JP3116692B2 - 水分インジケータと水分インジケータ用インキ組成物 - Google Patents

水分インジケータと水分インジケータ用インキ組成物

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JP3116692B2
JP3116692B2 JP05292953A JP29295393A JP3116692B2 JP 3116692 B2 JP3116692 B2 JP 3116692B2 JP 05292953 A JP05292953 A JP 05292953A JP 29295393 A JP29295393 A JP 29295393A JP 3116692 B2 JP3116692 B2 JP 3116692B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密電子機器等の内部
に取付けられ精密電子機器等の水没判定や水濡れ履歴検
査等に利用される水分インジケータに係り、特に、水没
や水濡れの履歴情報を確実に残すことが可能な水分イン
ジケータとこの水分インジケータの製造に利用される水
分インジケータ用インキ組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精密電子機器等には多数の電子部品や金
属導体が搭載されているが、精密電子機器等が水没した
りその内部に水が侵入して電子部品等が水分に触れたり
すると正常な電気特性が失われて誤動作を生じることが
ある。
【0003】そこで、従来においては精密電子機器等の
内部に水分インジケータを取付け、この水分インジケー
タの色変化により精密電子機器等の水没判定や水濡れ履
歴を検査する方法が考えられている。
【0004】このような水分インジケータとしてコバル
ト塩の色変化を利用したものが知られている。すなわ
ち、コバルト塩はそのコバルトイオンの周囲に配位して
いる水分子の数が多いものは赤色、少ないものは青色に
変化する。例えば、CoCl2・6H2Oは淡赤色、Co
Cl2・4H2Oは桃色、CoCl2・2H2O は淡赤紫
色、2CoCl2・3H2Oは暗青紫色、CoCl2・H2
Oは青紫色、及び、無水物(CoCl2) は淡青色を示
す。そこで、コバルト塩を含むインジケータを上記精密
電子機器等の内部に取付けた場合、侵入した水分の量に
応じてこのインジケータの色彩が変化するため、精密電
子機器等の水没判定や水濡れ履歴を検査できるとされて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コバルト塩
は大気中の温度や湿度の影響に敏感に反応するため、水
没等の事実の有無に拘らず大気中の湿度等の影響により
淡赤色から青色へ、またその逆についても簡単に可逆変
化を起こしてしまう。
【0006】このため、上記コバルト塩を利用したイン
ジケータにおいては、精密電子機器等の水没や水濡れの
事実を正確に反映しないと共に、水没や水濡れの履歴情
報を残すことも困難となる、すなわちメモリー性を有さ
ない問題点があった。
【0007】このような技術的背景の下、本発明者等は
上記色変化を示す物質として可視光線の波長以上の粒径
を有する水溶性染料粒子を適用することにより、周囲の
湿度等の影響を受け難くかつ水没や水濡れの履歴情報を
確実に残すことが可能な(すなわちメモリー性を有す
る)水分インジケータとこの水分インジケータの製造に
利用される水分インジケータ用インキ組成物を既に提案
している(特願平5−241861号参照)。すなわ
ち、上記水溶性染料粒子の色濃度はその粒径が可視光線
の波長以上の場合に低く、この染料が水中に分散する等
分子状で分散した場合に高濃度となる特性を有してお
り、上記水分インジケータは水溶性染料粒子のかかる特
性を巧みに利用したものであった。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記メモリー性
が更に改善された水分インジケータとこの水分インジケ
ータの製造に利用される水分インジケータ用インキ組成
物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、水分に触れたことを色変化により表示する水
