JP3115848B2 - 有害赤潮の予防方法 - Google Patents

有害赤潮の予防方法

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漁業に甚大な損害
を与える規模及び種類の有害赤潮の発生を予防する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】赤潮は、植物プランクトンが異常に増殖
し、そのために海水が変色する現象であるが、その元と
なる植物プランクトンの種類によって、周辺環境に与え
る影響が異なる。例えば、これまで珪藻類の増殖によっ
て発生する赤潮が漁業に損害を与えた事例は殆どなく、
むしろ、植食生物の餌料として歓迎される場合が多い。
しかし、シャットネラなどの鞭毛藻類の増殖によって発
生する赤潮は、養殖漁業等を中心とする漁業に大きな損
害を与え得ることが知られている。
【0003】赤潮が発生する時期やその原因も、その元
となる植物プランクトンの種類によって様々である。例
えば、春になって海水の温度が上昇すると、冬の間に蓄
積した栄養塩を利用してスプリングブルームと呼ばれる
珪藻類の大増殖が起こる。また、シャットネラなどの鞭
毛藻類は、発生期である夏季を除く年間の大部分の季節
をシスト(胞子)として海底で過ごし、この間はいわゆ
る休眠状態にあるが、海底の水温が20℃に上昇する初
夏に発芽する。そして、この発芽期において、後述する
ような鞭毛藻類の増殖に有利な条件が整うと、鞭毛藻類
が異常に増殖して有害な赤潮が発生すると考えられてい
る。
【0004】鞭毛藻類の増殖に有利な条件として、ま
ず、表層水中に鞭毛藻類の有力な競争者である珪藻類等
が存在しないことが挙げられる。表層水中に珪藻類等が
多く存在する場合、同一条件下では鞭毛藻類よりも珪藻
類の方が一般的に増殖速度が大きいため、鞭毛藻類は種
交代課程の中での優占種にはなり得ないためである。具
体的には、次のような場合に、珪藻類が表層から姿を消
してしまうと考えられている。
【0005】一般に、海洋が安定していると、海中では
表層と深層とからなる層が形成される(成層)。この成
層が安定している時期(成層期)の深層においては、植
物プランクトンの活性が低下するほか、海底から窒素、
リンなどの栄養塩が溶出し続け、これが深層水中に蓄積
されるため、深層水中には、栄養塩が豊富に含まれてい
る。一方、表層水は、植物プランクトンによる栄養塩の
消費が進むため、一般に栄養塩濃度は低くなっている。
したがって、継続的に成層が安定すると、表層の栄養塩
は、珪藻類や他の植物プランクトンによって取り尽くさ
れ、やがて枯渇してしまう。この場合、植物プランクト
ン全体の生存率は、表層においては非常に低いレベルと
なってしまい、珪藻類も表層からいなくなってしまう。
【0006】また、前述したように珪藻類はスプリング
ブルームと呼ばれる春の大増殖を行うが、その増殖に際
しては、窒素やリンなどの栄養塩のほか、大量のケイ素
を必要とする。一般に、海水中に含まれる窒素やリンの
濃度は、人間活動によって海洋に流出する汚染負荷の増
大によって、近年では比較的高くなっているが、海水中
のケイ素の濃度はそれほど高くなっていない。したがっ
て、春の大増殖の際、珪藻類が周囲の海水中に溶存して
いるケイ素を消費し尽くしてしまうと、増殖に有効な量
の窒素やリンがまだ周囲に存在していても、珪藻類は増
殖を止めてしまう。そして、増殖を止めた珪藻類は、休
眠期細胞を形成し海底に沈降してしまうのである。
【0007】鞭毛藻類の増殖に有利なもう一つの条件と
して、表層水の富栄養化が挙げられる。すなわち、鞭毛
藻の増殖に必要な窒素、リンなどの栄養塩が表層水中に
豊富に含まれていることである。この表層水の富栄養化
の原因として次のようなことが考えられる。都市部の沿
岸海域においては、人間活動によって生ずる生活廃水や
工業廃水などの汚染負荷が大量に流入するため、海水中
の窒素やリンの濃度が高くなっていること、また、気象
や海況の変化等に起因して表層水と深層水とが鉛直混合
を起こした場合、深層水に豊富に含まれる栄養塩が表層
に供給されると考えられること、などである。
【0008】以上のような有害赤潮の発生原因を検証し
てみると、都市部の沿岸海域において、スプリングブル
ームの後、ケイ素の枯渇によって、窒素及びリンが表層
水に残されたまま、珪藻類が表層から姿を消してしまっ
