JP3113473B2 - クレーンの荷振れ止め運転方法及び装置 - Google Patents

クレーンの荷振れ止め運転方法及び装置

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JP3113473B2
JP3113473B2 JP05314136A JP31413693A JP3113473B2 JP 3113473 B2 JP3113473 B2 JP 3113473B2 JP 05314136 A JP05314136 A JP 05314136A JP 31413693 A JP31413693 A JP 31413693A JP 3113473 B2 JP3113473 B2 JP 3113473B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、学習機能を用いて、ク
レーン自動運転時の吊り荷の振れ角を減少させることが
できるクレーンの荷振れ止め運転方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ジブクレーンを運転する際に
は、ジブの旋回及び起伏に伴って、加速及び減速に起因
する荷振れが生じ、作業の安全性が損われると共に、振
れを停止させるために余計な時間が掛ってしまうという
問題がある。
【0003】従来、手動で運転する場合は、運転手が経
験的に会得した加速及び減速運転技術により発生した振
れを減衰させるようにしている。すなわち、加速・減速
を適宜中断することにより、前段で生じた振れを後段で
キャンセルするという、二段階の加速・減速運転方法が
行われている。しかし、自動運転において、このように
振れを適正に止めるものはなかった。
【0004】そこで、本出願人は、荷振れ止めさせるた
めの二段加速・減速を含めて旋回運転速度パターン及び
起伏運転速度パターンを荷役データ及びルールマップに
基づいて第1のファジー推論によって作成し、その速度
パターンにおける二段加速・減速時のクレーン姿勢及び
吊り荷高を演算し最適な指令用速度パターンを第2のフ
ァジー推論によって決定して、この指令用速度パターン
に従ってジブクレーンを自動制御運転させることを提案
している(特願平3−277989号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の振れ止
め運転方法の場合、二段階加速法つまり二段加速・減速
により荷の振れ止めを行うが、そこで必要となる二段加
速・減速のタイミングは、ファジー推論により決定し出
力しているだけである。即ち、オープンループ制御であ
るため、従来のクレーン自動運転装置では、吊り荷の振
れ止め運転動作を一度決定すると、それ以上の振れ止め
性能は得られなかった。また、シュミレーション等によ
り予め振れ止めの制御パラメータを設定しておいても、
モデルの誤差により残留振れが残ってしまうのが通例で
あり、このため、実際には、二段加速・減速タイミング
の現場調整作業が必要で、実際にかなり煩雑な作業とな
る。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、振れ止め制御パラメータの現場調整作業をなくし、
より精度の高いクレーンの荷振れ止め運転方法及び装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるクレーンの荷振れ止め運転方法は、荷
振れ止めさせる二段加速・減速を含む運転速度パターン
を第1のファジー推論によって作成し、その速度パター
ンにおける後段の加速・減速タイミングを定める加速・
減速制御時間を第2のファジー推論によって決定して、
この指令用速度パターンに従ってジブクレーンを自動制
御運転する一方、クレーンに設けた吊り荷振れセンサー
により、二段加速・減速が完了した時点の荷振れ角を計
測し、該荷振れ角に基づいて、次回の自動運転時に吊り
荷の振れ角が小さくなるように、学習機能を用いて、上
記加速・減速制御時間を加減するものである(請求項
1)。
【0008】また本発明によるクレーンの荷振れ止め運
