JPH0523586Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案はペツグトレイ移載装置に係り、詳し
くはスピンドルレールに沿つて移動し、スピンド
ルレールと平行に延設されたペツグトレイ搬送用
コンベア上に載置された空ボビンをペツグトレイ
ごと機台内に取り入れて管替作業を行う管替機の
ペツグトレイ移送装置上へ前記ペツグトレイ搬送
用コンベア上に載置された空ボビン付きのペツグ
トレイを移載するペツグトレイ移載装置に関する
ものである。

（従来の技術） リング精紡機、リング撚糸機等の紡機において
機台の満管停止後にスピンドル上の満ボビンとス
ピンドルレール下方に設けられたコンベア上に予
め準備された空ボビンとを自動的に交換する管替
装置として、紡機機台に沿つて移動する型の管替
機が提案され又使用されている。従来、この種の
管替機は例えば特公昭56−8136号公報、特開昭60
−246828号公報に開示れさた装置のようにスピン
ドルレールの下方に配設されたコンベアのペツグ
に予め空ボビンを挿着した状態で準備しておき、
満管停止に伴う管替時に管替機がスピンドルレー
ルに沿つて移動しスピンドル上の満ボビンを抜上
げるとともに前記ペツグから空ボビンを抜上げ、
スピンドルから抜上げた満ボヒンを空ボビンが抜
上げられた後のペツグに挿入するとともにペツグ
から抜上げられた空ボビンを満ボビンが抜上げら
れた後のスピンドルに挿入するようになつてい
る。

一方、近年紡績工場においては各工程ごとの自
動化から一歩進んで複数の工程を自動搬送手段で
連結することにより、より省力化を図ることが考
えられている。そして、紡績工程とワインダ工程
とを搬送路で連結して精紡機で玉揚げされた満ボ
ビンをワインダ工程へ搬送し、ワインダ工程で使
用された後の空ボビンを精紡工程へ搬送して再使
用する方法が提案され、又実施されている。この
ように精紡工程とワインダ工程とを搬送路により
直接連結して満ボビン及び空ボビンの搬送を行う
場合には、例えば特開昭60−5247号公報に開示さ
れているように表面にペツグが突設されたペツグ
トレイを使用した搬送方法がペツグが突設された
ベルトコンベアを使用する方式に比較して機構が
簡単であることから注目されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、ペツグトレイを使用してボビンの搬
送を行うコンベアをスピンドルレールの下方に設
け、前記従来の管替装置を使用して管替作業を自
動的に行うには問題がある。すなわち、従来の自
動管替機が円滑に管替作業を行うためには、スピ
ンドルレール下方に予め準備された空ボビンはス
ピンドルピツチと同一の所定間隔で配置される必
要がある。しかし、近年精紡機、撚糸機等の紡機
は多数錘化が進み、片側400錘の紡機も珍しくな
いため、ペツグトレイを使用して空ボビンをスピ
ンドルのピツチと対応してスピンドルレール下方
に配置するにはペツグトレイのピツチを極めて厳
密に製造するとともにペツグトレイを所定のピツ
チで配置する手段が必要となるという問題があ
る。又、従来の管替機の構成ではいずれも空ボビ
ンと満ボビンとの交換作業時におけるコンベア上
のペツグとスピンドル間の空ボビンあるいは満ボ
ビンの移送時間が管替時間全体に占める割合が大
きくなり、結果的に管替作業時間が長びき、機台
の停止時間が長くなり紡機機台の稼動効率が低下
するという問題がある。

前記の問題点を解決するため本出願人は先に紡
機のスピンドル列の下方にスピンドルレールと平
行に配設されたコンベア上に空ボビンが挿入され
たペツグトレイを予め準備し、紡機機台の満管停
止後、機台の一端から管替機をスピンドルレール
に沿つて走行させ、前記コンベア上から空ボビン
をペツグトレイとともに管替機内に取り入れ、管
替機内で空ボビンをペツグトレイのペツグから抜
取つて満ボビンが抜上げられたスピンドルに空ボ
ビンを挿入し、スピンドルから抜上げた満ボビン
を前記空ボビンが抜取られたペツグトレイのペツ
グに挿入し、満ボビンが挿入されたペツグトレイ
を前記コンベアに返送するという管替方法を提案
した（特願昭62−109540号）。この考案は前記管
替方法を実施する場合に簡単な構成でペツグトレ
イ搬送用コンベア上に載置された空ボビンをペツ
グトレイごと機台内に取入れることができる装置
を提供するものである。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） 前記の問題点を解決するためにこの考案におい
ては、スピンドルレールに沿つて移動し、スピン
ドルレールと平行に延設されたペツグトレイ搬送
用コンベア上に載置された空ボビンをペツグトレ
イごと機台内に取り入れて管替作業を行う管替機
に、前記ペツグトレイに挿着されている空ボビン
の上部と係合して該空ボビンを紡機側へ傾斜させ
る係合部材を設けるとともに、該係合部材の下方
に該係合部材と係合して傾斜状態にある空ボビン
が挿着されたペツグトレイと係合して該ペツグト
レイを管替機に装備されたペツグトレイ移送装置
上へ案内するためのガイド部を有するガイド部材
を設け、前記ペツグトレイ搬送用コンベアのトレ
イガイドの管替機と対向する側の側縁部を低くし
てペツグトレイの出入可能に開放した。

（作用） この考案の装置では、管替機がスピンドルレー
ルに沿つて移動すると、ペツグトレイ搬送用コン
ベア上に載置された空ボビンの上部に係合部材が
係合し、空ボビンがペツグトレイとともに紡機側
へ傾斜する。この状態では当該ペツグトレイの管
替機と対応する側の底面がトレイガイドの側縁部
より上方に位置する。そして、その状態で管替機
が移動を続けることにより当該ペツグトレイはガ
イド部材のガイド部に係合し、管替機の移動に伴
いガイド部に沿つてトレイガイドの側方へ移動す
るとともに管替機に装備されたペツグトレイ移送
装置上に案内される。

（実施例） 以下この考案を精紡機機台に沿つて連続的に走
行し複数錘ずつ間欠的に管替作業を行う管替機に
具体化した一実施例を第１〜６図に従つて説明す
る。第１〜３図に示すように、管替機１は精紡機
機台に固設されたレール２及びガイドレール３に
係合するガイドローラ４，５を介して精紡機機台
に沿つて走行可能に支承され、レール２に所定間
隔で突設されたピン６と係合するスクリユーロー
ラ７の作用により、レール２に沿つて走行するよ
うになつている。前記ガイドレール３の上面には
スピンドルレール８と平行にトレイガイド９が延
設され、該トレイガイド９内をベルトコンベアの
ベルト１０が走行するように配設されている。そ
して、前記ベルト１０上にはスピンドル１１のピ
ツチとほぼ等しい直径を有しかつ上面に挿着部１
３ａと台部１３ｂとからなるペツグ１３が突設さ
れたペツグトレイ１２がベルト１０の移動ととも
に一体的に移動可能に載置されている。そして、
管替作業に先立つてベルト１０上には、ペツグ１
３に空ボビンＥが挿入されたペツグトレイ１２が
スピンドル１１とほぼ対応する状態で配置される
ようになつている。又、トレイガイド９はペツグ
トレイ１２を側方から出入可能とするため管替機
１と対向する側の側縁部９ａが低く形成されてい
る。このトレイガイド９とベルト１０によりペツ
グトレイ搬送用コンベアが構成されている。

管替機１の下部には前記コンベア上に載置され
た空ボビン付きペツグトレイ１２を管替機１内に
取入れるペツグトレイ移載装置１４と、満ボビン
Ｆが挿入されたペツグトレイ１２をコンベア上に
受渡すペツグトレイ受渡装置１５とが管替機１の
管替作業時進行方向に対して前後に配設されてい
る。管替機１の前側（精紡機と対向する側）には
前記ペツグトレイ移載装置１４によりペツグトレ
イ１２とともに管替機１内に取入れられた空ボビ
ンＥをペツグトレイ１２に挿着された状態で、ス
ピンドル１１上に挿入されている満ボビンＦより
上方でかつ満ボビンＦと対応する位置へ搬送する
とともに、空ボビンＥが抜取られたペツグトレイ
１２をスピンドル１１下部とほぼ同じ高さ位置ま
で搬送し、該位置において満ボビンＦが挿入され
たペツグトレイ１２を前記ペツグトレイ受渡装置
１５まで搬送するペツグトレイ移送装置としての
捩り搬送装置１６が配設されている。又、管替機
１の中央部には前記満ボビンＦより上方に搬送さ
れた空ボビンＥをペツグ１３から抜取り、満ボビ
ンＦが抜上げられたスピンドル１１に該空ボビン
Ｅを挿入する空ボビン抜取挿入装置１７と、スピ
ンドル１１から満ボビンＦを抜上げ、前記ペツグ
トレイ１２のペツグ１３に挿入する満ボビン抜上
挿入装置１８とが配設されている。

