JP3115901B2 - 特異親和性反応測定方法 - Google Patents

特異親和性反応測定方法

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JP3115901B2 JP03080125A JP8012591A JP3115901B2 JP 3115901 B2 JP3115901 B2 JP 3115901B2 JP 03080125 A JP03080125 A JP 03080125A JP 8012591 A JP8012591 A JP 8012591A JP 3115901 B2 JP3115901 B2 JP 3115901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特異親和性反応用支持
を用いた特異親和性反応測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、極めて特異的な生化学反応である
抗原−抗体反応を用いた免疫学的診断が行われており、
例えば、各種のアレルゲン、B型肝炎表面(HBs)抗
体・抗原、癌腫瘍マーカーの測定に応用されている。こ
のような抗原−抗体反応を利用した各種測定には、例え
ば、ラジオイムノアッセイ(以下、RIAと記す)やエ
ンザイムイムノアッセイ(以下、EIAと記す)、蛍光
イムノアッセイ(以下、FIAと記す)のような免疫測
定方法が用いられている。
【0003】しかし、上記のような免疫測定方法では、
抗原または抗体に何らかの標識をつける必要があるため
手間がかかる。また、必要に応じて、BF分離を行なわ
なければならないため、測定操作が繁雑である。特に、
RIAでは、標識として放射性元素を使用するため取扱
いが難しい。また、これらの免疫検定方法を自動化する
ことは困難であり、自動化のための装置も大型になって
しまう。
【0004】さらに、これらの免疫測定方法では、測定
し得る被測定物質の濃度範囲が非常に狭い。例えば、従
来のEIA法における、マウスIgG抗原の濃度と吸光
度の関係を示す特性図を図6に示す。図6から明らかな
ように、マウスIgG抗原の濃度が10-6〜2×10-5
mg/mlの範囲内でのみ、マウスIgG抗原濃度と吸光度
との関係を検量線化することができる。このため、高濃
度の被測定試料を測定するためには、測定可能な濃度範
囲まで被測定試料を稀釈する必要があり、測定作業が繁
雑になる欠点があった。
【0005】これに対して、抗体または抗原を固相化し
た金属等の固体表面上で免疫反応を行った後、その表面
の反射率、屈折率等を測定して、固体表面に結合した抗
原または抗体の密度を測定することにより、ドライケミ
カル的に免疫測定を行う方法が試みられている。このよ
うな方法によって、作業時間を短縮でき、かつ操作の自
動化に伴う測定装置を容易に簡略化することが可能であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような固相化した抗原または抗体を使用した免疫測定方
法では、抗体または抗原を均一に固相化することが困難
である。このため、固体表面に形成された抗原−抗体か
らなる膜の厚さを直接測定した場合には、膜厚と抗原濃
度との関係を検量線化することができなかった。また、
表面の反射率及び屈折率の変化を測定する場合には、そ
れらの変化量がわずかなために感度が悪い等の欠点があ
った。
【0007】本発明の目的は、かかる点に鑑みてなされ
たものであり、操作が簡単でかつ短時間で測定できると
共に、より高感度で特異親和性反応測定を行うことがで
きる特異親和性反応用支持体及び特異親和性反応測定方
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】 シリコン基板上に酸化
シリコン被膜が形成された支持体上にリガンドを固相化
してなる免疫反応用支持体に被測定試料を接触させて、
