JP2011224639A - 鋳型用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造時の臭気を低減できる上、鋳型の最終強度を向上させることができる鋳型用組成物、及びこれを用いた鋳型の製造方法を提供する。
【解決手段】耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する粘結剤と、硬化剤とを混合してなる鋳型用組成物であって、前記粘結剤が、塩化カルシウム0.5〜5.0重量%を含有し、前記硬化剤が、リン酸系化合物25〜60重量%と、有機スルホン酸系化合物5〜20重量%とを含有し、前記硬化剤において、リン酸系化合物と有機スルホン系化合物の重量比(リン酸系化合物/有機スルホン酸系化合物)が、1.0〜12.0である、鋳型用組成物とする。
【選択図】なし
【解決手段】耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する粘結剤と、硬化剤とを混合してなる鋳型用組成物であって、前記粘結剤が、塩化カルシウム0.5〜5.0重量%を含有し、前記硬化剤が、リン酸系化合物25〜60重量%と、有機スルホン酸系化合物5〜20重量%とを含有し、前記硬化剤において、リン酸系化合物と有機スルホン系化合物の重量比(リン酸系化合物/有機スルホン酸系化合物)が、1.0〜12.0である、鋳型用組成物とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する粘結剤と、硬化剤とを混合してなる鋳型用組成物、及びこれを用いた鋳型の製造方法に関する。
酸硬化性自硬性鋳型は、ケイ砂等の耐火性粒子に、酸硬化性樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤と、有機スルホン酸、硫酸、リン酸等を含有する硬化剤とを添加し、これらを混練した後、得られた混練砂を木型等の原型に充填し、酸硬化性樹脂を硬化させて製造される。酸硬化性樹脂には、フラン樹脂やフェノール樹脂等が用いられており、フラン樹脂には、フルフリルアルコール、フルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、その他公知の変性フラン樹脂等が用いられている。得られた鋳型は、機械鋳物部品や建設機械部品あるいは自動車用部品等の鋳物を鋳造する際に使用される。
前記した鋳型の造型、あるいは鋳型を用いて所望の鋳物を鋳造する上で、重要な項目として鋳型の最終強度の向上が挙げられる。鋳型の最終強度については、大型の鋳型を生産する場合に特に必要となり、強度が不足すると、鋳型が割れたり、鋳造時の中子割れが発生したりして、作業者に危険が及んだり、得られる鋳物が不良品になる恐れがある。
また、もう一つの重要な項目として、鋳造時の臭気改善が挙げられる。鋳造時の臭気については、主に、硬化剤成分に由来する二酸化硫黄ガスが挙げられ、鋳物工場の作業環境を改善するためには、極力、二酸化硫黄ガスの発生量を低減する必要がある。
通常、鋳型製造時の硬化剤としては、キシレンスルホン酸などの有機スルホン酸系化合物、リン酸系化合物、硫酸などを1種又は2種以上混合したものが使用される。臭気低減には、リン酸系化合物の配合量を多くすることが効果的であるが、その場合、鋳型の最終強度が低下する課題がある。
特許文献1には、鋳型の初期強度を向上させるために、酸硬化性樹脂と金属の塩化物とを含む鋳型造型用粘結剤が提案されている。また、特許文献2には、鋳型の硬化時間が長い場合においても良好な鋳型強度を発現させるために、人工ムライト質鋳物砂と、酸硬化性フラン樹脂からなる結合剤と、リン酸及び有機スルホン酸を必須成分とする硬化剤とからなる鋳型成型用組成物が提案されている。また、特許文献3では、鋳型の初期強度を向上させるために、アルカリ土類金属及び亜鉛族金属の塩化物を鋳物砂に添加した鋳型砂が提案されている。
しかしながら、特許文献1の粘結剤では、鋳造時の臭気を低減するのは困難であることが本発明者らの検討により判明した。また、特許文献2及び3の鋳型成型用組成物(鋳型砂)では、鋳型の最終強度を向上させるのは困難であることが本発明者らの検討により判明した。
本発明は、鋳造時の臭気を低減できる上、鋳型の最終強度を向上させることができる鋳型用組成物、及びこれを用いた鋳型の製造方法を提供する。
本発明の鋳型用組成物は、耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する粘結剤と、硬化剤とを混合してなる鋳型用組成物であって、前記粘結剤が、塩化カルシウム0.5〜5.0重量%を含有し、前記硬化剤が、リン酸系化合物25〜60重量%と、有機スルホン酸系化合物5〜20重量%とを含有し、前記硬化剤において、リン酸系化合物と有機スルホン系化合物の重量比(リン酸系化合物/有機スルホン酸系化合物)が、1.0〜12.0である、鋳型用組成物である。
本発明の鋳型の製造方法は、前記本発明の鋳型用組成物を鋳型製造用の型に充填して、前記鋳型用組成物を硬化させる、鋳型の製造方法である。
本発明の鋳型用組成物、及び鋳型の製造方法によれば、鋳造時の臭気を低減できる上、鋳型の最終強度を向上させることができる。