前記捩り搬送装置１６は第１，３図に示すよう
に、ペツグトレイ１２を移送するベルト１９の走
行経路がトレイガイド９とほぼ同一高さで平行に
走行する部分と、スピンドル１１の下部と同じ高
さ位置で平行に走行する部分と、スピンドル１１
上に挿入された満ボビンＦより上方においてスピ
ンドルレール８と平行に走行する部分とを有する
ように多数のガイドプーリ２０間に巻掛けられる
とともに、機台の下部中央に配設されたモータ２
１の駆動軸に嵌着された駆動プーリ２２に巻掛け
られ、トレイガイド９と平行に走行する部分が管
替機１の管替時走行方向と同一となるように駆動
される。又、ベルト１９の走行経路に沿つて一対
の線状のガイド部材２３がペツグトレイ１２のペ
ツグ１３を挾むようにかつペツグトレイ１２をベ
ルト１９側に押圧付勢するように配設されてい
る。すなわち、この捩り搬送装置１６は特開昭62
−180882号公報に開示された装置と同様な作用効
果を発揮するもので、ガイド部材２３によつてペ
ツグトレイ１２をベルト１９に圧接させた状態に
保持させ、その状態でベルト１９を駆動すること
によりペツグトレイ１２をベルト１９とともに移
動させるものである。そして、ガイド部材２３を
ベルト１９に対して捩れた状態に配置することに
より、ペツグトレイ１２に挿着された空ボビンＥ
又は満ボビンＦの姿勢を自由に変更することがで
きる。

前記ペツグトレイ移載装置１４はトレイガイド
９内に載置されたペツグトレイ１２上の空ボビン
Ｅの上部と係合して空ボビンＥを精紡機機台側へ
傾斜させる係合部材２４と、該係合部材２４の下
方に配設されるとともに係合部材２４と係合して
傾斜状態にある空ボビンＥが挿着されたペツグト
レイ１２と係合して該ペツグトレイ１２を捩り搬
送装置１６上へ案内するガイド部材としてのガイ
ドプレート２５とから構成されている。ガイドプ
レート２５は管替機１の管替作業時の移動方向に
向つて凹となる円弧状のガイド部２５ａを有する
とともに、図示しない駆動機構により回動される
回動軸２６に固定され、トレイガイド９と交差
し、トレイガイド９上のペツグトレイ１２のペツ
グ１３と係合可能な作用位置と、トレイガイド９
上のペツグトレイ１２と係合不能な退避位置とに
回動配置されるようになつている。

又、ペツグトレイ受渡装置１５のガイドプレー
ト２７も前記ペツグトレイ移載装置１４のガイド
プレート２５と同様に円弧状のガイド部２７ａを
備え、該ガイド部２７ａが管替機１の管替時の走
行方向と反対側に向つた状態で回動軸（図示せ
ず）に固定されている。そして図示しない駆動機
構を介して回動軸が回動されることにより、ガイ
ドプレート２７がトレイガイド９と交差して前記
捩り搬送装置１６により搬送されてきた満ボビン
Ｆが挿入されたペツグトレイ１２をトレイガイド
９内に案内する作用位置と、トレイガイド９内に
載置されたペツグトレイ１２と係合不能な退避位
置とに回動配置されるようになつている。

次に前記のように構成された装置の作用を説明
する。精紡機が満管指令により停止すると、機台
端に停止していた管替機１がレール２に沿つて一
定速度で移動を開始するとともに、捩り搬送装置
１６のモータ２１が駆動されてベルト１９が第
１，３図の矢印方向に移動を開始する。又、ペツ
グトレイ移載装置１４及びペツグトレイ受渡装置
１５のガイドプレート２５，２７がトレイガイド
９と交差する作用位置に配置される。

そして、管替機１の走行に伴いトレイガイド９
上に載置された空ボビンＥと対応する位置にペツ
グトレイ移載装置１４が到達すると、第４，５図
に示すように係合部材２４が空ボビンＥの上部と
係合する。トレイガイド９上に載置されたペツグ
トレイ１２は隣接するペツグトレイ１２と互いに
当接する状態で配置されるとともに、管替作業中
はその端部に配置されたペツグトレイ１２が規制
部材（図示せず）により移動不能に規制されてい
る。そのため、係合部材２４が空ボビンＥの上部
と係合した状態からさらに管替機１が走行を続け
ると、空ボビンＥは係合部材２４の作用により精
紡機機台側へ傾斜して当該空ボビンＥが挿入され
たペツグトレイ１２も一体的に傾き、管替機１と
対応する側の底面がトレイガイド９の側縁部９ａ
より上方に位置する状態となる。又、管替機１の
移動に伴いガイドプレート２５のガイド部２５ａ
にペツグ１３の台部１３ｂが係合することにより
ペツグトレイ１２はガイド部２５ａに沿つてトレ
イガイド９の側方へと移動し、捩り搬送装置１６
のベルト１９と係合する位置に案内される。そし
て、ペツグトレイ１２の底面がベルト１９と係合
することによりペツグトレイ１２はベルト１９と
一体的に移動され、ガイド部材２３の作用により
空ボビンＥがほぼ水平となるようにその姿勢が変
更されて管替機１の上方へと搬送される。以下同
様にしてトレイガイド９上に載置された空ボビン
付のペツグトレイ１２が順次捩り搬送装置１６上
に移載される。

