JP3110175B2 - 便座用着座検出装置 - Google Patents

便座用着座検出装置

Info

Publication number
JP3110175B2
JP3110175B2 JP31296092A JP31296092A JP3110175B2 JP 3110175 B2 JP3110175 B2 JP 3110175B2 JP 31296092 A JP31296092 A JP 31296092A JP 31296092 A JP31296092 A JP 31296092A JP 3110175 B2 JP3110175 B2 JP 3110175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toilet seat
circuit
heat conductive
conductive conductor
human body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31296092A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06138247A (ja
Inventor
隆幸 加藤
英男 荒川
健一 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Toyota Central R&D Labs Inc, Aisin Corp filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP31296092A priority Critical patent/JP3110175B2/ja
Publication of JPH06138247A publication Critical patent/JPH06138247A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3110175B2 publication Critical patent/JP3110175B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bidet-Like Cleaning Device And Other Flush Toilet Accessories (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシャワートイレ等におい
て、人間が便座に着座した時にのみ、洗浄装置、乾燥装
置や脱臭装置等を動作させるべく、人体の便座への着座
を検出するための便座用着座検出装置に関する。
【0002】
【従来技術】人体の近接あるいは接触を検知する静電容
量型検出手段として、例えば実開昭63−38879に
開示されている「着座スイッチ」がある。これは便座内
ヒータの伝熱性導電体を静電容量型センサの一方の電極
とし、これに対向させて他方の電極を設け、着座時の人
体荷重によって両電極の間隔が変化するのを利用し、こ
の電極間隔の変化を静電容量変化として検出するもので
ある。かかる従来の着座スイッチは、人体荷重の大きさ
により、電極間隔が大きく変化してしまい、体重による
感度のバラツキが大きく、幼児等を検知出来ないという
問題があった。そこで、幼児等の軽量者の着座検知のた
め、検出感度を向上させる試みがなされたが、逆に便座
蓋のオン・オフで誤動作し逆効果となる問題が生じた。
【0003】また、特開平3−233391に開示され
ている「人員検出装置」は、平面的に一対の電極を設
け、電極間の静電容量変化から人員を検出するものであ
る。この装置は、人体と電極との間に介在する誘電体、
例えば衣服の素材等によって静電容量が大きく変化する
ため、安定した検出感度を確保できないという問題があ
った。しかし、人体と電極間の誘電体を統一すること
は、衣服および着座面積等が人によって大きく異なるた
め、不特定多数の人体着座に対しては不可能であった。
【0004】さらに、特開平4−14534に開示され
ている「衛生洗浄装置の誤動作防止装置」は、便座内部
に配設されているヒータ線を一方の電極、大地を他方の
電極とし、発振回路からトランス結合で共振状態に設定
し、これに接近する人体の静電容量(人体−大地間)に
よる共振状態の変化から、便座への人体の着座を検知す
るものである。この装置は、ヒータを作動させた状態で
人体の着座を検知できるが、ヒータ線を電極としている
ため、電極面積が小さい。そのため、これによって形成
される静電容量値が小さく、人体静電容量に対する感度
が低いという問題があった。そこで、感度向上のために
ヒータ線により形成される電極を、面電極にしたり、ヒ
ータ線を密にすることは、コスト的、技術的に無理があ
