JP3114515B2 - 鋳型製造用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型製造用粘結剤組成物及び鋳型の製造方法

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JP3114515B2
JP3114515B2 JP06218101A JP21810194A JP3114515B2 JP 3114515 B2 JP3114515 B2 JP 3114515B2 JP 06218101 A JP06218101 A JP 06218101A JP 21810194 A JP21810194 A JP 21810194A JP 3114515 B2 JP3114515 B2 JP 3114515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳型を製造する際、耐
火性粒状材料に添加するために使用する粘結剤組成物、
或いは粘結剤組成物と硬化剤組成物との組み合わせに関
するものである。また、耐火性粒状材料とこの粘結剤組
成物、或いは粘結剤組成物と硬化剤組成物を含有する鋳
型製造用砂組成物、及びこの鋳型製造用砂組成物を使用
して鋳型を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、鋳型を製造するための鋳物砂
の粘結剤としてフェノール樹脂,フラン樹脂,フルフリ
ルアルコール等の酸硬化性樹脂が用いられており、これ
らに硬化剤を添加して硬化させ、鋳型を製造する方法が
一般的に用いられている。鋳物砂用の有機自硬性樹脂と
しては古くから、良好な性質を有するフラン樹脂が用い
られている(特公昭39−1543号公報等)。そし
て、このようなフラン樹脂に対して、その用途に応じグ
リオキザールやテトラオキサン等を添加して低臭性にし
たもの、フェノール樹脂や尿素樹脂等で変性して価格低
下を図ったものなど、種々改良が加えられて来た。
【0003】しかし、最近、機械設備や工程等の改良に
よる作業能率向上が要求されるようになり、それに伴っ
て鋳物砂用粘結剤も迅速硬化型の自硬性有機粘結剤が強
く要望されるようになってきた。この要求を満たすべ
く、粘結剤の硬化を促進させるために砂温を高める方
法、減圧で水を除去する方法、硬化剤を多量に用いる方
法等がとられてきた。しかし、かかる目的のために、砂
温を高めることは、余分をエネルギーを必要とし、経済
的に不利である。また、減圧で水を除去することも、あ
る程度の硬化促進は図れるけれども、根本的な解決には
ならない。更に、硬化剤を多量に用いれば、硬化速度が
向上し硬化促進を図れるけれども、分解ガスによる作業
環境の悪化や鋳型強度の低下等を招くということがあっ
た。
【0004】このため、比較的多量に使用しても作業環
境が悪化しにくい硬化剤組成物として、燐酸系化合物と
スルホン酸系化合物とを特定の割合で配合したものが提
案されている(特開平5−237587号公報)。即
ち、低毒性である燐酸系化合物と硬化促進が図れるスル
ホン酸系化合物とを特定の割合で配合し、硬化促進を図
ると共に作業環境の悪化の防止を図ろうというものであ
る。このような硬化剤組成物は非常に有用なものである
が、言うまでもなく、あまりに多量に使用すると、作業
環境が悪化するということがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、硬
化剤組成物の構成を工夫するよりも、むしろ粘結剤組成
物の構成を工夫することによって、前記課題を解決しよ
うとするものである。即ち、フルフリルアルコール,尿
素及びアルデヒド類を主成分として重縮合した粘結剤組
成物中の、重縮合度を一定の範囲に調整すると共に、水
分量を一定以下に調整し、且つ尿素に由来する窒素含量
を一定の範囲に調整することにより、粘結剤組成物自体
の構成を工夫して、作業環境の悪化を伴うことなく、粘
結剤組成物の硬化促進を図ろうとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、フルフリルア
ルコール,尿素及びアルデヒド類を主成分として重縮合
して得られた鋳型製造用粘結剤組成物であって、該粘結
剤組成物中の仕込フルフリルアルコール重量%(A)と
