JP3115154U - 多焦点レンズ用眼鏡フレームおよび多焦点眼鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】多焦点レンズ、特に三重焦点レンズや累進多焦点レンズの使用者が、該レンズ上の各焦点位置に対し、容易に視線を合わせることが可能であって、かつ装着時に、従来品に見られる眼鏡パッド自体の縦方向のブレがない多焦点レンズ用眼鏡フレームを提供する。
【解決手段】左右一対のレンズ枠2a,2bと、挿入孔30を設けられた左右一対の眼鏡パッド3a,3bと、前記一対のレンズ枠2a,2bの各内側に基端を固定され、先端を前記挿入孔30になめらかに挿入され、かつ該先端に三箇所の休止溝83が設けられた左右一対のクリングス4a,4bと、前記休止溝83と係合し、三段の挿入位置にて眼鏡パッド3a,3bに固定させる突起部81を有する弾性部材80と、クリングス4a,4bが挿入孔30より脱離することを防止するストッパー部材7とを備える多焦点レンズ用眼鏡フレーム1。
【選択図】 図1

Description

本考案は、1枚のレンズに複数の焦点を持ち遠方視と近方視の両方を可能にする多焦点レンズ用の眼鏡フレームに関する。
一枚のレンズに複数の焦点を有し、遠方視と近方視の両方を可能にする多焦点レンズ、およびこれを用いた多焦点レンズ用眼鏡が、一般にそれぞれ「遠近両用レンズ」、「遠近両用眼鏡」と呼ばれ広く用いられている。多焦点レンズは、焦点ごとにレンズの曲率を変化させ、眼鏡の使用者が視線を移動することによって遠方または近方それぞれに対応する屈折力の視野を得ることができる。多焦点レンズには一般に、
(A)中央から上部にかけて遠用部、その下部に近用部を持つ二重焦点レンズ
(B)中央から上部にかけて遠用部、下部に近用部、これらの間に中間的な曲率の中間部を持つ三重焦点レンズ
(C)中央から上部にかけて遠用部、下部に近用部を持ち、これらの間の曲率が徐々に変化する累進多焦点レンズ
の三種類がある。
いずれの多焦点レンズの場合も、眼鏡使用者が適切にピント合わせの機能を得るためには、レンズの遠用部では遠方視、レンズの近用部では近方視と、所定の距離にある対象物を、対応する焦点位置で捉える必要がある。視線がこれを外れた場合は、年齢や個人差に基づく目の焦点調整力の強弱に応じて像がぼやけることとなる。特に累進多焦点レンズの場合、各焦点の境目が肉眼では判別できないことから、例えば近方視をしたい場合にレンズのどの位置で対象物を捉えればよいかが眼鏡の使用者により瞬時に判断できない場合がある。
そこで、眼鏡パッド(鼻当て)を眼鏡フレームに対して昇降可能とし、昇降の両端位置において眼鏡使用者の視線が所定の焦点位置を捉えることのできる眼鏡フレームの発明が従来からなされている。上記のように、多焦点レンズには、一般に上部に遠用部、下部に近用部が設けられている。一方、眼鏡パッドを眼鏡フレームに対して上昇(下降)させた場合、眼鏡使用者の鼻側面と眼鏡パッドとを接触させて眼鏡を装着した状態において、眼鏡フレームおよびレンズは全体に使用者に対して下降(上昇)することとなる。したがって、眼鏡パッドを眼鏡フレームに対して持ち上げた状態で眼鏡を装着すると、使用者の正面視方向にはレンズ上部の遠用部が正対し、逆に眼鏡パッドを下げた状態で眼鏡を装着すると、使用者の正面視方向にはレンズ下部の近用部が正対することとなる。また、かかる眼鏡パッドの昇降は、使用者が遠方視または近方視を切り換えたいと思った場合に、眼鏡を外し、手動で必要に応じて行うものである。以上より、眼鏡パッドを眼鏡フレームに対して昇降移動させ、上端または下端に眼鏡パッドを固定することで、正面を向くだけで遠方視または近方視を容易に行うことが可能となる。
具体的には、例えば下記特許文献1には、眼鏡フレームから伸びるクリングス21の先端に、棒状のガイド12とばね20を備えた取付片16を介して、鼻当て10が連結した多焦点用眼鏡枠用鼻当て部材に関する発明が記載されている。該鼻当て部材においては、ばね20を伸張または収縮させた両状態がそれぞれ近方視と遠方視に対応している。