た場合には、鞭毛藻類が異常増殖を起こし、有害な赤潮
が発生する可能性が高いと考えられる。また、継続的な
成層の発達によって表層の栄養塩が枯渇し、珪藻類を含
む植物プランクトンの生存レベルが低下した後、鉛直混
合等により栄養塩が深層から表層に供給された場合に
も、これが鞭毛藻類の発芽期と重なると、有害赤潮が発
生する可能性が高くなると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のような鞭毛藻類
による有害赤潮の発生原因に着目して、鞭毛藻のシスト
の発芽が活発化し、増殖を開始する時期に、無害な珪藻
類を人為的に添加し、この添加された珪藻類が表層水中
の栄養塩を吸収して増殖することによって、表層水中の
栄養塩濃度を下げ、鞭毛藻類による赤潮を未然に防止し
ようとする研究がされはじめている。珪藻類の具体的な
添加方法としては、海底に光を直接照射するという方法
が検討されている。この方法によれば、海底に豊富に存
在する珪藻類の休眠期細胞が、光の照射により発芽ある
いは復活し、表層に栄養細胞として浮上して、その後増
殖するものと期待される。そして、この珪藻類によっ
て、表層の栄養塩が摂取、消費され、その結果表層の栄
養塩濃度が低下し、鞭毛藻類の異常増殖を抑制し、有害
赤潮の発生が防止されるとしている。
【0010】しかしながら、珪藻類の休眠期細胞を発芽
あるいは復活させるために十分な強さの光を照射するた
めには、相当のエネルギーあるいは光を効率よく伝達す
るための施設等が必要となる。また、水深が増すほど、
海底照射の困難性が増大する。特に海底付近の海水の透
明度が低ければ、かなりのエネルギーのロスが生ずる。
【0011】また、珪藻類の休眠期細胞を発芽あるいは
復活させることに成功しても、発芽しあるいは復活した
珪藻類を効果的に増殖させることができなければ、表層
の栄養塩濃度を低下させ、鞭毛藻類の異常増殖を抑制す
るという効果は期待できない。特に、珪藻類が休眠期細
胞を形成した原因が、表層水中のケイ素の不足にある場
合においては、珪藻類を発芽あるいは復活させて、表層
まで上昇させても、それらの増殖は望めない。この場
合、海上よりケイ素を散布しても良いが、継続的に珪藻
類の増殖を図るためには、こまめに散布を行う必要があ
り、手間がかかる。
【0012】本発明は、上記の従来技術の欠点ないし問
題点を解決するためになされたものであって、その目的
とするところは、簡易な手段で、珪藻類の増殖を継続的
に促進して、鞭毛藻類の競争者である珪藻類の表層にお
ける密度を可能な限り増大させ、表層における栄養塩濃
度の上昇を抑えて富栄養化を回避し、鞭毛藻類の増殖を
抑制して、有害赤潮の発生を未然に防止することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る有害赤潮の
予防方法は、海面または海中に浮体を設置し、ケイ素を
含有したガラス質材料であって、ケイ素の溶出速度の大
きいガラス質材料からなる珪藻類の増殖材を前記浮体に
装着することによって海水に浸し、周囲の海水中にケイ
素を溶出させ、前記ケイ素の供給により珪藻類の増殖を
促進させて、周囲の海水中の栄養塩濃度を低下させるこ
とにより、鞭毛藻類の増殖を抑制することを特徴とす
る。
【0014】本発明に用いられるケイ素の溶出速度の大
きい珪藻類の増殖材は、ガラス質の非晶質構造の特性に
着目して完成されたものであって、このガラス質材料
は、網目形成イオンとして機能するケイ素及びその網目
構造の中に入り込む網目修飾イオンとして機能する元素
により非晶質網目構造を形成しているものである。その
ような構成に係るガラス質材料の珪藻類増殖材を、所望
の海域に設置した浮体に装着し、海水に浸漬すると、水
分子がガラス質材料の網目構造の網目を徐々に切断す
る。このため、その増殖材を構成する成分が長期間にわ
たって徐々に溶出することになる。
【0015】本発明のケイ素の溶出速度の大きいガラス
質材料としては、(イ)ケイ素およびナトリウムを、そ
れぞれSiO2 換算で45〜75重量%、Na2 O換算
で25〜55重量%に相当する量含有するガラス質材料
や、(ロ)ケイ素、ナトリウムおよび/またはカリウ
ム、そして鉄を、それぞれ、SiO2 換算で30〜70
重量%、Na2 Oおよび/またはK2 O換算で10〜5
0重量%、そしてFe23 換算で5〜50重量%にあ
たる量含有し、かつ二価の鉄の含有量が1重量%以上で
