JP3111208B2 - 鉛系複合ぺロブスカイトセラミックスの製造方法 - Google Patents
鉛系複合ぺロブスカイトセラミックスの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えば積層形チップコンデンサの誘電体
の材料として好適な鉛系複合ペロブスカイトセラミック
スの製造方法に関するものである。
の材料として好適な鉛系複合ペロブスカイトセラミック
スの製造方法に関するものである。
[従来の技術] 積層形チップコンデンサの誘電体の材料としては、チ
タン酸バリウム系のセラミックスと鉛系のセラミックス
とが知られている。
タン酸バリウム系のセラミックスと鉛系のセラミックス
とが知られている。
従来は、チタン酸バリウム系のセラミックスが積層形
チップコンデンサの誘電体の材料として数多く研究され
ていた。
チップコンデンサの誘電体の材料として数多く研究され
ていた。
ところが、近年、鉛系のセラミックスである鉛系複合
ペロブスカイトセラミックスが、低温で焼結できる、
誘電率が高く、温度特性も良い、バイアス依存性が
小さく、耐電圧性に優れているなどの理由から、積層形
チップコンデンサの誘電体の材料として注目されてきて
いる。
ペロブスカイトセラミックスが、低温で焼結できる、
誘電率が高く、温度特性も良い、バイアス依存性が
小さく、耐電圧性に優れているなどの理由から、積層形
チップコンデンサの誘電体の材料として注目されてきて
いる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、鉛系複合ペロブスカイトセラミックスは、一
般に抗折強度が小さく、これを誘電体として使用した積
層形チップコンデンサは機械的に破損し易いので、従来
のチタン酸バリウム系の積層形チップコンデンサと比べ
て面実装技術か難しく、また半田付けの際の基板の反り
によってクラックを生じることがあるという問題点があ
った。
般に抗折強度が小さく、これを誘電体として使用した積
層形チップコンデンサは機械的に破損し易いので、従来
のチタン酸バリウム系の積層形チップコンデンサと比べ
て面実装技術か難しく、また半田付けの際の基板の反り
によってクラックを生じることがあるという問題点があ
った。
この発明は、面実装が容易で、半田付けの際の基板の
反りによってもクラックを生じないようにした積層形チ
ップコンデンサを得ることのできる、抗折強度の強い鉛
系複号ペロブスカイトセラミックスを製造する方法を提
供することを目的とする。
反りによってもクラックを生じないようにした積層形チ
ップコンデンサを得ることのできる、抗折強度の強い鉛
系複号ペロブスカイトセラミックスを製造する方法を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するこの発明は、鉛系複合ペロブスカ
イト材料の原料粉を混合した後、仮焼し、この仮焼によ
って得られた仮焼物を、所定量のAl含有溶液と、このAl
含有溶液の液成分に対して相溶性を有する分散液とを加
えた状態で解砕し、この解砕によって得られた混合物
を、含有されているAl成分を残存させたままの状態で乾
燥させ、この乾燥によって得られた乾燥物を焼成するこ
とを特徴とするものである。
イト材料の原料粉を混合した後、仮焼し、この仮焼によ
って得られた仮焼物を、所定量のAl含有溶液と、このAl
含有溶液の液成分に対して相溶性を有する分散液とを加
えた状態で解砕し、この解砕によって得られた混合物
を、含有されているAl成分を残存させたままの状態で乾
燥させ、この乾燥によって得られた乾燥物を焼成するこ
とを特徴とするものである。
ここで、鉛系複合ペロブスカイト材料とは、ペロブス
カイト構造ABO3のAサイトが少なくともPbからなり、B
サイトが複合化合物からなるものをいう。
カイト構造ABO3のAサイトが少なくともPbからなり、B
サイトが複合化合物からなるものをいう。
この鉛系複合ペロブスカイト材料は、AサイトがPb
だけのもの、AサイトがPbと他の金属元素とからなる
もの、これらの鉛系複合ペロブスカイト材料を組み合
わせたものとに大別することができる。
だけのもの、AサイトがPbと他の金属元素とからなる
もの、これらの鉛系複合ペロブスカイト材料を組み合
わせたものとに大別することができる。
AサイトがPbだけの鉛系複合ペロブスカイト材料とし
ては、例えば次の化学式(右側はその略号)で表わされ
るものを挙げることができるが、これ以外のものであっ
てもよい。
ては、例えば次の化学式(右側はその略号)で表わされ
るものを挙げることができるが、これ以外のものであっ
てもよい。
Pb(Mg1/3Nb2/3)O3 PMN Pb(Ni1/3Nb2/3)O3 PNN Pb(Zn1/3Nb2/3)O3 PZN Pb(Mg1/2W1/2)O3 PMW Pb(Fe1/2Nb1/2)O3 PFN Pb(Fe2/3W1/3)O3 PFW また、AサイトがPbと他の金属元素とからなる鉛系複
合ペロブスカイト材料としては、例えば次の化学式(右
側はその略号)で表わされるものを挙げることができる
