JPH10285031A - 帯域合成フィルタバンク及びフィルタリング方法並びに帯域分割フィルタバンク及びフィルタリング方法並びに符号化装置並びに復号化装置 - Google Patents
帯域合成フィルタバンク及びフィルタリング方法並びに帯域分割フィルタバンク及びフィルタリング方法並びに符号化装置並びに復号化装置Info
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- JPH10285031A JPH10285031A JP9194416A JP19441697A JPH10285031A JP H10285031 A JPH10285031 A JP H10285031A JP 9194416 A JP9194416 A JP 9194416A JP 19441697 A JP19441697 A JP 19441697A JP H10285031 A JPH10285031 A JP H10285031A
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Abstract
号化、復号化を行う場合には、精度の高い帯域分割処理
・帯域合成処理が望まれる。 【解決手段】 最適化処理部60は、プロトタイプフィ
ルタ係数保持部59に保持されているプロトタイプフィ
ルタ係数にタップ長L’の窓関数により最適化処理を施
す。タップ長変換部61は、最適化処理が施されたプロ
トタイプフィルタの両端の値が0であるフィルタ係数部
を切り捨ててタップ長L’の修正プロトタイプフィルタ
を導出する。
Description
号を帯域合成処理して元の信号を復元するために用いる
帯域合成フィルタバンク及びフィルタリング方法、並び
に信号に帯域分割処理を施す帯域分割フィルタバンク及
びフィルタリング方法、並びに符号化装置、並びに復号
化装置に関する。
符号化には様々な方法がある。例えば、時間軸上の音響
信号をブロック化せず、帯域分割フィルタを用いて複数
の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック化周波数
分割方式である帯域分割方法や、ブロック化した時間軸
上の信号を周波数軸上の信号にスペクトル変換して複数
の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符号化するブロック
化周波数分割方式である変換符号化方法がある。
化の手法も考えられており、この場合は、例えば、音響
信号を帯域分割符号化で帯域分割処理した後、各帯域毎
の信号をスペクトル変換し、このスペクトル変換された
各帯域毎に符号化を施す。
タとしては、例えばQMF(Quadrature Mirror Filter)
がある。このQMFは、1976 R.E.Crochiere Digital c
oding of Speech in subbands Bell Syst. Tech. J. V
ol.55, No.8 1976に述べられている。しかし、帯域を多
くのバンドに分割するときは何段にもQMFを重ねる必
要があり、このため演算量、遅延量が多くなる傾向にあ
る。
M個に均等に分割可能で、同一時間に対応するスペクト
ル変換サンプル数が分割されたすべての帯域で同一にな
るためにフィルタバンクの構成が簡単になり、効率的な
演算処理を可能とするPQF(Polyphase Quadrature Fi
lter)が注目される。このPQFに関しては、ICASSP83
BOSTON Ployphse Quadrature filters-A new subband c
oding technique Joseph H. Rothweilerに詳しく述べ
られている。
ディオ信号を所定単位時間 (フレーム)でブロック化
し、当該ブロック毎に離散フーリエ変換(DFT)、コ
サイン変換(DCT)を施して時系列信号を周波数軸上
のスペクトル信号成分に変換する方法がある。DFT,
DCTでは、N個のサンプルからなる時間ブロックで変
換を行うと、N個の独立な実数データが得られる。時間
ブロックの接続歪を軽減するために、通常は両隣のブロ
ックとそれぞれN1個のサンプルずつオーバーラップさ
せるので、平均して(N−N1)個のサンプルに対して
N個の実数データを量子化して符号化することになる。
換(MDCT)を使用した場合には、両隣の時間ブロッ
クとN/2ずつオーバーラップさせた2N個のサンプルか
らN個の独立した実数データが得られる。このため、M
DCTでは平均してN個のサンプルに対してN個の実数
データをスペクトル成分として得る。そして、このN個
の実数データを量子化して符号化することになる。復号
化装置においては、上記MDCTを用いて得られた符号
列からスペクトル成分を復元し、各ブロックにおいて逆
変換を施して得られた時系列信号要素を互いに干渉させ
ながら加えあわせることにより音響信号を再構成するこ
とが出来る。このMDCTについての詳細は、ICASSP 1
987 Subband/Transform Coding Using Filter Bank D
esigns Based on Time Domain Aliasing Cancellation
J.P.Princen A.B.Bradley Univ.of Surry Royal Melb
orune Inst. of Tech.に述べられている。このように帯
域分割フィルタやMDCT等により帯域毎に分割された
入力信号をスペクトル変換し、量子化することにより、
量子化雑音が発生する帯域を制御することが可能であ
り、マスキング効果や等ラウドネス効果などの性質を利
用して聴覚的に高能率な符号化を行うことが出来る。
を高能率に符号化/復号化する際には、上述したよう
に、帯域をいくつかの領域に分割する場合が多いが、こ
の場合、隣接する帯域からの影響を取り除くため、精度
の高い帯域分割処理/帯域合成処理が望まれる。このた
め、出来るだけタップ長が大きく、急峻な周波数特性を
持つ帯域分割/帯域合成フィルタが必要となるが、その
反面、演算量が増大して実時間処理が難しくなる。
分に対するビット割り当ての最適化処理を行う必要があ
るため、演算量が著しく多くなる場合がある。それで
も、符号化装置には比較的大型で演算処理能力の高い装
置を使用出来る場合が多いので、符号化装置に用いられ
る帯域分割フィルタバンクのタップ長を、所望する特性
に見合った適切な長さに選択することが可能である。ま
た、符号化装置では、必ずしも実時間処理を行う必要は
ない。
装置を設計したい場合には、比較的大型で演算処理能力
の高い装置を使用出来る符号化装置といえども、どうし
ても演算量を低く押さえる必要がある。
ように最適化処理が必要ないため、符号化装置に比較す
れば演算量は多くないが、小型な装置が望まれることが
多いために演算量は低い方が望ましい。さらに、最近で
はソフトウェアによって復号化装置を作る場合がある
が、ソフトウェアはハードウェアに比べ演算処理能力が
低いために、演算量を低く抑えることがより重要にな
る。
れたものであり、帯域合成処理を行う際に演算処理能力
の低い復号化装置を使用する必要があるときに、演算量
を低減し、実時間処理を優先した復号化を実現できる帯
域合成フィルタバンク及び帯域合成フィルタリング方法
の提供を目的とする。また、本発明は、上記課題に鑑み
てなされたものであり、帯域分割処理を行う際に演算処
理能力の低い符号化装置を使用する必要があるときに、
演算量を低減し、実時間処理を優先した符号化を実現で
きる帯域分割フィルタバンク及び帯域分割フィルタリン
グ方法の提供を目的とする。
たものであり、帯域分割処理を伴った符号化を行う際
に、演算処理能力が低かったり、また時間的に演算処理
能力が変化してしまう場合、実時間処理を優先するよう
に演算量をコントロール可能とする符号化装置の提供を
目的とする。
たものであり、帯域合成処理を伴った復号化を行う際
に、演算処理能力が低かったり、また時間的に演算処理
能力が変化してしまう場合、実時間処理を優先するよう
に演算量をコントロール可能とする復号化装置の提供を
目的とする。
に、本発明に係る帯域合成フィルタバンク及び帯域合成
フィルタリング方法では、帯域合成フィルタバンクのフ
ィルタ係数に対して最適化関数を用いて聴感上の処理を
施すことで帯域分割フィルタバンクのタップ長より短い
タップ長で構成される帯域合成フィルタバンクの作成を
可能とする。
ク及び帯域合成フィルタリング方法では、所望のタップ
長情報に基づいて標準タップ長のフィルタ係数を短縮し
て得られた所望のタップ長のフィルタ係数と音響信号と
を畳み込み演算して、帯域合成信号を導出する。
ク及び帯域分割フィルタリング方法では、所望のタップ
長情報に基づいて標準タップ長のフィルタ係数を短縮し
て得られた所望のタップ長のフィルタ係数と音響信号と
を畳み込み演算して、帯域分割信号を導出する。
題を解決するために、音響信号を帯域分割する帯域分割
フィルタバンクと、上記帯域分割フィルタバンクで帯域
分割した音響信号に符号化処理を施して符号化列を生成
する符号化手段とを備え、この符号化手段には上記帯域
分割フィルタバンクで上記音響信号を帯域分割するのに
用いたタップ長情報を上記符号化列の中に記録させる。
題を解決するために、タップ長情報から判断できる上記
帯域分割フィルタバンクと同じ性能を持つ帯域合成フィ
ルタによって帯域合成を行ってから、符号化列を復号化
する。
を帯域分割し、それぞれの帯域毎に符号化を施して得ら
れた符号化列を、帯域分割に用いたフィルタバンクのタ
ップ長情報と共に、記録している。
装置では、装置の総演算量のうちで大きな割合をしめる
帯域分割/帯域合成フィルタバンクのタップ長を変化さ
せることで、総演算量をコントロールさせることが出来
る。また、符号化装置においてタップ長を変化させたタ
ップ長情報を符号化列の中に記録させることで、復号化
装置でも対応可能とする。
ともに変化し、そのままでは実時間処理が不可能な状態
に陥る前にタップ長を変化させ、復号化装置の負荷を軽
減する。
ルタバンク及びフィルタリング方法、並びに帯域分割フ
ィルタバンク及びフィルタリング方法、並びに符号化装
置、並びに復号化装置の実施の形態について図面を参照
しながら説明する。
は音声等の音響信号を帯域分割処理してから各帯域毎の
信号をスペクトル変換し、このスペクトル変換された各
帯域毎のスペクトル成分に符号化処理を施して符号列を
生成するとともに、この符号列を分解して各帯域毎の符
号化出力を各帯域毎に復元してから帯域合成処理を行
い、上記オーディオ、或いは音声等の音響信号を復号化
する図1に示すような音響信号符号化/復号化システム
1である。
入力音響信号Sを帯域分割処理してからスペクトル変換
し、各帯域毎のスペクトル成分に符号化を施す符号化装
置2と、この符号化装置2からの出力である符号列から
各帯域毎の信号を復元して帯域合成処理を施して出力音
響信号S’を出力する復号化装置7とを有してなる。
割し、各帯域毎の信号をスペクトル変換してこのスペク
トル信号成分SFを出力するスペクトル変換部3と、ス
ペクトル変換により得られたスペクトル成分に符号化処
理を施して符号列CSを生成する符号化部4とを有して
なる。符号化部4は、上記スペクトル信号成分SFを符
号化して符号化出力C0を生成するスペクトル成分符号
化部5と、この符号化出力C0を基に符号列CSを生成す
る符号列生成部6とを有してなる。
域毎に復元してスペクトル成分SF’を出力する復号化
部8と、各帯域毎のスペクトル成分SF’を逆スペクト
ル変換して帯域合成処理を行い出力音響信号S’を出力
する時系列信号合成部11とを有してなる。復号化部8
は、上記符号列CS’を分解して符号化出力C0’を抽出
する符号列分解部9と、この抽出された符号出力C0’
からスペクトル成分SF’を復元して出力するスペクト
ル成分復号化部10とを有してなる。
3は、図2に示すように具体化できる。先ず入力音響信
号Sは、全帯域をM、例えば4に等分割される。すなわ
ち、入力音響信号Sは、例えばPQFフィルタバンクの
ような帯域分割フィルタバンク12を構成する帯域分割
フィルタ120,121,122及び123によってM(=
4)個の帯域に均等に分割される。
割フィルタバンク12の各帯域のフィルタの周波数特性
は、後述するように、通過帯域幅がπ/2Mであるプロ
トタイプフィルタと呼ばれるローパスフィルタの周波数
特性を周波数軸上で推移させることによって求められ
る。
割処理された時系列信号S0,S1,S2及びS3は、間引
き部130,131,132及び133によって入力音響信
号Sに比べてサンプル数が1/Mに間引かれて時系列信
号SD0,SD1,SD2及びSD3となる。この時系列信号S
D0,SD1,SD2及びSD3を、例えばモデファイドコサイ
ン変換(MDCT)のような順スペクトル変換部1
40,141,142及び143によって、スペクトル成分
SF0,SF1,SF2及びSF3に変換する。
力した時系列信号S0,S1,S2及びS3は、間引き部1
3を通過することによって入力音響信号Sに比べてサン
プル数が1/Mに間引きされた時系列信号SD0,SD1,
SD2及びSD3となり、その帯域幅は1/Mになってい
る。帯域が1/Mになると、隣接するバンド間でエリア
シングが発生するが、後述する復号化装置7においてP
QFフィルタバンクを用いた帯域合成処理を行うことに
より、エリアシング成分をキャンセルすることが出来
る。
列信号合成部11は、図3に示すように具体化できる。
スペクトル成分復号化部10によって復元されたスペク
トル成分SF ' 0,SF ' 1,SF ' 2及びSF ' 3は、例えばIM
DCT等の逆スペクトル変換部150,151,152及
び153によって時系列信号SI0,SI1,SI2及びSI3
に変換される。
は、帯域合成フィルタバンク17を設けているが、この
帯域合成フィルタバンク17で帯域合成処理を行い出力
音響信号S’を得るため、時系列信号SI0,SI1,SI2
及びSI3のサンプリング周波数fS/MをM倍のfSに変
換しておく必要がある。
時系列信号SI0,SI1,SI2及びSI3を補間部16によ
ってサンプリング周波数fSの時系列信号S' 0,S' 1,
S' 2及びS' 3に変換する。この際に各帯域間でエリアシ
ングが発生するが、このエリアシング成分を含んだM個
の各帯域の信号は、帯域合成フィルタバンク17を構成
する帯域合成フィルタ170,171,172及び173に
よってエリアシング成分がキャンセルされる。この帯域
合成フィルタバンク17からの出力である時系列信号S
U0,SU1,SU2及びSU3を一つの出力に合成して出力音
響信号S’を得る。
に示したスペクトル変換部3と、図1の時系列信号合成
部11として図3に示した時系列合成部11とを用いる
と、図1に示した上記実施の形態となる音響信号符号化
復号化システム1は、図4に示すような形態となる。こ
こでは、フィルタバンクとしてはM=4であるPQFフ
ィルタバンクを、スペクトル変換としてはMDCTを用
いる。
が設けられており、帯域分割フィルタバンク12を構成
する帯域分割フィルタ120,121,122及び123が
出力する時系列信号S0,S1,S2及びS3に対し、図5
に示すようなデシメーションフィルタDFを使って間引
き処理を施す。ここではM=4であるので、サンプリン
グ周波数fSの時系列信号S0,S1,S2及びS3は、デ
シメーションフィルタDFによって4サンプル中の先頭
サンプルのみが出力され、残りの3サンプルは棄却され
る。この操作により、信号のサンプリング周波数はfS
/4となり、信号の帯域幅も1/4となる。
うに補間部16が設けられており、逆スペクトル変換部
15を構成するIMDCT150,151,152及び1
53から出力される時系列信号SI0,SI1,SI2及びS
I3に対し、図6に示すようなインターポレーションフィ
ルタIFを使って補間処理を施す。ここでは、M=4で
あるので、時系列信号SI0,SI1,SI2及びSI3に対
し、インターポレーションフィルタIFによって値が0
であるデータを挿入する。この操作により、サンプリン
グ周波数はfS/4からfSへと変換されるが、この際に
インターポレーションフィルタIFの出力にはエリアシ
ング成分が含まれる。このエリアシング成分を含んだ4
個の各帯域の信号は、帯域合成フィルタバンク17を構
成する帯域合成フィルタ170,171,172及び173
によってエリアシング成分がキャンセルされる。
たスペクトル変換部3に用いられている帯域分割フィル
タバンク12には、後段の順スペクトル変換部13で精
度よく変換を行うため、急峻かつ遮断特性の高い性能が
求められる。このため、フィルタのタップ長を大きく設
定する必要がある。
(96)、(ここで、x=0〜M-1)を用いたPQFフィルタバ
ンクによって帯域分割フィルタバンクを構成した場合に
ついて、以下に説明する。
域分割フィルタバンク12の各帯域分割フィルタ1
20,121,122及び123の帯域分割フィルタ係数H
0,H1,H2及びH3は、図7に示す帯域分割フィルタ係
数導出工程によって通過帯域幅がπ/2Mのローパスフ
ィルタであるプロトタイプフィルタの周波数特性を周波
数軸上で推移させることによって求められる。
した帯域合成フィルタバンク17の各帯域合成フィルタ
170,171,172及び173の帯域合成フィルタ係数
K0,K1,K2及びK3は、図7の帯域合成フィルタ係数
導出工程によって通過帯域幅がπ/2Mのローパスフィ
ルタであるプロトタイプフィルタの周波数特性を周波数
軸上で推移させることによって求められる。
K0,K1,K2及びK3は、互いに密接に関係しており、
どちらか一方の係数を決めれば、他方の係数も一意に決
定される。
h(n)として図8の(A)にインパルス応答を示すタ
ップ長L=96のプロトタイプフィルタh(n)を用い
たとする。このプロトタイプフィルタの周波数特性は図
8の(B)に示すような振幅特性H(ω)となり、 H(ω)=0 (|ω|>π/M) H2(ω)+H2(π/M−ω)=1 (|ω|<π/M) と表せる。このプロトタイプフィルタh(n)は、通過
