JP3117780U - ソックス並びにパンティストッキング - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの低減が図れ、指先の縫い目による着用感の低下がない薄物でもランが走りにくいダブルラッセル編みで本体部が一体に形成された指付きソックスまたは指付きパンティストッキングを提供する。
【解決手段】ダブルラッシェル編みのフロント側基布9とバック側基布の両脇側11がこれを連結する連結編みで、足甲部2と足底部並びに踵部、前側と後側脚部5と、前側と後側履き口開口部用充当部6の両脇側が夫々連結され、上側指袋部1aのフロント側基布9と下側指袋部のバック側基布の脇側7が両者を連結する連結編みで連結されており、指袋先端部8は、フロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みで形成され、履き口開口部18が履き口開口部用充当部6を折り返して脚部5周囲と縫合して形成されている指付きソックス。
【選択図】 図3

Description

本考案は、ソックス並びにパンティストッキングに関するものである。特に本考案は、本体部分がダブルラッシェル編みで一体に形成された指付きソックス並びに指付きパンティストッキングに関するものである。
近年、ソックス並びにパンティストッキングは、通常、いわゆる丸編み(丸編み機ないし靴下丸編み機などを用いた丸編み)で製造されている(下記特許文献1の[0001]参照)。
特開2005−60864号公報
しかしながら丸編品は、パンティストッキングなどの薄物の場合など、もし、ストッキングを形成している繊維糸が1本でも切れると、ラン(伝染)が走り、ダメージをこうむり易いという欠点がある。一方、丸編機は、円周状に編み針が並んでいるので、1つの丸編機で当該円周の直径を自由に変えることができず、得られるソックスやパンティストッキングのサイズが自由に変更できにくく、例えば小児用などのより小さなサイズのものを製造しようとすると、より小型の丸編機を用意しなければならないし、丸編み機では横に並列に複数個のソックスやパンティストッキングを同時に編むことができず生産性もよくないという問題がある。
しかも、丸編み機で生産されている指付きソックスは、厚手のものしか生産されておらず、薄手のものが入手しにくい。
ダブルラッシェル編みなどの経編品は、上記のような問題もなく、繊維糸が少々切れても、簡単にラン(伝染)が走ってダメージとなることが少なく、また、厚手のものから、薄手のものまで目的に応じて製造できる、ダブルラッシェル編み機の大きさにもよるが、通常、市販のダブルラッシェル編み機では、例えば20足分程度のソックスや20着分のパンティストッキングを横に並列に並べて同時に編むこともできるので、生産性もよく、経編品でソックスやパンティストッキングを形成できると好ましい。
しかし、ダブルラッシェル編みなどの経編品のソックスやパンティストッキングは、次のように製造されている。
図19にダブルラッシェル編みによる従来のソックスの製造工程(斜視図)を示した。即ち、ダブルラッシェル編みは筒状の編地を形成できるので、図19(a)に示したように、筒状の編地100を形成する。原理的には、フロント側の基布100aとバック側の基布100bを編みながら、これらの基布の両脇側101を同時にフロント側とバック側を連結する連結編みで連結してしまうことにより、一体の筒状の編地100が形成される。尚、編物が編機から排出される方向、これを編み方向と言う(糸の供給される方向である)は、矢印Sで示したように、ダブルラッシェル編みの場合には、筒状の編地の長手方向となる。
次に図19(b)に示したように、筒状の編地100の所定部分を必要な長さに切断し、筒状物の、履き口開口部用充当部102の反対側の開口部をミシンで縫合し(縫合部103)これを裏返して縫合部103の縫い目がソックスの内側になるようにし、履き口開口部用充当部102をソックスの内側又は外側(図20の例ではソックスの脚部の内側)に折り返して、その先端縁110近傍を脚部107(107a、107b)の周囲に縫合(縫合ライン111)することによって、履き口開口部112を形成する。このようにすることにより開口部112の近傍が2重になるので、その分、開口部112の近傍の伸縮パワーが大きくなり、ソックスを着用した場合の、ずり下がり防止機能が発揮される。履き口開口部用充当部102を折り返さずに、履き口開口部用充当部近傍に、ゴムテープなどのストレッチテープを取り付けて、開口部を形成してもよい。かくして、ダブルラッシェル編みによるソックスとして使用している。なお、図19(b)は、履き口開口部用充当部102に履き口開口部112を形成するための処置が施される以前の段階の図であり、図20は履き口開口部112を形成するための処置(この場合は、履き口開口部用充当部102をソックスの内側に折り返して、その先端縁110近傍を脚部107の周囲に縫合する処置)が施されたソックス完成品の状態の図である。この完成品を着用した状態を足の甲斜め上側面から見た斜視図が図20である。104が足甲部、105が足底部、106が踵部、107aが前側脚部、107bが後側脚部、102が履き口開口部用充当部(102aが前側履き口開口部用充当部、102bが後側履き口開口部用充当部)、110は履き口開口部用充当部の先端縁、111は履き口開口部用充当部102の先端縁110近傍を脚部107の周囲に縫合している縫合ライン、112が履き口開口部、108a(指の先のうち上側)が足甲側爪先部、108b(指の先のうち下側)が足底側爪先部である。
図19(b)と図20とを対比すると、この場合、図19(b)の筒状の編地100を構成するフロント側の基布100aが、図20の足甲側爪先部108a、足甲部104、前側脚部107a、前側履き口開口部用充当部102aを形成しており、図19(b)の筒状の編地100を構成するバック側の基布100bが、図20の足底側爪先部108b、足底部105、踵部106、後側脚部107b、後側履き口開口部用充当部102bを形成している。この両者(前側と後側)の両脇側(図19(b)の101)は、上述したように、フロント側の基布100aとバック側の基布100bを連結する連結編みで連結して編まれており、通常、この境界は目視では判別できない。従って、縫合ラインのように目立つことはない。従って、図20では、フロント側の基布100aとバック側の基布100bの境界(繋ぎ目、例えば、102aと102bの境界、107aと107bの境界など)が目視できるように図示されていない。この点は、後述する本考案においても同様である。
ところで、かかるダブルラッシェル編みによるソックスは、丸編品の前述した欠点は改良されるが、爪先先端に縫い目(縫合部103)があるため、ソックスを着用して靴を履いた場合に指先が縫い目に当たったり擦れたりして着用感が低下すると言う問題がある。また、近年は、衣料品の価格競争が極めて激しくなり、製造コストを低減することが必要になるが、爪先先端を縫い合わせる等の縫合箇所は、人手により縫製するため、縫合部分が多いほど、縫製の手間が大きなコストアップの原因になっている。
また、爪先部が二股以上に分かれて指袋が形成されている指付きソックスや指付きパンティストッキングなどは、近年、健康上の観点から見直されて流行してきている下駄や草履、これらと同様に二つの指の間に鼻緒を挟んで着用するタイプの鼻緒サンダルなども履くことができ、指なしソックスや指なしパンティストッキングの着用状態ではいちいち、これらを脱がないと、下駄や草履、鼻緒サンダルなどを履くことが出来ないというわずらわしさがない点でも好ましく着用されるようになってきている。更には爪先部が足の5本の指に対応して5つに分かれて指袋が形成されている5本指に相当する指付きソックスや指付きパンティストッキングなどでは、上記のメリットのほかに、着用した場合に足指の肌同士が直接接することがなく、足指間の蒸れが緩和され易くなり、水虫の発生しやすい環境をより低減するなどの衛生面からも近年好んで着用されるようになってきている。
しかし、経編であるダブルラッセル編みで指袋が形成されている指付きソックスや指付きパンティストッキングは製造されていない。先の図19を引用して説明した方法を応用して、指袋を形成するフロント側基布とバック側基布の指袋の両脇側ならびに指袋の先端部を縫製により縫合することで形成することが考えられるが、先の図19で説明したと同様に、これを着用した場合に、指先が縫い目に当たったり擦れたりして着用感が低下すると言う問題がある。さらに指袋を形成するためにその周囲をミシンで縫合することは、先の図19、図20で説明した指袋のないソックスの場合よりも一層手間がかかり、より大幅なコストアップとなる。
本考案は、丸編み品に比べて、一度に多くのものを編むことができると言う経て編の利点を有しながら、製造するのに余り人手がかからずに製造コストの低減がはかれ、かつ足部の指先部分などに縫い目などがなく縫い目による着用感の低下がなく、また薄物でもソックスまたはパンティストッキングを形成している編み糸が部分的に切断されても、丸編み品のパンティストッキングの様に簡単にランが走らず、ダブルラッセル編みで一体にシームレスに形成されているソックス本体またはパンティストッキング本体(履き口開口部を形成するための処置をする前の段階のものを言う。以下同様。)を用いて形成された指付きソックスまたは指付きパンティストッキングを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本考案の指付きソックスは、次のものである。
(1)非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みからなり、履き口開口部がくるぶしより上に至る長さを有し、爪先部が二股以上に分かれて指袋が形成されている指付きソックスであって、前記ソックス本体はダブルラッシェル編みで一体に形成されており、
ダブルラッシェル編みのフロント側基布とバック側基布の両脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで、足甲部と足底部並びに踵部、前側脚部と後側脚部、前側履き口開口部用充当部と後側履き口開口部用充当部の両脇側がそれぞれ連結され、指袋部は、指袋部間の区画部が、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布の脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで連結されており、
前記指袋の先端部は、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みでフロント側基布とバック側基布が連結して編まれて形成され、
履き口開口部は、前記前側と後側の履き口開口部用充当部がその両脇側で連結されて形成された履き口開口部用充当部にストレッチテープを設けるか、又は、当該履き口開口部用充当部を折り返して脚部周囲と縫合し重なり部分を形成してなる履き口開口部である指付きソックス。