あるガラス質材料や、(ハ)(ロ)のガラス質材料であ
って、更にリンをP2 5 換算で1〜30重量%含有す
るもの、(ニ)(ロ)または(ハ)のガラス質材料であ
って、更にマンガンをMnO換算で0.1〜5重量%含
有するもの、(ホ)ケイ素、ホウ素、二価の鉄、三価の
鉄、ナトリウム、およびカリウムの各成分をそれぞれ、
SiO2 換算で20〜50重量%、B2 3 換算で40
〜60重量%、FeO換算で1〜10重量%、Fe2
3 換算で1〜10重量%、Na2 O換算で0〜10重量
%、K2 O換算で0〜15重量%、ただし、Na2 Oと
2 Oの合計量は5〜20重量%に相当する量含有する
ガラス質材料などが好適であり、一般のガラス(瓶ガラ
スなど)はケイ素の溶出速度が大きくないので不適であ
る。
【0016】なお、この珪藻類の増殖材は、所望により
多孔質とすることができる。すなわち、多孔質ガラスで
増殖材を構成することによって、増殖材と海水との接触
面積が増大するため、増殖材中の構成元素成分の溶出が
促進される。また、増殖材のケイ素の溶出量及び溶出速
度は、ケイ素の含有率若しくは増殖材の粒径を変えるこ
とによって調節する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の好適な実施例を示した図であ
り、図2は、増殖材を装填したネット状袋の一部切欠図
である。
【0018】図1において、1は浮体の例であり、本実
施例においては、直径約30cm程度の球形のものとな
っている。2は珪藻類の増殖材を充填したネット状の袋
であり、浮体1からロープ3によって吊り下げられてい
る。各浮体は、所定間隔をもってそれぞれがロープ4に
よって連結され、端部に位置する浮体は、当初の設置海
域から外れないよう、海底に固定した碇5等にそれぞれ
係留されている。なお、浮体1を設置する場所、間隔等
は、赤潮の種類、性質、及び予測される規模等を考慮し
て決定する。設置時期については、珪藻類のプランクト
ンブルームの季節である春から、鞭毛藻類による赤潮が
発生する可能性のある秋までが良い。
【0019】図2において、ネット状の袋2には、粒径
1〜2cmに形成された増殖材6が充填されている。ネ
ット状の袋2の網目は、増殖材6がこぼれ落ちないよ
う、増殖材6の粒径よりも細かく形成されている。
【0020】次に本発明に用いられる珪藻類の増殖材A
〜Cの化学組成及び瓶ガラスの化学組成の例を第1表に
示す。なお、表中の数字は各成分の含有量(重量%)で
ある。また、Fe2 3 の80%はFeO(二価の鉄)
の状態で含有されている。
【0021】
【表1】
【0022】上記第1表に示した化学組成の増殖材A〜
C及び瓶ガラスのそれぞれについて、次のようなケイ素
の溶出実験を行った。水温20℃の海水に各増殖材を1
0g/Lづつ添加し、ケイ素の溶出量を経時的に測定し
た。その結果を第2表に示す。なお、表中の数字は、ケ
イ素の溶出量(ppm)である。
【0023】
【表2】
【0024】上記の結果より、この増殖材A〜Cは、継
続的にケイ素を海水中に溶出することがわかる。また、
珪藻類を増殖させるために十分な量のケイ素の供給が可
能であることが確認された。一方、瓶ガラスより溶出す
るケイ素は極めて微量であり、珪藻類を増殖させるには
不十分であることが確認された。
【0025】次に本発明に用いられる珪藻類の増殖材D
〜Jの化学組成の例を第3表に示す。なお、表中の数字
は各成分の含有量(重量%)である。
【0026】
【表3】
【0027】上記第3表に示した化学組成の増殖材D〜
Jのそれぞれについて、次のようなケイ素の溶出実験を
行った。水温15℃の海水に各増殖材を5g/Lづつ添
加し、ケイ素の溶出量を経時的に測定した。その結果を
第4表に示す。なお、表中の数字は、ケイ素の溶出量
(ppm)、かっこ内の数字は、水素イオン指数(p
H)である。
【0028】
【表4】
【0029】上記の結果より、この増殖材D〜Jも、継
続的にケイ素を海水中に溶出することがわかり、また、
珪藻類を増殖させるために十分な量のケイ素の供給が可
能であることが確認された。
【0030】
【発明の効果】本発明は、鞭毛藻類が発生すると予測さ
れる海域の海面または海中に浮体を設置し、ケイ素の溶
出速度の大きい珪藻類の増殖材を前記浮体に装着し、こ
の増殖材が海水に浸され、ガラス質成分が徐々に溶けて
