JP3114464B2 - 信号分析及び合成フィルタバンク - Google Patents

信号分析及び合成フィルタバンク

Info

Publication number
JP3114464B2
JP3114464B2 JP05283425A JP28342593A JP3114464B2 JP 3114464 B2 JP3114464 B2 JP 3114464B2 JP 05283425 A JP05283425 A JP 05283425A JP 28342593 A JP28342593 A JP 28342593A JP 3114464 B2 JP3114464 B2 JP 3114464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
equation
filter bank
signals
intermediate signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05283425A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07135448A (ja
Inventor
清隆 永井
陽 宇佐見
康志 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP05283425A priority Critical patent/JP3114464B2/ja
Publication of JPH07135448A publication Critical patent/JPH07135448A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3114464B2 publication Critical patent/JP3114464B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Transmission Systems Not Characterized By The Medium Used For Transmission (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号を等帯域幅のサブ
バンド信号に分割する信号分析フィルタバンクと、前記
サブバンド信号を合成して原信号を再生する信号合成フ
ィルタバンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、信号分析及び合成フィルタバンク
は、オーディオ信号や画像信号のサブバンド符号化によ
る高能率符号化を実現する信号分析及び合成手段として
注目されている。
【0003】従来の信号分析及び合成フィルタバンクと
しては、例えばジェイ・エッチ・ロスウェイラー(J.H.R
OTHWEILER)により1983年にボストンで開催されたア
イ・シー・エー・エス・エス・ピーの論文集(PROC. ICA
SSP 83, BOSTON)の1280頁〜1283頁に発表され
た「ポリフェーズクオドラチャーフィルタ,新しいサブ
バンド符号化技術」(POLYPHASE QUADRATURE FILTERS-A
NEW SUBBAND CODING TECHNIQUE)と題する論文(以下、
文献1と呼ぶ)や、エッチ・ジェイ・ヌスバウマー(H.
J.NUSSBAUMER)とエム・ベターリ(M.VETTERLI)により1
984年にサンディエゴで開催されたアイ・シー・エー
・エス・エス・ピーの論文集(PROC. ICASSP 84, SAN DI
EGO)の11.3.1頁〜11.3.4頁に発表された
「計算効率の高いQMFフィルタバンク」(COMPUTATION
ALLY EFFICIENT QMF FILTER BANKS)と題する論文(以
下、文献2と呼ぶ)に示されている。
【0004】以下に、従来の信号分析及び合成フィルタ
バンクについて説明する。図5は信号分析フィルタバン
クと信号合成フィルタバンクのブロック図を示すもので
ある。図5において、51は信号分析フィルタバンク、
52は信号合成フィルタバンク、Mは帯域分割数、53
(0)〜53(M-1)は分析用の帯域通過フィルタ、54(0)
〜54(M-1)は間引き器、55(0)〜55(M-1)は補間
器、56(0)〜56(M-1)は合成用の帯域通過フィルタ、
57は加算器である。
【0005】信号分析フィルタバンク51は、M個の帯
域通過フィルタ53(0)〜53(M-1)とM個の間引き器5
4(0)〜54(M-1)とから成り、信号合成フィルタバンク
52はM個の補間器55(0)〜55(M-1)とM個の帯域通
過フィルタ56(0)〜56(M-1)と加算器57とから成
る。分析用の帯域通過フィルタ53(0)〜53(M-1)と合
成用の帯域通過フィルタ56(0)〜56(M-1)は、互いに
ペアをなしている。信号分析フィルタバンク51は、サ
ンプリング周波数fsの広帯域入力信号をM個の等帯域
幅の分析用の帯域通過フィルタ53(0)〜53(M-1)によ
って帯域通過信号とし、間引き器54(0)〜54(M-1)で
M個のデータ毎に(M−1)個のデータを間引き、1個
のデータを出力することによって、サンプリング周波数
を1/Mに降下させ、サンプリング周波数fs/Mのサ
ブバンド信号に変換し、出力する。
【0006】信号合成フィルタバンク52は、信号分析
フィルタバンク51から出力されたサンプリング周波数
s/Mのサブバンド信号を入力とし、補間器55(0)〜
55(M-1)で(M−1)個の零データを挿入することに
よってサンプリング周波数をM倍に上昇し、合成用の帯
域通過フィルタ56(0)〜56(M-1)により帯域通過信号
とした後、加算器57によって合成し、サンプリング周
波数fsの広帯域信号を出力する。
【0007】オーディオ信号や画像信号のサブバンド符
号化では、信号分析フィルタバンクと信号合成フィルタ
バンクとの間でサブバンド信号の周波数方向の分布の偏
りや人間の聴覚特性あるいは視覚特性を利用して情報圧
縮を行い、高能率符号化を実現する。
【0008】文献1及び文献2より、このような信号分
析及び合成フィルタバンクは、帯域幅がfs/4Mで周
波数fにおける振幅応答H(f)が次の(数29)を満
足するプロトタイプフィルタを周波数遷移することによ
って構成することができる。
【0009】
【数29】
【0010】図6は、信号分析あるいは合成フィルタバ
ンクの周波数振幅応答を説明するための図である。図6
で、(a)は帯域幅fs/4Mのプロトタイプフィルタ
の周波数振幅応答を示す。同図で、(b)は(a)のプ
ロトタイプフィルタを周波数遷移することによって構成
したM個の帯域幅fs/2Mのフィルタから成る信号分
析あるいは合成フィルタバンクの周波数振幅応答を示
す。同図に示すように、第iサブバンド(ただし、0≦
i≦M−1)の中心周波数はfs(2i+1)/4Mで