(2)前記(1)項に記載のソックスにおいては、非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みの前記非弾性糸がフロント側基布及びバック側基布に鎖編み組織で編みこまれていることが好ましい。
(3)また、前記(1)〜(2)項のいずれかに記載のソックスにおいては、前記指袋の先端部及び履き口開口部用充当部の少なくともいずれかの外側に、更に編み組織が異なり、目視で区別可能な領域を設けてなるソックスが好ましい。
(4)また、前記(3)項に記載のソックスにおいては、目視で区別可能な領域が、鎖編みで形成された領域であることが好ましい。
(5)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載のソックスにおいては、爪先部が足の5本の指に対応して5つに分かれて指袋が形成されていることが好ましい。
(6)また、前記(1)〜(5)項のいずれかに記載のソックスにおいては、ダブルラッシェル編みが、ジャカード制御機構を有するダブルラッシェル編み機を用いて編まれたダブルラッシェル編みであることが好ましい。
また、前記目的を達成するため、本考案の指付きパンティストッキングは、次のものである。
(7)非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みからなり、爪先部からウェスト履き口開口部に至る長さを有し、爪先部が二股以上に分かれて指袋が形成されている指付きパンティストッキングであって、前記パンティストッキング本体はダブルラッシェル編みで一体に形成されており、
ダブルラッシェル編みのフロント側基布とバック側基布の両脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで、足甲部と足底部並びに踵部、前側脚部と後側脚部、前側パンティ部と後側パンティ部、前側履き口開口部用充当部と後側履き口開口部用充当部の両脇側がそれぞれ連結され、指袋部は、指袋部間の区画部が、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布の脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで連結されており、
前記指袋の先端部は、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みでフロント側基布とバック側基布が連結して編まれて形成され、
履き口開口部は、前記前側と後側の履き口開口部用充当部がその両脇側で連結されて形成された履き口開口部用充当部にストレッチテープを設けるか、又は、当該履き口開口部用充当部を折り返してパンティ部周囲と縫合し重なり部分を形成してなる履き口開口部である指付きパンティストッキング。
(8)前記(7)項に記載のパンティストッキングにおいては、非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みの前記非弾性糸がフロント側基布及びバック側基布に鎖編み組織で編みこまれていることが好ましい。
(9)また、前記(7)〜(8)項のいずれかに記載のパンティストッキングにおいては、前記指袋の先端部及び履き口開口部用充当部の少なくともいずれかの外側に、更に編み組織が異なり、目視で区別可能な領域を設けてなるパンティストッキングであることが好ましい。
(10)また、前記(9)項に記載のパンティストッキングにおいては、目視で区別可能な領域が、鎖編みで形成された領域であることが好ましい。
(11)また、前記(7)〜(10)項のいずれかに記載のパンティストッキングにおいては、爪先部が足の5本の指に対応して5つに分かれて指袋が形成されていることが好ましい。
(12)また、前記(7)〜(11)項のいずれかに記載のパンティストッキングにおいては、ダブルラッシェル編みが、ジャカード制御機構を有するダブルラッシェル編み機を用いて編まれたダブルラッシェル編みであることが好ましい。
(1)本考案の前記(1)項または(7)項に記載のソックスまたはパンティストッキングは、指付であるにもかかわらずその製造に余り人手がかからずに製造コストの低減が計かれ、かつ縫い目に指先が擦れるなどの着用感の低下がなく、製造したいソックスまたはパンティストッキングのサイズが一つの編み機で自由に変更でき、一度に横に並列に複数個のソックス本体またはパンティストッキング本体を同時に編むこともでき、本体に履き口開口部形成処理を施すのみで完成品とし得る生産性のよいダブルラッセル編みで本体が一体にシームレスに形成されている指付きソックス本体または指付きパンティストッキング本体が製造でき、指付であるにもかかわらず縫合箇所を少なく出来て製造コストを低減できる指付きソックスまたは指付きパンティストッキングを提供できる。また、要求に応じて、薄手から厚手の指付きのパンティストッキングやソックス(ストッキング)も自由に製造でき、薄手のパンティストッキングやソックス(ストッキング)の場合であっても、パンティストッキングやソックスを形成している編み糸が部分的に切断されても、簡単にランが走ることがないパンティストッキングも提供できる。ソックスにおいても、同様に簡単にランが走ることがないソックスやストッキング(ソックス)が提供できる。
(2)前記(1)項または(7)項に記載のソックスまたはパンティストッキングにおいて、非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みの前記非弾性糸がフロント側基布及びバック側基布に鎖編み組織で編みこまれている本考案の好ましい態様とすることにより、得られるソックスまたはパンティストッキングの伸縮性が十分発揮でき、しかも、ランの防止が一層はかれ、ソックス本体またはパンティストッキング本体が複数個連なって連続して編みあがった連続体から、各々の個別の本体を切り離して取り出す場合であっても、切断部分のほつれ処理などが不要で、切りっぱなしのままで、切断部からほつれなどが生じにくい指付きソックスまたは指付きパンティストッキングが提供でき好ましい。
(3)また、前記(1)ないし(2)項のいずれかに記載のソックスまたは前記(7)ないし(8)項のいずれかに記載のパンティストッキングにおいて、前記指袋の先端部及び履き口用開口部用充当部の少なくともいずれかの外側に、更に編み組織が異なり、目視で区別可能な領域を設けてなる本考案の好ましい態様とすることにより、ソックス本体またはパンティストッキング本体複数個が直列に連なって連続して編まれている連続体から、ソックス本体またはパンティストッキング本体一個一個をカットして取り出す場合にカットすべき位置が目視できるようになり、作業効率が向上し好ましい。
(4)また、前記(3)項に記載のソックスまたは前記(9)項に記載のパンティストッキングにおいて、目視で区別可能な領域が、鎖編みで形成された領域である本考案の好ましい態様とすることにより、鎖編みは縦方向は連結されても、横方向は相互に連結されないので、スリットが縦方向に形成され、したがって、ソックス本体またはパンティストッキング本体複数個が連続して編まれている連続体から、ソックス本体またはパンティストッキング本体一個一個をカットして取り出す場合にカットすべき位置が一層目視しやすくなり、作業効率が向上し好ましい。
(5)また、前記(1)〜(4)項のいずれかに記載のソックスまたは前記(7)〜(10)項のいずれかに記載のパンティストッキングにおいて、爪先部が足の5本の指に対応して5つに分かれて指袋が形成されている本考案の好ましい態様とすることにより、着用した場合に足指の肌同士が直接接することがなく、足指間の蒸れが緩和され易くなり、水虫の発生しやすい環境をより低減するとともに、下駄や草履、これらと同様に親指と第二指との間に鼻緒を挟んで着用するタイプのサンダルなども履くことができ、好ましい。
(6)また、前記(1)〜(5)項のいずれかに記載のソックスまたは前記(7)〜(11)項のいずれかに記載のパンティストッキングにおいて、ダブルラッシェル編みが、ジャカード制御機構を有するダブルラッシェル編み機を用いて編まれたダブルラッシェル編みである本考案の好ましい態様とすることにより、ジャカード制御機構を有することにより、必要な組織の切り替えが容易で、また、編み組織変化による模様の形成も容易にでき、指付きソックス本体または指付きパンティストッキング本体がシームレスで一体に編まれている指付きソックスまたは指付きパンティストッキングを容易に得る事ができ好ましい。
以下、本考案の理解を容易にするため具体的実施形態例を用いて、その図面を参照しながら本考案を詳細に説明するが、以下に取り上げる具体的実施形態例は、本考案の理解を容易にするために例示したものであり、本考案は、これらの具体的実施形態例のみに限定されるものではない。
尚、本考案において、「ソックス」とは、履き口開口部がくるぶしより上に至る長さを有する靴下類であればよく、通常のソックス、クルーソックス、ハイソックス、オーバーニーソックス、ストッキング(ガーターソックス)などのいずれでもよい。
図1〜図5に、本考案のソックスの一実施形態例を示した。図1は、本考案のソックス本体の一実施形態例の正面図(右足用で足の甲側から見た正面図)、図2は図1の背面図(右足用)、図3は前記図1、図2のソックス本体の履き口開口部用充当部をソックス脚部の内側に折り返して、当該履き口開口部用充当部の先端縁16の近傍をソックス本体の脚部5の周囲に縫合(縫合ライン17)して完成した本考案の一実施形態のソックスの正面図、図4は図3のソックスの背面図である。図5は前記図3、図4で示された本考案のソックスを着用した状態を示す足の甲側から見た斜視図である。
1は指袋部(爪先部)で1aは足甲側の指袋部(上側指袋部)、1bは足底側の指袋部(下側指袋部)、2が足甲部、3が足底部、4が踵部、5は脚部で5aが前側脚部、5bが後側脚部、6が履き口開口部用充当部で6aが前側履き口開口部用充当部、6bが後側履き口開口部用充当部、16が履き口開口部用充当部の先端縁、17が履き口開口部用充当部の先端縁近傍をソックス本体の脚部5の周囲に縫合している縫合ライン、18は履き口開口部である。
11はフロント側基布9とバック側基布10の脇側であり、この左右両方の脇側部分はそれぞれフロント側基布9とバック側基布10を連結する連結編みで連結されていて、図19の符号101で説明した場合と同様に、筒状になるように連結されている。この連結により、筒状の編地を構成するフロント側の基布9が、図5の足甲側指袋部(上側指袋部)1a、足甲部2、前側脚部5a、前側履き口開口部用充当部6aを形成しており、バック側の基布10が、図5の足底側指袋部(下側指袋部)1b、足底部3、後側脚部5b、後側履き口開口部用充当部6bを形成している。なお、図3〜4においては、図1〜2の履き口開口部用充当部6(6a、6b)が、ソックス脚部5の内側に折り返されて、当該履き口開口部用充当部6の先端縁16近傍をソックス本体の脚部5の周囲に縫合(縫合ライン17)して、履き口開口部18を形成した本考案のソックスの完成品の図を示しており、図1と2は、かかる履き口開口部を形成するための処置をする前の段階のソックス本体の正面図と背面図である(以下、かかる履き口開口部を形成するための処置をする前の段階のものをソックス本体と言う。パンティストッキングにおいても以下同様。)。