そして、管替機１内に取入れられた空ボビンＥ
が挿入されたペツグトレイ１２は管替機１の走行
速度よりも高速で空ボビン抜取挿入装置１７の上
方へと搬送され、同位置において４本同時に空ボ
ビンＥがペツグ１３から抜取られ、満ボビン抜上
挿入装置１８の作用により満ボビンＦが抜上げら
れたスピンドル１１に挿入される。又、空ボビン
Ｅが抜取られたペツグトレイ１２は捩り搬送装置
１６によりスピンドル１１と対応する位置まで搬
送され、満ボビン抜上挿入装置１８によりスピン
ドル１１から抜上げられた満ボビンＦがペツグ１
３に挿入される。そして、満ボビンＦが挿着され
たペツグトレイ１２は捩り搬送装置１６により姿
勢を変更しながらペツグトレイ受渡装置１５と対
応する位置まで搬送され、同位置においてガイド
プレート２７のガイド部２７ａに案内されてトレ
イガイド９へと受渡される。全錘の管替作業完了
後、ペツグトレイ移載装置１４及びペツグトレイ
受渡装置１５のガイドプレート２５，２７がトレ
イガイド９上のペツグトレイ１２と係合不能な退
避位置に回動配置された後、管替機１がスピンド
ルレール８に沿つて元の位置まで後退する。この
後退時に係合部材２４がトレイガイド９上に載置
されたペツグトレイ１２上の満ボビンＦの上部と
係合し、管替機１の移動に伴いペツグトレイ１２
がガタつくが何等支障はない。

なお、この考案は前記実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、第７図に示すように係合部材
２４の管替機１の管替作業時進行方向前側に斜状
のガイド部２４ａを設けてもよい。このようにし
た場合には管替機１の走行速度が速くなつた場合
に係合部材２４と空ボビンＥとの係合時のシヨツ
クが小さくなり移載作業が円滑に行われる。又、
係合部材２４をペツグトレイ１２上に挿入された
ボビンと係合可能な作用位置と係合不能な退避位
置とに回動配置可能に設けてもよい。この場合に
は管替作業完了後に管替機１が元の位置に戻る際
にトレイガイド９上に載置された満ボビンＦと係
合しなくなり満ボビンＦがガタつくことがなくな
る。

考案の効果 以上詳述したように、この考案によれば極めて
簡単な構成にも拘わらず、スピンドルレールと平
行に延設されたペツグトレイ搬送用コンベア上に
載置された空ボビンをペツグトレイごと管替機内
に円滑にしかも確実に取入れることができるとい
う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した装置を備えた管
替機と精紡機との関係を示す概略斜視図、第２図
は同じく側断面図、第３図は管替機の背面図、第
４図は作用を示す概略斜視図、第５図は同じく要
部側面図、第６図は同じく要部平面図、第７図は
変更例の係合部材を示す斜視図である。 １……管替機、８……スピンドルレール、９…
…ペツグトレイ搬送用コンベアを構成するトレイ
ガイド、１０……同じくベルト、９ａ……側縁
部、１２……ペツグトレイ、１３……ペツグ、１
４……ペツグトレイ移載装置、１６……ペツグト
レイ移送装置としての捩り搬送装置、２４……係
合部材、２５……ガイド部材としてのガイドプレ
ート、２５ａ……ガイド部、Ｅ……空ボビン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ スピンドルレールに沿つて移動し、スピンド
   ルレールと平行に延設されたペツグトレイ搬送
   用コンベア上に載置された空ボビンをペツグト
   レイごと機台内に取り入れて管替作業を行う管
   替機に、前記ペツグトレイに挿着されている空
   ボビンの上部と係合して該空ボビンを紡機側へ
   傾斜させる係合部材を設けるとともに、該係合
   部材の下方に該係合部材と係合して傾斜状態に
   ある空ボビンが挿着されたペツグトレイ又は空
   ボビン下部と係合して該ペツグトレイを管替機
   に装備されたペツグトレイ移送装置上へ案内す
   るためのガイド部を有するガイド部材を設け、
   前記ペツグトレイ搬送用コンベアのトレイガイ
   ドの管替機と対向する側の側縁部を低くしてペ
   ツグトレイの出入可能に開放したペツグトレイ
   移載装置。 ２ 前記ガイド部材は前記トレイガイドと交叉し
   てペツグトレイのペツグと係合可能な作用位置
   と、トレイガイド上のペツグトレイと係合不能
   な退避位置とに回動配置可能に設けられている
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載のペツグ
   トレイ移載装置。