該被測定試料中の測定対象物質と該リガンドとを反応さ
せる工程と、前記免疫反応用支持体に金コロイド抗体
を、前記測定対象用物質と同時にまたは前記測定対象物
質を反応させた後に反応させる工程と、前記測定対象物
質及び前記金コロイド抗体と反応させた前記免疫反応用
支持体を洗浄する工程と、前記免疫反応用支持体に直線
偏光を所定の入射角で人射させる工程と、前記免疫反応
用支持体で反射した反射光に基づいて測定対象物を測定
する工程とを具傭することを特徴とする免疫測定方法。
【0009】以下、本発明を免疫測定で行った例を詳細
に説明する。
【0010】本発明の免疫測定方法に用いられる免疫反
応用支持体は、シリコン基板上に酸化シリコン被膜が形
成された支持体上にリガンドを固相化したものである。
【0011】このシリコン基板としては、表面が精密に
研磨されたSi単結晶基板を使用することができる。S
i単結晶基板は、容易に入手可能であり、均一な表面を
容易に得ることができる点で優れている。
【0012】このシリコン基板上に被覆する酸化シリコ
ン被膜の膜厚は、1000ないし1900オングストロ
ーム(以下、Aと記す)の範囲内が好ましい。なぜなら
ば、酸化シリコン被膜の膜厚が前記範囲内にある場合に
は、吸光度スペクトルのピークが可視光領域(波長30
0nm〜800nm)内に現れるからである。また、酸
化シリコン被膜の膜厚の誤差範囲は10A以下であるこ
とが好ましい。
【0013】また、シリコン基板の上への酸化シリコン
被膜の形成は、例えば、熱酸化等の半導体装置の製造に
おいて用いられる周知の方法により行うことができる。
【0014】本発明の免疫反応用支持体に用いられるリ
ガンドは、リガンド−レセプター反応を行う物質であ
る。例えば、抗原−抗体反応の一成分であり、特異親和
性物質のことである。例えば、抗原、抗体、DNA、R
NA、ペプチド等を例示することができる。このような
各種リガンドの中から測定対象物質に適したリガンドを
選択して使用する。
【0015】このようなリガンドの支持体上への固相化
は、通常の無機物質へのリガンドの固相化方法に従って
行うことができる。例えば、まず、酸化シリコン被膜を
有するシリコン基板を、NH4 OH:H2 2:H2
の混合液中で煮沸した後、窒素ガス還流下で300℃〜
700℃で数時間加熱する。さらに、冷却後P2 5
末等の乾燥剤中で水分を除去する。このように前処理を
行った酸化シリコン被膜に、シランカップリング剤によ
りアミノ基を化学的に導入する。この後、架橋剤とし
て、例えばグルタルアルデヒドを酸化シリコン被膜に導
入されたアミノ基に結合させる。このように調製した支
持体上に必要なリガンドを作用させることより、リガン
ドのアミノ基とグルタルアルデヒドが結合して、リガン
ドが酸化シリコン被膜上に固相化される。さらに必要が
あれば、例えば、牛血清アルブミンでブロッキングを行
っても良い。
【0016】ここで、シランカップリング剤としては、
特公昭第50−11448号公報に開示されているよう
な、下記一般式(I)で示されるシランカップリング剤
を使用することができる。
【0017】 (Y´R´)n SiR4-n ・・・・(I) (式中、Y´は、アミノ、カルボニル、カルボキシ、イ
ソシアノ、ジアゾ、イソチオシアノ、ニトロソ、スルフ
ヒドリル、ハロカルボニルからなる群から得らればれた
基、Rは、低級アルコキシ、フエノキシおよびハロから
なる群から選ばれた基、R´は、低級アルキル、低級ア
ルキルフエニルおよびフエニルからなる群から選ばれた
基、nは1〜3の値を持つ整数である。)このようなシ
ランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロ
ピル−トリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ
−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−β−アミ
