JP3115283U - リハビリ支援おむつ交換補助具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脚部2に立設した固定支柱3に、シリンダ装置4を介して昇降自在に設けられた昇降支柱5と、昇降支柱5の上部位置に支持された支持アーム6と、支持アーム6に外嵌された脚保持部8と、脚保持部8の長軸の端部側に上向き凸状の落下止め9を有し、更に、仰臥位、又は半座位(半仰臥位)等で脚保持部8に膝裏を載置し上昇された下肢が行う歩行に類似した屈伸動作を活かすリハビリ支援おむつ交換補助具1である。
【選択図】図1
Description
看護や介護がらみの悲劇が繰り返される昨今、おむつ交換を容易にする補助具が、切実に必要とされている。
また、歩行補助具を使っても歩けず、寝たきり状態であっても、暑くて布団を蹴飛ばすなど、脚を動かすことができる患者もいるが、残された脚力を活かす機会は、殆ど無いに等しい現実がある。
しかしながら、そのような器具を床ずれ防止エアマットの上に置いて使用した場合は、不安定であると同時に、器具の形状と重圧が、高価な床ずれ防止エアマットの弾性素材や空気弁等の寿命を短くするという問題が伴いがちであった。
しかし、ベッドの上からロープ類を吊すことは、それが患者に与える心理的な影響を懸念せざるをえない場合もあり、また、器具の取り付けを前提として補強されたベッドではないために、ベッドの強度や形状によっては、取り付けに適さないという問題もあった。
とりわけ、介護ベッドの場合は、レンタルが多く、各パーツは軽量化されており、器具取り付けの痕跡を、いささかでも残すのは、はばかられる状況がある。
ベッドの手すりを4つとも外さずにおむつ交換することの難しさもあり、また、不使用時に脇へ置いておく際の安定性の問題もあった。
すなわち、まず、ベッド面を高く上昇させた状態におき、仰臥した患者の横から、該患者の膝裏と寝具上面の間に脚保持部を水平方向に挿入して膝裏を載置し、そのままベッド面を下降させることによって足と臀部を浮かせる方法である。
しかしながら、介護ベッドを使用する通常のおむつ交換は、介護者の腰痛姿勢を防ぐためにベッド面を最高位付近まで上昇させて行われるので、逆にベッド面を下降させる方法では、介護者によっては、自然な姿勢を取れないという問題があった。
回復や社会復帰の見込みがない患者は、リハビリの対象外とされ、薬漬け以外にないという問題も見られた。
すなわち、本考案のリハビリ支援おむつ交換補助具は、脚部と、該脚部に立設した固定支柱と、該固定支柱に、シリンダ装置を介して昇降自在に設けられた昇降支柱と、該昇降支柱の上部位置に片持ち状態で支持されて実質的に水平方向へ延びた支持アームと、該支持アームに外嵌され患者等の膝の裏側に接する脚保持部と、該脚保持部の長軸の少なくとも一方の端部側に一体形成、又は別形成されて上向きに突出した凸状をなす落下止めとを具備し、前記脚保持部は、仰臥位にある患者等の屈曲した膝(立て膝)の裏と寝具上面との間に、該寝具の側面から挿入配置されて、前記支持アーム及び前記昇降支柱を介して上昇されることによって、前記患者等の下肢を屈曲状態に支持したまま前記患者等の臀部を前記寝具上面から浮上させることができるとともに、前記下肢の落下を前記落下止めの凸状の形状が防止するようにしたことを特徴とする、リハビリ支援おむつ交換補助具に係るものである。
さらに、歩くことはできるが足腰が痛い等の理由を抱える人達にとっても、体重の負荷をぐんと軽くした状態で足振り運動や足踏み運動、下肢挙上の姿勢等が可能な、健康器具として役立つことができる。
図1(斜視図)に示されたリハビリ支援おむつ交換補助具1は、概略構成として、脚部2と、脚部2に立設した固定支柱3と、固定支柱3に、シリンダ装置4を介して昇降自在に設けられた昇降支柱5と、昇降支柱5の上部位置に片持ち状態で支持され実質的に水平方向へ延びた支持アーム6と、支持アーム6に外嵌された脚保持部8と、脚保持部の長軸の端部側に設けられた上方に凸状の落下止め9とを有するものである