ある。
【0011】文献2より、直線位相非巡回形のプロトタ
イプフィルタの2MP+1個(Pは正整数)のフィルタ
係数をh(l)(ただし、0≦l≦2MP)とすると
き、信号分析フィルタバンクの第iサブバンドのフィル
タ係数ha(i,l)は、(数30)で与えられる。
【0012】
【数30】
【0013】ここで、プロトタイプフィルタの最初と最
後のフィルタ係数の値を零(h(0)=h(2MP)=
0)とすることによって、最初の値が零で2MP個のフ
ィルタ係数を有するプロトタイプフィルタが得られる。
以下、このプロトタイプフィルタを用いた信号分析及び
合成フィルタバンクについて説明する。
【0014】(数30)より、信号分析フィルタバンク
のサンプル時刻nにおける広帯域入力信号をx(n)と
すれば第iサブバンドのサンプル時刻Mmにおけるサブ
バンド出力信号y(i,Mm)(ただし、0≦i≦M−
1)は(数31)で与えられる。
【0015】
【数31】
【0016】(数31)を直接計算すると計算量が多く
なるので、従来、以下のような計算量を削減した信号分
析フィルタバンクが用いられてきた。
【0017】図7は従来の信号分析フィルタバンクの回
路網である。図7で、71は第1の演算部、72は第2
の演算部である。図7でz-1と書かれた四角はサンプリ
ング周期に等しい単位時間の遅れを与える遅延素子であ
る。また、+記号のついた丸はすべての入力(丸に向か
っている矢印)の和をとって一つの出力を出す加算器で
あり、信号経路に沿って係数の書かれた矢印はその係数
による乗算器を表す。図7ではMを4、Pを2とした場
合を示したが、以下の説明は、一般的なM及びPとして
行う。
【0018】第1の演算部71では、広帯域信号x
(n)が入力されると、(数32)で表される計算を行
うことにより、2M個の第1の中間信号w(k)(ただ
し、0≦k≦2M−1)を算出する。
【0019】
【数32】
【0020】次に、第2の演算部72では、第1の演算
部71で算出された第1の中間信号w(k)を用いて
(数33)で表される計算を行うことによってサブバン
ド出力信号y(i,Mm)(ただし、0≦i≦M−1)
を算出する。
【0021】
【数33】
【0022】このように図7の従来例では、第1の中間
信号を導入することにより、(数31)を直接計算する
場合と比較して計算量を削減することができる。
【0023】フィルタバンクを実現するのに必要な計算
量を積和計算の回数(A×B+Cの積和計算を1回とカ
ウントする)で評価し、コサイン関数計算はテーブル参
照により行うことにすれば、従来の信号分析フィルタバ
ンクでは、M個のサブバンド信号を算出するために、第
1の演算部71では(数32)の計算に2MP回の積和
計算が必要であり、第2の演算部72では(数33)の
計算に2M2回の積和計算が必要であり、合計で(2M
P+2M2)回の積和計算が必要であった。
【0024】次に、従来の信号合成フィルタバンクにつ
いて説明する。信号分析フィルタバンクと同様に、信号
合成フィルタバンクの第iサブバンドのフィルタ係数h
s(i,l)は(数34)で求められる。
【0025】
【数34】
【0026】したがって、信号合成フィルタバンクの第
iサブバンドのサンプル時刻Mmにおける入力信号をy
(i,Mm)とすれば、サンプル時刻Mm+n(ただ
し、0≦n≦M−1)における出力信号x’(Mm+
n)は(数35)で与えられる。
【0027】
【数35】
【0028】(数35)を直接計算すると計算量が多く
なるので、信号分析フィルタバンクの場合と同様に、従
来、以下のような計算量を削減した信号合成フィルタバ
ンクが用いられてきた。
【0029】図8は従来の信号合成フィルタバンクの回
路網である。図8で、81は第1の演算部、82は第2
の演算部である。図8ではMを4、Pを2とした場合の
例を示したが、以下の説明は、一般的なM及びPとして
行う。図8でz-4と書いてある四角はサンプリング周期
の4倍の時間の遅れを与える遅延素子である。一般的に
はz-Mであり、サンプリング周期のM倍の時間の遅れを
与える遅延素子である。
【0030】図8の従来例では、4MP個の第1の中間
信号v(k)(ただし、0≦k≦4MP−1)を導入
し、最初に、第2の演算部82の0≦k≦4MP−2M
−1に対する第1の中間信号v(k)をv(k+2M)
に移動する。次に、第1の演算部81でサブバンド入力
信号y(i,Mm)を用いて(数36)によって表され
る計算を行うことにより、0≦k≦2M−1に対する第
1の中間信号v(k)を算出する。
【0031】
【数36】
【0032】次に、第2の演算部82で、第1の演算部
81で算出された第1の中間信号v(k)を用いて(数
37)で表される計算を行うことにより、広帯域出力信
号x’(Mm+n)を算出する。
【0033】
【数37】
【0034】このように図8の従来例では、第1の中間
信号を導入することにより、(数35)を直接計算する
場合と比較して計算量を削減することができる。
【0035】従来の信号合成フィルタバンクの計算量を
信号分析フィルタバンクのときと同様に積和計算の回数
で評価すれば、M個の広帯域信号を算出するために、第
1の演算部81では(数36)の計算に2M2回の積和
計算が必要であり、第2の演算部82では(数37)の
計算に2MP回の積和計算が必要であり、合計で(2M
P+2M2)回の積和計算が必要であった。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の信号分析及び合成フィルタバンクでは、その実現の
ための計算量が多い、という問題点を有していた。した
がって、デジタルシグナルプロセッサのように1つの積
和演算部を時分割で使ってフィルタを実現するときの動
作クロック周波数が高くなり、消費電力が大きい、とい
う問題点を有していた。
【0037】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、フィルタ実現のための計算量を削減し、消費電力を
低減した信号分析及び合成フィルタバンクを提供するこ
とを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の信号分析フィルタバンクは、最初の値が零で
ある2MP(ただし、Mは偶数、Pは正整数)個のフィ
ルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロトタイプフィ
ルタを周波数遷移することによって構成され、プロトタ
イプフィルタのフィルタ係数をh(l)(ただし、0≦
l≦2MP−1)、サンプリング時刻nにおける入力信
号をx(n)、2M個の第1の中間信号をw(k)(た
だし、0≦k≦2M−1)、M/2個の第2の中間信号
と第3の中間信号をそれぞれa(r)とb(r)(ただ
し、0≦r≦M/2−1)、第iサブバンド(ただし、
0≦i≦M−1)のサンプリング時刻Mmにおける出力
