JP3112219B2 - 移動検出方法及び検出器 - Google Patents
移動検出方法及び検出器Info
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- JP3112219B2 JP3112219B2 JP05155870A JP15587093A JP3112219B2 JP 3112219 B2 JP3112219 B2 JP 3112219B2 JP 05155870 A JP05155870 A JP 05155870A JP 15587093 A JP15587093 A JP 15587093A JP 3112219 B2 JP3112219 B2 JP 3112219B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スペックルパターンを
利用して対象物体の移動を非接触に測定する方法、及び
その装置に関するものである。
利用して対象物体の移動を非接触に測定する方法、及び
その装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】レーザーのようなコヒーレントな光が、そ
の光の波長に較べて充分に凹凸の大きい物体(以後粗面
物体と呼ぶ)や多数の粒子群によって散乱されると、散
乱された光同志が干渉してスペックルパターンとよばれ
る不規則な斑点状の模様を生ずる。通常のスペックルパ
ターンはいたるところでコントラストが高い光強度パタ
ーンで、光を照射された物体の移動に伴ってスペックル
パターンも移動する。(たとえば、先行技術文献[1]
朝倉:”スペックル”,光工学ハンドブック3章,(1
986, 朝倉書店,東京),p.195、[2]大
坪;“スペックル・パターンの1次統計”,機械技術研
究所所報,vol.34,No.4,(1980),
p.165、[3]山口;”スペックルと変位・計測へ
の応用”,オートメーション,vol.27,No.
9,(1982),p.32)等参照)スペックルパタ
ーンのこの性質は、スペックルパターンをコントラスト
の高い目印として利用できることを意味する。これを利
用して、物体の移動・変位などを非接触に測定する手法
が多く提案されている。(前記先行技術文献[2],
[3]及び[4]特開昭50−132948号公報、
[5]特開昭58−225302号公報、[6]特開平
2−27203号公報、[7]特開平2−297006
号公報、[8]山口;”光波干渉応用技術3 粗面干渉
技術”、光学、vol.12、No.4、(198
3)、p.306等参照))まず、従来のスペックルパ
ターンを用いた移動検出装置の一般的な原理を、図面に
基づいて説明する。
の光の波長に較べて充分に凹凸の大きい物体(以後粗面
物体と呼ぶ)や多数の粒子群によって散乱されると、散
乱された光同志が干渉してスペックルパターンとよばれ
る不規則な斑点状の模様を生ずる。通常のスペックルパ
ターンはいたるところでコントラストが高い光強度パタ
ーンで、光を照射された物体の移動に伴ってスペックル
パターンも移動する。(たとえば、先行技術文献[1]
朝倉:”スペックル”,光工学ハンドブック3章,(1
986, 朝倉書店,東京),p.195、[2]大
坪;“スペックル・パターンの1次統計”,機械技術研
究所所報,vol.34,No.4,(1980),
p.165、[3]山口;”スペックルと変位・計測へ
の応用”,オートメーション,vol.27,No.
9,(1982),p.32)等参照)スペックルパタ
ーンのこの性質は、スペックルパターンをコントラスト
の高い目印として利用できることを意味する。これを利
用して、物体の移動・変位などを非接触に測定する手法
が多く提案されている。(前記先行技術文献[2],
[3]及び[4]特開昭50−132948号公報、
[5]特開昭58−225302号公報、[6]特開平
2−27203号公報、[7]特開平2−297006
号公報、[8]山口;”光波干渉応用技術3 粗面干渉
技術”、光学、vol.12、No.4、(198
3)、p.306等参照))まず、従来のスペックルパ
ターンを用いた移動検出装置の一般的な原理を、図面に
基づいて説明する。
【0003】図1(a)に示すように、入射レーザー光
8によって照明されている粗面物体3を結像光学系4に
よって結像させると、観察面6上に現れる粗面物体3の
像にはスペックルパターンが重畳している。これを像界
のスペックルパターンと呼ぶ。そして、そのスペックル
パターンは粗面物体3が結像光学系4の光軸に垂直な面
内に移動すれば(これを以後面内移動と呼ぶ)像に追随
して移動する。一般的には、このときスペックルパター
ンは変形を伴いつつ移動する。粗面物体3の移動量とス
ペックルパターンの移動量の比は結像倍率に等しいか
ら、スペックルパターンの移動を検出することによって
粗面物体の移動を非接触に検出することができる。
8によって照明されている粗面物体3を結像光学系4に
よって結像させると、観察面6上に現れる粗面物体3の
像にはスペックルパターンが重畳している。これを像界
のスペックルパターンと呼ぶ。そして、そのスペックル
パターンは粗面物体3が結像光学系4の光軸に垂直な面
内に移動すれば(これを以後面内移動と呼ぶ)像に追随
して移動する。一般的には、このときスペックルパター
ンは変形を伴いつつ移動する。粗面物体3の移動量とス
ペックルパターンの移動量の比は結像倍率に等しいか
ら、スペックルパターンの移動を検出することによって
粗面物体の移動を非接触に検出することができる。
【0004】スペックルパターンを生成させる際に必ず
しも図1(a)のような結像光学系を用いる必要はな
く、図1(b)に示すように単に入射レーザー光8によ
って粗面物体3が照明され、そこからの散乱光9が自由
空間を伝播しただけでもスペックルパターンは生ずる。
これを回折界のスペックルパターンと呼ぶ。回折界のス
ペックルパターンにおいても、特殊な場合を除き、スペ
ックルパターンは粗面物体3の移動に伴って、系の配置
で決まる一定の比率で移動する。一般的には、このとき
やはりスペックルパターンは変形を伴う。
しも図1(a)のような結像光学系を用いる必要はな
く、図1(b)に示すように単に入射レーザー光8によ
って粗面物体3が照明され、そこからの散乱光9が自由
空間を伝播しただけでもスペックルパターンは生ずる。
これを回折界のスペックルパターンと呼ぶ。回折界のス
ペックルパターンにおいても、特殊な場合を除き、スペ
ックルパターンは粗面物体3の移動に伴って、系の配置
で決まる一定の比率で移動する。一般的には、このとき
やはりスペックルパターンは変形を伴う。
【0005】スペックルパターンの移動検出手段として
は、結像面にイメージセンサーをおいて検出する方法、