転装置は、荷振れ止めさせる二段加速・減速を含む運転
速度パターンを第1のファジー推論によって作成し、そ
の速度パターンにおける後段の加速・減速タイミングを
定める加速・減速制御時間を第2のファジー推論によっ
て決定するファジー制御部と、クレーンに搭載され吊り
荷の振れ角を計測する振れ角計測装置と、該振れ角計測
装置からの振れ角信号を受け二段加速・減速が完了した
時点の荷振れ角を算出する振れ角処理装置と、該振れ角
処理装置から得られる荷振れ角に基づいて、次回の自動
運転時に吊り荷の荷振れ角が小さくなるように、上記フ
ァジー制御部の出力の加速・減速制御時間を加減設定す
る学習制御部と、該学習制御部で修正された速度パター
ンに従ってクレーンを自動運転させる出力制御部とを備
えた構成のものである(請求項2)。
【0009】
【作用】請求項1の荷振れ止め運転方法では、自動運転
の結果として得られた振れ角データをもとに、次回自動
運転でのクレーン動作タイミングを変更する学習機能が
働く。このため、シュミレーションモデルの誤差により
残留振れが残ってしまうことがあっても、その残留振れ
が最小値に自動的に収束する。
【0010】請求項2の荷振れ止め運転装置の場合、フ
ァジー制御部は、第1のファジー推論によって荷振れ止
めの二段加速・減速を含む運転速度パターンを作成し、
第2のファジー推論によって、その速度パターンにおけ
る後段の加速・減速タイミングを定める加速・減速制御
時間を決定する。
【0011】一方、振れ角計測装置はクレーン動作中の
振れ角を計測し、振れ角処理装置は二段加速・減速が完
了した時点の荷振れ角、つまりクレーン停止時又はクレ
ーン速度変化時の振れ角を算出する。学習制御部は、こ
の振れ角処理装置から得られる荷振れ角に基づいて、次
回の自動運転時に吊り荷の荷振れ角が小さくなるよう
に、上記ファジー制御部の出力の加速・減速制御時間を
加減設定する。
【0012】要するに、本振れ止め運転制御装置は、ク
レーン停止時の振れ角が“0”となるようなクレーンの
加減速タイミングを学習し、クレーンの次の動作からは
学習した加減速タイミングでクレーンを制御するように
動作する。
【0013】ファジー制御部を持つだけのオープン制御
系の荷振れ止め運転制御装置では、吊り荷の振れ止め運
転動作を一度決定すると、それ以上の振れ止め性能は得
られないが、本装置は、振れ角計測装置からのフィード
バック制御系を有するため、振れ角計測装置の測定精度
に制限されるまで、振れ止め精度を向上させることがで
きる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図3に示すジブクレーンの荷振れ止め運転
制御装置は、旋回運転速度パターン及び起伏運転速度パ
ターンをまず作成するための第一ファジー推論ブロック
1と、それら速度パターンのうち運転時間の長いほうを
先に開始させるための優先順位決定ブロック2と、その
速度パターンに基づいて最適な指令用速度パターンを決
定する第二ファジー推論ブロック3とにより構成される
ファジー制御部4を有する。また、この運転制御装置
は、これらブロック1,2,3が組み込まれたファジー
制御部4に、荷役データを適宜に入力させるための入力
部(設定器)5と、決定された指令用速度パターンに従
ってジブクレーン6の駆動部7に操作信号を出力する出
力制御部8とを有する。
【0015】更に、この運転制御装置は、後述する荷振
れセンサー19によって、実際に荷振れ角θ゜(図7参
照)が残留振れとして測定されたとき、次回の自動運転
時に荷振れ角θ゜が小さくなるように、当該振れ角を基
に、学習機能を用いて、旋回,起伏,走行等のクレーン
の動作タイミング、つまり二段加速・減速タイミングを
最適に調整する学習制御部9を備えている。このクレー
ンの二段加速・減速タイミングの調整は、上記第二ファ
ジー推論ブロック3で決定される指令用速度パターンに
おける等速運転区間(図2のD1,D2)の時間長さ
を、荷振れ角θ゜に応じた調整時間Δt(s)によって
加減することで行われる。但し、本実施例では、ファジ
ー制御部4からのファジー出力t(s)、つまり図2に