また下記特許文献2には、眼鏡枠1から伸びるクリングス2の先端に小さな磁石4を保持する取付座3が、鼻当て6の内部を摺動可能に設けられた多焦点用眼鏡枠に関する発明が記載されている。また鼻当て6の内部上下端位置には、対向する一対の磁石10,11が設けられており、取付座3の磁石4を上下端いずれかの位置に固定可能となっている。
特開平7−294857号公報 特開2005−84664号公報
眼鏡パッドが眼鏡フレームに対して昇降動作する多焦点レンズ用眼鏡フレームにおいては、該昇降の上下両端位置において眼鏡パッドが十分な強さで保持および固定され、眼鏡使用者の遠方視または近方視の視線が所定の焦点位置からブレないことが求められる。すなわち、昇降可能な眼鏡パッドは、所定の保持位置においては上下方向の移動や縦回転が少ないことが好ましい。一方、眼鏡パッドを使用者の鼻側面に柔軟にフィットさせて眼鏡フレームを装着可能とする観点からは、眼鏡パッドは左右方向の移動や横回転については多少の動きが必要である。
また、多焦点レンズのうち、より機能性の高い三重焦点レンズや累進多焦点レンズに対応するためには、レンズの遠用部、近用部、および中間部のそれぞれに対応する位置に眼鏡使用者の視線を固定する必要があることから、昇降可能な眼鏡パッドを眼鏡フレームに対して少なくとも三段の高さ位置で保持および固定できることが必要がある。
これに対し、特許文献1記載の発明においては、特に近方視の場合、眼鏡パッドの上下方向のブレが大きく、また三重焦点レンズにも対応できないという問題点がある。すなわち、取付座22の穴23を中心とする、鼻当て10のクリングス21に対する縦回転によるブレのほか、段部13とくぼみ17の係止が解かれた近方視状態では、ばね20が自然長に回復しているため、その収縮変形による鼻当て10の上下方向のブレが生じやすい。また、鼻当て10の採り得る高さ位置が、ばね20の伸張状態および収縮状態の2パターンしか存在しないため、遠用部と近用部のほかに中間部の焦点を有する三重焦点レンズや累進多焦点レンズに対しては、すべての焦点位置に使用者の視線を固定させることができないという問題がある。
なお、本考案において、眼鏡パッドの上下方向とはクリングスに対する眼鏡パッドの昇降方向を意味し、空間内の鉛直上下方向とは異なる場合がある。また、眼鏡パッドの縦回転とは、眼鏡パッドの頭上げまたは頭下げ方向(ピッチ方向)の回転を意味する。眼鏡を装着する際に眼鏡パッドのかかる縦回転が生じることは、眼鏡使用者に装着性の点で不安感を与える。また、眼鏡パッドが眼鏡使用者の鼻側面に接触した状態でかかる縦回転が生じると、眼鏡フレームおよびレンズが使用者の視線方向に対して頭上げまたは頭下げを生じ、視線が所定の焦点およびその近傍から縦方向に外れる原因となる。
特許文献2記載の発明についても同様の課題を有するものである。鼻当て(眼鏡パッド)6のクリングス2に対するブレに関しては、取付座3に設けられた軸穴周りの縦回転によってブレが発生することに加え、取付座3が磁石によりガイドの上下端に保持される方式ゆえ、上下端の保持位置においても眼鏡パッドの縦回転を十分に押えることはできない。眼鏡パッドとクリングスの間には、縦回転を拘束する部材が存在しないためである。また三重焦点レンズおよび累進多焦点レンズへの対応についても、磁力による保持位置が鼻当て(眼鏡パッド)6の上下両端のみに限られることから、中間部の焦点に対応してレンズの角度を固定することができないという問題点がある。
そこで上記課題を解決するため本考案者は鋭意検討の末、クリングスと眼鏡パッドとを回転軸により軸結合する従来の連結方式を改め、眼鏡パッドに設けた上下方向の穿孔に対してクリングスの先端を直接挿入することで眼鏡パッドの縦方向のブレを減らし、さらにこれをスライドさせつつ多段階位置で固定可能とすることで三重焦点レンズを含むあらゆる多焦点レンズについて、各焦点位置にレンズの正面視方向を固定することができるという知見に想到し、かかる知見に基づき本考案の完成に到った。