移動前後のスペックルパターンの像を写真材料に2重記
録する方法など多くの方法が提案されている。
は、結像面にイメージセンサーをおいて検出する方法、
移動前後のスペックルパターンの像を写真材料に2重記
録する方法など多くの方法が提案されている。
【0006】このようにスペックルパターンは非接触で
粗面物体の面内移動等を測るのには適しているが、スペ
ックルパターン移動は物体の面外移動には鈍感である。
従って、面外移動検出はスペックルパターンにとって不
得手な分野であった。
粗面物体の面内移動等を測るのには適しているが、スペ
ックルパターン移動は物体の面外移動には鈍感である。
従って、面外移動検出はスペックルパターンにとって不
得手な分野であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】スペックルパターンを
用いた移動検出器は前記のように非接触で物体の移動を
検出するのに優れた方法である。ただし、スペックルパ
ターンで検出が容易なのは、図2(a)に示すような測
定対象物31の面にほぼ平行な方向(面内方向)の移動
であり、図2(b)のような測定対象物31の面にほぼ
垂直な方向(面外方向)の移動を測定することは、従来
困難であった。その理由は、物体が面外移動してもスペ
ックルパターンが観察面においてほとんど移動しないた
めである。
用いた移動検出器は前記のように非接触で物体の移動を
検出するのに優れた方法である。ただし、スペックルパ
ターンで検出が容易なのは、図2(a)に示すような測
定対象物31の面にほぼ平行な方向(面内方向)の移動
であり、図2(b)のような測定対象物31の面にほぼ
垂直な方向(面外方向)の移動を測定することは、従来
困難であった。その理由は、物体が面外移動してもスペ
ックルパターンが観察面においてほとんど移動しないた
めである。
【0008】もっとも、干渉計測法と同程度のサブミク
ロンの分解能でならば面外移動を検出することはできる
が(たとえば、前述の特開昭58−225302号公報
参照)、面内方向と同程度の数ミクロン以上の分解能で
の検出はむずかしかった。
ロンの分解能でならば面外移動を検出することはできる
が(たとえば、前述の特開昭58−225302号公報
参照)、面内方向と同程度の数ミクロン以上の分解能で
の検出はむずかしかった。
【0009】本発明はスペックルパターン移動検出器の
この欠点を改善するもので、スペックルパターンを用い
た移動検出器において、面外移動を面内移動と同程度の
分解能で、容易に検出する手段を提供するものである。
この欠点を改善するもので、スペックルパターンを用い
た移動検出器において、面外移動を面内移動と同程度の
分解能で、容易に検出する手段を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の移動検出方法
は、移動する測定対象物体へのコヒーレントな光の照射
により観察面に生成されるスペックルパターンの観察面
上での移動をスペックルパターン移動検出手段で検出
し、検出された前記スペックルパターン移動情報に基づ
いて測定対象物体の移動を検出する移動検出方法であっ
て、前記測定対象物体の像を結像光学系により前記スペ
ックルパターン移動検出手段の受光面上に結像させ、か
つ前記測定対象物体の前記コヒーレント光に照射された
面と前記スペックルパターン移動検出手段の受光面がと
もに前記結像光学系の光軸に垂直でないように配置さ
れ、少なくとも1組2個のスペックルパターン移動検出
手段がコヒーレント光照射の光軸に関してほぼ対称に配
置され、前記1組となっている2個のスペックルパター
ン移動検出手段からの移動情報の差演算の結果に基づい
て、前記コヒーレント光に照射された測定対象物体の面
に対してほぼ垂直な方向の前記測定対象物体の移動を検
出し、一方前記1組となっている2個のスペックルパタ
ーン移動検出手段からの移動情報の和演算の結果に基づ
いて、前記コヒーレント光に照射された前記測定対象物
体の面に対してほぼ平行な方向の前記測定対象物体の移
動を検出することを特徴とする。
は、移動する測定対象物体へのコヒーレントな光の照射
により観察面に生成されるスペックルパターンの観察面
上での移動をスペックルパターン移動検出手段で検出
し、検出された前記スペックルパターン移動情報に基づ
いて測定対象物体の移動を検出する移動検出方法であっ
て、前記測定対象物体の像を結像光学系により前記スペ
ックルパターン移動検出手段の受光面上に結像させ、か
つ前記測定対象物体の前記コヒーレント光に照射された
面と前記スペックルパターン移動検出手段の受光面がと
もに前記結像光学系の光軸に垂直でないように配置さ
れ、少なくとも1組2個のスペックルパターン移動検出
手段がコヒーレント光照射の光軸に関してほぼ対称に配
置され、前記1組となっている2個のスペックルパター
ン移動検出手段からの移動情報の差演算の結果に基づい
て、前記コヒーレント光に照射された測定対象物体の面
に対してほぼ垂直な方向の前記測定対象物体の移動を検
出し、一方前記1組となっている2個のスペックルパタ
ーン移動検出手段からの移動情報の和演算の結果に基づ
いて、前記コヒーレント光に照射された前記測定対象物
体の面に対してほぼ平行な方向の前記測定対象物体の移
動を検出することを特徴とする。
【0011】また、本発明の移動検出器は、移動する測
定対象物体ヘコヒーレントな光を照射するコヒーレント
光源と、前記測定対象物体によって前記コヒーレント光
が散乱されて生成されるスペックルパターンの移動を検
出するスペックルパターン移動検出手段と、前記測定対
象物体の像を前記スペックルパターン移動検出手段の受
光面上に結像させる結像光学系を備え、前記測定対象物
体の前記コヒーレント光に照射された面と前記スペック
ルパターン移動検出手段の受光面がともに前記結像光学
系の光軸に垂直でなく、前記スペックルパターン移動検
出手段によって検出されるスペックルパターン移動情報
に基づいて前記測定対象物体の移動の検出を行なう移動
検出器であって、少なくとも1組2個のスペックルパタ
ーン移動検出手段がコヒーレント光照射の光軸に関して
ほぼ対称に配置され、前記1組となっている2個のスペ
ックルパターン移動検出手段からの移動情報の差演算の
結果に基づいて、前記コヒーレント光に照射された測定
対象物体の面に対してほぼ垂直な方向の前記測定対象物
体の移動を検出し、一方前記1組となっている2個のス
ペックルパターン移動検出手段からの移動情報の和演算
の結果に基づいて、前記コヒーレント光に照射された前
記測定対象物体の面に対してほぼ平行な方向の前記測定
対象物体の移動を検出する演算手段を設けたことを特徴
とする。
定対象物体ヘコヒーレントな光を照射するコヒーレント
光源と、前記測定対象物体によって前記コヒーレント光
