JP3112483B2 - 眼内レンズ支持部材のバリ取り加工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は眼内レンズ支持部材のバ
リ取り加工方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、支持部材を一体的にもつ眼内レン
ズが広く普及してきた。この支持部材は数mm程度の長さ
のル−プ状であり、両端は成型後カミソリ等によって切
断されるものである。したがって、両端部をバリ取り加
工する必要性が生ずる。そしてこのバリ取り加工には作
業効率を上げるため一般にバレル研磨による方法が用い
られる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、支持部材の先
端部のバリ取りをバレル研磨で加工する場合、この支持
部材は非常に軽く微細であるためバレル内でうまく攪拌
されず、長時間の加工が必要となってしまっていた。

【０００４】さらに、支持部材とバレル内容物との分離
には支持部材を一つ一つピンセットで摘出しなければな
らず、作業効率が悪いという欠点もあった。

【０００５】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、支持部材がバレル内でよく攪拌されてバレル研磨時
間を短縮するとともにバレル内容物との分離が容易にで
き、さらには傷を付けたくない部分を保護することがで
きる眼内レンズ支持部のバリ取り加工方法を提供するこ
とを技術課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。 （１） バレル内の研磨用粒により眼内レンズ支持部材
のバリ取り加工を行う方法において、前記研磨用粒との
接触面積を多く備え、前記バリ取り加工時に帆の役目を
有する研磨用ジグにて複数の前記支持部材の一部分を覆
い隠すようにしてそれぞれ接着及び連繋させる第１ステ
ップと、該第１ステップで前記研磨用ジグに固定及び連
繋された複数の支持部材を前記研磨用粒中に混在させて
バレル研磨装置内に入れ、該バレル研磨装置を所定時間
回転させる第２ステップと、を有することを特徴とす
る。

【０００７】（２） （１）のバリ取り加工方法におい
て、研磨用ジグとは片面に粘着性を有する粘着テープで
あり、該粘着テープを張り合わせることで前記支持部材
を固定及び連繋することを特徴とする。

【０００８】

【作用】上記構成により本発明によれば、ジグによって
攪拌時に内容物との接触面積が増すため十分に攪拌され
る。さらにジグによって多数の支持部材が一体となって
いるため、ピンセットによる摘出が容易になる。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１は本実施例のバレル研磨装置を示す概略説
明図である。

【００１０】図１において１はバレル容器であり、直径
１２０mmの有底の円筒形状である。なお、蓋部は図面上
省略してある。このバレル容器１の内周面は断面六角形
で、内部に粒状の内容物２を保有している。

【００１１】内容物２は粒径が１〜３mmであり、内周面
六角形のバレル容器１が回転することにより、攪拌され
る。バレル容器１の回転には２本の駆動棒３が用いら
れ、平行で同一方向に回転する駆動棒３上にバレル容器
１が載置される構成となっている。

【００１２】上記装置でバリ取りされる眼内レンズ支持
部材４は太さが０．１５mm、長さ数mmのル−プ状であ
り、材質はポリプロピレンからなっている。この支持部
材４はジグによりル−プ状に成型された後、両端をカミ
ソリで切断された状態では両端にバリをもっている。

【００１３】次に、支持部材４を繋ぎ合わせる粘着テ−
プ５について説明する。図２は粘着テ−プ５に７個の支
持部材４を接着した様子を示す図である。ただし、支持
部材４の数は特に限定するものでなく、バレル容器１の
大きさ等によって適宜選択すればよい。さらに、本実施
例では図２の側面図である図３に示すように、２枚の粘
着テ−プで挟み固定する構成を採用するがこれに限ら
ず、１枚の粘着テ−プを折り曲げて用いても良いことは
勿論である。

【００１４】上記のように、支持部材４に粘着テ−プ５
を一体的に接着したことにより、粘着テ−プ５が帆の役
目を果たし、バレル容器１内の内容物２と混在させて撹
拌した際、この撹拌が促進される。

【００１５】なお、図２の接着方法では支持部材４の片
端はバリ取りされないがこの片端はレンズ部と接合され
るため問題はない。また、接着の方法によっては両端バ
リ取りできるようにすることができ、これも本発明に含
まれることはいうまでもない。

【００１６】次に、上記粘着テ−プを用いたバリ取り工
程の手順について説明する。上記のような装置によって
バリ取りされる支持部材４はジグによってル−プ状に成
型された後、カミソリ等で両端が切断され、両端にバリ
をもつものである。

【００１７】まず、支持部材４を数個、数cmの長さの粘
着テ−プ５の粘着面にセットし、同じ大きさの粘着テ−
プ５で支持部材４を挟むように固定する（図２、図
３）。

【００１８】こうしてできた支持部材群を内容物２の入
ったバレル容器１に入れ、蓋をする。そしてこのバレル
容器１を横のして２本の駆動棒３上に載置する。２本の
駆動棒３が図示しない駆動源により同一方向に回転する
とバレル容器１も回転する（図１）。この際、支持部材
４は粘着テ−プ５が帆の役目を果たしているため十分に
攪拌され、バリが取られる。

【００１９】バリが取られる所定の時間が経過すると駆
動源を停止し、バレル容器１を下ろして蓋をとる。そし
てピンセット等にて支持部材群を取り出す。このとき支
持部材４は粘着テ−プ５によって数個がまとめられてい
るため取りだしが容易である。さらに支持部材４は粘着
テ−プ５により、表面が保護されているため、傷がつか
ない。

【００２０】以上はジグに粘着テ−プを用いる場合を説
明したが、本発明はこれに限定されず、支持部材を連繋
するために糸を用いるなど、他にも種々採用でき、これ
らも本発明に含まれることは勿論である。

【００２１】

【発明の効果】本発明のバリ取り加工方法によれば、支
持部材がバレル内でよく攪拌されてバレル研磨時間を短
縮するとともにバレル内容物との分離が容易となり、作
業効率が向上する。さらに、支持部材の一部分をジグに
て覆うようにして固定するため、傷を付けたくない部分
を保護することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のバレル研磨装置を示した説明図であ
る。

【図２】支持部材４と粘着テ−プ５との関係を示した説
明図である。

【図３】図２の側面図である。

【符号の説明】

１ バレル容器 ２ 内容物 ３ 駆動棒 ４ 支持部材 ５ 粘着テ−プ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バレル内の研磨用粒により眼内レンズ支
   持部材のバリ取り加工を行う方法において、前記研磨用
   粒との接触面積を多く備え、前記バリ取り加工時に帆の
   役目を有する研磨用ジグにて複数の前記支持部材の一部
   分を覆い隠すようにしてそれぞれ接着及び連繋させる第
   １ステップと、該第１ステップで前記研磨用ジグに固定
   及び連繋された複数の支持部材を前記研磨用粒中に混在
   させてバレル研磨装置内に入れ、該バレル研磨装置を所
   定時間回転させる第２ステップと、を有することを特徴
   とする眼内レンズ支持部材のバリ取り加工方法。
2. 【請求項２】 請求項１のバリ取り加工方法において、
   研磨用ジグとは片面に粘着性を有する粘着テープであ
   り、該粘着テープを張り合わせることで前記支持部材を
   固定及び連繋することを特徴とする眼内レンズ支持部材
   のバリ取り加工方法。