未反応フルフリルアルコール重量%(B)の差[A−
B]が5.0〜60.0であると共に水分量が6.0重
量%以下であり、且つ窒素含量が0.5〜4.0重量%
であることを特徴とする鋳型製造用粘結剤組成物に関す
るものである。
【0007】本発明に係る鋳型製造用粘結剤組成物は、
フルフリルアルコール,尿素及びアルデヒド類を主成分
として重縮合して得られるものである。アルデヒド類と
しては、ホルムアルデヒド,グリオキザール,フルフラ
ール等の従来公知のアルデヒド化合物を使用することが
できる。特に、本発明においては、ホルムアルデヒドを
使用するのが好ましい。フルフリルアルコール,尿素及
びアルデヒド類を重縮合させると、各成分の配合割合に
もよるが、フルフリルアルコールの縮合物,フルフリル
アルコールとアルキロール尿素との重縮合物,尿素とア
ルデヒド類の縮合物,各縮合物が更に重縮合した重縮合
物,各成分の未反応物,水等の混合物が得られる。
【0008】本発明において重要な点は、これらの重縮
合物のうち、フルフリルアルコールの重縮合度が一定の
範囲に調整されていることである。フルフリルアルコー
ルの重縮合度を直接求めることは困難であるので、仕込
フルフリルアルコールと未反応フルフリルアルコールの
差を測定し、本発明においてはその差を重縮合度の目安
としている。即ち、仕込フルフリルアルコール重量%
(A)と未反応フルフリルアルコール重量%(B)との
差である[A−B]が5.0〜60.0となるように、
フルフリルアルコールの重縮合度を調整することが必要
である。特に、[A−B]が10.0〜50.0である
のが好ましく、更に15.0〜40.0であるのが最も
好ましい。[A−B]が5.0未満であると、フルフリ
ルアルコールの重縮合度が低すぎて、粘結剤組成物の硬
化速度が十分に速くならず、得られる鋳型の初期強度が
向上しないので好ましくない。逆に、[A−B]が6
0.0を超えると、フルフリルアルコールの重縮合度が
高すぎて、粘結剤組成物の粘度が上昇し、混練砂(鋳型
製造用砂組成物)の混練性が低下し、結果として鋳型強
度が低下するので好ましくない。
【0009】フルフリルアルコールの重縮合度の目安を
得るためには、仕込フルフリルアルコールと未反応フル
フリルアルコールの重量%を測定しなければならない
が、これは以下の方法によって行われる。まず、粘結剤
組成物中における未反応フルフリルアルコールの重量%
は、ガスクロマトグラフィーによって測定する。この際
のガスクロマトグラフィーの条件は、次のとおりであ
る。使用機器:株式会社島津製作所製GC−14A、使
用カラム:PEG-20M chromosorb WAW DMCS 10% 60/80 M
ESH 0.5m×3mmφ、検出器:FID、キャリアーガス:
He、というものである。また、粘結剤組成物中におけ
る仕込フルフリルアルコールの重量%の測定方法は、次
のとおりである。臭化カリウム、臭素酸カリウム、及び
塩酸の反応により粘結剤組成物中のフルフリルアルコー
ルに対して、過剰量の臭素を生成させ、その臭素をフル
フリルアルコールの二重結合に付加させ、その後、系中
に残存する余剰臭素に過剰のヨウ化カリウムを加え、ヨ
ウ素と臭化カリウムとを生成させ、生成したヨウ素をチ
オ硫酸ナトリウムで滴定することにより、粘結剤組成物
中の仕込フルフリルアルコールの重量%を測定する。な
お、この仕込フルフリルアルコールの測定法において、
検出される分子中に二重結合を有する芳香族,脂肪族化
合物については、別途、他の測定法にて測定し、上記粘
結剤組成物中の仕込フルフリルアルコールの重量%を算
出する。
【0010】本発明に係る粘結剤組成物中の水分量は、
6.0重量%以下であることが必要である。特に、水分
量は4.0重量%以下であるのが好ましく、2.0重量
%以下であるのが最も好ましい。粘結剤組成物は脱水縮
合反応によって硬化してゆくため、水分量が6.0重量
%を超えると、脱水縮合反応の進行が阻害され、粘結剤
組成物の硬化速度が遅くなり、鋳型の初期強度が低下す
るので好ましくない。従って、硬化速度の点から言う
と、水分量は少なければ少ないほど好ましいのである
が、水分量が少なすぎると粘結剤組成物の粘度が極端に
上昇する場合があり、取り扱いにくくなる場合がある。
従って、このような場合には、若干量の水分(即ち6.