分インジケータを前提とし、高分子結着剤と、この高分
子結着中にそれぞれ分散された有機若しくは無機フィ
ラー、可視光線の波長以上の粒径を有する水溶性染料粒
子及び水溶性染料粒子を吸着する吸着媒体とを主成分と
した被膜を支持体上に具備し、上記被膜内の水溶性染料
粒子が可視光線の波長以上の粒径を有する粒子状態で分
散するときに呈する低濃度の被膜の色と、水分により被
膜内の水溶性染料粒子の一部若しくは全体が溶解して分
子状に分散するときに呈する高濃度の被膜の色との変化
により水分に触れたことを表示することを特徴とするも
のである。
【0010】この請求項1記載の発明に係る水分インジ
ケータにおいては、このインジケータが水分と接触しな
い限り被膜内の水溶性染料粒子の分散状態は初期状態に
保持されるため上記被膜の色は低濃度を呈すると共に、
大気中の湿度や温度等が上記被膜に作用しても被膜内の
水溶性染料粒子が分子状に分散されるまでには至らない
ため周囲における湿度等の影響を受け難い利点を有して
いる。
【0011】一方、このインジケータを取付けた精密電
子機器等が水没したり水濡れ等した場合、高分子結着剤
中に分散された有機若しくは無機フィラーの作用により
被膜内への水分の侵入が促進され、かつ、侵入した水分
により被膜内の水溶性染料粒子が溶解し分子状に分散さ
れてその濃度が高くなると共に、水和反応により水溶性
染料の発色若しくは高濃度変化が起こるため上記被膜の
色は高濃度となる。尚、上記インジケータを取付けた精
密電子機器等が長時間水没していても、水溶性染料粒子
は被膜内に分散された吸着媒体に吸着されると共にこの
吸着媒体は高分子結着剤を介して支持体上に強固に固着
されているため上記被膜から水溶性染料粒子が流出する
ことがない。そして、上記濃度変化後において周囲の乾
燥状態が変化しても分子状に分散された水溶性染料の分
散状態は保持され、かつ、被膜内に侵入した水分は上記
有機若しくは無機フィラーの作用により吸着されて蒸発
され難いため被膜の色は高濃度のまま維持される。ま
た、インジケータを取付けた精密電子機器等が再度水没
したような場合でも、水溶性染料粒子は上記吸着媒体に
吸着されておりかつこの吸着媒体は高分子結着剤を介し
て支持体上に強固に固着されているため上記被膜から水
溶性染料粒子が流出することがない。
【0012】従って、請求項1記載の発明に係る水分イ
ンジケータは、コバルト塩が適用されている従来の水分
インジケータに較べて周囲における湿度等の影響を受け
難く、かつ、精密電子機器等の水没や水濡れ等の事実を
正確に反映すると共に、その後における周囲の乾燥状態
の変化や再度の水濡れ等に拘らず履歴情報を確実に残す
ことが可能な利点を有している。
【0013】尚、被膜内に分散される上記水溶性染料粒
子についてはその粒径が可視光線の波長以上であること
を要するが、実用的には0.5μm以上の平均粒径を有
すれば十分であり、また、高分子結着剤中に均一に分散
されるためには10.0μm以下の平均粒径を有するこ
とが望ましい。請求項2に係る発明はこのような技術的
理由に基づいてなされている。
【0014】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る水分インジケータを前提とし、上記
水溶性染料粒子の平均粒径が0.5μm〜10.0μm
であることを特徴とするものである。
【0015】そして、これ等請求項1〜2に係る発明に
おいて適用できる上記水溶性染料としては、その粒径が
可視光線の波長以上であり、かつ、水溶性でしかも非水
系溶剤に難溶性又は不溶性の染料であれば任意である。
例えば、スルホン酸基等水溶性基を有するアゾ基を主体
とした直線状の構造を持つ水溶性染料、オキシ、カルボ
キシ、スルホン酸基等の酸性基を持つ水溶性染料、上記
酸性基を含まず水溶液中で陽イオンになり、芳香族に置
換した第一級、第二級、又は、第三級アミンが塩酸等の
酸成分と塩を形成する水溶性染料等が挙げられる。
【0016】具体的には下記化学式(1)〜(25)で
示される水溶性染料を例示できるが、上記水溶性染料が
例示されたこれ等染料に当然のことながら限定されるも
のではない。