ノエチル−(α−メチル−γ−アミノプロピル)−ジメ
トキシメチルシランのようなアミノ−機能的脂肪族シラ
ンである。
【0018】また、シランカップリング剤を使用したリ
ガンドの固相化の他にも、ポリエチレンイミンを化学的
共有結合で酸化シリコン被膜表面に導入し、グルタルア
ルデヒドで架橋することによりリガンドを固相化する方
法(特開昭第62−226809号公報、特開昭62−
298763号公報等)によって、リガンドを固相化す
ることもできる。
【0019】また、本発明の免疫測定方法において使用
する金コロイド抗体としては、固相化されたリガンド或
いは測定対象物質に特異的に結合する金コロイド抗体、
または、固相化されたリガンド及び測定対象物質の両方
に結合する金コロイド抗体を使用することができる。ま
た、金コロイドの粒径は、20nm〜100nmの範囲
内が好ましい。なぜならば、20nm未満の金コロイド
では、本発明の効果を十分に発揮し得ないからであり、
100nmを越える金コロイドでは、シリコン基板上に
形成された膜の膜厚が後述するエリプソメータの測定可
能な膜厚の最大値を越えてしまうからである。
【0020】金コロイド抗体と免疫反応用支持体との反
応は、測定対象物質と免疫反応用支持体とを反応させた
後に行わせても良いし、金コロイド抗体と測定対象物質
を同時に免疫反応用支持体に反応させても良い。前者の
場合には金コロイド抗体として、測定対象物質に特異的
に結合するものを使用して、所謂サンドイッチ法により
免疫測定を行うことができる。また、後者の場合には、
サンドイッチ法によって反応を一度で済ませたり(特開
昭57−16355、特開昭57−500845参
照)、金コロイド抗体として固相化されたリガンドと特
異的に結合するものを使用し、リガンドに対して測定対
象物質及び金コロイド抗体を競合させて反応させること
もできる。
【0021】また、本発明の免疫測定方法において用い
られる対照用支持体としては、免疫反応用支持体と同一
膜厚の酸化シリコン被膜を有するシリコン基板からなる
支持体であって、リガンドを固相化していないものを使
用することができる。測定対象物質と反応させていない
免疫反応用支持体であって、同一膜厚の酸化シリコン被
膜も使用できる。しかしながら後者は、酸化シリコン被
膜の表面にリガンドを全く同一の状態で固相化すること
は困難であり、対照用支持体としては前者の方が好まし
い。
【0022】また、免疫反応用支持体で反射した第2の
反射光のうちの楕円偏光成分の測定方法としては、例え
ば、反射型分光光度計による吸光度スペクトルの測定
や、CCDカメラ、ホトマルチプライヤーまたはフォト
ダイオードにより光電変換して楕円偏光成分の光量を測
定する方法がある。
【0023】
【作用】本発明の免疫測定方法によれば、対照用支持体
に所定の入射角で入射された直線偏光は、対照用支持体
の表面状態に依存して偏光され、楕円偏光の第1の反射
光となる。第1の反射光を、直線偏光と同一の入射角で
免疫反応用支持体に入射させると、対照用支持体と免疫
反応用支持体の表面状態が同一である場合には、第1の
反射光は再び直線偏光に戻る。しかし、対照用支持体と
免疫反応用支持体との表面状態が異なる場合には、その
差異が楕円偏光成分として第2の反射光の中に現れる。
従って、この楕円偏光成分を測定することによって、固
相化されたリガンドに結合した測定対象物質を含む免疫
反応用支持体の表面の状態を、対照用支持体の表面との
差として正確に把握することができる。さらに、被測定
物質に比較して粒径が大きい金コロイド抗体を、固相化
されたリガンド及びリガンドに結合した測定対象物質の
少なくとも一方に結合させることにより、免疫反応用支
持体と対照用支持体との表面状態の差が顕著になる。こ
れにより、測定される楕円偏光成分の光量が大きくな
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について、本発明をヒ