が、これ以外のものであってもよい。
合ペロブスカイト材料としては、例えば次の化学式(右
側はその略号)で表わされるものを挙げることができる
が、これ以外のものであってもよい。
Pb1-xBax(Mg1/3Nb2/3)O3 PBMN Pb1-yCay(Mg1/3Nb2/3)O3 PCMN また、上記鉛系複合ペロブスカイト材料に他のペロブ
スカイト材料を組み合わせた鉛系複合ペロブスカイト材
料としては、例えば下記の組み合わせで表わされるもの
を挙げることができるが、これ以外の組み合わせであっ
てもよい。
スカイト材料を組み合わせた鉛系複合ペロブスカイト材
料としては、例えば下記の組み合わせで表わされるもの
を挙げることができるが、これ以外の組み合わせであっ
てもよい。
PMN−PT PMW−PT PMN−PNN−PT なお、ここで、PTはPbTiO3、PZはPbZrO3である。
次に、原料粉の仮焼は密閉容器内で行なう。仮焼は、
700〜800℃,1〜5時間で行なうことができる。原料粉は
この仮焼によって固相または液相反応を生じ、鉛系複合
ペロブスカイト材料になる。
700〜800℃,1〜5時間で行なうことができる。原料粉は
この仮焼によって固相または液相反応を生じ、鉛系複合
ペロブスカイト材料になる。
次に、Al含有溶液とは、アルミニウム化合物を分散媒
中にコロイド状態で分散させている溶液、アルミニウム
化合物を溶媒中にイオンの状態で溶解させている溶液ま
たはアルミニウム化合物を溶媒中に分子の状態で溶解さ
せている溶液をいう。
中にコロイド状態で分散させている溶液、アルミニウム
化合物を溶媒中にイオンの状態で溶解させている溶液ま
たはアルミニウム化合物を溶媒中に分子の状態で溶解さ
せている溶液をいう。
アルミニウム化合物を分散媒中にコロイド状態で分散
させている溶液としては、例えばアルミナ水和物微粒子
を水などの分散媒中に分散させたものをあげることがで
きる。
させている溶液としては、例えばアルミナ水和物微粒子
を水などの分散媒中に分散させたものをあげることがで
きる。
アルミニウム化合物を溶媒中にイオンの状態で溶解さ
せている溶液としては、アルミン酸ナトリウム、塩化ア
ルミニウム、フッ化アルミニウムなどの水溶液を挙げる
ことができる。
せている溶液としては、アルミン酸ナトリウム、塩化ア
ルミニウム、フッ化アルミニウムなどの水溶液を挙げる
ことができる。
アルミニウム化合物を溶媒中に分子の状態で溶解させ
ている溶液としては、トリアルキルアルミニウム、トリ
アリールアルミニウムなどの溶液を挙げることができ
る。
ている溶液としては、トリアルキルアルミニウム、トリ
アリールアルミニウムなどの溶液を挙げることができ
る。
加えられたAl含有溶液中におけるAl成分の重量は、Al
として、仮焼物の重量の0.0053〜1.588wt%が好まし
い。
として、仮焼物の重量の0.0053〜1.588wt%が好まし
い。
Al成分の重量をこの範囲としたのは、0.0053〜1.588w
t%の範囲では抗折強度1000kg/cm2以上の鉛系複合ペロ
ブスカイトセラミックスを得ることができるが、0.0053
wt%未満の場合と、1.588wt%越えた場合は、所望の抗
折強度1000kg/cm2以上の鉛系複合ペロブスカイトセラミ
ックスを得ることができないからである。
t%の範囲では抗折強度1000kg/cm2以上の鉛系複合ペロ
ブスカイトセラミックスを得ることができるが、0.0053
wt%未満の場合と、1.588wt%越えた場合は、所望の抗
折強度1000kg/cm2以上の鉛系複合ペロブスカイトセラミ
ックスを得ることができないからである。
Al含有溶液の液成分に対して相溶性を有する分散液と
しては、例えばAl含有溶液の液成分が水の場合、水、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール、アセトン、テトラハイドロフラン、ジメチルフォ
ルムアミド、ポリエチレンクリコールまたはこれらの混
合液など、Al含有溶液の液成分が有機溶剤の場合、ベン
ゼンなどの有機溶剤をあげることができる。
しては、例えばAl含有溶液の液成分が水の場合、水、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール、アセトン、テトラハイドロフラン、ジメチルフォ
ルムアミド、ポリエチレンクリコールまたはこれらの混
合液など、Al含有溶液の液成分が有機溶剤の場合、ベン
ゼンなどの有機溶剤をあげることができる。
ただし、分散液として使用できるものは、これらの例
に限定されるものではなく、Al含有溶液の液成分に対し
て相溶性を有するものである限り、如何なるものを使用
してもよい。
に限定されるものではなく、Al含有溶液の液成分に対し
て相溶性を有するものである限り、如何なるものを使用
してもよい。
また、分散液は仮焼物中にAl含有溶液とともに加えて
も良いし、またAl含有溶液を分散液で希釈し、この希釈
液の状態で仮焼物中に加えても良い。要するに、所定量
のAl成分が溶液中に分散または溶解した状態で仮焼物中