り、また判定基準値を緩和する等の手段により検出感度
を上げると、ヒータ線の一部に手尚が触れただけで、着
座と判定され、特に清掃時に手が触れると、不要時にも
動作することになってしまい、実用上大きな問題を有し
ていた。さらに、本装置はヒータ加熱により、ヒータ線
被覆(塩化ビニール等)の誘電率が変化し、静電容量値
が変わるため、ヒータのオン、オフによつて共振状態が
異なり、判定基準値を温度で補正する必要があり、装置
が複雑化する問題点もあった。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明者等は前記した
従来技術の問題点に鑑み、以下のことに着眼し、本発明
をなすに至ったものである。すなわち、静電容量型セン
サの一方の電極として、従来用いられてきたヒータ線等
に代えて面積が大きなヒータの熱を樹脂プレート等に伝
える伝熱性導電体であるアルミニウム箔に着目し、この
アルミニウム箔、すなわち伝熱性導電体を用いれば低コ
ストで大幅な感度向上を達成できると考えた。さらに、
本発明者等は、この伝熱性導電体電極に組合わせて、静
電容量の変化を検知する方式として、人体と大地間の静
電容量を検知する方式を用いれば、従来技術で問題とな
った人体の体重や衣服等の影響を削除できると考えた。
本発明者等の詳細な実験によれば、静電容量の変化を検
知する方式として、人体と大地間の静電容量を検知する
方式とすると、幼児から太った大人(体重差で5倍以
上)における便座着座時の人体静電容量は40〜70p
Fとなり、その変化幅が小さく、体重による感度変化は
極めて小さいことが明らかとなり、前記伝熱性導電体電
極に組合わせて、本人体と大地間の静電容量を検知する
方式を用いれば、安定した確実な便座への人体着座を検
出できることが明らかとなった。
【0006】しかし、ヒータを作動させた状態で、高感
度に人体の着座を検知するために伝熱性導電体を用いる
と、前記したように、ヒータ加熱により、ヒータ線被覆
(塩化ビニール等)の誘電率が変化し、静電容量値が著
しく変わるという大きな問題があった。本発明者等はこ
の問題を解決するために、さらに詳細な実験を重ね、ヒ
ータ線にインダクタを挿入すれば、高周波的にヒータ線
を交流電源ラインから分離でき、前記したヒータ加熱の
影響を除去できることを確認した。
【0007】さらに、前記便座用着座検出装置の検出感
度が向上しことに伴い、便座清掃時に、手によって前記
便座用着座検出装置が動作してしまうことがあった。そ
こで、本発明者等は、便座内の伝熱性導電体を2分割の
電極構造とし、両電極への人体着座をAND判定とする
方式に着眼し、前記便座清掃時の手による誤動作の防止
を図った。
【0008】本発明は、人体と大地間の静電容量を検知
することにより、ヒータが作動した状態でも安定した確
実な便座への人体着座を検出できる便座用着座検出装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)本第
1発明の便座用着座検出装置(請求項1記載の発明)
は、便器内部に便座に沿って配設する大面積の伝熱性導
電体と、該伝熱性導電体の表面部に配設されるヒータ線
と、高周波信号を発生する発振回路と、該発振回路の出
力が1次コイルに接続され、2次コイルが前記伝熱性導
電体に接続されて成る結合トランスと、前記結合トラン
スの1次コイルに接続されるインダクタンスと、該イン
ダクタンスの両端から高周波信号の振幅に比例した電圧
信号に変換する検波回路と、該検波回路の出力を予め設
定した判定基準と比較し、人体着座を判定する判定回路
と、前記ヒータを交流電源ラインから高周波的に遮断
し、フローティング状態とするために挿入するインダク
タと、前記発振回路の信号アースと、大地アースとなる
前記交流電源ラインとを静電容量結合するための結合手
段とから構成されて成り、人体の便座への着座検知にあ
たり、該伝熱性導電体−大地間静電容量が基準とされて
ることを特徴とする。
【0010】(第2発明の構成)本第2発明の便座用着
座検出装置(請求項3記載の発明)は、便座内部に配設
されるヒータ線と、便座に沿って該ヒータ線に併設され
る2分割の伝熱性導電体と、高周波信号を発生する発振
回路と、該発振回路の出力が1次コイルに接続され、2
次コイルが前記伝熱性導電体の一方に接続されて成る第
1の結合トランスと、該第1の結合トランスの1次コイ
ルに接続される第1のインダクタンスと、該第1のイン
ダクタンスの両端から高周波信号の振幅に比例した電圧
信号に変換する第1の検波回路と、該第1の検波回路の
出力を予め設定した判定基準と比較し、人体着座を判定
する第1の判定回路と、前記発振回路の出力が1次コイ
ルに接続され、2次コイルが前記伝熱性導電体の他方に
接続されて成る第2の結合トランスと、該第2の結合ト
ランスの1次コイルに接続されて第2のインダクタンス