トIgG抗原の測定に適用した場合を例にとって詳細に
説明する。
【0025】実施例1 図1は、免疫反応用支持体の一例を示す説明図である。
図中11は、シリコン単結晶基板である。シリコン単結
晶基板11の表面上には、膜厚1100Aの酸化シリコ
ン被膜12が形成されている。
【0026】このような構成からなる支持体本体13の
表面上には、ヒツジ抗ヒトIgG抗体14が固相化され
ている。ヒツジ抗ヒトIgG抗体14の固相化は次のよ
うにして行った。まず、支持体本体13を、NH4
H:H2 2 :H2 O=1:1:4の溶液中で30分間
煮沸した。次に、支持体本体13を蒸留水で洗浄した
後、エタノールで水分を除去した。続いて、窒素ガス
(流量1.0ml/分)還流下、300℃で3時間加熱し
た。支持体本体13を冷却した後、窒素ガス還流下、P
2 5 粉末の入ったデシケーター中で30分間放置し
た。
【0027】このようにして前処理を施した支持体本体
13を、1容量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンのトルエン溶液に2時間浸漬した。次に、支持体本体
13をメタノール溶液中で30秒ずつ2回超音波洗浄器
にかけた。このようにして、酸化シリコンとγ−アミノ
プロピルトリエトキシシランが結合して、酸化シリコン
被膜12にアミノ基が導入された。
【0028】その後、支持体本体13を1容量%グルタ
ルアルデヒド溶液中に2時間浸漬した。次いで、1容量
%ツイン20の10mMリン酸緩衝液(pH=7.2)
で、支持体本体13を洗浄した。洗浄後の支持体本体1
3を、濃度100μg/ml〜500μg/mlで抗ヒト
IgG抗体を10mMリン酸緩衝液(pH=7.20)
に溶解したヒツジ抗ヒトIgG抗体溶液に、4℃で一昼
夜、または室温(25℃)で8時間浸漬した。次いで、
ヒツジ抗ヒトIgG抗体が固相化された支持体本体13
を、1容量%ツイン20の10mMリン酸緩衝液(pH
=7.2)で洗浄した後、さらに10mMリン酸緩衝液
(pH=7.2)で洗浄した。そして、1重量%牛血清
アルブミンの10mMリン酸緩衝液(pH=7.2)溶
液に1時間浸漬した後、再び、1容量%ツイン20の1
0mMリン酸緩衝液(pH=7.2)及び10mMリン
酸緩衝液(pH=7.2)で順次洗浄した。
【0029】このようにして調製された免疫反応用支持
体15を用いて、次のようにしてヒトIgG抗原の測定
を行った。まず、ヒトIgG抗原を含む被測定溶液に、
免疫反応用支持体15を30分間浸漬した。
【0030】この後、直径30nmの金コロイドを結合
した抗ヒトIgG抗体からなる金コロイド抗体(Bio
cell社製Gold Conjugates)のリン
酸緩衝溶液に、室温で1時間浸漬した。
【0031】このように免疫反応用支持体15に被測定
溶液及び金コロイド抗体の溶液を作用させると、図1に
示す如く、まず、ヒトIgG抗原16が、酸化シリコン
被膜12上に固相化されたヒツジ抗ヒトIgG抗体14
に結合する。次いで、金コロイド抗体17が、ヒトIg
G抗原16に結合して、所謂、サンドイッチ構造18が
形成される。
【0032】上述のようにヒトIgG抗原16及び金コ
ロイド抗体17と反応させた免疫反応用支持体15を蒸
留水で洗浄して、さらにその表面に付着した水分を窒素
ガスを噴射して除去した。
【0033】このようにして、ヒトIgG抗原16及び
金コロイド抗体17と反応させた免疫反応用支持体15
の表面で偏光が反射する際におこる偏光状態の変化を、
次のようにして測定した。この測定には、図2に示す如
く、対照用支持体を対照として使用するエリプソメータ
を使用した。
【0034】図中21は、白色光22を放射する光源で
ある。まず、白色光22は、偏光子23を経て−45°
の直線偏光24に偏光される。この直線偏光24を入射
角θで対照用支持体25に入射させる。対照用支持体2