おける後段の加速・減速開始時刻t2,t4までの加速
・減速制御時間T1,T2を制御することで、間接的に
等速運転区間長さD1,D2を加減している。
【0016】ジブクレーン6は、タワー10に旋回式の
起伏自在なジブ11が装備されて構成され、ジブ11の
基端部に、旋回駆動のための旋回モータ12と、起伏動
作のための起伏モータ13と、荷物Aを吊るロープ(ワ
イヤ)14を巻き上げあるいは巻き下げ(繰り出し)す
るための巻き上げ機15とが設けられている。そしてこ
れらモータ12,13の駆動部7に所定の操作信号が入
力されたときに、ジブ11が所定の角度αだけ旋回移動
すると共に所定の角度βだけ起伏動作して、吊りロープ
14の上下と相俟って、荷物Aを所定の搬出地点Bから
搬入地点Cまで運搬するようになっている。
【0017】入力部5は、操作ボタンなどにより荷役デ
ータである搬出地点及び搬入地点Cの地上の高さ、平面
的な位置、更には吊り荷重量などが設定入力されるよう
に構成されている。そしてこれらデータを変換して、ジ
ブ11の初期起伏角度β0 及び初期旋回角度α0 、ジブ
11が旋回・起伏動作を開始すべき初期吊り荷地上高H
0 、又目標値である最終起伏角度βE 及び最終旋回角度
αE 、ジブ11が旋回・起伏動作を終了すべき最終吊り
荷地上高HE を第一ファジー推論ブロック1に入力させ
るものである。
【0018】第一ファジー推論ブロック1は、入力され
たデータから初期及び最終吊りロープ長L0 ,LE を算
出し、これらのロープ長における吊り荷の周期を考慮
し、ルールマップ16上に書き込まれた加速・減速パタ
ーン(タイミング)からこの算出値L0 ,LE に近い吊
りロープ長に対応したものを抽出すると共に、メンバシ
ップ関数によりその適合度を算出し、確定値を得るよう
になっている。そしてその他のデータから導き出される
定常速度(最大速度)及びその運転時間と合わせて、起
動から停止までの基本的な旋回運転速度パターン及び起
伏運転速度パターン(図8)を作成するようになってい
る。ルールマップ16は、経験則及びコンピュータシュ
ミレーションによって予め準備されたものであり、本実
施例にあってはその二段加速・減速パターンとして、前
段と後段との加速・減速度及びその長さを略等しいもの
とし、前段及び後段間の等速区間長さD1,D2(図
2)を吊りロープ長ごとに変えて設定している。
【0019】優先順位決定ブロック2は、第一ファジー
推論ブロック1で作成された速度パターンの全運転時間
を比較し、図9の如く、短い方の速度パターンの加速開
始時刻T0 を、長い方の速度パターンの加速終了時刻と
するようになっている。この際、短い方の速度パターン
の全運転時間長が他方よりも充分短く、他方の運転時間
内にその動作が終了するようであれば、その開始時刻は
長い方の加速終了時刻以降に適宜設定してもかまわな
い。
【0020】第二ファジー推論ブロック3は、優先順位
決定ブロック2によって設定された速度パターンにおけ
る二段加速・減速時のクレーン姿勢(α、β)及び吊り
荷高(H)を演算し、この演算値に基づいて、そのとき
の吊りロープ長(L)を算出するようになっている。こ
れは、ジブ11の起伏動作による水平引き込みの作用で
吊りロープ長Lが変化し、更に荷物Aが旋回・起伏移動
される間になされる巻き上げによって変化することか
ら、二段階加速・減速のタイミングも変える必要がある
ためである。この吊りロープ長Lは運搬経路に係わるも
のであり、例えば途中に障害物などがあると搬出入地点
B,Cとは無関係に変化するので、その荷役情報が入力
部5から第二ファジー推論ブロック3へと伝達されるよ
うになっている。そして演算した吊りロープ長Lによっ
て、ファジー推論を使って修正用ルールマップ17に基
づいて最初に作成した加速・減速タイミングを修正し、
最適な指令用速度パターンを決定するようになってい
る。
【0021】クレーン出力制御部8に出力される速度パ
ターンつまり運転制御データは、図2のように、加速
トリガt1(加速開始条件)、加速制御時間T1、
減速トリガt3(減速開始条件)、減速制御時間T2
によって構成される。加速制御時間T1,減速制御時間