この実施形態のソックスでは、履き口開口部用充当部6が折り返されて、この部分が二重になって履き口開口部18が形成されているので、履き口開口部近傍の伸縮パワーがソックス本体基布の伸縮パワーに比べて二重になっている分、大きくなり、ソックスを着用した際のずり下がり防止機能を発揮する部分である。
この履き口開口部用充当部6は、この例では、ソックスの内側に折り返した例を示したが、外側に折り返してその先端縁16近傍を脚部に縫合してもよく、また、折り返しの回数は1回だけでなく2回以上折り返し、履き口開口部が三重以上の重ね合わせになるようにしてもよい。また、履き口開口部用充当部6を折り返さずに、ゴムテープなどのストレッチテープを、充当部6の内側、或いは外側のいずれかに沿って輪状に取り付けて開口部としてもよい。この場合、ストレッチテープの幅方向の下縁側近傍のみが、充当部6の内側、或いは外側に縫着されるようにして、履き口開口部18を形成してもよい。ここで、この内容を図6の開口部近傍の部分的概念略図(断面の模式的端面図)を用いて先に説明しておく。
図6は、履き口開口部近傍の構造を説明するための、開口部近傍の部分的概念略図(断面の模式的端面図)である。図6中、5が脚部、6が履き口開口部用充当部(図6の(a)〜(d)の例では折り返されている)、17(17a、17b)が履き口開口部用充当部の折り返し部分(先端縁16)近傍またはストレッチテープ41を脚部5の周囲に縫合している縫製ライン、18が履き口開口部である。
図6(a)は履き口開口部用充当部6をソックスの内側に一回折り返してその先端縁16近傍を脚部5の周囲に縫合(縫製ライン17)することにより履き口開口部18が形成されている態様である。次に図6(b)は履き口開口部用充当部6をソックスの外側に一回折り返してその先端縁16近傍を脚部5の周囲に縫合(縫製ライン17)することにより履き口開口部18が形成されている態様である。図6(c)は履き口開口部用充当部6をソックスの内側に2回折り返してその先端縁16近傍と2回目折り返し点近傍を脚部5の周囲に縫合(縫製ライン17a、17b)することにより履き口開口部18が形成されている態様である。図6(d)は履き口開口部用充当部6をソックスの外側に2回折り返してその先端縁16近傍と2回目折り返し点近傍を脚部5の周囲に縫合(縫製ライン17a、17b)することにより履き口開口部18が形成されている態様である。図6(e)は履き口開口部用充当部6の内側に、また、図6(f)は外側に、夫々ストレッチテープ41の幅方向の上側の縁と履き口開口部用充当部の先端縁16の縁の位置がほぼ同じ位置になるようにして脚部5の周囲に沿って輪状にストレッチテープ41を取り付けて(縫製ライン17a、17b)履き口開口部18を形成した態様である。図6(g)は履き口開口部用充当部6の内側に、また、図6(h)は外側に、夫々ストレッチテープ41の幅方向の下縁側近傍のみが、履き口開口部用充当部の先端縁16近傍に脚部5の周囲に沿って輪状にストレッチテープ41を取り付けて(縫製ライン17)履き口開口部18を形成した態様である。
これらの履き口開口部の構造態様は、以下の、ソックス、パンティストッキングのいずれにも適用できるので、以後の説明は省略することがある。このうち、好ましいものは、履き口開口部用充当部6を折り返す場合には、ソックスの内側に折り返した態様[図6(a)、(c)]が好ましく、また、ストレッチテープ41を取り付ける場合には、同様にソックス脚部内側に取り付ける態様[図6(e)、(g)]が好ましい。
再び図1〜5に戻り、説明すると、両脇側11は、上述したように、フロント側の基布9とバック側の基布10を連結する連結編みで連結して編まれており、通常、この境界は目視では判別できない。従って、縫合ラインのように目立つことはない。従って、図5では、フロント側の基布とバック側の基布の境界(繋ぎ目、例えば5aと5bの境界など)が目視できるように図示されていない。この点は、後述する本考案の他の実施形態例においても同様であるので、以後、重複説明を省略することがある。
7は、各指袋部をそれぞれの指ごとに区画している指袋脇側である。各指袋脇側7は、それぞれ両脇側11と同様に、フロント側基布9の上側指袋部1aの脇側と対応するバック側基布10の下側指袋部1bの脇側同士をフロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、筒状とする。この編み組織は左右方向には振れていない編み方なので、隣接する足指の指袋部分の脇部7同士は離れて形成される(接続されていない)。そして各指袋の先端部8の部分を編む場合には、各指袋の上側指袋部1aのフロント側基布9の指袋先端部と対応する下側指袋部1bのバック側基布10の指袋先端部同士をフロント側とバック側並びに左右側(横方向)を連結する連結編みで連結し、指先が閉じられて各指袋の先端部8が形成される。
上記本考案のソックス本体の製造工程を図7並びに採用する編み組織の説明図図15〜18を引用しながら説明する。
図7はジャカード制御機構を有するダブルラッセル編機で連続的にシームレスに一体に編まれて前記編機から排出されてきた状態の、ソックス本体が形成されている連続体のフロント側(図1と同じ正面側)から見た図である。尚この反対面側のバック側から見た図は、同様の図になるので、図示を省略している。矢印Sの方向が編み方向である(編み方向は、編機から排出される方向であり、以下、矢印Sと平行な方向を縦方向と略称することがある。尚、この縦方向に対し横の方向を、横方向、又は、左右方向と略称することがある)。フロント側基布9とバック側基布10(図示せず。必要なら図2参照。以下同様。)はダブルラッセル編の一つの態様として、これらの基布の左右両方の脇側11をフロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、図19(a)で説明したように筒状とすることができる。図7で示した例は、縦方向に直列で複数個の左右1対のソックス本体が形成されている連続体を示しているが、縦方向一列のみならず、その左及び/又は右側に同様の又は別の左右一対のソックス本体またはソックス本体とパンティストッキング本体等(異なる品種のもの)が並列して形成されている連続体を同時に形成して、2列以上並列し、且つ縦方向にも複数個直列に形成されている連続体としてもよく、通常、ダブルラッセル編機の幅は目的とするソックスまたはパンティストッキングの幅よりはるかに大きいので、2列以上並列した連続体で編む方が生産性が向上し好ましい。図7では、理解を容易にするため左右1対の縦方向に連続している直列体の連続体を示したが、現実の生産は、横方向にも2列以上並列した連続体(編み機の大きさにもよるが、通常、20列位まで並列形成可能)に編まれる。
フロント側基布9とバック側基布10(バック側は図示せず。必要なら図2参照。以下、いちいち「図示せず」との記載を省略する場合がある)の主要部分(図3の足甲側指袋部1a、足甲部2、前側脚部5a、足底側指袋部1b、足底部3、踵部4、後側脚部5b、前側履き口開口部用充当部6a、後側履き口開口部用充当部6b等の編地部分、但し脇側部分11や指袋の脇側部分7、指袋の先端部分8等は除く)は、縦方向と左右側(横方向)を結合できる、いわゆる編地が形成できる編み組織の経編であれば特に限定されず、例えば、最も単純には図15に示したような、デンビ組織で編まれる。デンビ組織に限定されず、上述したように編地が形成できる他の経編組織でもよく、例えば、ハーフ組織、メッシュ組織、アトラス組織など、支障のない限り他の組織としてもよく、必要なら、編み模様を付してもよい。一例を挙げると、例えば、夏季用のソックスまたはパンティストッキングとしては、メッシュの目の開きの大きめのメッシュ組織を採用するなどにより、通気性を向上させて蒸れを少なくするなど、季節や用途に応じて適宜の編み組織を採用することは任意である。
かくして、フロント側基布9とバック側基布10を編みながら、同時にこれらの基布の両方の脇側11(11a、11b)をフロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、図19で説明したと同様に筒状とする。
フロント側とバック側の両脇部を連結する連結編みの編み組織の一例を図17の(e)と(f)に示した。図17の(e)が左右の両脇側11のうち図7の左右1対のソックス本体のそれぞれの図に向かって左側の方の脇側11aのフロント側とバック側の脇部を連結する連結編みの編み組織であり、図17の(f)が左右の両脇側11のうち図7の左右1対のソックスのそれぞれの図に向かって右側の方の脇側11bのフロント側とバック側の脇部を連結する連結編みの編み組織である。
図17においてFはフロント側の編目位置を示し、Bはバック側の編目位置を示している。図17の(e)、(f)に示したフロント側とバック側を連結する連結編みの編み組織は、表裏同じウェールに通っており(言い換えれば、図17の(a)、(b)のように左右方向に振れていない編み方)、したがって、フロント側とバック側を連結するだけなので、そのつなぎ目が目視では全くわからないようにフロント側基布9とバック側基布10をこれらの基布の両脇側11で連結し図19で説明したと同様に筒状とすることができる。図18は、フロント側とバック側を連結している編み組織を、ちょうど基布の脇側11側から見たと仮定した場合の概念図である。24はフロント側とバック側を連結している糸である。
そして、フロント側基布9とバック側基布10を編み、次いで例えば、各指袋部をそれぞれの指ごとに区画している指袋脇側7において、フロント側基布9の上側指袋部1aの脇側と対応するバック側基布10の下側指袋部1b(図示せず、図2参照)の対応する脇側7同士を結合するには、前記基布の脇側11同士を連結する場合と同様に、フロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、筒状とする。例えば、指袋部の左右各脇側7のうち図7の各左側脇を編む場合には図17の(e)で、各右側脇を編む場合には図17の(f)で示した編み組織で編むことにより、指袋を筒状に形成できる。しかして、この編み組織は左右方向には振れていない編み方なので、隣接する指袋の脇部7同士とはつながることはなく、指袋同士はその脇側は互いに離れて形成される(接続されていない)。そして各指袋の先端部8の部分を編む場合には、フロント側基布9とバック側基布10をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編み(例えば、図17の(g)や(h)に示した編み組織)で連結し、指袋の先端部8を形成する。