が散乱されて生成されるスペックルパターンの移動を検
出するスペックルパターン移動検出手段と、前記測定対
象物体の像を前記スペックルパターン移動検出手段の受
光面上に結像させる結像光学系を備え、前記測定対象物
体の前記コヒーレント光に照射された面と前記スペック
ルパターン移動検出手段の受光面がともに前記結像光学
系の光軸に垂直でなく、前記スペックルパターン移動検
出手段によって検出されるスペックルパターン移動情報
に基づいて前記測定対象物体の移動の検出を行なう移動
検出器であって、少なくとも1組2個のスペックルパタ
ーン移動検出手段がコヒーレント光照射の光軸に関して
ほぼ対称に配置され、前記1組となっている2個のスペ
ックルパターン移動検出手段からの移動情報の差演算の
結果に基づいて、前記コヒーレント光に照射された測定
対象物体の面に対してほぼ垂直な方向の前記測定対象物
体の移動を検出し、一方前記1組となっている2個のス
ペックルパターン移動検出手段からの移動情報の和演算
の結果に基づいて、前記コヒーレント光に照射された前
記測定対象物体の面に対してほぼ平行な方向の前記測定
対象物体の移動を検出する演算手段を設けたことを特徴
とする。
【0012】
【作用】以下、本発明の作用について、具体的に例を挙
げて説明する。
げて説明する。
【0013】本発明は、あおり面結像関係と呼ばれる光
学結像関係を用いることによって、前記課題を解決する
手段を提供する。そこで、まずあおり面結像関係につい
て説明する。
学結像関係を用いることによって、前記課題を解決する
手段を提供する。そこで、まずあおり面結像関係につい
て説明する。
【0014】図3に示すような光学系において、物体P
Qの像が結像レンズ41によってP’Q’に結像されて
いるとする。このように、物体と像が結像関係にあり、
かつ物体とその像がともに結像光学系の光軸に垂直でな
い場合、このような関係をあおり面結像関係と呼ぶ。
Qの像が結像レンズ41によってP’Q’に結像されて
いるとする。このように、物体と像が結像関係にあり、
かつ物体とその像がともに結像光学系の光軸に垂直でな
い場合、このような関係をあおり面結像関係と呼ぶ。
【0015】レンズの主軸をx軸とし、レンズの中心が
原点となるように座標系を選ぶ。Q,Q’の座標をそれ
ぞれ(x1 ,y1 )、(x1 ’,y1 ’)とする。原点
からそれぞれP,P’までの距離をL,L’、焦点を
F,F’、焦点距離をf,f’、x軸とそれぞれPQ,
P’Q’のなす角をU,U’、光線QQ’とx軸のなす
角をθとする。
原点となるように座標系を選ぶ。Q,Q’の座標をそれ
ぞれ(x1 ,y1 )、(x1 ’,y1 ’)とする。原点
からそれぞれP,P’までの距離をL,L’、焦点を
F,F’、焦点距離をf,f’、x軸とそれぞれPQ,
P’Q’のなす角をU,U’、光線QQ’とx軸のなす
角をθとする。
【0016】まず、光線PQ、OQについて着目する。
それぞれの光線は、 PQ:y=(x−L)tanU OQ:y=xtanθ と表される。これより交点Qは、
それぞれの光線は、 PQ:y=(x−L)tanU OQ:y=xtanθ と表される。これより交点Qは、
【数1】 となる。また光線P’Q’,OQ’に関しては、それぞ
れ、 P’Q’:y=(x−L’)tanU’ OQ’ :y=xtanθ となり、交点Q’は、
れ、 P’Q’:y=(x−L’)tanU’ OQ’ :y=xtanθ となり、交点Q’は、
【数2】 となる。
【0017】ここで幾何光学的に近軸領域の光線を仮定
すると
すると
【数3】 が成り立つ。
【0018】したがって、Pの像点が交点P’と一致す
るためには、
るためには、
【数4】 となる必要がある。第(6)式に(1)、(3)式を代
入すると、 L’ tanU’=L tanU ・・・・ (7) の関係が得られる。これは直線PQとP’Q’がy軸上
の点Sで交わることを示している。あおり面結像関係に
ある場合、物体PQと像P’Q’は常にこの関係を満た
している。
入すると、 L’ tanU’=L tanU ・・・・ (7) の関係が得られる。これは直線PQとP’Q’がy軸上
の点Sで交わることを示している。あおり面結像関係に
ある場合、物体PQと像P’Q’は常にこの関係を満た
している。
【0019】次に、このときの倍率について考える。線
分PQおよび線分P’Q’はそれぞれ、
分PQおよび線分P’Q’はそれぞれ、
【数5】 となり、β=L’/Lとすると、
【数6】 となる。あるいは、横倍率β1 ’は、
【数7】 であるから、第(8)式は、
【数8】 となり、この式が倍率の関係を表す。
【0020】次に、物体PQが物体表面の法線方向に移
動した場合を考える。図4に示すように、物体PQが法
線方向に移動し、点Pが直線OQ上の点P* へ移動した
とする。このときの移動距離をΔとする。
動した場合を考える。図4に示すように、物体PQが法
線方向に移動し、点Pが直線OQ上の点P* へ移動した
とする。このときの移動距離をΔとする。
【0021】このとき線分PQと移動距離Δの関係は、 PQ=Δcot (U−θ) ・・・・ (10) と表せる。また、Pから線分PQへ下ろした垂線の長さ
hは、 h=Δsin (π/2−(U−θ))=Lsin θ であるから、
hは、 h=Δsin (π/2−(U−θ))=Lsin θ であるから、
【数9】 となる。第(10)式、第(11)式より、線分PQと
移動距離Δの関係は、
移動距離Δの関係は、
【数10】 となる。一方、第(8)式、第(10)式より線分P’
Q’と移動距離Δの関係は、
Q’と移動距離Δの関係は、
【数11】 となる。したがって、線分P’Q’と移動距離Δの関係
は
は
【数12】 となる。ところで前記の定義から、点P* を出た主光線
P* Oは、移動前の像面P’Q’と点Q’において交わ
る。これは言い替えると、移動前の像面に光検出器を置
いて像を観察する場合、点Pが点P* へ移動するとき点
Pの像点P’が点Q’へ移動したように検出されること
を意味する。但し、厳密には点P* と点Q’は共役関係
すなわち結像関係にないので、点Q’においては移動後
の点P* の焦点外れ像が観察されることになる。
P* Oは、移動前の像面P’Q’と点Q’において交わ
る。これは言い替えると、移動前の像面に光検出器を置
いて像を観察する場合、点Pが点P* へ移動するとき点
Pの像点P’が点Q’へ移動したように検出されること
を意味する。但し、厳密には点P* と点Q’は共役関係
すなわち結像関係にないので、点Q’においては移動後
の点P* の焦点外れ像が観察されることになる。
【0022】以上まとめると、あおり面結像関係を用い
ると、物体表面に垂直な方向、即ち面外の移動P→P*
が、像の観察面上における広い意味での像の移動P’→
Q’に反映される。
ると、物体表面に垂直な方向、即ち面外の移動P→P*
