JP3112845B2 - 柱および柱と壁パネルの取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、簡易な倉庫や物置
き等の組立家屋に用いられる柱および柱と壁パネルの取
付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】組立家屋の扉が設けられる前面の柱と壁
パネルとの取付構造は、従来、例えば図６に示されるよ
うに構成される。すなわち、柱ａの壁パネルｂとの当接
面ｃの端縁ｄは壁パネルのフランジｅの端縁ｆと共に内
方に折曲され、その端縁ｄに対して第１金具ｇの掛止端
ｈを内方から掛止させると共に、壁パネルｂのフランジ
ｅにコ字状に形成した第２金具ｋを掛止させ、その第１
金具ｇと第２金具ｋとをボルトｍで締結固定するように
していた。なお、図６中、符号ｐ，ｑはスライド式の扉
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の柱と壁
パネルの取付構造では、ボルトｍの締結時には、ボック
ススパナｓを柱ａの裏側の開口ｔから挿入してボルトｍ
を少しづつ廻し締めしなければならず、組付け時の作業
性がよくなかった。

【０００４】また、前面に壁パネルｕを設ける場合、そ
の端縁ｖを柱ａに対して強固に固定しなければならない
ため、別途、固定金具（図示省略）を必要とし、その取
付作業も手間を要し、煩に耐えなかった。

【０００５】しかも、柱ａの扉ｐ，ｑとの当接面ｗがフ
ラットであると、外から隙間が見えるという難点があ
り、塵埃や雨水が内部に侵入しやすく、また、柱ａの剛
性も低いという難点もあった。

【０００６】本発明はこのような実情に鑑みてなされ、
組付作業性が良好で、前面の壁パネルの取り付けも可能
で、隙間隠しのできる柱および柱と壁パネルの取付構造
を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するための手段を以下のように構成している。すなわ
ち、請求項１に記載の発明では、外側の扉の側端面と当
接する第１当接面と、その第１当接面に対して若干突出
するように段違い状に連設されて内側の扉の側端面と当
接する第２当接面と、その第２当接面に対して若干凹む
ように段違い状に連設される第３当接面とが一側面に形
成され、その第３当接面の端縁が内方に折曲される一
方、前記第１当接面の外端縁が、外側面部を介して、壁
パネルの前端フランジと当接する第４当接面の外端縁と
連接し、その第４当接面の内端縁が内方に折曲され、か
つ、その第４当接面の内端縁と前記第３当接面の端縁と
の間に間隙を設けてなることを特徴としている。

【０００８】請求項２に記載の発明では、請求項１に記
載の柱に対して取付金具を用いて壁パネルを取り付ける
柱と壁パネルの取付構造にあって、前記柱の第３当接面
には前面パネルのフランジが当接し、かつそのフランジ
端が、前記第３当接面の端縁を被うように内方に折曲さ
れており、前記取付金具が、第１金具と第２金具とより
なり、その第１金具が、前記第３当接面の端縁に内方か
ら掛止する第１掛止端と、前記第４当接面の内端縁に内
方から掛止する略Ｕ字状に折曲された第２掛止端と、前
記両掛止端間に設けられる螺子孔付きの平板部と、その
平板部の端部から略直角に折曲して前記第２掛止端に連
なるガイド部とよりなり、前記第２金具が、前記前面パ
ネルのフランジ端に外方から掛止する掛止端と、前記第
１金具の平板部と当接又は対峙する螺子挿通孔付きの平
面部と、その平面部から略直角に折曲されて前記第１金
具のガイド部と摺接するガイド面と、そのガイド面の端
部から外方に折曲されて前記第４当接面に当接する前記
壁パネルの前端フランジの裏面に当接する押圧部とより
なり、前記壁パネルの前端フランジを前記第４当接面に
当接させてその前端フランジの端縁を内方に折曲させて
前記第４当接面の内端縁と重ね合わせた状態として、前
記第１金具と第２金具とを、ヘッド部を室内側に露出さ
せたボルトで締結することにより、前記柱に壁パネルを
一体化させることを特徴としている。

