JP3114623B2 - ハードディスク用無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜形成基板の製造方法 - Google Patents

ハードディスク用無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜形成基板の製造方法

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JP3114623B2 JP08171896A JP17189696A JP3114623B2 JP 3114623 B2 JP3114623 B2 JP 3114623B2 JP 08171896 A JP08171896 A JP 08171896A JP 17189696 A JP17189696 A JP 17189696A JP 3114623 B2 JP3114623 B2 JP 3114623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク用
無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜形成基板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ハードディスクの製造においては、アルミニウム又
はアルミニウム合金からなる基板の表面に次亜リン酸又
はその塩を還元剤とする無電解ニッケル−リン合金めっ
き皮膜(以下、無電解Ni−P皮膜という)を形成する
ことが行われているが、この場合、Ni−P皮膜を形成
する前に上記基板に亜鉛置換処理を施して基板表面に亜
鉛置換皮膜を形成する必要がある。
【0003】この亜鉛置換処理液としては、従来、亜鉛
化合物と水酸化アルカリを主成分としたものを用いてい
るが、従来のこの種の亜鉛置換処理液を用いて亜鉛置換
処理を施すと、亜鉛置換皮膜の厚い部分と薄い部分が生
じ、むら状の模様(以下、亜鉛置換むらという)として
現れる。この亜鉛置換処理後の無電解Ni−P皮膜に
は、亜鉛置換むらと同形状の模様が現れ(以下、めっき
むらという)、その部分はノジュールの集合体となって
いる。その部分はその後の研磨工程を経ても微小な突起
(20〜50nm)として残る場合があり、ハードディ
スクの高密度化につれてかかる微小突起が問題となりつ
つある。
【0004】従って、アルミニウム又はアルミニウム合
金基板上に無電解Ni−P皮膜を形成した場合に発生す
るめっきむらを防止すること、即ち、めっきむらの原因
となる亜鉛置換むらを防止することが要望されていた。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
上記したような亜鉛置換むら乃至はめっきむらが生じ難
い亜鉛置換処理液を用いたハードディスク用無電解ニッ
ケル−リン合金めっき皮膜形成基板の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、亜鉛化合物と水酸化アルカリとを主成分とする亜
鉛置換処理液に対し、エチレンジアミン、トリエタノー
ルアミン等のアミン類を配合することにより、亜鉛置換
むらの発生が顕著に抑制され、その上に無電解Ni−P
めっきを施した場合、めっきむらのない均一な皮膜が形
成されることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】従って、本発明は、亜鉛化合物と水酸化ア
ルカリとを含み、アミン類の1種又は2種以上を0.0
07〜0.7モル/L配合してなる亜鉛置換処理液に、
アルミニウム又はアルミニウム合金基板を浸漬し、該基
板表面に亜鉛置換皮膜を形成した後、その上に無電解ニ
ッケル−リン合金めっき皮膜を形成することを特徴とす
るハードディスク用無電解ニッケル−リン合金めっき皮
膜形成基板の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の亜鉛置換処理液は、亜鉛化合物及び水酸化
アルカリを含有する。
【0009】ここで、亜鉛化合物しては、酸化亜鉛、硝
酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上が用いられる。その含有量は
亜鉛として0.02〜0.6モル/L、特に0.05〜
0.4モル/Lとすることが好ましい。
【0010】また、水酸化アルカリとしては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、水酸化ナト
リウムが好ましく、その配合量は1〜8モル/Lが好ま
しく、更に好ましくは2〜5モル/Lである。
【0011】本発明の亜鉛置換処理液には、更にアミン
類の1種又は2種以上を添加するもので、これにより亜
鉛置換むらが抑制され、むらのない均一な無電解Ni−
P皮膜を形成させることができる。
【0012】この場合、アミン類としては、エチレンジ
アミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、N,N,
N,N−テトラメチルジアミノメタン、ジメチルエチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、3,3−イミノビ
スプロピルアミン、トリエチレンテトラミン、N,N−
ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、N−メチルヒドロキシアミン、N,N−ジエチ
ルヒドロキシアミン、3−アミノ−1−プロパノール、
N−メチルエタノールアミン等が挙げられ、これらの1
種を単独で又は2種以上を併用することができるが、こ
れらの中でエチレンジアミン、トリエタノールアミンが
好ましい。
【0013】その配合量は0.007〜0.7モル/
