの供給
がスムーズに行える。さらに、かかる高圧縮領域はイン
ク供給口から仕切り壁にわたって広範囲に存在するの
で、インク緒収集力が高い。この結果として、高速印字
や回復処理のようなインク流量の増大に対しても、安定
してスムーズにインクを供給することができる。
【0030】また、インク供給口の内側端部に負圧発生
部材と圧接する形でフィルタを設けることによりフィル
タ部にメニスカスができ、負圧発生部材側からインクと
ともに供給されようとする微小気泡をトラップすること
ができより効果的である。
【0031】また、第1収納室内の大気連通部近傍を空
間としたバッファ室を形成して当該大気連通部と負圧発
生部材との接触をなくすことで、大気連通部からのイン
クもれをさらに防止する利点がある。
【0032】さらにまた、負圧発生部材の該大気連通部
側領域をインクを保持していない領域とすることで、環
境条件の変動に対して、インクタンク内のインクが大気
連通部から漏れることを防止できる利点がある。
【0033】また、使用状態にあっては、このインクを
保持していない大気連通側領域は、大気がカートリッジ
内に必要に応じた量が効率よく供給でき、インクタンク
内の負圧変化を抑制する効果もある。この大気連通部側
領域は、全くインクによる濡れがないものであると、イ
ンク自体の浸透速度をより減速させることができるので
好ましいが、インクにより予め濡らした後にそのインク
を除去した領域としても良い。
【0034】一方、本発明前提構成のインクタンクは、
操作者の手指に触れることになるが、通常は不都合は発
生しにくいが、強力に圧力を加えたりするとインクのみ
を収納する収納室は大きさにもよるが変形しやすい。従
って、この外圧による課題を解決する構成として、第1
収容室と第2収容室との間隙を仕切る仕切り壁に形成さ
れた微小連通部よりも大きな連通部を形成する仕切り板
をインクのみを収容する第2収容室に設けることは好ま
しいものである。また、変形の観点から、これらのカー
トリッジを樹脂で形成した場合には、インクのみの収容
室の壁の厚さTiを0.8mm以上、負圧発生部材とし
てのスポンジ等を収納する収納室の壁の厚さTsを1.
3mm以上とすることが好ましい。更には、壁の厚さT
sは壁の厚さTiの1.2倍以上3倍以下の範囲内にあ
ることがより好ましいものと判明した。
【0035】本発明前提構成のインクジェットプリンタ
として、上記本発明のカートリッジを装着したことに応
じて、自動的あるいは指導的にカートリッジ内からのイ
ンク排出をヘッドを介して吸引手段による吸引あるいは
吐出によって実行することは、負圧発生体内のインク状
態をプリント前に修正出来るので、カートリッジの放置
状態に左右されずに、カートリッジ本体の上記機能を利
用することができる。
【0036】尚、上記前提構成における微小連通部の幅
(高さ)は、負圧発生部材の平均孔径(好ましくは微小
連通部近傍の平均孔径)より大きく(実用上は0.1m
m以上)、5mm以下が適している。より安定化を期待
するのであれば、3mm以下が好ましい。
【0037】また、本発明に係る他の態様における効果
や特徴は以下の実施例から理解できよう。
【0038】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0039】図1は本発明の一実施例に係るインクタン
クの断面を示すものであるが、この図1に示す実施例の
構造を説明する前に、図2,図3,および図4を参照し
て本発明が実施もしくは適用される好適なインクジェッ
トユニットIJU,インクジェットヘッドIJH,イン
クタンクIT,インクジェットカートリッジIJC,イ
ンクジェット記録装置本体IJRA,キャリッジHCの
それぞれ、およびそれぞれの関係を説明する。
【0040】本例でのインクジェットカートリッジIJ
Cは、図3の斜視図でわかるように、インクの収納割合
が大きくなっているもので、インクタンクITの前方面
よりもわずかにインクジェットユニットIJUの先端部
が突出した形状である。このインクジェットカートリッ
ジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRAに載
置されているキャリッジHC不図示の位置決め手段およ
び電気接点とによって固定支持されると共に、該キャリ
ッジHCに対して着脱可能な交換タイプである。
【0041】(i)インクジェットユニットIJU構成
説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギを
生成する電熱変換体を用いて記録を行う方式のユニット
である。
【0042】図2において、100は、Si基板上に複
数の列状に配された電気熱変換体(吐出ヒータ)と、こ
れに電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術によ
り形成されてなるヒータボードである。200は、ヒー
タボード100に対する配線基板であり、ヒータボード
100の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディン
グにより接続される)と、この配線の端部に位置し本体
装置からの電気信号を受けるパッド201とを有してい
る。
【0043】1300は、複数のインク流路をそれぞれ
区分するための隔壁や各インク流路へインクを与えるた
めにインクを収納するための共通液室等を設けた溝付天
板で、インクタンクITから供給されるインクを受けて
上述の共通液室へ導入するインク受け口1500と、各
インク流路に対応した吐出口を複数有するオリフィスプ
レート400とを一体成型したものである。これらの一
体成型材料としてはポリサルフォンが好ましいが、他の
成型用樹脂材料でもよい。
【0044】300は、配線基板200の裏面を平面で
支持する例えば金属製の支持体で、インクジェットユニ
ットの底板となる。500は押えばねであり、M字形状
でそのM字の中央で共通液室を軽圧で押圧すると共に前
だれ部501で液路の一部、好ましくは吐出口近傍の領
域を線圧で集中押圧する。ヒータボード100および天
板1300を内側に挟んだ状態で押えばね500の足部
502を支持体300の穴3121を通って支持体30
0の裏面側に係合することで、押えばね500とその前
だれ部501の集中付勢力によってヒータボード100
と天板1300とを圧着固定する。また、支持体300
は、インクタンクITの2つの位置決め凸起1012お
よび位置決めかつ融着保持用凸起1800等に係合する
位置決め用穴312,1900,2000を有する他、
装置本体IJRAのキャリッジHCに対する位置決め用
の突起2500,2600を裏面側に有している。加え
て支持体300はインクタンクからのインク供給を可能
とするインク供給管2200(後述)を貫通可能にする
穴320をも有している。支持体300に対する配線基
板200の取付は、接着剤等で付着して行われる。な
お、支持体300の凹部2400,2400は、それぞ
れ位置決め用突起2500,2600の近傍に設けられ
ており、組立てられたインクジェットカートリッジIJ
C(図3)において、その周囲の3辺を平行溝300
0,3001の複数で形成されたヘッド先端域の延長点
にあって、ゴミやインク等の不要物が突起2500,2
600に至ることがないように位置している。
【0045】この平行溝3000が形成されている蓋部
材800は、図3に示されるように、インクジェットカ
ートリッジIJUを収納する空間部を形成している。ま
た、この平行溝3001が形成されているインク供給部
材600は、前述したインク供給管2200に連続する
インク導管1600を供給管2200側が固定の片持ち
ばりとして具備し、インク導管の固定側とインク供給管
2200との毛管現象を確保するためのステンレス(S
US)製のボール602が挿入されている。
【0046】このインク供給部材600は、モールド成
型されているので、安価で位置精度が高く形成製造上の
精度低下を無くしているだけでなく、片持ちばりの導管
1600によって、大量生産時においても導管1600
の上述のインク受け口1500に対する圧接状態が安定
化できる。本例では、この圧接状態下で封止用接着剤を
インク供給部材側から流し込むだけで、より完全な連通
状態を確実に得ることができる。なお、インク供給部材
600の支持体300に対する固定は、支持体300の
穴1901,1902に対するインク供給部材600の
裏面側ピン(不図示)を支持体300の穴1901,1
902を介して貫通突出せしめ、支持体300の裏面側
に突出した部分を熱融着することで簡単に行われる。な
お、この熱融着された裏面側のわずかな突出領域は、イ
ンクタンクITのインクジェットユニットIJUの取付
面側壁面のくぼみ(不図示)内に収められるのでユニッ
トIJUの位置決め面は正確に得られる。
【0047】(ii)インクタンクIT構成説明 インクタンクITは、カートリッジ本体1000と、負
圧発生部材1010と、後述のインク室1240と、負
圧発生部材収容部を連通する微小連通部1230を有す
る仕切り壁1250と、蓋部材1100およびインク注