T2は、荷振れ制御演算により求められる時間データで
あり、又、加速・減速のトリガt1,t3は、クレーン
の目的位置までの運転パスの設定により求められる位置
データである。加速制御時間T1,減速制御時間T2
は、二段加速制御,二段減速制御における2番目(後
段)の加速又は減速タイミングt2,t4を定めるもの
で、これらを学習制御部9の学習機能に基づいて荷振れ
センサー19の検出する吊り荷振れ角θが最小となるよ
うに可変制御することで、荷振れを押さえながら目標位
置まで自動運転することができる。
【0022】尚、最初の加速を行なってから後段の加速
を開始するまでに、吊りロープ長Lが変化すると、荷振
れの周期も変化してしまう。このため本実施例にあって
は、図10に示すように、旋回運動速度パターンの加速
開始時点(時刻0)での吊りロープ長L0 に基づく加速
タイミングと、後段の加速開始時点での吊りロープ長L
S1に基づく加速タイミングとをそれぞれファジー推論で
求めてから、これらの平均値を確定値TS2として決定す
るようにしている。また減速のタイミングTS4、及び起
伏速度パターンの加速・減速タイミングである後段加速
・減速開始時刻TK2,TK4も同様にして決定する。
【0023】出力制御部8は、第二ファジー推論ブロッ
ク3によって決定された指令用速度パターンに基づい
て、正確には更に学習制御部9で修正された二段加速・
減速タイミングに基づいて、駆動部7に操作信号を出力
して旋回モータ12及び起伏モータ13を制御するよう
になっている。この制御によって、ジブ11が適宜動作
して吊りロープ14と協動して荷物Aを搬出地点Bから
搬入地点Cまで運搬することになる。
【0024】ところで、ジブクレーンの自動運転に際し
て上記荷振れ止め制御を掛けるには、リアルタイムに荷
振れ角θを検出できるセンサーが必要となる。このた
め、クレーン6には、振れ角計測装置20と振れ角処理
装置24から成る荷振れセンサー19が設けられてい
る。
【0025】振れ角計測装置20は、図6及び図7に示
すように、クレーン6のジブ先端に設けられ送光部,受
光部及び角度制御部から成る追尾装置22と、追尾装置
本体に設けられ距離を計測する光波距離計21と、そし
て、クレーンのロープ14先端にあるクレーンフック1
8に設けられ、光波距離計21と追尾装置22の方向に
向けられた反射プリズム(コーナー・キューブ)23と
で構成されている。但し、振れ角計測装置20は基本的
にクレーンに搭載され吊り荷の振れ角が計測できればよ
く、吊りロープ長は、他の手段により検出できるので、
光波距離計21は必ずしも本発明に必須のものではな
い。
【0026】追尾装置22は、送光部から発光ダイオー
ドを光源とするビーム光を発射して、これを反射プリズ
ム23に向けて照射し、その反射光が受光部に結像され
る。追尾装置22は、光軸中心からのずれ量に応じてX
・Y二軸の架台のパルスモータを駆動して、クレーンフ
ック18に取り付けられた反射プリズム23を常に追尾
する。
【0027】振れ角処理装置24は、振れ角計測装置2
0からの振れ角信号を受けて、つまり上記追尾装置22
のX軸,Y軸の回転角度を検出することにより、二段加
速・減速が完了した時点の荷振れ角θのデータを取り出
す。このようにして、荷物Aを吊っているフック18の
振れ角(吊り荷の振れ角)θが計測される。また、同時
に、追尾装置22と同軸に装置された光波距離計21に
より、ジブ11先端とフック18との距離である吊りロ
ープ長Lがより精密に計測される。結局、吊り荷のX,
Y,Z座標値が算出される。従って、この振れ角計測装
置20によれば、全方向の吊り荷振れ角θの計測ができ
る。
【0028】なお、上記荷振れセンサー19は、市販さ
れている反射プリズム追尾型光波距離測定装置を使用す
ることで構成できる。
【0029】学習制御部9は、図3及び図4に示すよう
に、上記荷振れセンサー19の振れ角処理装置24から
得られる荷振れ角θを受け、旋回又は起伏運転速度パタ
ーンが二段加速・減速を終了した時点TE ,TE におけ
る荷振れ角θを目標値“0゜”と比較して誤差e゜を出
力する比較部25と、そのe゜を学習信号とするニュー
ラルネットワークを有し学習結果に基づいて二段加速・
減速タイミングの調整時間Δt(s)を決定する二段階
タイミング調整器26と、この調整時間Δt(s)をフ
ァジー制御部4からのファジー出力t(s)に加える加
算部27とを有して構成されている。
【0030】二段階タイミング調整器26は、ニューラ
ルネットワークのノードとして入力計算回路28,中間
計算回路29及び出力計算回路30を有し、入力計算回
路28には吊ロープ長Lとファジー出力t(s)が入力
されている。ニューラルネットワークは、この計算条件
から、出力計算回路30のうちのどのノードが最大値を
とるようなネットワークであるべきかの目標値、すなわ
ち中間計算回路29の各ノードの重みづけパラメータ値
に関する目標値を算出設定する。各ノードの具体的な計
算内容ないし関数は、自己がその時点で記憶している重
みづけパラメータの値により決定づけられる。従って、
一時的な形として、まず中間計算回路29のうちのいず
れかが最大値をとることになり、その結果としての判断
が、調整時間Δt(s)として出力計算回路30に得ら
れる。
【0031】中間計算回路29の各ノードは、二段階加
速・減速完了時点TE,TE の学習信号(修正指令)に基
づき、内部の重みづけパラメータをある方向に調整し、
その結果としての判断Δt(s)が再び出力計算回路3
0に得られて、その修正指令に基づき各ノード内部の重
みづけパラメータが更に調整される。このような繰返し
即ち学習機能により、最終的には、出力計算回路30に
上記目標値“0゜”と同じ判断結果が得られ、各ノード
内部の重みづけパラメータの調整が終了する。ここでの
調整は学習機能によるため、調整方向が正しい方向に始
まるか試行錯誤的に行われるか否かは問題ではなく、い
ずれであっても、結果として正しい修正が行われる。
【0032】次に、ジブクレーンの荷振れ止め運転制御
方法の一具体例を、上記構成の作用として説明する。
【0033】ジブクレーン6によって荷物Aの運搬を自
動的に行なうに際して、まず入力部5に荷役データを入
力する。この荷役データは、クレーン姿勢(α0 ,αE
,β0 ,βE )及び吊り荷地上高(H0 ,HE )に変
換され、第一ファジー推論ブロック1に入力される。第
一ファジー推論ブロック1においては、これら入力デー
タにより吊りロープ長(L0 ,LE )が算出され、ファ
ジー推論によりその吊りロープ長(L0 ,LE )に応じ
た荷振れ止めができる二段加速・減速パターンが確定さ
れて、図8に示す旋回運転速度パターン及び起伏運転速
度パターンが作成される。
【0034】作成された旋回運転パターン及び起伏運転
速度パターンは、優先順位決定ブロック2に入力され、
運転時間長が比較される。もし旋回運転速度パターンの
方が長ければ、図9に示すように、その加速開始時刻を
原点(0)として、起伏運転速度パターンの開始時間T
0 を、旋回運転速度パターンが二段加速を終了する時点
TE まで遅らせる。
【0035】この優先順位が決定された後の旋回運転速
度パターン及び起伏運転速度パターンは、第二ファジー
推論ブロック3に入力される。そして図10に示すよう
に、吊りロープ長Lは経時的に変化するので(二点鎖線
で示した運搬経路参照)、二段加速・減速区間における
クレーン姿勢(α,β)及び吊り荷高(H)を演算する
ことにより、その時点の吊りロープ長(L)を推定す
る。そしてファジー推論を用いて、それぞれの速度パタ
ーンにおける後段の加速開始時刻値(TS2,TK2)及び
減速開始時刻値(TS4,TK4)を確定し、最適な指令用
速度パターンが決定される。
【0036】決定された指令用速度パターンは出力制御
8に入力され、この指令用速度パターンに従う操作信号
が順次駆動部7に発信され、荷振れ止めを行ないつつジ
ブ11が旋回及び起伏し、荷物Aが最短時間で自動的に
運搬される。
【0037】一方、あるロープ長のとき、ファジー出力
のタイミングがt(s)であり、この値でクレーン振れ
を止めを行なうと、残留振れが荷振れ角α゜として計測