信号をy(i,Mm)とするとき、0≦k≦2M−1に
対して
【0039】
【数38】
【0040】によって第1の中間信号を算出する第1の
演算部と、
【0041】
【数39】
【0042】で定義されるe(r,k)を用いて0≦r
≦M/2−1に対して、
【0043】
【数40】
【0044】
【数41】
【0045】によって第2の中間信号と第3の中間信号
を算出し、
【0046】
【数42】
【0047】
【数43】
【0048】によってサブバンド出力信号を算出する第
2の演算部とを備えている。また、本発明の信号分析フ
ィルタバンクは、最初の値が零である2MP(ただし、
Mは偶数、Pは正整数)個のフィルタ係数を有する直線
位相非巡回形のプロトタイプフィルタを周波数遷移する
ことによって構成され、プロトタイプフィルタのフィル
タ係数をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、サ
ンプリング時刻nにおける入力信号をx(n)、M個の
第1の中間信号をw’(k)(ただし、0≦k≦M−
1)、M/2個の第2の中間信号と第3の中間信号をそ
れぞれa’(r)とb’(r)(ただし、0≦r≦M/
2−1)、第iサブバンド(ただし、0≦i≦M−1)
のサンプリング時刻Mmにおける出力信号をy(i,M
m)とするとき、(a)k=0では、
【0049】
【数44】
【0050】(b)1≦k≦M/2では、
【0051】
【数45】
【0052】(c)M/2+1≦k≦M−1では、
【0053】
【数46】
【0054】によって第1の中間信号を算出する第1の
演算部と、
【0055】
【数47】
【0056】で定義されるg(r,k)を用いて0≦r
≦M/2−1に対して、
【0057】
【数48】
【0058】
【数49】
【0059】によって第2の中間信号と第3の中間信号
を算出し、
【0060】
【数50】
【0061】
【数51】
【0062】によってサブバンド出力信号を算出する第
2の演算部とを備えている。また本発明の信号合成フィ
ルタバンクは最初の値が零である2MP(ただし、Mは
偶数、Pは正整数)個のフィルタ係数を有する直線位相
非巡回形のプロトタイプフィルタを周波数遷移すること
によって構成され、プロトタイプフィルタのフィルタ係
数をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、第iサ
ブバンド(ただし、0≦i≦M−1)のサンプリング時
刻Mmにおける入力信号をy(i,Mm)、M/2個の
第1の中間信号と第2の中間信号をそれぞれc(r)と
d(r)(ただし、0≦r≦M/2−1)、4MP個の
第3の中間信号をv(k)(ただし、0≦k≦4MP−
1)、サンプリング時刻Mm+n(ただし、0≦n≦M
−1)における出力信号をx’(Mm+n)とすると
き、0≦k≦4MP−2M−1に対して第3の中間信号
v(k)をv(k+2M)に移動し、0≦r≦M/2−
1に対して、
【0063】
【数52】
【0064】
【数53】
【0065】によって第1の中間信号と第2の中間信号
を算出し、
【0066】
【数54】
【0067】で定義されるf(r,k)を用いて0≦s
≦M−1に対して、
【0068】
【数55】
【0069】
【数56】
【0070】によって第3の中間信号を算出する第1の
演算部と、
【0071】
【数57】
【0072】によって広帯域出力信号を算出する第2の
演算部とを備えている。さらに、本発明の信号合成フィ
ルタバンクは、最初の値が零である2MP(ただし、M
は偶数、Pは正整数)個のフィルタ係数を有する直線位
相非巡回形のプロトタイプフィルタを周波数遷移するこ
とによって構成され、プロトタイプフィルタのフィルタ
係数をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、第i
サブバンド(ただし、0≦i≦M−1)のサンプリング
時刻Mmにおける入力信号をy(i,Mm)、M/2個
の第1の中間信号と第2の中間信号をそれぞれc’
(r)とd’(r)(ただし、0≦r≦M/2−1)、
2MP個の第3の中間信号をv’(k)(ただし、0≦
k≦2MP−1)、サンプリング時刻Mm+n(ただ
し、0≦n≦M−1)における出力信号をx’(Mm+
n)とするとき、0≦k≦2MP−M−1に対して第3
の中間信号v’(k)をv’(k+M)に移動し、0≦
r≦M/2−1に対して、
【0073】
【数58】
【0074】
【数59】
【0075】によって第1の中間信号と第2の中間信号
を算出し、
【0076】
【数60】
【0077】で定義されるg(r,k)を用いて0≦s
≦M/2−1に対して、
【0078】
【数61】
【0079】
【数62】
【0080】によって第3の中間信号を算出する第1の
演算部と、(a)0≦n≦M/2−1では、
【0081】
【数63】
【0082】(b)n=M/2では、
【0083】
【数64】
【0084】(c)M/2+1≦n≦M−1では、
【0085】
【数65】
【0086】によって広帯域出力信号を算出する第2の
演算部とを備えている。
【0087】
【作用】本発明の信号分析及び合成フィルタバンクは、
上記した構成で、フィルタバンクの計算に用いるコサイ
ン関数の周期性を利用して中間信号を使った効率的な計
算を行うことにより、従来例と比較してフィルタバンク
の実現に必要な計算量を削減することができる。
【0088】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0089】本発明の信号分析フィルタバンクは、サン
プリング周波数fsの信号をM(ただし、Mは偶数)個
の等帯域幅のサンプリング周波数がfs/Mのサブバン
ド信号に分割し、また、本発明の信号合成フィルタバン
クは、M個の等帯域幅のサンプリング周波数fs/Mの
サブバンド信号を合成してサンプリング周波数fsの広
帯域信号を再生するフィルタバンクである。これらのフ
ィルタバンクは、最初の値が零である2MP(Pは正整
数)個のフィルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロ
トタイプフィルタを周波数遷移することによって構成さ
れている。このプロトタイプフィルタのフィルタ係数を
h(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)とする。
【0090】図1は、本発明の第1の実施例の信号分析
フィルタバンクの回路網である。図1で、11は第1の
演算部、12は第2の演算部である。以上のように構成
された信号分析フィルタバンクについて、以下その動作
を説明する。図1ではMを4、Pを2とした場合の例を
示したが、以下の説明は一般的なM及びPとして行う。
【0091】最初に、以下の説明で用いる主要な変数に
ついて定義する。サンプリング時刻nにおける入力信号
をx(n)、2M個の第1の中間信号をw(k)(ただ