【0017】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】 次に、この技術的手段において上記吸着媒体は、被膜内
に分散された水溶性染料粒子を吸着して被膜からの水溶
性染料粒子の流出を防止する作用をするものである。す
なわち、本発明に係るインジケータを取付けた精密電子
機器等が長時間水没したような場合に被膜内の水溶性染
料粒子が多量に溶解して被膜から流出してしまうことが
ある。また、一度水没等により濃度変化を起こしたイン
ジケータが再度多量の水に接触したような場合において
も被膜内の水溶性染料粒子が多量に溶解して被膜から流
出してしまうことがある。このような場合、上記被膜内
に吸着媒体を分散させることにより被膜からの水溶性染
料粒子の流出を防止することが可能となる。すなわち、
この吸着媒体が水溶性染料粒子を吸着すると共に、この
粒子を吸着した吸着媒体が高分子結着剤を介して支持体
上に強固に固着されるため、上記水溶性染料粒子の流出
を防止することが可能となる。そして、上記吸着媒体の
具体例としては、ポリアクリロニトリル系重合体ケン化
物等のアクリル系、デンプン−アクリル酸グラフト体等
のデンプン系、ポリビニルアルコールの架橋体等のポリ
ビニルアルコール系、及び、カルボキシメチルセルロー
スの架橋体等のセルロース系の樹脂等が挙げられる。但
し、これ等材料例が本発明を限定するものではない。
【0018】一方、上記有機又は無機フィラーは、被膜
を多孔質構造に形成し、かつ、被膜内への水分の侵入を
促進して上記水溶性染料と水分との接触を促進させると
共に、被膜内に侵入した水分を吸着して水分の蒸発を抑
制させる作用をするものである。このため、上記有機又
は無機フィラーとしては親水性を有することが望まし
く、具体的には、デンプン、カオリン、タルク、微粉末
セルロース、珪酸アルミニウム、酸化珪素、炭酸カルシ
ウム、及び、二酸化チタン等が適用できる。但し、これ
等材料例が本発明を限定するものではない。
【0019】また、高分子結着剤は、水溶性染料粒子、
吸着媒体、及び、有機又は無機フィラーを支持体上に固
着するために適用されるもので、有機溶剤に可溶な熱可
塑性樹脂なら任意な材料が使用できる。以下、具体例を
示すが、これ等材料例が本発明を限定するものではな
い。すなわち、この技術的手段に適用できる高分子結着
剤としては、ポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポ
リメタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルとポリメタ
クリル酸アルキル(但しアルキル基の炭素数は2〜6)
の共重合体等のアクリル系樹脂:ポリスチレン;ポリア
ミド樹脂;ポリビニルブチラール、ポリビニルアセター
ル等のポリアセタール系樹脂;ポリウレタン樹脂;エポ
キシ樹脂;石油系樹脂;メチルセルロース、エチルセル
ロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートブ
チレート、ニトロセルロース等のセルロース誘導体等が
利用できる。
【0020】また、上記有機又は無機フィラー、水溶性
染料粒子、及び、吸着媒体が高分子結着在中に分散され
た被膜を支持する支持体としては、例えば、紙、合成
紙、不織布、合成樹脂フィルム等が利用できる。
【0021】次に、請求項3〜4に係る発明は、請求項
1〜2記載の発明に係る水分インジケータの製造に利用
される水分インジケータ用インキ組成物に関する。
【0022】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
記載の発明に係る水分インジケータの製造に使用さ
れる水分インジケータ用インキ組成物を前提とし、非水
系溶剤と、この非水系溶剤中に溶解された高分子結着剤
と、上記非水系溶剤中にそれぞれ分散された有機若しく
は無機フィラー、可視光線の波長以上の粒径を有する水
溶性染料粒子及び水溶性染料粒子を吸着する吸着媒体を
含有することを特徴とし、また、請求項4に係る発明
は、請求項3記載の発明に係る水分インジケータ用イン
キ組成物を前提とし、水溶性染料粒子の平均粒径が0.