帯域幅を1/Mでなく、1/2Mに制限するローパスフ
ィルタである。このプロトタイプフィルタh(n)の周
波数特性H(ω)を周波数軸上で推移させることで、タ
ップ長L=96のPQFフィルタバンクによって構成さ
れる各帯域毎の帯域分割フィルタの帯域分割フィルタ係
数を求めることができる。
ロトタイプフィルタh(n)から導出した、PQFフィ
ルタバンクの各帯域毎の分割フィルタの周波数特性を求
めた結果を図9の(A)、図10の(A)に示す。各帯
域の分割フィルタの周波数特性H0(ω),H1(ω),
H2(ω)及びH3(ω)は、阻止帯域減衰量を80dB
以上確保している。細かく述べると、80dB〜100
dBの遮断特性を確保しており、隣接する帯域からのエ
リアシングを十分に抑えることが可能となっている。
した帯域分割フィルタバンク12に対応するタップ長9
6のフィルタ係数kx(96)、(ここで、x=0〜M-1)を用い
たPQFフィルタバンクによって帯域合成フィルタを構
成した場合、図9の(B)、図10の(B)に示すよう
に各帯域を合成した場合の周波数特性U(ω)のリップ
ルは0.01dB以下と非常に低く抑えられている。このよ
うにタップ長96のPQFフィルタバンクを用いれば、
極めて高精度な帯域分割/帯域合成を行うことが可能で
ある。
成フィルタバンク17に用いることのできるPQFフィ
ルタバンクの演算量は、符号化/復号化装置全体の演算
量において大きな割合を占めており、タップ長に比例し
て増減する。このため、タップ長を変化させることで符
号化/復号化装置全体の演算量をコントロールすること
が出来る。
ップ長を可変とした場合において音質劣化を最小限に抑
えることが可能であり、符号化/復号化装置全体の演算
量のコントロールを可能とするものである。
FIRフィルタを用いて構成した帯域分割フィルタバン
ク18を図11に示す。入力バッファ19には入力音響
信号Sが1サンプルずつ入力され、この入力バッファ1
9と4つのタップ長L=96の帯域分割フィルタ係数保
持部21,24,27及び30との畳込み演算が乗算器
群20,23,26及び29と加算器22,25,28
及び31で行われ、各帯域毎の信号成分S0,S1,S2
及びS3が得られる。この帯域分割フィルタバンク18
では、演算回数が1サンプル当たり96回となる。
を用いて構成した帯域合成フィルタバンク32を比較例
として図12に示す。入力バッファ33,37,41及
び45には4つの時系列信号S' 0,S' 1,S' 2及びS' 3
が1サンプルずつ入力され、この入力バッファとタップ
長L=96の帯域合成フィルタ係数保持部35、39、
43及び47との畳み込み演算が乗算器群34,38,
42及び46と加算器36,40,44及び48で行わ
れ、各帯域毎の出力SU0,SU1,SU2及びSU3が得られ
る。この帯域合成フィルタバンク32では、演算回数が
1サンプル当たり96回となる。
行う際には必ずしもリアルタイムで符号化を行う必要は
なく、また比較的に演算処理能力の高い符号化装置を用
いることが出来るため、帯域分割フィルタバンクのタッ
プ長を、所望する特性に見合った適切な長さにすること
ができる場合がある。
理を行う際に、演算処理能力の低いものを使用する必要
があるとき、タップ長が大きいと演算が追い付かずにリ
アルタイムでの音響信号の復号化処理が不可能な場合が
存在する。
速化を計る場合について、以下に説明する。図13には
帯域合成処理にて高速化を計ることのできる復号化装置
を構成する時系列信号合成部11の構成を示す。
は、固定タップ長変換帯域合成フィルタバンク50を用
いている。この固定タップ長変換帯域合成フィルタバン
ク50は、符号化装置2内のスペクトル変換部3を構成
している帯域分割フィルタバンク12のタップ長Lが例
えば96である場合、それよりも短い固定タップ長L’
(64、48等)で構成される。
ンク50は、図14に示すように時系列信号S' 0,
S' 1,S' 2及びS' 3が入力される入力バッファ51と、
畳み込み演算部52と、後述する復号化装置の処理能力
に応じて帯域合成フィルタ係数を修正する帯域合成フィ
ルタ係数設定・保持部53とを有してなる。
置処理能力検査部54は復号化装置7の演算処理能力を
事前に調べ、演算可能なタップ長L’を導出する。そし
て修正帯域合成フィルタ係数演算部55によって必要と
される特性を得ることが可能であるように帯域合成フィ
ルタ係数を導出し、その帯域合成フィルタ係数を帯域合
成フィルタ係数設定・保持部53で設定してから入力バ
ッファ51を経由した時系列信号S' 0,S' 1,S' 2及び
S' 3に畳み込み演算部52で畳み込み演算を行い、出力
音響信号S’を出力する。
ィルタバンク50はタップ長がLからL’へと削減され
ているので、畳み込み演算量もタップ長が96の場合と
比較して削減される。例えば、タップ長L=96の帯域
合成処理に必要な積和演算量は1サンプル当たり96回
であるが、タップ長L’を64にした場合は1サンプル
当たり64回の積和演算で済むことになり帯域合成処理
の高速化が可能である。
化装置処理能力検査部54は、帯域合成処理に用いられ
る復号化装置に固有の演算処理能力を調べるだけであ
り、一度タップ長L’を導出したなら復号化装置の演算
能力が時間とともに変化しない場合に用いられる。
演算部55は図15に示す様に構成される。先ず、修正
プロトタイプフィルタ係数演算部56により、タップ長
L=96のプロトタイプフィルタからタップ長L’の修
正プロトタイプフィルタ係数を導出する。
は、タップ長L=96のプロトタイプフィルタのタップ
長を変換する固定タップ長変換部57と、この固定タッ
プ長変換部57で固定タップ長変換された修正プロトタ
イプフィルタの係数を保持する修正プロトタイプフィル
タ係数保持部58とを有してなる。
プ長L=96のプロトタイプフィルタ係数を保持するプ
ロトタイプフィルタ係数保持部59と、このプロトタイ
プフィルタ係数保持部59に保持されているプロトタイ
プフィルタ係数にタップ長L’の窓関数により最適化処
理を施す最適化処理部60と、最適化処理が施されたプ
ロトタイプフィルタの両端の値が0であるフィルタ係数
部を切り捨ててタップ長L’の修正プロトタイプフィル
タを導出するタップ長変換部61とを有してなる。
56によって導出されたタップ長L’の修正プロトタイ
プフィルタ係数から、図7に示した帯域合成フィルタ係
数導出工程のように動作する帯域合成フィルタ係数演算
部62によってタップ長L’の修正帯域合成フィルタ係
数ki '(n)を導出する。
=64に変換する固定タップ長変換部63を図16に示
す。先ず、最適化処理部60において、プロトタイプフ
ィルタ係数保持部64に保持されているタップ長L=9
6のプロトタイプフィルタ係数に対して窓関数保持部6
5に保持されているタップ長L’=64の窓関数を作用
させる。ここで、窓関数w(n)は両端から16タップ
づつ値が0となっており、演算精度に影響を及ぼさな
い。このため、この部分をタップ長変換部61で切り捨
てることが可能である。
いる窓関数として、タップ長L’=64のハミング関数
w64tap(n)の具体例を図17にあげる。このハミン
グ関数は、 w(n)=0.54−0.46cos(2π(n−i)/(L’−1)) 16<n<81,但しi=(L−L’)/2 w(n)=0 その他のnで表され、上記プロ
トタイプフィルタh(n)の両端を切り捨てる際に滑ら
かに値を変換させることで時間軸上の不連続部分を少な
くし、周波数分離特性を良好に保つための機能を持つ。
固定タップ長変換部63によって導出される修正プロト
タイプフィルタh64tap(n)のインパルス応答を図1
8の(A)に示す。図18の(B)は、タップ長L=9
6のプロトタイプフィルタの周波数特性H96tap(ω)
と、上記修正プロトタイプフィルタh64tap(n)の周
波数特性H64tap(ω)とを比較したものである。H
64tap(ω)の周波数特性における阻止帯域減衰量は、
タップL=96のプロトタイプフィルタの周波数特性H
96tap(ω)に比べて遷移幅が拡大されてはいるもの
の、阻止帯域減衰量は80dB程度確保することが可能
となっている。
プフィルタh64tap(n)から導出した各帯域毎の分割
フィルタの周波数特性を求めた結果を図19の(A)に
示す。各帯域分割フィルタの周波数特性H0(ω),H1
(ω),H2(ω)及びH3(ω)は、阻止帯域減衰量を
80dB程度確保しており、隣接する帯域からのエリア
シングを十分に抑えることが可能となっている。また、
各帯域を合成した際の全帯域の周波数特性は図19の
(B)に示すように平坦にならず、特に各帯域のオーバ
ーラップ部分においてはU(ω)が2dB程度減少して
しまう。だが、音響信号などを対象とした帯域合成処理
では、聴感上このオーバーラップ部のゲインの減少はそ
れほど問題とはならない。むしろ問題となるのは隣接す
る帯域からのエリアシング成分であり、これを低いレベ
ルに抑えたほうが聴感上は有利である。
プ長L=96の帯域合成フィルタバンク32を、タップ
長L’=64の帯域合成フィルタバンクに変換した固定
タップ長変換帯域合成フィルタバンク67の構成を示
す。入力バッファ68,72,76及び80には4つの
時系列信号S' 0,S' 1,S' 2及びS' 3が1サンプルずつ
入力され、この入力バッファとタップ長L’=64の帯
域合成フィルタ係数保持部70,74,78,82との
畳み込み演算が乗算器群69,73,77及び81と加
算器71,75,79及び83で行われ、各帯域毎の出
力SU0,SU1,SU2及びSU3が得られる。
0,74,78及び82には、上記図15で求めたタッ
プ長L’の修正帯域合成フィルタ係数ki '(n)を用い
ている。この帯域合成フィルタバンク67は、聴感上大
きな問題が生じないようにフィルタ係数の修正及びタッ
プ長の短縮化を行っており、タップ長L=96の帯域合
成フィルタバンク32と比較して畳み込み演算回数を削
減させることが出来、高速な帯域合成処理を可能として
いる。この例では、タップ長L=96の帯域合成処理に
必要な積和演算量は1サンプル当たり96回であるが、
タップ長L’を64にした場合は1サンプル当たり64
回の積和演算ですむことになり、積和演算量は2/3に
抑えられている。
体例について以下に説明する。図21にはこの他の具体
例を用いた時系列信号合成部11の構成を示す。
は、可変タップ長変換帯域合成フィルタバンク85を用
いている。この可変タップ長変換帯域合成フィルタバン
ク85は、符号化装置2内のスペクトル変換部3を構成
している帯域分割フィルタバンク12のタップ長Lが例
えば96である場合、それよりも短いタップ長L’で構
成されるが、このタップ長L’は固定ではなく可変とな
っている。
は、固定タップ長変換帯域合成フィルタバンク50とは
異なり、時間とともにタップ長L’を変化させることが
可能である。この可変タップ長変換帯域合成フィルタバ
ンク85には、図22に示すように復号化装置7の処理
状態を示す復号化装置負荷信号Aが逐次入力され、復号
化装置処理能力検出部89によって復号化装置7の演算
処理能力を検出し、その演算処理処理能力に見合ったタ
ップ長L’を導出する。このタップ長L’を基に、修正
帯域合成フィルタ係数演算部90によって帯域合成フィ
ルタ係数設定・保持部88の再設定を行う。そして、帯
域合成フィルタ係数設定・保持部88からの帯域合成フ
ィルタ係数と入力バッファ86を経由した時系列信号S
' 0,S' 1,S' 2及びS' 3との畳み込み演算を畳み込み演
算部87で行い、出力音響信号S’を出力する。
係数演算部90は図23に示す様に構成される。先ず、
修正プロトタイプフィルタ係数演算部91により、タッ
プ長L=96のプロトタイプフィルタからタップ長L’
の修正プロトタイプフィルタ係数を導出する。
は、タップ長L=96のプロトタイプフィルタのタップ
長を変換する可変タップ長変換部92と、この可変タッ
プ長変換部92によりタップ長変換されて得られた修正
プロトタイプフィルタ係数を保持する修正プロトタイプ
フィルタ係数保持部96とを有してなる。
プ長L=96のプロトタイプフィルタの係数を保持する
プロトタイプフィルタ係数保持部93と、このプロトタ
イプフィルタ係数保持部93で保持されたプロトタイプ
フィルタ係数に対してタップ長L’の窓関数により最適
化処理を施す最適化処理部94と、最適化処理が施され
たプロトタイプフィルタの両端の値が0であるフィルタ
係数部を切り捨ててタップ長L’の修正プロトタイプフ
ィルタを導出するタップ長変換部95とを有してなる。
91によって導出されたタップ長L’の修正プロトタイ
プフィルタ係数から、図7に示した帯域合成フィルタ係
数導出工程のように動作する帯域合成フィルタ係数演算
部97によってタップ長L’の帯域合成フィルタ係数k
i '(n)を導出する。
=64及び48に変換する可変タップ長変換部92を図
24及び図25に示す。先ず、最適化処理部94におい
て、プロトタイプフィルタ係数保持部980及び981に
保持されているタップ長L=96のプロトタイプフィル
タ係数に対して窓関数保持部100及び102のタップ
長L’=64及びL’=48の窓関数を乗算器990及
び991によって作用させる。ここで、窓関数w
64(n)は両端から16タップづつ値が0、窓関数w48
(n)は両端から24タップづつ値が0となっており、
演算精度に影響を及ぼさない。このため、この部分をタ
ップ長変換部95で切り捨て、修正プロトタイプフィル
タ係数保持部101及び103を介して修正プロトタイ
プフィルタ係数を導出することが可能である。
において、タップ長Lのプロトタイプフィルタに対して
上記図16同様に最適化関数を作用させる。しかし、上
記固定タップ長変換フィルタバンク50では復号化装置
に固有の演算処理能力を予め検査してタップ長を導出し
ていたが、この可変タップ長帯域合成フィルタバンク8
5では時間とともにタップ長L’を変化させることが可
能なため、ハミング関数もタップ長L’によって変化さ
せる。
w48tap(n)は、図26の(A)のようになり、 w(n)=0.54−0.46cos(2π(n−i)/(L’−1)) 24<n<73,但しi=(L−L’)/2 w(n)=0 その他のnで表される。
グ関数w64tap(n)は、図26の(B)のようにな
り、 w(n)=0.54−0.46cos(2π(n−i)/(L’−1)) 16<n<81,但しi=(L−L’)/2 w(n)=0 その他のnで表される。
は、直に窓関数を切り替えることができる。これらの窓
関数を用いることにより、タップ長L=96のプロトタ
イプフィルタh(n)の両端を切り捨てる際に滑らかに
値を変化させることで時間軸上の不連続部分を少なく
し、周波数分離特性を良好に保つための機能を持つ。
示したハミング関数w48tap(n)及びw64tap(n)
を、図8に特性を示したプロトタイプフィルタh(n)
に作用させて得られた修正プロトタイプフィルタh
48tap(n)及びh64tap(n)のインパルス特性を示
す。また、図28の(A)及び(B)には、それぞれの
周波数特性をタップ長L=96のプロトタイプフィルタ
の周波数特性とともに示してある。これらの修正プロト
タイプフィルタh48tap(n)及びh64tap(n)から導
出した各帯域分割・帯域合成フィルタの係数を図29及
び図30に示す。
から導出した図29に示す帯域分割・帯域合成フィルタ
係数の例では、阻止帯域減衰量が60dB程度確保され
ており、特定のスペクトルのみが大きな値を持つ場合や
帯域のオーバーラップ部のスペクトルに大きな値が集中
する場合を除けば、この帯域合成フィルタ係数を用いた
音響信号の帯域合成は聴感上問題となることは少ない。
から導出した図30に示す帯域分割・帯域合成フィルタ
係数の例では、阻止帯域減衰量が80dB程度と比較的
大きくとれるため、大多数の音響信号の帯域合成に用い
ても聴感上問題となることは極めて少なく、実用的な周
波数特性を持つ。
バンク85は、演算処理可能なタップ長が変化した場合
でも聴感上は問題が生じないようにフィルタ係数を変化
させることが可能であり、時間とともに演算処理能力が
変化するシステムには有益である。
22に示す方法とは別の方法で実現した可変タップ長変
換帯域合成フィルタバンク104の構成を示す図であ
る。この可変タップ長変換帯域合成フィルタバンク10
4では、復号化装置処理能力検出部89で導出されたタ
ップ長L’を基に、修正帯域合成フィルタ係数読み込み
部105がそのタップ長L’に見合った最適な係数を帯
域合成フィルタ係数記録部106から読み込んで、帯域
合成フィルタ係数設定・保持部88に設定する。この方
法では、タップ長L’が時間とともに何度も変化するよ
うな場合において、何度も帯域合成フィルタ係数を計算
する必要がないので、高速な係数設定が可能となる。
=96の帯域合成フィルタバンク32を、タップ長L’
=64の帯域合成フィルタバンクに変換した可変タップ
長変換帯域合成フィルタバンク107の構成を示す。入
力バッファ108,112,116及び120には4つ
の時系列信号S' 0,S' 1,S' 2及びS' 3が1サンプルず
つ入力され、この入力バッファとタップ長L’=64の
帯域合成フィルタ係数保持部110,114,118,
122との畳み込み演算が乗算器群109,113,1
17及び121と加算器111,115,119及び1
23で行われ、各帯域毎の出力SU0,SU1,SU2及びS
U3が得られる。
0,114,118及び122には、図15で求めた有
効なタップ長L’の修正帯域合成フィルタ係数k
i '(n)を用いている。そして、可変タップ長変換帯域
合成フィルタバンク107は、聴感上大きな問題が生じ
ないようにフィルタ係数及び有効なタップ長を変換して
いる。入力バッファ108,112,116及び120
と帯域合成フィルタ係数保持部110,114,11
8,122の斜線で示した部分が、フィルタ係数の値が
0である部分である。その斜線部分は、演算精度に無関
係であるので、この部分の畳み込み演算を行う必要がな
