JPWO2011145262A1 - スライド機構、及び携帯機器 - Google Patents

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Abstract

本発明に係るスライド機構は、スライド方向が変化するレール(70)が設けられた第1フレーム(30)と、レール(70)に沿ってスライドする第2フレーム(40)と、レール(70)と第2フレーム(40)とに対して取り付けられ、回転することで第2フレーム(40)に対する第1フレーム(30)のチルト角を変化させるリンク(50)と、リンクの回転を規制する第1ストッパ(47)と、第1ストッパ(47)と異なる方向から、リンクの回転を規制する第2ストッパ(82)と、を備えるものである。これにより、操作性が高いスライド機構、及び携帯電子機器を提供することができる。

Description

本発明は、スライド機構、及び携帯機器に関するものであり、特に詳しくはチルト構造を有するスライド機構、及び携帯機器に関するものである。
近年、携帯機器の1つであるスライド型携帯電話機は、電話発信機能、メール機能、メニュー機能、インターネット機能、ゲーム機能、カメラ機能、音楽機能、テレビ機能等を利用する場合、開いた状態、閉じた状態のどちらでも使えるようになっている。
図22Aは、特許文献1記載のスライド型携帯電話機の閉じた状態である。図22Bは、特許文献1記載のスライド型携帯電話機の開いた状態である。開いた状態において、表示部のある筺体110が、キーのある筺体120に対して、スライドする。さらに、筺体110は、筺体120に対して所定のチルト角でチルトしている。このチルト角は例えば、3度〜10度程度になる。
また、チルト角度を設ける別の構造として、特許文献2乃至5が開示されている。通話をするため、スライド型携帯電話機を開いた状態にすると、図23のようになる。チルト角があると顔にフィットするため、使い易い。さらに、メールをするために、開いた状態にすると図24Aに示すようになる。チルト角が付いていると画面が見やすくなる。
特開2006−186577号公報 特開2007−74411号公報 特開2007−132508号公報 特開2009−71511号公報 特開2009−88667号公報
しかしながら、満員電車等で使用する場合、図24Bに示すように、腕が狭まる。さらに、手首返しには、限界がある。よって、筺体110が筺体120に対して、チルトしていると、逆に画面がユーザの顔に近づきすぎてしまう。このため、表示画面が見づらくなってしまう。
特許文献5には、図24Cに示すように、チルト角度を0度にする構造が開示されている。しかしながら、特許文献3乃至5の構造では、チルト角度を0度にするための構造が複雑になってしまい、操作が煩雑になってしまう。例えば、特許文献5では、閉状態に戻す際に、一度、チルト角を変える操作を行って、筺体を平行にする。さらに、その後にスライドさせる操作を行っている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡便な構成でチルト角度を変更することができるスライド機構、及び携帯機器を提供することにある。
本発明の一態様によるスライド機構は、
スライド方向が変化するスライドレールが設けられた第1フレームと、
前記スライドレールに沿ってスライドする第2フレームと、
前記第1フレームと前記第2フレームのスライド位置に応じて、前記第1フレームと前記第2フレームとの間に付勢力を発生する弾性体と、
前記スライドレールに対して摺動可能に取り付けられ、回転することで前記第2フレームに対する前記第1フレームのチルト角を変化させるリンクと、
前記リンクの回転を規制する第1ストッパと、
前記第1ストッパと異なる方向から、前記リンクの回転を規制する第2ストッパと、を備えるものである。
本発明によれば、簡便な構成でチルト角度を変更することができるスライド機構、及び携帯機器を提供することができる。
本実施形態にかかる携帯電話の構成を示す、携帯電話が閉状態における斜視図である。 本実施形態にかかる携帯電話の構成を示す、携帯電話が開状態における斜視図である。 本実施形態にかかるスライド式携帯電話の構成を示す分解斜視図である。 ヒンジユニットの構成を示す分解斜視図である。 リンク周辺の機構を拡大して示す第1の模式図である。 リンク周辺の機構を拡大して示す第2の模式図である。 第1フレームの構成を示す斜視図である。 スライドレールの構成を示す斜視図である。 リンクの構成を示す斜視図である。 第2フレームの構成を示す斜視図である。 アシストバネの構成を示す斜視図である。 第2バネ土台の構成を示す斜視図である。 携帯電話のスライド動作を説明するための斜視図である。 携帯電話のスライド動作とチルト動作を説明するための斜視図である。 携帯電話のスライド動作とチルト動作を説明するための斜視図である。 スライド機構のリンク角度を示す模式図である。 スライド機構のチルト角度を示す模式図である。 高チルト角状態におけるスライド機構の要部構成を拡大して示す模式図である。 低チルト角状態におけるスライド機構の要部構成を拡大して示す模式図である。 スライド機構のチルト動作を説明するための第1の側面断面図である。 スライド機構のチルト動作を説明するための第2の側面断面図である。 スライド機構のチルト動作を説明するための第3の側面断面図である。 スライド機構のチルト動作を説明するための第4の側面断面図である。 実施形態2にかかる携帯電話のスライド動作を説明するための斜視図である。 実施形態2にかかる携帯電話のスライド動作とチルト動作を説明するための斜視図である。 実施形態2にかかる携帯電話のスライド動作とチルト動作を説明するための斜視図である。 本発明の実施形態2にかかるスライド機構の要部構成を拡大して示す第1の模式図である。 本発明の実施形態2にかかるスライド機構の要部構成を拡大して示す第2の模式図である。 実施形態2にかかる第2バネ土台の構成を示す斜視図である。 特許文献1に記載の携帯電話のチルト機構を示す第1の図である。 特許文献1に記載の携帯電話のチルト機構を示す第2の図である。 特許文献1に記載の携帯電話を示す図である。 特許文献1に記載のチルト動作を説明する第1の図である。 特許文献1に記載のチルト動作を説明する第2の図である。 特許文献1に記載のチルト動作を説明する第3の図である。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは必ずしも一致しない。
実施の形態1.