5としては、表面上に膜厚1100Aの酸化シリコン被
膜が形成されたシリコン単結晶基板を使用した。
【0035】入射された直線偏光24は、対照用支持体
25の表面状態に依存して楕円偏光されて反射し、第1
の反射光26となる。この後、第1の反射光26を、直
線偏光24の入射角θと同一の入射角θで、測定対象物
質及び金コロイド抗体と反応させた免疫反応用支持体2
7の表面に入射させる。このとき、対照用支持体25と
免疫反応用支持体27とは、その入射面が相互に直角に
なるように配置されている。このため、第2の反射光2
8の偏光方向が90°回転され、第2の反射光28は+
45°の直線偏光となる。
【0036】このように第1の反射光26を、入射角θ
で免疫反応用支持体27に入射させると、対照用支持体
25と免疫反応用支持体27の表面状態が同一であれ
ば、第1の反射光26は再び直線偏光に戻り、第2の反
射光28は直線偏光のみになる。しかし、免疫反応用支
持体27の表面状態は、対照用支持体25とは異なり、
ヒツジ抗ヒトIgG抗体14及び上述のサンドイッチ構
造18が形成されている。このため、第1の反射光26
は楕円偏光される。さらに、このサンドイッチ構造18
は、被測定溶液中のヒトIgG抗体16の濃度が高いほ
ど、多く形成される。従って、被測定溶液中のヒトIg
G抗体16の濃度が高くなるほど、第2の反射光28中
の楕円偏光成分は多くなる。
【0037】このような楕円偏光成分を含む第2の反射
光28を、第2の反射光の中の直線偏光成分(+45°
偏光)に対して直角をなす偏光方向を有する検光子29
に導入する。すると、第2の反射光28のうち+45°
の直線偏光成分は検光子29を透過せず、楕円偏光成分
だけが検光子29で透過する。このようにして楕円偏光
成分を検出器30で検出する。検出器30としては、例
えば、反射型分光光度計を使用して、免疫反応用支持体
27についての吸光度スペクトルを測定できる。また、
検出器30として、CCDカメラ、ホトマルチプライヤ
ー等を使用し、楕円偏光成分の光量を測定することもで
きる。
【0038】上述のような免疫測定方法によれば、被測
定溶液中のヒトIgG抗原16の濃度に対応して、免疫
反応用支持体15の表面上に固相化されたヒツジ抗ヒト
IgG抗体14に、ヒトIgG抗原16が結合する。そ
して、結合したヒトIgG抗原16に、ヒトIgG抗原
16と比較して極めて大きい粒径を有する金コロイド抗
体17が結合して、サンドイッチ構造18を形成する。
このため、単にヒトIgG抗体16が結合している免疫
反応用支持体15の表面よりも、第2の反射光28の中
の楕円偏光成分が多くなる。これにより、結合するヒト
IgG抗体16の粗密に対応した、第2の反射光中の楕
円偏光成分の割合の変化が極めて大きくなる。この結
果、被測定溶液中のヒトIgG抗体の測定をより高感度
で行うことができた。
【0039】試験例 以下、本発明の免疫測定方法の効果を確認するために行
った試験例について説明する。上述の免疫測定方法に従
って、ヒトIgG抗原の濃度が0,0.1,1.0及び
10ng/mlである各種ヒトIgG抗原標準溶液に夫々免
疫測定用支持体を30分間浸漬し、ヒトIgG抗原を作
用させた各試料検体1〜4について、波長400nm〜
800nmにおける吸光度スペクトルを測定した。この
結果を図3に示す。なお、図3中、横軸は直線偏光24
の波長(単位nm)を示し、縦軸は吸光度を示す。ま
た、図3中、特性線I〜IVは、夫々各試料検体1〜4に
ついての吸光度スペクトルを示すものである。
【0040】図3から明らかな如く、各試料検体1〜4
についての吸光度スペクトルは、いずれも約580nm
にピークを持ち、そのピークにおける吸光度は、ヒトI
gG抗原標準溶液のヒトIgG抗原濃度が高いほど大き
い値を示した。これにより、免疫反応用支持体上に多く
ヒトIgG抗原が結合しているほど、言い換えれば、免