入後、インク室を密閉するためのSUS製のボール14
00とで構成されている。かかるインクタンクITを構
成するには、まず、負圧発生部材1010を、カートリ
ッジ本体1000の上記ユニットIJU取付面とは反対
側の開口部から挿入する。続いて、仕切り壁1250を
負圧発生部材1010挿入後同じ方向からインクタンク
本体1000内へ挿入し、仕切り壁1250とインクタ
ンク本体1000とを超音波溶着等でインクタンク本体
内部で微小連通部1230以外を完全に封止する。
【0048】次に、蓋部材1100とインクタンク本体
1000とを超音波溶着等で完全に封止する。その後蓋
部材1100のインク注入口1150よりインクを注入
し、SUS製のボール1400を蓋部材1100に圧入
し、内部容器内のインク室1240(後述)を、微小連
通部1230を除く部分を密閉状態とする。
【0049】負圧発生部材1010は、インクタンク本
体1000の内壁、および仕切り壁1250の微小連通
部1230を設けた面に隙間なく密着させるようにする
ことが好ましい。
【0050】インクジェットカートリッジIJCとして
組立てられると、インクはカートリッジ内部より後述の
供給口1210、支持体300に設けた穴320および
インク供給部材600の中裏面側に設けた導入口を介し
てインク供給部材600内に供給され、その内部を通っ
た後、導出口より適宜の供給管および天板1300のイ
ンク導入口1500を介して共通液室内へと流入する。
以上におけるインク連通用の接続部には、例えばシリコ
ンゴムやブチルゴム等のパッキンが配設され、これによ
って封止が行われインク供給路が確保される。
【0051】なお、本実施例においては天板1300は
耐インク性に優れたポリサルフォン,ポリエーテルサル
フォン,ポリフェニレンオキサイド,ポリプロピレンな
どの樹脂を用い、オリフィスプレート部400と共に金
型内で一体に同時成型してある。
【0052】上述のように一体成型部品は、インク供給
部材600,天板・オリフィスプレート一体,インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。また部品点数の個数は従来に比較して減少できてい
るので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0053】(iii )装置本体の概略説明 図4は本発明が適用されるインクジェット記録装置IJ
RAの外観図で、駆動モータ5013の正逆回転に連動
して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転す
るリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して
係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、矢印
a,b方向に往復移動される。5002は紙押え板であ
り、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン500
0に対して押圧する。5007,5008はフォトカプ
ラでキャリッジのレバー5006のこの領域での存在を
確認してモータ5013の回転方向切換等を行うための
ホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッ
ドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持す
る部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手
段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引
回復を行う。5017はクリーニングブレードで、50
19はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材で
あり、本体支持板5018にこれらは支持されている。
ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレー
ドが本例に適用できることはいうまでもない。また、5
012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、
キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動
し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の