図1A及び図1Bにおいて、本発明の実施形態にかかる携帯機器の一例である携帯電話の構成を示し斜視図を示す。本実施の形態にかかる携帯電話は、スライド式の携帯電話1である。図1Aは、携帯電話が閉じた状態(以下、閉状態)を示し、図1Bは開いた状態(以下、開状態)を示している。携帯電話は、第1筺体10と第2筺体20とを備えている。第1筺体10には、表示部11が設けられている。表示部11は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの表示装置を備えている。また、第2筺体20には、入力キーなどを備える入力部21が設けられている。また、第1筺体10と第2筺体20には、携帯電話の各種機能(電話発信機能、メール機能、メニュー機能、インターネット機能、ゲーム機能、カメラ機能、音楽機能、テレビ機能等)を実現するためのマイクロフォン、スピーカ、メモリ、アンテナ、電池、通信やソフト動作に必要な半導体部品、それを実装する基板、外部接続コネクタ、振動モータ等の主要な部品が内蔵されている。
第1筺体10と第2筺体20は、略同じ大きさの略直方体形状になっている。閉状態では、第1筺体10と第2筺体20が重ね合わされた状態となっており、第1筺体10及び第2筺体20のそれぞれが他方の筺体から、はみ出していない。換言すると、閉状態では、携帯電話1の外形は、略直方体になっている。そして、表示部11が表面側(第1筺体10の第2筺体側と反対側の面)に配置され、開状態、及び閉状態のいずれでも、視認可能となっている。入力部21は、第2筺体20の第1筺体側の面に配設されている。従って、閉状態では、入力部21が、第1筺体10の裏面側と対向して、隠れた状態となる。
第1筺体10は、第2の筺体20に対して、矢印A方向にスライド可能に支持されている。具体的には、第1筺体10に設けられたスライドレール(図1A及び図1Bでは図示せず)に沿って、第2筺体20がスライド可能に設けられている。従って、ユーザが第2筺体20を把持した状態で、第1筺体10に力を与えると、第1筺体10がスライドする。これにより、携帯電話1が、開状態から閉状態、あるいはその反対となる。以下の説明では、閉状態から開状態に移行する際のスライド方向を伸びる方向とし、開状態から閉状態に移行する際のスライド方向を縮む方向と称する。また、スライド位置の一端で携帯電話1が開状態になり、スライド位置が他端で閉状態になる。換言すると、第1のスライド端まで移動することで開状態となり、第1のスライド端と反対側のスライド端まで移動することで、閉状態となる。このように、スライド機構のスライド範囲に応じて、携帯電話1が開状態から閉状態まで変化する。
なお、開状態にすることによって、入力部21が現れるため、ユーザが入力キー等を操作することができるようになる。表示部11に平行なスライド方向を、携帯電話1の長さ方向とする。表示部11の表示面に垂直な方向を、携帯電話1の厚さ方向とする。さらに、長さ方向と厚さ方向に垂直な方向を携帯電話1の幅方向とする。
さらに、携帯電話1は、チルト機構を有している。従って、閉状態において、第2筺体20と平行であった第1筺体10が、開状態になると矢印Bの方向にチルトする。第1筺体10をスライドさせていくと、その途中で第1筺体10が第2筺体20に対して徐々にチルトしていくことになる。このように、携帯電話1は、チルトスライド機構を有している。
次に、図2を用いて、携帯電話1のスライド機構に付いて、説明する。図2は、携帯電話の構成を示す分解斜視図である。第1筺体10の裏面側には、第1フレーム30が取り付けられている。第1フレーム30には、ネジ穴31が設けられている。そして、第1筺体10の裏面側に設けられたネジボス(図示せず)とネジ穴31とで、第1フレーム30と第1筺体10がネジ固定される。
また、第2筺体20の表側には、ネジ穴22が設けられている。また、第2フレーム40には、ネジボス41が設けられている。ネジ穴22とネジボス41とで、第2フレーム40と第2筺体20がネジ固定される。第1フレーム30と第2フレーム40は、ヒンジユニット100を構成するヒンジフレームである。ヒンジユニット100はチルト付きのスライド機構(チルトスライド機構)である。すなわち、第2フレーム40に対して、第1フレーム30がチルトする。第2フレーム40は、第1フレーム30をスライド可能に支持している。第2フレーム40に対する第1フレーム30の相対位置が、変化することで、携帯電話1がスライド動作を行う。換言すると、第1フレーム30を第2フレーム40に対してスライドさせると、第1フレーム30に取り付けられた第1筺体10が第2フレーム40に取り付けられた第2筺体20に対してスライドする。なお、第1フレーム30と第2フレーム40のスライド動作は相対的なものであるため、一方のフレームを把持すると、他方のフレームがスライドする。
次に、ヒンジユニット100の詳細な構成について図3乃至図10を用いて説明する。図3は、ヒンジユニット100の構成を示す分解斜視図である。図3に示すように、ヒンジユニット100は、第1フレーム30と、第2フレーム40と、リンク50と、アシストバネ60と、レール70と、第1バネ土台80と、を備えている。図4A及び図4Bは、ヒンジユニットのリンク50近傍の構成を拡大して示す斜視図である。図4Aでは、リンク50とストッパが当接する様子を示している。図4Bは、説明のため、リンク50を取り除いた状態を示している。図5は、第1フレーム30の構成を示す斜視図である。図6は、レール70の構成を示す斜視図である。図7は、リンク50の構成を示す斜視図である。図8は、第2フレーム40の構成を示す斜視図である。図9は、バネ受けが取り付けられたアシストバネ60の構成を示す斜視図である。図10は、第1バネ土台80の構成を示す斜視図である。以下の説明では、適宜部品の図面を参照して説明する。