いくことによって、海水中にケイ素を継続的、安定的に
供給できるという効果がある。そして、このようにして
ケイ素を供給することにより、継続的に珪藻類の増殖を
促進することができる。
【0031】特に、珪藻類の大増殖が始まる春先に前記
浮体及び増殖材を設置することにより、大増殖後におけ
るケイ素の枯渇によって珪藻類の活性が低下し、珪藻類
が海底へ沈降してしまうことを回避することができる。
そして、前記増殖材によって引き続き秋まで継続的にケ
イ素を海水中に供給し続けることによって、鞭毛藻類に
よる赤潮が発生し得る秋までの間、珪藻類の増殖を促進
し、設置海域における珪藻類の密度を一定量以上に維持
することができる。
【0032】前述のように、春から秋にかけて鞭毛藻類
の競争的強者である珪藻類の増殖を継続的に促進できる
ので、常に珪藻類が鞭毛藻類を卓越し、珪藻類が優占種
となる状態を維持することができる。このため、鞭毛藻
類の異常増殖による有害な赤潮の発生を未然に防止する
ことができる。また、継続的に珪藻類の増殖を図ること
によって、表層水の富栄養化を防止することができる。
すなわち、ケイ素が海水中に継続的に供給されることに
よって、海水中に不足しがちであったケイ素が補われ、
珪藻類の増殖に供される。珪藻類は増殖に際し、ケイ素
のほか当然に窒素、リンなどの栄養塩をも摂取、消費す
るため、一時的に窒素、リンなどの栄養塩が過剰に供給
されても、それらは珪藻類の増殖に供されることにな
り、栄養塩濃度は速やかに元のレベルに戻されることが
期待できる。このように、表層水の富栄養化が防止され
ることによって、鞭毛藻類の増殖による有害赤潮の発生
を回避することができる。
【0033】更に本発明は、前述したように、一般にケ
イ素が不足しがちな海水中にケイ素を安定的、継続的に
供給することにより、珪藻類の継続的な増殖を図ること
ができるという効果が得られるものであるが、ここで、
珪藻類は海中生物の第一次生産者であるから、珪藻類の
増殖が促進されると、これを餌料とする動物プランクト
ンが増え、さらにこれを補食する魚介類が増えるとい
う、食物連鎖による魚類等の活性の向上をも期待でき
る。このため、本発明は生産性の高い良好な漁場形成に
も資することができる。
【0034】また、以上説明したような効果を簡易な手
段により実現できるので、経済的である。
【0035】なお、本発明に用いられる増殖材は、すべ
て海水中に含まれる成分から構成されているため、本発
明の実施によって含有成分を海水中に溶出させても、生
態系などの自然環境に悪影響を与える心配はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施例を示した図である。
【図2】 本発明に用いられる増殖材6を装填したネッ
ト状袋の一部切欠図である。
【符号の説明】
1:浮体 2:ネット状の袋 3、4:ロープ 5:碇 6:増殖材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 綿貫 啓 茨城県土浦市東中貫町2−7 株式会社 テトラ 応用水理研究所内 (72)発明者 北尾 修二 神奈川県横浜市瀬谷区下瀬谷2−47−4 (72)発明者 堀川 桂子 神奈川県藤沢市鵠沼藤ヶ谷4−17−14 (56)参考文献 特開 平6−335330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 61/00 C02F 3/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海面または海中に浮体を設置し、ケイ素
    を含有したガラス質材料であって、ケイ素の溶出速度の
    大きいガラス質材料からなる珪藻類の増殖材を前記浮体
    に装着することによって海水に浸し、ケイ素を溶出させ
    て周囲の海水中に供給し、前記ケイ素の供給により珪藻
    類の増殖を促進させて、周囲の海水中の栄養塩濃度を低
    下させることにより、鞭毛藻類の増殖を抑制する有害赤
    潮の予防方法。
  2. 【請求項2】ケイ素およびナトリウムを、それぞれSi
    換算で45〜75重量%、NaO換算で25〜5
    5重量%に相当する量含有するガラス質材料からなる
    有害赤潮の予防に用いる珪藻類増殖材。
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