JP4396233B2 - 複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法、信号合成方法、そのプログラム及びその記録媒体 - Google Patents

複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法、信号合成方法、そのプログラム及びその記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、演算量を削減して低消費電力のあるいは高速な複素指数変調フィルタバンクの信号分析と信号合成方法に関するものである。
近年、信号を複数の帯域分割信号に分割する信号分析フィルタバンクと前記帯域分割信号を合成して元の信号を再生する信号合成フィルタバンクは、オーディオ信号や画像信号のサブバンド符号化による高能率符号化を実現する信号分析と信号合成手段として注目されている。特に、少ない情報量で広帯域再生を実現するオーディオ信号帯域拡張技術において、複素指数変調フィルタバンクが注目されている。複素指数変調フィルタバンクは、MPEG(Moving Picture Experts Group)−1オーディオ等で使用されてきたコサイン変調フィルタバンクと異なり、帯域毎にゲインを変えても折り返し歪が発生しないという利点を有している。したがって各種デジタルイコライザーとしても利用可能である。しかしながら、複素指数変調フィルタバンクは、帯域分割信号を複素数で扱うので、帯域分割信号を実数で扱うコサイン変調フィルタバンクと比較して演算量が多いという欠点を有している。
例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)AAC(Advanced Audio Coding)の帯域拡張技術であるAAC+SBR(Spectral Band Replication)では、複素指数変調フィルタバンクが用いられている(非特許文献1参照)。
以下に従来の複素指数変調フィルタバンクの信号分析と信号合成方法について説明する。図12は信号分析フィルタバンクと信号合成フィルタバンクの構成を示すブロック図である。図12において、1201は信号分析フィルタバンク、1202は信号合成フィルタバンク、Mは帯域分割数、1203はサンプリング周波数K倍補間器、1204は分析用帯域通過フィルタ、1205は間引き器、1206は補間器、1207は合成用帯域通過フィルタ、1208は加算器、1209はサンプリング周波数1/L倍間引き器である。
信号分析フィルタバンク1201は、サンプリング周波数K倍補間器1203とM個の分析用帯域通過フィルタ1204とM個の間引き器1205とから成り、信号合成フィルタバンク1202は、M個の補間器1206とM個の合成用帯域通過フィルタ1207と加算器1208とサンプリング周波数1/L倍間引き器1209とから成る。分析用帯域通過フィルタ1204と合成用帯域通過フィルタ1207は、互いにペアをなす。ここで、KとLは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数である。なお、図12でサンプリング周波数K倍補間器1203、あるいはサンプリング周波数1/L倍間引き器1209を備えていない構成(すなわち、KあるいはLの値が1の構成)も可能である。
最初に信号分析フィルタバンク1201の動作について説明する。サンプリング周波数K倍補間器1203では、サンプリング周波数fsの入力信号に対して、1個のデータ毎に(K−1)個の零データを挿入することにより、サンプリング周波数をK倍上昇して、Kfsにする。次に、全帯域をM個の等帯域幅の帯域に分割する分析用帯域通過フィルタ1204によって帯域通過信号とし、間引き器1205でM個のデータ毎に(M−1)個のデータを間引き、1個のデータを出力することによってサンプリング周波数fsK/Mの帯域分割信号に変換し、出力する。入力信号のサンプリング周波数をK倍にしているので、第M/K帯域以上の帯域分割信号は零である。
次に、信号合成フィルタバンク1202の動作について説明する。信号分析フィルタバンク1201から出力されたサンプリング周波数fsK/Mの帯域分割信号を入力とし、補間器1206で1個のデータ毎に(M−1)個の零データを挿入することによってサンプリング周波数をM倍のKfsに上昇し、M個の等帯域幅の合成用帯域通過フィルタ1207により帯域通過信号とした後、加算器1208によって合成し、サンプリング周波数Kfsの信号を再生する。次に、サンプリング周波数1/L倍間引き器1209で、L個のデータ毎に(L−1)個のデータを間引き、サンプリング周波数fsK/Lの信号を出力する。
オーディオ信号や画像信号のサブバンド符号化では、信号分析フィルタバンクと信号合成フィルタバンクとの間で帯域分割信号の周波数方向の分布の偏りや人間の聴覚特性あるいは視覚特性を利用して情報圧縮を行い、高能率符号化を実現する。
特許文献1に記載されているように複素指数変調フィルタバンクは、プロトタイプフィルタを複素指数変調することにより構成される。特許文献1より、直線位相非巡回形プロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(n)(ただし、0≦n≦N、Nはフィルタ次数)とするとき、複素指数変調信号分析フィルタバンクの第k帯域のnサンプルのフィルタ係数ha(k,n)は(数1)(ただし、jは虚数単位、Aは信号分析の位相)で与えられる。
したがって、最初と最後のプロトタイプフィルタのフィルタ係数の値を零とするとき、信号分析フィルタバンクのサンプル時刻nにおける入力信号をx(n)とすれば、第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプル時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)は(数2)で与えられる。
(数2)を直接計算すると演算量が多くなるので、従来、以下のように演算量を削減した複素指数変調信号分析フィルタバンクが用いられてきた。図13は従来の複素指数変調信号分析フィルタバンクの分析方法の処理ステップを示すフローチャートである。ステップ1301で、サンプリング時刻nの入力信号x(n)から中間信号w(n)を(数3)によって算出する。
次に、ステップ1302で中間信号w(n)から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を(数4)(ただし、Aは信号分析の位相)によって算出する。
例えば、非特許文献1の60頁と62頁に、帯域分割数Mが64、プロトタイプフィルタのフィルタ次数Nが640、アップサンプリングの倍率Kが2、信号の位相Aが−1の場合の複素指数変調信号分析フィルタバンクの例が記載されている。ただし、非特許文献1では、プロトタイプフィルタのフィルタ係数h(n)の代わりに、h(n)から(数5)で算出したc(n)を用いている。
ここで、INT(x)は、xの小数点以下を切り捨て整数化する関数である。
図13の従来例では、中間信号を導入することにより、(数2)を直接計算する場合と比較して演算量を削減することができる。
ここで、図13の複素指数変調信号分析フィルタバンクを実現するのに必要な演算量を実数加算回数と実数乗算回数を評価する。
ステップ1301で、h(n)の代わりに(数5)であらかじめ算出したc(n)をテーブルに記憶して用いることにすると、実数加算回数は(N/2M−1)(2M/K)=N/K−2M/K回、実数乗算回数は(N/2M)(2M/K)=N/K回である。
ステップ1302で、Kexp(jπ(k+0.5)(2Kn+A)/(2M))をあらかじめ算出してテーブルに記憶して用いることにすると、実数加算回数は2(2M/K−1)(M/K)=4(M/K)−2(M/K)回であり、実数乗算回数は2(2M/K)(M/K)=4(M/K)回である。
プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,アップサンプリングの倍率Kを1とすれば、ステップ1301で、実数加算回数が512回、実数乗算回数が640回、ステップ1302で、実数加算回数が16256回、実数乗算回数が16384回、ステップ1301とステップ1302を合わせた合計で、実数加算回数が16768回、実数乗算回数が17024回である。
次に、従来の複素指数変調信号合成フィルタバンクについて説明する。特許文献1より、複素指数変調信号合成フィルタバンクの第k帯域のnサンプルのフィルタ係数hs(k,n)は(数6)(ただし、Bは信号合成の位相)で与えられる。
ここで、信号合成の位相Bは信号分析の位相Aと(数7)(ただし、Pは任意の整数)の関係式を満足する。
入力の複素帯域分割信号を(数6)のフィルタ係数でたたみこんだ信号の有効帯域(第0帯域から第(M/L−1)帯域までの帯域)での総和の実数部が信号合成フィルタバンク1202の出力である。最初と最後のプロトタイプフィルタのフィルタ係数の値を零とするとき、複素指数変調信号合成フィルタバンクの第k帯域のサンプル時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とすれば、サンプリング時刻mM/K+nL/Kにおける出力信号x(mM/K+nL/K)は(数8)(ただし、Re(x)は複素数xの実部)で与えられる。
