JP3113723B2 - ごみ焼却溶融装置 - Google Patents

ごみ焼却溶融装置

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JP3113723B2 JP04055946A JP5594692A JP3113723B2 JP 3113723 B2 JP3113723 B2 JP 3113723B2 JP 04055946 A JP04055946 A JP 04055946A JP 5594692 A JP5594692 A JP 5594692A JP 3113723 B2 JP3113723 B2 JP 3113723B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば都市ごみ等を焼
却してその焼却灰を溶融する際に用いられるごみ焼却溶
融装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】最近は、都市ごみ及び産業廃棄物の排出
量が急増し、都市ごみに於ては、平成元年度で約500
0万トン/年、産業廃棄物に於ては、約3億7500万
トン/年と云われて居り、都市ごみは、大都市で毎年7
%の増加率を示す。一方、焼却灰等の埋立地は、都市ご
於ては、約4年、産業廃棄物於ては、約1年とさ
れ、埋立地の逼迫が危機的状態にある。都市ごみは、焼
却に依りその容積が10%以下となるが、最近の状況か
ら更に減容化が要求されると同時に、焼却灰中の重金
属、ダイオキシン等の無害化が要求される様になり、焼
却灰の溶融化が進んでいる。即ち、焼却灰を溶融する事
に依り元のごみの3%以下に減容され、ダイオキシン類
が分解され、且つ重金属類の大部分が昇華され、溶融炉
の後に設けたバグフィルタで濃縮されて捕集される。残
りの焼却灰は、スラグとなってガラス化されるので、残
った重金属が封じ込められ、水や酸に溶出しない状態に
なる。従って、これを埋立てに使っても、骨材等に再利
用しても支障がない。焼却灰を溶融する溶融炉として
は、電気炉と表面溶融炉がある。電気炉は、焼却灰中の
鉄類(鉄等の磁性物、以下単に鉄類という)も溶融する
が、電気のコストが高い。表面溶融炉は、油バーナに依
り焼却灰の表面を加熱して溶融するが、事前に鉄類を除
去して置かないと、溶鉄の固形物ができ、スラグの排出
時には冷却して硬い大きな固化物となり、コンベア等に
障害を与える。従って、焼却炉から溶融炉へ入る間に除
去する必要があり、その除去率が高いほど円滑な運転が
できる。溶融炉の配置としては、焼却炉と全く切り離し
て設ける独立型と、焼却炉の後に直結する直結型とがあ
る。独立型の場合は、焼却灰の破砕機、磁選機、篩機等
を夫々独立して設け、コンベアで連結する方式が採られ
るが、大きなスペースを必要とし、建屋の容積も大き
く、コストアップになる。又、配置上、コンベアが上下
に行き交い、システムが複雑となる。直結型の場合は、
焼却炉の焼却灰排出部と溶融炉の焼却灰供給部との間
で、焼却灰中のクリンカと鉄類の処理を行なう必要があ
り、工夫を要し、できるだけ、密閉状態でコンパクトに
纏める必要がある。コスト的には、独立型より安く、且
つ、高温状態にある焼却灰を溶融するので、エネルギ的
にも有利である。従来、表面溶融炉を用いた直結型のご
み焼却溶融装置としては、例えば特開平1−19641
2号に記載されたものが知られている。これは、基本的
には、ごみを焼却する焼却炉と、焼却炉からの焼却灰中
のクリンカを除去する除去機と、焼却炉からの焼却灰中
の鉄類を除去する磁選機と、除去機と磁選機を経た焼却
灰を溶融する溶融炉と、から構成されている。而して、
ごみ焼却炉からの焼却灰を、除去機と磁選機に依りクリ
ンカと鉄類を除去した後に、溶融炉で溶融する様になっ
ている。ところが、この様なものは、除去されたクリン
カの中には、鉄類を抱え込んでいる事が多く、クリンカ
を再処理する必要があり、鉄類の回収率が芳しくなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の問題
点に鑑み、これを解決する為に創案されたもので、その