第1フレーム30は、両端が立ち上がった板状の部材である。従って、平板の両端に、L字型の側壁が設けられる。第1フレーム30は、板金プレス品、金属モールド品、樹脂モールド品、金属と樹脂の一体成型品などである。ここでは、第1フレーム30は、両側をL時に折り曲げた断面コの字形状の板金部品である。第1フレーム30にはネジ穴31、切欠32、及び長穴33が設けられている。中央の長穴33は、フレキシブル基板の通り穴である。すなわち、長穴33には、第1筺体10内に設けられた電子回路等と接続されるFPC(Flexible Printed Circuits)等が挿入される。フレキシブル基板は、例えば、第1筺体10と第2筺体20との間の電気信号の伝達に用いられる。
第1フレーム30の両端には、それぞれレール70が設けられる。レール70は長手方向を有する棒状部材である。また、2つのレール70は、実質的に同一形状の部材である。そして、レール70の一面には、長手方向に沿った溝71が設けられている。レール70は、例えば、板金プレス鍛造品、金属モールド品、樹脂モールド品、金属と樹脂の一体成型品である。ここでは、レール70は、断面コの字形状の板金鍛造部品である。2つのレール70は、スライド方向に沿って、平行に配置されている。レール70に沿って、第2フレーム40がスライド移動する。図6に示すように、レール70には、位置決め部73が形成されている。位置決め部73を切欠32に位置合わせすることで、位置精度よくレール70を第1フレーム30に取り付けることができる。第1フレーム30とレール70は、溶接、ネジ止め、又は一体成形などにより接続される。
一対のレール70は、溝71が向き合うように並設されている。レール70に設けられた溝71に、第1ピン51、第2ピン42、及び第3ピン43が配設される。そして、第1ピン51、第2ピン42、及び第3ピン43がレール70に沿って、摺動する。これにより、第2フレーム40が第1フレーム30に対してスライドする。さらに、チルト動作をさせるために、レール70の溝71には、屈曲部72が設けられている。すなわち、屈曲部72において、溝71の方向が変わるため、溝71は、くの字型となる。開状態へとスライド移動する際に、携帯電話1の厚み方向において、例えば、第1ピン51の位置が、第2筺体20から離れていく。携帯電話1の厚み方向において、第1筺体10の先端が、第2筺体20から離れるようにスライドする。このようにして、チルトスライド動作が行われる。
ここで、溝71のうち、屈曲部72よりも右側を直線部71aとし、左側をチルト部71bとする。閉状態において、直線部71aは、第2筺体20の表面に対してほぼ平行になっている。チルト部71bは、直線部71aに対して傾斜している。閉状態では、第1ピン51、第2ピン42、及び第3ピン43が直線部71aにある。これにより、第1ピン51、第2ピン、及び第3ピン43が第2筺体20の表面に対して同じ高さとなる。開状態では、第1ピン51が直線部71aにあり、第2ピン42が屈曲部72近傍にあり、第3ピン43がチルト部71bにある。従って、第2筺体20の表面に対する第1ピン51の高さが、第2ピン42、及び第3ピン43の高さと異なっている。これにより、開状態では、第1筺体10が第2筺体20に対してチルトする。第3ピン43が直線部71aを越えて、屈曲部72に移動していくと、第1ピン51が高くなっていく。すなわち、厚さ方向における第2筺体20の表面から第1ピン51までの距離が大きくなっていく。これにより、スライド動作の途中から、第2筺体20に対して第1筺体10が徐々にチルトすることとなる。
リンク50は、2つのレール70に接続されている。すなわち、リンク50は、レール70に対して摺動可能に取り付けられている。リンク50は、板金プレス品、金属モールド品、樹脂モールド品、金属と樹脂の一体成形品などである。ここでは、リンク50を板状の金属部品としている。リンク50は、長手方向を有する部材であり、レール70と垂直に配設されている。従って、リンク50の一端が一方のレール70に取り付けられ、他端が他方のレール70に取り付けられる。図7に示すように、リンク50は、ベース部50aとリブ50bとを有している。ベース部50aは、レール70と垂直方向、すなわち、携帯電話1の幅方向に沿った部分である。ベース部50aの両端には、リブ50bがそれぞれ設けられている。2つのリブ50bからは、第1ピン51、及び軸52が突出している。第1ピン51、及び軸52は、それぞれリブ50bから外側に向けて突出した円柱形状である。
従って、第1ピン51、及び軸52はリンク50の両端にそれぞれ配設されている。第1ピン51は溝71に挿入される。溝71に対して若干のクリアランスを持つよう、溝71の幅と第1ピン51の直径が設計されている。これにより、第1ピン51が溝71に対して摺動する。第1ピン51は、板金プレス品、金属モールド品、樹脂モールド品、金属と樹脂の一体成形品などである。リンク50と第1ピン51は、一体品、溶接、打ち込みなどにより接続される。リブ50bには、第1ピン51と軸52が並設されている。軸52は、第1ピン51よりも第2フレーム40側に配設されている。軸52は、第1ピン51より低くなっている。軸52は、第2フレーム40の軸穴44に挿入される。リンク50は、軸52に対して偏心している。
第2フレーム40は、レール70に近接する両端が立ち上がった枠状の部材である。第2フレーム40は、板金プレス品、金属モールド品、樹脂モールド品、金属と樹脂の一体成形品などである。第2フレーム40は、第1フレーム30の下に配置される。第2フレームには、ネジボス41と、第2ピン42と、第3ピン43と、軸穴44と、第2バネ土台45と、第1ストッパ47と、が設けられている。第2ピン42は、第2フレーム40の両端にそれぞれ設けられる。第3ピン43も同様に、第2フレーム40の両端にそれぞれ設けられる。第2ピン42、及び第3ピン43は、外側に突出した円柱形状を有している。第2ピン42、及び第3ピン43は、溝71内に突出しており、溝71に対して摺動する。すなわち、第2ピン42、及び第3ピン43は、上記の通り、溝71に挿入される。溝71内部において、第2ピン42は第3ピン43と第1ピン51との間に配置される。第2ピン42、第3ピン43は、板金プレス品、金属モールド品、樹脂モールド品、金属と樹脂の一体成形品などである。第2フレーム40と第2ピン42、第3ピン43は、一体品、溶接、打ち込みなどにより接続される。
第1ピン51、第2ピン42、第3ピン43がレール70の溝71に、スライド可能に接続されている。すなわち、第1フレーム30に設けられたレール70に対して、第2フレーム40が摺動する。
また、第2フレーム40には2つの軸穴44が設けられている。第2フレーム40の角近傍において、2つの軸穴44は同軸上に配置される。軸穴44は、上記のように、リンク50の軸52が挿入される。そして、軸52は円柱の中心軸を回転軸として、リンク50が第2フレーム40に対して回転する。すなわち、第2フレーム40は、リンク50を回転可能に支持している。リンク50が起き上がると、チルト角が大きくなり、リンク50が倒れるとチルト角が小さくなる。さらに、第2フレーム40には、チルト角度を制御する第1ストッパ47が設けられている。第1ストッパ47は、軸穴44の近傍に配置されている。この第1ストッパ47がリンク50と当接することで、リンク50の回転が規制される。これにより、チルト角度を制限することができる。
さらに、第2フレーム40の角近傍には、第2バネ土台45が設けられている。第2バネ土台45は、第2フレーム40の一部からなる。第2バネ土台45には、アシストバネ60を受ける第2バネ受け46が取り付けられる。第2バネ受け46は、金属モールド品、樹脂モールド品などである。第2バネ土台45と第2バネ受け46は、嵌合により接続される。第2バネ受け46には、アシストバネ60が接続される。
第2バネ土台45において、アシストバネ60が第2バネ受け46を介して、第2フレーム40に取り付けられている。アシストバネ60は、金属品である。アシストバネ60と第2バネ受け46は嵌合により接続される。アシストバネ60は、スライド位置に応じた付勢力を発生する弾性体である。具体的には、アシストバネ60がユーザのスライド操作をアシストする方向に付勢力を発生する。もちろん、バネ以外の弾性体を用いて第1フレーム30と第2フレーム40の間に付勢力を発生させても良い。
アシストバネ60の中央には、金属線が渦巻き状に巻かれた渦巻き部61が設けられている。そして、渦巻き部61からアシストバネ60の一端62までは、金属線がほぼ直線状に延びている。さらに、渦巻き部61からアシストバネ60の他端63までは、金属線がほぼ直線状に延びている。そして、渦巻き部61から一端62に延びる金属線と、渦巻き部61から他端63まで延びる金属線の角度は傾いている。ここでは、渦巻き部61から一端62に延びる金属線と、渦巻き部61から他端63まで延びる金属線の角度がほぼ直交しており、L字型になっている。そして、L字型の角部に渦巻き部61が配置されている。アシストバネ60の他端63には、第2バネ受け46が接続される。
アシストバネ60の一端62には、第1バネ受け81が接続される。アシストバネ60の先端が第1バネ受け81に設けられた穴に挿入される。これにより、第1バネ受け81がアシストバネ60を保持する。また、第1バネ受け81に設けられた凹部によって、第1バネ受け81が第1バネ土台80に取り付けられる。第1バネ土台80は、第1フレーム30の下に配置されている。第1バネ土台80は、板金のプレス品、金属モールド品、樹脂モールド品、金属と樹脂の一体成形品などである。第1バネ土台80は、第1フレーム30に溶接、一体成形などされている。第1バネ受け81は、金属モールド品、樹脂モールド品などである。第1バネ土台80と第1バネ受け81は、嵌合により接続されている。
このように、アシストバネ60の一端62は、第1バネ受け81を介して、第1フレーム30に取り付けられる。また、アシストバネ60の他端63は、第2バネ受け46を介して、第2フレーム40に取り付けられる。アシストバネ60の先端が第2バネ受け46に設けられた穴に挿入される。これにより、第2バネ受け46がアシストバネ60を保持する。また、第2バネ受け46に設けられた凹部によって、第2バネ受け46が第2バネ土台45に取り付けられる。
このように、第1フレーム30と第2フレーム40は、アシストバネ60を介して接続される。これにより、第1フレーム30と第2フレーム40間に、付勢力が発生する。このアシストバネ60によって、ユーザのスライド操作がアシストされる。例えば、閉状態と開状態の中間のスライド位置が基準位置となっており、スライドを基準位置からずらすことにより、いずれかのスライド方向に付勢力が発生する。中間位置から開状態にスライドさせようとすると、スライドを伸ばす方向に付勢力が発生する。一方、中間位置から閉状態になるようにスライドさせるようとすると、スライドを縮める方向に付勢力が発生する。このように、アシストバネ60は、ユーザのスライド操作をアシストする。