(数8)を直接計算すると演算量が多くなるので、複素指数変調信号分析フィルタバンクの場合と同様に、従来、以下のように演算量を削減した複素指数変調信号合成バンクが用いられてきた。図14は従来の複素指数変調信号合成フィルタバンクの合成方法の処理ステップを示すフローチャートである。ステップ1401で、0≦n≦2(N−M)/L−1に対する中間信号w(n)をw(n+2M/L)にシフトし、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号X(k,mM/K)から0≦n≦2M/L−1に対する中間信号w(n)を(数9)によって算出する。
次に、ステップ1402で中間信号w(n)からサンプリング時刻mM/K+nL/K(ただし、0≦n≦M/L−1))における出力信号x(mM/K+nL/K)を(数10)によって算出する。
非特許文献1の60頁、61頁、63頁に、帯域分割数Mが64、プロトタイプフィルタのフィルタ次数Nが640、アップサンプリングの倍率Kが2、ダウンサンプリングの倍率1/Lが1、信号合成の位相Bが−255の場合の複素指数変調信号合成フィルタバンクの例が記載されている。
図14の複素指数変調信号合成フィルタバンクを実現するのに必要な演算量を、実数加算回数と実数乗算回数を評価する。
ステップ1401で、(1/M)exp(jπ(k+0.5)(2Ln+B)/(2M))をあらかじめ算出し、テーブルに記憶して用いることにすると、実数加算回数は(M/L−1)(2M/L)+(M/L)(2M/L)=4(M/L)−2(M/L)回であり、実数乗算回数は2(M/L)(2M/L)=4(M/L)回である。
ステップ1402で、h(n)の代わりに(数5)で算出したc(n)をテーブルに記憶して用いるとすると、実数加算回数は(N/M−1)(M/L)=N/L−M/L回、実数乗算回数は(N/2M)2(M/L)=N/L回である。
プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,ダウンサンプリングの倍率1/Lを1とすれば、ステップ1401で、実数加算回数が16256回、実数乗算回数が16384回、ステップ1402で、実数加算回数が576回、実数乗算回数が640回、ステップ1401とステップ1402を合わせた合計で、実数加算回数が16832回、実数乗算回数が17024回である。
国際公開第02/080362号パンフレット イソ/アイイーシー14496−3:2001(ISO/IEC14493−3:2001)、インフォメーション テクノロジー コーディング オブ オーディオ・ビジュアル オブジェクト パート3 オーディオ(Information technology − Coding of audio−visual objects − Part 3)、2003年3月 (FDAM1の本文、帯域拡張(Bandwidth Extension))
しかしながら、上記従来の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法と信号合成方法では、演算量が多い、という問題点を有していた。したがって、デジタルシグナルプロセッサのように限られた数の乗算器と加算器を時分割で使ってフィルタバンクを実装するときの動作クロック周波数が高くなり、消費電力が大きい、という課題を有していた。また、コンピュータを使ってソフトウェアでフィルタバンクを実行するときの処理時間が大きいという課題を有していた。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、複素指数変調フィルタバンク実行時の演算量を削減し、消費電力を低減した信号分析方法と信号合成方法を提供することを目的とする。また、複素指数変調フィルタバンク実行時の処理時間を短縮し、高速化した信号分析方法と信号合成方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の信号分析方法は、サンプリング周波数fsの入力信号をK倍にアップサンプリングして、M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/Mの複素帯域分割信号に分割して出力する複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法あって、入力信号から第1の中間信号を算出するステップと、第1の中間信号から第2の中間信号を算出するステップと、第2の中間信号からM/K点の高速フーリエ変換あるいは逆高速フーリエ変換で第3の中間信号を算出するステップと、第3の中間信号から複素帯域分割出力信号を算出するステップと、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の信号合成方法は、M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/Mの複素帯域分割入力信号を合成し、1/L倍にダウンサンプリングして、サンプリング周波数fsK/Lの信号を出力する複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法であって、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出するステップと、第1の中間信号からM/L点の高速フーリエ変換あるいは逆高速フーリエ変換で第2の中間信号を算出するステップと、第3の中間信号をシフトし、次に第2の中間信号から第3の中間信号を算出するステップと、第3の中間信号から出力信号を算出するステップと、を備えたことを特徴とする。
これにより、複素指数関数の周期性を利用して、高速フーリエ変換あるいは逆高速フーリエ変換を効率的に適用することができるので、複素指数変調フィルタバンクの演算量を削減することができる。
また、上記信号分析方法と信号合成方法は、実数部と虚数部を分離せずに複素数として扱うので、信号分析の位相あるいは信号合成の位相を演算量が小さくなるように設定することにより、演算量をさらに削減することができる。
本発明によれば、複素指数変調フィルタバンク実行時の演算量を削減することができる。したがって、デジタルシグナルプロセッサやLSIでフィルタバンクを実装するときの動作クロック周波数を低減することができ、低消費電力で複素指数変調フィルタバンクを実現することができる。また、複素指数変調フィルタバンクをコンピュータを使ってソフトウェアで実行する時の処理時間を短縮することができ、処理の高速化を実現することができる。
本発明の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法は、サンプリング周波数fsの信号をK倍(ただし、Kは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数)にアップサンプリングしてM個の等帯域幅のサンプリング周波数がfsK/Mの複素帯域分割信号に分割し、また、本発明の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法は、M個の等帯域幅のサンプリング周波数がfsK/Mの複素帯域分割信号を合成し、1/L倍(ただし、LはMの約数で1を含む正整数)にダウンサンプリングして、サンプリング周波数fsK/Lの信号を出力する。複素指数変調フィルタバンクはプロトタイプフィルタを複素指数変調することによって構成される。以下の実施の形態では、直線位相非巡回形プロトタイプフィルタのフィルタ次数をN、フィルタ係数をh(n)(0≦n≦N)、最初と最後のフィルタ係数の値を零(h(0)=h(N)=0)とする。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャートである。
ステップ101では、入力信号から第1の中間信号を算出する。すなわち、サンプリング時刻nにおける入力信号をx(n)とするとき、入力信号から第1の中間信号w1(n)(ただし、0≦≦2M/K−1)を(数11)によって算出する。
ステップ101は、図13の従来例のステップ1301と同一である。h(n)の代わりに(数12)であらかじめ算出したc(n)をテーブルに記憶して用いることにすると、(数11)は(数13)となる。
したがって、ステップ101を実行するのに必要な実数加算回数は(N/2M−1)(2M/K)=N/K−2M/K回、実数乗算回数は(N/2M)(2M/K)=N/K回である。
ステップ102では、第1の中間信号から(数14)(ただし、jは虚数単位)によって第2の中間信号w2(n)(ただし、0≦n≦M/K−1)を算出する。
ここで、Kexp(−jπnK/(2M))をテーブルに記憶して用いることにすると、1回の複素数同士の乗算(複素乗算)は、2回の実数加算と4回の実数乗算で実行できるので、ステップ102を実行するのに必要な実数加算回数は2M/K回、実数乗算回数は4M/K回である。
ステップ103では第2の中間信号から高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)で(数15)によって第3の中間信号W3(k)(ただし、0≦≦M/K−1)を算出する。