本発明の鋳型用組成物は、耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する粘結剤と、硬化剤とを混合してなる鋳型用組成物を対象とする。以下、本発明の鋳型用組成物に含有される成分について説明する。
[耐火性粒子]
耐火性粒子としては、ケイ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収したものや再生処理したものなども使用できる。
耐火性粒子としては、ケイ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収したものや再生処理したものなども使用できる。
[粘結剤]
<フラン樹脂>
粘結剤に含有されるフラン樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素の縮合物、フルフリルアルコールとフェノール類とアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールとメラミンとアルデヒド類の縮合物、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種や、これらの群から選ばれる2種以上の混合物が使用できる。また、これらの群から選ばれる2種以上からなる共縮合物も使用できる。該共縮合物としては、フルフリルアルコールと尿素の縮合物及びフルフリルアルコールとフェノール類とアルデヒド類の縮合物からなる共縮合物等が挙げられる。フルフリルアルコールは、非石油資源である植物から製造できるため、地球環境の観点からも、前記列挙したフラン樹脂を使用することが好ましい。コストの観点、及び鋳型強度の観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物を使用するのが好ましく、フルフリルアルコール、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物を使用するのがより好ましい。該アルデヒド類としてはホルムアルデヒドを使用するのがより好ましい。
<フラン樹脂>
粘結剤に含有されるフラン樹脂としては、公知のものが使用でき、例えば、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素の縮合物、フルフリルアルコールとフェノール類とアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールとメラミンとアルデヒド類の縮合物、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種や、これらの群から選ばれる2種以上の混合物が使用できる。また、これらの群から選ばれる2種以上からなる共縮合物も使用できる。該共縮合物としては、フルフリルアルコールと尿素の縮合物及びフルフリルアルコールとフェノール類とアルデヒド類の縮合物からなる共縮合物等が挙げられる。フルフリルアルコールは、非石油資源である植物から製造できるため、地球環境の観点からも、前記列挙したフラン樹脂を使用することが好ましい。コストの観点、及び鋳型強度の観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物を使用するのが好ましく、フルフリルアルコール、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物を使用するのがより好ましい。該アルデヒド類としてはホルムアルデヒドを使用するのがより好ましい。
前記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、フルフラール、テレフタルアルデヒド等が挙げられ、これらのうち1種以上を適宜使用できる。鋳型強度を向上させる観点からは、ホルムアルデヒドを用いるのが好ましく、造型時のホルムアルデヒド発生量を低減させる観点からは、フルフラールやテレフタルアルデヒドを用いるのが好ましい。
前記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールFなどが挙げられ、これらのうち1種以上を使用できる。
フラン樹脂の具体例として、花王クエーカー社製 カオーライトナーEF−5501(フルフリルアルコールと尿素とホルムアルデヒドの縮合物のフルフリルアルコール溶液にシランカップリング剤を含有させたフラン樹脂)等の市販品が挙げられる。
粘結剤中のフラン樹脂の含有量は、鋳型強度を十分に発現する観点から、好ましくは55〜99.5重量%であり、より好ましくは60〜90重量%であり、更に好ましくは65〜85重量%である。本発明で使用されるフラン樹脂には縮合していないフルフリルアルコールである遊離フルフリルアルコールが含まれてもよいが、該フラン樹脂中の該遊離フルフリルアルコールの好ましい含有量は、硬化速度の向上、粘度低減及びコスト低減の観点から50〜90重量%が好ましく、55〜85重量%がより好ましく、60〜80重量%が更に好ましい。
<塩化カルシウム>