0重量%以下)を粘結剤組成物中に含有させておくのが
好ましい。粘結剤組成物中の水分量を調整するには、得
られた粘結剤組成物に水を後添加してもよいし、また粘
結剤組成物を製造する際に生じる縮合水を利用し、水分
量が多い場合は減圧脱水等の手段で除去し、水分量が少
ない場合は水を後添加してもよい。なお、粘結剤組成物
の水分量(重量%)は、カールフィッシャー法により測
定した。
【0011】また、粘結剤組成物中の尿素等に由来する
窒素原子含量は、0.5〜4.0重量%であることが必
要である。特に、窒素原子含量は0.5〜3.0重量%
であるのが好ましく、0.5〜2.0重量%であるのが
最も好ましい。窒素原子含量が0.5重量%未満である
と、尿素の使用量が少なすぎて、得られる鋳型の強度が
十分に向上しないので好ましくない。逆に、窒素原子含
量が4.0重量%を超えると、注湯時において窒素原子
がガスとなって発生し、得られる鋳物にピンホール等の
鋳物欠陥が発生しやすくなるので好ましくない。ここ
で、窒素原子の多くは尿素に由来するものであるが、粘
結剤組成物を得る際に、尿素以外の他の含窒素原子化合
物を併用した場合であっても、窒素原子含量は粘結剤組
成物中において0.5〜4.0重量%に調整する必要が
ある。なお、窒素原子含量(重量%)は、ケルダール法
により測定した。
【0012】本発明に係る粘結剤組成物は、フルフリル
アルコール,尿素及びアルデヒド類を主成分とするもの
を重縮合して得られるものであるが、これらの主成分以
外に従来公知の種々の変性剤の少なくとも1種又は2種
以上を混合併用してもよい。従来公知の種々の変性剤と
しては、フェノール樹脂,メラミン樹脂,クマロン・イ
ンデン樹脂,石油樹脂,ポリエステル,アルキッド樹
脂,ポリビニルアルコール,エポキシ樹脂,エチレン・
ビニルアセテート,ポリビニルアセテート,ポリブタジ
エン,ポリエーテル,ポリエチレンイミン,ポリ塩化ビ
ニル,ポリアクリル酸エステル,ポリビニルブチラー
ル,フェノキシ樹脂,酢酸セルロース,キシレン樹脂,
トルエン樹脂,ポリアミド,スチレン樹脂,ポリビニル
ホルマール,アクリル樹脂,ウレタン樹脂,ナイロン等
のポリマー及びオリゴマー、リグニン,リグニンスルホ
ン酸,ロジン,エステルガム,植物油,ビチューメン,
重油,カシューナット殻液,バニリン等の天然物、デン
プン,コーンスターチ,グルコース,デキストリン等の
糖類若しくはその誘導体、レゾルシン,レゾルシン残
渣,クレゾール残渣,2,2,4−トリメチル−4(ヒ
ドロキシフェニル)クマロンとイソプロペニルフェノー
ルの反応副生物,テレフタル酸とエチレングリコールの
反応副生物,ポリエチレングリコール等の多価アルコー
ル、アセトン,シクロヘキサノン,アセトフェノン等の
ケトン類、このケトン類とアルデヒド類との縮合物、ジ
シアンジアミド,アクリルアミド,チオ尿素等のアミノ
若しくはイミノ化合物、このアミノ若しくはイミノ化合
物とアルデヒド類との縮合物、イソシアヌル酸エステ
ル,不飽和脂肪酸エステル等のエステル化合物等を用い
ることができる。これらの変性剤を上記した主成分と共
に併用する場合には、全重量に対して20重量%以下で
あるのが好ましい。
【0013】本発明に係る粘結剤組成物を用いて鋳型を
製造する場合、この粘結剤組成物を硬化させるための硬
化剤としては、従来公知の任意の硬化剤を使用すること
ができる。特に、硬化剤として好ましいのは、特開平5
−237587号公報に記載した燐酸系化合物とスルホ
ン酸系化合物とを特定の割合で配合した硬化剤組成物で
ある。即ち、燐酸系化合物に由来する燐原子重量(燐原
子含量)とスルホン酸系化合物に由来する硫黄原子重量
(硫黄原子含量)とが、0.01≦[硫黄原子含量/
(燐原子含量+硫黄原子含量)]≦0.7を満足するよ
うな重量比で配合されることが好ましい。換言すれば、
硫黄原子重量は、燐原子重量の[1/99]〜[7/
3]となるように調整されることが好ましい。この範囲
を超えて硫黄原子重量が少なくなると、相対的に燐原子
重量が多くなりすぎ、即ち燐酸系化合物の量が多くなり
すぎて、耐火性粒状材料を繰り返し使用した再生砂中に
燐原子が多量に蓄積しやすくなり、ピンホール等の鋳造
欠陥が生じやすくなる傾向が生じる。また、再生砂に蓄
積した燐による吸湿が激しく、鋳型製造用粘結剤組成物
の硬化を阻害しやすくなる傾向が生じる。逆に、この範
囲を超えて硫黄原子重量が多くなると、即ちスルホン酸
系化合物の量が所定の範囲を超えて多くなると、注湯時
に有害な分解生成物を放出しやすくなり、作業環境が悪
化する傾向が生じる。特に、燐原子重量と硫黄原子重量
との重量比は0.03≦[硫黄原子含量/(燐原子含量
+硫黄原子含量)]≦0.6となるようにするのが最も
好ましい。なお、硬化剤組成物中の硫黄原子含量は燃焼
中和滴定法により測定し、硬化剤組成物中の燐原子含量
はICP(誘導結合プラズマ発光分析装置)にて測定し
た。
【0014】硬化剤組成物を得る際に使用する燐酸系化
合物としては、燐酸、縮合燐酸、メチル燐酸やエチル燐
酸等の燐酸エステル、燐酸カリウムや燐酸水素カリウム
等の燐酸塩等が用いられる。また、スルホン酸系化合物
としては、メタンスルホン酸やエタンスルホン酸等の脂
肪族スルホン酸、ベンゼンスルホン酸,トルエンスルホ
ン酸,キシレンスルホン酸,フェノールスルホン酸等の
芳香族スルホン酸、硫酸等の無機酸等が用いられる。
【0015】上記した粘結剤組成物と、硬化剤或いは上
記した硬化剤組成物とを耐火性粒状材料に混練して混練
砂(鋳型製造用砂組成物)を得る。耐火性粒状材料とし
ては、石英質を主成分とする珪砂,クロマイト砂,ジル
コン砂,オリビン砂,アルミナ砂,ムライト砂,合成ム
ライト砂等の新砂又は再生砂等の従来公知のものを用い
ることができる。再生砂としては、通常の機械的磨耗
式、或いは焙焼式で得られるものを使用するが、磨耗式
で再生されたものの方が収率も高く、経済的に優れ、一
般的であり好ましい。
【0016】また、混練砂(鋳型製造用砂組成物)を得
る際に、粘結剤組成物及び硬化剤又は硬化剤組成物の他
に、得られる鋳型強度をより向上させる目的で、シラン
カップリング剤を添加してもよい。シランカップリング
剤としては、例えばγ−(2−アミノ)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン,γ-アミノプロピルトリメト
キシシラン,γ-アミノプロピルトリエトキシシラン,
γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げ
られる。また、シランカップリング剤は、予め粘結剤組
成物中に含有させておいて使用してもよい。
【0017】このようにして得られた鋳型製造用砂組成
物を用いて、一般的に自硬性鋳型製造法で鋳型を製造す
ることができる。即ち、鋳型製造用砂組成物を所定の型
に充填し、配合混練されている鋳型製造用粘結剤組成物
を、硬化剤或いは硬化剤組成物の作用によって硬化さ
せ、鋳型を得ることができる。本発明に係る鋳型製造用
粘結剤組成物を使用すると、硬化速度が比較的速く、鋳
型製造用砂組成物を型に充填した後、30分〜1時間程
度経過後に充分脱型可能であり、この鋳型に注湯するこ
とによって、高品質の鋳物を良好な環境のもとで製造す
ることができる。なお、混練,鋳型の製造,硬化温度等
は、特に加熱や冷却の必要はなく、雰囲気温度で行って
差し支えない。
【0018】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでは
ない。なお、実施例及び比較例中の%は重量%を示す。 [実施例1〜12及び比較例1〜6]フルフリルアルコ
ール,尿素及びホルムアルデヒドを、塩基性条件下所定
時間反応させ、その後酸性条件下更に反応させ、必要に
応じて脱水を行い、重縮合して鋳型製造用粘結剤組成物
を得た。この際、この粘結剤組成物中の仕込フルフリル
アルコール重量%(A)と未反応フルフリルアルコール
重量%(B)の差[A−B]が30.0となるように調
製して、重縮合を行った。また、粘結剤組成物中の水分
量及び窒素原子含量は、表1に示すように、種々(18
種類)のものを調製した。一方、硬化剤組成物として、
トルエンスルホン酸70%水溶液と85%燐酸とを等量
混合したもの、即ち硬化剤組成物中の[硫黄原子含量/
(燐原子含量+硫黄原子含量)]が0.326のものを
調製した。
【0019】そして、耐火性粒状材料として掛津浮選5
号珪砂100重量部に対して、前記した粘結剤組成物1
重量部と前記した硬化剤組成物0.45重量部を添加混
練して鋳型製造用砂組成物を得た。その後直ちに、この
鋳型製造用砂組成物を、50mmφ×50mmhのテストピ
ース枠に充填し、25℃で自硬性鋳型造型法によってテ