尚、説明するまでもないが、例えば、図7や後述する図8において、左右の足用のソックス本体が横方向に並列で1対形成されるが、その左右の本体部分の境界になる図の中央部の脇部11(図の中央部の11aと11b)は、先に説明したように、フロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編む(例えば、図17の(e)や(f)で示した編み組織で編む)ので、この編み組織は左右方向には振れていない編み方なので、隣接する左右の足用の図の中央部の脇部11の隣接している11aと11bは、左右互いに離れて形成される(接続されていない)。このようにすると、左右の並列が完全に両者の縦方向中央ライン11で離れて2本ばらばらに編機から排出されるように思われるが、左右の組が離れないように、例えば、縦方向に複数個のソックス本体同士の間を連結している部分14の部分の編み組織を、左右方向にも連結が生じる編み組織、例えば、特に限定するものではないが図15に示したようなデンビ組織などとすれば、この部分で連結が保持され、連続体として編機から排出されることになるのである。そして、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の外側の縁に沿ってカットするか、後述するカットライン表示部13、15がある場合にはその適宜の位置でカットして、個々のソックス本体を得る。この際、指袋部分の脇部7の編み組織を延長して形成し、指袋先端部8の縦方向長さよりも若干長くして形成した部分7aを設けておくと、カットした場合に各足指の指袋部分間がつながってカットされる恐れがなく好ましい。同様に左右の本体部分の境界になる図4の中央部の脇部11(11a、11b)も履き口開口部用充当部6の上縁より上側に若干長くして形成した部分11dを設けておくと、カットした場合に左右のソックスが上端でつながってカットされる恐れがなく好ましい。
指袋先端部8の部分をフロント側とバック側が閉じられるように編む場合、前述したようにフロント側基布9とバック側基布10をフロント側とバック側並びに左右側(横方向)を連結する連結編みで連結し、指袋先端部8を形成する。フロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みの編み組織の一例を、図17の(g)及び(h)に示した。この組織図からわかるように、図17の(g)に示した糸は、下から順に説明すると、右側のフロント側、左側のバック側、次いで同フロント側、次に右側のフロント側、更に左側のバック側と言うように、フロント側とバック側並びに左右側を同時に連結する連結編みの編み組織となっている。図12の(h)についても図に示した通り、フロント側とバック側並びに左右側を同時に連結する連結編みの編み組織となっている。従って、指袋先端部8を閉じて袋状にすることができる。
指袋先端部8のフロント側とバック側並びに左右側を同時に連結する連結編みの編み組織とする部分の縦方向(矢印S方向)の幅は、特に限定するものではないが、通常、3〜5mm程度である。複数個のソックス本体同士間を縦直列に連結している部分14の編み組織は、縦方向に複数個のソックス本体同士の間を連結できる編み組織であれば何ら限定されないが、例えば、フロント側基布9やバック側基布10の主要部を編む編み組織と同じ、例えばデンビ組織でもよい。
また、指袋先端部8と反対側の端部には、履き口開口部用充当部6を脚部5に形成するが、履き口開口部用充当部6の編み組織は、脚部5a、5bと同じでよい。したがって、図7や図8では、履き口開口部用充当部6と脚部5の境界ラインが理解を容易にするため説明の都合上一点鎖線で示されているが、実際の現物ではこのようなラインは見えない(以下同様)。
具体的には、例えばソックス本体基布(1〜6の部分)の弾性糸は、図15(フロント側本体の場合図17の(a)、バック側本体の場合図17の(b))の如くデンビ組織で形成されている。そして、所定の各部分部分における編み組織の変更は、例えば、図17に示した各種編み組織への変更はジャカード機構を有するダブルラッシェル編機を用いれば容易に実現することができる。
もう少し、具体的に説明すると、例えば、図7の指袋先端部8を図17の(g)で示される組織で編んでいき、指袋先端部8の領域が終わって次に指袋部から前側脚部5a、履き口開口部用充当部6aを編む場合には、当該糸の動きをジャカード機構を用いて図17の(a)の組織に変えて編む。このように、1本の糸を縦方向で部分的に編み組織を変えるのは、ジャカード機構を有するダブルラッシェル編機を用いれば、実現できる。例えば、ジャカード機構を有するダブルラッシェル編機の編み組織の指令を入力するコンピューターに、指袋先端部8のある特定の位置の糸を例に取るとその糸に関し指袋先端部8の部分を編む場合には、フロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編み(図17の(g)、(h)参照)とし、指袋先端部8の領域が終了して次に指袋部から前側脚部5a、履き口開口部用充当部6aを編む場合にはデンビ組織(図17の(a)参照)にするという指令を入力して編めばよい。
本考案のソックス本体は以上に説明した態様でも十分である。しかし、実際には、縦方向に複数のソックス本体が形成される縦方向連続体において指袋先端部8の位置が目視ではわかりにくい。また、履き口開口部用充当部6の先端縁16の位置も目視ではわからない。図1、図2の図面上では、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16を説明するために、ラインが記載されて、境界ラインがわかるように描かれているが、実際の連続体の編地上では、通常その位置が判別しにくい。従って、連続体のどの部分をカットして、個々のソックス本体を得るかカットする位置が目視でわかりにくい。そこで、好ましくは、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16の外側の領域(外側の領域とは、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16の上ないし下方向の外側を意味する。図7基準では、指袋先端部8の下方向の外側、履き口開口部用充当部6の先端縁16の上方向の外側になる。以下同様。)の少なくとも一部、特に限定するものではないが、例えば好ましくは縦方向の長さにして、5〜10mmm程度の領域を指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端部と区別して目視できるような編み組織に変えて編むとよい。この場合には、例えば、カットライン表示部13、15が目視できるように、この部分を鎖編みにする。そうすると、鎖編みは縦方向は連結されても、横方向は相互に連結されないので、それぞれスリット13a、15aが形成され、したがって、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16の外側の境界が目視でも見当がつくようになる。尚、カットするには、必ずしも指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16に密接してカットする必要はなく、カットライン表示部13、15の適宜の位置でカットしてもよい。尚、カット(裁断)したままで、特別の縁始末処理をしなくても、カットしたままの縁がほつれることはない。
このように、カットライン表示部13や15が目視できるように編み組織を変更して編むことにより、どこでカットしたらよいか容易に判別できるので生産性を向上させることができより好ましい。カットライン表示部13、15は、フロント側基布9又はバック側基布10のいずれか一方のみに形成してもよく、好ましくは、両方の基布に形成しておくとよい。
尚、場合によっては、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16の外側全部(縦方向の複数個のソックス本体の間を連結している部分14の部分も含めて全部)を、目視できるような編み組織としてもよい。このような指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁からカットライン表示部13や15への編み組織の変更は、前述したようにジャカード機構を有するダブルラッシェル編機を用いれば、実現できる。
尚、図17について、説明を補足する。図17において、Fはフロント側の編目位置を示し、Bはバック側の編目位置を示すものであるが、図17は本考案で用いる所定部位の編み組織を説明するためのダブルラッシェル編みのフロント側、バック側を同時に表示した編み組織図(但し、それぞれコース方向1本のみで代表させて示した編み組織図)である。
図17(a)は、フロント側基布9の主要部分を編むデンビ組織の場合の編み組織図であり、編目のループ部分は、フロント側Fのみであるから、フロント側のみを構成する編み組織であることがわかる。同様に、図17(b)は、バック側基布10の主要部分を編むデンビ組織の場合の編み組織図であり、編目のループ部分は、バック側Bのみであるから、バック側のみを構成する編み組織であることがわかる。図17(e)、(f)は既に説明したとおり、表裏同じウェールを通ってフロント側とバック側を連結する連結編みの編み組織であり、フロント側基布9とバック側基布10をこれらの基布の両脇側11で連結するのに好適な編み組織の一例である。また、この組織は、フロント側基布9の上側指袋部の脇側7と対応するバック側基布10の下側指袋部脇側とをフロント側とバック側を連結する連結編みの編組織としても好適な編み組織の一例である。いずれも図7の左脇側は図17(e)、右脇側は図17(f)の編組織が適用できる。
図17(g)も既に説明したとおり、フロント側基布9とバック側基布10をフロント側とバック側並びに左右側を連結する編み組織であり、下から順に説明すると、右側のフロント側、左側のバック側、次いで同フロント側、次に右側のフロント側、更に左側のバック側と言うように、フロント側とバック側並びに左右側を同時に連結する連結編みの編み組織の一例であり、各指袋の先端部8の形成に好適な編み組織の一例である。尚、図17(h)も同様に、フロント側基布9とバック側基布10をフロント側とバック側並びに左右側を連結する編み組織である。
なお、説明が複雑になり、理解がしにくくなることを避けるため、上記では特に説明していなかったが、本実施の形態では、グランド糸として、フルセットですべてのフロント側の編目に更に図17(c)に示した鎖編み組織、すべてのバック側の編目に図17(d)に示した鎖編み組織の糸が同時に編みこまれている。これらのグランド糸は、通常、非弾性糸からなる糸が用いられ、その他の図17(a)、(b)、(e)〜(h)の組織には弾性糸が用いられる。