5μm〜10.0μmであることを特徴とするものであ
る。
【0023】これ等請求項3又は4に係る発明において
適用される非水系溶剤としては、少なくとも上記高分子
結着剤を溶解させると共に、吸着媒体、有機又は無機フ
ィラーを分散させることを要する。具体的には、芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類、ケトン類、及
び、アルコール類等が利用でき、かつ、これ等溶剤を複
数混合して適用してもよい。
【0024】尚、この非水系溶剤は上記支持体への塗布
適性又は印刷適性を考慮してインキ組成物中に適量混合
すればよい。また、上記高分子結着剤の配合割合は水溶
性染料粒子1重量部に対して10〜100重量部、上記
有機又は無機フィラーの配合割合は水溶性染料粒子1重
量部に対して50〜100重量部、また、吸着媒体の配
合割合は水溶性染料粒子1重量部に対して10〜50重
量部が望ましい。
【0025】尚、上記支持体上への被膜の形成方法とし
ては、印刷法(例えば、グラビア印刷をはじめとする凹
版印刷、オフセット印刷をはじめとする平版印刷、凸版
印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷をはじめとする孔
版印刷等)、コーティング法(例えば、ロールコーティ
ング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、
ディップコーティング、ベタコーティング等)等が利用
できる。
【0026】
【作用】請求項1〜2記載の発明に係る水分インジケー
タによれば、高分子結着剤と、この高分子結着中にそ
れぞれ分散された有機若しくは無機フィラー、可視光線
の波長以上の粒径を有する水溶性染料粒子及び水溶性染
料粒子を吸着する吸着媒体とを主成分とした被膜を支持
体上に具備し、上記被膜内の水溶性染料粒子が可視光線
の波長以上の粒径を有する粒子状態で分散するときに呈
する低濃度の被膜の色と、水分により被膜内の水溶性染
料粒子の一部若しくは全体が溶解して分子状に分散する
ときに呈する高濃度の被膜の色との変化により水分に触
れたことを表示しており、この水分インジケータが水分
と接触しない限り被膜内の水溶性染料粒子の分散状態は
初期状態に保持されるため上記被膜の色は低濃度を呈す
ると共に、大気中の湿度や温度等が上記被膜に作用して
も被膜内の水溶性染料粒子が分子状に分散されるまでに
は至らないため周囲における湿度等の影響を受け難い。
【0027】一方、この水分インジケータを取付けた精
密電子機器等が水没したり水濡れ等した場合、高分子結
着剤中に分散された有機若しくは無機フィラーの作用に
より被膜内への水分の侵入が促進され、かつ、侵入した
水分により被膜内の水溶性染料粒子が溶解し分子状に分
散されてその濃度が高くなると共に、水和反応により水
溶性染料の発色若しくは高濃度変化が起こるため被膜の
色は高濃度となる。また、上記被膜内には水溶性染料粒
子を吸着する吸着媒体が分散されており、この吸着媒体
が水溶性染料粒子を吸着すると共に水溶性染料粒子を吸
着した吸着媒体が高分子結着剤を介して支持体上に強固
に固着されるため、水分インジケータを取付けた精密電
子機器等が水没した際に上記水溶性染料粒子の被膜から
の流出を防止することも可能となる。
【0028】更に、上記濃度変化後において周囲の乾燥
状態が変化しても分子状に分散された水溶性染料の分散
状態は保持され、かつ、被膜内に侵入した水分は上記有
機若しくは無機フィラーの作用により吸着されて蒸発さ
れ難と共に、濃度変化後のインジケータを取付けた精密
電子機器等が再度水没したような場合でも、水溶性染料
粒子は上記吸着媒体に吸着されかつ水溶性染料粒子を吸
着した吸着媒体は高分子結着剤を介して支持体上に強固
に固着されているため被膜の色を高濃度のまま維持させ
ることが可能となる。
【0029】また、請求項3〜4記載の発明に係る水分
インジケータ用インキ組成物によれば、非水系溶剤と、
この非水系溶剤中に溶解された高分子結着剤と、上記非
水系溶剤中にそれぞれ分散された有機若しくは無機フィ