本発明で使用される粘結剤には、鋳造時における臭気を抑制し、かつ鋳型の最終強度を向上させるために、塩化カルシウムが含有される。塩化カルシウムとしては、特に限定されないが、例えば、塩化カルシウム2水和物(和光純薬社製試薬・特級)等の市販品を使用できる。
本発明で使用される粘結剤には、鋳造時における臭気を抑制し、かつ鋳型の最終強度を向上させるために、塩化カルシウムが含有される。塩化カルシウムとしては、特に限定されないが、例えば、塩化カルシウム2水和物(和光純薬社製試薬・特級)等の市販品を使用できる。
塩化カルシウムの添加方法としては、特に限定されず、フラン樹脂合成時に添加しても良く、フラン樹脂合成後に添加しても良い。なお、フラン樹脂の合成工程において、塩化カルシウムの存在下で縮合反応を行う場合、その他の縮合反応の条件については従来公知の方法を採用できる。
粘結剤中の塩化カルシウムの含有量は、フラン樹脂への溶解性の観点、及び鋳造時における二酸化硫黄ガスの発生を抑制する観点から、0.5〜5.0重量%であり、1.0〜5.0重量%が好ましく、3.0〜5.0重量%がより好ましい。鋳造時における塩化水素ガスの発生を抑制する観点から、0.5〜5.0重量%であり、0.5〜3.0重量%が好ましく、0.5〜1.0重量%がより好ましい。総合的な臭気評価に値する官能的な臭気を改善する観点から、0.5〜5.0重量%であり、1.0〜5.0重量%が好ましく、1.0〜3.0重量%がより好ましい。鋳型の最終強度向上の観点から、0.5〜5.0重量%であり、1.0〜5.0重量%が好ましく、2.0〜4.0重量%がより好ましい。
<硬化促進剤>
本発明で使用される粘結剤(又は本発明の鋳型用組成物)には、鋳型強度を向上させる観点から、硬化促進剤が含まれていてもよい。硬化促進剤としては、鋳型強度を向上させる観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、フェノール誘導体、芳香族ジアルデヒド、及びタンニン系化合物からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。なお、硬化促進剤は、フラン樹脂の一成分として含有されてもよい。
本発明で使用される粘結剤(又は本発明の鋳型用組成物)には、鋳型強度を向上させる観点から、硬化促進剤が含まれていてもよい。硬化促進剤としては、鋳型強度を向上させる観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、フェノール誘導体、芳香族ジアルデヒド、及びタンニン系化合物からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。なお、硬化促進剤は、フラン樹脂の一成分として含有されてもよい。
硬化促進剤(1)としては、2,5−ビスヒドロキシメチルフラン、2,5−ビスメトキシメチルフラン、2,5−ビスエトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられる。中でも、鋳型強度を向上させる観点から、2,5−ビスヒドロキシメチルフランを使用するのが好ましい。粘結剤中の硬化促進剤(1)の含有量は、硬化促進剤(1)のフラン樹脂への溶解性の観点及び鋳型強度を向上させる観点から、0.5〜63重量%であることが好ましく、1.8〜50重量%であることがより好ましく、2.5〜50重量%であることが更に好ましく、3.0〜40重量%であることが更により好ましい。
フェノール誘導体としては、例えばレゾルシン、クレゾール、ヒドロキノン、フロログルシノール、メチレンビスフェノール等が挙げられる。なかでも、鋳型強度を向上させる観点から、レゾルシン、フロログルシノールが好ましい。粘結剤中の前記フェノール誘導体の含有量は、フェノール誘導体のフラン樹脂への溶解性の観点及び鋳型強度を向上させる観点から、1.5〜25重量%であることが好ましく、2.0〜15重量%であることがより好ましく、3.0〜10重量%であることが更に好ましい。
芳香族ジアルデヒドとしては、テレフタルアルデヒド、フタルアルデヒド及びイソフタルアルデヒド等、並びにそれらの誘導体等が挙げられる。それらの誘導体とは、基本骨格としての2つのホルミル基を有する芳香族化合物の芳香環にアルキル基等の置換基を有する化合物等を意味する。鋳型強度を向上させる観点から、テレフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドの誘導体が好ましく、テレフタルアルデヒドがより好ましい。粘結剤中の芳香族ジアルデヒドの含有量は、芳香族ジアルデヒドをフラン樹脂に十分に溶解させる観点、鋳型強度を向上させる観点、及び芳香族ジアルデヒド自体の臭気を抑制する観点から、好ましくは0.1〜15重量%であり、より好ましくは0.5〜10重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。
タンニン系化合物としては、鋳型強度を向上させる観点から、縮合タンニンや加水分解型タンニンが好ましく、地球環境の観点から、植物からの抽出物であることがより好ましい。特に、樹皮から抽出された縮合タンニンや植物の虫嬰から抽出された加水分解型タンニンが好ましい。
<水分>