以上述べたように、本考案は、多焦点レンズ、特に三重焦点レンズや累進多焦点レンズの使用者が、該レンズ上の各焦点位置に容易に視線を合わせ、シャープな視野を得ることが可能であり、かつ装着時に縦方向のブレが小さい多焦点レンズ用眼鏡フレーム、および多焦点眼鏡を提供することを目的とするものである。
本考案は、
(1)左右一対のレンズ枠と、
挿入孔を設けてなる左右一対の眼鏡パッドと、
前記一対のレンズ枠の各内側に基端を固定され、先端を前記眼鏡パッドの挿入孔に摺動自在に挿入される左右一対のクリングスと、
前記クリングスの先端を、複数段の挿入位置にて眼鏡パッドに固定させる固定部材と、
クリングスが挿入孔より脱離することを防止するストッパー部材と
を備える多焦点レンズ用眼鏡フレーム、
(2)複数段が三段である上記(1)記載の多焦点レンズ用眼鏡フレーム、
(3)固定部材が、
眼鏡パッドの内部に設けられた、突起部を有する弾性部材であって、かつ、
クリングスの先端に、該突起部と係合する三箇所の休止溝が設けられてなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の多焦点レンズ用眼鏡フレーム、
(4)眼鏡パッドがクリングスに対し着脱自在に設けられていることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載の多焦点レンズ用眼鏡フレーム、
(5)左右一対の多焦点レンズと、
挿入孔を設けてなる左右一対の眼鏡パッドと、
前記一対の多焦点レンズの各内側に基端を固定され、先端を前記眼鏡パッドの挿入孔に摺動自在に挿入される一対のクリングスと、
前記クリングスの先端を、複数段の挿入位置にて眼鏡パッドに固定させる固定部材と、
クリングスが挿入孔より脱離することを防止するストッパー部材と
を備える多焦点眼鏡、
を要旨とする。
本考案にかかる多焦点レンズ用眼鏡フレームによれば、眼鏡フレームに基端を固定されたクリングスの先端を眼鏡パッドに摺動自在に挿入することにより、眼鏡パッドを眼鏡フレームに対して昇降可能としている。これにより、眼鏡パッドの高さ位置を変えることで、一般に多焦点用レンズの上下方向に分離して設けられている遠用部から近用部の各焦点位置に対して眼鏡使用者の視線を固定することができる。
また、クリングスと眼鏡パッドとを回転軸により連結していた従来の方式を改め、クリングスの先端を眼鏡パッドの挿入孔に摺動自在に挿入して両者を連結する方式を採ったことにより、本発明の眼鏡を初めて使用する者が眼鏡パッドを昇降スライドさせる際にも、力加減に不安なくこれを行うことができる。上記回転軸まわりのがたつきに起因する眼鏡パッドの縦回転のブレを排除し、眼鏡使用者の視線を、レンズの所定の焦点またはその近傍から容易にずれないようにしている。
さらに、クリングスの先端には係止手段が設けられており、眼鏡パッドの挿入孔に対するクリングスの挿入深さを、複数段の係止位置にて調整可能としている。また、クリングスが挿入孔に対して自在にスライドする方式であるため、かかる係止位置とその段数も任意に設けることができる。これにより、本考案の眼鏡フレームは、3つ以上の焦点を有する三重焦点レンズおよび累進多焦点レンズを嵌め込んだ多焦点眼鏡として使用する場合でも、中間部を含む各焦点位置を眼鏡使用者の正面視方向にそれぞれ正対させることが可能となる。
以下、本考案の実施の形態について図面を用いて具体的に説明する。ただし本考案は、例えばクリングスや眼鏡パッドの形状や眼鏡フレームに対する取付角度、ストッパー部材の形状や配置、レンズ枠の有無などにつき、以下の実施の形態に限られるものではない。図1は、本考案の実施の形態にかかる多焦点レンズ用眼鏡フレームの遠方視(常用)状態を示す正面図である。図2は同じく近方視状態の正面図である。1は多焦点レンズ用眼鏡フレーム(以下、「眼鏡フレーム」と略記する場合がある。)、2a,2bはレンズ枠、3a,3bは眼鏡パッド、4a,4bはクリングスを示す。なお、クリングス4a,4bは、眼鏡パッド3a,3bを眼鏡フレーム1に支持するための部材である。また、レンズ枠2a,2bに多焦点用レンズ5a,5bを嵌め込むことで、本考案にかかる多焦点眼鏡が得られる。