即ち、例えば、これらの編み組織の各糸を、筬への通糸状況で説明すると、例えば、日本マイヤー株式会社の販売するジャカード機構を有するダブルラッシェル編機“RDPJ6/2”を例に取ると、この編機はL1〜L6の6枚の筬を有している。L1〜L3がフロント側の筬、L4〜L6がバック側の筬である。L1とL6の2枚の筬は使用せずに、グランド筬L2(フロント側)とグランド筬L5(バック側)には、それぞれ図17(c)と図17(d)の組織とする非弾性糸がフルセットで通糸される。グランド筬とは、ジャカード機構の作用しない筬である。そしてジャカード筬L3(フロント側)には、それぞれ所定の位置に図17(a)、図17(f)の組織にする糸が、ジャカード筬L4(バック側)には、それぞれ所定の位置に図17(b)、図17(e)の組織にする糸が通糸されることになる。
ジャカード筬L3(フロント側)を例に挙げて説明すると、図7において、図7基準で右脇部11(11b)を編むウェールに通糸される糸には、ジャカード機構により図17(f)の編み組織にされる。その他の編目は、図17(a)の如くデンビ組織で編まれるようジャカード制御機構を作用させずに編む。また、指袋先端部8の領域は、ジャカード制御により指袋先端部8のフロント側は図17(g)の編み組織に変える。さらにカットライン表示部13や15を指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の領域から連続して編むには、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6それぞれの領域に続いて、この糸をジャカード制御により鎖編み組織(図示していないが、組織図としては図17の(c)と同じ組織図になる)に変えて編むことになる。
同様に、ジャカード筬L4(バック側)を例に挙げて説明すると、図7基準で左脇部11(11a)を編むウェールに通糸される糸には、ジャカード機構により図17(e)の編み組織にされる。その他の編目は、図17(b)の如くデンビ組織で編まれるようジャカード制御機構を作用させずに編む。また、指袋先端部8の領域は、ジャカード制御により指袋先端部8のバック側は図17(h)の編み組織に変える。さらにカットライン表示部13や15を指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の領域から連続して編むには、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6それぞれの領域に続いて、この糸をジャカード制御により鎖編み組織(図示していないが、組織図としては図17の(d)と同じ組織図になる)に変えて編むことになる。かくして得られたソックス本体連続体から各ソックス本体を切取り(通常、カットライン表示部13と15の部分でカットし、この部分のカットのみで、個々のソックス本体が分離される。)、履き口開口部用充当部6を図6で説明したような折り返しとかストレッチテープを設けることにより、履き口開口部18が形成されて完成品となる。
本考案のソックスや後述するパンティストッキングに使用される非弾性繊維としては、合成繊維(ナイロン6やナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、等)、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、それらの組み合わせなど各種のものを用いることができる。
尚、前述した、ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、伸張回復率が通常の非弾性繊維に比べてきわめて大きいが、ここでは非弾性繊維に分類している。
弾性繊維糸としてはポリウレタン繊維糸や、ポリウレタン繊維糸をナイロン繊維糸やポリエステル繊維糸でカバーした、いわゆるカバリングヤーンタイプの弾性繊維糸が好適に用いられる。特に後者の弾性繊維糸が好ましい。非弾性繊維糸としては、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド繊維糸、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維糸などの非弾性合成繊維糸(加工糸を含む)、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維糸、レーヨン、キュプラなどの再生繊維糸、アセテートなどの半合成繊維糸などが挙げられる。
尚、編目についてデンビ組織を例に挙げて説明すると、図16(a)がすべての編目が閉じ目30の場合、図16(b)がすべての編目が開き目31の場合、図16(c)が閉じ目30と開き目31が交互に表れる場合である。
本考案では、図17(a)や図17(b)などのフロント側基布9とバック側基布10の主要部分を構成する糸は、すべての編目が閉じ目の場合、すべての編目が開き目の場合、閉じ目と開き目が交互に表れる場合などいずれでもよい。特に、すべての編目が閉じ目の場合が好ましい。
用いる繊維の太さとしては、特に限定するものではないが、非弾性糸としては10デニール(11dtex)〜210デニール(231dtex)の範囲のものが好ましく用いられ(天然繊維糸はこの太さに換算した番手)、弾性糸としては通常10デニール(11dtex)〜420デニール(462dtex)、より好ましくは10デニール(11dtex)〜100デニール(110dtex)のものが好ましい。
次に、本考案のソックス本体の別の製造工程の一実施形態を、図8に示した。
図8はジャカード制御機構を有するダブルラッセル編機で連続的にシームレスに一体に編まれて前記編機から排出されてきた状態の、ソックス本体が形成されている連続体のフロント側から見た図である。尚この反対面側のバック側から見た図は、同様の図になるので、図示を省略している。矢印Sの方向が編み方向である。
図8に示した連続体が図7に示した連続体と異なる点は、図7に示した連続体においては、縦方向に連続する複数のソックス本体が、すべて、指袋部1が下方で、履き口開口部用充当部6が上方になる同一の向きで縦方向に複数個連続して配置されている連続体の例を示したが、図8に示した連続体は、縦方向に連続する複数のソックス本体が1つずつ反対向きに配置された連続体、即ち、指袋部1同士が向き合い、履き口開口部用充当部6同士が向き合う形の連続体の例を示したものである。その他の部分は、図7と同一なので、同一部分に同一の符号を付して、重複説明は省略した。図8に示したように、縦方向では、指袋部1同士が向き合い、履き口開口部用充当部6同士が向き合う対称形で且つ横方向も対称形に複数のソックス本体が配置されているので、連続体を編み上げた場合に、ひずみが少なく編み上がり、同じ形状のものを複数個連続して製造する場合には、形状のばらつき、ひずみが少なく、均一な形状のソックスを生産しやすく好ましい。従って、通常は、図8に示された製造工程により製造される。
なお、これらの実施の形態では、爪先側の形状が、5本の各足指に分かれて形成されている形状のものを示したが、爪先側の形状が、親指部分とそれ以外の足指をまとめて収納する部分の2つの部分に分かれて形成されている形状(いわゆる日本の足袋のような形状)にするなど、適宜、任意の形状にすることもできる。
次に、図9〜図12に本考案のパンティストッキングの一実施形態例を示した。図9は、本考案のパンティストッキング本体の一実施形態例の正面図(前側から見た図)、図10は後側から見た背面図である。図11、図12は、図9及び図10で示したパンティストッキング本体の履き口開口部用充当部6(6a、6b)を内側に折り返して、当該履き口開口部用充当部6の先端縁16をパンティストッキング本体のパンティ部21(21a、21b)の周囲に縫合して完成した本考案のパンティストッキングの一実施形態の正面図並びに背面図である。
本考案のこの実施の形態パンティストッキングは、先に説明した左右のソックスが、上方部分、即ち、股部で一体になり、腹部、臀部、ウェストまでカバーするようになっている点、履き口開口部がソックスのように、左右のソックスそれぞれに形成されているのではなく、ウェスト部分に1つ形成されていると言う点が異なるが、その他の部分は、上記で説明したソックスと実質上同一であるので、同一部分には同一の符号を付して、重複説明を省略している部分がある。重複説明を省略している部分は、上記ソックスの説明と同様であるので、容易に理解可能である。
1は指袋部(爪先部)で1aは足甲側の指袋部(上側指袋部)、1bは足底側の指袋部(下側指袋部)、2が足甲部、3が足底部、4が踵部、5は脚部で5aが前側脚部、5bが後側脚部、21がパンティ部で、そのうち21aが前側パンティ部(即ち腹部側を股部からウェスト部までカバーする部分)、21bが後側パンティ部(即ち臀部側を股部からウェスト部までカバーする部分)であり、18がほぼウェストラインに沿って設けられている履き口開口部で、6が履き口開口部用充当部、6aが前側履き口開口部用充当部、6bが後側履き口開口部用充当部である。
19はフロント側基布9とバック側基布10のそれぞれ外側の脇側であり、パンティストッキングの左右両外脇側に相当する部分である。この左右両方の外脇側部分はそれぞれフロント側基布9とバック側基布10を連結する連結編みで連結されている。また、20a、20bはそれぞれ、右側脚部、左側脚部(この場合の右側、左側は着用者基準)の内脇側部分であり、それぞれにおいて外側の脇側19と同様に、前側脚部5aと後側脚部5bを構成するフロント側基布9とバック側基布10を連結する連結編みで連結されている。
以上のような各脇部の連結により、筒状の編地を構成するフロント側の基布9が、図9の足甲側指袋部(上側指袋部)1a、足甲部2、前側脚部5a、前側パンティ部21a、前側履き口開口部用充当部6aを形成しており、バック側の基布10が、図10の足底側指袋部(下側指袋部)1b、足底部3、踵部4、後側脚部5b、後側パンティ部21b、後側履き口開口部用充当部6bを形成している。図11、図12においては、前記図9、図10のパンティストッキング本体の履き口開口部用充当部6(6a、6b)をパンティストッキング本体のパンティ部21の内側に折り返して、当該履き口開口部用充当部の先端縁16の近傍をパンティストッキング本体のパンティ部21(21a、21b)の周囲に縫合(縫合ライン17)して履き口開口部18を形成した本考案の一実施形態のパンティストッキング完成品の正面図並びに背面図である。
この実施形態のパンティストッキングでは、履き口開口部用充当部6が折り返されて、この部分が二重になって履き口開口部18が形成されているので、履き口開口部近傍の伸縮パワーがパンティストッキング本体基布の伸縮パワーに比べて二重になっている分、大きくなり、パンティストッキングを着用した際のずり下がり防止機能を発揮する部分である。
この履き口開口部18の構造は、先に説明したソックスの場合と同様に、図6を用いて説明した構造のいずれもが採用でき、好ましい態様もソックスの場合と同様である。ただ、パンティストッキングの場合には、ストレッチテープ使いのものが好ましい。
