JP3117629U - チルト構造を有する電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器本体に回転軸によって回転可能に連結された表示部を有する電子機器において、表示部の水平に対するチルト角度が大きいときも、小さいときも、十分な保持力で保持することが可能で摩擦部材の摩耗や劣化によって摩擦力が低下した場合にも簡単な調整で摩擦力を回復できる電子機器を提供すること。
【解決手段】表示部と表示部のチルト角度を保持する摺動部とはその取付け位置が調整可能なように構成し、その取付け位置を調整することにより表示部が電子機器本体に対して閉じる方向に変移するにつれ摺動部とこれに圧接して摩擦力を得る摩擦部材との摩擦力を増加させるようにしている。
【選択図】図2

Description

本考案は、電話機、ファクシミリ、携帯型パーソナルコンピュータ等の電子機器に関し、特に、電子機器に備えられる表示部を円滑に動作させ、かつ確実にその角度を保持することができるチルト機構の構造に関する。
従来から、液晶表示装置などによって実現される表示部を有する電子機器では、その表示部を電子機器本体に角変位自在に連結して、見やすい角度に調整することができるチルト機構が備えられている。
例えば、特開2000−227763号公報では、チルト動作部である表示部を、円弧形状部品またはU字形状部品に取付けられた摺動用ゴムと、本体ケースユニットに取付けられたプリント基板の摺動面との圧接力を一定にする角度保持手段によって、電子機器本体に対するチルト角度を保持することができるように構成されている。
このような従来の技術では、表示部の水平に対するチルト角度が大きいときも、小さいときも、前記摺動用ゴムと前記摺動面との摩擦力は一定になり、チルト角度が小さいとき、つまり表示部を低角度に配置したときは表示部の自重による重力方向の荷重が大きくなるため、摩擦力と表示部の自重による重力方向の荷重との差(保持力)が小さくなってしまい、僅かな衝撃力が作用しても表示部は下方へ角変位して閉じてしまうという問題がある。また、摺動用ゴムの摩耗や劣化によって摩擦力が低下してしまい、任意のチルト角度を保持することが出来なくなるという問題がある。
本考案は、このような従来の問題を解決するものであり、表示部の水平に対するチルト角度が大きいときも、小さいときも、十分な保持力で保持することが可能で、摺動用ゴムの摩耗や劣化によって摩擦力が低下した場合にも簡単な調整で摩擦力を回復できる電子機器を提供することを目的としている。
本考案は上記目的を達成するために、電子機器本体に回転軸によって角変位自在に連結された表示部と、前記表示部の角度を保持するための摺動部と、前記摺動部と圧接して摩擦力を得る摩擦部とを有し、前記摩擦部は前記摺動部に形成した摺動面を圧接してその摩擦力により前記表示部の角度を保持するように配置し、前記摺動部は前記回転軸の中心からの距離が調整可能なように前記表示部に取付け固定されるように構成し、前記摺動部を前記回転軸の中心からの距離が長くなるように取付け位置を移動することにより、前記表示部が水平に対する角度が小さくなる方向に角変位するにつれ前記摺動部と前記摩擦部との圧接力を増加させるようにしている。
したがって、本考案の電子機器によれば、表示部と摺動部との取付け位置を調整することにより、表示部が電子機器本体に対して閉じる方向に角変位するにつれ摺動部と摩擦部との摩擦力を増加させることが出来るので、チルト角度が小さいときつまり表示部の自重による重力方向の荷重が大きいときも十分な保持力で保持することが可能となる。
さらに、摩擦部に用いる摩擦部材の磨耗や劣化によって摩擦力が低下し保持力が不足したときも、摩擦部材を取り替えることなく電子機器外部からの簡単な調整で摩擦力を増加させることが出来るのでメンテナンス性を向上することが出来る。
以下、本考案の電子機器の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本考案の一実施形態に係る電子機器としての電話機の斜視図である。図1において、1は電話機本体、2は表示部3を備えた表示ユニットであり、4は電話機本体1のカバーであり、5は電話機本体1のケースである。さらに、14は入力キーであり、15は送受話器である。ここで、表示ユニット2は本体カバー4に回転軸6によって角変位自在に連結されている。表示ユニット2の先端部分20を手指で操作することによって前記回転軸6を中心として表示部3を見やすい角度に保持することが出来るように構成されている。
図2は図1に示した電話機のA−A断面における要部の拡大断面図である。図2において、6は表示ユニット2の回転軸、7は表示ユニット2の角度を保持する摺動部材、8は摩擦部材でありカバー4に固着された取付け部材9に装着される。この摩擦部材8は可撓性および弾力性を有する材料たとえばシリコンゴム系のゴム材で形成されている。