し、0≦k≦2M−1)、M/2個の第2の中間信号と
第3の中間信号をそれぞれa(r)とb(r)(ただ
し、0≦r≦M/2−1)、第iサブバンド(ただし、
0≦i≦M−1)のサンプリング時刻Mmにおける出力
信号をy(i,Mm)とする。広帯域信号x(Mm)が
入力されると、第1の演算部11でz-1と表された遅延
素子に記憶されている広帯域信号は1サンプルずつ移動
する。次に、第1の演算部11では0≦k≦2M−1に
対して(数66)の計算を行い、第1の中間信号w
(k)を算出する。第1の実施例の第1の演算部11は
図7の従来例の第1の演算部71と同一である。
【0092】
【数66】
【0093】次に、第2の演算部12では(数67)で
定義されるe(r,k)を用いて、0≦r≦M/2−1
に対して、(数68)と(数69)の計算を行うことに
より、それぞれ第2の中間信号a(r)と第3の中間信
号b(r)を算出する。
【0094】
【数67】
【0095】
【数68】
【0096】
【数69】
【0097】第2の演算部12では、次に算出された第
2の中間信号a(r)と第3の中間信号b(r)とを用
いて、0≦r≦M/2−1に対して、(数70)と(数
71)とを計算することにより、M個のサブバンド出力
信号y(i,Mm)(ただし、0≦i≦M−1)を算出
する。
【0098】
【数70】
【0099】
【数71】
【0100】以上のように、第1の実施例の第2の演算
部12は図7の従来例の第2の演算部72と計算方法が
異なる。以下、第1の実施例の第2の演算部12の動作
についてさらに説明する。
【0101】(数68)と(数69)を(数70)に代
入し、変数2sと2s+1とを合わせて変数kに置き換
えると、0≦r≦M/2−1に対して(数72)が成立
する。
【0102】
【数72】
【0103】(数72)に(数67)を代入して変数r
をiに置き換えると、0≦i≦M/2−1に対して(数
33)が成立する。
【0104】同様に(数68)と(数69)を(数7
1)に代入し、変数2sと2s+1とを合わせて変数k
に置き換えると、0≦r≦M/2−1に対して(数7
3)が成立する。
【0105】
【数73】
【0106】変数rから変数iにi=M−1−r(ただ
し、M/2≦i≦M−1)に置き換えると、(数74)
が求められる。
【0107】
【数74】
【0108】コサイン関数の周期性からnを整数とする
と、(数75)が一般に成立する。
【0109】
【数75】
【0110】(数67)を(数75)を利用して変形す
ると(数76)が求められる。
【0111】
【数76】
【0112】(数76)を(数74)に代入し、変数2
sと2s+1とを合わせて変数kに置き換えると、(数
77)が求められる。
【0113】
【数77】
【0114】(数77)に(数67)を代入すると、M
/2≦i≦M−1に対して(数33)が求められる。以
上の結果をまとめると、第1の実施例では、0≦i≦M
−1に対して(数33)が成立する。すなわち、第1の
実施例と従来例とは計算方法が異なるが、最終的な結果
は一致する。
【0115】第1の実施例の信号分析フィルタバンクの
フィルタ計算量を、従来例と同様にM個のサブバンド信
号を算出するために必要な積和計算の回数で評価する。
第1の演算部11では(数66)の計算に2MP回の積
和計算が必要であり、第2の演算部12では(数68)
〜(数71)の計算に(M2回+M)の積和計算が必要
であり、合計で(2MP+M2+M)回の積和計算が必
要ある。これは従来例の(2MP+2M2)回と比較し
て積和計算が(M2−M)回少ない。
【0116】以上のように第1の実施例では、コサイン
関数の周期性を利用して第2の中間信号と第3の中間信
号とを求めてサブバンド信号を効率的に算出する第2の
演算部12を設けることにより、信号分析フィルタバン
クを実現するのに必要な計算量を削減することができ
る。
【0117】図2は本発明の第2の実施例の信号分析フ
ィルタバンクの回路網である。図2で、21は第1の演
算部、22は第2の演算部である。以上のように構成さ
れた信号分析フィルタバンクについて、以下その動作を
説明する。図2ではMを4、Pを2とした場合の例を示
したが、以下の説明は一般的なM及びPとして行う。
【0118】最初に、以下の説明で用いて第1の実施例
とは異なる変数について定義する。第2の実施例では、
M個の第1の中間信号をw’(k)(ただし、0≦k≦
M−1)、M/2個の第2の中間信号と第3の中間信号
をそれぞれa’(r)とb’(r)(ただし、0≦r≦
M/2−1)とする。
【0119】広帯域信号x(Mm)が入力されると、第
1の演算部21の遅延素子z-1に記憶されている広帯域
信号は1サンプルづつ移動する。次に、第1の演算部2
1では(数78)〜(数80)の計算を行い、0≦k≦
M−1に対する第1の中間信号w’(k)を算出する。
(a)k=0では、
【0120】
【数78】
【0121】(b)1≦k≦M/2では、
【0122】
【数79】
【0123】(c)M/2+1≦k≦M−1では、
【0124】
【数80】
【0125】次に、第2の演算部22では(数81)で
定義されるg(r,k)を用いて0≦r≦M/2−1に
対して(数82)と(数83)とを計算することによ
り、それぞれ第2の中間信号a’(r)と第3の中間信
号b’(r)を算出する。
【0126】
【数81】
【0127】
【数82】
【0128】
【数83】
【0129】次に、算出された第2の中間信号a’
(r)と第3の中間信号b’(r)とを用いて(数8
4)と(数85)とを計算することにより、M個のサブ
バンド出力信号y(i,Mm)(ただし、0≦i≦M−
1)を算出する。
【0130】
【数84】
【0131】
【数85】
【0132】第2の実施例の動作についてさらに説明す
る。第1の実施例の第2の演算部12の動作説明と同様
に、(数82)と(数83)とを(数84)に代入し、
変数2sと2s+1とを合わせて変数kに置き換える
と、0≦r≦M/2−1に対して(数86)が求められ
る。
【0133】
【数86】
【0134】(数86)に(数81)を代入して変数r
をiに置き換えると、0≦i≦M/2−1に対して(数
87)が求められる。
【0135】
【数87】
【0136】同様に(数82)と(数83)を(数8
5)に代入し、変数2sと2s+1とを合わせて変数k
に置き換えると、0≦r≦M/2−1に対して(数8
8)が求められる。
【0137】
【数88】
【0138】変数rから変数iにi=M−1−r(ただ
し、M/2≦i≦M−1)で置き換えると(数89)が
求められる。
【0139】
【数89】
【0140】(数81)を(数75)を使って変形する
と(数90)が求められる。
【0141】
【数90】
【0142】(数90)を(数89)に代入し、変数2
sと2s+1とを合わせて変数kに置き換えると、(数
91)が求められる。
【0143】
【数91】