ラー、可視光線の波長以上の粒径を有する水溶性染料粒
子及び水溶性染料粒子を吸着する吸着媒体を含有してい
るため、このインキ組成物を用いて印刷法若しくはコー
ティング法にて支持体上に被膜を形成することにより請
求項1〜2に係る水分インジケータを簡便に製造するこ
とが可能となる。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
【0031】[実施例1]この実施例に係る水分インジ
ケータ10は、図1に示すように厚さ100μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)社
製;商品名E5001]1と、このフィルム1の略中央
部に設けられた淡赤色の被膜2とでその主要部が構成さ
れている。そして、この被膜2は、ポリエステル系樹脂
[東洋紡績(株)社製;商品名バイロン300]から成
る高分子結着剤と、この高分子結着剤中にそれぞれ均一
に分散された下記化学式(6)で表される水溶性染料の
粒子(平均粒径1.5μm)、アクリル系樹脂[花王
(株)社製;商品名ワンダーゲルMX−2011]から
成る吸着媒体、及び、二酸化チタン粉末とを主成分とし
て構成されているものである。
【0032】
【化6】 尚、この水分インジケータ10は、下記組成のインキ組
成物を分散機(ペイントコンディショナー)で30分間
粉砕及び分散して染料粒子の平均粒径を1.5μmとし
た後、100μm版線のグラビアベタ版によりフィルム
1上にグラビア印刷して製造したものである。
【0033】 (水分インジケータ用インキ組成物) 化学式(6)で示される水溶性染料粒子 1重量部 アクリル系樹脂 20重量部 二酸化チタン 50重量部 ポリエステル系樹脂 20重量部 トルエン 80重量部 尚、上記水分インジケータ10の被膜2の光学反射濃度
を測定したところ、0.35であった。そして、この水
分インジケータ10を50℃、90%R.H.の高温多
湿雰囲気中に48時間保存した後上記被膜2の光学反射
濃度を測定したところ、その数値は保存前と同様であ
り、温度・湿度の影響を受け難いことが確認できた。
【0034】次に、上記被膜2上に数滴の水を滴下した
ところ、瞬時に被膜2は濃赤色に変化した。そして、こ
の変色部位の光学反射濃度を測定したところ0.85で
あった。
【0035】続いて、上記変色した水分インジケータ1
0をオーブン中で60℃、24時間の乾燥処理を行った
後、その光学反射濃度を測定したところ、測定された数
値は乾燥処理前と同様0.85であった。
【0036】[実施例2]この実施例に係る水分インジ
ケータは、実施例1に係る水分インジケータ10と同様
に図1に示すように厚さ0.25mmのポリ塩化ビニル
フィルム[三菱樹脂(株)社製;商品名C−4020)
1と、このフィルム1の略中央部に設けられた淡青色の
被膜2とでその主要部が構成されている。そして、この
被膜2は、ポリエステル系樹脂[東洋紡績(株)社製;
商品名バイロン300]から成る高分子結着剤と、この
高分子結着剤中にそれぞれ均一に分散された下記化学式
(26)で表される水溶性染料の粒子(平均粒径0.9
μm)、デンプン系樹脂[三洋化成工業(株)社製;商
品名サンウエット1M−300]から成る吸着媒体、及
び、微粉末セルロースとを主成分として構成されている
ものである。
【0037】
【化7】 尚、この水分インジケータ10は、下記組成のインキ組
成物を分散機(三本ロールミル)で分散して染料粒子の
平均粒径を0.9μmとした後、270メッシュ/イン
チのシルクスクリーンベタ版(材質:ポリエステル)に
よりフィルム1上にスクリーン印刷して製造したもので
ある。
【0038】 (水分インジケータ用インキ組成物) 化学式(26)で示される水溶性染料粒子 1重量部 デンプン系樹脂 30重量部 微粉末セルロース 50重量部 ポリエステル系樹脂 20重量部 芳香族炭化水素(シェル化学(株)製;ソルベッソ♯100) 30重量部 キシレン 30重量部 また、上記水分インジケータ10の被膜2の光学反射濃
度を測定したところ、0.34であった。そして、この
水分インジケータ10を50℃、90%R.H.の高温