が、像の観察面上における広い意味での像の移動P’→
Q’に反映される。
【0023】ところで、スペックルパターンは像の移動
に一致して移動する性質を持つから、あおり面結像関係
を用いれば、物体が面外移動するとき、スペックルパタ
ーンが観察面上で移動をする。本発明は、あおり面結像
関係のこの性質を利用して、対象物の面外移動を観察面
におけるスペックルパターンの移動検出によって検出す
る。
に一致して移動する性質を持つから、あおり面結像関係
を用いれば、物体が面外移動するとき、スペックルパタ
ーンが観察面上で移動をする。本発明は、あおり面結像
関係のこの性質を利用して、対象物の面外移動を観察面
におけるスペックルパターンの移動検出によって検出す
る。
【0024】さて、第(13)式から判るように、ここ
でU’−U=π/2(ラジアン)を満たすように光学系
を構成すれば、観察面上の像すなわちスペックルパター
ン移動量は物体の面外方向の移動量に比例する。ただ
し、πは円周率を表す。
でU’−U=π/2(ラジアン)を満たすように光学系
を構成すれば、観察面上の像すなわちスペックルパター
ン移動量は物体の面外方向の移動量に比例する。ただ
し、πは円周率を表す。
【0025】またとくに、β=−1、U=−π/4(ラ
ジアン)、U’=π/4(ラジアン)とすれば、点Pの
像の移動量(=線分P’Q’)は−Δとなり、物体の面
外方向の移動量Δと観察面上の像すなわちスペックルパ
ターン移動量の大きさが等しくなる。
ジアン)、U’=π/4(ラジアン)とすれば、点Pの
像の移動量(=線分P’Q’)は−Δとなり、物体の面
外方向の移動量Δと観察面上の像すなわちスペックルパ
ターン移動量の大きさが等しくなる。
【0026】以上、あおり面結像関係を用いることによ
って、スペックルパターンによって物体の面外移動の検
出を可能にする、本発明の原理を説明した。ところが本
発明の方法では、物体の面外移動が観察面上のスペック
ルパターンの面内移動となって現れるので、物体が面外
移動と面内移動を同時に起こした場合、そのままでは物
体の面外移動量と面内移動量を分離して検出することは
できない。そこで、更に我々は面外移動と面内移動が同
時に生じたときこれを分離して検出する方法を工夫した
ので、これを次に説明する。
って、スペックルパターンによって物体の面外移動の検
出を可能にする、本発明の原理を説明した。ところが本
発明の方法では、物体の面外移動が観察面上のスペック
ルパターンの面内移動となって現れるので、物体が面外
移動と面内移動を同時に起こした場合、そのままでは物
体の面外移動量と面内移動量を分離して検出することは
できない。そこで、更に我々は面外移動と面内移動が同
時に生じたときこれを分離して検出する方法を工夫した
ので、これを次に説明する。
【0027】面外移動と面内移動を分離して検出する方
法を図5に示す。あおり面結像系を、照明系の光軸に関
して対称に配置する。入射レーザー光8は図中z軸に沿
って入射し、照明用レンズ2を経て測定対象物体31を
照明する。測定対象物31と観察面61および62はあ
おり面結像関係にある。図中x軸方向が着目する面内方
向を、z軸方向が面外方向を表す。
法を図5に示す。あおり面結像系を、照明系の光軸に関
して対称に配置する。入射レーザー光8は図中z軸に沿
って入射し、照明用レンズ2を経て測定対象物体31を
照明する。測定対象物31と観察面61および62はあ
おり面結像関係にある。図中x軸方向が着目する面内方
向を、z軸方向が面外方向を表す。
【0028】測定対象物31がx方向即ち面内方向に移
動する場合、観測面61でのスペックルパターンの移動
方向と観測面62でのスペックルパターンの移動方向
は、図のように逆になる。一方、z方向即ち面外方向に
移動する場合には、観測面61でのスペックルパターン
の移動方向と観測面62でのスペックルパターンの移動
方向は同一となる。ここでスペックルの移動方向を2つ
の観察面毎に固有の別々の座標系で考え直すと、逆に測
定対象物が面内方向に移動する場合は観測面61でのス
ペックルパターンの移動方向と観測面62でのスペック
ルパターンの移動方向は同一方向になり、一方、面外方
向に移動する場合は観測面61でのスペックルパターン
の移動方向と観測面62でのスペックルパターンの移動
方向は逆になる。観察面にセンサーなどを置いて移動を
検出する場合は、センサーの出力は、観察面に固有の、
即ち観測面61と観測面62で別々の座標系を考えて向
きを指定する方法と一致する。したがってこのようなと
き、観測面61で検出されたスペックルパターン移動量
と観測面62で検出されたスペックルパターン移動量の
差をとると、これは対象物のz方向即ち面外方向の移動
量に対応する。一方、観測面61で検出されたスペック
ルパターン移動量と観測面62で検出されたスペックル
パターン移動量の和をとると、これはx方向即ち面内方
向の移動量に対応する。このように、照明系の光軸に関
して対称に配置した少なくとも2つのスペックルパター
ン移動検出手段を用い、それらのスペックルパターン移
動検出手段の出力の和と差をとることによって、測定対
象物体の移動の面外成分と面内成分とを分離して同時に
測定することができる。
動する場合、観測面61でのスペックルパターンの移動
方向と観測面62でのスペックルパターンの移動方向
は、図のように逆になる。一方、z方向即ち面外方向に
移動する場合には、観測面61でのスペックルパターン
の移動方向と観測面62でのスペックルパターンの移動
方向は同一となる。ここでスペックルの移動方向を2つ
の観察面毎に固有の別々の座標系で考え直すと、逆に測
定対象物が面内方向に移動する場合は観測面61でのス
ペックルパターンの移動方向と観測面62でのスペック
ルパターンの移動方向は同一方向になり、一方、面外方
向に移動する場合は観測面61でのスペックルパターン
の移動方向と観測面62でのスペックルパターンの移動
方向は逆になる。観察面にセンサーなどを置いて移動を
検出する場合は、センサーの出力は、観察面に固有の、
即ち観測面61と観測面62で別々の座標系を考えて向
きを指定する方法と一致する。したがってこのようなと
き、観測面61で検出されたスペックルパターン移動量
と観測面62で検出されたスペックルパターン移動量の
差をとると、これは対象物のz方向即ち面外方向の移動
量に対応する。一方、観測面61で検出されたスペック
ルパターン移動量と観測面62で検出されたスペックル
パターン移動量の和をとると、これはx方向即ち面内方
向の移動量に対応する。このように、照明系の光軸に関
して対称に配置した少なくとも2つのスペックルパター
ン移動検出手段を用い、それらのスペックルパターン移
動検出手段の出力の和と差をとることによって、測定対
象物体の移動の面外成分と面内成分とを分離して同時に