【０００９】第２当接面を、第１当接面および第３当接
面よりも若干突出させたことにより、閉扉時には、隙間
が隠される。

【００１０】また、第１金具と第２金具とを締結するボ
ルトのヘッド部を室内側に露出させていることにより、
ボルトの締結作業が容易となり組立作業性が向上する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下に本発明の柱および柱と壁パ
ネルの取付構造の実施形態を図面に基づいて詳細に説明
する。図１は開扉端側の柱と壁パネルの取付構造を示す
断面図、図２は閉扉端側の柱と壁パネルの取付構造を示
す断面図、図３は建屋全体の横切断面図で、符号１は
柱、２はその柱１に取り付けられる側面の壁パネル、３
はその柱１に取り付けられる前面パネル、４はスライド
式の外側の扉、５は内側の扉である。なお、４１，５１
は戸当りゴムである。

【００１２】６は外側の扉４の側端面４０と当接する第
１当接面、７はその第１当接面６に対して若干突出する
ように連設されて内側の扉５の側端面５０と当接する第
２当接面、８はその第２当接面７に対して若干凹むよう
に段違い状に連設され、前面パネル３の側端面３０と当
接する第３当接面であり、その端縁９が内方に折曲さ
れ、前面パネル３のフランジ３１が第３当接面８と当接
してそのフランジ端３２が、第３当接面８の端縁９を被
うように内方に折曲されている。

【００１３】１０は第２当接面７又は第３当接面に対し
てほぼ垂直方向に折曲された壁パネル２のフランジ（前
端フランジ）２１と当接する第４当接面で、その外端縁
が外側面部１２を介して第１当接面６の外端縁と連接
し、その第４当接面１０の内端縁１１が内方に折曲さ
れ、その内端縁１１にフランジ２１の端縁２２が内方に
折曲重合され、その内端縁１１と第３当接面８の端縁９
との間に間隙１３が設けられ、その間隙１３に取付金具
１４が取り付けられている。なお、図３中、符号３５は
間柱、３６は後部の隅柱である。なお、第４当接面１０
は第２当接面７または第３当接面８に対して垂直となる
場合だけでなく、適当な角度に折曲させてもよいことは
いうまでもない。

【００１４】取付金具１４は第１金具１５と第２金具１
６とよりなり（図４参照）、その第１金具１５は第３当
接面８の端縁９に内方から掛止する第１掛止端１７と、
第４当接面１０の内端縁１１に内方から掛止する略Ｕ字
状に折曲された第２掛止端１８とその両掛止端１７，１
８間に設けられる螺子孔Ａ付きの平板部１９と、その平
板部１９の端部から略直角に折曲して第２掛止端１８に
連なるガイド部２０とよりなる。

【００１５】第２金具１６は、第３当接面８の端縁９に
外方から掛止する掛止端２４と、第１金具１５の平板部
１９と当接する螺子挿通孔Ｂ付きの平面部２５と、その
平面部２５から略直角に折曲されて第１金具１５のガイ
ド部２０と摺接するガイド面２６と、そのガイド面２６
の端部から外方に折曲されて第４当接面１０に当接する
壁パネル２のフランジ２１の裏面に当接する押圧部２７
とよりなる。なお、押圧部２７にはガイド面２６に沿う
切起し２７１が形成されており、第１金具１５と第２金
具１６とを位置規制する役割を果し、これにより両金具
１５，１６の係合位置合わせを容易としている。

【００１６】この取付金具１４による組付けに際して
は、壁パネル２のフランジ２１を第４当接面１０に当接
させてそのフランジ２１の端縁２２を内方に折曲させて
第４当接面１０の内端縁１１と重ね合わせた状態とし
て、第１金具１５と第２金具１６とを、ヘッド部２８を
室内側に露出させたボルト２９によって締結することに
より、柱１に対して壁パネル２と前面パネル３とを一体
化させることができる。

【００１７】より詳細には、図５に示すように、予め第
１金具１５と第２金具１６とをボルト２９によって仮締
め状態として、その第２掛止端１８を柱１の間隙１３内
に挿入し、両掛止端１７，１８をそれぞれ柱１の第３当
接面８の端縁９と第４当接面１０の内端縁１１とに掛止
させた後、ボルト２９をスパナ等で室内側から締結する
ことにより、きわめて作業性よく壁パネル２と前面パネ
ル３を柱１に対して組み付けることができる。

【００１８】そのボルト２９を締め付ける際に、第１金
具１５のガイド部２０によって第２金具１６のガイド面
２６が互いの回動を規制された状態で摺接案内されるた
め、締結作業が容易・確実なものとなる。