本考案の眼鏡フレーム1は、クリングス4a,4bに眼鏡パッド3a,3bがそれぞれ昇降自在に連結しており、眼鏡フレーム1に対して眼鏡パッド3a,3bの高さを変えられることを特徴とする。近方視状態と遠方視状態の違いは、眼鏡パッド3a,3bがクリングス4a,4bの上方位置にある(図1)か、または下方位置にある(図2)かによる。
図1,2に示すように、クリングス4a,4bおよび眼鏡パッド3a,3bは、全体として、眼鏡使用者の鼻骨の形状に沿った末広がりの八の字形状を為すように配置され、眼鏡パッド3a,3bが鼻側面にフィットしやすい角度を有してクリングス4a,4bに保持されている。図1の遠方視(常用)状態の場合、眼鏡パッド3a,3bは眼鏡フレーム1に対して最も高い位置に引き上げられ、見かけ上のクリングス4a,4bの長さは短くなっている。よって、眼鏡使用者が眼鏡パッド3a,3bを鼻側面に接触させて本考案の多焦点眼鏡を顔に装着した場合、レンズ5a,5bは顔に対して最も低く位置することとなる。一方、一般に多焦点用レンズ5a,5bは、上部に遠用部、下部に近用部を備えることから、図1のように眼鏡フレーム1およびレンズ5a,5bが全体に引き下げられた結果、眼鏡使用者は、その正面視方向にレンズ上方の遠用部を捉え、遠方視を好適に行うことができるようになる。
一方、図2に示すように、クリングス4a,4bに沿って眼鏡パッド3a,3bがそれぞれ矢印の方向に引き下げられると、クリングス4a,4bの見かけ上の長さは長くなる。よって、眼鏡使用者が眼鏡パッド3a,3bを鼻側面に接触させて眼鏡を装着した場合、レンズ5a,5bは顔に対して最も高く位置することとなる。したがって、眼鏡使用者の正面視方向にはレンズ下方の近用部が位置し、近方視が好適に行われることとなる。
以上より、本考案にかかる多焦点眼鏡の使用者が遠方視または近方視を行う場合、眼鏡パッド3a,3bをクリングス4a,4bに対して昇降させることで、正面視方向をレンズ5の所定の焦点位置に固定することができる。
眼鏡フレーム1は、レンズ枠2a,2b、眼鏡パッド3a,3b、クリングス4a,4bのほか、一般にテンプル(ツル)、智(ヨロイ)および蝶番からなる。
レンズ枠2a,2bは、いわゆるリムと呼ばれ、レンズ5a,5bの全周またはその一部を保持する部材である。図1および図2ではレンズ5a,5bの全周にレンズ枠2a,2bを設けたものを例示している。
眼鏡パッド3a,3bは、一般に縦長楕円形の樹脂材からなるが、本考案の眼鏡フレーム1および多焦点眼鏡においては、その形状や材質は特に限定されない。本考案においては、眼鏡パッド3a,3bには縦方向に挿入孔が設けられていることが特徴である。
クリングス4a,4bは、一般に金属の線材からなり、先端を眼鏡パッド3a,3bの挿入孔に昇降自在に挿入可能である限りその形状や材質は特に限定されないが、中央部分より先端をカマボコ状とすることで、クリングス4a,4bが上記挿入孔に挿入された状態で、眼鏡パッド3a,3bの微妙な横回転の動作を得ることができ好適である。またクリングス4a,4bの基端は、眼鏡フレーム1のレンズ枠2a,2bに固定される場合と、いわゆるリムレス(フチナシ、ツーポイント)眼鏡の場合のようにレンズ5a,5bに直接固定される場合とがある。また本考案においては、クリングス4a,4bの基端が固定される場合があるという意味で、リム同士をつなぐ部材である、いわゆるブリッジ2cもレンズ枠2に含むものとする。
図3は、図1の眼鏡パッド3a,3bおよびクリングス4a,4bの拡大図であり、眼鏡パッド3a,3bがクリングス4a,4bに対して最も高く引き上げられた遠方視状態を示している。また、図4は図2の眼鏡パッド3a,3bおよびクリングス4a,4bの拡大図であり、眼鏡パッド3a,3bがクリングス4a,4bに対して最も低く下げられた近方視状態を示している。両図において、31は眼鏡パッド3a,3bに設けたスリット、7はストッパー部材である。