測定することができる。
【0029】y方向すなわち紙面に対し垂直な方向の面
内方向の場合は、図5において照明系の光軸を含む紙面
に関して対称にあおり面結像系を配置すれば、x方向と
z方向の場合と同様に、y方向とz方向の移動を分離し
て同時に測定することができる。
内方向の場合は、図5において照明系の光軸を含む紙面
に関して対称にあおり面結像系を配置すれば、x方向と
z方向の場合と同様に、y方向とz方向の移動を分離し
て同時に測定することができる。
【0030】以下、本発明の基本的な構成を図6に基づ
いて説明する。
いて説明する。
【0031】コヒーレント光源1を出た光は、照明用レ
ンズ2を経て測定対象物31に照射される。測定対象物
31とスペックルパターン移動検出手段5の検出面は、
あおり面結像関係になっている。レンズ41はあおり面
結像を行なうレンズである。
ンズ2を経て測定対象物31に照射される。測定対象物
31とスペックルパターン移動検出手段5の検出面は、
あおり面結像関係になっている。レンズ41はあおり面
結像を行なうレンズである。
【0032】測定対象物31が面外方向即ち図のz方向
に移動すると、スペックルパターン移動検出手段5の検
出面上においてスペックルパターンが移動するため、測
定対象物31の面外移動をスペックルパターン移動手段
5の出力から測定することができる。
に移動すると、スペックルパターン移動検出手段5の検
出面上においてスペックルパターンが移動するため、測
定対象物31の面外移動をスペックルパターン移動手段
5の出力から測定することができる。
【0033】スペックルパターン移動検出手段5として
はどのようなものを用いても構わない。(1)リニアセ
ンサ(CCDセンサなど)を用いてスペックルパターン
を検出し、移動前後のスペックルパターンの相関関数を
計算してスペックルパターン移動量を求める方法(2次
元相関法)(先行技術文献[3]、[8]など)、ある
いはこれを2次元化して、(2)TVカメラのような2
次元センサーによってスペックルパターンを検出し、移
動前後のスペックルパターンの相関関数を計算してスペ
ックルパターン移動量を求める方法(2次元相関法)、
などが従来知られている。
はどのようなものを用いても構わない。(1)リニアセ
ンサ(CCDセンサなど)を用いてスペックルパターン
を検出し、移動前後のスペックルパターンの相関関数を
計算してスペックルパターン移動量を求める方法(2次
元相関法)(先行技術文献[3]、[8]など)、ある
いはこれを2次元化して、(2)TVカメラのような2
次元センサーによってスペックルパターンを検出し、移
動前後のスペックルパターンの相関関数を計算してスペ
ックルパターン移動量を求める方法(2次元相関法)、
などが従来知られている。
【0034】また、本出願人により出願された特開平1
−287468号公報に示すように、1方向あたり少な
くとも2個1組のセンサーを用いて、移動を検出するこ
ともできる。
−287468号公報に示すように、1方向あたり少な
くとも2個1組のセンサーを用いて、移動を検出するこ
ともできる。
【0035】要するに、スペックルパターン移動の大き
さと向きの符号(右か左か)が検出できればよい。
さと向きの符号(右か左か)が検出できればよい。
【0036】次に、面外成分と面内成分を分離して検出
する工夫を取り入れた本発明の概略の構成を図7に基づ
いて説明する。
する工夫を取り入れた本発明の概略の構成を図7に基づ
いて説明する。
【0037】コヒーレント光源1を出た光は、照明用レ
ンズ2を経て測定対象物31に照射される。照明光軸に
関して対象にあおり面結像系が構成される。即ち、測定
対象物31とスペックルパターン移動検出手段51なら
びに、測定対象物31とスペックルパターン移動検出手
段52は、あおり面結像関係にある。レンズ41ならび
にレンズ42はあおり面結像を行なうレンズである。
ンズ2を経て測定対象物31に照射される。照明光軸に
関して対象にあおり面結像系が構成される。即ち、測定
対象物31とスペックルパターン移動検出手段51なら
びに、測定対象物31とスペックルパターン移動検出手
段52は、あおり面結像関係にある。レンズ41ならび
にレンズ42はあおり面結像を行なうレンズである。
【0038】測定対象物31が面外および面内方向に移
動すると、スペックルパターン移動検出手段51および
スペックルパターン移動検出手段52の検出面上におい
てスペックルパターンが移動するため、測定対象物31
の面外および面外方向の移動を、スペックルパターン移
動検出手段51およびペックルパターン移動検出手段5
2の出力から測定することができる。スペックルパター
ン移動手段51で検出されたスペックルパターン移動量
とスペックルパターン移動検出手段52で検出されたス
ペックルパターン移動量の差をとると、測定対象物のz
方向即ち面外方向の移動量が測定できる。一方、スペッ
クルパターン移動検出手段51で検出されたスペックル
パターン移動量とスペックルパターン移動検出手段52
で検出されたスペックルパターン移動量の和をとると、
x方向即ち面内方向の移動量が測定できる。和および差
の演算などは、スペックルパターン移動信号処理系7で
行なわれる。
動すると、スペックルパターン移動検出手段51および
スペックルパターン移動検出手段52の検出面上におい
てスペックルパターンが移動するため、測定対象物31
の面外および面外方向の移動を、スペックルパターン移
動検出手段51およびペックルパターン移動検出手段5
2の出力から測定することができる。スペックルパター
ン移動手段51で検出されたスペックルパターン移動量
とスペックルパターン移動検出手段52で検出されたス
ペックルパターン移動量の差をとると、測定対象物のz
方向即ち面外方向の移動量が測定できる。一方、スペッ
クルパターン移動検出手段51で検出されたスペックル
パターン移動量とスペックルパターン移動検出手段52
で検出されたスペックルパターン移動量の和をとると、
x方向即ち面内方向の移動量が測定できる。和および差
の演算などは、スペックルパターン移動信号処理系7で
行なわれる。
【0039】なお、面外移動量があまりに大きくなっ
て、あおり面結像関係が大きな焦点外れを起こす場合
は、測定精度の低下が懸念される。測定精度を保つため
には、焦点外れ量が常にあまり大きくならないように、
測定系をz方向に動かせばよい。焦点外れ量は、本発明
による移動検出量そのものを用いることができるため、
これを用いていわゆるフォーカスサーボ機構を構成すれ
ばよい。
て、あおり面結像関係が大きな焦点外れを起こす場合
は、測定精度の低下が懸念される。測定精度を保つため
には、焦点外れ量が常にあまり大きくならないように、
測定系をz方向に動かせばよい。焦点外れ量は、本発明