しかし、脚部の形状や車輪の数は、他の構成も可能であり、その際、安定性を旨とする。
脚部2は、低床ベッドの下の低い空間にも挿入可能にするため、車輪保持部2b、2cの、車輪取り付け個所を上下に薄くしたりして、車輪接地部から脚部上面までの高さを低く抑えることも可能である。
前記車輪保持部2cの中央上面に、固定支柱3を立設する。
昇降支柱5は、固定支柱3と円柱面で接してスライドすると、長軸に沿って回転が可能なので、安定性上、回転を生じない略角筒状、平面略楕円状の円筒、または、それらを組み合わせた形状で接し合うと良い。
前記昇降支柱5を昇降駆動するシリンダ装置4は、支柱内に配設することができ、駆動力として、ガス圧、油圧、バネ圧等を単独または組み合わせて利用でき、その一つとしてガス圧と油圧を用いたガスシリンダも知られている。
なお、シリンダ装置4に塵埃が入り込まぬよう、そして、安全上、固定支柱3から昇降支柱5にかけてカバーで被うのが好ましい(図では省略)。
昇降調節装置としては、手を用いずに操作可能なフットペダル13が、介護者にとって最も便利だが、おむつ交換補助具でなく、健康器具としてのみ用いるなどの用途や対象によっては、ハンドレバーのように手で操作する昇降調節装置とすることも可能である。
前記昇降支柱5の上部位置に支持された支持アーム6は、昇降支柱5の上端または、その上方から実質的に水平方向へ延び、昇降支柱5とともに昇降する。
また、支持アーム6は、安定性と安全性のため、昇降支柱との間で回動や振動を生じないことが望ましい。
しかし、歩行類似動作による振動を拡大して歩数計7のセンサが感知しやすいようにする目的の範囲内で、わずかに回動や振動を可能にする取り付けとすることも可能である。
前記支持アーム6に外嵌された脚保持部8は、素肌で載置された脚が痛くないように、そして冷たくないように、ポリウレタン系などの、緩衝材で形成されるのが良い。
ゴム系の緩衝剤は丈夫だが、冬でなく秋口でさえ素肌に冷感を与え続け、患者が嫌がって動くので、毛糸で厚く編んだカバーが緩衝材に必要となるほどである。
また、脚保持部8は、下方に孤状の凹部を1対備えて、患者の両膝や股間が密着しにくい距離を保つ形状をなし、股間の清拭を容易にするが、変形例を、実施例の項で説明する。
脚保持部8の長軸の少なくとも一方の端部側には、一体形成、もしくは別形成され上向きに突出した凸状をなす落下止め9を有す。
落下止め9は、支持アーム先端部10に近接した側のみに設けることもできるが、脚保持部8の長軸の両端部側に設けるのが、安全上望ましい。
落下止め9は、上向きに突出した凸状であって、脚保持部8に載置された下肢の落下を、通常の使用法において防止する設置位置と形状と強度を備えることが、請求項1の要件を満たすものである。
支持アーム先端部10は、もし体に当たっても、その力を緩和するように、周囲を緩衝材で被う。
また、歩数計7は、歩数以外に、運動所要時間、歩行距離などを表示してもよい。
歩数計7には、歩行類似動作の運動量を歩行距離として表示するための歩幅の設定や、センサ感度の選択などの設定機能を設けることもできる。
さらに、リハビリ支援おむつ交換補助具を患者の左右どちらから配置しても、歩数計7の文字表示面は、患者の顔の側に向けることができ、そのために、歩数計7は上下の縦軸を中心に180度回旋可能に設けてもよい。
車輪11の移動を制止するストッパ12は、車輪の回転固定と旋回固定を同時に行うストッパが一般に知られている。
ストッパ12は、車輪11に設置されたものであるが、脚部2に設置するストッパも知られている。
介護者は、おむつ交換ができるように患者15の着衣の一部を開けておき、支持アーム先端部10が、仰臥する患者の膝の横付近にくるように、リハビリ支援おむつ交換補助具1をベッドの横に配置する。
