JP3114383B2 - 粗糸巻ボビンの粗糸端巻付け方法及び装置 - Google Patents

粗糸巻ボビンの粗糸端巻付け方法及び装置

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JP3114383B2 JP04239661A JP23966192A JP3114383B2 JP 3114383 B2 JP3114383 B2 JP 3114383B2 JP 04239661 A JP04239661 A JP 04239661A JP 23966192 A JP23966192 A JP 23966192A JP 3114383 B2 JP3114383 B2 JP 3114383B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粗糸巻ボビンの粗糸端巻
付け方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、紡績工場においては省力化が進
み、各工程間の連結、搬送の自動化が実施されており、
粗紡・精紡工程間の連結及び粗糸ボビンの搬送について
も自動化の提案がなされている。そして、粗紡・精紡工
程間の粗糸搬送は一般に天井に架設された搬送路に沿っ
て移動する搬送体に粗糸ボビンを吊下した状態で行う
(例えば特開昭50ー76340号公報、特開昭61ー
194228号公報等参照)。粗紡機で玉揚げされた粗
糸ボビンは粗糸端が粗糸巻外周に充分密着されていな
い。そのため、粗糸ボビンの搬送途中における振動ある
いは精紡機クリールの予備粗糸巻レールで待機している
際における清掃装置からの吹き出し気流の作用等によ
り、粗糸端が粗糸巻表面から離れて垂れ下がる場合があ
る。そして、粗糸端の垂れ下がりが発生すると、粗糸ボ
ビンの搬送や、精紡機での粗糸替作業の際に支障を来す
という問題があった。
【0003】この問題を解消する装置として特公平3−
64608号公報には、玉揚げされた粗糸ボビンを搬送
するコンベア装置の端部にボビン昇降装置を配設し、該
ボビン昇降装置に粗糸端解舒防止装置を設けたものが提
案されている。この装置は図9に示すように、ボビン昇
降装置50の昇降部材51に一対のペッグ52が回転自
在に装備されるとともに、昇降部材51と一体的に移動
可能に取り付けられたモータ53により積極駆動可能に
構成されている。又、昇降部材51の両側にはペッグ5
2に装着された粗糸ボビン54の外周面に接触可能な板
ばね55がそれぞれ昇降部材51と一体移動可能に固定
されている。板ばね55には先端部に係合孔を有する係
合片56が一体に止着され、昇降装置50のフレーム5
7には前記係合孔と係合可能な係合ピン58が固定され
ている。係合ピン58は昇降部材51が粗糸ボビン54
をペッグ52に装着する下降位置に配置された際に前記
係合孔に係合して、板ばね55を粗糸ボビン54と係合
不能な位置に保持する位置に固定されている。そして、
この装置では昇降部材51が下降位置に配置されて板ば
ね55が粗糸ボビン54の外周面と係合不能な状態でペ
ッグ52に粗糸ボビン54が装着される。その後、昇降
部材51が上昇され、係合孔と係合ピン58との係合が
解除された時点で板ばね55が粗糸ボビン54の外周面
に押圧されるとともに、モータ53が駆動される。そし
て、ペッグ52とともに粗糸ボビン54が回転されて粗
糸端が粗糸巻の外周面に圧着されるようになっている。
【0004】すなわち、ボビン昇降装置50により粗糸
ボビン54を天井に架設された搬送レール上に配置され
た搬送体に受け渡す途中で、粗糸ボビン54の粗糸端が
粗糸ボビンの外周面に押さえ付けられるようになってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来装
置では玉揚げ後の搬送途中に粗糸端解舒防止装置が設け
られているため、搬送中の振動、空気流の作用により粗
糸端が解舒するという問題がある。又、従来装置では玉
揚げ動作中に粗糸端が解舒するのを防止することは全く
できず、玉揚げ時の粗糸垂れによるトラブルを防止でき
ないという問題もある。
【0006】又、従来装置では粗糸端を押圧する部材の
他に、ボビンを回転させる駆動部を新たに設ける必要が
ある。そして、かなりの距離(1,5m程度)を移動す
る昇降部材51にぺッグ52の駆動源であるモータ53
が装備されているため、モータ53に電力を供給する電
線が昇降部材51の昇降動に伴って大きく移動し、電線