疫反応用支持体の単位面積当たりの結合するヒトIgG
抗原の密度が高いほど、ピークでの吸光度が高くなるこ
とが確認された。
【0041】また、各試験検体1〜4についての波長5
80nmにおける吸光度と、各試験検体1〜4に対応す
るヒトIgG抗原標準溶液のヒトIgG抗原濃度とから
作成した検量線を図4に示す。なお、図4中、横軸はヒ
トIgG抗原濃度(単位ng/ml)を示し、縦軸は、波
長580nmにおける吸光度を示す。
【0042】図4から明らかな如く、ヒトIgG抗原濃
度と波長580nmにおける吸光度との関係を、ヒトI
gG抗原濃度が0.1〜10ng/mlの広い濃度範囲にわ
たって検量線化することができた。従って、ヒトIgG
抗原濃度が比較的高濃度の被測定試料についても、この
被測定試料を稀釈する必要がない。このため、測定操作
に要する時間を、従来の免疫測定方法よりも短縮するこ
とができる。また、稀釈工程が不要であるため、測定装
置を自動化する場合にも装置を容易に簡略化することが
できる。
【0043】実施例2 金コロイド抗体として、粒径30nmの金コロイドが結
合した抗ヒツジIgG抗体からなる金コロイド抗体を使
用した以外は、実施例1の免疫測定方法と同様の手順に
より、ヒトIgG抗体の定量を行った。
【0044】この場合には、図5に示す如く、まず、ヒ
トIgG抗原16が、固相化されたヒツジ抗ヒトIgG
抗体14に結合し、次いで、金コロイド抗体51が、ヒ
トIgG抗原16が結合していないヒツジ抗ヒトIgG
抗体14に結合する。従って、被測定溶液中のヒトIg
G抗原16が多いほど、ヒツジ抗ヒトIgG抗体14に
結合するヒトIgG抗原の密度が高くなる。しかし、こ
れとは逆に、ヒツジ抗ヒトIgG抗体14に結合する金
コロイド抗体51の密度は低くなる。この結果、被測定
溶液中のヒトIgG抗原16の濃度が低いほど、第2の
反射光28中の楕円偏光成分が多くなり、被測定溶液中
のヒトIgG抗原14の濃度が高くなるほど、楕円偏光
成分が少なくなる。さらに、実施例1と同様に、金コロ
イド抗体51は、ヒトIgG抗原16と比較して極めて
大きい粒径を有しているので、金コロイド抗体51の密
度の変化によって、第2の反射光28の中の楕円偏光成
分の割合も極めて大きく変化する。この結果、被測定溶
液中のヒトIgG抗体16の測定をより高感度で行うこ
とができた。
【0045】実施例3 免疫反応用支持体の表面に、被測定試料と金コロイド抗
体溶液とを同時に反応させる以外は、実施例2と同様の
手順でヒトIgG抗体の定量を行った。
【0046】この場合には、被測定試料中のヒトIgG
抗体と金コロイド抗体とは、互いに競合して、免疫反応
用支持体の表面に固相化されたヒツジ抗ヒトIgG抗体
に結合する。従って、実施例2と同様に、被測定溶液中
のヒトIgG抗原が多いほど、ヒツジ抗ヒトIgG抗体
に結合するヒトIgG抗原の密度が高くなるが、これと
は逆に、ヒツジ抗ヒトIgG抗体に結合する金コロイド
抗体の密度は低くなる。この結果、被測定溶液中のヒト
IgG抗原の濃度が低いほど、第2の反射光中の楕円偏
光成分が多くなり、被測定溶液中のヒトIgG抗原の濃
度が高くなるほど、楕円偏光成分が少なくなる。この結
果、実施例2と同様に、金コロイド抗体の密度変化から
被測定溶液中のヒトIgG抗体の測定をより高感度で行
うことができた。
【0047】
【発明の効果】以上説明した如くに、本発明の特異親和
性反応用支持体及び特異親和性反応測定方法によれば、
FIAまたはEIAのような従来の特異親和性反応測定
に比べ、簡単な操作で、かつ短時間で特異親和性反応測
を行うことができると共に、粒径が酸化シリコン被膜
の膜厚に応じて適切な粒径の金コロイド試薬を使用する
ことによって、測定感度を容易に高めることができる等
の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免疫測定方法の一実施例での免疫反応
用支持体の表面状態を示す説明図。