本発明で使用される粘結剤には、さらに水分が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり縮合水が生成したりするため、縮合物は、通常、水分との混合物の形態で得られるが、このような縮合物を粘結剤に使用するにあたり、合成過程に由来するこれらの水分をあえて除去する必要はない。また、粘結剤を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水分をさらに添加してもよい。ただし、水分が過剰になると、フラン樹脂の硬化反応が阻害されるおそれがあるため、粘結剤中の水分含有量は0.5〜30重量%の範囲とすることが好ましく、粘結剤を扱いやすくする観点と硬化反応速度を維持する観点から1〜10重量%の範囲がより好ましく、3〜7重量%の範囲が更に好ましい。また、鋳型強度を向上させる観点から、10重量%以下とすることが好ましく、7重量%以下とすることがより好ましく、4重量%以下とすることが更に好ましい。
本発明で使用される粘結剤には、さらに水分が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり縮合水が生成したりするため、縮合物は、通常、水分との混合物の形態で得られるが、このような縮合物を粘結剤に使用するにあたり、合成過程に由来するこれらの水分をあえて除去する必要はない。また、粘結剤を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水分をさらに添加してもよい。ただし、水分が過剰になると、フラン樹脂の硬化反応が阻害されるおそれがあるため、粘結剤中の水分含有量は0.5〜30重量%の範囲とすることが好ましく、粘結剤を扱いやすくする観点と硬化反応速度を維持する観点から1〜10重量%の範囲がより好ましく、3〜7重量%の範囲が更に好ましい。また、鋳型強度を向上させる観点から、10重量%以下とすることが好ましく、7重量%以下とすることがより好ましく、4重量%以下とすることが更に好ましい。
<その他の添加剤>
また、本発明で使用される粘結剤には、さらにシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。例えばシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の強度を向上させることができるため好ましい。シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−α−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。好ましくは、アミノシラン、エポキシシラン、ウレイドシランである。シランカップリング剤の粘結剤中の含有量は、鋳型強度の観点から、0.01〜0.5重量%であることが好ましく、0.05〜0.3重量%であることがより好ましい。なお、シランカップリング剤は、フラン樹脂の一成分として含有されてもよい。
また、本発明で使用される粘結剤には、さらにシランカップリング剤等の添加剤が含まれていてもよい。例えばシランカップリング剤が含まれていると、得られる鋳型の強度を向上させることができるため好ましい。シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−α−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランや、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。好ましくは、アミノシラン、エポキシシラン、ウレイドシランである。シランカップリング剤の粘結剤中の含有量は、鋳型強度の観点から、0.01〜0.5重量%であることが好ましく、0.05〜0.3重量%であることがより好ましい。なお、シランカップリング剤は、フラン樹脂の一成分として含有されてもよい。
[硬化剤]
本発明で使用される硬化剤は、前記粘結剤を硬化させる硬化剤であり、鋳造時の臭気を低減し、かつ鋳型の最終強度を向上させるために、リン酸系化合物及び有機スルホン酸系化合物を含有する。
本発明で使用される硬化剤は、前記粘結剤を硬化させる硬化剤であり、鋳造時の臭気を低減し、かつ鋳型の最終強度を向上させるために、リン酸系化合物及び有機スルホン酸系化合物を含有する。
<リン酸系化合物>
リン酸系化合物としては、五酸化二リンが水和してできる酸が挙げられ、具体的にはメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、リン酸、二リン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。鋳造時の臭気(特に二酸化硫黄ガス)を低減する観点、及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、リン酸が好ましい。