による移動検出量そのものを用いることができるため、
これを用いていわゆるフォーカスサーボ機構を構成すれ
ばよい。
【0040】
【実施例】本発明による3次元移動検出器の例を図8に
示す。移動検出器は同一きょう体内に、半導体レーザー
11、半導体レーザー11の光軸に関して対称に配置さ
れた1対の結像レンズ41と結像レンズ42と1対の分
割フォトダイオード53と分割フォトダイオード54と
からなる観察光学系、及びスペックルパターン信号処理
系7を備える。2つの分割フォトダイオード53、54
と測定対象物31は各々結像レンズ41と42によって
あおり面結像関係になるように設定される。
示す。移動検出器は同一きょう体内に、半導体レーザー
11、半導体レーザー11の光軸に関して対称に配置さ
れた1対の結像レンズ41と結像レンズ42と1対の分
割フォトダイオード53と分割フォトダイオード54と
からなる観察光学系、及びスペックルパターン信号処理
系7を備える。2つの分割フォトダイオード53、54
と測定対象物31は各々結像レンズ41と42によって
あおり面結像関係になるように設定される。
【0041】図9は、分割フォトダイオード53を半導
体レーザー11側から見た模式図である。分割フォトダ
イオード53は、L字状に配置された3個の受光画素1
0a,10b,10cを備えており、受光画素10a,
10bはy’方向に配列され、受光画素10b,10c
はx’方向に配列されている。分割フォトダイオード5
4も分割フォトダイオード53と同様な構成を有してい
る。
体レーザー11側から見た模式図である。分割フォトダ
イオード53は、L字状に配置された3個の受光画素1
0a,10b,10cを備えており、受光画素10a,
10bはy’方向に配列され、受光画素10b,10c
はx’方向に配列されている。分割フォトダイオード5
4も分割フォトダイオード53と同様な構成を有してい
る。
【0042】半導体レーザー11から射出された光は測
定対象物31を照らす。半導体レーザー11からの光は
測定対象物31によって散乱され、分割フォトダイオー
ド53と54に達し、分割フォトダイオードの受光面上
にスペックルパターンを形成する。測定対象物31の移
動に伴って分割フォトダイオード53および54の上の
スペックルパターンが移動すると、分割フォトダイオー
ド53および54とスペックルパターン信号処理系7に
よって、スペックルパターン移動量と向きが検出され
る。分割フォトダイオードの受光面上における向きは、
それぞれの分割フォトダイオードに固有な座標系x’−
y’(分割フォトダイオード53)とx’’−y’’
(分割フォトダイオード54)によって表される。y’
方向とy’’方向はともに紙面に垂直で手前に向いてい
る。座標はそれぞれ矢印の方向を正とする。
定対象物31を照らす。半導体レーザー11からの光は
測定対象物31によって散乱され、分割フォトダイオー
ド53と54に達し、分割フォトダイオードの受光面上
にスペックルパターンを形成する。測定対象物31の移
動に伴って分割フォトダイオード53および54の上の
スペックルパターンが移動すると、分割フォトダイオー
ド53および54とスペックルパターン信号処理系7に
よって、スペックルパターン移動量と向きが検出され
る。分割フォトダイオードの受光面上における向きは、
それぞれの分割フォトダイオードに固有な座標系x’−
y’(分割フォトダイオード53)とx’’−y’’
(分割フォトダイオード54)によって表される。y’
方向とy’’方向はともに紙面に垂直で手前に向いてい
る。座標はそれぞれ矢印の方向を正とする。
【0043】測定対象物31が図中のz方向即ち面外方
向に移動するとき、分割フォトダイオード53および5
4上のスペックルパターンはそれぞれx’方向とx’’
方向の符号が逆の向きに移動する。測定対象物31が図
中のx方向即ち面内方向に移動するとき、2つの分割フ
ォトダイオード53および54上のスペックルパターン
はx’方向とx’’方向で符号が同じ向きに移動する。
従って、2つの分割フォトダイオード53および54か
ら出力されるスペックルパターン移動量(符号の正負も
含む)の和から測定対象物31のx方向に沿った即ち面
内移動量が、2つの分割フォトダイオード53および5
4から出力されるスペックルパターン移動量(符号の正
負も含む)の差から測定対象物31のz方向に沿った即
ち面外移動量が検出できる。測定対象物31が残りの1
つの面内方向即ちy方向(紙面に垂直な方向)に移動す
るときは、2つの分割フォトダイオード上53および5
4のスペックルパターンは共にy’方向とy’’方向の
符号の同じ向きに移動するので、これを検出することに
よって物体のy方向(もう一つの面内方向)の移動を検
出する。
向に移動するとき、分割フォトダイオード53および5
4上のスペックルパターンはそれぞれx’方向とx’’
方向の符号が逆の向きに移動する。測定対象物31が図
中のx方向即ち面内方向に移動するとき、2つの分割フ
ォトダイオード53および54上のスペックルパターン
はx’方向とx’’方向で符号が同じ向きに移動する。
従って、2つの分割フォトダイオード53および54か
ら出力されるスペックルパターン移動量(符号の正負も
含む)の和から測定対象物31のx方向に沿った即ち面
内移動量が、2つの分割フォトダイオード53および5
4から出力されるスペックルパターン移動量(符号の正
負も含む)の差から測定対象物31のz方向に沿った即
ち面外移動量が検出できる。測定対象物31が残りの1
つの面内方向即ちy方向(紙面に垂直な方向)に移動す
るときは、2つの分割フォトダイオード上53および5
4のスペックルパターンは共にy’方向とy’’方向の
符号の同じ向きに移動するので、これを検出することに
よって物体のy方向(もう一つの面内方向)の移動を検
出する。
【0044】スペックルパターン移動量は、図10に示
すように分割フォトダイオードと信号処理系によって検
出される。ここでは分割フォトダイオード53の例を示
すが、分割フォトダイオード54においても同様であ
る。分割フォトダイオード53は、x’方向とy’方向
に沿って所定間隔離間して受光画素10a,10b,1
0cを備えている(図9参照)。信号処理系は、図10
に示すように、y’方向に併設されている受光画素10
aと10bからの信号を処理するy’成分信号処理系
と、x’方向に併設されている受光画素10bと10c
からの信号を処理するx’成分信号処理系とで構成され
ている。
すように分割フォトダイオードと信号処理系によって検
出される。ここでは分割フォトダイオード53の例を示
すが、分割フォトダイオード54においても同様であ
る。分割フォトダイオード53は、x’方向とy’方向
に沿って所定間隔離間して受光画素10a,10b,1