くなる。そこで、この部分の演算を行わないように入力
バッファ及び係数保持部を再割当することで演算量を削
減することが可能となり、帯域合成処理の高速化を計る
ことが出来る。また、この斜線部分はタップ長L’が変
化したならば直ちに再割当が可能である。
ステム1に用いられるスペクトル変換部3内の帯域分割
フィルタバンク12や、時系列信号合成部11内の帯域
合成フィルタバンク17には、PQFフィルタバンクを
用いた例を挙げて説明を行ってきた。
ィルタ係数・帯域合成フィルタ係数を、係数の対称性を
利用して、一次係数、二次係数に分離して効率的な演算
を行うことが出来る。
に、帯域分割フィルタ係数導出工程・帯域合成フィルタ
係数導出工程で導出された帯域分割フィルタ係数・帯域
合成フィルタ係数に効率化帯域分割フィルタ係数導出工
程・効率化帯域合成フィルタ係数導出工程を作用させる
ことによって導出される。
(n)から帯域分割フィルタ係数導出工程によって帯域
分割係数hi(n)を、帯域合成係数導出工程によって
帯域合成係数ki(n)を導出する。さらに帯域分割係
数hi(n)から効率化帯域分割フィルタ係数導出工程
によって一次係数e(i,k),f(i,k)と二次係
数g(i,m)とを導出する。同様に帯域合成係数ki
(n)から効率化帯域合成フィルタ係数導出工程によっ
て一次係数a(i,m),b(i,m)と二次係数c
(i,k),d(i,k)とを導出する。
によって導出された一次係数e(i,k),f(i,
k)と二次係数g(i,m)とを用いて帯域分割フィル
タバンクを再構成した効率化帯域分割フィルタバンクを
図34に示す。この効率化帯域分割フィルタバンク12
4では、図11に示した帯域分割フィルタバンク18の
帯域分割フィルタ係数保持部21,24,27及び30
の帯域分割フィルタ係数を、対称性を利用して一次係数
保持部127,133,139及び145のe(0,
k),e(1,k),e(2,k)及びe(3,k)
と、一次係数保持部130,136,142及び148
のf(0,k),f(1,k),f(2,k)及びf
(3,k)と、二次係数保持部152,155,158
及び161のg(0,m),g(1,m),g(2,
m)及びg(3,m)に分離することで演算の効率を計
り、高速な帯域分割処理を可能としている。
号Sが4サンプルずつ入力され、この入力バッファ12
5と上記一次係数保持部127,130,133,13
6,139,142,145及び148との畳み込み演
算が乗算器群126,129,132,135,13
8,141,144及び147と加算器128,13
1,134,137,140,143,146及び14
9で行われて、その演算出力が中間バッファ150に供
給される。中間バッファ150の出力と上記二次係数保
持部152,155,158及び161との畳み込み演
算が乗算器群151,154,157及び160と加算
器153,156,159及び162で行われて各帯域
毎の信号成分S0,S1,S2及びS3が得られる。
では、1サンプル当たりの積和演算が2K+M回(ここ
で、K=L/2M)と表されるので、帯域分割数M=
4、タップ長L=96の場合、1サンプル当たり28回
の積和演算だけで済み、上記図11で説明した処理法と
比較して演算量が1/3以下となっており、帯域分割処
理の高速化が可能となる。この帯域分割処理をさらに高
速化したい場合には、タップ長Lを短縮化すれば良い
が、帯域分割処理側でタップ長Lを短縮化するとフィル
タ特性が悪化して阻止帯域減衰量が少なくなり、隣接す
る帯域からのエリアシング成分を含んだままにスペクト
ル変換が施されてしまう。このとき生ずるエリアシング
成分は帯域合成時にもキャンセルされない。このため、
一般的に、帯域分割フィルタバンクには高精度で急峻な
周波数特性を持たせる必要があり、タップ長を短縮する
ことは得策ではない。
係数導出工程によって導出された一次係数a(i,
m),b(i,m)と二次c(i,k),d(i,k)
とを用いて帯域合成フィルタバンクを再構成した効率化
帯域合成フィルタバンク163を図35に示す。この効
率化帯域合成フィルタバンク163では、図12に示し
た帯域合成フィルタバンク32の帯域合成フィルタ係数
保持部35,39,43及び47の帯域合成フィルタ係
数を対称性を利用して一次係数保持部166及び172
のa(0,m)及びa(1,m)と、一次係数保持部1
69及び175のb(0,m)及びb(1,m)と、二
次係数保持部179及び187のc(0,k)&c
(3,k)及びc(1,k)&c(2,k)と、二次係
数保持部183及び191のd(0,k)&d(3,
k)及びd(1,k)&d(2,k)に分離することで
演算の効率を計り、高速な帯域合成処理を可能としてい
る。
ル変換部150,151,152及び153よりの時系列信
号SI0,SI1,SI2及びSI3が入力され、この入力バッ
ファ164と上記一次係数保持部166,169,17
2及び175との畳み込み演算が乗算器群165,16
8,171及び174と加算器167,170,173
及び176で行われて、その演算出力が中間バッファ1
77,181,185及び189に供給される。中間バ
ッファ177,181,185及び189の出力と上記
二次係数保持部179,183,187及び191との
畳み込み演算が乗算器群178,182,186及び1
90と加算器180,184,188及び192で行わ
れて各帯域毎の信号成分SU0,SU1,SU2及びSU3が得
られる。
では、1サンプル当たりの積和演算が2K+M回(ここ
で、K=L/2M)と表されるので、 帯域合成数M=
4,タップ長L=96の場合、1サンプル当たり28回
の積和演算だけで済み、上記図12で用いた処理法と比
較して演算量が1/3以下となっており、帯域合成処理
の高速化が可能となる。
化復号化システム1の復号化装置7内の時系列信号合成
部11において、固定タップ長変換帯域合成フィルタバ
ンク50及び可変タップ長変換帯域合成フィルタバンク
85に、上述したタップ長変換の他、フィルタ係数の一
次係数、二次係数への分離をも行わせることで帯域合成
処理のさらなる高速化を計ることが可能となる。例え
ば、タップ長Lを64に変換した場合、演算回数は20
回となる。また、タップ長Lを48に変換した場合、演
算回数は16回となる。
ィルタバンクと効率化帯域合成フィルタバンクを組み合
わせた帯域合成フィルタバンクの構成を示す。入力バッ
ファ194には逆スペクトル変換部150,151,15
2及び153よりの時系列信号SI0,SI1,SI2及びSI3
が入力され、この入力バッファ194と一次係数保持部
196,199,202及び205との畳み込み演算が
乗算器群195,198,201及び204と加算器1
97,200,203及び206で行われて、その演算
出力が中間バッファ207,211,215及び219
に供給される。中間バッファ027,211,215及
び219の出力と二次係数保持部209,213,21
7及び221との畳み込み演算が乗算器群208,21
2,216及び220と加算器210,214,218
及び222で行われて各帯域毎の信号成分SU0,SU1,
SU2及びSU3が得られる。
には中間バッファ207,211,215及び219
と、二次係数保持部209,213,217及び221
のタップ長を変換するだけでよい。
ィルタバンクを効率化帯域合成フィルタバンクにて再構
成した帯域合成フィルタバンクの構成を示す。入力バッ
ファ224には逆スペクトル変換部150,151,15
2及び153よりの時系列信号SI0,SI1,SI2及びSI3
が入力され、この入力バッファ224と一次係数保持部
226,229,232及び235との畳み込み演算が
乗算器群225,228,231及び234と加算器2
27,230,233及び236で行われて、その演算
出力が中間バッファ237,241,245及び249
に供給される。中間バッファ237,241,245及
び249の出力と二次係数保持部239,243,24
7及び251との畳み込み演算が乗算器群238,24
2,246及び250と加算器240,244,248
及び252で行われて各帯域毎の信号成分SU0,SU1,
SU2及びSU3が得られる。
には中間バッファ237,241,245及び249
と、二次係数保持部239,243,247及び251
のタップ長を変換するだけで良い。また、この図37の
斜線で示した部分は、係数、バッファの再割当が可能で
あり、タップ長L’が変化すれば直ちに変更され、演算
量と帯域合成処理精度が変化する。
の形態を用いれば、復号化処理装置の能力に見合ったタ
ップ長の設定が可能となり、必要とされる演算量及び帯
域合成時の周波数特性の最適化が可能となる。
化装置の処理能力がそれほど高くない場合、音質的には
それほど厳しい要求はされないが帯域感があるように求
められる場合にはタップ長L’を短縮化して帯域合成フ
ィルタバンクの演算量を削減すれば良い。また、データ
の検索、データの検査だけを高速に行う必要がある場合