伝達手段で移動制御される。
【0054】これらのキャッピング,クリーニング,吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例にはいずれも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明に
よって好ましい構成例を示している。
【0055】(iv)インクタンクの説明 図1において、インクタンクITは、インクジェットヘ
ッドIJHへインクを供給するインク供給口1210を
微小連通部1230とは反対側に偏位した位置に具備
し、負圧発生部材1010を収容した負圧発生部材収容
部(第1収容室)1020と、該負圧発生部材収容部1
020に仕切り壁1250を介して隣接し、微小連通部
1230で連通して負圧発生部材収容部1020に供給
するインクのみを収容するインク収容部(第2収容部)
1240とからなる。なお、図1で微小連通部1230
を破線で示したのは、インク供給口1210とは紙面に
直交する方向に対して反対側に位置することを示すもの
である。
【0056】大気は、大気連通口1030より負圧発生
部材収容部1020へ供給される。重要なことはインク
収容部1240内のインクが微小連通部1230を介し
てインク供給口1210へ確実に供給されることであ
る。このインク供給に伴って大気はインク収容部124
0内のインクと入れ替わり捕集されていく。
【0057】ここで負圧発生部材収容部1020に収容
された負圧発生部材1010のインク供給部材1210
と微小連通部1230との間に挟まれた領域を他の領域
に比して高圧縮に保持せしめた状態について説明する。
尚、インク供給口1210の負圧部材収容部1020側
にはインクタンク内のゴミを排除するためにフィルタ6
01が設置されている場合もある。
【0058】インクジェット記録装置が稼働するとイン
クジェット記録ヘッドのオリフィスからインクが吐出さ
れインクタンクITにインク吸引力が発生する。インク
はこの吸引力によりインク収容部1240から微小連通
部1230を通り負圧発生部材収容部1020へ、そし
て負圧発生部材1010を通ってインク供給部材121
0内に引き込まれインクジェット記録ヘッドへ供給され
る。
【0059】これにより微小連通部1230以外は密閉
しているインク収容部1240の内部の圧力が低下し、
インク収容部1240と負圧発生部材収容部1020と
の間に圧力差が生じる。記録が継続するとその圧力差は
上昇を続けるが、負圧発生部材1010は大気連通口1
030で大気に開放されているため、空気は負圧発生部
材1010を通って微小連通部1230からインク収容
部1240に入る。この時点でインク収容部1240と
負圧発生部材収容部1020との間の圧力差が解消され
る。インクジェット記録中はこの動作が繰り返され、あ
る一定の負圧がインクタンク内に得られる。また、イン
ク収容部内のインクは、インク収容部内の壁面に付着す
るインク以外はほぼ全て使用できるためインク使用効率
が向上する。
【0060】ここで本発明の特徴である、負圧発生部材
1010のインク供給口1210と仕切り壁1250の
略対面部分とに挟まれた領域が他の領域より高圧縮に保
持されている構成について説明する。図5でインクタン
ク本体1000の開口1002側から負圧発生部材10
10を負圧発生部材収容部1020へ組み込む。この
際、負圧発生部材1010は負圧発生部材収容部102
0の内寸法に対してやや大きいサイズにまであらかじめ
圧縮されたものを用いてもかまわない。無圧縮のものを
組込み時に圧縮しながら組み込んでもかまわない。どち
らの場合でも負圧発生部材1010はインク供給口12
10の負圧発生部材収容部側の周囲に内方に突出する突
出部1211を設けることにより、負圧発生部材123
0のインク供給口1210側にある部分、すなわちはイ
ンク供給口1210と仕切り壁1250の略対面部分と
の間の領域は、他の領域よりタンク容器の開口1002
側に押圧された状態となる。ここで1001は負圧発生
部材収容部1020と、インク収容部1240を仕切り
壁1250によって形成する際の溶着部である。負圧発
生部材1010は仕切り壁1250との密着を良好にす
るためにこの1001の溶着部よりやや開口1002側
へふくらんだ状態になるような形状とするのが望まし
い。また、1021は柱で負圧発生部材1010が負圧
発生部材収容部1020の所望の位置に収まるようにす
るためのガイドの役割を持っている。
