JP3115100B2 - 衣類乾燥機 - Google Patents

衣類乾燥機

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JP3115100B2
JP3115100B2 JP04119738A JP11973892A JP3115100B2 JP 3115100 B2 JP3115100 B2 JP 3115100B2 JP 04119738 A JP04119738 A JP 04119738A JP 11973892 A JP11973892 A JP 11973892A JP 3115100 B2 JP3115100 B2 JP 3115100B2
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  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣類乾燥機に関し、特
に懸架式の赤外線衣類乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器市場の成熟に伴って、全天候型
の家庭用衣類乾燥機も高い水準で一般家庭に普及してき
た。現在実用化されているものは、回転ドラム方式と呼
ばれるタイプである。このタイプの乾燥機は、乾燥室内
に収納した脱水済衣類を、回転ドラムにより大地に平行
な軸の周りに回転させながらその表面に熱風を吹き付け
て乾燥させるものである。
【0003】このタイプでは、ドラム中での回転によっ
て単位時間当り熱風に曝される衣類の表面積が大きくな
り、乾燥効果が比較的高くなるのが特長である。しか
し、一方、衣類乾燥中ドラムを回転させるため騒音が発
生し、又回転による衣類の重心位置の絶えざる変動によ
って振動が発生する。更にドラム回転中に衣類の型くず
れや摩耗が発生するという問題点がある。
【0004】これに対して、被乾燥衣類を乾燥室上部か
ら懸垂し、周囲から赤外線を照射して乾燥する懸架式と
呼ばれるタイプの乾燥機が提案されている。この方式
は、既に一部業務用布団乾燥機などで実用化されている
が、被乾燥物を回転させることなく、乾燥室壁からの輻
射によって目的を達するものであるため、騒音、振動の
発生や衣類の型くずれは殆どない。乾燥効率を高めるた
めに、遠赤外線を輻射に利用する例も多い。
【0005】従来の懸架式衣類乾燥機においては、被乾
燥衣類の乾燥時間を短縮するために、前記したように水
分子に対する吸収効率の高い遠赤外線を輻射に利用する
と共に、実質的に輻射源の面積を増やす工夫をしてい
る。
【0006】例えば、乾燥室の床面全体や側壁面を輻射
源としたり(特願昭59−18774号)、輻射源プラ
ス上下面からの熱風を利用したり(特願昭58−180
041号、実願昭62−59455号、実願昭62−1
38792号等)している。更に、熱効率を高めるため
に熱風を循環させるなどの試みもある(実願昭55−5
3075号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年都会に於て、単身
就労者及び学生数が増加し、その生活水準も向上してい
る。これに伴って、集合住宅の一室で夜間、衣類の洗濯
乾燥処理が行われる機会が増えている。この場合、騒音
や振動は敬遠されるので、衣類乾燥機は回転ドラム方式
ではなく懸架式が望ましい。
【0008】しかし、上記した従来の懸架式衣類乾燥機
においては、乾燥効率を高めるために構造が複雑化し、
実用性に乏しい。又、懸架された複数枚の被乾燥衣類に
於ては、中心部に近いほど空気中の水蒸気圧pが高く乾
きにくいという回転ドラム方式にはない問題点があり、
長い乾燥時間を要していた。
【0009】本発明の目的は、構造が比較的簡単で乾燥
効率の高い懸架式衣類乾燥機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、開口可能な天
蓋と保熱側壁及び底板から成り、保熱側壁上部に複数個
の排気孔及びドレインを有し、該側壁下部に複数個の吸
気孔を有する筐体と、筐体内にあって底板中央部に上向
きに配置された低速回転モータと、該モータから上方に
突出した回転軸と、該回転軸の下方に取り付けられ、複
数枚の赤外線輻射回転羽根と、前記底板上のモータ周辺
部に配置され下方から該回転羽根を加熱する熱源と、前
記回転軸の頂部にその中心が載置される衣類保持具と、