【0144】(数91)に(数81)を代入すると、M
/2≦i≦M−1に対して(数87)が求められる。す
なわち、(数87)は0≦i≦M−1に対して成立す
る。したがって、第2の演算部22は(数87)の計算
を行っているのと同一である。(数78)〜(数80)
を(数87)に代入する。そして、一般に(数75)が
成立することを考慮し、以下のような変数q(ただし、
0≦q≦2M−1)を導入すると、(数92)〜(数9
6)の関係式が成立する。 (1)q=M/2−k(ただし、0≦k≦M/2,0≦
q≦M/2)
【0145】
【数92】
【0146】(2)q=M/2+k(ただし、1≦k≦
M/2,M/2+1≦q≦M)
【0147】
【数93】
【0148】(3)q=M/2+k(ただし、M/2+
1≦k≦M−1,M+1≦q≦3/2M−1)
【0149】
【数94】
【0150】(4)q=3M/2
【0151】
【数95】
【0152】(5)q=5M/2−k(ただし、M/2
+1≦k≦M−1,3M/2+1≦q≦2M−1)
【0153】
【数96】
【0154】(数92)〜(数96)の関係式を使っ
て、変数kを変数qに置き換える。さらに、変数qから
変数lにl=2Mj+q(ただし、0≦l≦2MP−
1)の関係式で置き換えれば、(数31)が求められ
る。すなわち、第2の実施例と従来例とでは計算方法が
異なるが、最終的な結果は一致する。
【0155】第2の実施例の信号分析フィルタバンクの
フィルタ計算量を、従来例と同様にM個のサブバンド信
号を算出するために必要な積和計算の回数で評価する。
第1の演算部21では(数78)〜(数80)の計算に
(2MP−P)回の積和計算が必要であり、第2の演算
部22では(数82)〜(数85)の計算に(M2/2
+M)回の積和計算が必要であり、合計で(2MP−P
+M2/2+M)回の積和計算が必要ある。これは従来
例の(2MP+2M2)回と比較して積和計算が(P+
3M2/2−M)回少ない。
【0156】以上のように第2の実施例では、コサイン
関数の周期性を利用して、第1の中間信号を効率的に算
出する第1の演算部と、第1の中間信号を使って第2の
中間信号と第3の中間信号とを求めてサブバンド信号を
効率的に算出する第2の演算部とを設けることにより、
信号分析フィルタバンクを実現するのに必要な計算量を
さらに削減することができる。
【0157】次に、本発明の信号合成フィルタバンクに
ついて説明する。本発明の信号合成フィルタバンクは、
M(ただし、Mは偶数)個の等帯域幅のサンプリング周
波数fs/Mのサブバンド信号を合成してサンプリング
周波数fsの広帯域信号を再生する信号合成フィルタバ
ンクである。
【0158】図3は本発明の第3の実施例の信号合成フ
ィルタバンクの回路網である。図3で、31は第1の演
算部、32は第2の演算部である。以上のように構成さ
れた信号合成フィルタバンクについて、以下その動作を
説明する。図3ではMを4、Pを2とした場合の例を示
したが、以下の説明は一般的なM及びPとして行う。
【0159】最初に、以下の説明で用いる主要な変数に
ついて定義する。プロトタイプフィルタのフィルタ係数
をh(l)(ただし、0≦l≦2MP−1)、第iサブ
バンド(ただし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻
Mmにおける入力信号をy(i,Mm)、M/2個の第
1の中間信号と第2の中間信号をそれぞれc(r)とd
(r)(ただし、0≦r≦M/2−1)、4MP個の第
3の中間信号をv(k)(ただし、0≦k≦4MP−
1)、サンプリング時刻Mm+n(ただし、0≦n≦M
−1)における出力信号をx’(Mm+n)とする。
【0160】M個のサブバンド信号y(i,Mm)が入
力されると、第1の演算部31で0≦r≦M/2−1に
対して(数97)と(数98)とを計算することによ
り、第1の中間信号c(r)と第2の中間信号d(r)
を算出する。
【0161】
【数97】
【0162】
【数98】
【0163】第1の演算部31では、算出された第1の
中間信号c(r)と第2の中間信号d(r)と(数9
9)で定義されるf(r,k)とを用いて0≦s≦M−
1に対して(数100)と(数101)の計算を行い、
さらに変数2sと2s+1とを合わせて変数kに置き換
えて、0≦k≦2M−1に対する第3の中間信号v
(k)を算出し、第2の演算部32に出力する。
【0164】
【数99】
【0165】
【数100】
【0166】
【数101】
【0167】第2の演算部32のz-Mは、第3の中間信
号に対してサンプリング周期のM倍の時間遅れを与える
遅延素子であり、サンプリング周期のM倍の時間毎に第
3の中間信号v(k)をv(k+2M)に移動する役割
を果たす。第2の演算部32では第1の演算部31で算
出された第3の中間信号を用いて(数102)の計算を
行うことにより、0≦n≦M−1に対する広帯域出力信
号x’(Mm+n)を算出する。
【0168】
【数102】
【0169】第3の実施例では、第1の演算部31は図
8の従来例の第1の演算部81と異なるが、第2の演算
部32は従来例の第2の演算部82と同一である。第3
の実施例の第1の演算部31の動作についてさらに説明
する。
【0170】(数97)を(数100)に代入すると
(数103)が求められる。
【0171】
【数103】
【0172】ここで、(数99)を(数75)を使って
変形すると(数104)が求められる。
【0173】
【数104】
【0174】(数104)を(数103)に代入すると
(数105)が求められる。
【0175】
【数105】
【0176】同様にして(数101)に(数98)を代
入し、さらに(数104)を代入すると(数106)が
求められる。
【0177】
【数106】
【0178】(数105)と(数106)とを使って変
数2sと2s+1(ただし、0≦s≦M−1)とを合わ
せて変数k(ただし、0≦k≦2M−1)に置き換える
と(数107)が求められる。
【0179】
【数107】
【0180】(数107)に(数99)を代入すると
(数36)が求められる。したがって第3の実施例の第
1の演算部31と図8の従来例の第1の演算部81と
は、計算方法が異なるが、その計算結果である第3の実
施例の第3の中間信号と従来例の第1の中間信号とは一
致する。また、第3の実施例の第2の演算部32は従来
例の第2の演算部82と同一であるので、第3の実施例
は全体として図8の従来例と同一の広帯域信号を算出す
ることになる。
【0181】第3の実施例の信号合成フィルタバンクの
フィルタ計算量を、従来例と同様にM個の広帯域信号を
算出するために必要な積和計算の回数で評価する。第1
の演算部31では(数97)〜(数101)の計算に
(M+M2)回の積和計算が必要であり、第2の演算部
32では(数102)の計算に2MP回の積和計算が必
要であり、合計で(2MP+M2+M)回の積和計算が
必要ある。これは従来例の(2MP+2M2)回と比較