次に、患者の膝裏に手を差し入れて、その膝を屈曲(立て膝)させ、支持アーム6を患者の膝裏と寝具上面14との間の空間に挿入し、前記膝裏に脚保持部8を配置する。
その際に、支持アーム6を容易に挿入できるよう、患者の下腿を手で少し持ち上げても良い。なお、支持アーム6を寝具上面14に沿って寝具の幅方向へ挿入すると同時に、脚部2はベッドの下に、同方向へ挿入されて行く。
次に、片足でフットペダル13を踏んで昇降支柱5を上昇させ、患者15の臀部が寝具上面14からやや浮上した位置で止める。浮上した臀部の下に介護者が手を差し入れて拭きやすい空間があれば良い。
なお、フットペダル13を踏む時には、上昇力の補助と安全性のために、手で患者15の下腿を保持し、患者15の不意の動きに備えつつ踏むのがよい。
次に、支柱側の車輪2個の各ストッパ12をかけてから、ベッドの反対側に行き、患者15のおむつを外し、臀部や股間を清め、おむつ交換をする。
ベッドの横の、おむつ交換する位置に関しては、本考案の器具配置の反対側が、おむつ交換しやすいが、器具配置の側で行うこともできる。
なお、患者の臀部を寝具上面から浮上させることにより、おむつかぶれや、床ずれ、痔などを早く発見し早く対処するというメリットもある。
寝たきりの老人は、排便する力が衰え、便秘しやすいが、下肢を屈曲・挙上した姿勢をとることによって、排便を促し、残っている便を出させる効果が見られる。
おむつ交換後、ベッドの反対側に戻り、患者15の下腿を手で保持し、下降力の補助と安定性を保ちつつ、片足でフットペダル13を踏んで患者15の臀部を寝具上面14に降ろす。
支持アーム6を更に下げてフットペダル13から足を離し、次に各ストッパ12を解除して、本考案の器具を当初の位置に戻し、患者15の着衣を整える。
歩行類似動作は、大便処理の直後でなく、小便処理の後などが良く、換気状態に注意して行われる。
歩行類似動作をする時の患者の姿勢は、上記おむつ交換の時と少し異なり、患者15の臀部が、寝具上面14から浮上せず寝具上面14に置かれた状態である。
また、仰臥位に限らず、介護ベッドで患者の上半身を起こしかけた半座位(半仰臥位)でも下記のように行うことができる。半座位は、仰臥位から上半身が45度起きた姿勢を指すこともあるが、約45度前後を含めて、背後で体重が支えられた楽な姿勢で良い。
患者15は、脚保持部8に載置した下肢が、上昇され屈曲状態で支持された状態にて、膝を中心に下腿を前後に振る屈伸運動を、左右交互に行い、その歩行類似動作により、筋肉ポンプが血液やリンパ液の循環を促進し、脚のむくみを予防する。
下肢の動きは、小さな反復動作であっても良く、介助の手を借りた他動運動でも良い。
また、足踏み動作のように、左右交互に膝を胸の方に引き寄せることも応用動作として可能であり、水中歩行動作のように、下肢の様々な動きを行うこともできる。
寝たきりになって、坂道を転げ落ちるように体力・気力が失せて行く前に、まず、足元からの見直しと、身近な一歩からの改善手段が大切である。
患者と介護者が、簡単にあきらめ、見切りをつけてしまうことのないように。
この構成は、患者がベッドを使用していない場合に適するものであり、固定支柱3aと昇降支柱5aは、ベッド用より低い全高で済む。
脚部2aを着脱と交換可能にし、布団用とベッド用を兼用した構成とすることも可能であるが、布団用には、図5〜図7のような布団専用の器具が、取り扱い易い。
略円柱状の脚保持部8bの両端部側に、上向きに突出した凸状をなす落下止め9bを設けたものであり、下方に孤状の凹部を持つ脚保持部8よりも、形成が容易な形状である。
また、図8のように支持アーム6bの先端部まで落下止め9bで被うこともでき、それにより、脚保持部の長軸が長くなり、下肢の運動範囲が側方に広くなる。
なお、図8のように脚保持部8bの表面に半円球状等の突起を複数設けることもでき、脚が滑ることを防止するとともに、指圧効果を目的とするものである。
脚保持部8cと落下止め9cは、一体形成でなく、別個に形成することも可能な一つの例である。