両外脇側部分19や内脇側部分20a、20bは、上述したように、フロント側の基布9とバック側の基布10を連結する連結編みで連結して編まれており、通常、この境界は目視では判別できない。従って、縫合ラインのように目立つことはない。
7は、各指袋部をそれぞれの指ごとに区画している指袋脇側である。各指袋脇側7は、それぞれ両外脇側部分19や内脇側部分20a、20bと同様に、フロント側基布9の上側指袋部1aの脇側と対応するバック側基布10の下側指袋部1bの脇側とをフロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、筒状とする。この編み組織は左右方向には振れていない編み方なので、隣接する足指部分の脇部7同士は離れて形成される(接続されていない)。そして各指袋の先端部8の部分を編む場合には、各指袋の上側指袋部1aのフロント側基布9の指袋先端部と対応する下側指袋部1bのバック側基布10の指袋先端部同士をフロント側とバック側並びに左右側(横方向)を連結する連結編みで連結し、指先が閉じられて各指袋の先端部8が形成される。
上記本考案のパンティストッキング本体の製造工程を図13並びに採用する編み組織の説明図図15〜18を引用しながら説明する。
図13はジャカード制御機構を有するダブルラッセル編機で連続的にシームレスに一体に編まれて前記編機から排出されてきた状態の、パンティストッキング本体が形成されている連続体のフロント側(図9と同じ正面側)から見た図である。尚この反対面側のバック側から見た図は、同様の図になるので、図示を省略している。矢印Sの方向が編み方向である(編み方向は、編機から排出される方向であり、以下、矢印Sと平行な方向を縦方向と略称することがある。尚、この縦方向に対し横の方向を、横方向、又は、左右方向と略称することがある)。フロント側基布9とバック側基布10(バック側は図示せず。必要なら図10参照。以下同様)はダブルラッセル編の一つの態様として、これらの基布の左右両方の外脇側19並びに内脇側部分20a、20bをフロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、既に説明したように筒状とすることができる。図13で示した例は、縦方向に直列で複数個のパンティストッキング本体が形成されている連続体を示しているが、縦方向一列のみならず、その左及び/又は右側に同様の又は別のパンティストッキング本体等が並列して形成されている連続体を同時に形成して、2列以上の連続体としてもよく、通常、ダブルラッセル編機の幅は目的とするパンティストッキングの幅よりはるかに大きいので、2列以上の連続体で編む方が生産性が向上し好ましい。図13では、理解を容易にするため縦方向に連続している直列体の連続体を示したが、現実の生産は、2列以上並列して且つ縦方向に連続した連続体(編み機の大きさにもよるが、通常、20列位まで並列形成可能)に編まれる。
フロント側基布9とバック側基布10(バック側は図示せず。必要なら図10参照。以下、いちいち「図示せず」との記載を省略する場合がある)の主要部分(前側指袋部1a、足甲部2、前側脚部5a、前側パンティ部21a、前側履き口開口部用充当部6a、足底側指袋部1b、足底部3、踵部4、後側脚部5b、後側パンティ部21b、後側履き口開口部用充当部6bの編地部分、但し両外脇側部分19や内脇側部分20a、20b、指袋の脇側部分7、指袋の先端部分8等は除く)は、縦方向と左右側(横方向)を結合できる、いわゆる編地が形成できる編み組織の経編であれば特に限定されず、例えば、最も単純には図15に示したような、デンビ組織で編まれる。デンビ組織に限定されず、上述したように編地が形成できる他の経編組織でもよく、例えば、ハーフ組織、メッシュ組織、アトラス組織など、支障のない限り他の組織としてもよく、必要なら、編み模様を付してもよい。一例を挙げると、例えば、夏季用のパンティストッキングとしては、メッシュの目の開きの大きめのメッシュ組織を採用するなどにより、通気性を向上させて蒸れを少なくするなど、季節や用途に応じて適宜の編み組織を採用することは任意である。
かくして、フロント側基布9とバック側基布10を編みながら、同時にこれらの基布の両外脇側部分19や内脇側部分20a、20bをフロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、筒状とする。
フロント側とバック側の両外脇側部分19や内脇側部分20a、20bを連結する連結編みの編み組織の一例を図17の(e)と(f)に示した。図17の(e)が左右の両外脇側19並びに内脇側部分20a、20bのうち図13のパンティストッキング本体の図に向かって左側(着用者基準では右側)の方の脇側19a並びに20bのフロント側とバック側の脇部を連結する連結編みの編み組織であり、図17の(f)が左右の両外脇側19のうち図13のパンティストッキング本体の図に向かって右側(着用者基準では左側)の方の脇側19b並びに20aのフロント側とバック側の脇部を連結する連結編みの編み組織である。
図17においてFはフロント側の編目位置を示し、Bはバック側の編目位置を示している。図17の(e)、(f)に示したフロント側とバック側を連結する連結編みの編み組織は、表裏同じウェールに通っており(言い換えれば、図17の(a)、(b)のように左右方向に振れていない編み方)、したがって、フロント側とバック側を連結するだけなので、そのつなぎ目が目視では全くわからないようにフロント側基布9とバック側基布10をこれらの基布の両外脇側19並びに内脇側部分20a、20bでそれぞれ連結し筒状とすることができる。図18は、フロント側とバック側を連結している編み組織を、例えば、ちょうど基布の脇側19側から見たと仮定した場合の概念図である。
そして、フロント側基布9とバック側基布10を編み、次いで例えば、各指袋部をそれぞれの指ごとに区画している指袋脇側7において、フロント側基布9の上側指袋部1aの脇側と対応するバック側基布10の下側指袋部1b(図示せず、図10参照)の対応する脇側7とを結合するには、前記基布の外脇側19或いは内脇側部分20a、20b同士を連結する場合と同様に、フロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むことにより、筒状とする。例えば、指袋部の左右各脇側7のうち図13の各左側脇を編む場合には図17の(e)で、各右側脇を編む場合には図17の(f)で示した編み組織で編むことにより、指袋を筒状に形成できる。しかして、この編み組織は左右方向には振れていない編み方なので、隣接する指袋の脇部7同士とはつながることはなく、指袋同士はその脇側は互いに離れて形成される(接続されていない)。そして各指袋の先端部8の部分を編む場合には、フロント側基布9とバック側基布10をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編み(例えば、図17の(g)や(h)に示した編み組織)で連結し、指袋の先端部8を形成する。
尚、説明するまでもないが、例えば、図13や後述する図14において、左右の脚部5がそれぞれ形成されるが、その左右の脚部5の境界になる図の中央部の内脇側部分20a、20bは、先に説明したように、フロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編む(例えば、図17の(e)や(f)で示した編み組織で編む)ので、この編み組織は左右方向には振れていない編み方なので、隣接する左右の脚部5の隣接している内脇側部分20aと20bとは、左右互いに離れて形成される(接続されていない)。もし、図示したような縦方向直列の連続体を左側及び/または右側にももう1列以上並列してその境界部(外脇側部分19が境界部となるが)で密接して並列にも同時に生産する場合(図示せず。あたかも、先の図7や8で左右のソックスを並列して生産する場合の如く)、それぞれ外脇側部分19をフロント側とバック側を連結する連結編みで連結して編むと、左右の並列品が完全に両者の縦方向境界ライン(外脇側部分19)で離れて2本以上ばらばらに編機から排出されるように思われるが、左右の並列品が離れないように、例えば、ソックスの場合と同様に、縦方向に複数個のパンティストッキング本体同士の間を連結している部分14の部分の編み組織を、左右方向にも連結が生じる編み組織、例えば、特に限定するものではないが図15に示したようなデンビ組織などとすれば、この部分で連結が保持され、並列方向にも連続した連続体として編機から排出されることになるのである。そして、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の外側の縁(先端縁16)に沿ってカットするか、後述するカットライン表示部13、15がある場合にはその適宜の位置でカットして、個々のパンティストッキング本体を得る。この際、指袋部分の脇部7の編み組織を延長して形成し、指袋先端部8の縦方向長さよりも若干長くして形成した部分7aを設けておくと、カットした場合に各足指の指袋部分間がつながってカットされる恐れがなく好ましい。同様に図示していないが左右並列方向にも連続した連続体として製造した場合に、図7のソックスで説明したと同様に、左右の本体部分の境界になる外脇部19(19a、19b)も履き口開口部用充当部6の上縁より上側に若干長くして形成した部分(図7のソックスでは11dで説明したように)を設けておくと、カットした場合に左右のパンティストッキングが上端でつながってカットされる恐れがなく好ましい。
指袋先端部8の部分をフロント側とバック側が閉じられるように編む場合、前述したようにフロント側基布9とバック側基布10をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みで連結し、指袋先端部8を形成する。フロント側とバック側並びに左右側(横方向)を連結する連結編みの編み組織の一例を、図17の(g)及び(h)に示した。この組織図からわかるように、図17の(g)に示した糸は、下から順に説明すると、右側のフロント側、左側のバック側、次いで同フロント側、次に右側のフロント側、更に左側のバック側と言うように、フロント側とバック側並びに左右側を同時に連結する連結編みの編み組織となっている。図17の(h)についても図に示した通り、フロント側とバック側並びに左右側を同時に連結する連結編みの編み組織となっている。従って、指袋先端部8を閉じて袋状にすることができる。
指袋先端部8のフロント側とバック側並びに左右側を同時に連結する連結編みの編み組織とする部分の縦方向(矢印S方向)の幅は、特に限定するものではないが、通常、3〜5mm程度である。複数個のパンティストッキング本体同士間を縦直列に連結している部分14の編み組織は、縦方向に複数個のパンティストッキング本体同士の間を連結できる編み組織であれば何ら限定されないが、例えば、フロント側基布9やバック側基布10の主要部を編む編み組織と同じ、例えばデンビ組織でもよい。