されたとする。本来、二段階加速完了時(振れ止め加速
完了時)TE ,TE には残留振れが0°であってもらい
たいので、比較部25における目標値は0°である。つ
まり、これは二段階加速タイミングt(s)が真の値か
らずれていたことを意味する。
【0038】そこで、二段階タイミング調整器26が、
そのずれた分の時間Δt(s)を出力するようにする。
二段階タイミング調整器26の入力は二段階加速をする
ときのロープ長Lと、そのときのファジー出力(二段階
タイミングt(s))であり、出力は調整時間Δt
(s)である。但し、Δtは正・負の値を取る。
【0039】このニューラルネットワークの学習はt+
Δt(s)時間で二段階加速を行なったときの、加速完
了時点での残留振れ角α゜と、残留振れ角の目標値0°
との誤差e°を学習信号として、ニューラルネットワー
クの学習を学習させる。そして、クレーンの自動運転の
階数を重ねることによって、この学習のループが回り、
学習が進んでいき、次第に残留振れ角α゜が小さくな
る。以上の学習の流れをまとめたものを、図5に示す。
【0040】このようにして振れ止め性能を学習機能に
より自動的に高めていくため、振れ角の計測精度の限界
まで、運搬途中における荷振れを完全に消去することが
でき、自動運転の安全性の向上及び作業時間の短縮を達
成することができる。
【0041】なお本実施例ではジブクレーンについて説
明したが、本発明はジブクレーンに限らず、他の様々な
種類のクレーンに幅広く適用適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果が得られる。
【0043】1)請求項1記載の方法によれば、学習機
能を用いて、クレーンの自動運転における動作タイミン
グを最適に調整させ、残留する振れ角がゼロとなるよう
に収束させることができる。従って、シュミレーション
等により予め設定した振れ止めの制御パラメータではモ
デルの誤差により残留振れが残ってしまうことがあって
も、その残留振れが最小値に自動的に移行される。
【0044】また、クレーンの個体差(機差)等によっ
て生ずる残留振れをクレーンを動作させることによって
減少させていくことが可能であり、現場での制御パラメ
ータの煩雑な調整が不要となる。
【0045】2)請求項2記載の構成によれば、クレー
ンに振れ角計測装置を取り付け、振れ角処理装置を搭載
し、それから得られる振れ角データをもとに次回の自動
運転でクレーン動作タイミングを変更できるように学習
機能を持たせたので、クレーンの自動運転における動作
タイミングを最適に調整させ、残留する振れ角がゼロと
なるように収束させることができる。従って、クレーン
の個体差(機差)等によって生ずる残留振れも、単にク
レーンを動作させることによってゼロ状態にすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーンの荷振れ止め運転装置を示す
概略ブロック図である。
【図2】二段加速・減速を含む運転速度パターンを例示
した図である。
【図3】本発明のクレーンの荷振れ止め運転装置の一実
施例を示すブロック図である。
【図4】図3の学習制御部の構成を示す図である。
【図5】図4のニューラルネットワークの学習ループを
示す図である。
【図6】ジブヘの荷振れセンサーの取り付けを示す側面
図である。
【図7】ジブヘの荷振れセンサーの取り付けを示す正面
図である。
【図8】第一推論ブロックで作成される速度パターンを
示した図である。
【図9】優先順位決定ブロックで作成される速度パター
ンを示した図である。
【図10】第二推論ブロックで作成される速度パターン
を示した図である。
【符号の説明】
1 第一ファジー推論ブロック 2 優先順位決定ブロック 3 第二ファジー推論ブロック 4 ファジー制御部 5 入力部 6 ジブクレーン 7 駆動部 8 出力制御部 9 学習制御部 10 タワー 11 ジブ 12 旋回モータ 13 起伏モータ 14 ロープ 15 巻き上げ機 16 ルールマップ 17 修正用ルールマップ 18 クレーンフック 19 荷振れセンサー 20 振れ角計測装置 21 光波距離計 22 追尾装置 23 反射プリズム 24 振れ角処理装置 25 比較部 26 二段階タイミング調整器 27 加算部 28 入力計算回路 29 中間計算回路 30 出力計算回路 A 荷物 B,C 搬出入地点 D1,D2 等速区間 H0 初期吊り荷地上高 HE 最終吊り荷地上高 L0 初期吊りロープ長 LE 最終吊りロープ長 T0 加速開始時刻 T1 加速制御時間 T2 減速制御時間 TE 二段加速・減速終了時点 TS2,TK2 後段の加速開始時刻値 TS4,TK4 後段の速減速開始時刻 t1 加速トリガ(加速開始条件) t2 後段の加速タイミング t3 減速トリガ(減速開始条件) t4 後段の減速タイミング t(s) ファジー出力 Δt(s) 調整時間 α 旋回角度 α0 初期旋回角度 αE 最終旋回角度 β 起伏角度 β0 初期起伏角度 βE 最終起伏角度 θ 荷振れ角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 喜良 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 根本 勤 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 佐藤 竜郎 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 村山 茂樹 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)発明者 斉藤 俊明 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)発明者 岡野 茂 東京都千代田区神田小川町1丁目1番地 石川島輸送機株式会社内 (72)発明者 牟田 吉宏 東京都千代田区神田小川町1丁目1番地 石川島輸送機株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−139689(JP,A) 特開 平3−56397(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 13/22,23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷振れ止めさせる二段加速・減速を含む
    運転速度パターンを第1のファジー推論によって作成
    し、その速度パターンにおける後段の加速・減速タイミ
    ングを定める加速・減速制御時間を第2のファジー推論
    によって決定して、この指令用速度パターンに従ってジ
    ブクレーンを自動制御運転する一方、クレーンに設けた
    吊り荷振れセンサーにより、二段加速・減速が完了した
    時点の荷振れ角を計測し、該荷振れ角に基づいて、次回
    の自動運転時に吊り荷の振れ角が小さくなるように、学
    習機能を用いて、上記加速・減速制御時間を加減するこ
    とを特徴とするクレーンの荷振れ止め運転方法。
  2. 【請求項2】 荷振れ止めさせる二段加速・減速を含む
    運転速度パターンを第1のファジー推論によって作成
    し、その速度パターンにおける後段の加速・減速タイミ
    ングを定める加速・減速制御時間を第2のファジー推論
    によって決定するファジー制御部と、クレーンに搭載さ
    れ吊り荷の振れ角を計測する振れ角計測装置と、該振れ
    角計測装置からの振れ角信号を受け二段加速・減速が完
    了した時点の荷振れ角を算出する振れ角処理装置と、該
    振れ角処理装置から得られる荷振れ角に基づいて、次回
    の自動運転時に吊り荷の荷振れ角が小さくなるように、
    上記ファジー制御部の出力の加速・減速制御時間を加減
    設定する学習制御部と、該学習制御部で修正された速度
    パターンに従ってクレーンを自動運転させる出力制御部
    とを備えたことを特徴とするクレーンの荷振れ止め運転
    装置。
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