目的とする処は、クリンカを再処理する必要がないと共
に、鉄類の回収率を向上できるごみ焼却溶融装置を提供
するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のごみ焼却溶融装
置は、基本的には、ごみを焼却する焼却炉と、焼却炉か
らの焼却灰中のクリンカを破砕する破砕機と、破砕機か
らの焼却灰中の鉄類を除去する磁選機と、磁選機からの
焼却灰を溶融する溶融炉とから構成し、破砕機を、固定
格子とこれに対して揺動可能な可動格子とを備えた剪断
式にし、剪断動作と焼却炉の後燃焼ストーカの往復運動
とを連動させた事に特徴が存する。
【0005】
【作用】ごみは、焼却炉に送られて焼却される。焼却炉
からの焼却灰は、破砕機に送られてこの中のクリンカが
破砕される。破砕機からの焼却灰は、磁選機に送られて
この中の鉄類が除去される。磁選機からの焼却灰は、溶
融炉に送られて溶融される。クリンカを破砕機に依り破
砕してこの中に含まれている鉄類を磁選機に依り除去し
ているので、鉄類の回収率が向上する。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の実施例に係るごみ焼却溶融装
置を示す縦断側面図。図2は、図1の要部を拡大して示
す縦断側面図である。ごみ焼却溶融装置1は、焼却炉
2、破砕機3、磁選機4、溶融炉5とからその主要部が
構成されている。焼却炉2は、ごみAを焼却するもの
で、この例では、ごみホッパ6と乾燥ストーカ7と焼却
ストーカ8と後燃焼ストーカ9とを備えている。後燃焼
ストーカ9は、駆動機構10に依り往復運動される様に
なっている。破砕機3は、焼却炉2からの焼却灰B中の
クリンカCを破砕するもので、この例では、固定格子1
1と、これに対して揺動可能な可動格子12と、これを
揺動させる油圧シリンダ等の駆動機構13とを備えて居
り、剪断式にしている。破砕機3は、その剪断動作が焼
却炉2の後燃焼ストーカ9の往復運動と連動させてあ
る。つまり、後燃焼ストーカ9が往復運動して焼却灰B
が固定格子11上に供給される都度、可動格子12が揺
動されてクリンカCが剪断される様になっている。磁選
機4は、破砕機3からの焼却灰B中の鉄類Dを除去する
もので、この例では、破砕機3からの焼却灰B中の鉄類
Dを除去するドラム式の一次磁選機14と、これからの
焼却灰B中の鉄類Dを更に除去する同じくドラム式の二
次磁選機15と、これらからの鉄類Dを密封しながら排
出する二重ダンパ16と、これからの鉄類Dを外部に排
出する鉄類排出コンベア17とを備えている。破砕機3
と磁選機4との間には、ダンパ18が設けられている。
これは、緊急用バイパスダンパであり、常時には図1の
実線位置にされて破砕機3からの焼却灰Bが磁選機4に
導かれると共に、溶融炉5の点検や補修時には図1の鎖
線位置にされて破砕機3からの焼却灰Bがこの下方に設
けられた二重ダンパ16を経て鉄類排出コンベア17か
ら外部に排出される様になっている。溶融炉5は、磁選
機4からの焼却灰Bを溶融するもので、この例では、磁
選機4からの焼却灰Bを一旦貯留する灰バンカ19と、
ここの焼却灰Bを定量づつ炉床20に押し出す定量供給
フィーダ21と、炉床20に押し出された焼却灰Bの表
面を加熱して溶融するバーナ22と、焼却灰Bが溶融さ
れてできたスラグEを外部に排出する水封コンベア23
とを備えている。灰バンカ19には、焼却灰Bの層レベ
ルを三段階に亘って検出する灰レベル計24,25,2
6が配設されて居り、これらに依る検出レベルに基づい
て制御器27に依り後燃焼ストーカ9の駆動機構10と
破砕機3の駆動機構13と定量供給フィーダ21の駆動
機構(図示せず)が制御される様になっている。次に、
この様な構成に基づいて作用を述解する。焼却炉2のご
みホッパ6に投入されたごみAは、乾燥ストーカ7、燃
焼ストーカ8、後燃焼ストーカ9を経て焼却灰Bとな
り、破砕機3に入る。普通の大きさの焼却灰Bや鉄缶等
の鉄類Bは、固定格子11の隙間を通って落下するが、
クリンカCは、固定格子11の上に乗って残る。このク
リンカCは、駆動機構13で揺動される可動格子12に