M/K点のFFTでは、(M/(2K))log(M/K)回のバタフライ演算が必要である。1回のバタフライ演算には2回の複素加算と1回の複素乗算が含まれるので、これを実数演算に直すと、6回の実数加算と4回の実数乗算が必要である。したがって、ステップ103を実行するのに必要な実数加算回数は(3M/K)log(M/K)回で、実数乗算回数は(2M/K)log(M/K)回である。
ステップ104で、第3の中間信号から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を、kが偶数(k=2l)の場合には(数16)(ただし、*は共役複素数、Aは信号分析の位相)、kが奇数(k=2l+1)の場合には(数17)、によって算出する。
入力信号をK倍にアップサンプリングしているので、複素帯域分割出力信号の有効な帯域は第0帯域から第(M/K−1)帯域までで、第M/K帯域以上の複素帯域分割出力信号は零である。
ステップ104を実行するには、M/K回の複素乗算が必要なので、2M/K回の実数加算と4M/K回の実数乗算が必要である。
したがって、図1の実施の形態1を実行するのに必要な演算回数を、上記各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/K+2M/K+(3M/K)log(M/K)回、実数乗算回数はN/K+8M/K+(2M/K)log(M/K)回である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,アップサンプリングの倍率Kを1とすれば、実施の形態1を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1920回、実数乗算回数が1920回である。これを従来例(実数加算回数16768回、実数乗算回数17024回)と比較すると、実施の形態1では、実数加算回数、実数乗算回数をともに従来例の1/8以下に削減することができる。
実施の形態1の動作についてさらに説明する。
(数14)を(数15)に代入し、式を変形すると(数18)が成立する。(数18)の最後の式を(数16)に代入すると(数19)が成立する。
(数19)は(数4)で、wをw1に置き換え、k=2lとしたときの式と一致する。同様にして(数17)は(数4)でwをw1に置き換え、k=2l+1としたときの式と一致することが説明できる。したがって、実施の形態1は、図13の従来例と同一の結果を算出することができる。
図2は、実施の形態1の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法を実行する装置の構成を示すブロック図である。図2で、201は第1の中間信号生成部、202は第2の中間信号生成部、203はFFT部(第3の中間信号生成部)、204は帯域分割出力信号生成部である。第1の中間信号生成部201では、入力信号とプロトタイプフィルタのフィルタ係数から(数13)を実行して第1の中間信号を出力する。第2の中間信号生成部202では、第1の中間信号生成部201の出力した第1の中間信号から(数14)を実行して第2の中間信号を出力する。FFT部203では、第2の中間信号生成部202の出力した第2の中間信号に対してM/K点の高速フーリエ変換で(数15)を実行して結果を第3の中間信号として出力する。帯域分割出力信号生成部204では、FFT部203の出力した第3の中間信号から(数16)と(数17)にしたがって複素帯域分割出力信号を算出し、出力する。
以上のように実施の形態1の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法では、複素指数関数の周期性を利用して高速フーリエ変換を効率的に適用することにより、複素指数変調信号分析フィルタバンクの実行に必要な演算量を削減することができる。これによってデジタルシグナルプロセッサやLSIで複素指数変調信号分析フィルタバンクを実装するときの動作クロック周波数を低減することができ、低消費電力で複素指数変調信号分析フィルタバンクを実現することができる。また、コンピュータを使ってソフトウェアで複素指数変調信号分析フィルタバンクを実行する時の処理時間を短縮することができ、処理の高速化を実現することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャートである。
実施の形態2は、実施の形態1において信号分析の位相Aを8MP(ただし、Pは任意の整数)に設定したものである。
図3のステップ301、302、303は、図1のステップ101、102、103、とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
ステップ304で、第3の中間信号から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を、kが偶数(k=2l)の場合には(数20)、kが奇数(k=2l+1)の場合には(数21)、によって算出する。
実施の形態1の図1のステップ104を実行するには、M/K回の複素乗算が必要で、2M/K回の実数加算と4M/K回の実数乗算が必要であったが、ステップ304では複素乗算は不要であり、その分演算量を削減できる。
したがって、図3の実施の形態2を実行するのに必要な演算回数を、図3の各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/K+(3M/K)log(M/K)回、実数乗算回数はN/K+4M/K+(2M/K)log(M/K)回である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,アップサンプリングの倍率Kを1とすれば、実施の形態2を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1792回、実数乗算回数が1664回である。これは実施の形態1と比較して、実数加算回数が128回、実数乗算回数が256回少ない。
以上のように実施の形態2の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法では、信号分析の位相を特定の値に設定することによって、実施の形態1と比較して演算量をさらに削減することができる。
なお、実施の形態2では、信号分析の位相Aを8MPに設定したが、信号の位相Aを次の(2)、(3)、(4)のいずれかに設定してもよい。
(1)A=8MP
(2)A=2M+8MP
(3)A=4M+8MP
(4)A=6M+8MP
信号分析の位相Aを(2)、(3)、(4)のいずれに設定した場合においても、第3の中間信号から複素帯域分割出力信号を算出するステップで複素乗算は不要となり、実施の形態1と比較して演算量を削減することができる。
(2)は信号分析の位相Aを2M+8MPに設定した場合で、kが偶数(k=2l)のときには(数22)、kが奇数(k=2l+1)のときには(数23)、によって複素帯域分割出力信号を算出する。
(数22)で、虚数単位jを掛けることは、実数部を虚数部とし、かつ虚数部の符号を反転して実数部とすることであり、乗算は不要である。同様に(数23)で、−jを掛けることは実数部の符号を反転して虚数部とし、かつ虚数部を実数部とすることであり、乗算は不要である。
(3)は信号分析の位相Aを4M+8MPに設定した場合で、kが偶数(k=2l)のときには(数24)、kが奇数(k=2l+1)のときには(数25)、によって複素帯域分割出力信号を算出する。
(4)は信号分析の位相Aを6M+8MPに設定した場合で、kが偶数(k=2l)のときには(数26)、kが奇数(k=2l+1)のときには(数27)、によって複素帯域分割出力信号を算出する。
以上のように実施の形態2の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法では、信号分析の位相を、第3の中間信号から複素帯域分割出力信号を算出するステップで乗算が発生しないように設定することによって、実施の形態1と比較して演算量をさらに削減することができる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャートである。実施の形態1では高速フーリエ変換を効率的に適用することにより、複素指数変調信号分析フィルタバンクの実行に必要な演算量を削減したが、実施の形態3では、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)を効率的に適用することにより複素指数変調信号分析フィルタバンクの実行に必要な演算量を削減する。図4においてステップ401は、図1のステップ101と同一であり、説明を省略する。
ステップ402では、第1の中間信号から(数28)によって第2の中間信号w2(n)(ただし、0≦n≦M/K−1)を算出する。
ここで、Kexp(jπnK/(2M))をテーブルに記憶して用いることにすると、ステップ402を実行するのに必要な複素乗算回数はM/K回であり、これを実数演算に直すと実数加算回数は2M/K回、実数乗算回数は4M/K回である。
ステップ403では第2の中間信号から逆高速フーリエ変換で(数29)によって第3の中間信号W3(k)(ただし、0≦≦M/K−1)を算出する。
M/K点のIFFTは、FFTと同様に(M/(2K))log(M/K)回のバタフライ演算が必要である。したがって、ステップ403を実行するのに必要な実数加算回数は(3M/K)log(M/K)回で、実数乗算回数は(2M/K)log(M/K)回である。