【００１９】組み付けられた状態では、第２当接面７を
第１当接面６および第３当接面８よりも若干突出させて
いることによって、閉扉時に（図２参照）隙間が隠され
る。これにより、塵埃や雨水が内部に侵入するのが防が
れ、また、柱１の剛性も向上する。なお、前面パネル３
を設けない場合においても、柱１と取付金具１４は同じ
構成で対処することができる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の柱によれ
ば、内側の扉の側端面と当接する第２当接面を、外側の
扉の側端面と当接する第１当接面および第３当接面より
も若干突出させているので、閉扉時に隙間が隠され、塵
埃や雨水あるいは光が内部に侵入しにくくなり、かつ、
柱の剛性も向上される。

【００２１】また、このような柱に壁パネルを組み付け
る場合には、第１金具と第２金具とを締結するボルトを
室内側から締め付けることによって、きわめて作業性よ
く、組み付けをおこなうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の柱と壁パネルの取付構造の一実施形態
を示す開扉時の要部断面図である。

【図２】同閉扉時の要部断面図である。

【図３】同建屋全体の横切断面図である。

【図４】同取付金具の分解斜視図である。

【図５】同取付金具の組付作業の説明図である。

【図６】従来の柱と壁パネルの構成の一例を示す断面図
である。

【符号の説明】

１…柱、２…壁パネル、２１…前端フランジ、２２…端
縁、４…外側の扉、５…内側の扉、６…第１当接面、７
…第２当接面、８…第３当接面、９…端縁、１０…第４
当接面、１１…内端縁、１２…外側面部、１３…間隙、
１４…取付金具、１５…第１金具、１６…第２金具、１
７…第１掛止端、１８…第２掛止端、１９…平板部、２
０…ガイド部、２４…掛止端、２５…平面部、２６…ガ
イド面、２７…押圧部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E04B 2/72 - 2/74 E04B 1/343 E04C 3/32

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外側の扉の側端面と当接する第１当接面
   と、その第１当接面に対して若干突出するように段違い
   状に連設されて内側の扉の側端面と当接する第２当接面
   と、その第２当接面に対して若干凹むように段違い状に
   連設される第３当接面とが一側面に形成され、その第３
   当接面の端縁が内方に折曲される一方、前記第１当接面
   の外端縁が、外側面部を介して、壁パネルの前端フラン
   ジと当接する第４当接面の外端縁と連接し、その第４当
   接面の内端縁が内方に折曲され、かつ、その第４当接面
   の内端縁と前記第３当接面の端縁との間に間隙を設けて
   なることを特徴とする柱。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の柱に対して取付金具を
   用いて壁パネルを取り付ける柱と壁パネルの取付構造で
   あって、前記柱の第３当接面には前面パネルのフランジ
   が当接し、かつそのフランジ端が、前記第３当接面の端
   縁を被うように内方に折曲されており、前記取付金具
   が、第１金具と第２金具とよりなり、その第１金具が、
   前記第３当接面の端縁に内方から掛止する第１掛止端
   と、前記第４当接面の内端縁に内方から掛止する略Ｕ字
   状に折曲された第２掛止端と、前記両掛止端間に設けら
   れる螺子孔付きの平板部と、その平板部の端部から略直
   角に折曲して前記第２掛止端に連なるガイド部とよりな
   り、前記第２金具が、前記前面パネルのフランジ端に外
   方から掛止する掛止端と、前記第１金具の平板部と当接
   又は対峙する螺子挿通孔付きの平面部と、その平面部か
   ら略直角に折曲されて前記第１金具のガイド部と摺接す
   るガイド面と、そのガイド面の端部から外方に折曲され
   て前記第４当接面に当接する前記壁パネルの前端フラン
   ジの裏面に当接する押圧部とよりなり、前記壁パネルの
   前端フランジを前記第４当接面に当接させてその前端フ
   ランジの端縁を内方に折曲させて前記第４当接面の内端
   縁と重ね合わせた状態として、前記第１金具と第２金具
   とを、ヘッド部を室内側に露出させたボルトで締結する
   ことにより、前記柱に壁パネルを一体化させることを特
   徴とする柱と壁パネルの取付構造。