JP3115065U - 組み立て式横架材接合金物 - Google Patents

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Abstract

【課題】木造架構における主材たる柱もしくは梁と従材たる梁の確実な接合を簡単で安価に達成できる金物を提供する。
【解決手段】主板Pm、副板Psと側板Pfからなる接合金物Jを、溶接を介することなく組み立て、主材たる柱もしくは梁Gの垂直に加工されたスリットSgvと水平に加工されたスリットSghに、主板Pmの一部と副板Psを挿入しボルトBで固定することにより、従材たる梁Bの荷重を主材たる柱もしくは梁に確実に伝達させる。
【選択図】図5

Description

本考案は、木造架構における主材たる柱もしくは梁と従材たる梁を接合する金物に関するものである。
木造架構において主材たる柱もしくは梁と従材たる梁を、金物を使用して接合する方式のうち鋼板挿入型と呼ばれる接合金物の多くは、主材の一面に接する側板と従材に挿入される主板とを溶接により形成し、側板をボルトにより主材に固定することにより成立しており、従材の荷重は、従材と挿入された主板を貫通して配置されたドリフトピンやボルトを介して接合金物に伝達され、さらに側板を固定するボルトを介して主材に伝達されるという機構で成り立っている。
溶接によって形成された金物の場合、工数の増加に伴い金物の価格が上昇する。また、製品形状が立体的であることにより、在庫や流通により大きな空間を必要とする。
本考案が解決しようとする課題は、従材たる梁の荷重を主材たる柱もしくは梁に確実に伝達する機構を、特殊な工具を必要としない木材加工と、溶接を用いない金属板の組み立てによる低コストな金物で提供することである。
本考案は、従材たる梁の荷重を主材たる柱もしくは梁に伝達する接合金物を、適切に切削加工された金属板を溶接なしに組み立てることにより実現することを特徴とする。
従材たる梁の荷重は鉛直荷重であり、従材とそれに垂直に挿入された主板を貫通して必要数配置されたボルトもしくはドリフトピンを介して主板に伝達される。主板に伝達された荷重は、主材たる柱もしくは梁の一面に水平に切削加工されたスリットに挿入された副板の上に、主材の同一面に垂直に切削加工されたスリットに挿入された主板の一部を載せることにより、主材に副板からの面圧として伝達される。この場合、副板は負担する荷重に応じて1枚以上を配置する。
主材に挿入された主板と副板を主材に固定するために、側板を利用する。主板の主材に挿入する部分の上部に施された切り込みと、側板に切削された主板挿入用のスリットを嵌合させ、更に副板を組み合わせて、主材の垂直方向及び水平方向に切削されたスリットにそれぞれ主板及び副板を挿入し、ボルトで側板を主材に固定することにより金物としての取り付けが完了し、主板及び副板の移動脱落が防止される。
本考案の接合金物は、主板、副板、側板及びボルト又はドリフトピンの組み合わせで構成される。主板、副板及び側板を組み立て、主材たる柱もしくは梁に挿入し、ボルトで固定することにより、溶接を介することなく従材たる梁の荷重を主材に伝達することができる。結果、溶接によって組み立てられた金物に比して、作業工数が減少することにより製造コストが低減され、荷姿容積が縮小することにより在庫及び流通コストの低減につながり、総合的に金物価格の抑制に効果がある。
木造架構における主材たる柱もしくは梁と従材たる梁の金物による接合を簡単で確実にしかも低コストで成立させるという目的を、金物の製作においては溶接に依存せず、木材の加工においては特別な技術技能を不要とすると共に市販の工具を応用することにより実現した。
図1は、接合金物における、主板Pm、副板Psと側板Pfの組み合わせの一例を示したものである。主板Pmを側板Pfに垂直に切削された穴Spfvに挿入後上方に移動し、副板Psの一部を側板Pfに切削された水平の穴Spfhに挿入することにより接合金物の組み立てが完了する。ここで、主板に加工された切り欠きSpmは側板を挟み込んで主板のずれを拘束する役割を担う。