0cを備えている(図9参照)。信号処理系は、図10
に示すように、y’方向に併設されている受光画素10
aと10bからの信号を処理するy’成分信号処理系
と、x’方向に併設されている受光画素10bと10c
からの信号を処理するx’成分信号処理系とで構成され
ている。
【0045】信号処理系7は対応する一組の受光画素か
らの出力を増幅するアンプ21y,21xとこのアンプ
21y,21xの出力の直流成分及びノイズや高周波成
分を除去するカットフィルタ22y,22xと、このカ
ットフィルタ22y,22xの出力を適当なしきい値で
二値化する二値化回路23y,23xと、二値化回路2
3y,23xからの出力を演算する演算処理部24とか
らなる。演算処理部24においては、二値化回路23か
らの出力の立上りおよび立ち下がりの時間差を求めて、
x’成分、y’成分の位相差τx 、τy を求め、これに
より分割フォトダイオード上でのスペックルパターン移
動のx’成分とy’成分を求める。
らの出力を増幅するアンプ21y,21xとこのアンプ
21y,21xの出力の直流成分及びノイズや高周波成
分を除去するカットフィルタ22y,22xと、このカ
ットフィルタ22y,22xの出力を適当なしきい値で
二値化する二値化回路23y,23xと、二値化回路2
3y,23xからの出力を演算する演算処理部24とか
らなる。演算処理部24においては、二値化回路23か
らの出力の立上りおよび立ち下がりの時間差を求めて、
x’成分、y’成分の位相差τx 、τy を求め、これに
より分割フォトダイオード上でのスペックルパターン移
動のx’成分とy’成分を求める。
【0046】分割フォトダイオードを使用してスペック
ルパターン移動のx’成分とy’成分を求める手順につ
いては、本出願人により先に出願された特開平1−28
7468号公報に記載されているので、ここでは詳細な
説明は省略するが、処理過程の概略を図11を参照して
説明する。
ルパターン移動のx’成分とy’成分を求める手順につ
いては、本出願人により先に出願された特開平1−28
7468号公報に記載されているので、ここでは詳細な
説明は省略するが、処理過程の概略を図11を参照して
説明する。
【0047】いま、図9においてスペックルパターンが
y’方向へ移動しているとすると、まず、受光画素10
aから図11(a)に示すようなスペックルパターンの
明るさの分布に対応した出力信号S1 が得られ、受光画
素10bからこの出力信号S1 から時間τy だけ遅れて
図11(b)に示すような出力信号S2 が得られる。時
間τy は、受光画素10aと受光画素10bとの間の距
離Dとスペックルパターンのy’方向の移動速度Vy に
よって決まる値D/Vy である。各受光画素10a,1
0bからの出力信号S1 ,S2 は、アンプ21yで増幅
された後、カットフィルタ22yで不要信号成分が除去
されて図11(c),(d)に示すような出力信号
S3 ,S4 が得られる。これらの出力信号S3 ,S3 は
二値化回路23yで二値化されて図11(e),(f)
に示すような出力信号S5 ,S6 が得られる。出力信号
S5 と出力信号S6 の時間差、すなわち、位相差τy か
らスペックルパターンのy’方向の移動速度Vy を求め
ることができるから、周知の位相差検出方法により位相
差τy を求めれば、スペックルパターンの移動速度の
y’成分Vy を求めることができる。また、移動速度の
Vy を時間で積分することによって移動量を求めること
ができる。スペックルパターンの移動のx’成分を求め
る場合も同様である。
y’方向へ移動しているとすると、まず、受光画素10
aから図11(a)に示すようなスペックルパターンの
明るさの分布に対応した出力信号S1 が得られ、受光画
素10bからこの出力信号S1 から時間τy だけ遅れて
図11(b)に示すような出力信号S2 が得られる。時
間τy は、受光画素10aと受光画素10bとの間の距
離Dとスペックルパターンのy’方向の移動速度Vy に
よって決まる値D/Vy である。各受光画素10a,1
0bからの出力信号S1 ,S2 は、アンプ21yで増幅
された後、カットフィルタ22yで不要信号成分が除去
されて図11(c),(d)に示すような出力信号
S3 ,S4 が得られる。これらの出力信号S3 ,S3 は
二値化回路23yで二値化されて図11(e),(f)
に示すような出力信号S5 ,S6 が得られる。出力信号
S5 と出力信号S6 の時間差、すなわち、位相差τy か
らスペックルパターンのy’方向の移動速度Vy を求め
ることができるから、周知の位相差検出方法により位相
差τy を求めれば、スペックルパターンの移動速度の
y’成分Vy を求めることができる。また、移動速度の
Vy を時間で積分することによって移動量を求めること
ができる。スペックルパターンの移動のx’成分を求め
る場合も同様である。
【0048】次に、本発明による3次元移動検出器の第
2の例を図12に示す。移動検出器は同一きょう体内
に、半導体レーザー11、半導体レーザー11の光軸に
関して対称に配置された1対の結像レンズ41、42と
1対の分割フォトダイオード53、54とからなる観察
光学系、及びスペックルパターン信号処理系7を備え
る。1対の観察光学系は、半導体レーザー11の光軸に
関して完全に対称ではなく、2つの結像光学系の結像倍
率は異なるが、ともにあおり面結像関係にあることは第
1の実施例の場合と同じである。その他2つの観察光学
系の結像倍率が異なる以外は第1の実施例の場合と全く
同様な作用を持ち、移動成分を検出できる。
2の例を図12に示す。移動検出器は同一きょう体内
に、半導体レーザー11、半導体レーザー11の光軸に
関して対称に配置された1対の結像レンズ41、42と
1対の分割フォトダイオード53、54とからなる観察
光学系、及びスペックルパターン信号処理系7を備え
る。1対の観察光学系は、半導体レーザー11の光軸に
関して完全に対称ではなく、2つの結像光学系の結像倍
率は異なるが、ともにあおり面結像関係にあることは第
1の実施例の場合と同じである。その他2つの観察光学
系の結像倍率が異なる以外は第1の実施例の場合と全く
同様な作用を持ち、移動成分を検出できる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、スペックルパターンを
利用して対象物体の移動を非接触に測定するに際し、あ
おり面結像関係を導入することによって、測定対象物体
の面外方向の移動を面内方向の移動を同程度の分解能で
測定することが可能となった。
利用して対象物体の移動を非接触に測定するに際し、あ
おり面結像関係を導入することによって、測定対象物体
の面外方向の移動を面内方向の移動を同程度の分解能で
測定することが可能となった。