に均一に混合できればよい。
も良いし、またAl含有溶液を分散液で希釈し、この希釈
液の状態で仮焼物中に加えても良い。要するに、所定量
のAl成分が溶液中に分散または溶解した状態で仮焼物中
に均一に混合できればよい。
次に、仮焼物を解砕するとは、仮焼物をボールミルな
どによって粉状に細かく砕くことをいう。
どによって粉状に細かく砕くことをいう。
次に、含有されているAl成分を残存させたままの状態
で乾燥させるとは、Al成分を流失させないように、Al含
有溶液の液成分および分散液だけを気化させて乾燥させ
ることをいう。
で乾燥させるとは、Al成分を流失させないように、Al含
有溶液の液成分および分散液だけを気化させて乾燥させ
ることをいう。
このような乾燥を行わせる手段としては、例えばバッ
ト乾燥、スプレードライ、フリーズドライ等の方法を挙
げることができる。
ト乾燥、スプレードライ、フリーズドライ等の方法を挙
げることができる。
次に、乾燥によって得られた乾燥物は焼成前に所定量
のバインダーを添加し、所定の圧力で加圧成形する。
のバインダーを添加し、所定の圧力で加圧成形する。
添加するバインダーの量は乾燥物の重量の7〜15wt%
が好ましい。また、成形の際の圧力は900〜1200kg/cm2
が好ましい。
が好ましい。また、成形の際の圧力は900〜1200kg/cm2
が好ましい。
次に、バインダーを添加して成形された成形物は、成
形後に加熱してバインダーを燃焼除去させる。
形後に加熱してバインダーを燃焼除去させる。
次に、成形物の焼成は密閉容器内で行なう。焼成の条
件としては、900〜1100℃,1〜5時間が好ましい。
件としては、900〜1100℃,1〜5時間が好ましい。
焼成の条件をこの範囲としたのは、この範囲で焼成す
れば所望の特性を有する鉛系複合プロブスカイトセラミ
ックスを得ることができるが、この範囲を外れれば所望
の特性を有する鉛系複合プロブスカイトセラミックスを
得ることができないからである。
れば所望の特性を有する鉛系複合プロブスカイトセラミ
ックスを得ることができるが、この範囲を外れれば所望
の特性を有する鉛系複合プロブスカイトセラミックスを
得ることができないからである。
なお、Al含有溶液によって添加されたAl成分は焼成の
際に焼結助剤として作用するとともに、徐冷過程で粒界
に偏析し、粒界強度を向上させる。
際に焼結助剤として作用するとともに、徐冷過程で粒界
に偏析し、粒界強度を向上させる。
ただし、この粒界層は誘電率が低いので、セラミック
ス全体の誘電率の低下を防ぐため、なるべく薄く均一な
方が良い。
ス全体の誘電率の低下を防ぐため、なるべく薄く均一な
方が良い。
Al成分を溶液あるいはコロイドの状態で添加すれば、
粉体の状態で添加した場合と比較して粒度が小さく、少
量添加で均一に作用するため、誘電率の低下は起こらな
い。
粉体の状態で添加した場合と比較して粒度が小さく、少
量添加で均一に作用するため、誘電率の低下は起こらな
い。
[実施例] 実験例1 ここでは、分散液として純水を用い、Al2O3の添加量
と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
各原料粉の秤量 まず、鉛系複合ペロブスカイト材料の原料粉を配合1
に示すように秤量した。
に示すように秤量した。
ここで、配合1に示した各原料粉の重量は、下記化学
式(1)で示される鉛系複合ペロブスカイトセラミック
スが形成されるとともに、焼結助剤として2モル%のPb
Oと10wt%のMgOが過剰になるように計算して求めたもの
である。
式(1)で示される鉛系複合ペロブスカイトセラミック
スが形成されるとともに、焼結助剤として2モル%のPb
Oと10wt%のMgOが過剰になるように計算して求めたもの
である。
0.95Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−0.05PbTiO3 …(1) 混合物の生成 次に、複数個のアルミナボールを入れた樹脂ポット内
に、上記各原料粉と、上記各原料粉の総重量の約4倍量
の純水(イオン交換樹脂によって脱塩した水)とを入
れ、樹脂ポットを回転させ、これらの原料粉及び純水を
アルミナボールとともに24時間撹拌混合してスラリー状
の混合物を得た。
に、上記各原料粉と、上記各原料粉の総重量の約4倍量
の純水(イオン交換樹脂によって脱塩した水)とを入
れ、樹脂ポットを回転させ、これらの原料粉及び純水を
アルミナボールとともに24時間撹拌混合してスラリー状
の混合物を得た。
混合物の乾燥 次に、上記スラリー状の混合物を脱水して乾燥させ、
乾燥物を得た。
乾燥物を得た。
乾燥物の仮焼 次に、この乾燥物を緻密質MgO製サヤ内に入れ、800℃
で2時間仮焼して粉状の仮焼物を得た。
で2時間仮焼して粉状の仮焼物を得た。
Al成分の添加 複数個のアルミナボールを入れた樹脂ポット内に、こ
の粉状の仮焼物と、この仮焼物の重量の約4倍量の純水
と、Al2O3量でこの仮焼物の重量の0〜7.0wt%に相当す
るAl2O3のコロイド溶液とを入れ、樹脂ポットを24時間