などのように音質的には厳しい要求がない場合にも、本
発明は有効である。
ィルタバンクは復号化装置にかかる負荷の調整が可能で
ある。すなわち、演算処理能力に余裕があるときにはタ
ップ長L’を大きく設定して高精度な帯域合成を行い、
演算処理能力に余裕がない場合にはタップ長L’を短縮
化して演算量を削減し、聴感上問題の少ないように疑似
的な帯域合成処理を行う。
リケーションが動作している場合などのように処理能力
が時間とともに変化するような場合に有効であり、復号
化装置に大きな負荷が生じた場合でも復号化処理を続け
ることが可能となる。
成処理に限って、演算量を減らし、高速化を計る場合に
ついて説明した。これは、符号化装置側では、符号化を
行う際には必ずしもリアルタイムで符号化を行う必要は
なく、また比較的に演算処理能力の高い符号化装置を用
いることが出来るため、帯域分割フィルタバンクのタッ
プ長を、所望する特性に見合った適切な長さにすること
ができるためである。
装置を設計したい場合や実時間処理を行いたい場合には
どうしても演算量を低く抑える必要がある。
化を問わず、演算処理能力の低い装置及び時間的に演算
処理能力が変化してしまうような装置を使用する必要が
ある場合にも、実時間処理を実現できるように演算量を
コントロール可能な機能を持つ帯域分割フィルタバンク
及びフィルタリング方法、並びに帯域合成フィルタバン
ク及びフィルタリング方法、並びに符号化装置/復号化
装置を提供する。
域合成フィルタバンクに用いる、PQFフィルタバンク
のタップ長を可変にする可変タップ長PQFフィルタバ
ンク260の構成を示す。
60は、所望のタップ長情報に基づいて標準タップ長の
フィルタ係数を短縮して得られた所望のタップ長のフィ
ルタ係数を出力するPQFタップ長変換部261と、こ
のPQFタップ長変換部261からの所望のタップ長の
フィルタ係数と上記音響信号とを畳み込み演算する演算
器266とを備えてなる。
バンク260は、PQFタップ長変換部261の出力
と、メモリ部265を介した入力信号とを畳み込み演算
器266に導き、この畳み込み演算器266からの畳み
込み演算結果を帯域分割/帯域合成信号として導出す
る。
のタップ長Lmax262を決定し、そのPQFフィルタバ
ンクの性能を標準とする。このタップ長Lmax262をそ
れより短いタップ長、例えば(L=Lmax/2)263、Lmin
264へと短縮化することで、帯域分割/帯域合成にか
かる演算量を低減することが可能である。
プ長変換部261では、タップ長情報に基づいて、例え
ばRAMに既に格納している所望のタップ長のフィルタ
係数を読み出して出力するように動作する。
をCul(Lmax)とすれば、タップ長をLmax262以下の(L
=Lmax/2)263、Lmin264とすることで、フィルタ
の性能は低下するが、その場合の演算量Cul(L)はCul(Lm
ax)より少ないものとなる。但し、タップ長を短縮化さ
せる場合には音質劣化が生じるので、フィルタ係数の値
を操作する必要がある。
タップ長変換部261の構成を示す。このPQFタップ
長変換部261は、方形窓、ハミング窓等の関数を選択
する窓関数選択部267と、この窓関数選択部267で
選択された窓関数を生成する窓関数生成部268と、タ
ップ長Lmaxの帯域分割フィルタ係数hx(Lmax)又は帯域合
成フィルタ係数kx(Lmax)を格納しているフィルタ係数格
納部269と、このフィルタ係数格納部269からのフ
ィルタ係数hx(Lmax)又はkx(Lmax)に窓関数生成部268
で生成された窓関数を乗算する乗算器270と、この乗
算器270からの乗算結果であるタップ長Lの帯域分割
フィルタ係数hx(L)又は帯域合成フィルタ係数kx(L)を格
納するフィルタ係数格納部271とを備えてなる。この
図39に示したPQFタップ長変換部261では、タッ
プ長情報に応じてその都度、所望のタップ長のフィルタ
係数を演算によって求めるような動作を行っている。
帯域合成フィルタ係数kx(L)を導出する際に、乗算器2
70で窓関数生成部268からの窓関数を作用させるの
は、帯域分割/帯域合成の際に隣接する帯域からのエリ
アシングを効果的に抑制するためである。この操作によ
り、PQFフィルタバンクのタップ長を変化させた場合
でも聴感上の問題を最小限にとどめることが可能とな
る。
プ長変換部261により、上記図10の(A)に示した
振幅特性を持つタップ長L=96のPQFフィルタバン
クのフィルタ係数hx(96)を、タップ長L=48の方形窓
関数によって変換したフィルタ係数hx(48)としたPQF
フィルタバンクの振幅特性Hxを示した特性図である。ま
た、図41は、フィルタ係数kx(48)としたPQFフィル
タバンクの振幅特性を示した特性図である。
阻止帯域での利得減衰量は40dBほどであり、この程度の
利得減衰量では隣接する帯域に発生するエリアシングに
よって聴感上の悪影響を及ぼすことがある。
プ長変換部261により、上記図10に示した振幅特性
を持つタップ長L=96のPQFフィルタバンクのフィ
ルタ係数hx(96)を、タップ長L=48のハミング窓関数
によって変換し、フィルタ係数hx(48)としたPQFフィ
ルタバンクの振幅特性Hxを示したものである。
フィルタバンクの阻止帯域での利得減衰量は60dB以上あ
り、同じタップ長L=48に変換した方形窓関数を用い
た図40に示すPQFフィルタバンクより高い性能を持
つ。
帯域の利得減衰量は大きくとることが出来るが、図43
に示すように帯域合成時の振幅特性Uのリップルが大き
くなってしまう。だが、この現象は聴感上それほど問題
とはならない。それより、隣接する帯域からのエリアシ
ングが聴感上の問題を引き起こす主原因となっているた
め、阻止帯域の利得減衰量を大きくとった方が聴感上は
有利である。
も、選択する窓関数と、タップ長によっては、実時間処
理を優先するように演算量を低減することができる。
た符号化装置、すなわち帯域分割フィルタバンクと、こ
の帯域分割フィルタバンクで帯域分割した音響信号に符
号化処理を施して符号化列を生成する図1に示すような
符号化装置2によれば、演算処理能力が低かったり、ま
た時間的に演算処理能力が変化してしまう場合、実時間
処理を優先するように演算量をコントロールできる。
た復号化装置、すなわち帯域合成フィルタバンクと、こ
の帯域合成フィルタバンクで帯域合成した信号に復号化
処理を施して復号化出力を得る図1に示すような復号化
装置7によれば、演算処理能力が低かったり、また時間
的に演算処理能力が変化してしまう場合、実時間処理を
優先するように演算量をコントロールできる。
帯域分割フィルタ係数hx(L)又は帯域合成係数kx(L)は、
タップ長Lmaxの帯域分割フィルタ係数hx(Lmax)又は帯域
合成フィルタ係数kx(Lmax)との互換性を持つ。
いてタップ長Lmaxのフィルタ係数hx(Lmax)277を用い
たPQFフィルタバンク276で帯域分割したデータ
を、復号化装置280においてタップ長Lのフィルタ係
数kx(L)283を用いたPQFフィルタバンク281で
帯域合成することが可能である。また、PQFフィルタ
バンク281でタップ長Lmaxのフィルタ係数kx(Lmax)2
82を用いて帯域合成することも可能である。さらに、
符号化装置275においてタップ長Lのフィルタ係数hx
(L)278を用いたPQFフィルタバンク276で帯域
分割したデータを、復号化装置280においてタップ長
Lのフィルタ係数kx(L)283を用いたPQFフィルタバ
ンク281で帯域合成することが可能である。また、P
QFフィルタバンク281でタップ長Lmaxのフィルタ係
数kx(Lmax)282を用いて帯域合成することも可能であ
る。すなわち、図44に示したような経路A,B,C及びDに
よって符号化/復号を行うことが可能である。
5のPQFフィルタバンク276においてタップ長Lmax
=96のフィルタ係数hx(96)285を用いて帯域分割を行
い、復号化装置280のPQFフィルタバンク281に
おいてタップ長L=48のフィルタ係数kx(48)288を用い
て帯域合成を行う音響信号符号化/復号化装置を示す。
演算処理能力に見合った演算量の帯域合成フィルタバン
クを選択して帯域合成処理を行った後、復号化を行うこ
とになる。
述したように、フィルタ係数を二つの係数に分割するこ
とで、PQFに関する積和演算量を、それぞれ1サンプ
ルあたりL/M+M回必要としている。
281において、タップ長48のフィルタ係数kx(48)28
8を用いた場合の1サンプルあたり積和演算量は16回と
なり、タップ長96のフィルタ係数kx(96)287における
1サンプルあたり28回の積和演算量と比較して60%以下の
演算量で済むことになる。
より、符号化装置275では充分な精度で符号化を行
い、復号化装置280として小型で演算量の少ない簡易
的な装置を作ることが可能となる。これは、図37まで
を用いて既に説明した復号化装置の演算量の低減と同じ
ことである。
時間とともに変化し、ある時点でタップ長96のPQFフ
ィルタバンクで帯域合成処理が困難な状態になった場