スト鋳型を得た。そしてこの際、1時間及び24時間経
過したときのテスト鋳型の圧縮強度をJIS Z 2604-1976
に記載された方法で測定した。その結果を表1に示し
た。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果より明らかなとおり、粘結剤組
成物中の水分量を6.0重量%から徐々に減少させてゆ
くと、各々の鋳型の強度も徐々に高くなることが分か
る。また、窒素原子含量を4.0重量%から徐々に低下
させてゆくと、各々の鋳型の強度も徐々に高くなること
が分かる。この際、窒素原子含量が1.0〜2.0重量
%付近で鋳型強度が最大値となり、更に窒素原子含量を
低下させてゆくと、各々の鋳型の強度は徐々に低下し、
0.5重量%未満にすると、各々の鋳型の強度が低くな
ることが分かる。一方、窒素原子含量が4.0重量%を
超えた場合も、各々の鋳型の強度が低くなることが分か
る。
【0022】[実施例13〜20]硬化剤組成物として
表2に示したものを準備した。なお、表2に示した成分
以外は水分である。一方、水分量を0.3重量%とし、
窒素原子含量を2.5重量%とした他は、実施例1で使
用した粘結剤組成物と同様の粘結剤組成物を準備した。
そして、珪砂100重量部に対して、硬化剤組成物0.
33重量部を添加混合し、次いで粘結剤組成物0.65
重量部を添加混練し、鋳型製造用砂組成物を得た。この
砂組成物を用いて鋳型を作成し、鋳型/熔湯の重量比が
2.5の鋳物を鋳造した後、この鋳型をばらして回収し
た砂をクラッシャーにかけ、日本鋳造株式会社製M型ロ
ータリーリクレーマーを用いて再生砂を得た。
【0023】
【表2】
【0024】この再生砂95重量部と新砂5重量部を混
合した後、これに上記と同様の割合で前記硬化剤組成物
及び前記粘結剤組成物を添加混練して、鋳型の製造,鋳
造,砂回収,砂再生のサイクルを20回繰り返し、この
20回目の再生砂を使用して、上記と同様の割合で前記
硬化剤組成物及び前記粘結剤組成物を添加混練して鋳型
を成型した。そして、型枠充填した後、0.5時間,1
時間,及び24時間経過した時の鋳型の圧縮強度を測定
した。また、再生砂の吸湿性は20回目の再生砂を25
℃で90%RHの環境に24時間放置後、再生砂の吸湿
性を測定した。更に、20回目の鋳造時にSO2発生量
の測定を次の苛酷な条件下で行った。即ち、鋳型/熔湯
の重量比が2.5の鋳物を製造するための大きさが62
0mm×770mm×530mmhの鋳型への熔湯の充填が終
了した後、直ちに大きさが900mm×900mm×900
mmhの木箱で上記鋳型を覆い、鋳込みが終了した5分後
に上記木箱上部より検知管にてSO2の測定を行った。
以上の結果を表3に示した。
【0025】
【表3】
【0026】表2及び表3の結果から明らかなように、
硬化剤組成物中の[硫黄原子含量/(燐原子含量+硫黄
原子含量)]の値が0.01未満になると、再生砂の吸
湿量が高く、圧縮強度が低くなることが分かる。また、
[硫黄原子含量/(燐原子含量+硫黄原子含量)]の値
が0.7を超えると、作業環境が極めて悪化することが
分かる。一方、実施例13〜18の硬化剤組成物を使用
した場合には、再生砂の吸湿の影響が少なく、圧縮強度
も高く、また作業環境も良好であることが分かる。
【0027】[実施例21〜30及び比較例7〜9]フ
ルフリルアルコール,尿素及びホルムアルデヒドを重縮
合して得られた鋳型製造用粘結剤組成物中の、水分量が
0.8重量%、窒素原子含量が1.8重量%で、仕込フ
ルフリルアルコール重量%(A)と未反応フルフリルア
ルコール重量%(B)の差[A−B]が表4に示したと
おりである粘結剤組成物を準備した。そして、この粘結
剤組成物を用いる他は、実施例1と同様にしてテスト鋳
型を製造した。そして、この鋳型の1時間経過後及び2
4時間経過後の圧縮強度を測定し、表4に示した。
【0028】
【表4】
【0029】表4の結果から明らかなように、鋳型製造
用粘結剤組成物中の仕込フルフリルアルコール重量%
(A)と未反応フルフリルアルコール重量%(B)の
差、即ち[A−B]の値が5.0〜60.0の範囲で1
時間経過後の鋳型の強度が高くなり、また24時間経過
後の鋳型の強度も高くなることが分かる。そして、[A
−B]の値を5.0から徐々に増加させてゆくと、各々
の鋳型の強度も徐々に高くなることが分かる。この際、