【図2】本発明の免疫測定方法に使用するエリプソメー
タの概要を示す説明図。
【図3】本発明の免疫測定方法の試験例に従って測定さ
れた試料検体の吸光度スペクトルを示す特性図。
【図4】同試験例におけるヒトIgG抗原濃度と吸光度
の関係を示す検量線を示す特性図。
【図5】本発明の免疫測定方法の他の実施例での免疫反
応用支持体の表面状態を示す説明図。
【図6】従来の免疫測定方法におけるマウスIgG抗原
の濃度と吸光度の関係を示す特性図。
【符号の説明】
11…シリコン単結晶基板、12…酸化シリコン膜、1
3…支持体本体、14…ヒツジ抗ヒトIgG抗体、15
…免疫反応用支持体、16…ヒトIgG抗原、17…金
コロイド抗体、21…光源、22…白色光、23…偏光
子、24…直線偏光、25…対照用支持体、26…第1
の反射光、27…免疫反応支持体、28…第2の反射
光、29…検光子、30…検出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543 595 G01N 21/21 G01N 33/551

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上に1000〜1900オ
    ングストロームの膜厚を有する酸化シリコン被膜が形成
    された支持体上にリガンドを固相化してなる特異親和性
    反応用支持体に被測定試料を接触させて、該被測定試料
    中の測定対象物質と該リガンドとを反応させる工程と、
    前記特異親和性反応用支持体に、粒径20〜100nm
    の金コロイド粒子で且つリガンド及び/又は測定対象物
    質に特異的に結合する金コロイド試薬を、前記測定対象
    用物質と同時にまたは前記測定対象物質を反応させた後
    に反応させる工程と、前記測定対象物質及び前記金コロ
    イド試薬と反応させた前記特異親和性反応用支持体を洗
    浄する工程と、前記特異親和性反応用支持体に直線偏光
    を所定の入射角で入射させる工程と、前記特異親和性反
    応用支持体で反射した反射光に基づいて測定対象物を測
    定する工程とを具備することを特徴とする特異親和性反
    応測定方法
  2. 【請求項2】 シリコン基板上に1000〜1900オ
    ングストロームの膜厚を有する酸化シリコン被膜が形成
    された支持体上にリガンドを固相化してなる特異親和性
    反応用支持体に被測定試料を接触させて、該被測定試料
    中の測定対象物質と該リガンドとを反応させる工程と、
    前記特異親和性反応用支持体に、粒径20〜100nm
    の金コロイド粒子で且つリガンド及び/又は測定対象物
    質に特異的に結合する金コロイド試薬を、前記測定対象
    用物質と同時にまたは前記測定対象物質を反応させた後
    に反応させる工程と、前記測定対象物質及び前記金コロ
    イド試薬と反応させた前記特異親和性反応用支持体を洗
    浄する工程と、前記特異親和性反応用支持体と同一の支
    持体からなり、かつ前記リガンドを固相化していない対
    照用支持体に、直線偏光を所定の入射角で入射させる工
    程と、該対照用支持体で反射した第1の反射光を前記直
    線偏光の入射角と同一の入射角で、前記測定対象物質及
    び前記金コロイド試薬と反応させた前記特異親和性反応
    用支持体に入射させる工程と、前記特異親和性反応用支
    持体で反射した第2の反射光のうち楕円偏光成分を測定
    する工程とを具備することを特徴とする特異親和性反応
    測定方法
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「光学的測定ハンドブック」朝倉書店(1981)P256−P265

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