の処理が困難となる。又、昇降部材51に粗糸端押さえ
装置である板ばね55が装備されているため、板ばね5
5毎に板ばね55をぺッグ53に装着された粗糸ボビン
54の外周面から離間した退避位置に配置させる装置
(係合片56及び係合ピン58)を設ける必要があり、
多数の粗糸ボビンを同時に昇降させる場合に装置が複雑
になるという問題がある。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は玉揚げ動作以前に粗糸端を粗糸
巻ボビンの外周に密着させて、玉揚げ時の粗糸垂れによ
るトラブルを確実に防止できるとともに、ボビンを回転
させる駆動部を新たに設ける必要のない粗糸巻ボビンの
粗糸端巻付け方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、玉揚げのための粗紡機
の停止後、ボビンレールの下降により粗糸巻尻が自動切
断された粗糸巻ボビンの外周に押さえ部材を圧接し、ド
ラフトパートからの粗糸の送り出しを停止した状態でボ
ビン駆動軸を駆動して粗糸巻ボビンを粗糸巻取り方向に
回転させ、粗糸端を粗糸巻外周面に密着させるようにし
た。
【0009】又、請求項2に記載の発明では、上部支持
式のフライヤを装備した粗紡機に沿って配設された全錘
一斉式の管替装置の各管替腕に、各管替腕がボビンレー
ル上の粗糸巻ボビンの頂部と対応する前進位置に配置さ
れたときボビンレール上の粗糸巻ボビンの外面に接触し
て粗糸を押圧する押圧装置を各管替腕と一体移動可能に
設けた。
【0010】
【作用】本発明では、玉揚げのための粗紡機の停止後、
ボビンレールの下降により粗糸巻尻が自動切断され、そ
の後、押さえ部材が粗糸巻ボビンの外周に圧接される。
その状態でボビン駆動軸が駆動され、粗糸巻ボビンが粗
糸巻取り方向に回転される。粗糸巻ボビンの回転により
粗糸巻外周面の全面が押さえ部材で押圧され、粗糸端が
粗糸巻外周面に密着される。このときドラフトパートか
らの粗糸の送り出しが停止されているため、機台の再起
動に支障を来すことはない。
【0011】請求項2に記載の発明では、玉揚げのため
の粗紡機の停止後、ボビンレールの下降により粗糸巻尻
が自動切断されるとともに、ボビンレールが玉揚げ位置
に配置される。その状態で管替装置が作動されると、押
圧装置が各管替腕と一体的に移動される。各管替腕がボ
ビンレール上の粗糸巻ボビンの頂部と対応する前進位置
に配置されたとき、押圧装置がボビンレール上の粗糸巻
ボビンの外面に接触して粗糸を押圧する。その状態で前
記と同様に粗紡機の巻取り駆動系が駆動され、粗糸巻ボ
ビンが粗糸巻取り方向に回転される。粗糸巻ボビンの回
転により粗糸巻外周面が押圧装置で押圧され、粗糸端が
粗糸巻外周面に確実に密着される。
【0012】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を具体化した一実施例を図1
〜図4に従って説明する。図3に示すように上部支持式
のフライヤ1を装備した粗紡機2のボビンレール3上
に、ボビンホイール4が前後2列に千鳥状に配設されて
いる。図1及び図2に示すように、ボビンレール3には
ボビン駆動軸5が装備され、ボビン駆動軸5にはボビン
ホイール4の被動歯車4aと噛合する駆動歯車6が嵌着
固定されている。粗紡機2の駆動系は例えば特開昭63
−264923号公報に開示された装置のように、紡出
駆動系、巻取り駆動系及びリフティング駆動系が独立し
たモータにより駆動可能となっている。すなわち、ボビ
ン駆動軸5は紡出駆動系及びリフティング駆動系と独立
して駆動可能となっている。
【0013】粗紡機2の後側(図3の右側)には玉揚げ
停止位置に配置されたボビンレール3と対応する位置に
回転軸7が粗紡機機台長手方向に沿っ回動可能に配設さ
れている。図2に示すように粗紡機機台の端部にはモー
タ8が配設され、モータ8の出力軸には回転軸7の端部
に固着された歯車9aと噛合する歯車9bが嵌着固定さ
れている。
【0014】回転軸7にはボビンホイール4と対向する
位置に押圧装置10がそれぞれ取り付けられている。押
圧装置10を構成する支持ブラケット11a,11bは
回転軸7に一体回転可能に固定されている。支持ブラケ
ット11a,11bには軸12が設けられ、軸12に支
持レバー13の基端が回動可能に支持されている。支持
レバー13の先端には押さえ部材としての押さえ板14
が軸15を介して回動可能に支持されている。そして、