支持アーム6の変形例である支持アーム6dに、下方に孤状の凹部を設け、脚保持部8dを外嵌した構成である。支持アーム上面の弯曲に並行して、支持アーム下面も湾曲させることも可能である。
また、病院や介護施設等の備品として、介護者の身体的負担を軽減するとともに、丁寧な清拭を容易にし、患者の排泄に伴う衛生状態の改善に貢献できる。
また、歩行類似動作に伴うメリットを活かし、心身の状態を改善する健康器具としても活用できる。
よって、従来の簡便なシリンダ装置、歩数計測装置、キャスタ、ストッパ等の優秀な物品の形状、構造又は新たな組み合わせにおいて、身近な実用性への活路を、新たにもたらすことができる。
2, 2a 脚部
2b, 2c 車輪保持部
2d 胴部
3, 3a 固定支柱
4 シリンダ装置
5, 5a 昇降支柱
6, 6b, 6c, 6d 支持アーム
7 歩数計
8, 8b, 8c, 8d 脚保持部
9, 9b, 9c, 9d 落下止め
10 支持アーム先端部
11 車輪
12 ストッパ
13 フットペダル
14 寝具上面
15 患者
Claims (3)
- 脚部と、該脚部に立設した固定支柱と、該固定支柱に、シリンダ装置を介して昇降自在に設けられた昇降支柱と、該昇降支柱の上部位置に片持ち状態で支持されて実質的に水平方向へ延びた支持アームと、該支持アームに外嵌され患者等の膝の裏側に接する脚保持部と、該脚保持部の長軸の少なくとも一方の端部側に一体形成、又は別形成されて上向きに突出した凸状をなす落下止めとを具備し、前記脚保持部は、仰臥位にある患者等の屈曲した膝(立て膝)の裏と寝具上面との間に、該寝具の側面から挿入配置されて、前記支持アーム及び前記昇降支柱を介して上昇されることによって、前記患者等の下肢を屈曲状態に支持したまま前記患者等の臀部を前記寝具上面から浮上させることができるとともに、前記下肢の落下を前記落下止めの凸状の形状が防止するようにしたことを特徴とする、リハビリ支援おむつ交換補助具。
- 仰臥位、又は半座位(半仰臥位)にある患者等において、前記脚保持部に屈曲状態で載置され上昇された下肢が、空中で保持され屈伸運動を反復した時、該屈伸運動を歩行動作とみなして歩数を表示するための歩数計を備えたことを特徴とする、請求項1記載のリハビリ支援おむつ交換補助具。
- 前記脚部に、移動するための車輪を有することを特徴とする、請求項1、または2記載のリハビリ支援おむつ交換補助具。
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JP2005005859U JP3115283U (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | リハビリ支援おむつ交換補助具 |
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JP2014018207A (ja) * | 2012-07-12 | 2014-02-03 | Masatoshi Matsuyama | おむつ交換支援器具 |
JP2020081827A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 阿部 薫 | おむつ交換具 |
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2005
- 2005-07-25 JP JP2005005859U patent/JP3115283U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2020081827A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 阿部 薫 | おむつ交換具 |
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