また、指袋先端部8と反対側の端部には、履き口開口部用充当部6をパンティ部21(21a、21b)に形成するが、履き口開口部用充当部6の編み組織は、パンティ部21(21a、21b)と同じでよい。したがって、図9、図10、図13或いは後述する図14では、理解を容易にするため履き口開口部用充当部6とパンティ部21の境界ラインが説明の都合上一点鎖線で示されているが、実際の現物ではこのようなラインは見えない(以下同様)。
具体的には、例えばパンティストッキング本体基布(符号の1〜6、21の部分)の弾性糸は、図15(フロント側本体の場合図17の(a)、バック側本体の場合図17の(b))の如くデンビ組織で形成されている。そして、所定の各部分部分における編み組織の変更は、例えば、図17に示した各種編み組織への変更はジャカード機構を有するダブルラッシェル編機を用いれば実現することができる。
もう少し、具体的に説明すると、例えば、図13の指袋先端部8を図17の(g)で示される組織で編んでいき、指袋先端部8の領域が終わって次に指袋部から前側脚部5a、パンティ部21a、履き口開口部用充当部6aを編む場合には、当該糸の動きをジャカード機構を用いて図17の(a)の組織に変えて編む。このように、1本の糸を縦方向で部分的に編み組織を変えるのは、ジャカード機構を有するダブルラッシェル編機を用いれば、実現できる。例えば、ジャカード機構を有するダブルラッシェル編機の編み組織の指令を入力するコンピューターに、指袋先端部8のある特定の位置の糸を例に取るとその糸に関し指袋先端部8の部分を編む場合には、フロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編み(図17の(g)、(h)参照)とし、指袋先端部8の領域が終了して次に指袋部から前側脚部5a、パンティ部21a、履き口開口部用充当部6aを編む場合にはデンビ組織(図17の(a)参照)にするという指令を入力して編めばよい。
本考案のパンティストッキング本体は以上に説明した態様でも十分である。しかし、実際には、縦方向に複数のパンティストッキング本体が形成される縦方向連続体において指袋先端部8の位置が目視ではわかりにくい。また、履き口開口部用充当部6の先端縁16の位置も目視ではわからない。パンティストッキング本体の実際の連続体の編地上では、通常その位置が判別しにくい。従って、連続体のどの部分をカットして、個々のパンティストッキングを得るかカットする位置が目視でわかりにくい。そこで、好ましくは、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16の外側の領域(外側の領域とは、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端部の上ないし下方向の外側を意味する。図13基準では、指袋先端部8の下方向の外側、履き口開口部用充当部6の先端縁16の上方向の外側になる。以下同様。)の少なくとも一部、特に限定するものではないが、例えば好ましくは縦方向の長さにして、5〜10mmm程度の領域を指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁と区別して目視できるような編み組織に変えて編むとよい。この場合には、例えば、カットライン表示部13、15が目視できるように、この部分を鎖編みにする。そうすると、鎖編みは縦方向は連結されても、横方向は相互に連結されないので、それぞれスリット13a、15aが形成され、したがって、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16の外側の境界が目視でも見当がつくようになる。尚、カットするには、必ずしも指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端部の縁16に密接してカットする必要はなく、カットライン表示部13、15の適宜の位置でカットしてもよい。尚、カット(裁断)したままで、特別の縁始末処理をしなくても、カットしたままの縁がほつれることはない。
このように、カットライン表示部13や15が目視できるように編み組織を変更して編むことにより、どこでカットしたらよいか容易に判別できるので生産性を向上させることができより好ましい。カットライン表示部13、15は、フロント側基布9又はバック側基布10のいずれか一方のみに形成してもよく、好ましくは、両方の基布に形成しておくとよい。
尚、場合によっては、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端部の外側全部(縦方向の複数個のパンティストッキング本体の間を連結している部分14の部分も含めて全部)を、目視できるような編み組織としてもよい。このような指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の先端縁16からカットライン表示部13や15への編み組織の変更は、前述したようにジャカード機構を有するダブルラッシェル編機を用いれば、実現できる。
尚、図17について、説明を補足する。図17において、各編組織やその適用部分については、既にソックスや、上記パンティストッキングで説明した部分については、省略する。なお、本実施の形態では、グランド糸として、フルセットですべてのフロント側の編目に更に図17(c)に示した鎖編み組織、すべてのバック側の編目に図17(d)に示した鎖編み組織の糸が同時に編みこまれている。これらのグランド糸は、通常、非弾性糸からなる糸が用いられ、その他の図17(a)、(b)、(e)〜(h)の組織には弾性糸が用いられることは前記ソックスの実施の形態例と同様である。
また、例えば、これらの編み組織の各糸を、筬への通糸状況で説明すると、例えば、日本マイヤー株式会社の販売するジャカード機構を有するダブルラッシェル編機“RDPJ6/2”を例に取った場合も、先のソックスの実施の形態例と同様である。即ちこの編機はL1〜L6の6枚の筬を有している。L1〜L3がフロント側の筬、L4〜L6がバック側の筬である。L1とL6の2枚の筬は使用せずに、グランド筬L2(フロント側)とグランド筬L5(バック側)には、それぞれ図17(c)と図17(d)の組織とする非弾性糸がフルセットで通糸される。そしてジャカード筬L3(フロント側)には、それぞれ所定の位置に図17(a)、図17(f)の組織にする糸が、ジャカード筬L4(バック側)には、それぞれ所定の位置に図17(b)、図17(e)の組織にする糸が通糸されることになる。
ジャカード筬L3(フロント側)を例に挙げて説明すると、左脇部19b(着用者の左右基準)並びに右側脚部の内脇側部分20aを編むウェールに通糸される糸には、ジャカード機構により図17(f)の編み組織にされる。その他の編目は、図17(a)の如くデンビ組織で編まれるようジャカード制御機構を作用させずに編む。また、指袋先端部8の領域は、ジャカード制御により指袋先端部8のフロント側は図17(g)の編み組織に変える。さらにカットライン表示部13や15を指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の領域から連続して編むには、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6それぞれの領域に続いて、この糸をジャカード制御により鎖編み組織(図示していないが、組織図としては図17の(c)と同じ組織図になる)に変えて編むことになる。
同様に、ジャカード筬L4(バック側)を例に挙げて説明すると、右外脇部19a(着用者基準)並びに左側脚部の内脇側部分20bを編むウェールに通糸される糸には、ジャカード機構により図17(e)の編み組織にされる。その他の編目は、図17(b)の如くデンビ組織で編まれるようジャカード制御機構を作用させずに編む。また、指袋先端部8の領域は、ジャカード制御により指袋先端部8のバック側は図17(h)の編み組織に変える。さらにカットライン表示部13や15を指袋先端部8や履き口開口部用充当部6の領域から連続して編むには、指袋先端部8や履き口開口部用充当部6それぞれの領域に続いて、この糸をジャカード制御により鎖編み組織(図示していないが、組織図としては図17の(d)と同じ組織図になる)に変えて編むことになる。
ここで、今まで説明したのはソックスの実施形態例と共通する説明で理解できる部分であるが、次にパンティストッキング特有の部分について説明する。
即ち、パンティストッキングの場合には、左右の脚部5が股部22で合体してパンティ部21が形成される。そして股部22の上側部分は前側パンティ部21aと後側パンティ部21b、及び前側履き口開口部用充当部6aと後側履き口開口部用充当部6bとが夫々その両外脇側19でフロント側基布9とバック側基布10を連結する連結編みで連結されていてパンティ部21(腹部側を股部からウェスト部までカバーする部分と臀部側を股部からウェスト部までカバーする部分)及び履き口開口部用充当部6が形成されている点である。
フロント側について、脚部内脇側部分から股部22(前側股部22a)に至りその上のパンティ部21に移り変わる編組織変化について説明すると、内脇側部分20aについては前述したように、フロント側とバック側を連結する連結編み図17の(f)で編み、股部22(前側股部22a)のところに到達した時点から上方は、図17の(a)で示したような左右方向に振れていて、且つフロント側のみ編む編み組織であるデンビ組織などにすることにより前側パンティ部21a並びに前側履き口開口部用充当部6aが形成される。同様にバック側について、脚部内脇側部分から股部22(後側股部22b)に至りその上のパンティ部21bに移り変わる編組織変化について説明すると、内脇側部分20bについては前述したように、フロント側とバック側を連結する連結編み図17の(e)で編み、股部22(後側股部22b(図10参照))のところに到達した時点から上方は、図17の(b)で示したような左右方向に振れていて、且つバック側のみ編む編み組織であるデンビ組織などにすることにより後側パンティ部21bが形成される。これらの編み組織の変更は、前述したようにジャカード制御機構を有するダブルラッシェル編み機のコンピューターに、その指令を入力しておくことにより、ジャカード制御機構が作動し、所定位置において所定の編み組織に変更することができる。尚、股部22は、必要に応じて裂けないように、補助的に適宜の補強縫いなどを入れて補強してもよい。
かくして得られたパンティストッキング本体連続体から各パンティストッキング本体を切取り(通常、カットライン表示部13と15の部分でカットし、この部分のカットのみで、個々のパンティストッキング本体が分離される。)、履き口開口部用充当部6を図6で説明したような折り返しとかストレッチテープを設けることにより、履き口開口部18が形成されて完成品となる。
次に、本考案のパンティストッキングの別の製造工程の一実施形態を、図14を用いて説明する。
