JP3113714B2 - 砕波構造物 - Google Patents

砕波構造物

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JP3113714B2 JP03319367A JP31936791A JP3113714B2 JP 3113714 B2 JP3113714 B2 JP 3113714B2 JP 03319367 A JP03319367 A JP 03319367A JP 31936791 A JP31936791 A JP 31936791A JP 3113714 B2 JP3113714 B2 JP 3113714B2
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健 木下
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健 木下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は砕波構造物に関し、巻き
波、崩れ波等のサーフィンに適した波を発生させる砕波
構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マリンスポーツに対する関心、欲
求が高まってきている。したがって、これまで少数の人
によって愛好されていたサーフィンにも多くの注目が集
まり、その結果サーフィン人口の増加とともに、サーフ
ィンの無シーズン化、広域化をもたらしつつある。そし
て、かかる愛好者の増加に対応すべく、人工的にサーフ
ィン用の波を発生させる造波プール等が各種開発されて
いる。
【0003】一方、沿岸海域において自然に発生するサ
ーフィンに適した波の砕波特性について各種研究がなさ
れており、海底の地形の変化による波の屈折が、それに
よってエネルギーの増加をもたらすため、サーフィンに
適する波を発生させる大きな要因であることが解明され
ている。
【0004】また、沿岸海域の有効利用を図るべく、沿
岸海域の静穏化や海岸の保全を目的として各種沿岸構造
物が開発さており、特に、海域の景観、海水交換、設置
の容易さ等を鑑みて、従来の防波堤等に替わるものとし
て、各種没水型構造物の開発が注目されている。かかる
没水型構造物は、浅海域(波長の1/2より浅い海域)
における波の性質、すなわち波速が水深の浅いところで
減少し波の位相遅れが生じて波の進行方向が変化する性
質を利用することによって波浪を屈折して集中させ、静
穏海域の確保、波浪エネルギーの有効利用等を図るもの
である。したがって、このエネルギーをサーフィンに適
する波を発生させるべく利用できれば有意義である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の没水型構造物では、波浪を集中してそエネルギー
を高めることはできるが、これを積極的に砕波させる構
造を有していないため、サーフィンに適した波を効率良
く発生させることができなかった。すなわち、波浪の集
中する焦点付近の水深が浅い場合には集中した波浪は砕
波を生じるが、焦点付近での水深が深い場合や海底地形
が急な場合などにはサーフィンに適した砕波を生じるこ
とができないという問題があった。
【0006】そこで、本発明は上記課題に着目してなさ
れたもので、没水型構造物によって集中した波を有効に
利用して、サーフィンに適した波を効率良く発生するこ
とのできる砕波構造物を提供せんとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的に鑑
みてなされたもので、その要旨は、上方を通過する波浪
の進行方向を焦点方向に屈折し、該屈折した進行方向が
交差する焦点に向かって波浪を集中させる第一の没水構
造物と、前記焦点の後方に近接して設けた第二の没水構
造物とからなり、該第二の没水構造物はその平坦面の焦
点側端部が焦点から波長の0〜2倍後方にずれて配置さ
れ、前記平坦面の入射側端部の水深が波高の1/2〜3
/2倍とされ、また前記平坦面の透過側端部の水深が波
高の1/4〜3/4倍とされ、さらに前記平坦面の延長
が波長の1/2〜3/2倍とされてなる砕波構造物にあ
る。
【0008】ここで、焦点に波浪を集中させる前記第一
の没水構造物とは、例えば、凸レンズ型、フレネルレン
ズ型等の没水構造物や、球体の一部が海底地盤上に突出
したいわゆる球面浅瀬等の他、焦点を有するよう自然に
形成された天然の岩礁や浅瀬なども含まれる。
【0009】また、前記第二の没水構造物は、例えば、
平板を海底から固定することによって、あるいはマウン
ド材料を積上げることによって構築する。
【0010】なお、前記第二の没水構造物は、その平坦
面の焦点側端部、すなわち波浪の入射側端部が焦点から
波長の0〜2倍後方にずれて位置するように構築するこ
とが好ましい。平坦面の上方に焦点が位置すると波が焦
点に集まる前に乱されてしまうため、また、平坦面の入
射側端部のずれが波長の2倍を超えると焦点で増幅した
波が減衰してしまうためいずれも好ましくない。
【0011】また、平坦面の入射側端部の水深は、波高
の1/2〜3/2倍とすることが好ましい。波高の1/
2倍より浅いと急激に波がくずれてしまうため、3/2
倍より深いと波の変化が起こりにくいためいずれも好ま
しくない。そして、平坦面の焦点から最も離れた側の端
部、すなわち波浪の透過側端部の水深は、波高の1/4
〜3/4倍とすることが好ましい。波高の1/4倍より
浅いと平坦面が水面から露出したり大きな波力を受ける
ため、3/4倍より深いと砕波効果が少なくなるためい
ずれも好ましくない。
【0012】さらに、平坦面の延長は、波長の1/2〜
3/2倍とすることが好ましい。延長が1/2倍より短
いと波が十分に変形しないため、3/2倍より長いと不
経済になるためいずれも好ましくない。
【0013】
【作用】本発明の砕波構造物では、第一の没水構造物
は、これの上方を通過する波浪を屈折し、波高を高める
とともにエネルギーを増加しつつ焦点に向かって波浪を
集中させる。焦点の後方に位置する第二の没水構造物
は、これの上方を通過する、波高を高めた波浪の水深を
急に浅くして砕波を生じさせる。また、第二の没水構造
物は適正な水深に設置され、波浪を浅海変形させること
によってその波高をさらに高め、確実に砕波が生じるよ
うにする。そして、砕波を生じるとともに第二の没水構
造物を通過した波浪は、巻き波型砕波や崩れ波型砕波等
のサーフィンに適した砕波の形状を長時間保持しつつ海