L、特に0.02〜0.4モル/Lとすることが好まし
く、配合量が0.007モル/Lより少ないと無電解N
i−P皮膜にめっきむらが残り、0.7モル/Lより多
くなると基板表面全体が白くなる場合が生じる。
【0014】本発明の亜鉛置換処理液には、必要に応
じ、可溶性の鉄、ニッケル、銅塩の1種又は2種以上を
0.001〜0.3モル/L、酒石酸ナトリウム、ロッ
セル塩等の錯化剤を0.003〜0.3モル/L配合す
ることができる。
【0015】本発明に係る亜鉛置換処理液には、更にピ
ロカテコール、ヒドロキノン等の適宜な成分を加えるこ
とができ、これにより更に均一性、光沢性に優れた無電
解Ni−P皮膜を形成させることができる。
【0016】本発明の亜鉛置換処理液を用いて、亜鉛置
換を行う場合の条件は特に制限されないが、10〜40
℃の温度で行うことが好ましく、10℃より低いとその
後の無電解Ni−P皮膜との密着力が低下し、40℃よ
り高いとアルミニウム又はアルミニウム合金基板の表面
が荒れるおそれがある。
【0017】なお、亜鉛置換処理は必要に応じて2回以
上処理することができ、ハードディスクの製造において
は、亜鉛置換処理を2回以上施すことが好ましい。この
場合も従来の方法に従って操作を繰り返すことができ、
亜鉛置換後、水洗、硝酸水溶液中への浸漬を行い、再び
亜鉛置換を行うようにすればよい。
【0018】本発明の亜鉛置換処理液によって亜鉛置換
された基板は、その上に無電解Ni−Pめっき皮膜を形
成し、ハードディスクを製造する場合に好適である。な
お、この無電解Ni−Pめっき液としては公知の組成の
ものを使用でき、公知の条件でめっきを行うことができ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0020】下記組成の亜鉛置換処理液(実施例1,
2、比較例)を用い、アルミニウム基板を常法に従って
脱脂、エッチングし、30%硝酸水溶液に25℃、30
秒間浸漬後、亜鉛置換処理を行い、更に30%硝酸水溶
液に25℃、60秒間浸漬し、再度亜鉛置換処理を行
い、その後、無電解Ni−Pめっきを施して厚さ15μ
mの無電解Ni−Pめっき皮膜を形成した。
【0021】この場合、1次及び2次の亜鉛置換処理の
条件はいずれも25℃、30秒間とした。 〔実施例1〕 水酸化ナトリウム 3.0 モル/L 酸化亜鉛 0.25モル/L ロッセル塩 0.25モル/L 塩化第二鉄 0.01モル/L 硝酸ナトリウム 0.01モル/L エチレンジアミン 0.20モル/L ピロカテコール 0.10モル/L
【0022】〔実施例2〕 水酸化ナトリウム 4.0 モル/L 酸化亜鉛 0.30モル/L ロッセル塩 0.50モル/L 塩化第二鉄 0.02モル/L 硝酸ナトリウム 0.01モル/L トリエタノールアミン 0.10モル/L ヒドロキノン 0.10モル/L
【0023】〔比較例〕 水酸化ナトリウム 3.0 モル/L 酸化亜鉛 0.25モル/L ロッセル塩 0.25モル/L 塩化第二鉄 0.01モル/L 硝酸ナトリウム 0.01モル/L
【0024】無電解Ni−Pめっき組成及びめっき条件 硫酸ニッケル 0.1 モル/L りんご酸ナトリウム 0.2 モル/L 酢酸ナトリウム 0.2 モル/L 次亜リン酸ナトリウム 0.2 モル/L 硝酸鉛 1.0ppm pH 4.7 めっき温度 90℃
【0025】次に、得られた無電解Ni−Pめっき皮膜
の外観を評価し、めっきむらの有無を調べた。その結
果、実施例1,2の亜鉛置換処理液を用いた場合にめっ
きむらは認められなかったが、比較例の亜鉛置換処理液
を用いた場合はめっきむらが生じ、従って亜鉛置換処理
液中にエチレンジアミン、トリエタノールアミン等のア
ミン類の添加によって、無電解Ni−P皮膜のめっきむ
らをなくし、均一な表面が得られることが認められた。めっきむら 実施例1 なし 実施例2 なし 比較例 あり
【0026】
【発明の効果】本発明の亜鉛置換処理液を用いること
で、その後の無電解Ni−P皮膜のめっきむらをなく
し、研磨処理した後の皮膜表面は従来よりも非常に平滑
であり、ハードディスクの高密度化に寄与することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福谷 美加 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村 工業株式会社 中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/00 - 18/54 G11B 5/62 - 5/86

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛化合物と水酸化アルカリとを含み、
    アミン類の1種又は2種以上を0.007〜0.7モル
    /L配合してなる亜鉛置換処理液に、アルミニウム又は
    アルミニウム合金基板を浸漬し、該基板表面に亜鉛置換
    皮膜を形成した後、その上に無電解ニッケル−リン合金
    めっき皮膜を形成することを特徴とするハードディスク
    用無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜形成基板の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102732922A (zh) * 2012-06-13 2012-10-17 广州鸿葳科技股份有限公司 无氰浸锌溶液及使用该溶液的滤波器铝合金无氰电镀方法
CN102732922B (zh) * 2012-06-13 2015-07-08 广州鸿葳科技股份有限公司 无氰浸锌溶液及使用该溶液的滤波器铝合金无氰电镀方法

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