図14はジャカード制御機構を有するダブルラッセル編機で連続的にシームレスに一体に編まれて前記編機から排出されてきた状態の、パンティストッキング本体が形成されている連続体のフロント側から見た図である。尚この反対面側のバック側から見た図は、同様の図になるので、図示を省略している。矢印Sの方向が編み方向である。
図14に示した連続体が図13に示した連続体と異なる点は、図13に示した連続体においては、縦方向に連続する複数のパンティストッキング本体が、すべて、指袋部1が下方で、履き口開口部用充当部6が上方になる同一の向きで縦方向に複数個連続して配置されている連続体の例を示したが、図14に示した連続体は、縦方向に連続する複数のパンティストッキング本体が1つずつ反対向きに配置された連続体、即ち、指袋部1同士が向き合い、履き口開口部用充当部6同士が向き合う形の連続体の例を示したものである。その他の部分は、図13と同一なので、同一部分に同一の符号を付して、重複説明は省略した。図14に示したように、縦方向では、指袋部1同士が向き合い、履き口開口部用充当部6同士が向き合う対称形で、且つ図示していないが、必要なら横方向も脇側19のラインを対称線として線対称形に複数のパンティストッキング本体が配置されている態様とすることにより、連続体を編み上げた場合に、ひずみが少なく編み上がり、同じ形状のものを複数個連続して製造する場合には、形状のばらつき、ひずみが少なく、均一な形状のパンティストッキング本体を生産しやすく好ましい。従って、通常は、図14に示された製造工程で且つ図示していないが、横方向も脇側19のラインを対称線として線対称形に複数のパンティストッキング本体が配置されている態様により製造される。
かくして得られたパンティストッキング本体連続体から各パンティストッキング本体を切取り(通常、カットライン表示部13と15の部分でカットし、この部分のカットのみで、個々のパンティストッキング本体が分離される。)、履き口開口部用充当部6を図6で説明したような折り返しとかストレッチテープを設けることにより、履き口開口部18が形成されて完成品となる。
なお、これらの実施の形態では、爪先側の形状が、5本の各足指に分かれて形成されている形状のものを示したが、爪先側の形状が、親指部分とそれ以外の足指をまとめて収納する部分の2つの部分に分かれて形成されている形状(いわゆる日本の足袋のような形状)にするなど、適宜、任意の形状にすることもできる。
本考案によれば、経編であるダブルラッセル編みでシームレスに一体に形成されたソックス本体またはパンティストッキング本体を用い、履き口開口部を調整すればよいので、丸編み品に比べて、一度に多くのものを編むことができ、製造に人手が余りかからずに製造コストの低減がはかれ、かつ指先部分などに縫い目などがなく、縫い目による指先の着用感の低下がないソックスまたはパンティストッキングを提供できる。
本考案のソックス本体の一実施形態例の正面図(足の甲側から見た正面図) 図1のソックス本体の背面図。 本考案の一実施形態のソックス完成品の正面図。 図3のソックスの背面図。 本考案の一実施形態のソックス完成品を着用した状態を示す足の甲側から見た斜視図。 履き口開口部近傍の構造を説明するための、開口部近傍の部分的概念略図(断面の模式的端面図)。 本考案のソックス本体が形成されている一実施形態例の連続体のフロント側から見た図。 本考案のソックス本体が形成されている別の実施形態例の連続体のフロント側から見た図。 本考案のパンティストッキング本体の一実施形態例の正面図。 図9のパンティストッキング本体の後側から見た背面図。 本考案のパンティストッキング完成品の一実施形態例の正面図。 図11のパンティストッキングの背面図。 本考案のパンティストッキング本体が形成されている一実施形態例の連続体のフロント側から見た図。 本考案のパンティストッキング本体が形成されている別の実施形態例の連続体のフロント側から見た図。 デンビ組織を示す組織図。 編目の説明図。 本考案で用いる所定部位の編み組織を説明するためのダブルラッシェル編みのフロント側、バック側を同時に表示した編み組織図。 フロント側とバック側を連結している編み組織を、基布の脇側から見たと仮定した場合の概念図。 ダブルラッシェル編みによる従来のソックスの製造工程を示す図。 ダブルラッシェル編みによる従来のソックス完成品を着用した状態の斜視図。
符号の説明
1 指袋部
1a 足甲側の指袋部(上側指袋部)
1b 足底側の指袋部(下側指袋部)
2 足甲部
3 足底部
4 踵部
5 脚部
5a 前側脚部
5b 後側脚部
6 履き口開口部用充当部
6a 前側履き口開口部用充当部
6b 後側履き口開口部用充当部
7 指袋部分の脇部
8 指袋の先端部分
9 フロント側基布
10 バック側基布
11 脇側
13、15 カットライン表示部
13a、15a スリット
14 縦方向に複数個のソックス本体又はパンティストッキング本体同士の間を連結している部分
16 履き口開口部用充当部6の先端縁
17、17a、17b 縫合ライン
18 履き口開口部
19 外脇側部分
20a 右側脚部の内脇側部分
20b 左側脚部の内脇側部分
21 パンティ部
21a 前側パンティ部
21b 後側パンティ部
22 股部
22a 前側股部
22b 後側股部
24 フロント側とバック側を連結している糸
30 閉じ目
31 開き目
41 ストレッチテープ
100 筒状の編地
100a フロント側の基布
100b バック側の基布
101 基布の脇側
102 履き口開口部用充当部
102a 前側履き口開口部用充当部
102b 後側履き口開口部用充当部
103 縫合部
104 足甲部
105 足底部
106 踵部
107a 前側脚部
107b 後側脚部
108a 足甲側爪先部
108b 足底側爪先部
110 履き口開口部用充当部102の先端縁
111 縫合ライン
112 履き口開口部

Claims (12)

  1. 非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みからなり、履き口開口部がくるぶしより上に至る長さを有し、爪先部が二股以上に分かれて指袋が形成されている指付きソックスであって、前記ソックス本体はダブルラッシェル編みで一体に形成されており、
    ダブルラッシェル編みのフロント側基布とバック側基布の両脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで、足甲部と足底部並びに踵部、前側脚部と後側脚部、前側履き口開口部用充当部と後側履き口開口部用充当部の両脇側がそれぞれ連結され、指袋部は、指袋部間の区画部が、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布の脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで連結されており、
    前記指袋の先端部は、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みでフロント側基布とバック側基布が連結して編まれて形成され、
    履き口開口部は、前記前側と後側の履き口開口部用充当部がその両脇側で連結されて形成された履き口開口部用充当部にストレッチテープを設けるか、又は、当該履き口開口部用充当部を折り返して脚部周囲と縫合し重なり部分を形成してなる履き口開口部である指付きソックス。
  2. 非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みの前記非弾性糸がフロント側基布及びバック側基布に鎖編み組織で編みこまれている請求項1に記載のソックス。
  3. 前記指袋の先端部及び履き口開口部用充当部の少なくともいずれかの外側に、更に編み組織が異なり、目視で区別可能な領域を設けてなる請求項1または2のいずれかに記載のソックス。
  4. 目視で区別可能な領域が、鎖編みで形成された領域である請求項3に記載のソックス。
  5. 爪先部が足の5本の指に対応して5つに分かれて指袋が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のソックス。
  6. ダブルラッシェル編みが、ジャカード制御機構を有するダブルラッシェル編み機を用いて編まれたダブルラッシェル編みである請求項1〜5のいずれかに記載のソックス。
  7. 非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みからなり、爪先部からウェスト履き口開口部に至る長さを有し、爪先部が二股以上に分かれて指袋が形成されている指付きパンティストッキングであって、前記パンティストッキング本体はダブルラッシェル編みで一体に形成されており、
    ダブルラッシェル編みのフロント側基布とバック側基布の両脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで、足甲部と足底部並びに踵部、前側脚部と後側脚部、前側パンティ部と後側パンティ部、前側履き口開口部用充当部と後側履き口開口部用充当部の両脇側がそれぞれ連結され、指袋部は、指袋部間の区画部が、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布の脇側がフロント側とバック側を連結する連結編みで連結されており、
    前記指袋の先端部は、上側指袋部のフロント側基布と下側指袋部のバック側基布をフロント側とバック側並びに左右側を連結する連結編みでフロント側基布とバック側基布が連結して編まれて形成され、
    履き口開口部は、前記前側と後側の履き口開口部用充当部がその両脇側で連結されて形成された履き口開口部用充当部にストレッチテープを設けるか、又は、当該履き口開口部用充当部を折り返してパンティ部周囲と縫合し重なり部分を形成してなる履き口開口部である指付きパンティストッキング。
  8. 非弾性糸と弾性糸とが編みこまれているダブルラッシェル編みの前記非弾性糸がフロント側基布及びバック側基布に鎖編み組織で編みこまれている請求項7に記載のパンティストッキング。
  9. 前記指袋の先端部及び履き口開口部用充当部の少なくともいずれかの外側に、更に編み組織が異なり、目視で区別可能な領域を設けてなる請求項7または8のいずれかに記載のパンティストッキング。
  10. 目視で区別可能な領域が、鎖編みで形成された領域である請求項9に記載のパンティストッキング。
  11. 爪先部が足の5本の指に対応して5つに分かれて指袋が形成されている請求項7〜10のいずれかに記載のパンティストッキング。
  12. ダブルラッシェル編みが、ジャカード制御機構を有するダブルラッシェル編み機を用いて編まれたダブルラッシェル編みである請求項7〜11のいずれかに記載のパンティストッキング。
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