合、PQFフィルタバンクをタップ長48へと変更するこ
とで演算量を低減して負荷を小さくし、実時間処理を可
能とするようにしてもよい。
ハードウェア的な利点としてはシステムの小型化や省電
力化が挙げられ、ソフトウェア的な利点としては復号化
プログラムの負荷低減に効果があることが挙げられる。
75のPQFフィルタバンク276においてタップ長L=
48のフィルタ係数hx(48)286を用いて帯域分割を行
い、復号化装置280のPQFフィルタバンク281に
おいてタップ長Lmax=96のフィルタ係数kx(96)287を
用いて帯域合成を行う音響信号符号化/復号化装置を示
す。
化装置では、図45と同様にPQFに関する積和演算量
はフィルタ係数を二つに分割しているので、1サンプル
あたりL/M+M回必要である。
276において、タップ長48のフィルタ係数hx(48)28
6を用いた場合の1サンプルあたり積和演算量は16回と
なり、タップ長96のフィルタ係数hx(96)285における
1サンプルあたり28回の積和演算量と比較して60%以下
の演算量で済むことになるが、復号化装置280側の帯
域合成時の特性は符号化側の帯域分割特性を上回ること
は出来ない。
Fフィルタバンクのタップ長Lを示すフラグを記録す
る。復号化装置280側ではそのフラグを判別し、自動
的にタップ長Lに見合ったPQFフィルタバンクを構成
して帯域合成を行うことも可能であり、不必要な演算量
の増加を抑制することが出来る。
は、符号化部により帯域分割フィルタバンクで上記音響
信号を帯域分割するのに用いたタップ長情報を符号化列
の中に書き込んでいる。
長情報を読み込んでこのタップ長情報から判断できる帯
域分割フィルタバンクと同じ性能を持つ帯域合成フィル
タバンクによって帯域合成を行ってから、符号化列を復
号化する。
列を帯域分割に用いたフィルタバンクのタップ長情報と
共に記録している記録媒体から、上記タップ長情報を読
み込む。
80の復号化時の演算量の低減を補助することになる。
算量の少ない簡易的な符号化装置によって符号化を行う
ことが可能となる。また付加機能を用いることで、可変
タップ長PQFフィルタバンクを持つ復号化装置におい
て演算量の抑制が可能であり、また、可変タップ長PQ
Fフィルタバンクを持たない復号化装置においても音響
信号の復元が可能となる。
たタップ長96→48以外の数にタップ長を変換することは
可能であることはいうまでもない。
の形態を用いれば、符号化/復号化装置の能力に見合っ
た帯域分割/帯域合成フィルタのタップ長の設定を行う
ことで、必要とされる演算量及び帯域分割/帯域合成時
の周波数特性の最適化が可能となる。
それほど高くない場合でも、帯域分割/帯域合成フィル
タのタップ長を変化させることで聴感上は問題なく符号
化/復号化が可能となる。
びフィルタリング方法は、帯域合成側で用いられるフィ
ルタ係数に対して最適化関数により聴感上の処理を施し
てから、この最適化処理が施されたフィルタ係数の修
正、及びタップ長の短縮を行うので、帯域合成を行う際
に小型で演算処理能力の低い復号化装置を使用する必要
がある場合、または一つの復号化装置上で多数のアプリ
ケーションが動作し負荷が大きい場においてもリアルタ
イムでの音響信号の復号化を実現できる。
ク及びフィルタリング方法は、所望のタップ長情報に基
づいて標準タップ長のフィルタ係数を短縮して得られた
所望のタップ長のフィルタ係数と音響信号とを畳み込み
演算して、帯域合成信号を導出するので、帯域合成を行
う際に小型で演算処理能力の低い復号化装置を使用する
必要がある場合、または一つの復号化装置上で多数のア
プリケーションが動作し負荷が大きい場においてもリア
ルタイムでの音響信号の復号化を実現できる。
ク及びフィルタリング方法は、所望のタップ長情報に基
づいて標準タップ長のフィルタ係数を短縮して得られた
所望のタップ長のフィルタ係数と音響信号とを畳み込み
演算して、帯域分割信号を導出するので、帯域分割処理
を行う際に演算処理能力の低い符号化装置を使用する必
要があるときに、演算量を低減し、実時間処理を優先し
た符号化を実現できる。
においては演算量のコントロールが可能であるため、演
算処理能力に余裕があるときにはタップ長Lを大きく設
定して高精度な帯域分割/帯域合成を行い、演算処理能
力に余裕がない場合にはタップ長Lを短縮化して演算量
を低減することで実時間処理を可能とし、聴感上問題の
少ないように擬似的な帯域分割/帯域合成処理を行うこ
とが可能である。
/復号化装置が、コンピュータ上で多数のアプリケーシ
ョンと同時に動作している場合等のように処理能力が時
間とともに変化するような場合に有効な発明であり、CP
Uに大きな負荷が生じた場合でも実時間処理を続けるこ
とが可能となる。
ても互換性があり、帯域分割フィルタと帯域合成フィル
タで異なるタップ数のフィルタを用いても聴感上はそれ
ほど問題にならない。それゆえ、本発明による符号化装
置による符号化列を、従来用いられてきた復号化装置に
おいても再生可能であるというハードウェアの互換性と
いう利点も持つ。
ルタリング方法の実施の形態となる音響信号符号化復号
化システムの概略構成を示すブロック図である。
置側に用いられるスペクトル変換部の詳細な構成を示す
ブロック図である。
置側に用いられる時系列信号合成部の詳細な構成を示す
ブロック図である。
号合成部を用いた上記音響信号符号化復号化システムの
構成を示すブロック図である。
の図である。
るための図である。
及び帯域合成フィルタ係数の関係を示した図である。
びその周波数特性を示した図である。
帯域分割フィルタ及び帯域合成フィルタの周波数特性を
示す図である。
性の詳細を示す図である。
を用いた帯域分割フィルタバンクの構成図である。
を用いた帯域合成フィルタバンクの構成図である。
トル変換部の帯域分割フィルタのタップ長より短いタッ
プ長で構成される固定タップ長帯域合成フィルタバンク
を用いた構成を示すブロック図である。
成フィルタバンクの構成を示すブロック図である。
フィルタバンクの修正帯域合成フィルタ係数演算部の詳
細な構成を示すブロック図である。
演算部の固定タップ長変換部の詳細な構成を示すブロッ
ク図である。
を示した図である。
し、上記図17に示す窓関数を作用させて得られた修正
プロトタイプフィルタのインパルス応答及びその周波数
特性を示す図である。
した帯域分割フィルタ及び帯域合成フィルタの周波数特
性を示す図である。
いた帯域合成フィルタバンクの構成図である。
クトル変換部の帯域分割フィルタのタップ長より短いタ
ップ長で構成される可変タップ長帯域合成フィルタバン
クを用いた構成を示すブロック図である。
フィルタバンクの構成を示すブロック図である。
フィルタバンクの修正帯域合成フィルタ係数演算部の詳
細な構成を示すブロック図である。
演算部の可変タップ長変換部でL’=64というタップ
長を得る動作を説明するための図である。
演算部の可変タップ長変換部でL’=48というタップ
長を得る動作を説明するための図である。
係数の一例を示す図である。
し、上記図26に係数を示す窓関数を作用させて得られ
た修正プロトタイプフィルタのインパルス応答を示す図
である。
し、上記図26に係数を示す窓関数を作用させて得られ
た修正プロトタイプフィルタの周波数応答を示す図であ
る。
導出したタップ長L’=48の帯域分割フィルタ及び帯
域合成フィルタの周波数特性を示す図である。
導出したタップ長L’=64の帯域分割フィルタ及び帯
域合成フィルタの周波数特性を示す図である。
フィルタバンクの構成とは別の構成による可変タップ長
変換帯域合成フィルタバンクの構成を示すブロック図で
ある。
いた帯域合成フィルタバンクの構成図である。
ため、帯域分割フィルタ及び帯域合成フィルタの係数を
それぞれ一次係数、二次係数に分離する工程を説明する
ための図である。
に分離して構成する効率化帯域分割フィルタバンクの構
成図である。
に分離して構成する効率化帯域合成フィルタバンクの構
成図である。
長変換帯域合成フィルタの組み合わせによるフィルタバ
ンクの構成図である。
長変換帯域合成フィルタの組み合わせによるフィルタの
構成図である。
のタップ長を変更することの出来る一例としての、可変
タップ長PQFフィルタバンクのブロック図である。
プ長を変換するPQFタップ長変換部の構成を示すブロッ
ク図である。
って、図10の(A)に示したフィルタバンクのタップ
長を96から48へと変換した場合の帯域分割特性図であ
る。
って、図10の(B)に示したフィルタバンクのタップ
長を96から48へと変換した場合の帯域合成特性図であ
る。
によって、図10の(A)に示したフィルタバンクのタ
ップ長を96から48へと変換した場合の帯域分割特性図で
ある。
によって、図10の(B)に示したフィルタバンクのタ
ップ長を96から48へと変換した場合の帯域合成特性図で
ある。
フィルタバンクを使うことが可能であることを説明する
図である。
のフィルタバンクを使うことが可能であることを説明す
る図である。また、復号化装置の処理能力により、96/4