して積和計算が(M2−M)回少ない。
【0182】以上のように第3の実施例では、コサイン
関数の周期性を利用して第1の中間信号と第2の中間信
号とを求めて第3の中間信号を効率的に算出する第1の
演算部を設けることにより、信号合成フィルタバンクを
実現するのに必要な計算量を削減することができる。
【0183】図4は本発明の第4の実施例の信号合成フ
ィルタバンクの回路網である。図4で、41は第1の演
算部、42は第2の演算部である。以上のように構成さ
れた信号合成フィルタバンクについて、以下その動作を
説明する。図4ではMを4、Pを2とした場合の例を示
したが、以下の説明は一般的なM及びPとして行う。
【0184】最初に、以下の説明で用いて第3の実施例
とは異なる変数について定義する。第4の実施例では、
M/2個の第1の中間信号と第2の中間信号をそれぞれ
c’(r)とd’(r)(ただし、0≦r≦M/2−
1)、2MP個の第3の中間信号をv’(k)(ただ
し、0≦k≦2MP−1)とする。
【0185】M個のサブバンド信号y(i,Mm)が入
力されると、第1の演算部41で0≦r≦M/2−1に
対して、(数108)と(数109)とを計算すること
により、第1の中間信号c’(r)と第2の中間信号
d’(r)を算出する。
【0186】
【数108】
【0187】
【数109】
【0188】次に第1の演算部41では、算出された第
1の中間信号c’(r)と第2の中間信号d’(r)と
(数81)で定義されるg(r,k)とを用いて0≦s
≦M/2−1に対して(数110)と(数111)の計
算を行い、さらに変数2sと2s+1とを合わせて変数
kに置き換えて、0≦k≦M−1に対する第3の中間信
号v’(k)を算出し、第2の演算部42に出力する。
【0189】
【数110】
【0190】
【数111】
【0191】第2の演算部42のz-Mは、第3の中間信
号に対してサンプリング周期のM倍の時間遅れを与える
遅延素子であり、サンプリング周期のM倍の時間毎に第
3の中間信号v’(k)をv’(k+M)に移動する役
割を果たす。第2の演算部42では第1の演算部41で
算出された第3の中間信号を用いて(数112)〜(数
114)の計算を行うことにより、0≦n≦M−1に対
する広帯域出力信号x’(Mm+n)を算出する。すな
わち、 (a)0≦n≦M/2−1では、
【0192】
【数112】
【0193】(b)n=M/2では、
【0194】
【数113】
【0195】(c)M/2+1≦n≦M−1では、
【0196】
【数114】
【0197】の計算を行う。第4の実施例の動作につい
てさらに説明する。第3の実施例で説明したのと同様に
(数108)を(数110)に、また(数109)を
(数111)に代入し、(数90)を使って変形する
と、0≦k≦M−1に対して(数115)が求められ
る。
【0198】
【数115】
【0199】第2の実施例で説明したのと同様にして
(数115)を(数112)〜(数114)に代入し、
y(i,n)はnがMの整数倍以外では零の値をとるこ
とを利用すると、(数35)を導出することができる。
すなわち、第4の実施例と図8の従来例とでは計算方法
が異なるが、最終的な計算結果である広帯域信号は一致
する。
【0200】第4の実施例の信号合成フィルタバンクの
フィルタ計算量を、従来例と同様にM個の広帯域信号を
算出するために必要な積和計算の回数で評価する。第1
の演算部41では(数108)〜(数111)の計算に
(M+M2/2)回の積和計算が必要であり、第2の演
算部42では(数112)〜(数114)の計算に(2
MP−P)回の積和計算が必要であり、合計で(2MP
−P+M2/2+M)回の積和計算が必要ある。これ
は、従来例の(2MP+2M2)回と比較して積和計算
が(P+3M2/2−M)回少ない。
【0201】以上のように第4の実施例では、コサイン
関数の周期性を利用して、第1の中間信号と第2の中間
信号とを求めて第3の中間信号を効率的に算出する第1
の演算部と、第3の中間信号を使って効率的に広帯域信
号を算出する第2の演算部とを設けることにより、信号
合成フィルタバンクを実現するのに必要な計算量をさら
に削減することができる。
【0202】
【発明の効果】以上のように本発明の信号分析及び合成
フィルタバンクは、コサイン関数の周期性を利用して中
間信号を使った効率的な計算を行うことにより、フィル
タ計算量を削減することができる。したがってデジタル
シグナルプロセッサのように一つの積和演算部を時分割
で使ってフィルタを実現するときの動作クロック周波数
を低減することができ、低消費電力の信号分析及び合成
フィルタバンクを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における信号分析フィル
タバンクの回路網を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施例における信号分析フィル
タバンクの回路網を示すブロック図
【図3】本発明の第3の実施例における信号合成フィル
タバンクの回路網を示すブロック図
【図4】本発明の第4の実施例における信号合成フィル
タバンクの回路網を示すブロック図
【図5】信号分析フィルタバンクと信号合成フィルタバ
ンクの構成を示すブロック図
【図6】(a)はプロトタイプフィルタの周波数振幅応
答を示すスペクトル図 (b)はプロトタイプフィルタを周波数遷移することに
より構成した信号分析あるいは合成フィルタバンクの周
波数振幅応答を示すスペクトル図
【図7】従来の信号分析フィルタバンクの回路網を示す
ブロック図
【図8】従来の信号合成フィルタバンクの回路網を示す
ブロック図
【符号の説明】
11,21,31,41 第1の演算部 12,22,32,42 第2の演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H03H 17/06 655 H03M 7/30 A H03M 7/30 H04B 14/04 Z H04B 14/04 H04N 7/137 Z H04N 7/32 G10L 7/04 G (56)参考文献 特開 昭63−6930(JP,A) 特開 昭63−303507(JP,A) 特開 昭61−177015(JP,A) 特開 平3−256403(JP,A) 特開 平5−75389(JP,A) 特開 平5−63510(JP,A) 特開 平5−235700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 17/00 601 H03H 17/00 621 G10L 19/02 H03H 17/06 613 H03H 17/06 655 H03M 7/30 H04B 14/04 H04N 7/32 JICSTファイル(JOIS) 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプリング周波数fsの広帯域信号を