【0061】次に、図6および図7に示すように、仕切
り壁1250をやはりタンク本体1000の開口100
2側から組込み超音波溶着等の手段により仕切り壁12
50とインクタンク本体1000をインクタンク本体内
部の溶着部1001で微小連通部1230以外を完全に
溶着封止する。これにより図5で示した様な負圧発生部
材1010のインク供給部材1210側のふくらみも他
の領域と同様に仕切り壁1250に密着するまで圧縮さ
れる。この際仕切り壁に設けられた微小連通部1230
は、図8に示すように、インク供給口1210に対して
仕切り壁1250幅方向に偏位する位置に設けることに
よりインク供給口1210の突出部1211と仕切り壁
1250の対面部分との間に挟まれた領域はすべて、微
小連通部1230の近傍を含めた他の領域に比べ高圧縮
となる。特に仕切り壁1250によってふくらんでいた
負圧発生部材1010を押し付けることによりインク供
給口1210側のみでなく仕切り壁1250との間に挟
まれた領域が高圧縮になる。次に図9のように蓋部材1
100をインクタンク本体1000に超音波溶着等で完
全に封止することでインク収容部1240を形成する。
【0062】本実施例では、仕切り壁1250のインク
収容部側で微小連通部1230近傍には、反射板125
1が設けられている。この場合、蓋部材1100を透明
性のある材料で形成することにより、反射板1251と
蓋部材1100との間の検知領域1241のインクの有
無をフォトセンサ等で検知することでインク収容部12
40内のインクの残量を検知することができ、そろそろ
インクが無くなって来たことをユーザに知らしめること
ができる。
【0063】上述したように、図8は図6および図7の
状態の仕切り壁1250を組立てた状態のものを開口1
002側から見た図である。この図から分かる通り微小
連通部1230とインク供給口1210は仕切り壁の幅
方向に沿って互いに逆側に偏位した位置関係となってい
る。よってインク収容部から供給されるインクは微小連
通部1230を出ると比較的圧縮率が低い領域に導入さ
れ、さらにこの領域に隣接してインク供給口1210と
仕切り壁1250の対面部とに挟まれた負圧発生部材1
010の高圧縮部を介してインク供給口1210へと導
かれる。
【0064】図10は、図に直交する方向の断面であ
り、インク供給口1210と微小連通部1230との位
置関係、および負圧発生部材1010の圧縮状態を説明
するものである。図10に示すように、負圧発生部材1
010のインク供給口1210と仕切り壁1250の対
面部分とで挟まれた領域1010aは、微小連通部12
30とそれに対向する壁とに挟まれた領域を含むそれ以
外の領域1010bと比較して高圧縮となっている。こ
れは密度を示すライン(ライン間隔で密度の大小をしめ
す)1011を見ても明らかであり、インク供給口10
10の周囲の突出部1211に対向する部分が他の部分
より余計に圧縮される。
【0065】このように圧縮された負圧発生部材101
0を有する場合、インク収容部1240から微小連通部
1230を介して導入されたインクは、まず圧縮量の小
さい領域1010bに入る。この領域1010bは、比
較的圧縮量が小さいので、インクの入り込みが容易であ
り、かつ領域1010b全体にインクが動きやすい。し
たがって、インクは領域1010bにまんべんなく供給
され、この結果、高圧縮領域1010aの沿ってインク
が供給されることになる。次に、インク供給口1210
を介してインクが消費されると、高圧縮された領域10
10aのインクが移動し、インクを吸着しようとする毛
管力が発生する。このとき、領域1010aに沿った領
域1010bにはインクが十分に行き渡っているので、
領域1010aにインクがスムーズに供給でき、さらに
高圧縮領域1010a内ではインク供給口1210へ向
かってスムーズに移動する。また、圧縮の小さい領域で
ある1010bの一部にインクの不十分な領域が存在し
ても、領域1010bと領域1010aとは広い領域で
隣接しているので、高圧縮領域1010aへの良好なイ
ンク供給が途切れることはなく、インクの安定供給のマ
ージンを著しく向上することができる。
【0066】ここで、本実施例において、収納されてい
る吸収体の圧縮率は無圧縮ないし4倍圧縮状態の吸収体
を約4.5倍程度に圧縮した圧縮率とされている。これ
に対し、インク供給口1210が設けられている部分と
それと対面する仕切り壁1250との間はインク供給口
1210の周囲に突出部1211が突出して設けられて
いる分高圧縮部とされており、その領域の圧縮率は約