ステップ404で、第3の中間信号から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を、kが偶数(k=2l)の場合には(数30)(ただし、Aは信号分析の位相)、kが奇数(k=2l+1)の場合には(数31)、によって算出する。
ステップ404を実行するには、M/K回の複素乗算が必要なので、2M/K回の実数加算と4M/K回の実数乗算が必要である。
したがって、図4の実施の形態3を実行するのに必要な演算回数を、上記各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/K+2M/K+(3M/K)log(M/K)回、実数乗算回数はN/K+8M/K+(2M/K)log(M/K)回である。これは、実施の形態1と同じ演算量である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64、アップサンプリングの倍率Kを1とすれば、実施の形態3を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1920回、実数乗算回数が1920回である。これを従来例(実数加算回数16768回、実数乗算回数17024回)と比較すると、実施の形態3では、実数加算回数、実数乗算回数をともに従来例の1/8以下に削減することができる。
実施の形態3のステップ402、403、404が、従来例の図13のステップ1302と同一の結果を出力することができることは、実施の形態1で説明したのと同様に、(数28)を(数29)に代入し、代入結果をさらに(数30)と(数31)に代入することにより説明できる。
以上のように実施の形態3の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法では、複素指数関数の周期性を利用して逆高速フーリエ変換を効率的に適用することにより、複素指数変調信号分析フィルタバンクの実行に必要な演算量を削減することができる。これによってデジタルシグナルプロセッサやLSIで複素指数変調信号分析フィルタバンクを実装するときの動作クロック周波数を低減することができ、低消費電力で複素指数変調信号分析フィルタバンクを実現することができる。また、コンピュータを使ってソフトウェアで複素指数変調信号分析フィルタバンクを実行する時の処理時間を短縮することができ、処理の高速化を実現することができる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャートである。
実施の形態4は、実施の形態3において信号分析の位相Aを8MP(ただし、Pは任意の整数)に設定したものである。
図5のステップ501、502、503は、図4のステップ401、402、403とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
ステップ504で、第3の中間信号から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を、kが偶数(k=2l)の場合には(数32)、kが奇数(k=2l+1)の場合には(数33)、によって算出する。
図4のステップ404を実行するには、M/K回の複素乗算が必要で、2M/K回の実数加算と4M/K回の実数乗算が必要であったが、ステップ504では複素乗算は不要であり、その分演算量を削減できる。
したがって、図5の実施の形態4を実行するのに必要な演算回数を、図5の各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/K+(3M/K)log(M/K)回、実数乗算回数はN/K+4M/K+(2M/K)log(M/K)回である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,アップサンプリングの倍率Kを1とすれば、実施の形態4を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1792回、実数乗算回数が1664回である。これは実施の形態3と比較して、実数加算回数が128回、実数乗算回数が256回少ない。
以上のように実施の形態4の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法では、信号分析の位相を特定の値に設定することによって、実施の形態3と比較して演算量をさらに削減することができる。
なお、実施の形態4では、信号分析の位相Aを8MPに設定したが、信号の位相Aを次の(2)、(3)、(4)のいずれかに設定してもよい。
(1)A=8MP
(2)A=2M+8MP
(3)A=4M+8MP
(4)A=6M+8MP
信号分析の位相Aを(2)、(3)、(4)のいずれに設定した場合においても、第3の中間信号から複素帯域分割出力信号を算出するステップで複素乗算は不要となり、実施の形態3と比較して演算量を削減することができる。
(2)は信号分析の位相Aを2M+8MPに設定した場合で、kが偶数(k=2l)のときには(数34)、kが奇数(k=2l+1)のときには(数35)、によって複素帯域分割出力信号を算出する。
(数34)で、虚数単位jを掛けることは、実数部を虚数部とし、かつ虚数部の符号を反転して実数部とすることであり、乗算は不要である。同様に(数35)で、−jを掛けることは実数部の符号を反転して虚数部とし、かつ虚数部を実数部とすることであり、乗算は不要である。
(3)は信号分析の位相Aを4M+8MPに設定した場合で、kが偶数(k=2l)のときには(数36)、kが奇数(k=2l+1)のときには(数37)、によって複素帯域分割出力信号を算出する。
(4)は信号分析の位相Aを6M+8MPに設定した場合で、kが偶数(k=2l)のときには(数38)、kが奇数(k=2l+1)のときには(数39)、によって複素帯域分割出力信号を算出する。
以上のように実施の形態4の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法では、信号分析の位相を、第3の中間信号から複素帯域分割出力信号を算出するステップで乗算が発生しないように設定することによって、実施の形態3と比較して演算量をさらに削減することができる。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャートである。
ステップ601では、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出する。すなわち、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数40)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数41)、によって算出する。
Bは信号合成の位相であり、信号分析の位相Aと(数42)(ただし、Pは任意の整数)の関係式を満足する。
ここで、exp(−jπkB/M)とexp(−jπB(1/L−k/M))をテーブルに記憶して用いることにすると、ステップ601を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、これを実数演算に直すと、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要である。
ステップ602で、第1の中間信号から高速フーリエ変換で(数43)によって第2の中間信号w2(n)(ただし、0≦n≦M/L−1)を算出する。
ステップ602でM/L点のFFTを実行するのに必要な実数加算回数は(3M/L)log(M/L)回で、実数乗算回数は(2M/L)log(M/L)回である。
ステップ603で、0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、次に、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数44)(ただし、Re(x)は複素数xの実部、Im(x)はxの虚部)によって算出する。
ステップ603で、(1/M)exp(−jπ(2Ln+B)/(4M))をテーブルに記憶して用いることにすると、ステップ603を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、これを実数演算に直すと、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要である。
ステップ604で第3の中間信号からサンプリング時刻mM/K+nL/K(ただし、0≦n≦M/L−1))における出力信号x(mM/K+nL/K)を(数45)によって算出する。
ステップ604は、図14の従来例のステップ1402と同一である。
h(n)の代わりに(数46)であらかじめ算出したc(n)をテーブルに記憶して用いることにすると、(数45)は(数47)となる。
したがって、ステップ604を実行するのに必要な実数加算回数は(N/M−1)(M/L)=N/L−M/L回、実数乗算回数は(N/2M)2(M/L)=N/L回である。
図6の実施の形態5を実行するのに必要な演算回数を、上記各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/L+3M/L+(3M/L)log(M/L)回、実数乗算回数はN/L+8M/L+(2M/L)log(M/L)回である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,ダウンサンプリングの倍率1/Lを1とすれば、実施の形態5を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1984回、実数乗算回数が1920回である。これを従来例(実数加算回数16832回、実数乗算回数17024回)と比較すると、実施の形態5では、実数加算回数、実数乗算回数をともに従来例の1/8以下に削減することができる。
実施の形態5の動作についてさらに説明する。
(数40)と(数41)を(数43)に代入し、式を変形すると(数48)が成立する。(数48)を(数44)の上の式に代入し、式を変形すると(数49)が成立する。
(数49)の最後の式は、(数9)でwをw3で置き換え、nの値の範囲を0≦n≦M/L−1としたときの式と一致する。
同様に(数48)を(数44)の下の式に代入し、式を変形すると(数50)が成立する。
(数50)の最後の式は(数9)でnの値の範囲をM/L≦l≦2M/L−1とし、nをn+M/L、wをw3で置き換えたときの式と一致する。したがって、実施の形態5は、図14の従来例と同一の結果を算出することができる。
図7は、実施の形態5の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法を実行する装置のブロック図である。図7で、701は第1の中間信号生成部、702はFFT部(第2の中間信号生成部)、703は第3の中間信号生成部、704は出力信号生成部である。第1の中間信号生成部では、複素帯域分割入力信号から(数40)と(数41)を実行して第1の中間信号を出力する。FFT部702では、第1の中間信号生成部701の出力した第1の中間信号に対してM/L点の高速フーリエ変換で(数43)を実行して第2の中間信号を出力する。第3の中間信号生成部703では、FFT部702の出力した第2の中間信号から(数44)を実行し、第3の中間信号を出力する。出力信号生成部704では、第3の中間信号生成部703の出力した第3の中間信号とプロトタイプフィルタのフィルタ係数から(数47)によって出力信号を算出し、出力する。
以上のように実施の形態5の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法では、複素指数関数の周期性を利用して高速フーリエ変換を効率的に適用することにより、複素指数変調信号合成フィルタバンクの実行に必要な演算量を削減することができる。これによってデジタルシグナルプロセッサやLSIで複素指数変調信号合成フィルタバンクを実装するときの動作クロック周波数を低減することができ、低消費電力で複素指数変調信号合成フィルタバンクを実現することができる。また、コンピュータを使ってソフトウェアで複素指数変調信号合成フィルタバンクを実行する時の処理時間を短縮することができ、処理の高速化を実現することができる。
なお、実施の形態5では、ステップ603で定数1/Mを掛けるようにしたが、これを別のステップ、例えばステップ602で掛けるように変形してもよい。
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャートである。
実施の形態6は、実施の形態5において信号合成の位相BをMLに設定したものである。
図8のステップ802と804は、図6のステップ602と604とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
ステップ801では、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出する。すなわち、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数51)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数52)、によって算出する。
実施の形態5の図6のステップ601を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要であったが、ステップ801では複素乗算は不要であり、その分演算量を削減できる。
ステップ803で、0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、次に、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数53)によって算出する。
ステップ803で、(1/M)exp(−jπ(n+M)/(2M))をテーブルに記憶して用いることにすると、ステップ803を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、これを実数演算に直すと、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要である。この演算回数は図6のステップ603と同一である。
したがって、図8の実施の形態6を実行するのに必要な演算回数を、上記各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/L+M/L+(3M/L)log(M/L)回、実数乗算回数はN/L+4M/L+(2M/L)log(M/L)回である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,ダウンサンプリングの倍率1/Lを1とすれば、実施の形態6を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1856回、実数乗算回数が1664回である。これは実施の形態5と比較して、実数加算回数が128回、実数乗算回数が256回少ない。
以上のように実施の形態6の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法では、信号合成の位相を、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出するステップで乗算が発生しないように設定することによって、実施の形態5と比較して演算量をさらに削減することができる。
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャートである。実施の形態5では高速フーリエ変換を効率的に適用することにより、複素指数変調信号合成フィルタバンクの実現に必要な演算量を削減したが、実施の形態7では、逆高速フーリエ変換を効率的に適用することにより複素指数変調信号合成フィルタバンクの実行に必要な演算量を削減する。図9においてステップ904は図6のステップ604と同一であり、説明を省略する。
ステップ901では複素帯域分割信号から第1の中間信号を算出する。すなわち、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数54)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数55)、によって算出する。ここで、Bは信号合成の位相で信号分析の位相Aと(数42)の関係式を満足する。
exp(jπkB/M)とexp(jπB(k/M)−1/L)をテーブルに記憶して用いることにすると、ステップ901を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、これを実数演算に直すと、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要である。
ステップ902で、第1の中間信号から逆高速フーリエ変換で(数56)によって第2の中間信号w2(n)(ただし、0≦n≦M/L−1)を算出するステップと、
ステップ902でM/L点のIFFTを実行するのに必要な実数加算回数は(3M/L)log(M/L)回で、実数乗算回数は(2M/L)log(M/L)回である。
ステップ903で、0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、次に、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数57)によって算出する。
ステップ903で、(1/M)exp(jπ(2Ln+B)/(4M))をテーブルに記憶して用いることにすると、ステップ903を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、これを実数演算に直すと、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要である。
したがって、図9の実施の形態7を実行するのに必要な演算回数を、上記各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/L+3M/L+(3M/L)log(M/L)回、実数乗算回数はN/L+8M/L+(2M/L)log(M/L)回である。これは、実施の形態5と同じ演算量である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64、ダウンサンプリングの倍率1/Lを1とすれば、実施の形態7を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1984回、実数乗算回数が1920回である。これを従来例(実数加算回数16832回、実数乗算回数17024回)と比較すると、実施の形態7では、実数加算回数、実数乗算回数をともに従来例の1/8以下に削減することができる。
実施の形態7のステップ901、902、903が、従来例の図14のステップ1401と同一の結果を出力することができることは、実施の形態5で説明したのと同様に、(数54)と(数55)を(数56)に代入し、代入結果をさらに(数57)に代入することにより説明できる。
以上のように実施の形態7の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法では、複素指数関数の周期性を利用して逆高速フーリエ変換を効率的に適用することにより、複素指数変調信号合成フィルタバンクの実行に必要な演算量を削減することができる。これによってデジタルシグナルプロセッサやLSIで複素指数変調信号合成フィルタバンクを実装するときの動作クロック周波数を低減することができ、低消費電力で複素指数変調信号合成フィルタバンクを実現することができる。また、コンピュータを使ってソフトウェアで複素指数変調信号合成フィルタバンクを実行する時の処理時間を短縮することができ、処理の高速化を実現することができる。
(実施の形態8)
図10は、本発明の実施の形態8における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャートである。
実施の形態8は、実施の形態7において信号合成の位相BをMLに設定したものである。
図10のステップ1002と、1004は、図9のステップ902と904とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
ステップ1001では、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出する。すなわち、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数58)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数59)、によって算出する。
図9のステップ901を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要であったが、ステップ1001では複素乗算は不要であり、その分演算量を削減できる。
ステップ1003で、0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、次に、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数60)によって算出する。
ステップ1003で、(1/M)exp(jπL(+M)/(2M))をテーブルに記憶して用いることにすると、ステップ1003を実行するには、M/L回の複素乗算が必要で、これを実数演算に直すと、2M/L回の実数加算と4M/L回の実数乗算が必要である。この演算回数は図9のステップ903と同一である。
したがって、図10の実施の形態8を実行するのに必要な演算回数を、上記各ステップの演算回数の総和で求めると、実数加算回数はN/L+M/L+(3M/L)log(M/L)回、実数乗算回数はN/L+4M/L+(2M/L)log(M/L)回である。プロトタイプフィルタの次数Nを640、帯域分割数Mを64,ダウンサンプリングの倍率1/Lを1とすれば、実施の形態8を実行するのに必要な演算量は、実数加算回数が1856回、実数乗算回数が1664回である。これは実施の形態7と比較して、実数加算回数が128回、実数乗算回数が256回少ない。
以上のように実施の形態8の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法では、信号合成の位相を、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出するステップで乗算が発生しないように設定することによって、実施の形態7と比較して演算量をさらに削減することができる。
(実施の形態9)
図11は、本発明の実施の形態9における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャートである。
図11のステップ1102と1104は、図6のステップ602と604とそれぞれ同一であり、説明を省略する。
ステップ1101では、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出する。すなわち、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数61)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数62)、によって算出する。
(数61)と(数40)を、(数62)と(数41)を比較することにより、ステップ1101はステップ601にexp(−jπB/(4M))を掛けたものであることがわかる。
ステップ1103で、0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、次に、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数63)によって算出する。
(数63)と(数44)を比較することにより、ステップ1103はステップ603にexp(jπB/(4M))を掛けたものであることがわかる。
すなわち、図11の実施の形態9は、図6のステップ601で定数exp(−jπB/(4M))を掛け、ステップ603で前記定数の逆数exp(jπB/(4M))を掛けたものに相当する。前のステップで定数を掛け、後のステップで前記定数の逆数を掛ければ、元と同じ結果を得ることができる。したがって、図11の実施の形態9は、図6の実施の形態5と同一の結果を得ることができる。
なお、上記各実施の形態で、同様に、前のステップで定数を掛け、後のステップで前記定数の逆数を掛けるようにステップを変形してもよい。
なお、上記各実施の形態における信号分析と合成方法は、コンピュータまたはデジタルシグナルプロセッサに実行させるためのプログラムとして実現することができ、これをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。
以上のように、本発明にかかる複素指数変調フィルタバンクの信号分析と信号合成方法は、オーディオ信号や画像信号の高能率符号化やデジタルイコラーザー等の信号分析と信号合成方法として有用であり、特に演算量を削減し、低消費電力のあるいは高速な複素指数変調フィルタバンクを実現するのに適している。
本発明の実施の形態1における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態1における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法を実行する装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態3における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態4における複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態5における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態5における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法を実行する装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態6における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態7における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態8における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャート 本発明の実施の形態9における複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャート 信号分析フィルタバンクと信号合成フィルタバンクの構成を示すブロック図 従来の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法の処理ステップを示すフローチャート 従来の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法の処理ステップを示すフローチャート
符号の説明
201 第1の中間信号生成部
202 第2の中間信号生成部
203 FFT部(第3の中間信号生成部)
204 帯域分割出力信号生成部
701 第1の中間信号生成部
702 FFT部(第2の中間信号生成部)
703 第3の中間信号生成部
704 出力信号生成部