第1バネ土台80は、第1フレーム30に取り付けられる。第1バネ土台80には、第1バネ受け81を保持する切欠が設けられている。第1バネ土台80には、第2ストッパ82が設けられている。第2ストッパ82は、リンク50と当接することで、リンク50の回転が規制される。これにより、チルト角度を制限することができる。第2ストッパ82は、開状態の近傍において、リンク50と当接する。すなわち、第1バネ土台80は、第1フレーム30に取り付けられているため、開状態から離れた状態では、第2ストッパ82は、リンク50と当接しない。
例えば、開状態では、図4Aに示すように、第1ストッパ47とリブ50bが当接する。これにより、第2フレーム40に対するリンク50の回転が規制される。さらに、第2ストッパ82と、ベース部50aが当接する。これにより、第2フレーム40に対するリンク50の回転が規制される。第1ストッパ47、及び第2ストッパ82は、リンク50が起き上がる方向、すなわち、チルト角が大きくなる方向の回転を規制している。このように、開状態において、ストッパ47及びストッパ82がリンク50と接触することで、チルト角が大きくなるのを規制している。また、この時、スライドはスライド動作のストロークエンド、すなわち、スライド端の位置にある。第1ストッパ47、第2ストッパ82がリンク50に当接することによって、伸びる方向側のスライド端が規定されている。もちろん、第3ピン43によって伸びる方向側のスライド端を規定しても良い。第1ストッパ47、及び第2ストッパ82は、異なる位置で、異なる方向から、リンク50の回転を規制している。
次に、図11を用いて携帯電話1のスライド操作について説明する。図11(a)では、携帯電話1が閉状態となっている。そして、閉状態となっている携帯電話1に、図11(a)の矢印方向の力を加えてスライドさせると、図11(b)に示すように開状態となる。この状態では、携帯電話1はチルト角が大きい状態(以下、高チルト角状態とする)となっている。さらに、図11(b)の矢印方向に力を加えてスライドさせると、図11(c)に示すように閉状態となる。
図12を用いて、スライド操作とチルト操作について説明する。図11(a)で示したように、スライドさせると、携帯電話1は図12(a)の閉状態から図12(b)に示す開状態となる。ここでは、高チルト角状態となっている。この状態で、例えば、表示部11を押して、図12(b)に示す矢印方向に力を加える。すなわち、携帯電話1の厚さ方向に力を与えて、第1筺体10を第2筺体20の方向に押し込む。これにより、図12(c)に示すようにチルト角が小さくなる。この状態を低チルト角状態とする。図12(c)に示す矢印のように、縮む方向にスライドさせると、図12(d)のように閉状態となる。
図13を用いて、スライド操作とチルト動作について説明する。図11(a)で示したようにスライドさせると、携帯電話1は図13(a)の閉状態から図13(b)に示す開状態となる。ここでは、高チルト角状態となっている。この状態で、図12(b)で示したように、表示部11を押すと、図13(c)に示すようにチルト角が小さくなる。携帯電話1はこの状態では低チルト角状態となっている。図13(c)に示す矢印方向に、第1筺体10を、軽く引き込んでから放す。例えば、スライド方向に微小距離だけ第1筺体10を引き込んでから放す。こうすると、図13(d)に示すように、高チルト角状態に戻る。さらに、図13(d)に示す矢印方向にスライドさせると、図13(e)のように閉状態となる。
上記の動作における、リンク50の角度とチルト角について説明する。まず、図14A、図14Bに示すように、リンク角θと、チルト角αを定義する。リンク角θは、第2筺体20の表面に対する、リンク50の角度であり、チルト角αは、第2筺体20の表面と第1筺体10の裏面とのなす角度である。図14Aにおいて、リンク角θは、反時計周りでリンク50から第2筺体20の表面までの角度となる。
高チルト角状態では、携帯電話1は図15Aのようになる。高チルト角状態では、伸ばす方向にアシストバネ60の付勢力が加わっている。高チルト角状態のリンク角をリンク角θ1とし、チルト角をチルト角α1とする。ここでは、第1ストッパ47が、リンク50の前方面と当接している。また、第2ストッパ82は、リンク50の後方面と当接している。なお、図14A、図14B、図15A及び図15Bにおいて、リンク50の右側がスライド方向における前方となり、リンク50の左側がスライド方向における後方となっている。従って、図14A、図14B、図15A及び図15B中で右側を前方、左側を後方と称する。
低チルト角状態では、携帯電話1は図15Bのようになる。低チルト角状態のリンク角をリンク角θ2とし、チルト角をチルト角α2とする。ここでは、第2ストッパ82は、リンク50の前方面で、リンク50と当接している。リンク角θ2は、リンク角θ1よりも小さくなっている。すなわち、低チルト角状態では、高チルト角状態よりもリンク50が倒れている。高チルト角状態と低チルト角状態とでは、スライド位置が略同じになっているか、わずかにスライドしている。従って、高チルト角状態のスライド位置は、低チルト角状態のスライド位置と同じか近接している。すなわち、高チルト角状態と低チルト角状態とでは、スライド位置が実質的にスライド端になっている。