リン酸系化合物としては、五酸化二リンが水和してできる酸が挙げられ、具体的にはメタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、リン酸、二リン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。鋳造時の臭気(特に二酸化硫黄ガス)を低減する観点、及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、リン酸が好ましい。
硬化剤中のリン酸系化合物の含有量は、鋳造時の臭気(特に二酸化硫黄ガス)を低減する観点、及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、25〜60重量%であり、30〜55重量%であることが好ましく、35〜50重量%であることがより好ましい。
<有機スルホン酸系化合物>
有機スルホン酸系化合物としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等のアルカン又はアリールスルホン酸、フェノールスルホン酸などが挙げられるが、鋳型の最終強度を向上させる観点、及びコストの観点から、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
有機スルホン酸系化合物としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸等のアルカン又はアリールスルホン酸、フェノールスルホン酸などが挙げられるが、鋳型の最終強度を向上させる観点、及びコストの観点から、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、及びメタンスルホン酸からなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
有機スルホン酸系化合物は、製造時に生成する異性体を含んでいてもよい。例えば、キシレンスルホン酸を例に挙げると、m−キシレン−4−スルホン酸、m−キシレン−2−スルホン酸、o−キシレン−4−スルホン酸、o−キシレン−2−スルホン酸、p−キシレン−2−スルホン酸や、不純物としてm−キシレン−2,4−ジスルホン酸、m−キシレン−2,6−ジスルホン酸などのジスルホン酸などが含まれていても良い。これらスルホン酸の種類はNMR分析により同定することができる。
硬化剤中の有機スルホン酸系化合物の含有量は、鋳型の最終強度を向上させる観点から、5〜20重量%であり、7〜20重量%であることが好ましく、10〜20重量%であることがより好ましい。
本発明で使用される硬化剤において、鋳造時の臭気(特に二酸化硫黄ガス)を低減する観点、及び鋳型の最終強度を向上させる観点から、リン酸系化合物と有機スルホン系化合物の重量比(リン酸系化合物/有機スルホン酸系化合物)は、1.0〜12.0であり、3.0〜11.0であることが好ましく、3.0〜9.0であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明で使用される硬化剤には、リン酸系化合物及び有機スルホン酸系化合物以外の成分として、公知の酸性物質が含有されても良い。前記酸性物質としては、例えば、カルボン酸等の有機酸や、硝酸、硫酸等のリン酸系化合物以外の無機酸などの1種又は2種以上の混合物が例示できる。なかでも、鋳型強度向上の観点から、リン酸系化合物以外の無機酸が好ましく、硫酸がより好ましい。前記酸性物質の硬化剤中の含有量は、鋳型強度向上の観点から、5〜50重量%であることが好ましく、7〜40重量%であることがより好ましい。
本発明で使用される硬化剤には、リン酸系化合物及び有機スルホン酸系化合物以外の成分として、公知の酸性物質が含有されても良い。前記酸性物質としては、例えば、カルボン酸等の有機酸や、硝酸、硫酸等のリン酸系化合物以外の無機酸などの1種又は2種以上の混合物が例示できる。なかでも、鋳型強度向上の観点から、リン酸系化合物以外の無機酸が好ましく、硫酸がより好ましい。前記酸性物質の硬化剤中の含有量は、鋳型強度向上の観点から、5〜50重量%であることが好ましく、7〜40重量%であることがより好ましい。
更に、硬化剤には、アルコール類、エーテルアルコール類及びエステル類よりなる群から選ばれる1種以上の溶剤や、カルボン酸類を含有させることができる。これらの中でも、鋳型強度の向上の観点から、アルコール類、エーテルアルコール類が好ましく、エーテルアルコール類がより好ましい。また、前記溶剤やカルボン酸類を含有させると、硬化剤中の水分量が低減されるため、鋳型強度が更に向上する。前記溶剤や前記カルボン酸類の硬化剤中の含有量は、鋳型強度向上の観点から、5〜50重量%であることが好ましく、10〜40重量%であることがより好ましい。また、硬化剤の粘度を低減させる観点からは、メタノールやエタノールを含有させることが好ましい。
鋳型強度の向上を図る観点から、前記アルコール類としては、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ベンジルアルコールが好ましく、エーテルアルコール類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましく、エステル類としては、酢酸ブチル、安息香酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。カルボン酸類としては、鋳型強度向上及び臭気低減の観点から、水酸基を持つカルボン酸が好ましく、乳酸、クエン酸、リンゴ酸がより好ましい。なお、硬化剤は、上記各成分以外の残部としては、イオン交換水等の水が使用できるが、硬化剤の保存安定性及びハンドリング性を向上させる観点から、硬化剤中の水分含有量は、10〜50重量%であることが好ましく、15〜50重量%であることがより好ましく、20〜50重量%であることが更に好ましい。
本発明の鋳型用組成物における耐火性粒子と粘結剤と硬化剤との比率は適宜設定できるが、耐火性粒子100重量部に対して、粘結剤が0.5〜1.5重量部で、硬化剤が0.07〜1重量部の範囲が好ましい。このような比率であると、十分な強度の鋳型が得られやすい。更に、硬化剤の含有量は、鋳型に含まれる水分量を極力少なくする観点と、ミキサーでの混合効率の観点から、粘結剤中のフラン樹脂100重量部に対して10〜40重量部であることが好ましく、15〜35重量部であることがより好ましく、18〜25重量部であることが更に好ましい。
本発明の鋳型の製造方法は、前記本発明の鋳型用組成物(鋳物砂)を、鋳型製造用の型に充填して、前記鋳型用組成物を硬化させる鋳型の製造方法である。本発明の鋳型の製造方法では、従来の鋳型の製造方法のプロセスを利用して鋳型を製造することができる。例えば、前記粘結剤及び前記硬化剤を耐火性粒子に加え、これらをバッチミキサーや連続ミキサーなどで混練することによって鋳型用組成物(鋳物砂)を調製し、これを木型等の鋳型製造用の型に充填して、前記鋳型用組成物を硬化させることにより鋳型を得ることができる。本発明の鋳型の製造方法では、可使時間を確保する観点から、前記硬化剤を耐火性粒子に添加した後、前記粘結剤を添加することが好ましい。本発明の鋳型の製造方法では、鋳型の最終強度向上の観点から、鋳型用組成物を鋳型製造用の型に充填する際、雰囲気温度(気温)が0〜40℃であることが好ましく、より好ましくは5〜35℃、更に好ましくは10〜30℃である。また、同様の観点から、本発明の鋳型の製造方法では、鋳型用組成物を鋳型製造用の型に充填する際、相対湿度が20〜80%であることが好ましく、30〜70%がより好ましく、40〜60%が更に好ましい。また、同様の観点から、本発明の鋳型の製造方法では、鋳型用組成物を鋳型製造用の型に充填する際、鋳型用組成物の温度が5〜45℃であることが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜35℃が更に好ましい。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
<粘結剤に使用されたフラン樹脂>
フラン樹脂としては、フルフリルアルコールと尿素とホルムアルデヒドとの縮合物のフルフリルアルコール溶液にシランカップリング剤を含有させたフラン樹脂(花王クエーカー社製、カオーライトナーEF−5501、窒素含有量:1.8重量%、水分含有量:3.4重量%、粘度:17mPa・s/25℃)を使用した。なお、上記フラン樹脂中の遊離フルフリルアルコールの含有量は72重量%であり、シランカップリング剤(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)の含有量は0.1重量%であった。上記窒素含有量、水分含有量及び粘度の測定方法を以下に示す。
フラン樹脂としては、フルフリルアルコールと尿素とホルムアルデヒドとの縮合物のフルフリルアルコール溶液にシランカップリング剤を含有させたフラン樹脂(花王クエーカー社製、カオーライトナーEF−5501、窒素含有量:1.8重量%、水分含有量:3.4重量%、粘度:17mPa・s/25℃)を使用した。なお、上記フラン樹脂中の遊離フルフリルアルコールの含有量は72重量%であり、シランカップリング剤(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)の含有量は0.1重量%であった。上記窒素含有量、水分含有量及び粘度の測定方法を以下に示す。
<フラン樹脂中の窒素含有量>
フラン樹脂中の窒素含有量は、JIS K 0102に示されるケルダール法に基づいて測定を行った。
フラン樹脂中の窒素含有量は、JIS K 0102に示されるケルダール法に基づいて測定を行った。
<フラン樹脂中の水分含有量>
フラン樹脂中の水分含有量は、JIS K 2275に示されるカールフィッシャー法に基づいて測定を行った。
フラン樹脂中の水分含有量は、JIS K 2275に示されるカールフィッシャー法に基づいて測定を行った。
<フラン樹脂の粘度>
フラン樹脂の粘度は、JIS Z 8803に基づいて、E型粘度計により測定した。
フラン樹脂の粘度は、JIS Z 8803に基づいて、E型粘度計により測定した。
<実施例1〜5及び比較例1〜6の鋳型用組成物の調製>
気温25℃、相対湿度55%の条件下で、珪砂〔山川産業社製、フリーマントル新砂、砂温度:25℃〕2kgに対し、表1に示す硬化剤8.0gを添加した後、混練し、次いで表1に示す量で、上記フラン樹脂であるEF−5501と塩化カルシウム2水和物(和光純薬社製試薬・特級)を混合することにより得られた粘結剤20.0gを添加し、これらを混合して鋳型用組成物(鋳物砂)を得た。なお、使用した硬化剤において、表1に示す成分以外の残部は全て水とした。