    M(ただし、Mは偶数)個の等帯域幅のサンプリング周
    波数がfs/Mのサブバンド信号に分割する信号分析フ
    ィルタバンクであって、前記信号分析フィルタバンクは
    最初の値が零である2MP(ただし、Pは正整数)個の
    フィルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロトタイプ
    フィルタを周波数遷移することによって構成され、プロ
    トタイプフィルタのフィルタ係数をh(l)(ただし、
    0≦l≦2MP−1)、サンプリング時刻nにおける入
    力信号をx(n)、2M個の第1の中間信号をw(k)
    (ただし、0≦k≦2M−1)、M/2個の第2の中間
    信号と第3の中間信号をそれぞれa(r)とb(r)
    (ただし、0≦r≦M/2−1)、第iサブバンド(た
    だし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻Mmにおけ
    る出力信号をy(i,Mm)とするとき、0≦k≦2M
    −1に対して 【数1】 によって第1の中間信号を算出する第1の演算部と、 【数2】 で定義されるe(r,k)を用いて0≦r≦M/2−1
    に対して、 【数3】 【数4】 によって第2の中間信号と第3の中間信号を算出し、 【数5】 【数6】 によってサブバンド出力信号を算出する第2の演算部と
    を備えたことを特徴とする信号分析フィルタバンク。
  2. 【請求項2】 サンプリング周波数fsの広帯域信号を
    M(ただし、Mは偶数)個の等帯域幅のサンプリング周
    波数がfs/Mのサブバンド信号に分割する信号分析フ
    ィルタバンクであって、前記信号分析フィルタバンクは
    最初の値が零である2MP(ただし、Pは正整数)個の
    フィルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロトタイプ
    フィルタを周波数遷移することによって構成され、プロ
    トタイプフィルタのフィルタ係数をh(l)(ただし、
    0≦l≦2MP−1)、サンプリング時刻nにおける入
    力信号をx(n)、M個の第1の中間信号をw’(k)
    (ただし、0≦k≦M−1)、M/2個の第2の中間信
    号と第3の中間信号をそれぞれa’(r)とb’(r)
    (ただし、0≦r≦M/2−1)、第iサブバンド(た
    だし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻Mmにおけ
    る出力信号をy(i,Mm)とするとき、(a)k=0
    では、 【数7】 (b)1≦k≦M/2では、 【数8】 (c)M/2+1≦k≦M−1では、 【数9】 によって第1の中間信号を算出する第1の演算部と、 【数10】 で定義されるg(r,k)を用いて0≦r≦M/2−1
    に対して、 【数11】 【数12】 によって第2の中間信号と第3の中間信号を算出し、 【数13】 【数14】 によってサブバンド出力信号を算出する第2の演算部と
    を備えたことを特徴とする信号分析フィルタバンク。
  3. 【請求項3】 M(ただし、Mは偶数)個の等帯域幅の
    サンプリング周波数f s/Mのサブバンド信号を合成し
    てサンプリング周波数fsの広帯域信号を再生する信号
    合成フィルタバンクであって、前記信号合成フィルタバ
    ンクは最初の値が零である2MP(ただし、Pは正整
    数)個のフィルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロ
    トタイプフィルタを周波数遷移することによって構成さ
    れ、プロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(l)
    (ただし、0≦l≦2MP−1)、第iサブバンド(た
    だし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻Mmにおけ
    る入力信号をy(i,Mm)、M/2個の第1の中間信
    号と第2の中間信号をそれぞれc(r)とd(r)(た
    だし、0≦r≦M/2−1)、4MP個の第3の中間信
    号をv(k)(ただし、0≦k≦4MP−1)、サンプ
    リング時刻Mm+n(ただし、0≦n≦M−1)におけ
    る出力信号をx’(Mm+n)とするとき、0≦k≦4
    MP−2M−1に対して第3の中間信号v(k)をv
    (k+2M)に移動し、0≦r≦M/2−1に対して、 【数15】 【数16】 によって第1の中間信号と第2の中間信号を算出し、 【数17】 で定義されるf(r,k)を用いて0≦s≦M−1に対
    して、 【数18】 【数19】 によって第3の中間信号を算出する第1の演算部と、 【数20】 によって広帯域出力信号を算出する第2の演算部とを備
    えたことを特徴とする信号合成フィルタバンク。
  4. 【請求項4】 M(ただし、Mは偶数)個の等帯域幅の
    サンプリング周波数f s/Mのサブバンド信号を合成し
    てサンプリング周波数fsの広帯域信号を再生する信号
    合成フィルタバンクであって、前記信号合成フィルタバ
    ンクは最初の値が零である2MP(ただし、Pは正整
    数)個のフィルタ係数を有する直線位相非巡回形のプロ
    トタイプフィルタを周波数遷移することによって構成さ
    れ、プロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(l)
    (ただし、0≦l≦2MP−1)、第iサブバンド(た
    だし、0≦i≦M−1)のサンプリング時刻Mmにおけ
    る入力信号をy(i,Mm)、M/2個の第1の中間信
    号と第2の中間信号をそれぞれc’(r)とd’(r)
    (ただし、0≦r≦M/2−1)、2MP個の第3の中
    間信号をv’(k)(ただし、0≦k≦2MP−1)、
    サンプリング時刻Mm+n(ただし、0≦n≦M−1)
    における出力信号をx’(Mm+n)とするとき、0≦
    k≦2MP−M−1に対して第3の中間信号v’(k)
    をv’(k+M)に移動し、0≦r≦M/2−1に対し
    て、 【数21】 【数22】 によって第1の中間信号と第2の中間信号を算出し、 【数23】 で定義されるg(r,k)を用いて0≦s≦M/2−1
    に対して、 【数24】 【数25】 によって第3の中間信号を算出する第1の演算部と、
    (a)0≦n≦M/2−1では、 【数26】 (b)n=M/2では、 【数27】 (c)M/2+1≦n≦M−1では、 【数28】 によって広帯域出力信号を算出する第2の演算部とを備