【0050】また、スペックルパターンの移動を測定す
る1対の観察光学系を設けることにより、面内方向の移
動と面外方向の移動を同時に測定することが可能となっ
た。
る1対の観察光学系を設けることにより、面内方向の移
動と面外方向の移動を同時に測定することが可能となっ
た。
【図1】 スペックルパターン生成の機構を説明する図
である。
である。
【図2】 面内方向と面外方向を説明する図である。
【図3】 あおり面結像関係を説明する図である。
【図4】 あおり面結像関係における物体移動と像移動
の関係を説明する図である。
の関係を説明する図である。
【図5】 本発明において、面外移動成分と面内移動成
分を分離して同時に検出する工夫を説明する図である。
分を分離して同時に検出する工夫を説明する図である。
【図6】 本発明の基本的な構成を示す図である。
【図7】 本発明に面外移動成分と面内移動成分を分離
して検出する工夫を導入したものの概略の構成を示す図
である。
して検出する工夫を導入したものの概略の構成を示す図
である。
【図8】 本発明に係わる移動検出装置の第1の実施例
を説明する図である。
を説明する図である。
【図9】 分割フォトダイオードを半導体レーザー側か
ら見た模式図である。
ら見た模式図である。
【図10】 本発明に係わる第1の実施例におけるスペ
ックルパターン移動検出手段を説明する図である。
ックルパターン移動検出手段を説明する図である。
【図11】 スペックルパターン移動検出手段の動作を
説明するための波形図である。
説明するための波形図である。
【図12】 本発明に係わる移動検出装置の第2の実施
例を説明する図である。
例を説明する図である。
1…コヒーレント光源、2…照明用レンズ、3…粗面物
体、4…結像光学系、5…スペックルパターン移動検出
手段、6…観察面、7…スペックルパターン移動信号処
理系、8…入射レーザー光、9…散乱光、10a,10
b,10c…分割フォトダイオードの受光画素、11…
半導体レーザー、21…アンプ、22…カットフィル
タ、23…二値化回路、24…演算処理部、31…測定
対象物体、41,42…結像レンズ、51,52…スペ
ックルパターン移動検出手段、53,54…分割フォト
ダイオード、61,62…観察面
体、4…結像光学系、5…スペックルパターン移動検出
手段、6…観察面、7…スペックルパターン移動信号処
理系、8…入射レーザー光、9…散乱光、10a,10
b,10c…分割フォトダイオードの受光画素、11…
半導体レーザー、21…アンプ、22…カットフィル
タ、23…二値化回路、24…演算処理部、31…測定
対象物体、41,42…結像レンズ、51,52…スペ
ックルパターン移動検出手段、53,54…分割フォト
ダイオード、61,62…観察面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 G01P 3/36
Claims (2)
- 【請求項1】 移動する測定対象物体へのコヒーレント
な光の照射により観察面に生成されるスペックルパター
ンの観察面上での移動をスペックルパターン移動検出手
段で検出し、検出された前記スペックルパターン移動情
報に基づいて測定対象物体の移動を検出する移動検出方
法であって、前記測定対象物体の像を結像光学系により
前記スペックルパターン移動検出手段の受光面上に結像
させ、かつ前記測定対象物体の前記コヒーレント光に照
射された面と前記スペックルパターン移動検出手段の受
光面がともに前記結像光学系の光軸に垂直でないように
配置され、少なくとも1組2個のスペックルパターン移
動検出手段がコヒーレント光照射の光軸に関してほぼ対
称に配置され、前記1組となっている2個のスペックル
パターン移動検出手段からの移動情報の差演算の結果に
基づいて、前記コヒーレント光に照射された測定対象物
体の面に対してほぼ垂直な方向の前記測定対象物体の移
動を検出し、一方前記1組となっている2個のスペック
ルパターン移動検出手段からの移動情報の和演算の結果
に基づいて、前記コヒーレント光に照射された前記測定
対象物体の面に対してほぼ平行な方向の前記測定対象物
体の移動を検出することを特徴とする移動検出方法。 - 【請求項2】 移動する測定対象物体ヘコヒーレントな
光を照射するコヒーレント光源と、前記測定対象物体に
よって前記コヒーレント光が散乱されて生成されるスペ
ックルパターンの移動を検出するスペックルパターン移
動検出手段と、前記測定対象物体の像を前記スペックル
パターン移動検出手段の受光面上に結像させる結像光学
系を備え、前記測定対象物体の前記コヒーレント光に照
射された面と前記スペックルパターン移動検出手段の受
光面がともに前記結像光学系の光軸に垂直でなく、前記
スペックルパターン移動検出手段によって検出されるス
ペックルパターン移動情報に基づいて前記測定対象物体
の移動の検出を行なう移動検出器であって、少なくとも
1組2個のスペックルパターン移動検出手段がコヒーレ
ント光照射の光軸に関してほぼ対称に配置され、前記1
組となっている2個のスペックルパターン移動検出手段
からの移動情報の差演算の結果に基づいて、前記コヒー
レント光に照射された測定対象物体の面に対してほぼ垂
直な方向の前記測定対象物体の移動を検出し、一方前記
1組となっている2個のスペックルパターン移動検出手
段からの移動情報の和演算の結果に基づいて、前記コヒ
ーレント光に照射された前記測定対象物体の面に対して
ほぼ平行な方向の前記測定対象物体の移動を検出する演
算手段を設けたことを特徴とする移動検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05155870A JP3112219B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 移動検出方法及び検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05155870A JP3112219B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 移動検出方法及び検出器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0712829A JPH0712829A (ja) | 1995-01-17 |
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-
1993
- 1993-06-25 JP JP05155870A patent/JP3112219B2/ja not_active Expired - Fee Related
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