気温25℃、相対湿度55%の条件下で、珪砂〔山川産業社製、フリーマントル新砂、砂温度:25℃〕2kgに対し、表1に示す硬化剤8.0gを添加した後、混練し、次いで表1に示す量で、上記フラン樹脂であるEF−5501と塩化カルシウム2水和物(和光純薬社製試薬・特級)を混合することにより得られた粘結剤20.0gを添加し、これらを混合して鋳型用組成物(鋳物砂)を得た。なお、使用した硬化剤において、表1に示す成分以外の残部は全て水とした。
得られた鋳型用組成物について、以下に示す評価を行った。結果を表1に示す。
<鋳型強度測定>
混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填した。気温25℃、相対湿度60%の条件下で、0.5時間及び1時間放置したサンプルについて抜型を行い、それぞれJIS Z 2604−1976に記載された方法で圧縮強度を測定し、得られた測定値をそれぞれ0.5時間後及び1時間後の鋳型強度とした。別途、混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、気温25℃、相対湿度60%の条件下で3時間放置した後、抜型を行い、更に気温25℃、相対湿度60%の条件下で、21時間放置したサンプル(放置時間の合計が24時間)について、JIS Z 2604−1976に記載された方法で圧縮強度を測定し、得られた測定値を24時間後の鋳型強度とした。なお、得られた鋳型の表面温度は、25℃であった。
混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填した。気温25℃、相対湿度60%の条件下で、0.5時間及び1時間放置したサンプルについて抜型を行い、それぞれJIS Z 2604−1976に記載された方法で圧縮強度を測定し、得られた測定値をそれぞれ0.5時間後及び1時間後の鋳型強度とした。別途、混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、気温25℃、相対湿度60%の条件下で3時間放置した後、抜型を行い、更に気温25℃、相対湿度60%の条件下で、21時間放置したサンプル(放置時間の合計が24時間)について、JIS Z 2604−1976に記載された方法で圧縮強度を測定し、得られた測定値を24時間後の鋳型強度とした。なお、得られた鋳型の表面温度は、25℃であった。
<分解ガス発生量測定>
上記24時間後の鋳型強度の評価で用いたテストピースを20メッシュ篩でばらした鋳物砂5.00gを、磁製の燃焼ボート(エムエム化学陶業社製、型式997−CB−2:幅15mm、高さ10mm、長さ90mm)に充填し、測定試料を作製した。その後、500℃に調整した環状炉(アドバンテック東京社製、TYPE 07−V9:9kW、環状炉内径60mm、長さ600mm、一方はアルミ箔遮蔽)のヒーター中央部に、前記測定試料を挿入し、下記に示す所定の測定時間中に、ガス検知器(ガステック社製、型番GV−100S)により燃焼時に発生する塩化水素ガス(検知管種類14Lを使用)と二酸化硫黄ガス(検知管種類5Lを使用)の濃度を測定した。なお、表1の塩化水素ガスの欄の「−」は、塩化水素ガスが検出されなかった場合をさす。また、ガス検知管の測定時間は、以下のとおりとした。
塩化水素ガスの場合:測定試料を挿入して0.5分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して2分経過した後から1分間で1回採取し、それぞれの測定値を合計した。
二酸化硫黄ガスの場合:測定試料を挿入して0.5分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して2分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して4分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して6分経過した後から1分間で1回採取し、それぞれの測定値を合計した。
上記24時間後の鋳型強度の評価で用いたテストピースを20メッシュ篩でばらした鋳物砂5.00gを、磁製の燃焼ボート(エムエム化学陶業社製、型式997−CB−2:幅15mm、高さ10mm、長さ90mm)に充填し、測定試料を作製した。その後、500℃に調整した環状炉(アドバンテック東京社製、TYPE 07−V9:9kW、環状炉内径60mm、長さ600mm、一方はアルミ箔遮蔽)のヒーター中央部に、前記測定試料を挿入し、下記に示す所定の測定時間中に、ガス検知器(ガステック社製、型番GV−100S)により燃焼時に発生する塩化水素ガス(検知管種類14Lを使用)と二酸化硫黄ガス(検知管種類5Lを使用)の濃度を測定した。なお、表1の塩化水素ガスの欄の「−」は、塩化水素ガスが検出されなかった場合をさす。また、ガス検知管の測定時間は、以下のとおりとした。