前記回転羽根から離間してその上部に配置され前記回転
軸の貫通孔を有する網状ガードと、前記筐体外部にあっ
て前記モータ及び熱源に給電するため接続された電源制
御盤を含む衣類乾燥機を提供する(請求項1)。
【0011】更に本発明は、開口可能な天蓋と保熱側壁
及び底板から成り、保熱側壁上部に複数個の排気孔及び
ドレインを有し、該側壁下部に複数個の吸気孔を有する
筐体と、該筐体内にあって底板の中央部に上向きに配置
された回転軸を有する第1の低速回転モータと、前記筐
体内にあって天蓋の中央部に下向きに配置され、その延
長線状に前記回転軸がある回転軸を有する第2の低速回
転モータと、前記第1のモータ回転軸に取り付けられた
複数枚の赤外線輻射回転羽根と、前記底板上の第1のモ
ータ周辺部に配置され下方から該回転羽根を加熱する熱
源と、前記第2のモータ回転軸の下端に取り付けられた
衣類保持具と、前記回転羽根から離間してその上部に配
置され前記第1のモータ回転軸の貫通孔を有する網状ガ
ードと、前記筐体外部にあって前記第1、第2のモータ
及び熱源に給電するため接続された電源制御盤を含む衣
類乾燥機を提供する(請求項2)。
【0012】更に本発明は、前記回転羽根又は熱源の近
傍に配置され、内部に香料等を充填し、表面に複数個の
細孔を設けた香料保持器を付与した衣類乾燥機を提供す
る(請求項3)。
【0013】
【作用】羽根によって筐体下部から取り込まれた空気は
赤外線で加熱されて上方へ抽送され、該羽根及び同期回
転する被乾燥衣類の作り出す渦流を形成して筐体上部へ
抜ける。この結果、被乾燥衣類に含有される水分子は赤
外線を吸収して蒸発し、蒸気圧pとなる。筐体内の空気
中に蒸発した水分子は、渦流によって力を受け、渦流の
内側から外側へと濃度分布をシフトさせる。筐体保熱側
壁に到達した水蒸気は、ほぼ、飽和値pmを示し、壁面
に沿って上昇して筐体上部のドレインで凝縮し、筐体外
に放出される。このため、渦流の中心部に近い位置程水
蒸気分圧pが低下し、乾燥の駆動力である(pm−p)
が大きくなる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の実施例図である。図1
(A)は、本発明の衣類乾燥機駆動中における主要構成
要素と空気、水蒸気の動きを示している。図1(B)
は、図1(A)のM−N断面における空気中の水蒸気分
圧分布を、従来の場合と対比して模式的に示したもので
ある。
【0015】図1(A)では、縦長の保熱側壁を有する
筐体内の下部に、側壁Aと垂直面内に低速回転する羽根
Bがある。該羽根Bの回転速度は、好ましくは30〜6
0回転/分程度であるが、特に制限はない。羽根Bの回
転軌跡直径は、筐体側壁Aの直径の半分以上、好ましく
は70〜80%以上である。
【0016】羽根Bは、適当な熱源(図示せず)によっ
て加熱され、その上面より赤外線D、好ましくは遠赤外
線を上方に輻射している。羽根Bの回転方向は、空気を
下方から上方へ抽送する向きである。該空気は、筐体下
部より筐体内に吸気される。
【0017】筐体上部に懸架された被乾燥衣類Cは、前
記羽根Bの回転に同期して低速回転させられている。こ
の結果、筐体内で図示した如く下方から上方へ空気が渦
を巻いて上昇する。筐体上部には、空気及び水蒸気の放
出孔が設けられている。被乾燥衣類Cは筐体上部より天
蓋(図示せず)を操作して筐体内に下垂されている。
【0018】必要に応じて、香料(または消臭剤)保持
器(図示せず)を羽根B近傍に配置し、加熱によって該
保持器から放出される香料線Fを空気渦流にのせて被乾
燥衣類Cに到達せしめ含侵させることも出来る。
【0019】図1(B)に示す如く、図1(A)の被乾
燥衣類Cを含むM−N線で筐体を横断した領域における
空気中の水蒸気分圧pは、本発明の場合と従来の場合と
で全く異なる。即ち、本発明の場合は、渦流によって図
1(A)に示した如く衣類から蒸発した水分が渦の外側
へとドリフトするため、水蒸気分圧分布が凹型となり、
筐体側壁で最も高くなる。(飽和水蒸気圧pmを示
す)。これに対して、従来の懸架式乾燥機では複数枚の
被乾燥衣類中心部で最も水蒸気分圧が高く、乾き難い。
本発明の場合、被乾燥衣類C及び羽根Bの回転速度が大
きい程中心部の水蒸気圧は低下する。
【0020】動作を説明する。図1(A)で示したよう
に、羽根Bによって筐体下部から取り込まれた空気は赤
外線Dで加熱されて上方へ抽送され、該羽根B及び同期
回転する被乾燥衣類Cの作り出す渦流を形成して筐体上
部へ抜ける。この結果、被乾燥衣類Cに含有される水分
子は赤外線Dを吸収して蒸発し、蒸気圧pを示す。
【0021】筐体内の空気中に蒸発した水分子は、渦流
によって力を受け、図1(A)のEのように渦流の内側
から外側へと濃度分布をシフトさせる。筐体保熱側壁A
に到達した水蒸気は、ほぼ飽和値pmを示し、壁面に沿
って上昇して筐体上部のドレインで凝縮し、筐体外に放
出される。このため、渦流の中心部に近い位置程水蒸気
分圧pが低下し、乾燥の駆動力である。(pm−p)が
大きくなる。
【0022】図2は、具体的な実施例である。懸架式衣
類乾燥機の縦断面図を示す。図において筐体1は、直径
約65cm、高さ約75cmの円筒状を有し、頭頂部に
片開きの天蓋9を備えている。底板15の中心には、回
転軸3を上向きにした低速回転モータA2が載置されて
いる。回転軸3の下部には、一枚の長手方向寸法が約2
5cmの回転羽根4が4枚取り付けられている。その材
質はアルミニゥムをベースとし、表面酸化でAl23
が形成されている。Al23は遠赤外線放射効率が高い
ので、表面酸化より溶射などにより堆積する方が好まし
い。
【0023】筐体1底部の前記低速回転モータ2の外周
部には、該モータ2との間に断熱材を挟んで熱源5が配
置されている。該熱源5はシーズヒーターを渦巻にした
面状発熱体から成り、前記回転羽根4を加熱して遠赤外
線を輻射せしめる。筐体1の底板15近傍の保熱側壁1
0には、空気吸入孔11が、また上部の保熱側壁10に
は排気孔及びドレイン12がそれぞれ複数個設けられて
いる。
【0024】前記天蓋9を開いて、被乾燥衣類を懸架し
た衣類保持具6を筐体1内に入れ、前記モータ回転軸3
の頭頂部に該衣類保持具6を取り付ける。被乾燥衣類下
端と回転羽根4の間には、直径60cmの筒状金網から
成る網状ガード7が載置されている。勿論筒状金網7に
は、モータ回転軸3の貫通孔が設けられており、該モー
タ回転軸3に接触することはない。
【0025】筐体1の保熱側壁10は複合素材から成
り、プラスチック板の筐体内側面にAlなどの金属層を
断熱樹脂などで接着した構造となっている。
【0026】一方、前記低速回転モータ2及び熱源5に
給電するための電源制御盤8が筐体1の外部に配置さ
れ、それぞれに導電接続している。電源制御盤8は、通
常100Vのコンセントに接続される。
【0027】熱源5には、通常300〜800Wの電力
が投入される。この衣類乾燥機は、1〜3名程度の小人
数の衣類乾燥に適している。モータ2は30〜60rpm
の割合で回転する為、騒音や振動は全くなく、効率よく
衣類乾燥することが出来る。
【0028】図3は、本発明の別の具体的実施例であ
る。懸架式赤外線衣類乾燥機の縦断面図を示す。前実施
例と構造的に異なっている主要な点は、回転羽根4と衣
類保持具6の低速回転用モータが別々になっていること
である。即ち、回転羽根4は筐体1、底板15の中心に
上向きに載置されたモータ2によって駆動され、一方衣
類保持具6は筐体1、天蓋9の中心部に下向きに設置さ
れたモータ13によって駆動される。
【0029】モータ2及び13の回転軸3及び14は、
ほぼ同一垂線上にある。そして、モータ2及び13は、
回転方向及び回転数を同期した状態で駆動される。この
駆動は、電源制御盤8によって行われる。この結果衣類
乾燥時筐体1内の空気は、モータ回転速度に合わせた渦
を巻いて下層から上層に運ばれ、排気される。同時に、
被乾燥衣類から発散した水蒸気は、保熱側壁10の方へ
と濃度分布をシフトする。それ故被乾燥衣類近傍では、
中心部に近い程(pm−p)が大きくなるため、衣類含
有水分は従来より速やかに蒸発し、短時間で効率よく乾
燥させることが出来る。
【0030】このように、本発明の懸架式衣類乾燥機で
は、赤外線の分布と発生する水蒸気の分布を分離した点
に特長がある。図3の衣類乾燥機は、一般に図2のもの
より大口径、即ち、大容量にすることが出来、従ってそ
の分だけ多人数向きに適していると云えよう。
【0031】図3の回転羽根4を取り付けた回転軸3の
頭頂部には、複数の細孔を有する香料保持器16が設置
されている。該香料保持器16内には、所望の香料が充
填されており、加熱されると蒸発して香料線を上方空気
中に放射する。従って、衣類乾燥時に、同時に好ましい
香りを衣類に含浸させることが出来る。香料の代わりに
消臭剤などを充填することもできる。
【0032】上記実施例では回転羽根数を4枚とした
が、一般に2〜8枚が用いて好適である。その長手方向
寸法は、回転軌跡が筐体1の保熱側壁10直径の50%
以上であれば、様々に選ぶことが出来る。これ以下の寸
法では、渦流による水蒸気濃度シフトの効果が比較的小
さい。モータ回転速度を高める程水蒸気濃度シフト効果
は高くなるが、衣ずれや騒音発生などの問題を生ずるの
で、実用上30−60rpm程度とした。200rpm程
度まで可能である。以上述べた実施例以外にも様々な改
良、組合せ、変更などが実施しうることは、当業者にと
って自明であろう。
【0033】
【発明の効果】以上実施例を用いて説明してきたよう
に、本発明によれば、静粛で衣類の型くずれや摩耗がな
いという懸架式衣類乾燥機の特長をいかしながら、簡便
な構造で被乾燥衣類領域の水蒸気分圧を低下させること
が出来る。これによって、従来の懸架式乾燥機より効率
よく衣類乾燥を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の懸架式衣類乾燥機の実施例図である。
【図2】本発明の懸架式赤外線衣類乾燥機の具体的な実
施例図である。
【図3】本発明の懸架式衣類乾燥機の他の具体的な実施
例図である。
【符号の説明】
1 筐体 2、13 低速回転モータ 3、14 モータ回転軸 4 回転羽根 5 熱源 6 衣類保持具 7 網状ガード 8 電源制御盤 9 天蓋 10 保熱側壁 11 吸気孔 12 排気孔及びドレイン 15 底板 16 香料保持器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−63698(JP,A) 特開 平4−317697(JP,A) 特開 平4−187195(JP,A) 特開 平3−222999(JP,A) 実開 平2−130595(JP,U) 実開 昭58−64291(JP,U) 実開 昭58−136098(JP,U) 実開 平1−123191(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06F 58/10 D06F 58/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口可能な天蓋と保熱側壁及び底板から
    成り、保熱側壁上部に複数個の排気孔及びドレインを有
    し、該側壁下部に複数個の吸気孔を有する筐体と、該筐
    体内にあって底板中央部に上向きに配置された低速回転
    モータと、該モータから上方に突出した回転軸と、該回
    転軸の下方に取り付けられ、複数枚の赤外線輻射回転羽
    根と、前記底板上のモータ周辺部に配置され下方から該
    回転羽根を加熱する熱源と、前記回転軸の頂部にその中
    心が載置される衣類保持具と、前記回転羽根から離間し
    てその上部に配置され前記回転軸の貫通孔を有する網状
    ガードと、前記筐体外部にあって前記モータ及び熱源に
    給電するため接続された電源制御盤を含む衣類乾燥機。
  2. 【請求項2】 開口可能な天蓋と保熱側壁及び底板から
    成り、保熱側壁上部に複数個の排気孔及びドレインを有
    し、該側壁下部に複数個の吸気孔を有する筐体と、該筐
    体内にあって底板中央部に上向きに配置された回転軸を
    有する第1の低速回転モータと、前記筐体にあって天蓋
    の中央部に下向きに配置され、その延長線上に前記回転
    軸がある回転軸を有する第2の低速回転モータと、前記
    第1のモータ回転軸に取り付けられた複数枚の赤外線輻
    射回転羽根と、前記底板上の第1のモータ周辺部に配置
    され下方から該回転羽根を加熱する熱源と、前記第2の
    モータ回転軸の下端に取り付けられた衣類保持具と、前
    記回転羽根から離間してその上部に配置され前記第1の
    モータ回転軸の貫通孔を有する網状ガードと、前記筐体
    外部にあって前記第1、第2のモータ及び熱源に給電す
    るため接続された電源制御盤を含む衣類乾燥機。
  3. 【請求項3】 前記回転羽根又は熱源の近傍に配置さ
    れ、内部に香料等を充填し、表面に複数個の細孔を設け
    た香料保持器を付与した請求項1又は2記載の衣類乾燥
    機。
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