6.3倍とされている。
【0067】本実施例では、吸収体収納部の長さ14m
mであるのに対し、インク供給口の突出部から仕切り壁
までの長さが10mmであり、その長さの差によって高
圧縮領域が形成される。インク供給口と仕切り壁までの
長さがあまり長いと圧縮状態は、均一にならず、高圧縮
領域と通常の圧縮領域とに分かれるおそれがある。した
がって、上記長さは50%程度の範囲であれば長くなる
方向に増加してもよい。
【0068】図11および図12は負圧発生部材101
0を異形にしてインク供給口1210とそれに対向する
仕切り壁1250とに挟まれる領域の寸法を他の部分よ
り大きくしてある。すなわち、インク供給口1210に
接触する部分1015およびこれに対向する部分101
6を他の部分より突出させたものである。この場合も同
様に仕切り壁1250を組付けることによりインク供給
口1210と仕切り壁1250の対面部分とに挟まれた
領域が高圧縮になるため、上述した実施例と同様に微小
連通部1230から出たインクは微小連通部1230近
傍の比較的低圧縮な領域1010bに良好に入り込み、
ついでスムーズに高圧縮領域1010aに供給され、さ
らに安定してインク供給口1210へと導かれる。
【0069】図11ではインク供給口1210の周囲が
負圧発生部材収容室1020側に突き出ていない形状を
示したが、もちろん、突出した状態のものとし、さらに
負圧発生部材1010を異形にすることにより、さらに
高圧縮化を計っても良い。
【0070】また、かかる突出部を設ける構成としてイ
ンク供給部を形成する部材をインク容器に挿入してその
端部を内方に突出させるようにしてもよい。
【0071】さらにまた、負圧発生部材1010の形状
は図11および図12に示した形状に限定されるもので
なく台形等の形状でも前記領域を高圧縮化するものであ
れば何でも良い。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インク収容部内のインクが微小連通部を介して負圧発生
部材の比較的低圧縮でインクが入り込みやすい領域へ導
入され、ついでこれに隣接する高圧縮領域スムーズに導
入され、さらにこの高圧縮領域がインク供給口へ連通す
るように形成されているため、インク供給口へのインク
供給が安定し、高速時のインク供給性、回復時の回復性
を高レベルに高めたインクタンクおよびインクジェット
カートリッジを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェットカート
リッジの内部構造を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係るインクジェットカート
リッジの分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係るインクジェットカート
リッジの外観図である。
【図4】本発明の一実施例に係るインクジェットカート
リッジを搭載するプリンタを示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係るインクタンクの負圧発
生部材を組込んだ状態を示す図である。
【図6】本発明の一実施例に係るインクタンクの仕切り
壁を組付けた図である。
【図7】本発明の一実施例に係るインクタンクの仕切り
壁を組付けた図である。
【図8】図6の仕切り板を開口側から見た図である。
【図9】本発明の一実施例に係るインクタンクの蓋部材
を組付けた図である。
【図10】図の断面に直交する方向の断面を示す図で
ある。
【図11】本発明の他の実施例に係るインクタンクを示
す図である。
【図12】図11の実施例に係る負圧発生部材を示す図
である。
【符号の説明】
1000 インクタンク本体 1010 負圧発生部材 1100 蓋部材 1210 インク供給口 1239 微小連通部 1250 仕切り壁 1240 インク収容部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドにインクを供給す
    るインク供給口と大気に連通する大気連通部とを備えか
    つ負圧発生部材を収容した第1収納室と、前記インク供
    給口が設けられた側面に対面する側面を仕切り壁とし、
    該仕切り壁の一部であって前記大気連通部から離れた位
    置に開口された連通部のみを介して前記第1収納室に連
    通するが実質的に密閉状態で当該連通部を介して前記第
    1収容室へ供給するインクを直接収納する第2収納室と