次に、スライド操作とチルト操作による動作について、図16A〜図16Dを用いて説明する。ユーザが閉状態からスライドさせると、携帯電話1は図16Aに示す開状態になる。図16Aは、高チルト角状態を示している。開状態にするためにスライドさせていくと、第1ストッパ47がリンク50と接触する。さらに、第2ストッパ82がリンク50と接触する。これにより、スライドが停止する。第1ストッパ47と第2ストッパ82はリンク50が起き上がるのを規制している。そして、この状態で、アシストバネ60の付勢力は、伸ばす方向に発生している。アシストバネ60による付勢力によって、リンク50が第1ストッパ47、及び第2ストッパ82に押し付けられる。アシストバネ60の付勢力によって、リンク50がそれぞれ第1ストッパ47、及び第2ストッパ82に押し当てられ、リンク角θ1が維持される。よって、高チルト角状態となる。
そして、ユーザが、チルト角を変化させるために、第1筺体10を第2筺体20の方向(図16Aの矢印方向)に押す。すると、ユーザによって与えられた力が、アシストバネ60の付勢力に勝り、第2ストッパ82の前方で接触しているリンク50が回転する。よって、リンク角θ1が小さくなる方向に移動する。すなわち、第2ストッパ82とリンク50の接触がわずかに外れ、リンク50が可動状態となる(図16B参照)。このとき、第1ピン51、第2ピン42、及び第3ピン43に対してレール70が若干スライド移動する。そして、リンク50がスライドに追従して回転する(図16B中の円形矢印)。すなわち、リンク50が第2ストッパ82と近接しながら、倒れる方向に回転する。レール70の溝71に沿って、リンク50が倒れる方向に回転する。このように、ユーザが押すことで、第1ストッパ47と第2ストッパ82がリンク50から一旦離れて、リンク角が変化する。
そして、図16Cに示すように、第2ストッパ82による規制をかわすまでスライドする。これにより、第2ストッパ82の前方面から離れる程度にリンク50が回転する。ユーザが第1筺体10を押す操作を止めると、図16Dの矢印に示すように、アシストバネ60の付勢力によって、伸びる方向にスライドする。すると、リンク50が起き上がろうと回転する。このとき、リンク50が第2ストッパ82の後方で当接する。さらに、リンク50が第1バネ受け81に、あるいは、第1バネ受け81近傍に、当接する。この場合、第1バネ受け81が、第2ストッパ82の一部として機能する。さらに、第1ストッパ47がリンク50と当接している。
これにより、リンク50の起き上がる方向に回転するのが停止する。すなわち、チルト角度が大きくなるのを第2ストッパ82、第1ストッパ47が防ぐ。アシストバネ60の付勢力によるスライドも停止する。このように、アシストバネ60からの付勢力によって、第1ストッパ47及び第2ストッパ82にリンク50が押し付けられる。この状態では、図16Dの矢印方向に、第1フレーム30に対するアシストバネ60の付勢力が発生している。よって、スライドが伸びる方向に付勢力が与えられている。アシストバネ60の付勢力によって、リンク50が第2ストッパ82に押し付けられる。これにより、リンク角θ2が維持され、低チルト角状態となる。
このように、第1ストッパ47と第2ストッパ82によって、リンクの回転を規制している。これにより、簡便な操作でチルト角の変更が可能になる。よって、操作性を向上することができる。また、高チルト角状態と、低チルト角状態は、ほぼ同じスライド位置になっている。このため、いずれのチルト状態でもあって、入力部21の入力キーによる入力が可能になる。
なお、第1ストッパ47は、第2フレーム40に対して設けられている。もちろん、第1ストッパ47を第2フレーム40と別部品としてもよい。この場合、第1ストッパ47を第2フレーム40に設ける。また、第2ストッパ82は、第1フレーム30に設けられている。すなわち、第2ストッパ82は、第1フレーム30に対して、第1バネ土台80を介して取り付けられている。すなわち、第2ストッパ82は、第1フレーム30に対して固定されている。もちろん、第2ストッパ82と第1フレーム30とを一体品として形成しても良い。このようにすることで、簡便な構成で操作性を向上することができる。なお、各ストッパをリンク50の両端に対して設けることが好ましい。この場合、第1ストッパ47と第2ストッパ82のそれぞれが、2つずつ設けられる。
さらに、高チルト角状態と低チルト角状態では、異なる角度でリンク50が第2ストッパ82と接触する。このとき、第2ストッパ82のリンク50が接触する位置が異なっている。具体的には、高チルト角状態では、図7で示したベース部50aの前方の面で接触し、低チルト角状態では、後方の面で接触する。さらに、第2ストッパ82は、リンク50が起き上がる方向に回転するのを規制している。これにより、高チルト角状態及び低チルト角状態を維持することができる。
上記の構成によれば、簡単に、チルト角度の切り替えができる。すなわち、表示部11のある第1筺体10の面を、軽く押すだけで、チルト角度を切り替えることができる。また、表示部のある筺体を、閉じる方向へ軽く引き込んでから、離すだけで、チルト角度を切り替えることができる。
さらに、上記の構成によれば、携帯電話1を薄型化できる。筺体と干渉をしないように設けられたアシストバネ60の可動エリア内に、第1ストッパ47、及び第2ストッパ82を配置している。さらに、第1ストッパ47、及び第2ストッパ82は、すでにある部品の一部で構成できる。具体的には、第1ストッパ47は、第2フレーム40の一部であり、第2ストッパ82は、第1バネ土台80の一部として形成されている。このため、携帯電話1を薄型化できる。
実施の形態2.