Claims (11)

  1. サンプリング周波数fsの入力信号をK倍(ただし、Kは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数)にアップサンプリングして、M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/Mの複素帯域分割信号に分割して出力する信号分析方法あって、直線位相非巡回形のプロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(n)(ただし、Nはフィルタ次数、0≦n≦N)、最初と最後のフィルタ係数の値を零、サンプリング時刻nにおける入力信号をx(n)とするとき、
    入力信号から第1の中間信号w1(n)を(数1)によって算出するステップと、

    第1の中間信号から第2の中間信号w2(n)を(数2)(ただし、jは虚数単位)によって算出するステップと、

    第2の中間信号から高速フーリエ変換で第3の中間信号W3(k)を(数3)によって算出するステップと、

    第3の中間信号から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を、kが偶数(k=2l)の場合には(数4)(ただし、*は共役複素数、Aは信号分析の位相)、kが奇数(k=2l+1)の場合には(数5)、によって算出するステップを備えたことを特徴とする複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法。

  2. サンプリング周波数fsの入力信号をK倍(ただし、Kは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数)にアップサンプリングして、M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/Mの複素帯域分割信号に分割して出力する信号分析方法あって、直線位相非巡回形のプロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(n)(ただし、Nはフィルタ次数、0≦n≦N)、最初と最後のフィルタ係数の値を零、サンプリング時刻nにおける入力信号をx(n)とするとき、
    入力信号から第1の中間信号w1(n)を(数6)によって算出するステップと、

    第1の中間信号から第2の中間信号w2(n)を(数7)(ただし、jは虚数単位)によって算出するステップと、

    第2の中間信号から逆高速フーリエ変換で第3の中間信号W3(k)を(数8)によって算出するステップと、

    第3の中間信号から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を、kが偶数(k=2l)の場合には(数9)(ただし、Aは信号分析の位相)、kが奇数(k=2l+1)の場合には(数10)(ただし、*は共役複素数)、によって算出するステップを備えたことを特徴とする複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法。