[A−B]が15.0から40.0付近で最大値とな
り、更に[A−B]を増加させてゆくと、各々の鋳型の
強度は徐々に低下し、60.0を超えると鋳型の強度は
低くなることが分かる。また、[A−B]が5.0未満
の場合も鋳型強度は低くなることが分かる。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る鋳型製造用粘結剤組成物
は、フルフリルアルコール,尿素及びアルデヒド類を主
成分として重縮合したものであり、フルフリルアルコー
ルの重縮合度を、仕込フルフリルアルコール重量%と未
反応フルフリルアルコール重量%の差で一定の範囲に調
整したものである。また、粘結剤組成物中の水分量及び
窒素原子含量を一定の範囲に調整したものである。この
ような粘結剤組成物を使用して鋳型を製造すると、粘結
剤の硬化速度が向上し、初期強度の高い鋳型を得ること
ができる。従って、自硬性鋳型製造法を採用し、本発明
に係る粘結剤組成物を使用して鋳型を製造すると、早期
に型枠から鋳型を脱型でき、型枠の有効利用が図れると
いう効果を奏する。
【0031】また、本発明に係る鋳型製造用粘結剤組成
物と、硫黄原子含量と燐原子含量が一定の範囲に調整さ
れた硬化剤組成物とを併用すれば、再生砂を多量に使用
して鋳型を製造しても、SO2等の有毒ガスの発生が少
なく、且つ初期強度は勿論のこと最終的にも高強度の鋳
型を得ることができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−371344(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 1/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルフリルアルコール,尿素及びアルデ
    ヒド類を主成分として重縮合して得られる鋳型製造用粘
    結剤組成物であって、該粘結剤組成物中の仕込フルフリ
    ルアルコール重量%(A)と未反応フルフリルアルコー
    ル重量%(B)の差[A−B]が5.0〜60.0であ
    ると共に水分量が6.0重量%以下であり、且つ窒素原
    子含量が0.5〜4.0重量%であることを特徴とする
    鋳型製造用粘結剤組成物。
  2. 【請求項2】 [A−B]が15.0〜40.0である
    請求項1記載の鋳型製造用粘結剤組成物。
  3. 【請求項3】 水分量が4.0重量%以下である請求項
    1又は2記載の鋳型製造用粘結剤組成物。
  4. 【請求項4】 窒素原子含量が0.5〜3.0重量%で
    ある請求項1及至3のいずれか一項に記載の鋳型製造用
    粘結剤組成物。
  5. 【請求項5】 アルデヒド類がホルムアルデヒドである
    請求項1及至4のいずれか一項に記載の鋳型製造用粘結
    剤組成物。
  6. 【請求項6】 [硫黄原子含量/(燐原子含量+硫黄原
    子含量)]で示される燐原子と硫黄原子との重量割合が
    0.01〜0.7である鋳型製造用硬化剤組成物と、請
    求項1及至5のいずれか一項に記載の鋳型製造用粘結剤
    組成物との組み合わせからなることを特徴とする鋳型製
    造用粘結剤−硬化剤組成物。
  7. 【請求項7】 [硫黄原子含量/(燐原子含量+硫黄原
    子含量)]で示される燐原子と硫黄原子との重量割合が
    0.03〜0.6である鋳型製造用硬化剤組成物を用い
    る請求項6記載の鋳型製造用粘結剤−硬化剤組成物。
  8. 【請求項8】 耐火性粒状材料と請求項1及至5のいず
    れか一項に記載の鋳型製造用粘結剤組成物とを含有する
    ことを特徴とする鋳型製造用砂組成物。
  9. 【請求項9】 耐火性粒状材料と請求項6又は7記載の
    鋳型製造用粘結剤−硬化剤組成物とを含有することを特
    徴とする鋳型製造用砂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9記載の鋳型製造用砂組成
    物を所定の型に充填して、該鋳型製造用砂組成物中に含
    有されている鋳型製造用粘結剤組成物を硬化させること
    を特徴とする鋳型の製造方法。
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