回転させてこの粉状の仮焼物を解砕するとともに、Al2O
3のコロイド溶液を純水とともに仮焼物中に分散混合さ
せてスラリー状の混合物を得た。
の粉状の仮焼物と、この仮焼物の重量の約4倍量の純水
と、Al2O3量でこの仮焼物の重量の0〜7.0wt%に相当す
るAl2O3のコロイド溶液とを入れ、樹脂ポットを24時間
回転させてこの粉状の仮焼物を解砕するとともに、Al2O
3のコロイド溶液を純水とともに仮焼物中に分散混合さ
せてスラリー状の混合物を得た。
混合物の乾燥 次に、上記スラリー状の混合物を金属製バットに空
け、この金属製バットを乾燥炉内に入れてスラリー状混
合物を乾燥させ、乾燥物を得た。
け、この金属製バットを乾燥炉内に入れてスラリー状混
合物を乾燥させ、乾燥物を得た。
乾燥物の成形 次に、この乾燥物にバインダー(PVA)を添加し、100
0kg/cm2の圧力で加圧成形し、直径10mm、厚さ0.5mmの円
板状成形物と、幅6.3mm、長さ19mm、厚さ0.5mmの短冊状
成形物を得た。
0kg/cm2の圧力で加圧成形し、直径10mm、厚さ0.5mmの円
板状成形物と、幅6.3mm、長さ19mm、厚さ0.5mmの短冊状
成形物を得た。
成形物の焼結 次に、この成形物を400℃で5時間加熱してバインダ
ーを燃焼除去させ、その後、この成形物を緻密質MgO製
サヤ内に入れ、1100℃で2時間焼成して焼結体(鉛系複
合ペロブスカイトセラミックス)を得た。
ーを燃焼除去させ、その後、この成形物を緻密質MgO製
サヤ内に入れ、1100℃で2時間焼成して焼結体(鉛系複
合ペロブスカイトセラミックス)を得た。
電気的特性の測定 次に、この焼結体のうち、円板状成形物の両面にAgペ
ーストを焼付けて電極を形成させ、この焼結体の電気的
特性(誘電率ε20とtanδ)を測定した。
ーストを焼付けて電極を形成させ、この焼結体の電気的
特性(誘電率ε20とtanδ)を測定した。
電気的特性の測定は1kHz,1Vrms,20℃の条件で行なっ
た。
た。
この焼結体の電気的特性は表1に示す通りとなった。
抗折強度の測定 また、上記焼結体のうち、短冊状成形物を抗折試験機
にかけ、3点曲げによる抗折試験を行ない、次式によっ
て抗折強度を求めた。
にかけ、3点曲げによる抗折試験を行ない、次式によっ
て抗折強度を求めた。
ここで、τ:抗折強度(kg/cm2) Pm :測定値(kg) l :支点間距離(cm) W :試料幅(cm) t :試料厚(cm) である。
この焼結体の抗折強度は表1に示す通りとなった。
表1において、焼結体の抗折強度は、試料No.1に示す
ように、Al2O3量が0wt%の場合、750kg/cm2であるが、
試料No.2に示すように、Al2O3量が0.01wt%になると、1
020kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.01wt%
である。これはAl量に換算すると0.0053wt%となる。
ように、Al2O3量が0wt%の場合、750kg/cm2であるが、
試料No.2に示すように、Al2O3量が0.01wt%になると、1
020kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.01wt%
である。これはAl量に換算すると0.0053wt%となる。
また、同表において、焼結体の抗折強度は、試料No8.
に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.9に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、850kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.9に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、850kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
実験例2 ここでは、分散液としてベンゼンを用い、Al2O3の添
加量と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
加量と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
分散液としてベンゼンを用いた以外、実験の条件は実
験例1と同様とした。
験例1と同様とした。
この実験例2で得られた焼結体(鉛系複合ペロブスカ
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表2
に示す通りとなった。
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表2
に示す通りとなった。
表2において、焼結体の抗折強度は、試料No.10に示
すように、Al2O3量が0wt%の場合、750kg/cm2である
が、試料No.11に示すように、Al2O3量が0.01wt%になる