回転軸7の回転により、押さえ板14が図1に示す作用
位置と、同位置から時計方向に90°回動された図3に
示す待機位置とに配置されるようになっている。
【0015】支持ブラケット11a,11bには規制ピ
ン16が突設されている。支持レバー13と掛止ピン1
7a間にはばね17が掛装されている。そして、支持レ
バー13はばね17により図1及び図4(a)の反時計
方向に回動付勢されるとともに、規制ピン16に当接し
て支持ブラケット11a,11bに対して所定の角度を
なす位置に保持されるようになっている。又、押さえ板
14の下部に形成された掛止部(図示せず)と支持レバ
ー13との間にはばね18が張設されている。そして、
押さえ板14は押圧装置10が作用位置に配置された状
態において、他の力を受けない場合には前傾状態となる
ようにばね18により回動付勢されている。
【0016】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。粗紡機2の運転が継続されて満管となると、
玉揚げのため粗紡機2の運転が停止される。粗紡機2の
停止後、ボビンレール3が下降されて粗糸巻ボビンFか
らプレッサ1aに繋がる粗糸巻尻が自動切断される。そ
して、ボビンレール3が図1に示す所定位置に配置され
る。このとき、フライヤ1のスピンドル1b先端は粗糸
巻ボビンFの頂部と係合状態にある。
【0017】次にモータ8が正転駆動されて回転軸7が
回転され、押圧装置10が図1に示す作用位置に配置さ
れる。押圧装置10が作用位置に配置されると、押さえ
板14が粗糸巻ボビンFの外周に圧接される。粗糸巻ボ
ビンFがないと押さえ板14はばね18の作用により、
図4(a)に鎖線で示すように若干前側に傾いた状態と
なる。しかし、粗糸巻ボビンFと当接することにより、
押さえ板14はばね17,18の付勢力に抗して図1及
び図4(a)に実線で示すようにそのほぼ全面が粗糸巻
ボビンFと当接する状態となる。そして、押さえ板14
はばね17,18の付勢力により所定の圧力で粗糸巻外
周面に押圧される。
【0018】次に粗紡機の紡出駆動系及びボビンレール
3の昇降駆動系が停止された状態で、巻取り駆動系すな
わちボビン駆動軸5が駆動され、粗糸巻ボビンFが粗糸
巻取り方向に回転される。粗糸巻ボビンFは押圧装置1
0に押圧された状態で回転されるが、フライヤ1のスピ
ンドル1b先端が粗糸巻ボビンFの頂部と係合状態にあ
るため、安定した状態で回転される。従って、粗糸巻ボ
ビンFの回転に伴って粗糸端が押さえ板14により粗糸
巻外周面に圧接され、粗糸巻外周面に確実に密着した状
態となる。粗糸巻ボビンFが1回転以上回転された後、
ボビン駆動軸5の回転が停止され、粗糸巻ボビンの粗糸
端巻付け作業が完了する。紡出駆動系が停止状態にある
ため、ドラフトパート19からの粗糸Rの送り出しがな
いため、再起動時に支障を与えることがない。
【0019】次にモータ8が逆転駆動されて回転軸7が
図1の時計方向にほぼ90°回動され、押圧装置10が
ボビンレール3の昇降運動に支障を来さない待機位置に
配置される。その後、ボビンレール3の昇降駆動系が駆
動され、粗糸巻ボビンFの頂部がフライヤ1のスピンド
ル1b先端より若干下方となる玉揚げ位置までボビンレ
ール3が下降される。その状態で管替装置(図示せず)
により玉揚げ(管替)作業が行われる。すなわち、従来
の装置と異なり、粗糸巻ボビンFの粗糸端が玉揚げ前に
確実に粗糸巻外周面に密着された状態となるため、玉揚
げ動作中における粗糸垂れによるトラブルが確実に防止
される。
【0020】押圧装置10は、押さえ板14を支持する
支持レバー13が軸12を中心に回動可能に支持されて
いるため、支持レバー13の傾きの変化に対応して押さ
え板14の支持位置すなわち軸15の位置が変化する。
従って、満ボビンFの粗糸巻径が変動した場合でも押さ
え板14は確実にその押圧面全体が満ボビンFの外周面
に押圧される状態となる。
【0021】(実施例2)次に第2実施例を図5〜図8
に従って説明する。この実施例では押圧装置10が管替
機20に装備されている点が前記実施例と異なってい
る。粗紡機2の前側に全錘一斉式の管替装置20が粗紡
機2と対向して配設されている。
【0022】管替装置20は粗紡機2のボビンホイール
と対向して千鳥状に配置された管替腕21a,21bを
備えた管替ヘッド22と、管替ヘッド22を昇降動させ
る昇降機構23と、管替腕21a,21bを前進、後退
させる管替腕前後動機構24とを備えている。昇降機構
23は公知の管替装置と同様なパンタグラフ機構で構成
されている。パンタグラフ機構を構成するリンク25の
端部に管替ヘッド22を構成するビーム26が回動可能
に連結され、パンタグラフ機構の伸縮により管替ヘッド
22が上下に平行移動される。
【0023】ビーム26の上面にガイドレール27がビ
ーム26と直交する状態で固定され、ガイドレール27
にはドッフィングビーム28が摺動可能に支承されてい
る。ドッフィングビーム28は公知の管替装置と同様に
スコットラッセル直線運動機構を利用して前後方向に移
動されるようになっている。
【0024】図7,8に示すように、ドッフィングビー
ム28には管替腕21a,21bがボビンホイールピッ
チと同じピッチで配設されている。粗紡機2の前側に位
置するボビンホイール4と対向する位置に配設された固
定の管替腕21aはドッフィングビーム28の前面に固
着されている。粗紡機2の後側に位置するボビンホイー
ル4と対向する位置に配設された可動の管替腕21bは
ドッフィングビーム28の長手方向と直交する方向に移
動可能に配設されている。管替腕21bはスライドロッ
ド29の先端に固着され、スライドロッド29がドッフ
ィングビーム28の前面に突設されたガイドブロック3
0を貫通する状態で摺動可能に支持されている。ドッフ
ィングビーム28上には支持バー31がドッフィングビ
ーム28全長にわたって延設されるとともに、スコット
ラッセル直線運動機構32を利用して前後(図7及び図
8の上下)方向に移動可能に配設されている。すなわ
ち、ドッフィングビーム28の後側に複数の支持ブラケ
ット33(1個のみ図示)が所定間隔で固定され、支持
ブラケット33に駆動ロッド34がドッフィングビーム
28と平行にかつその長手方向に沿って摺動可能に支承
されている。そして、駆動ロッド34が図示しないパワ
ーユニットにより往復動されると、支持バー31が水平
に平行移動されるようになっている。
【0025】又、管替装置20と粗紡機2との間にはボ
ビン搬送用のコンベア35が粗紡機2の機台長手方向に
沿って配設されている。コンベア35にはぺッグ35が
千鳥状に突設されている。
【0026】各管替腕21a,21bの下面には前記実
施例とほぼ同様な押圧装置10が下向きに取付けられて
いる。支持レバー13はばね17により斜め前側に向か
って延びるように保持されている。又、押さえ板14は
ばね18により後傾状態となるように付勢されている。
【0027】この実施例においても、満管に伴う粗紡機
2の運転停止後、ボビンレール3が下降されて粗糸巻尻
が自動切断される。そして、図4に示すように、スピン
ドル1b先端が粗糸巻ボビンFの頂部と係合状態となる
所定位置でボビンレール3が停止する。次に管替装置2
0が作動され、図4に示すように管替腕21a,21b
が粗糸巻ボビンFの頂部下面と対応する位置に配置さ
れ、押圧装置10の押さえ板14のほぼ全面が粗糸巻ボ
ビンFの外周に圧接された状態となる。
【0028】次に粗紡機の紡出駆動系及びボビンレール
3の昇降駆動系が停止された状態で、巻取り駆動系すな
わちボビン駆動軸5が駆動され、粗糸巻ボビンFが粗糸
巻取り方向に回転される。粗糸巻ボビンFは押圧装置1
0に押圧された状態で回転されるが、フライヤ1のスピ
ンドル1b先端が粗糸巻ボビンFの頂部と係合状態にあ
るため、安定した状態で回転される。従って、粗糸巻ボ
ビンFの回転に伴って粗糸端が押さえ板14により粗糸
巻外周面に圧接され、粗糸巻外周面に確実に密着した状
態となる。粗糸巻ボビンFが1回転以上回転された後、
ボビン駆動軸5の回転が停止され、粗糸巻ボビンの粗糸
端巻付け作業が完了する。
【0029】次にボビンレール3の昇降駆動系が駆動さ
れてボビンレール3が玉揚げ位置まで下降され、粗糸巻
ボビンFが管替腕21a,21bに吊架される。次に管
替装置20の昇降機構23が作動され、粗糸巻ボビンF
の頂部がフライヤ1のスピンドル1b先端より若干下方
となる位置まで管替腕21a,21bが下降される。次
に管替腕前後動機構24が駆動され、管替腕21a,2
1bが後退移動されて粗糸巻ボビンFが粗紡機2から取
り出される。この実施例の場合も粗糸巻ボビンFの粗糸
端が玉揚げ前に確実に粗糸巻外周面に密着された状態と
なるため、玉揚げ動作中における粗糸垂れによるトラブ
ルが確実に防止される。
【0030】又、この実施例の装置では、押圧装置10
が管替腕21a,21bに装備されているため、押圧装
置10を作用位置と待機位置に配置するための駆動部と
して管替腕21a,21bの駆動部を利用できる。従っ
て、押圧装置10用の駆動部を特に設ける必要がなく、
構造が簡単になるとともに製造コストが安くなる。
【0031】なお、本発明は前記両実施例に限定される
ものではなく、例えば、第1実施例において押圧装置1
0を回転軸7による回動により作用位置と待機位置とに
移動配置する構成に代えて、平行移動により作用位置と
待機位置とに移動配置する構成を採用してもよい。又、
粗糸巻ボビンFを回転させる際、必ずしもフライヤ1の
スピンドル1bが粗糸巻ボビンFと係合状態にある必要
はない。又、巻取り駆動系を紡出駆動系や昇降駆動系と
独立して駆動する構成として各駆動系をそれぞれ完全に
独立してモータで駆動する構成に代えて、巻取り駆動系
にドライビングシャフト(紡出駆動系)の回転力と、変
速用モータの回転力とが差動歯車機構により合成されて
伝達される構成とし、ドライビングシャフトを停止した
状態で変速用モータを駆動することにより巻取り駆動系
のみを駆動可能とする構成を採用してもよい。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、玉
揚げ動作以前に粗糸端を粗糸巻ボビンの外周に確実に密
着させることができ、玉揚げ時の粗糸垂れによるトラブ
ルを確実に防止することができる。又、粗糸巻ボビンを
回転させるための駆動部を新たに設ける必要がなく、粗
紡機機台上で粗糸端巻付け作業を行うため、自動搬送装
置を備えないシステムにも適用できる。
【0033】又、請求項2に記載の発明では、押圧装置
を作用位置と待機位置とに移動させるための駆動機構を
押圧装置用に特別に設ける必要がなく、製造コストが安
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の押圧装置が作用位置に配置された
状態の側面図である。
【図2】同じく一部省略平面図である。
【図3】粗紡機及び押圧装置の位置関係を示す概略側面
図である。
【図4】(a)は押圧装置の側面図、(b)は背面図で
ある。
【図5】第2実施例の押圧装置が作用位置に配置された
状態の側面図である。
【図6】管替装置の概略側断面図である。
【図7】管替腕の支持状態及び駆動機構を示す一部省略
部分平面図である。
【図8】ドッフィングビームの駆動機構を示す一部省略
部分平面図である。
【図9】従来装置の正面図である。
【符号の説明】
1…フライヤ、2…粗紡機、3…ボビンレール、5…ボ
ビン駆動軸、7…回転軸、8…モータ、10…押圧装
置、14…押さえ部材としての押さえ板、19…ドラフ
トパート、20…管替装置、21a,21b…管替腕、
F…粗糸巻ボビン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−104942(JP,A) 特開 昭63−6122(JP,A) 特開 昭62−282029(JP,A) 特開 昭51−102128(JP,A) 特開 平2−133621(JP,A) 特開 昭63−264923(JP,A) 特開 昭61−194228(JP,A) 特開 昭50−76340(JP,A) 実開 平3−113361(JP,U) 特公 平3−64608(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01H 9/04 D01H 1/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 玉揚げのための粗紡機の停止後、ボビン
    レールの下降により粗糸巻尻が自動切断された粗糸巻ボ
    ビンの外周に押さえ部材を圧接し、ドラフトパートから
    の粗糸の送り出しを停止した状態でボビン駆動軸を駆動
    して粗糸巻ボビンを粗糸巻取り方向に回転させ、粗糸端
    を粗糸巻外周面に密着させる粗糸巻ボビンの粗糸端巻付
    け方法。
  2. 【請求項2】 上部支持式のフライヤを装備した粗紡機
    に沿って配設された全錘一斉式の管替装置の各管替腕
    に、各管替腕がボビンレール上の粗糸巻ボビンの頂部と
    対応する前進位置に配置されたときボビンレール上の粗
    糸巻ボビンの外面に接触して粗糸を押圧する押圧装置を
    各管替腕と一体移動可能に設けた粗糸巻ボビンの粗糸端
    巻付け装置。
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