本実施の形態にかかる携帯電話のスライド機構について、図17乃至図21を用いて説明する。図17は、携帯電話のスライド操作を示す図である。図18は、スライド操作とチルト操作を示す図である。図19は、スライド操作とチルト操作を示す図である。なお、本実施形態にかかる携帯電話のスライド機構の基本的構成は、実施の形態1と同様であるため適宜説明を省略する。本実施の形態では、チルト角度を変更するユーザ操作が異なっている。そのため、図20A、図20B、及び図21に示すように、第1バネ土台80に、第2ストッパ82だけでなく、第3ストッパ83が形成されている。なお、第3ストッパ83と第2ストッパ82は、第1バネ土台80と一体的に形成されていても良い。
本実施形態では、チルト角を変化させる操作、及びその操作に伴う動作が実施の形態1と異なっている。スライド操作による動作は、図17に示すように、実施の形態1と同様である。すなわち、図11で示した動作によって、開状態から閉状態、あるいは閉状態から開状態へと切り替わる。
本実施の形態では、図18(b)に示す開状態から、チルト角を変化させる場合の操作が実施の形態1と異なっている。本実施形態では、第1筺体10を引き込んだ後、押し込むことで、高チルト角状態から低チルト角状態となる。従って、高チルト角状態で、第1筺体10を第2筺体20に押し込んでも、チルト角が変化しない。この動作については後述する。
高チルト角状態から低チルト角状態にする場合、ユーザが、第1筺体10を軽く引き込んだ後、軽く押して、押し込む。これにより、携帯電話1は図18(b)に示す高チルト角状態から、図18(c)に示す低チルト角状態となる。具体的には、まず、ユーザが第1筺体10を若干縮む方向にスライドさせる。これにより、後述するように、リンク50が第3ストッパ83から解放される。この状態で、第1筺体10を第2筺体20に対して押し込む。こうすることで、リンク50が回転して、低チルト角状態に移行する。低チルト角状態から、縮む方向にスライドさせることで、閉状態となる(図18(d))。
次に、低チルト角状態から高チルト角状態にする場合の操作について、図19を用いて説明する。まず、図18(a)〜図18(c)と同様に、高チルト角状態を経て、低チルト角状態とする(図19(a)〜図19(c))。そして、実施の形態1と同様に、ユーザが第1筺体10を軽く引き込んでから離す。これにより、図19(d)に示すように、高チルト角状態に戻る。そして、縮む方向にスライドさせると、図19(e)に示す、閉状態となる。
チルト角を変更する際の、リンク50の動作について、図20A、図20B及び図21を用いて説明する。本実施形態では、図21に示すように、第1バネ土台80の形状が実施の形態1と異なっている。すなわち、第1バネ土台80に第2ストッパ82と第3ストッパ83が設けられている。第3ストッパ83は、第2ストッパ82よりも前方側に配置される。そして、第2ストッパ82と第3ストッパ83とで、断面がコの字型の溝が形成される。そして、この溝内に、リンク50のベース部50aが入り込む(図20A参照)。すなわち、第2ストッパ82と第3ストッパ83の間に、リンク50の先端が入り込む。したがって、リンク50が第3ストッパ83と当接する。このとき、第2ストッパ82とリンク50が当接していてもよい。
具体的には、開状態では、図20Aに示すように、リンク角θ3が鈍角になっている。リンク50のベース部50aが第3ストッパ83と第2ストッパ82が形成するコの字部分に入り込んでいる。このため、開状態で第1筺体10を第2筺体20の方向に押し込んでも、リンク50は回転しない。これにより、第1筺体10が押されても、高チルト角状態が維持される。よって、ユーザが意図せぬ操作によって、チルト角が変化するのを防ぐことができる。例えば、偶然に第1筺体10が押されたとしても、チルト角が変化しない。これにより、操作性を向上することができる。
高チルト角状態で、縮む方向にスライドさせると、リンク50が第3ストッパ83及び第1ストッパ47から解放される。これにより、リンク50が回転可能な可動状態となる。縮む方向にスライドさせたことによって、レール70に対する第1ピン51、第2ピン42、及び第3ピン43の位置が変化する。よって、チルト角が変わり、リンク50が反時計回りに回転する。ここでは、リンク50が鉛直に立ってリンク角θ4が90度になった後、リンク角θ4が鋭角になる。そして、ユーザが力を与えるのを止めると、アシストバネ60の付勢力によって、リンク50が第2ストッパ82に対して伸びる方向の力を加える。これにより、図20Bに示す状態となる。この状態では、図15Bと同様に、第2ストッパ82がリンク50と当接して、回転方向を規制している。なお、低チルト角状態から高チルト角状態にする場合は、実施の形態1と同様にユーザが操作する。こうすることで、一旦、第2ストッパ82、及び第1ストッパ47からリンク50が解放する。そして、図15Aに示す状態に戻る。
本実施の形態では、厚さ方向において、第1筺体10が第2筺体20の方向に押された場合のリンク50の回転が第3ストッパ83によって、規制される。すなわち、第3ストッパ83が、厚さ方向において第1フレーム30が第2フレーム40に押し込まれる力を受けた際に、リンク50の回転を規制している。従って、偶然に第1筺体10が押されたとしても、チルト角が変化しない。これにより、操作性を向上することができる。さらに、同じ部品に第2ストッパ82と第3ストッパ83を形成することで、部品点数を少なくすることができる。
上記の構成によれば、簡単に、チルト角度の切り替えができる。すなわち、表示部11のある第1筺体10の表示面を、縮む方向に軽く引き込んだ後、押すだけで、チルト角度を切り替えることができる。また、表示部11のある第1筺体10を、縮む方向へ軽く引き込んでから、離すだけで、低チルト角状態から高チルト角状態を切り替えることができる。さらに、開状態から閉状態にするには、縮む方向に引き込めば良い。よって、操作性を向上することができる。