本考案においては、二重焦点レンズのみならず、三重焦点レンズおよび累進多焦点レンズにも対応し、レンズの遠用部、近用部に加え、その間にある中間部も含めて、少なくとも3つの焦点位置に眼鏡使用者の正面視方向の視線をあわせることを可能とするため、クリングス4a,4bは眼鏡パッド3a,3bに対し少なくとも三段階の挿入位置にて固定されることが好ましい。三段階の挿入固定位置を設けることにより、眼鏡使用者は眼鏡フレーム1を顔より外し、必要に応じて手動でクリングス4a,4bの挿入位置を変化させ、3つの焦点うち所望のものを選択して正面視方向にあわせることができる。
摺動自在に挿入されているクリングス4a,4bの挿入深さを三段階に調整し、各段階にてクリングス4a,4bと眼鏡パッド3a,3bとを固定する固定部材の具体例は様々であって一つに限られるものではない。好適な例としては、突起部を有する板バネなどの弾性部材を眼鏡パッド3a,3bの内部に設け、一方、クリングス4a,4bの先端には該突起部とそれぞれ係合する三箇所の休止溝を縦方向に並べて形成し、両者を係合固定させる方式が挙げられる。このとき、突起部と係合する休止溝を変えることでクリングス4a,4bと眼鏡パッド3a,3bの挿入深さを変えることができる。また、クリングス4a,4bの先端部を二枚の重ね板バネより形成し、該バネに対し弾性方向に係合する突起部を眼鏡パッド3a,3bに設ける方式でもよい。さらに、クリングス4a,4bの先端に3つのピン孔を縦方向に並べて形成し、眼鏡パッド3a,3bの外部からこれにバネ付きピンを嵌合/引抜させることが可能なスライドストッパー方式でもよい。
また、ストッパー部材は、クリングス4a,4bが眼鏡パッド3a,3bの挿入孔から脱離することを防止する部材であれば具体的な方式は特に限定されず、クリングス4a,4bの挿入深さが浅くなった状態で、クリングス4a,4bと眼鏡パッド3a,3bとが、直接または他の部材を介して当接し、所定以上の引き抜きが妨げられるものであればよい。具体的には、眼鏡パッド3a,3bに縦方向に設けた所定長さのスリットと、その間に立てられたピンの組み合わせが好適なものとして例示される。その他、上記したスライドストッパー方式によれば、固定部材とストッパー部材の両機能を得ることができる。
固定部材およびストッパー部材の具体的な構成を図5および図6に示す。図5は図3のA−A断面図であり、遠方視(常用)状態の場合の眼鏡パッド3a,3bおよびクリングス4a,4bの中央縦断面図である。図6は図4のB−B断面図であり、近方視の場合のそれを表わす。眼鏡パッド3a,3bに縦方向に設けた挿入孔30に、クリングス4a,4bの先端が摺動自在に挿入されている。図5の遠方視状態の場合、クリングス4a,4bの先端は挿入孔30に深く挿入され、眼鏡パッド3a,3bから突出するクリングス4a,4bの見かけ上の長さは短くなっている。これにより眼鏡パッド3a,3bと眼鏡フレームとの距離は短くなり、レンズ5a,5bが眼鏡使用者の顔に対して低く位置するため、レンズ上部に設けられた遠用部が使用者の正面視方向に捉えられる。
80は固定部材の例としての弾性部材であり、具体的には突起部81とベース板82とからなり、図の左右方向に大きく弾性変形する板バネである。これが眼鏡パッド3a,3bの内部の嵌合溝32に嵌合固定されている。また、クリングス4a,4bの先端には、突起部81と係合する三箇所の休止溝83(83a〜83c)が三段の高さ位置に設けられている。したがって弾性部材80はクリングス4a,4bに対し図中左方向に常に弾性力を付勢している。また、突起部81は、図5では最上段の休止溝83と係合し、図6では最下段の休止溝85と係合している。よって眼鏡パッド3a,3bとクリングス4a,4bとは、突起部81と休止溝との係合力、および弾性部材80の付勢する弾性力により生じる大きな摩擦力によって互いに固定され、両者の縦方向のブレは抑制されている。