    を備えて構成されるインクタンクにおいて前記インク供給口と前記連通部とは互いに対面しない位
    置に離間して配置されており、かつ前記インク供給口と
    前記仕切り壁の対面部分とに挟まれた領域の前記負圧発
    生部材の全範囲が他の領域に比して高圧縮に、前記連通
    口と前記対面する側面の対面部分とに挟まれた領域の前
    記負圧発生部材の全範囲が前記インク供給口と前記仕切
    り壁の対面部分とに挟まれた領域に比して低圧縮に 保持
    されていることを特徴とするインクタンク。
  2. 【請求項2】 インクジェット記録ヘッドにインクを供
    給するインク供給口と大気に連通する大気連通部とを備
    えかつ負圧発生部材を収容した第1収納室と、前記大気
    連通部から離れた位置に設けられた連通部のみを介して
    前記第1収納室に連通するが実質的に密閉状態で第1収
    納室へ供給するインクを直接収納する第2収納室とを備
    えたインクタンクであって、 一端面に開口部を有しかつ奥側に前記第1の収納室を手
    前側に前記第2の収納室をそれぞれ画成する一体の容器
    と、該容器の奥面に設けられた前記インク供給口と、前
    記容器奥側に前記開口部から収容される前記負圧発生部
    材と、前記容器の奥側に収容された前記負圧発生部材に
    密着して当該容器の前記奥面に相対向して当該容器内部
    に接合されて前記第1収容部と前記第2収容部とを仕切
    りかつ前記インク供給口と互いに対面しない位置に離間
    して前記連通部を配置する仕切り壁と、前記容器の開口
    部に接合されて前記第2収納室を形成する蓋部材とを具
    備し、前記インク供給口と前記仕切り壁の対面部分とに
    挟まれた領域の前記負圧発生部材の全範囲が他の領域に
    比して高圧縮に、前記連通口と前記対面する側面の対面
    部分とに挟まれた領域の前記負圧発生部材の全範囲が前
    記インク供給口と前 記仕切り壁の対面部分とに挟まれた
    領域に比して低圧縮に保持されていることを特徴とする
    インクタンク。
  3. 【請求項3】 前記インク供給口の前記第1収納室側の
    周囲には前記負圧発生部材側へ突出する突出部が配置さ
    れており、当該突出部により、前記インク供給口と前記
    仕切り壁の対面部分とに挟まれた領域の前記負圧発生部
    の全範囲が他の領域に比して高圧縮に保持されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに
    記載のインクタンク。
  4. 【請求項4】 前記負圧発生部材の前記第1収容室に収
    容される前の寸法の当該第1収容室の内寸法に対する比
    が領域によって異なり、前記インク供給口と前記仕切り
    壁とに挟まれた領域が他の領域より大きく設定されてお
    り、当該負圧発生部材を前記第1収納室に組み込むこと
    により前記インク供給口と前記仕切り壁の対面部分とに
    挟まれた領域の全範囲が他の領域に比して高圧縮に保持
    されていることを特徴とする請求項1または請求項2の
    いずれかに記載のインクタンク。
  5. 【請求項5】 前記インク供給口の前記第1収容室側に
    はフィルタが設けられており、当該フィルタは前記負圧
    発生部材に圧接して設けられていることを特徴とする
    求項1または請求項2のいずれかに記載のインクタン
    ク。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5の何れかに記載
    のインクタンクと、このインクタンクの前記インク供給
    口に接合されるインクジェットヘッドとからなることを
    特徴とするインクジェットカートリッジ。
  7. 【請求項7】 前記インクジェットヘッドは、インクを
    吐出するための吐出口を有する液流路と前記吐出口から
    インクを吐出するための発熱抵抗素子とを有することを
    特徴とする請求項6に記載のインクジェットカートリッ
    ジ。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7のいずれかに
    載のインクジェットカートリッジを着脱可能にするキャ
    リッジを備えたことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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