と、該第2のインダクタンスの両端から高周波信号の振
幅に比例した電圧信号に変換する第2の検波回路と、該
第2の検波回路の出力を予め設定した判定基準と比較
し、人体着座を判定する第2の判定回路と、前記第1お
よび第2の判定回路の出力が入力されるAND回路と、
前記ヒータを交流電源ラインから高周波的に遮断し、フ
ローティング状態とするために挿入するインダクタと、
前記発振回路の信号アースと、大地アースとなる前記交
流電源ラインとを静電容量結合するための結合手段とか
ら構成されて成り、人体の便座への着座検知にあたり、
該伝熱性導電体−大地間静電容量が基準とされているこ
とを特徴とする。
【0011】(検出原理)まず、第1発明および第2発
明の便座用着座検出装置における静電容量の検出原理を
以下に説明する。図1は便座の断面構造と便座着座時に
形成される静電容量の状態を示したものである。便座1
はABS樹脂等からなるシートやプレート10の内側に
伝熱性導電体11が貼られ、その上に塩化ビニール等の
汎用樹脂13で被覆されたヒータ線12が接着された構
造である。前記伝熱性導電体はヒータの熱を便座の内側
に配設された樹脂等に伝える働きをなす金属等をいい、
通常はアルミニウムや銅等の箔を用いる。かかる便座に
おいてヒ−タ線12に交流100Vが通電されると発熱
し、その熱は伝熱性導電体11により、熱伝導されて樹
脂プレート10の全面を加熱するものである。この便座
1に人体2が着座すると、便座と人体と大地との間には
人体−大地間静電容量C1、人体−伝熱性導電体間静電
容量C3、伝熱性導電体−大地間静電容量C2および伝
熱性導電体−ヒ−タ線間静電容量C4が形成される。
【0012】まず人体2が無い状態では、C2とC4と
が存在する。C2は便座のサイズおよび設置状態によっ
て変化するが、本発明者等の測定ではほぼ20〜30p
Fである。またC4は被覆された樹脂13の誘電率が大
きいことと、ヒータ線が長いため、約500pFと言う
大きな値となる。ヒータ線12が交流ラインに接続され
た状態では該ヒータ線の一方が大地アースへ接続されて
いるため、C4は伝熱性導電体−大地間静電容量とな
り、全体の伝熱性導電体−大地間静電容量はC2+C4
(約530pF)となる。
【0013】この状態で人体2が着座すると、C1とC
3の直列容量が前記C2+C4に並列接続される形にな
る。C1は人体が便座に着座した状態、すなわちトイレ
の床は一般的に大地ではないため、人体が大地から浮い
た状態の静電容量となり、発明者等の実験によれば、体
重20kg〜約100kgの人体に対して、約40pF
〜70pFという値が得られている。また、C3は着座
時の人体と便座の接触面積に依存し、前記した体重の範
囲では約150pF〜250pfという値である。従っ
てC1とC3の直列容量は約32pF〜55pFとな
る。
【0014】したがって、伝熱性導電体−大地間容量
(C2+C4)の約530pFに人体が着座すると、こ
れにC1とC3の直列容量(約32pF〜55pF)が
並列接続された形になる。そこで人体の着座を本発明の
静電容量式センサで検出するためには、530pFに3
2〜55pFが並列接続されたことを検知しなければな
らない。
【0015】本発明者等の実験によれば、約10%の静
電容量変化から人体の着座を判定することは、検出感度
が不十分であり、確実な着座を検知することは困難であ
った。そこで人体着座の検出感度を上げる方法として、
ヒータ線12を大地アースから切り離し、伝熱性導電体
−ヒータ線間容量C4の影響を削除した。すなわち、人
体2が無い状態で形成される静電容量をC2のみとする
ため、ヒータ線にインダクタを挿入して高周波的にヒー
タ線を交流電源ラインすなわち大地アースからフローテ
ィング状態になる構成とした。これにより、着座時には
C2(30pF)に対して先のC1とC3の直列容量
(約32pF〜55pF)が並列接続される形となり、
約2倍以上の静電容量変化が得られ、極めて高感度とな
る。
【0016】
【作用】
(第1発明の作用)第1発明の便座用着座検出装置にお
いて、発振回路からは、高周波信号を発生させ、この信
号を結合トランスの一次コイルに入力する。該結合トラ
ンスの二次コイルの一端は、便座の樹脂プレートの内面
に配設されたヒータの伝熱性導電体に接続されており、
前記高周波信号は結合トランスを介して伝熱性導電体に
印加される。結合トランスの一次コイルの他端には、イ
ンダクタンスが接続されており、このインダクタンスの
両端には高周波信号を出力するための検波回路が接続さ
れ、該検波回路によって、高周波信号を、その振幅に比
例した電圧信号に変換する。次に、該検波回路の出力は
判定回路へ入力される。判定回路では、検波回路の出力
を予め設定した判定基準値と比較し、例えば、前記出力
がこの基準値を上回っていれば人体着座と判定するもの
である。
【0017】また、前記ヒータを加熱するための交流電
源ラインには、インダクタが接続され、該インダクタに
よって、前記ヒータを交流電源ラインから高周波的に遮
断するものである。すなわち発振回路30から発生され
る数100kHzの高周波に対しては、インダクタ4は
高インピ−ダンスに、交流60Hzに対しては低インピ
−ダンスになる。したがって、ヒータ線12は高周波に
対しては交流電源ラインから浮いた状態に設定できると
共に、交流60Hzは通電でき、ヒータとしての作用を
行うことができるのである。また、前記交流電源ライン
に、アースの共通化という作用をさせるために前記発振
回路の信号アースと大地アースを構成する該交流電源ラ
インとを静電容量結合するための結合手段を設ける。
【0018】また、該便座用着座検出装置において、前
記結合トランスの二次コイル、伝熱性導電体から大地、
結合トランスの一次コイルへと共振回路が形成され、結
合トランスの一次コイルのインダクタンスLと伝熱性導
電体−大地間静電容量C2によって共振周波数が決定さ
れる。従って、共振回路を、無人の状態で発振回路から
結合トランスを通して共振状態に設定すると、着座時に
は人体容量が付加されて全体の静電容量が増加し、共振
周波数がズレてくる。この共振ズレを、発振回路の周波
数を固定すれば、検波回路によって電圧の振幅変化とし
て検出できる。また、LC発振回路構成とすれば発振周
波数の変化として検出できる。これらの電圧値あるいは
周波数値は判定回路へ入力され、予め設定した基準値と
比較して人体着座を検知するものである。
【0019】(第2発明の作用)本第2発明の便座用着
座検出装置は、便座内の伝熱性導電体を2分割して2組
の電極構成とし、伝熱性導電体−大地間の静電容量を2
組形成した。前記第1発明の作用で説明したように人体
着座によって、それぞれの電極から高感度の静電容量変
化を得ることができ、無人の状態で共振回路で設定した
共振状態と、人体着座に伴う共振周波数のズレを、それ
ぞれの電極に対応する共振回路の電圧変化として検出で
きる。本装置では、それぞれの電極に対応して設けられ
ている検波回路と判定回路からの出力をAND回路に入
力して、人体が2組の電極に同時に接近した場合にのみ
人体着座の検出が可能となるようにした。本第2発明の
便座用着座検出装置では、第1発明の場合と同様、ヒー
タ線にインダクタを挿入して高周波的にヒータ線を交流
電源ラインすなわち大地アースからフローティング状態
になる構成としているので、前記したヒータと伝熱性導
電体間に形成される静電容量の影響を削除できる。
【0020】
【発明の効果】
(第1発明の効果)本第1発明の便座用着座検出装置
は、静電容量の変化を検出するための電極として、従来
の装置で用いられてきたヒータに代えて、電極面積を広
く取れる伝熱性導電体を用いているので、人体の検出感
度を、高めることができる。また、便座内ヒータに併設
されている伝熱性導電体をセンサ電極として利用するた
め、新たな手段を必要とせず、簡便である。また、便座
内伝熱性導電体への人体静電容量の近接あるいは接触を
検出するものであるため、便座への水付着等による誤動
作がない。
【0021】また、本装置では、ヒータを駆動する交流
電源ライン(AC100V)にインダクタを挿入して低
周波の交流(60Hz)は通電し、発振回路からの数1
00kHzの高周波は遮断することにより、ヒータをフ
ローテイング状態に設定する。前記したように、ヒータ
は接着剤により伝熱性導電体に接着されており、ヒータ
通電時に、この接着剤の誘電率が温度の変化とともに変
化するため静電容量に変化を生ずる。この静電容量変化
は人体の静電容量変化より大きいため、人体着座判定が
困難になるが、前記インダクタにより、該静電容量の影
響を削除できる。
【0022】また、本便座用着座検出装置は、トランス
結合による共振回路構成としたので、トランスのコイル
巻数比を任意に設定でき、人体着座による静電容量変化
を数Vオーダの電圧変化として検出でき、増幅器等の手
段を必要とせず、構成が簡易となる。また、本発明の装
置において結合トランスは低電圧の高周波を印加するの
みでAC100Vは印加しないので、小型、低容量とな
り廉価である。また、この結合トランスによって、回路
部と電極部とをトランス結合しているので、回路部と電
極部との絶縁性が容易に得られ、交流100Vの漏電事
故等に対して安全である。
【0023】(第2発明の効果)本第2発明の便座用着
座検出装置は、前記第1発明の効果で記載したと同様の
効果が得られる他、以下に記載する効果がある。便座内
の伝熱性導電体を2分割の2組の電極構成とし、両電極
への人体接近を、ヒータ作動中に検知できるようにAN
D判定法とすることにより、便座清掃時の手による誤動