  3. 信号分析の位相が、第3の中間信号から複素帯域分割出力信号を算出するステップで乗算を発生しないように設定されていることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の複素指数変調フィルタバンクの信号分析方法。
  4. M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/M(ただし、Kは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数)の複素帯域分割入力信号を合成し、1/L倍(ただし、LはMの約数で1を含む正整数)にダウンサンプリングして、サンプリング周波数fsK/Lの信号を出力する信号合成方法であって、直線位相非巡回形のプロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(n)(ただし、Nはフィルタ次数、0≦n≦N)、最初と最後のフィルタ係数の値を零、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、
    複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数11)(ただし、jは虚数単位、*は共役複素数、Bは信号合成の位相)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数12)、によって算出するステップと、


    第1の中間信号から高速フーリエ変換で第2の中間信号w2(n)を(数13)によって算出するステップと、

    0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数14)(ただし、Re(x)は複素数xの実部、Im(x)はxの虚部)によって算出するステップと、

    第3の中間信号からサンプリング時刻mM/K+nL/K(ただし、0≦n≦M/L−1))における出力信号x(mM/K+nL/K)を(数15)によって算出するステップを備えたことを特徴とする複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法。
  5. M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/M(ただし、Kは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数)の複素帯域分割入力信号を合成し、1/L倍(ただし、LはMの約数で1を含む正整数)にダウンサンプリングして、サンプリング周波数fsK/Lの信号を出力する信号合成方法であって、直線位相非巡回形のプロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(n)(ただし、Nはフィルタ次数、0≦n≦N)、最初と最後のフィルタ係数の値を零、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、
    複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数16)(ただし、jは虚数単位、Bは信号合成の位相)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数17)(ただし、*は共役複素数)、によって算出するステップと、


    第1の中間信号から逆高速フーリエ変換で第2の中間信号w2(n)を(数18)によって算出するステップと、

    0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数19)(ただし、Re(x)は複素数xの実部、Im(x)はxの虚部)によって算出するステップと、

    第3の中間信号からサンプリング時刻mM/K+nL/K(ただし、0≦n≦M/L−1))における出力信号x(mM/K+nL/K)を(数20)によって算出するステップを備えたことを特徴とする複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法。
  6. 信号合成の位相が、複素帯域分割入力信号から第1の中間信号を算出するステップで乗算が発生しないように、設定されていることを特徴とする請求項4ないし5のいずれかに記載の複素指数変調フィルタバンクの信号合成方法。
  7. 信号分析の位相Aと信号合成の位相Bが(数21)(ただし、Nはプロトタイプフィルタの次数、Mは帯域分割数、Pは任意の整数)を満足することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の複素指数変調フィルタバンクの信号分析と合成方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の複素指数変調フィルタバンクの信号分析と合成方法を、コンピュータまたはデジタルシグナルプロセッサに実行させるためのプログラム。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の複素指数変調フィルタバンクの信号分析と合成方法を、コンピュータまたはデジタルシグナルプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
  10. サンプリング周波数fsの入力信号をK倍(ただし、Kは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数)にアップサンプリングして、M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/Mの複素帯域分割信号に分割して出力する信号分析装置であって、直線位相非巡回形のプロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(n)(ただし、Nはフィルタ次数、0≦n≦N)、最初と最後のフィルタ係数の値を零、サンプリング時刻nにおける入力信号をx(n)とするとき、
    入力信号から第1の中間信号w1(n)を(数22)によって算出する第1の中間信号生成部と、

    第1の中間信号から第2の中間信号w2(n)を(数23)(ただし、jは虚数単位)によって算出する第2の中間信号生成部と、

    第2の中間信号から高速フーリエ変換で第3の中間信号W3(k)を(数24)によって算出する第3の中間信号生成部と、

    第3の中間信号から第k帯域(ただし、0≦k≦M/K−1)のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割出力信号X(k,mM/K)を、kが偶数(k=2l)の場合には(数25)(ただし、*は共役複素数、Aは信号分析の位相)、kが奇数(k=2l+1)の場合には(数26)、によって算出する帯域分割出力信号生成部と、


    を備えたことを特徴とする複素指数変調フィルタバンクの信号分析装置。
  11. M個の等帯域幅のサンプリング周波数fsK/M(ただし、Kは帯域分割数Mの約数で1を含む正整数)の複素帯域分割入力信号を合成し、1/L倍(ただし、LはMの約数で1を含む正整数)にダウンサンプリングして、サンプリング周波数fsK/Lの信号を出力する信号合成装置であって、直線位相非巡回形のプロトタイプフィルタのフィルタ係数をh(n)(ただし、Nはフィルタ次数、0≦n≦N)、最初と最後のフィルタ係数の値を零、第k帯域のサンプリング時刻mM/Kにおける複素帯域分割入力信号をX(k,mM/K)とするとき、
    複素帯域分割入力信号から第1の中間信号W1(k)を、0≦k≦M/(2L)−1に対しては(数27)(ただし、jは虚数単位、*は共役複素数、Bは信号合成の位相)、M/(2L)≦k≦M/L−1に対しては(数28)、によって算出する第1の中間信号生成部と、


    第1の中間信号から高速フーリエ変換で第2の中間信号w2(n)を(数29)によって算出する第2の中間信号生成部と、

    0≦n≦2(N−M)/L−1に対する第3の中間信号w3(n)をw3(n+2M/L)にシフトし、0≦n≦M/Lに対する第3の中間信号w3(n)とw3(n+M/L)を第2の中間信号から(数30)(ただし、Re(x)は複素数xの実部、Im(x)はxの虚部)によって算出する第3の中間信号生成部と、

    第3の中間信号からサンプリング時刻mM/K+nL/K(ただし、0≦n≦M/L−1))における出力信号x(mM/K+nL/K)を(数31)によって算出する出力信号生成部と、

    を備えたことを特徴とする複素指数変調フィルタバンクの信号合成装置。
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