JP3111343U - 電着塗装システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 オーバーフロー槽の形状を寸胴型から錐型にすることによりその容積を約1/3にする電着塗装装置を提供すること。
【解決手段】 電着浴とこの電着浴からオーバーフローする電着塗料を回収するためのオーバーフロー槽とを備えた電着塗装装置に置いて、このオーバーフロー槽が寸胴な柱状ではなく、一点に集中した錐状になっていることを特徴とする電着塗装装置。
【選択図】図1

Description

本考案は、電着塗装装置に関する。特に、本発明は、オーバーフロー槽の形状を寸胴型から錐型にすることによりその容積を約1/3にする電着塗装装置に関する。
電着塗装は、複雑な形状を有するものであってもその細部にまで塗装を施すことができ、自動的かつ連続的に塗装することができるので、自動車車体などの大型で複雑な形状を有し、かつ高い防錆性が要求される被塗物の下塗り塗装方法として汎用されている。また、他の塗装方法と比較して、塗料の使用効率が極めて高いことから経済的であり、工業的な塗装方法として広く普及している。
電着塗装はいくつかの工程に分かれており、被塗物をまず前処理した後、電着塗料が満たされた電着浴に浸漬して電流を流すことにより電着塗装を施し、ついで水洗、焼付硬化により硬化塗膜を形成する。電着塗装は基本的に図3に示すような装置で行われる。図3中、被塗物2は電着浴1に浸漬され、ここで被塗物2上に電気泳動を利用して塗料を析出させて電着塗装を施し、ついで塗料が付着した被塗物2は次の工程、具体的には水洗工程に移動する。
図3に示されているように、電着浴2に隣接して、オーバーフロー槽5が存在する。このオーバーフロー槽5は被塗物2が電着浴2から引き上げられた時に、被塗物2のいろいろな箇所から流れ落ちる電着塗料を回収するのみならず、電着浴2には電着塗料がオーバーフローした場合にこれを受けて回収する役割を果たす。回収された電着塗料は図3のポンプ11を用いて、濾過器12やその他の処理器を介してもう一度電着浴2に戻される。
図2には、現在一般に使用されている電着塗装装置の模式的斜視図を示している。この斜視図を見れば明らかでるが、電着浴1は被塗物2が浸漬されて、塗装している間移動する必要があるので、少なくとも被塗物2の移動区間は被塗物を浸漬するのに十分な幅と、深さが必要である。オーバーフロー槽5も従来は電着浴1と同じように寸胴な柱状をした形態を有している。
しかしながら、オーバーフロー槽5は、被塗物2から垂れ落ちる液状塗料を回収する点と、電着浴1からオーバーフローする塗料を受けるのに十分に電着浴1から連続している点とを満足すればよく。オーバーフロー槽5は基本的に開口部の広さが垂れ落ちる塗料を受けることができ、しかも電着浴1からの連続性が開口部に置いて存在すれば良いのであって、その深さや形状に付いての検討はあまり行われていなかった。即ち、電着浴1の続きで単に寸胴な柱状をした形態を有していた。
本考案者等は、このオーバーフロー槽5の形状に注目して、塗料の回収と連続性、そしてポンプ11から濾過器12を介して電着浴1に塗料を戻す一連の工程を簡易に行いうるものを開発した。
すなわち本考案は、電着浴と該電着浴からオーバーフローする電着塗料を回収するためのオーバーフロー槽とを備えた電着塗装装置に置いて、該オーバーフロー槽が寸胴な柱状ではなく、一点に集中した錐状になっていることを特徴とする電着塗装装置に関する。
上記オーバーフロー槽の開口部は、基本的に電着浴との連続部分を長辺とする長方形を有している。
上記オーバーフロー槽の開口部は、電着浴との連続部分を長辺とする半円形であっても良い。
上記オーバーフロー槽の頂点は電着浴側壁に付着していてもよい。
本考案によれば、電着浴に隣接するオーバーフロー槽の容積が、一点に集中する錐状になっているので、寸胴な柱状である従来のオーバーフロー槽の容積の約1/3になっているので、電着塗装装置内の電着塗料の総量が大きく減少し、その塗料が全部入れ替わるまでの時間を表すターンオーバーが大きく減少し、電着塗装装置として資源の有効利用や長く塗料が浴中に滞留することによって起こる欠点を防止することができる。本考案は単にオーバーフロー槽の形状を錐状にするだけで、使用する塗料の総量を確実に減少することができ、ターンオーバーも減少することができる。簡易な方法であるが、効果が大きく優れている。
以下、図面を用いて本考案を説明する。
図1は、本考案の電着塗装装置の電着浴とオーバーフロー槽とを示す模式的斜視図である。
図4は本考案の電着塗装装置の電着浴と別の形状のオーバーフロー槽とを示す模式的斜視図である。
本考案では、電着浴21に連続しているオーバーフロー槽25は開口部26の大きさは図2の開口部6の大きさと同じであるが、その底部は一点に集中した錐状になっている。図1の態様では、開口部26を底面とする四角錐の形状を有しており、その頂点は27で表されている。この頂点27から塗料を回収する送液管(図示していない)を接続しても良い。
図1では、四角錐の頂点27は開口部26から見るとその内部にあるように記載してあるが、必ずしもそうである必要はなく、頂点27は送管などの関係でどこにあっても良く、例えば頂点27が電着浴21の側壁28上にあっても良い。
開口部26の形状も、現在は長方形になっているが、例えば半円形、即ち長辺が電着浴21の側壁28と共有しているものであってもよい。その状態の一例を記載したのが、図4であり、この図では、開口部26’が半円形を有しているだけではなく、頂点27’が電着浴21の側壁28に付着している。従って、この場合には、四角錐と呼ぶことはできず、頂点27’と半円26’を底面とする半円錐と呼ばれるものになる。もちろん、開口部26は長方形や半円に限られない。
本考案の電着塗装装置の電着浴とオーバーフロー槽とを示す模式的斜視図である。 従来の電着塗装装置の電着浴とオーバーフロー槽とを示す模式的斜視図である。 従来の電着塗装装置の電着浴とオーバーフロー槽とを示す模式的断面図である。 本考案の電着塗装装置の電着浴と別の形状のオーバーフロー槽とを示す模式的斜視図である。
符号の説明
1および21…電着浴、2…被塗物、5、25および25’…オーバーフロー槽、6および26…開口部、11…ポンプ、12…濾過器、27および27’…頂点、28…電着浴の側壁。

Claims (4)

  1. 電着浴と該電着浴からオーバーフローする電着塗料を回収するためのオーバーフロー槽とを備えた電着塗装装置に置いて、該オーバーフロー槽が寸胴な柱状ではなく、一点に集中した錐状になっていることを特徴とする電着塗装装置。
  2. 該オーバーフロー槽の開口部が、電着浴との連続部分を長辺とする長方形である請求項1記載の電着塗装装置。
  3. 該オーバーフロー槽の開口部が、電着浴との連続部分を長辺とする半円形である請求項1記載の電着塗装装置。
  4. 該オーバーフロー槽の頂点が電着浴側壁に付着している請求項1記載の電着塗装装置。
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