    えたことを特徴とする信号合成フィルタバンク。
JP05283425A 1993-11-12 1993-11-12 信号分析及び合成フィルタバンク Expired - Fee Related JP3114464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05283425A JP3114464B2 (ja) 1993-11-12 1993-11-12 信号分析及び合成フィルタバンク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05283425A JP3114464B2 (ja) 1993-11-12 1993-11-12 信号分析及び合成フィルタバンク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07135448A JPH07135448A (ja) 1995-05-23
JP3114464B2 true JP3114464B2 (ja) 2000-12-04

Family

ID=17665370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05283425A Expired - Fee Related JP3114464B2 (ja) 1993-11-12 1993-11-12 信号分析及び合成フィルタバンク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3114464B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004085604A (ja) * 2002-08-22 2004-03-18 Alpine Electronics Inc デジタルオーディオ信号伝送方法及びオーディオシステム
KR20060110270A (ko) * 2003-12-12 2006-10-24 유겐가이샤 뉴로솔루션 디지털 필터의 설계 방법 및 설계 장치
CN1938947A (zh) * 2004-02-17 2007-03-28 神经网路处理有限公司 数字滤波器的设计方法及装置、数字滤波器设计用程序、数字滤波器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07135448A (ja) 1995-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4396233B2 (ja) 複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法、信号合成方法、そのプログラム及びその記録媒体
Rothweiler Polyphase quadrature filters--A new subband coding technique
EP3739752B1 (en) Filter system comprising a filter converter and a filter compressor and method for operating the filter system
Kotteri et al. Design of multiplierless, high-performance, wavelet filter banks with image compression applications
Kumar et al. Generalized rational sampling rate conversion polyphase FIR filter
JPH10285031A (ja) 帯域合成フィルタバンク及びフィルタリング方法並びに帯域分割フィルタバンク及びフィルタリング方法並びに符号化装置並びに復号化装置
JP3114464B2 (ja) 信号分析及び合成フィルタバンク
Karel et al. Orthogonal matched wavelets with vanishing moments: a sparsity design approach
EP0289285A2 (en) Linear predictive coding analysing apparatus and bandlimited circuit therefor
JP3082625B2 (ja) 音声信号処理回路
Bindiya et al. Meta-heuristic evolutionary algorithms for the design of optimal multiplier-less recombination filter banks
Kumar et al. Advances in multirate filter banks: A research survey
JP3773260B2 (ja) 画像又は音声信号を伝送するシステム及び方法
JPH0770954B2 (ja) 信号分析及び合成フィルタバンク
Hareesh et al. Design of low-complex linear-phase non-uniform filter bank to realize wavelet approximation of Bark frequency partitioning for real-time applications
von Schroeter Frequency warping with arbitrary allpass maps
Petukhov Biorthogonal wavelet bases with rational masks and their applications
KR100424036B1 (ko) 시간영역얼라이싱소거를이용한효율적인기수스택단측대역필터뱅크를구비한분해/합성필터링시스템
US7251301B2 (en) Methods and systems for providing a noise signal
JP3221076B2 (ja) ディジタルフィルタ設計法
Goh et al. Novel approach for the design of two channel perfect reconstruction linear phase FIR filter banks
JPH05216496A (ja) 帯域分割フィルタ
JPH06152328A (ja) 信号分析及び合成フィルタバンク
Hareesh et al. An Improved Rational Approximation of Bark Scale Using Low Complexity and Low Delay Filter Banks
Klappenecker Algebraic wavelet filters

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees