JP3111467B2 - 折り畳み式電話機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は折り畳み式電話機に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の電話機は、第６図に示すように、受話
器１を備える受話部２と、送話器３を備える送話部４と
をヒンジ部５で折り畳み可能に連結した構成となってい
る。そして、使用時に受話器１が耳に近接されるよう
に、受話器１を収容する受話器２の突出部6Aの前面が端
部に向かって上り傾斜となるように構成されている。あ
るいは、第７図のように突出部6Bの前面が平坦に突出さ
せた構成とされている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、折り畳み式電話機では、ヒンジ部５におけ
る折り畳み構造によって送話器３の前面が話者の口に近
づくようになっている。このため、第６図に示した電話
機では、その使用に際しては第８図に示すように送話部
４が話者の顔に非常に接近し（距離d₂）、多くの場合接
触し易いものとなる。これは、第７図に示した電話機に
おいても、ヒンジ部５の曲げ程度によっては同様のこと
が生じる。

したがって、電話機の使用中は受話部２の突出部前面
のみが人体に接触するのが通念であるから、それ以外の
部分が触れることは、話者に対して異和感が生じ、かつ
同時に電話機の一部が話者の顔に触れることにより、電
話機の表面が皮脂あるいは化粧品等で汚れ易くなるとい
う問題がある。

また、ダイヤルキーの操作機構が顔と接触する箇所に
配置されている場合には、誤ってこれに触れて、意に反
する操作が行われることがあるという問題もある。

本発明の目的は、このような問題を解消した折り畳み
式携帯電話機を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の折り畳み式電話機は、受話器を設けた受話部
の筐体の前面は前記受話部の端部に向けて予め設定した
角度で下り傾斜となるように形成され、前記角度は、前
記前面を延伸した面を、該面より外側に送話器を配置
し、内側にヒンジ部を配置するような角度としたことを
特徴としている。また、受話器を設けた受話部の筐体の
前面を延伸した面より内側にダイヤルキー等の操作機構
を配置したことを特徴としている。ここで、前記延伸し
た面よりも外側とは、当該面よりも筐体から離れる側の
領域を言い、内側とは当該面よりも筐体側の領域を言
う。

〔作用〕

本発明によれば、受話器を設けた受話部の筐体の前面
は前記受話部の端部に向けて予め設定した角度で下り傾
斜となるように形成され、前記角度は、前記前面を延伸
した面を、該面より外側に送話器を配置し、内側にヒン
ジ部を有するような角度としているので、使用時に送話
部が話者の顔から離れる方向に向けられ、電話機が顔に
接触することが防止される。

〔実施例〕

次に、本発明を図面を参照して説明する。

第１図は本発明の一実施例の斜視図である。受話器１
を収容した受話部２と、送話器３を収容した送話部４は
ヒンジ部５によって折り畳み可能に連結されている。そ
して、受話部２の受話器１の前面は、第２図に併せて示
すように、受話部２の内面から若干突出された突出部６
として形成されるとともに、その前面は受話部２の端部
に向かって下りの傾斜αとなるように形成されている。
ここで、前記突出部６の前面を延伸した面に対し、前記
送話器３は外側（前方の領域）に配置され、前記ヒンジ
部５は前記延伸した面に対し内側（筐体側の領域）に配
置されることになる。さらに、図示されていないが送話
部４や受話部２の各前面に設けられるダイヤルキー等の
操作機構は、前記延伸した面に対し内側に配置されるこ
とになる。また、送話部４には、受話部２の突出部６を
受け入れる凹部７が形成されており、電話機を折り畳ん
だときには、第３図に示すように、受話部２の突出部６
が送話部４の凹部７に収納されることで、電話機全体を
コンパクトにすることができる。

このように構成された電話機によれば、第４図に示す
ように、使用時には、受話器１を収容する突出部６の前
面が端部に向かって下り傾斜に形成され、前記前面を延
伸した面に対して送話器４が外側に、ヒンジ部５が内側
に配置されているため、ヒンジ部５の近傍箇所は話者の
顔から遠ざかり、ある距離d₁を確保できる。しかしなが
ら、ヒンジ部５による電話機の折り畳み構造自体の効果
で、送話器３は話者の口に近接され、これにより良好な
音響特性が得られる。

したがって、この折り畳み電話機では、電話機の一部
が話者の顔等に接触することがなく、違和感を生じさせ
ることがないとともに、皮脂や化粧品が電話機に付着す
ることもない。また、操作機構が顔に触れることもな
く、意に反する操作を未然に防止することもできる。

第５図は本発明の他の実施例の斜視図であり、電話機
の受話部の端部近傍部位2aを端部に向かって下り傾斜と
し、この傾斜面に受話器１を収納したものである。この
構成によっても、前記実施例のものと同じ効果が得られ
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、受話器の収容部分の前
面は前記受話部の端部に向けて予め設定した角度で下り
傾斜となるように形成され、前記角度は、前記前面を延
伸した面に対して送話器を外側に、ヒンジ部を内側に配
置しているので、送話部が話者の顔から離れる方向に向
けられ、電話機が顔に接触することが防止される。これ
により、話者に違和感を感じさせることがなく、しかも
皮脂や化粧品によって電話機が汚れることが防止され
る。また、操作機構が意に反して操作されることもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の斜視図、第２図はその正面
図、第３図は折り畳んだ状態の斜視図、第４図はその使
用状態を示す図、第５図は本発明の他の実施例の斜視
図、第６図および第７図はそれぞれ異なる従来の電話機
の正面図、第８図は第６図の電話機の使用状態を示す図
である。 １……受話器、２……受話部、３……送話器、４……送
話部、５……ヒンジ部、6,6A,6B……突出部、７……凹
部。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】受話器を収容する受話部と、送話器を収容
   する送話部とをヒンジ部によって折り畳み可能に連結し
   た電話機において、前記受話器を設けた前記受話部の筐
   体の前面は前記受話部の端部に向けて予め設定した角度
   で下り傾斜となるように形成され、前記角度は、前記前
   面を延伸した面を、該面より外側に前記送話器を配置
   し、内側に前記ヒンジ部を配置するような角度としたこ
   とを特徴とする折り畳み式電話機。
2. 【請求項２】前記受話器を設けた前記受話部の筐体の前
   面を延伸した面より内側にダイヤルキー等の操作機構を
   配置したことを特徴とする請求項１記載の折り畳み式電
   話機。