依り剪断され、バラバラとなって、固定格子11の隙間
から落下する。この可動格子12は、焼却炉2の後燃焼
ストーカ9と連動して居り、後燃焼ストーカ9が往復運
動すると、焼却灰Bが落下して来るので、後燃焼ストー
カ9を一旦停止し、その後で可動格子12が一回揺動
し、この動作を繰返す。破砕機3からの焼却灰Bは、図
1の実線位置にあるダンパ18の上を滑落して磁選機4
に依り磁選される。先ず、一次磁選機14に依りこの中
の鉄類Dが分離される。更に、一次磁選機14を経た焼
却灰Bは、二次磁選機15に依りこの中の鉄類Dが分離
され、磁選効率が完全にされる。鉄類Dは、二重ダンパ
16を通過して鉄類排出コンベア17に依り外部に排出
される。一方、磁選機4を経た焼却灰Bは、溶融炉5の
灰バンカ19内に一旦貯蔵され、定量供給フィーダ21
に依り炉床20上に押出され、上部天井からのバーナ2
2の加熱に依り表面が溶融され、水封コンベア23内に
スラグEとなって落下され、外部に排出される。焼却炉
2の後燃焼ストーカ9は、焼却灰Bの貯蔵も兼ねて居
り、灰バンカ19内の上、中、下の灰レベル計24,2
5,26からの信号に基づいて制御器27に依り後燃焼
ストーカ9が往復運動され、これと連動して破砕機3が
駆動される。この様なごみ焼却溶融装置1に依れば、焼
却炉2と溶融炉5が直結され、然も、焼却灰Bと鉄類D
との分離が確実に行なわれるので、円滑な運転ができ、
コストも安く、鉄類Dのリサイクル率も向上する。
【0007】尚、磁選機4は、先の実施例では、二段に
設けたが、これに限らず、例えば一段でも、三段以上で
も良い。
【0008】
【発明の効果】以上、既述した如く、本発明に依れば、
次の様な優れた効果を奏する事ができる。 (1) 焼却炉、破砕機、磁選機、溶融炉とで構成し、
とりわけ、焼却炉と溶融炉との間に、焼却炉からの焼却
灰中のクリンカを破砕する破砕機とここからの焼却灰中
の鉄類を除去する磁選機を設ける様にしたので、クリン
カを再処理する必要がないと共に、鉄類の回収率を向上
できる。 (2) 焼却灰中の鉄類のみを除去して溶融する様にし
たので、焼却灰の溶融率が向上し、ごみの減容率を高め
る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るごみ焼却溶融装置を示す
縦断側面図。
【図2】図1の要部を拡大して示す縦断側面図。
【符号の説明】
1…ごみ焼却溶融装置、2…焼却炉、3…破砕機、4…
磁選機、5…溶融炉、6…ごみホッパ、7…乾燥ストー
カ、8…焼却ストーカ、9…後燃焼ストーカ、10…駆
動機構、11…固定格子、12…可動格子、13…駆動
機構、14…一次磁選機、15…二次磁選機、16…二
重ダンパ、17…鉄類排出コンベア、18…ダンパ、1
9…灰バンカ、20…炉床、21…定量供給フィーダ、
22…バーナ、24〜26…灰レベル計、27…制御
器、A…ごみ、B…焼却灰、C…クリンカ、D…鉄類、
E…スラグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23J 1/00 F23G 5/00 F23J 1/02 F23J 1/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみを焼却する焼却炉と、焼却炉からの
    焼却灰中のクリンカを破砕する破砕機と、破砕機からの
    焼却灰中の鉄類を除去する磁選機と、磁選機からの焼却
    灰を溶融する溶融炉とから構成し、破砕機を、固定格子
    とこれに対して揺動可能な可動格子とを備えた剪断式に
    し、剪断動作と焼却炉の後燃焼ストーカの往復運動とを
    連動させた事を特徴とするごみ焼却溶融装置。
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JP3460605B2 (ja) * 1998-10-12 2003-10-27 Jfeエンジニアリング株式会社 廃棄物焼却・熱処理炉
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