さらに、上記の構成によれば、携帯電話1を薄型化できる。筺体と干渉をしないように設けられたアシストバネ60の可動エリア内に、第1ストッパ47、第2ストッパ82、及び第2ストッパ83を配置している。さらに、第1ストッパ47、第2ストッパ82、及び第2ストッパ83は、すでにある部品の一部で構成できる。具体的には、第1ストッパ47は、第2フレーム40の一部であり、第2ストッパ82及び第3ストッパ83は、第1バネ土台80の一部として形成されている。このため、携帯電話1を薄型化できる。
実施形態1,2に示したように、リンク50が動作することで、チルト角を簡便に変化させることができる。すなわち、一度の操作で、チルト角が変化するため、操作性を向上することができる。なお、実施の形態1,2を適宜組み合わせても良い。もちろん、上記のスライド構造は、携帯電話1に限らず、他の携帯型電子機器に用いることが可能である。携帯ゲーム機、携帯コンピューター、携帯音楽プレイヤー、卓上コンピューター、テレビ/ビデオ/クーラーなどの各種リモコン、その他の、携帯電子機器において実施してもよい。表示部11のある第1筺体10と、入力キーのある第2筺体20に、一定のチルト角度が設けてあるスライド型携帯電話機において、チルト角度の切り替えを容易に行うことができる。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2010年5月20日に出願された日本出願特願2010−116124を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明にかかる技術は、携帯機器などに利用できる。
1 携帯電話
10 第1筺体
11 表示部
20 第2筺体
21 入力部
22 ネジ穴
30 第1フレーム
31 ネジ穴
32 切欠
33 長穴
40 第2フレーム
41 ネジボス
42 第2ピン
43 第3ピン
44 軸穴
45 第2バネ土台
46 第2バネ受け
47 第1ストッパ
50 リンク
50a ベース部
50b リブ
51 第1ピン
52 軸
60 アシストバネ
61 渦巻き部
62 一端
63 他端
70 レール
71 スライド溝
71a 直線部
71b チルト部
72 屈曲部
73 固定部
80 第1バネ土台
81 第1バネ受け
82 第2ストッパ
83 第3ストッパ
100 ヒンジユニット
110 第1筺体
120 第2筺体

Claims (10)

  1. スライド方向が変化するスライドレールが設けられた第1フレームと、
    前記スライドレールに沿ってスライドする第2フレームと、
    前記第1フレームと前記第2フレームのスライド位置に応じて、前記第1フレームと前記第2フレームとの間に付勢力を発生する弾性体と、
    前記スライドレールに対して摺動可能に取り付けられ、回転することで前記第2フレームに対する前記第1フレームのチルト角を変化させるリンクと、
    前記リンクの回転を規制する第1ストッパと、
    前記第1ストッパと異なる方向から、前記リンクの回転を規制する第2ストッパと、を備えるスライド機構。
  2. 第1のスライド位置において、前記第2ストッパの前記リンクに対する当接位置が変化することで、前記リンクが異なる角度になって、チルト角が切り替わることを特徴とする請求項1に記載のスライド機構。
  3. 前記第1ストッパが前記第2フレームに設けられ、
    前記第2ストッパが前記第1フレームに設けられていることを特徴とする請求項1、又は2に記載のスライド機構。
  4. 前記弾性体がユーザのスライド操作をアシストする方向に付勢力を発生し、
    第1のスライド位置において、前記弾性体の付勢力によって、前記リンクが、前記第1ストッパ及び前記第2ストッパに押し付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスライド機構。
  5. 第1のスライド位置においてチルト角が大きい状態の場合に、前記リンクが第1回転方向に回転するのが規制され、
    前記第1のスライド位置においてチルト角が小さい状態の場合に、前記リンクが第1回転方向に回転するのが規制されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスライド機構。
  6. 前記第1のスライド位置においてチルト角が大きい状態の場合に、前記第1ストッパ及び前記第2ストッパが、前記リンクに当接しており、
    前記第1のスライド位置においてチルト角が小さい状態の場合に、前記第1ストッパ及び前記第2ストッパが前記リンクに当接していることを特徴とする請求項5に記載のスライド機構。
  7. 前記リンクの第1回転方向の回転を規制する第3ストッパをさらに備え、
    第1のスライド位置においてチルト角が大きい状態の場合に、前記第3ストッパが、前記リンクが第1回転方向に回転するのを規制し、
    前記第1のスライド位置においてチルト角が小さい状態の場合に、前記第2ストッパが、前記リンクが第1回転方向に回転するのを規制することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスライド機構。
  8. 前記第3ストッパが、前記スライド機構の厚さ方向において前記第1フレームが前記第2フレームに押し込まれる力を受けた際に、前記リンクの回転を規制していることを特徴とする請求項7に記載のスライド機構。
  9. 前記第1フレームに前記弾性体が接続されるバネ土台が設けられ、
    前記第2ストッパが前記バネ土台の一部に形成されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載のスライド機構。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のスライド機構と、
    前記第1フレームに取り付けられた第1筺体と、
    前記第2フレームに取り付けられた第2筺体と、を備える携帯機器。
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