8タップの切り替えが可能であることも示す図である。
のフィルタバンクを使うことが可能であることを説明す
る図である。また、符号化装置側でフラグを記録するこ
とで、復号化装置側で96/48タップの切り替えが可能で
あることも示す図である。
3 スペクトル変換部、4 符号化部、5 スペクトル
成分符号化部、6 符号列生成部、7 復号化装置、8
復号化部、9 符号列分割部、10 スペクトル成分
復号化部、11時系列信号合成部、12 帯域分割フィ
ルタバンク、17 帯域合成フィルタバンク
Claims (30)
- 【請求項1】 所定の有限タップ長で構成される帯域分
割フィルタバンクにより帯域分割処理された音響信号に
フィルタ係数を変更した帯域合成処理を施す帯域合成フ
ィルタバンクであって、 上記フィルタ係数に最適化関数を用いた聴感上の処理を
施す最適化処理手段と、 上記最適化処理手段で最適化処理が施された上記フィル
タ係数のタップ長を変換するタップ長変換手段とを備え
ることを特徴とする帯域合成フィルタバンク。 - 【請求項2】 上記タップ長変換手段を用い、上記タッ
プ長を可変とすることを特徴とする請求項1記載の帯域
合成フィルタバンク。 - 【請求項3】 上記最適化処理手段で、最適化関数とし
てハミング関数、ハニング関数などの周波数分離特性を
向上させうる窓関数を用いることを特徴とする請求項1
記載の帯域合成フィルタバンク。 - 【請求項4】 PQFフィルタバンクを用いることを特
徴とする請求項1記載の帯域合成フィルタバンク。 - 【請求項5】 帯域合成フィルタ係数を二つの係数に分
割することを特徴とする請求項4記載の帯域合成フィル
タバンク。 - 【請求項6】 音響信号に帯域合成処理を施す帯域合成
フィルタバンクであって、 所望のタップ長情報に基づいて標準タップ長のフィルタ
係数を短縮して得られた所望のタップ長のフィルタ係数
を出力するタップ長変換手段と、 上記タップ長変換手段からの変換された所望のタップ長
のフィルタ係数と上記音響信号とを畳み込み演算する演
算手段とを備えることを特徴とする帯域合成フィルタバ
ンク。 - 【請求項7】 上記タップ長変換手段は、最長のタップ
長を標準とし、この標準タップ長のフィルタ係数に聴感
上の最適化処理を施して、上記所望のタップ長のフィル
タ係数を、上記畳み込み演算手段に供給することを特徴
とする請求項6記載の帯域合成フィルタバンク。 - 【請求項8】 上記タップ長変換手段は、最適化処理と
してハミング関数、ハニング関数などの周波数分離特性
を向上させうる窓関数による処理を、上記標準タップ長
のフィルタ係数に施すことを特徴とする請求項7記載の
帯域合成フィルタバンク。 - 【請求項9】 PQFフィルタバンクを用いることを特
徴とする請求項6記載の帯域合成フィルタバンク。 - 【請求項10】 上記フィルタ係数をその対称性を利用
して二つの係数に分割して、一方だけを演算に用いるこ
とを特徴とする請求項9記載の帯域合成フィルタバン
ク。 - 【請求項11】 所定の有限タップ長で構成される帯域
分割フィルタバンクにより帯域分割処理された音響信号
にフィルタ係数を変更した帯域合成処理を施す帯域合成
フィルタリング方法であって、 上記フィルタ係数に最適化関数を用いた聴感上の処理を
施す最適化処理工程と、 上記最適化処理工程で最適化処理が施された上記フィル
タ係数のタップ長を変換するタップ長変換工程とを備え
ることを特徴とする帯域合成フィルタリング方法。 - 【請求項12】 上記タップ長変換行程を用い、上記タ
ップ長を可変とすることを特徴とする請求項11記載の
帯域合成フィルタリング方法。 - 【請求項13】 上記最適化処理工程で、最適化関数と
してハミング関数、ハニング関数などの周波数分離特性
を向上させうる窓関数を用いることを特徴とする請求項
11記載の帯域合成フィルタリング方法。 - 【請求項14】 PQFフィルタバンクを用いることを
特徴とする請求項11記載の帯域合成フィルタリング方
法。 - 【請求項15】 帯域合成フィルタ係数を二つの係数に
分割することを特徴とする請求項14記載の帯域合成フ
ィルタリング方法。 - 【請求項16】 音響信号に帯域合成処理を施す帯域合
成フィルタリング方法であって、 所望のタップ長情報に基づいて、標準タップ長のフィル
タ係数を短縮して得られた所望のタップ長のフィルタ係
数を出力するタップ長変換工程と、 上記タップ長変換工程からの変換された所望のタップ長
のフィルタ係数と上記音響信号とを畳み込み演算する演
算工程とを備えることを特徴とする帯域合成フィルタリ
ング方法。 - 【請求項17】 上記タップ長変換工程は、最長のタッ
プ長を標準とし、この標準タップ長のフィルタ係数に聴
感上の最適化処理を施して、上記所望のタップ長のフィ
ルタ係数を、上記畳み込み演算工程に供給することを特
徴とする請求項16記載の帯域合成フィルタリング方
法。 - 【請求項18】 音響信号に帯域分割処理を施す帯域分
割フィルタバンクであって、 所望のタップ長情報に基づいて、標準タップ長のフィル
タ係数を短縮して得られた所望のタップ長のフィルタ係
数を出力するタップ長変換手段と、 上記タップ長変換手段からの変換された所望のタップ長
のフィルタ係数と上記音響信号とを畳み込み演算する演
算手段とを備えることを特徴とする帯域分割フィルタバ
ンク。 - 【請求項19】 上記タップ長変換手段は、最長のタッ
プ長を標準とし、この標準タップ長のフィルタ係数に聴
感上の最適化処理を施して、上記所望のタップ長のフィ
ルタ係数を、上記畳み込み演算手段に供給することを特
徴とする請求項18記載の帯域分割フィルタバンク。 - 【請求項20】 上記タップ長変換手段は、最適化処理
としてハミング関数、ハニング関数などの周波数分離特
性を向上させうる窓関数による処理を、上記標準タップ
長のフィルタ係数に施すことを特徴とする請求項19記
載の帯域分割フィルタバンク。 - 【請求項21】 PQFフィルタバンクを用いることを
特徴とする請求項18記載の帯域分割フィルタバンク。 - 【請求項22】 上記フィルタ係数をその対称性を利用
して二つの係数に分割して、一方だけを演算に用いるこ
とを特徴とする請求項21記載の帯域分割フィルタバン
ク。 - 【請求項23】 音響信号に帯域分割処理を施す帯域分
割フィルタリング方法であって、 所望のタップ長情報に基づいて、標準タップ長のフィル
タ係数を短縮して得られた所望のタップ長のフィルタ係
数を出力するタップ長変換工程と、 上記タップ長変換工程からの変換された所望のタップ長
のフィルタ係数と上記音響信号とを畳み込み演算する演
算工程とを備えることを特徴とする帯域分割フィルタリ
ング方法。 - 【請求項24】 上記タップ長変換工程は、最長のタッ
プ長を標準とし、この標準タップ長のフィルタ係数に聴
感上の最適化処理を施して、上記所望のタップ長のフィ
ルタ係数を、上記演算工程に供給することを特徴とする
請求項23記載の帯域分割フィルタリング方法。 - 【請求項25】 音響信号を帯域分割してから符号化す
る符号化装置において、 上記音響信号を帯域分割する帯域分割フィルタバンク
と、 上記帯域分割フィルタバンクで帯域分割した音響信号に
符号化処理を施して符号化列を生成する符号化手段とを
備え、 上記符号化手段は上記帯域分割フィルタバンクで上記音
響信号を帯域分割するのに用いたタップ長情報を上記符
号化列の中に書き込むことを特徴とする符号化装置。 - 【請求項26】 上記帯域分割フィルタバンクは、所望
のタップ長情報に基づいて標準タップ長のフィルタ係数
を短縮して得られた所望のタップ長のフィルタ係数を出
力するタップ長変換手段と、上記タップ長変換手段から
の変換された所望のタップ長のフィルタ係数と上記音響
信号とを畳み込み演算する演算手段とを備えることを特
徴とする請求項25記載の符号化装置。 - 【請求項27】 上記タップ長変換手段は、最長のタッ
プ長を標準とし、この標準タップ長のフィルタ係数に聴
感上の最適化処理を施して、上記所望のタップ長のフィ
ルタ係数を、上記畳み込み演算手段に供給することを特
徴とする請求項26記載の符号化装置。 - 【請求項28】 タップ長が変化する帯域分割フィルタ
バンクを用いた符号化装置によって符号化された符号化
列とタップ長情報を読み出し、この符号化列を復号化す
る復号化装置であって、 上記タップ長情報から判断できる上記帯域分割フィルタ
バンクと同じ性能を持つ帯域合成フィルタバンクによっ
て帯域合成を行ってから、符号化列を復号化することを
特徴とする復号化装置。 - 【請求項29】 復号化時の演算処理能力に見合った演
算量の帯域合成フィルタバンクを選択して帯域合成処理
を行った後、復号化を行うことを特徴とする請求項28
記載の復号化装置。 - 【請求項30】 音響信号を帯域分割し、それぞれの帯
域毎に符号化を施して得られた符号化列を、帯域分割に
用いたフィルタバンクのタップ長情報と共に、記録して
いることを特徴とする記録媒体。
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