図2は、主材たる梁Gに施す加工の状況と、組み立てられた接合金物Jの取り付け方法を示したものである。主材たる梁Gには、主板Pmの一部が挿入される垂直方向のスリットSgv、副板Psが挿入される水平方向のスリットSghと、接合金物Vを固定するボルトBtを貫入する穴Hgの加工が施される。主材たる梁Gに加工されたスリットに接合金物Vの一部を挿入し、主材たる梁Gに加工された穴Hgと副板Pfに切削された穴Hpfに、ボルトBtを連続して貫入し締め付けることにより接合金物Jの取り付けが完了する。
図3は、主材たる梁Gに接合金物Jが取り付けられた状況と、副材たる梁Bに施す加工の状況を示したものである。副材たる梁Bには、主板Pmが挿入されるスリットSb、ドリフトピンもしくはボルトDPを貫入する穴Hbと、主材たる梁Gに接合金物Jを取り付けるボルトBtのボルト頭もしくはナット部分と副材たる梁Bとの干渉を回避するための欠き取りEbの加工が施される。
図4は、主材たる梁Gに副材たる梁Bを、接合金物Jを介して取り付ける状況を示したものである。必要数のドリフトピンもしくはボルトDPを、副材たる梁Bに加工された穴Hbと主板Pmに切削された穴Hpmを連続して貫入することにより、副材たる梁Bが接合金物Jに固定される。従材たる梁Bの荷重は、ドリフトピンもしくはボルトDPから接合金物Jを経由して主材たる梁Gに伝達される。
図5は、接合金物Jを介して、主材たる梁Gと副材たる梁Bの接合が完了した状況を示したものである。
以上に説明したとおり、本考案の接合金物は、応力伝達の機構が合理的であること、予め加工された金属板とドリフトピン又はボルトの組合せで構成されるものであり規格化が容易であること、板状のままでの在庫流通が可能であること、柱もしくは梁の加工がスリットと穴あけという特別な技能を必要としないものであることなどの利点を持つことから、木造軸組の施工に関してコストの低減が見込まれる。
本考案にかかる接合金物の組合せの一例を示す斜視図である 主材たる梁の加工状態と接合金物の取り付け手順を示した斜視図である 接合金物の取り付け状態と従材たる梁の加工状態を示した斜視図である 従材たる梁を接合金物に取り付ける手順を示す斜視図である 主材たる梁と従材たる梁の接合が完了した状態を示した斜視図である
符号の説明
G:主材たる梁
Hg:主材たる梁にあけられたボルト貫入用の孔
Sgv:柱に切削加工された主板挿入用のスリット
Sgh:柱に切削加工された副板挿入用のスリット
B:従材たる梁
Hb:従材たる梁にあけられたドリフトピン又はボルト貫入用の孔
Sb:従材たる梁に加工された主板挿入用のスリット
Eb:従材たる梁に加工されたボルト当りの欠き取り
J:接合金物
Pm:接合金物の主板
Hpm:主板にあけられたドリフトピン又はボルト貫入用の孔
Spm:主板に切削された側板嵌合用の切り込み
Ps:副板
Pf:側板
Hpf:側板にあけられたボルト貫入用の孔
Spfv:側板に切削された主板挿入用のスリット
Spfh:側板に切削された副板挿入用のスリット
B:ボルト
DP:ドリフトピン又はボルト

Claims (1)

  1. 主材たる柱もしくは梁と従材たる梁との接合部において、従材の荷重を主材に確実に伝達させる機構を、主材の一面の垂直方向に一部が挿入され残部が従材に挿入されドリフトピン等により従材と固定される主板、主材の同一面に水平方向に挿入され主板を鉛直方向に支持する副板、および主板と副板を主材に固定するために主材の同一面にボルトにより固定される側版の三要素を、溶接を介することなく組み立てることにより実現することを特徴とする接合金物
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