と、1020kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.0
1wt%である。こらはAl量に換算すると0.0053wt%とな
る。
すように、Al2O3量が0wt%の場合、750kg/cm2である
が、試料No.11に示すように、Al2O3量が0.01wt%になる
と、1020kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.0
1wt%である。こらはAl量に換算すると0.0053wt%とな
る。
また、同表において、焼結体の抗折強度は、試料No.1
8に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.19に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、830kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
8に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.19に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、830kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
実験例3 ここでは、鉛系複合ペロブスカイト材料として下記化
学式で示されるものを用い、Al2O3の添加量と抗折強度
との関係を求める実験を行なった。
学式で示されるものを用い、Al2O3の添加量と抗折強度
との関係を求める実験を行なった。
鉛系複合ペロブスカイト材料として下記化学式で示さ
れるものを用いた以外、実験の条件は実験例1同様とし
た。
れるものを用いた以外、実験の条件は実験例1同様とし
た。
0.6Pb(Mg1/2W1/2)O3−0.4PbTiO3 この実験例3で得られた焼結体(鉛系複合ペロブスカ
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表3
に示す通りとなった。
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表3
に示す通りとなった。
表3において、焼結体の抗折強度は、試料No.21に示
すように、Al2O3量が0wt%の場合、680kg/cm2である
が、試料No.22に示すようにAl2O3量が0.01wt%になる
と、1000kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.0
1wt%である。これはAl量に換算すると0.0053wt%とな
る。
すように、Al2O3量が0wt%の場合、680kg/cm2である
が、試料No.22に示すようにAl2O3量が0.01wt%になる
と、1000kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.0
1wt%である。これはAl量に換算すると0.0053wt%とな
る。
また、同表において、焼結体の抗折強度は、試料No.2
8に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.29に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、890kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
8に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.29に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、890kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
実験例4 ここでは、鉛系複合ペロブスカイト材料として下記化
学式で示されるものを用い、Al2O3の添加量と抗折強度
との関係を求める実験を行なった。
学式で示されるものを用い、Al2O3の添加量と抗折強度
との関係を求める実験を行なった。
鉛系複合ペロブスカイト材料として下記化学式で示さ
れるものを用いた以外、実験の条件は実験例1と同様と
した。
れるものを用いた以外、実験の条件は実験例1と同様と
した。
0.6Pb(Mg1/3Nb2/3)O3− 0.3Pb(Ni1/3Nb2/3)O3−0.1PbTiO3 この実験例4で得られた焼結体(鉛系複合ペロブスカ
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表4
に示す通りとなった。
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表4
に示す通りとなった。
表4において、焼結体の抗折強度は、試料No.31に示
すように、Al2O3量が0wt%の場合、730kg/cm2である
が、試料No.32に示すように、Al2O3量が0.01wt%になる