多湿雰囲気中に48時間保存した後上記被膜2の光学反
射濃度を測定したところ、その数値は保存前と同様であ
り、温度・湿度の影響を受けないことが確認できた。
【0039】次に、上記被膜2上に数滴の水を滴下した
ところ、瞬時に被膜2は濃青色に変化した。そして、こ
の変色部位の光学反射濃度を測定したところ0.82で
あった。
【0040】続いて、上記変色した水分インジケータ1
0をオーブン中で60℃、24時間の乾燥処理を行った
後、その光学反射濃度を測定しところ、測定された数値
は乾燥処理前と同様0.82であった。
【0041】更に、変色した上記水分インジケータ10
を水道水で満たしたビーカー中に48時間浸漬したとこ
ろ、フィルム1上に固着されている被膜2から濃青色の
水溶性染料粒子が流出することがなく、水中における保
存安定性にも優れていることが確認できた。
【0042】
【発明の効果】請求項1〜2記載の発明に係る水分イン
ジケータによれば、この水分インジケータが水分と接触
しない限り被膜の色は低濃度を呈し、かつ、大気中の湿
度や温度が作用しても上記被膜は低濃度状態を保持す
る。一方、上記被膜が水分に触れると被膜の色は高濃度
となり、この濃度状態は大気中の湿度や温度が作用して
も変化され難く、かつ、その後において再度水濡れ等が
発生しても上記濃度状態を保持する。
【0043】従って、この水分インジケータを精密電子
機器等の内部に取付けることにより精密電子機器等の水
没判定や水濡れ履歴検査を正確に行うことが可能になる
と共に、その後における周囲の乾燥状態の変化や再度の
水濡れ等に拘らず履歴情報を確実に残すことが可能とな
る効果を有している。
【0044】また、請求項3〜4記載の発明に係る水分
インジケータ用インキ組成物によれば、このインキ組成
物を用いて印刷法若しくはコーティング法にて支持体上
に被膜を形成することにより請求項1〜2に係る水分イ
ンジケータを簡便に製造できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るインジケータの斜視図。
【符号の説明】
1 フィルム 2 被膜 10 水分インジケータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/75 - 21/83 G01N 31/00 - 31/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水分に触れたことを色変化により表示する
    水分インジケータにおいて、 高分子結着剤と、この高分子結着中にそれぞれ分散さ
    れた有機若しくは無機フィラー、可視光線の波長以上の
    粒径を有する水溶性染料粒子及び水溶性染料粒子を吸着
    する吸着媒体とを主成分とした被膜を支持体上に具備
    し、上記被膜内の水溶性染料粒子が可視光線の波長以上
    の粒径を有する粒子状態で分散するときに呈する低濃度
    の被膜の色と、水分により被膜内の水溶性染料粒子の一
    部若しくは全体が溶解して分子状に分散するときに呈す
    る高濃度の被膜の色との変化により水分に触れたことを
    表示することを特徴とする水分インジケータ。
  2. 【請求項2】上記水溶性染料粒子の平均粒径が0.5μ
    m〜10.0μmであることを特徴とする請求項1記載
    の水分インジケータ。
  3. 【請求項3】非水系溶剤と、この非水系溶剤中に溶解さ
    れた高分子結着剤と、上記非水系溶剤中にそれぞれ分散
    された有機若しくは無機フィラー、可視光線の波長以上
    の粒径を有する水溶性染料粒子及び水溶性染料粒子を吸
    着する吸着媒体を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の水分インジケータ用インキ組成物。
  4. 【請求項4】上記水溶性染料粒子の平均粒径が0.5μ
    m〜10.0μmであることを特徴とする請求項3記載
    の水分インジケータ用インキ組成物。
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