図3は摺動部材7の拡大斜視図、図4は摩擦部材8の拡大斜視図である。摺動部材7は摩擦部材8の先端部8aと摺動する第1の摺動面7aと、摩擦部材8の両側面部8b、8cと摺動する第2の摺動面7b、7cを構成している。第1の摺動面7aは回転軸6と中心を同じに位置した円弧で形成されており、その寸法は摩擦部材8の先端部8aと一定の圧力で圧接するようオーバーラップした寸法としている。この場合、第1の摺動面7aと摩擦部材8の先端部8aとの間に生ずる摩擦力は、表示部の水平に対するチルト角度が大きいとき(表示部の自重による重力方向の荷重が小さいとき)もチルト角度が小さいとき(表示部の自重による重力方向の荷重が大きいと)も一定の摩擦力となる。第2の摺動面7b、7cは摺動用ゴム材8の両側面部8b、8cと一定の圧力で圧接するよう、各々の寸法が設計されているので摩擦力はチルト角度の大きさにかかわらず一定となる。
摺動部材7は固定用ねじ10によって表示ユニット2の裏面に取付けて固定される構造としてある。ここで図3に示す上記摺動部材7の取付け部分7dと図2に示す表示ユニット2の裏面の取付け部分2aにはそれぞれ細かい凹凸の溝が形成されており、摺動部材7は前記上記細かい凹凸の溝に沿って図2の矢印方向XYに移動させて任意の位置で固定用ねじ10によって固定することが出来る。
図5は摺動部材7を図2に示すY方向へtだけ移動させたときの第1の摺動面7aの位置を示している。このとき第1の摺動面7aは図5に点線で示した位置となり、回転軸6と第1の摺動面7aとの距離は図5から明らかなように移動前はどのチルト角度であってもrであるが、移動後はチルト角度が小さいときほど距離が長くなり、チルト角度が最小のときは(r+t)となる。したがって、第1の摺動面7aと摩擦部材8の先端部8aとのオーバーラップ量はチルト角度が小さいときほど大きくなり、大きな圧力で圧接するようになる。
このように、第1の摺動面7aで得られるチルト角度に応じて変化する摩擦力と第2の摺動面7b、7cで得られるチルト角度にかかわらない一定の摩擦力との両方の合成摩擦力によってチルト角度に応じた最適な保持力を得ることが出来る。
また摩擦部材8が磨耗したり、劣化して上記保持力が低下したときは固定用ねじ10を一旦ゆるめて摺動部材7をさらにY方向へ移動することによって電話機外部から簡単に保持力を回復することが出来る。
図6は摺動部材7の別の実施例を示すもので、動作角度範囲内の複数箇所で確実な節度感を持った動作を得るために、前記摺動部材7の第2の摺動面7b、7cにさらに凹部7eを設け、摺動用ゴム材8の両側面部8b、8cが前記第2の摺動面7b、7cの凹部7eに位置したときは、前記凹部7eと前記摺動用ゴム材8の両側面部8b、8cとの圧接力がゼロとなるように構成することも出来る。
本考案の一実施形態に係る電子機器としての電話機の斜視図である。 図1に示した電話機のA−A断面における要部の拡大断面図である。 摺動部材7の拡大斜視図である。 摩擦部材8の拡大斜視図である。 摺動部材7をY方向へ移動させたときの第1の摺動面7aの位置の移動の様子を示す図である。 摺動部材7の別の実施例の拡大斜視図である。
符号の説明
1 電話機本体部
2 表示ユニット
2a 表示ユニット2の裏面の取り付け部分
3 表示部
4 カバー
5 ケース
6 回転軸
7 摺動部材
7a 第1の摺動面
7b、7c 第2の摺動面
7d 摺動部材7の取り付け部分
7e 第2の摺動面7b、7cの別の実施例における凹部
8 摩擦部材
8a 摩擦部材8の先端部
8b、8c 摩擦部材8の両側面部
9 取付け部材
10 固定用ねじ
14 入力キー
15 送受話器
20 表示ユニット2の先端部分
r 移動前の第1の摺動面7aと回転軸6との距離
t 摺動部材7の移動量
XY 摺動部材7の移動方向

Claims (1)

  1. 電子機器本体に回転軸によって角変位自在に連結された表示部を有する電子機器において、表示部と前記表示部の角度を保持するための摺動部と前記摺動部と圧接して摩擦力を得る摩擦部とを有し、前記摩擦部は前記摺動部に形成した摺動面を圧接してその摩擦力により前記表示部の角度を保持するように配置し、前記摺動部は前記回転軸の中心からの距離が調整可能なように前記表示部に取付け固定されるように構成し、前記摺動部を前記回転軸の中心からの距離が長くなるように取付け位置を移動することにより、前記表示部が水平に対する角度が小さくなる方向に角変位するにつれ前記摺動部と前記摩擦部との圧接力を増加させるようにしたことを特徴とするチルト構造を有する電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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