ストッパー部材7として、図5および図6ではクリングス4a,4bに螺合するネジを例示している。挿入孔30にクリングス4a,4bが最も深く挿入された状態では、クリングス4a,4bの先端が挿入孔30の底面に当接するか、またはストッパー部材7が眼鏡パッド3a,3bに設けられたスリット31の下端に当接する。一方、クリングス4a,4bの挿入が最も浅い状態では、ストッパー部材7がスリット31の上端に当接することで、クリングス4a,4bが眼鏡パッド3a,3bの挿入孔30から脱離することを防止している。
また、ストッパー部材7は着脱自在のネジであるため、これをクリングス4a,4bより取り外すことで、クリングス4a,4bは眼鏡パッド3a,3bの挿入孔30から引き抜くことができる。よって、メンテナンスのために眼鏡パッド3a,3bや弾性部材80の交換や分解の必要がある場合も、これを容易に行うことができる。
眼鏡パッド3a,3b、クリングス4a,4b、弾性部材80およびストッパー部材7の組み立ての様子を示す分解斜視図を図7に示す。クリングス4a,4bのうち、図中右側に相当する基端部は、図1に示すレンズ枠2a,2bまたは多焦点用レンズ5a,5bに固定され、一方、先端部には係合溝83が三段に設けられている。この状態から、まず弾性部材80を眼鏡パッド3a,3bの嵌合溝32に嵌合固定する。次に、クリングス4a,4bの先端部を眼鏡パッド3a,3bの挿入孔30に挿入し、最後にストッパー部材7を、眼鏡パッド3a,3bに設けたスリットを通じて外側からクリングス4a,4bの取付孔40に着脱自在に結合する。これにより、眼鏡パッド3a,3bの図中左手前側を鼻当て面とする、多焦点レンズ用眼鏡フレームが得られる。
本考案の実施の形態にかかる多焦点レンズ用眼鏡フレームの遠方視状態(常用時)の正面図 本考案の実施の形態にかかる多焦点レンズ用眼鏡フレームの近方視状態の正面図 図1の眼鏡パッドおよびクリングスの拡大斜視図 図2の眼鏡パッドおよびクリングスの拡大斜視図 図3のA−A断面図 図4のB−B断面図 眼鏡パッドおよびクリングスの分解斜視図
符号の説明
1 多焦点レンズ用眼鏡フレーム
2a,2b レンズ枠
3a,3b 眼鏡パッド
30 挿入孔
31 スリット
32 嵌合溝
4a,4b クリングス
40 取付孔
5a,5b 多焦点レンズ
7 ストッパー部材
80 固定部材
81 突起部
82 ベース板
83 休止溝

Claims (5)

  1. 左右一対のレンズ枠と、
    挿入孔を設けてなる左右一対の眼鏡パッドと、
    前記一対のレンズ枠の各内側に基端を固定され、先端を前記眼鏡パッドの挿入孔に摺動自在に挿入される左右一対のクリングスと、
    前記クリングスの先端を、複数段の挿入位置にて眼鏡パッドに固定させる固定部材と、
    クリングスが挿入孔より脱離することを防止するストッパー部材と
    を備える多焦点レンズ用眼鏡フレーム。
  2. 複数段が三段である請求項1記載の多焦点レンズ用眼鏡フレーム。
  3. 固定部材が、
    眼鏡パッドの内部に設けられた、突起部を有する弾性部材であって、かつ、
    クリングスの先端に、該突起部と係合する三箇所の休止溝が設けられてなることを特徴とする請求項1または2に記載の多焦点レンズ用眼鏡フレーム。
  4. 眼鏡パッドがクリングスに対し着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多焦点レンズ用眼鏡フレーム。
  5. 左右一対の多焦点レンズと、
    挿入孔を設けてなる左右一対の眼鏡パッドと、
    前記一対の多焦点レンズの各内側に基端を固定され、先端を前記眼鏡パッドの挿入孔に摺動自在に挿入される一対のクリングスと、
    前記クリングスの先端を、複数段の挿入位置にて眼鏡パッドに固定させる固定部材と、
    クリングスが挿入孔より脱離することを防止するストッパー部材と
    を備える多焦点眼鏡。
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