岸に向かって進行する。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。
【0015】本実施例の砕波構造物10は、図1(イ)
及び(ロ)に示すように、第一の没水構造物としての集
波レンズ11と、第二の没水構造物としての人工海底1
2とによって構成される。
【0016】集波レンズ11は、円柱部材13を並設連
結して平面で見て凸レンズ型となるよう構成したもの
で、各円柱部材13は係留索14によって海底から緊張
係留され、円柱部材13の中心の深度が好ましくは波長
の2/5以下となる水深において略水平に、かつ円柱部
材13の軸方向が、その上を通過する主たる波浪の進行
方向に対して略直角になるよう配設されている。そして
集波レンズ11は、波浪を屈折して、屈折した波が交差
する点、すなわち焦点15に向かって波浪を集中する。
なお、かかる円柱部材13によって構成される集波レン
ズ11は、反射波を低減して前面海域への影響を少なく
することができるとともにこれを通過する波浪のエネル
ギーロスを少なくして、平板によって構成されるいわゆ
る没水平板による集波レンズに比して集波効率を高める
ものである。
【0017】人工海底12は、集波レンズ11の焦点1
5の後方において、マウンド材料17を積み上げて構成
し、その上端には平坦面を形成する平板16が載置固定
されている。そして、前記平坦面すなわち平板16は、
波浪の入射側端部が、これと焦点15との距離aが波長
Lの0〜2倍となるよう後方にずれて配置されている。
また、平板16は、入射側端部の水深hを、焦点15に
おける波高Hの1/2〜3/2倍とするとともに透過側
端部の水深h’を前記波高Hの1/4〜3/4倍とす
る。したがって、平板16は、焦点15から離れるに従
い上方に傾斜するよう配設されている。さらに、平板1
6は、波長Lの1/2〜3/2倍の延長bを有するとと
もに、波長Lの1/2倍以上の幅cを有している。
【0018】そして、かかる構成を有する本実施例の砕
波構造物10によれば、沖合に生じる波浪を利用して容
易にサーフィンに適した砕波を効率良く発生することが
できる。すなわち、集波レンズ11の上方を通過する波
浪は屈折し、焦点15に向かって集中するとともにその
波高を高めてエネルギーを増加する。そして、波高を高
めた波浪は、焦点15を通過した後に、人工海底12に
より下方の水深が急激に浅くなるため、浅海変形を受け
て巻き波型や崩れ波型等のサーフィンに適した形状で砕
波する。また、人工海底12の上端の平坦面16は、適
正な長さを有しているため、これを通過する波浪の波高
をさらに高めて確実に砕波させ、砕波した波は海底の形
状の影響を受けることなくサーフィンに適した砕波の形
状を保持しつつ海岸に向かって進行する。
【0019】なお、本実施例では、第一の没水構造物と
して集波レンズ11用いる場合について記載したが、本
発明はこれに限定されず、いわゆる球面浅瀬や天然の岩
礁、浅瀬等、上方を通過する波浪を焦点に集中させるこ
とのできるあらゆる没水構造物を採用することができ
る。
【0020】また、第二の没水構造物として、平板16
を有するマウンド状の人工地盤12を採用する場合につ
いて記載したが、上端が平坦であれば必ずしも平板16
を取付ける必要はなく、また、平板16は各種骨組構造
等を海底から組立てて所定の位置に固定することもでき
る。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の砕波構造物は、
焦点に波浪を集中させる第一の没水構造物と、焦点の後
方に近接して設けた平坦面を有する第二の没水構造物と
によって構成さるので、自然に発生する波浪を集中して
波高を高めるとともにその下方の水深を急に浅くするこ
とにより、焦点における水深が深い場合でも、巻き波型
砕波や崩れ波型砕波等のサーフィンに適した砕波を効率
良く発生することができる。
【0022】また、砕波した波は、第二の没水構造物を
通過した後は、海底の形状による影響を受けることが少
なくなってサーフィンに適した砕波の形状を長時間保持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は本発明の砕波構造物の一実施例を示す
側面図である。(ロ)は本発明の砕波構造物の一実施例
を示す平面図である。
【符号の説明】
10 砕波構造物 11 集波レンズ11(第一の没水構造物) 12 人工海底(第二の没水構造物) 15 焦点 16 平板(平坦面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 英一 東京都港区北青山2−5−8 株式会社 間組内 (56)参考文献 特開 昭64−48916(JP,A) 特開 昭63−89710(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/00 - 3/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方を通過する波浪の進行方向を焦点方
    向に屈折させ、焦点方向に向かって波浪を集中させる第
    一の没水構造物と、前記焦点に近接してこれの後方に平
    坦面を形成する第二の没水構造物とからなり、該第二の
    没水構造物はその平坦面の焦点側端部が焦点から波長の
    0〜2倍後方にずれて配置され、前記平坦面の入射側端
    部の水深が波高の1/2〜3/2倍とされ、また前記平
    坦面の透過側端部の水深が波高の1/4〜3/4倍とさ
    れ、さらに前記平坦面の延長が波長の1/2〜3/2倍
    とされてなる砕波構造物。
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DE102006044806B4 (de) * 2006-09-22 2008-07-03 Markus Prof. Dr. Aufleger Vorrichtung zur Erzeugung gerader stehender Wellen
WO2016156630A1 (es) * 2015-04-01 2016-10-06 Fundacion Azti/Azti Fundazioa Estructura costera y procedimiento para la creación de olas para la práctica del surf

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