と、1030kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.0
1wt%である。これはAl量に換算すると0.0053wt%とな
る。
すように、Al2O3量が0wt%の場合、730kg/cm2である
が、試料No.32に示すように、Al2O3量が0.01wt%になる
と、1030kg/cm2になる。従って、Al2O3量の下限値は0.0
1wt%である。これはAl量に換算すると0.0053wt%とな
る。
また、同表において、焼結体の抗折強度は、試料No.3
8に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.39に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、950kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
8に示すように、Al2O3量が3.00wt%の場合、1000kg/cm2
であるが、試料No.39に示すように、Al2O3量が5.00wt%
になると、950kg/cm2になる。従って、Al2O3量の上限値
は3.00wt%である。これはAl量に換算すると1.588wt%
となる。
実験例5 ここでは、Al含有液として硝酸アルミニウム(Alがイ
オンとして存在)を用い、分散液として純水を用い、Al
の添加量と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
オンとして存在)を用い、分散液として純水を用い、Al
の添加量と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
Al含有液として硝酸アルミニウム(Alがイオンとして
存在)を用い、分散液として純水を用いた以外、実験の
条件は実験例1と同様とした。
存在)を用い、分散液として純水を用いた以外、実験の
条件は実験例1と同様とした。
この実験例5で得られた焼結体(鉛系複合ペロブスカ
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表5
示す通りとなった。
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表5
示す通りとなった。
表5において、焼結体の抗折強度は、試料No.41に示
すように、Al量が0wt%の場合、750kg/cm2であるが、試
料No.42に示すように、Al量が0.0053wt%になると、103
0kg/cm2になる。従って、Al量の下限値は0.0053wt%で
ある。
すように、Al量が0wt%の場合、750kg/cm2であるが、試
料No.42に示すように、Al量が0.0053wt%になると、103
0kg/cm2になる。従って、Al量の下限値は0.0053wt%で
ある。
また、同表において、焼結体の抗折強度は、試料No.4
8に示すように、Al量が1.59wt%の場合、1040kg/cm2で
あるが、試料No.49に示すように、Al量が2.65wt%にな
ると、910kg/cm2になる。従って、Al量の上限値は1.59w
t%である。
8に示すように、Al量が1.59wt%の場合、1040kg/cm2で
あるが、試料No.49に示すように、Al量が2.65wt%にな
ると、910kg/cm2になる。従って、Al量の上限値は1.59w
t%である。
実験例6 ここでは、Al含有液としてアルミニウムイソプロポキ
シド(Alが化合物として存在)を用い、分散液としてベ
ンゼンを用い、Alの添加量と抗折強度との関係を求める
実験を行なった。
シド(Alが化合物として存在)を用い、分散液としてベ
ンゼンを用い、Alの添加量と抗折強度との関係を求める
実験を行なった。
Al含有液としてアルミニウムイソプロポキシド(Alが
化合物として存在)を用い、分散液としてベンゼンを用
いた以外、実験の条件は実験例1と同様とした。
化合物として存在)を用い、分散液としてベンゼンを用
いた以外、実験の条件は実験例1と同様とした。
この実験例6で得られた焼結体(鉛系複合ペロブスカ
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表6
示す通りとなった。
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表6
示す通りとなった。
表6において、焼結体の抗折強度は、試料No.51に示
すように、Al量が0wt%の場合、750kg/cm2であるが、試
料No.52に示すように、Al量が0.0053wt%になると、103
5kg/cm2になる。従って、Al量の下限値は0.0053wt%で
ある。
すように、Al量が0wt%の場合、750kg/cm2であるが、試
料No.52に示すように、Al量が0.0053wt%になると、103
5kg/cm2になる。従って、Al量の下限値は0.0053wt%で
ある。
また、同表において、焼結体の抗折強度は、試料No.5
8に示すように、Al量が1.59wt%の場合、1050kg/cm2で
あるが、試料No.59に示すように、Al量が2.65wt%にな
ると、960kg/cm2になる。従って、Al量の上限値は1.59w
t%である。
8に示すように、Al量が1.59wt%の場合、1050kg/cm2で
あるが、試料No.59に示すように、Al量が2.65wt%にな
ると、960kg/cm2になる。従って、Al量の上限値は1.59w
t%である。
実験例7 ここでは、Al成分として粉状のAl2O3を用い、Al2O3の
添加量と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
添加量と抗折強度との関係を求める実験を行なった。
Al成分として粉状のAl2O3を用いた以外、実験の条件
は実験例1〜6と同様とした。
は実験例1〜6と同様とした。
この実験例7で得られた焼結体(鉛系複合ペロブスカ
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表1
〜6中、試料No.6,16,26,36,46,56,に示す通りとなっ
た。
イトセラミックス)の電気的特性および抗折強度は表1
〜6中、試料No.6,16,26,36,46,56,に示す通りとなっ
た。
この結果から、Al成分は少なくとも溶液中に分散させ
た状態のものでなければならず、粉状のものでは抗折強
度の高い鉛系複合ペロブスカイトセラミックスが得られ
ないことがわかる。
た状態のものでなければならず、粉状のものでは抗折強
度の高い鉛系複合ペロブスカイトセラミックスが得られ
ないことがわかる。
これは、Al成分を溶液あるいはコロイドの状態で添加
すれば、粉体の状態で添加した場合と比較して粒度が小
さく、少量添加で均一に作用するためと考えられるから
である。
すれば、粉体の状態で添加した場合と比較して粒度が小
さく、少量添加で均一に作用するためと考えられるから
である。
[発明の効果] 本発明によれば、抗折強度の高い鉛系複合ペロブスカ
イトセラミックスを製造することができるものである。
イトセラミックスを製造することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 洋一 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/22 C04B 35/622 - 35/636
Claims (1)
- 【請求項1】鉛系複合ペロブスカイト材料の原料粉を混
合した後、仮焼し、この仮焼によって得られた仮焼物
を、Al含有溶液と、このAl含有溶液の液成分に対して相
溶性を有する分散液とを加えた状態で解砕し、この解砕
によって得られた混合物を、含有されているAl成分を残
存させたままの状態で乾燥させ、この乾燥によって得ら
れた乾燥物を焼成する各工程を有し、このAl含有溶液中
におけるAl成分の重量が、Alとして、この仮焼物の重量
の0.0053〜1.588wt%であることを特徴とする鉛系複合
ペロブスカイトセラミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02225007A JP3111208B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | 鉛系複合ぺロブスカイトセラミックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02225007A JP3111208B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | 鉛系複合ぺロブスカイトセラミックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04108659A JPH04108659A (ja) | 1992-04-09 |
JP3111208B2 true JP3111208B2 (ja) | 2000-11-20 |
Family
ID=16822621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02225007A Expired - Fee Related JP3111208B2 (ja) | 1990-08-27 | 1990-08-27 | 鉛系複合ぺロブスカイトセラミックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3111208B2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-27 JP JP02225007A patent/JP3111208B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04108659A (ja) | 1992-04-09 |
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