塩化水素ガスの場合:測定試料を挿入して0.5分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して2分経過した後から1分間で1回採取し、それぞれの測定値を合計した。
二酸化硫黄ガスの場合:測定試料を挿入して0.5分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して2分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して4分経過した後から1分間で1回採取し、測定試料を挿入して6分経過した後から1分間で1回採取し、それぞれの測定値を合計した。
<発生ガスの官能刺激臭の評価>
上記<分解ガス発生量測定>と同様に、測定試料を環状炉内のヒーター中央部に挿入し、試料を挿入して2分経過後の発生ガスを100mL採取し、ガス捕集用テトラパックに入れて、全量で1.0Lになるように新鮮な空気で10倍に希釈した。次いで、上記テトラパック内のガスについて、官能刺激臭の検査(検査員の人数は3人)を実施し、以下の基準(A〜F)で評価した。
A:3人ともに殆ど刺激臭を感じない
B:3人中、1人が僅かに刺激臭を感じる
C:3人中、2人が僅かに刺激臭を感じる
D:3人ともに僅かに刺激臭を感じる
E:3人ともに刺激臭を感じる
F:3人ともに強い刺激臭を感じる
上記<分解ガス発生量測定>と同様に、測定試料を環状炉内のヒーター中央部に挿入し、試料を挿入して2分経過後の発生ガスを100mL採取し、ガス捕集用テトラパックに入れて、全量で1.0Lになるように新鮮な空気で10倍に希釈した。次いで、上記テトラパック内のガスについて、官能刺激臭の検査(検査員の人数は3人)を実施し、以下の基準(A〜F)で評価した。
A:3人ともに殆ど刺激臭を感じない
B:3人中、1人が僅かに刺激臭を感じる
C:3人中、2人が僅かに刺激臭を感じる
D:3人ともに僅かに刺激臭を感じる
E:3人ともに刺激臭を感じる
F:3人ともに強い刺激臭を感じる
表1に示すように、実施例は、いずれも24時間後の鋳型強度が高いため、鋳型の最終強度を向上できることが確認された。また、実施例は、いずれも官能刺激臭の評価が良好であることから鋳造時の臭気を低減できることが確認された。一方、比較例は、少なくとも1つの評価項目について、実施例に比べて顕著に劣る結果であった。
Claims (4)
- 耐火性粒子と、フラン樹脂を含有する粘結剤と、硬化剤とを混合してなる鋳型用組成物であって、
前記粘結剤が、塩化カルシウム0.5〜5.0重量%を含有し、
前記硬化剤が、リン酸系化合物25〜60重量%と、有機スルホン酸系化合物5〜20重量%とを含有し、
前記硬化剤において、リン酸系化合物と有機スルホン系化合物の重量比(リン酸系化合物/有機スルホン酸系化合物)が、1.0〜12.0である、鋳型用組成物。 - 前記フラン樹脂が、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素の縮合物、フルフリルアルコールとフェノール類とアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールとメラミンとアルデヒド類の縮合物、及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種以上、又は前記群から選ばれる2種以上からなる共縮合物を含む請求項1記載の鋳型用組成物。
- 前記硬化剤が、更にリン酸系化合物以外の無機酸を含有する請求項1又は2記載の鋳型用組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項記載の鋳型用組成物を鋳型製造用の型に充填して、前記鋳型用組成物を硬化させる、鋳型の製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2014100726A (ja) * | 2012-11-20 | 2014-06-05 | Kao Corp | 鋳型造型用粘結剤組成物 |
JP2014141552A (ja) * | 2013-01-22 | 2014-08-07 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 樹脂組成物、注入剤および充填方法 |
JP2015508023A (ja) * | 2012-02-09 | 2015-03-16 | ヒユツテネス−アルベルトス ヘーミッシエ ヴエルケ ゲーエムベーハー | コールド−ボックス結合剤系およびこのような結合剤系のための添加剤として使用する混合物 |
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JP2010029905A (ja) * | 2008-07-29 | 2010-02-12 | Gun Ei Chem Ind Co Ltd | 鋳型造型用粘結剤組成物および該鋳型造型用粘結剤組成物を用いた鋳型の製造方法 |
-
2010
- 2010-04-22 JP JP2010098996A patent/JP2011224639A/ja active Pending
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