作を防止できる。すなわち静電容量型センサでは、幼児
等の着座を確実に検知できるように検出感度を上げるた
め、判定回路の基準値を下げると、便座に片手が触れた
状態すなわち便座の清掃時に容易に動作してしまう。本
第2発明によれば、不要時に装置が動作し、電力等に無
駄が生じることを防止できる。なお、伝熱性導電体を複
数に分割し、複数組の電極構成とし、伝熱性導電体−大
地間の静電容量を複数組形成しても、前記伝熱性導電体
を2分割した場合と同様の作用および効果を得ることが
できる。
【0024】
【実施例】
(実施例1)本第1発明の実施例を図2に基づいて説明
する。本実施例1にかかる便座用着座検出装置は、便座
1と検出回路3とから構成される。便座1の樹脂プレー
ト10の内面には、ヒータ線12と、該ヒータ線に併設
される伝熱性導電体であるアルミニウム箔11が配設さ
れる。また、検出回路3は、高周波信号を発生する発振
回路30と、該発振回路30の出力が1次コイルに接続
され、2次コイルの一端が前記アルミニウム箔に接続さ
れて成る結合トランス31と、該結合トランス31の1
次コイルに接続されるインダクタンス32と、該インダ
クタンス32の両端から高周波信号の振幅に比例した電
圧信号に変換する検波回路33と、該検波回路の出力を
予め設定した判定基準と比較し、人体着座を判定する判
定回路34とからなる検出回路3と、前記ヒータ12を
交流電源ラインから高周波的に遮断するために挿入する
インダクタ4と、前記検出回路3の信号アースと大地ア
ースとなる前記交流電源ラインとを静電結合すべく結合
手段5とから構成される。
【0025】かかる構成によれば、まず第1に交流電源
ラインにインダクタ4を挿入することにより、ヒータ線
12を大地アースから高周波的に遮断できる。すなわち
発振回路30から発生される数100kHzの高周波に
対しては、インダクタ4は高インピ−ダンスに、交流6
0Hzに対しては低インピ−ダンスになる。従ってヒー
タ線12は高周波に対しては交流電源ラインから浮いた
状態に設定できると共に、交流60Hzは通電でき、ヒ
ータとしての作用を行うことができる。この結果、図1
で説明したヒータ線12とアルミニウム箔11間の静電
容量C4が形成されないため、便座としての静電容量は
アルミニウム箔11と大地間のC2のみとなる。この状
態で前記発振回路30から高周波信号を結合トランス3
1を介して前記アルミニウム箔11に印加し、結合トラ
ンス31の2次コイルのインダクタンスLと前記C2と
により決定される共振周波数に同調させる。この共振回
路における共振特性は図3に示す如くなり、共振周波数
点f0 で最大電圧が得られる。
【0026】この共振状態の便座に人体2が着座する
と、人体の静電容量C1が並列接続されるため、全体の
静電容量が大きくなり、共振周波数が低い方へシフトす
ることになる。しかし、発振回路30の発振周波数を共
振点からずらしてfaに固定すれば、共振回路の電圧が
e0からe1へ変化するため、人体着座を共振回路の電
圧変化として検出できる。この電圧変化は前記インダク
タンス32の両端から検出され、検波回路33によって
直流電圧に変換される。該検波回路33の出力は判定回
路34に入力され、予め設定した判定基準値と比較し、
人体着座を検知するものである。
【0027】また静電結合手段5は前記アルミニウム箔
−大地間静電容量C2に対して、検出回路3を結合させ
るため、検出回路3の信号アースと大地アースとなる交
流電源ラインとを静電容量的に結合する作用を行う。
【0028】以上の構成・動作による着座検出装置の具
体的な着座検出例を図4に示す。発振回路30の発振周
波数を約500kHzとした時の無人状態での検波回路
33出力を約0.6Vに設定すると、体重40〜100
kgの大人に対しては約1〜1.2Vの電圧となり、さ
らに体重約20kgの子供に対しては約0.9Vの電圧
が得られた。従って、判定回路34の基準値を0.8V
位にセットすれば、ヒータ作動時に、子供から大人まで
の着座を検知することが可能となる。
【0029】(実施例2)次に、第2発明の実施例を図
5によって説明する。前記実施例1の装置と同一の作用
効果を奉する部分は同一記号を付し、詳細な説明は省略
する。本実施例1にかかる便座用着座検出装置は、便座
1と検出回路3とから構成される。便座1の樹脂プレー
ト10の内面には、ヒータ線12と該ヒータ線に併設さ
れる2分割の伝熱性導電体であるアルミニウム箔11a
および11bが配設される。また、検出回路3は、高周
波信号を発生する発振回路30と、該発振回路30の出
力が1次コイルに接続され、2次コイルの一方が前記ア
ルミニウム箔11aに接続されて成る第1の結合トラン
ス31aと、該結合トランス31aの1次コイルに接続
される第1のインダクタンス32aと、該インダクタン
ス32aの両端から高周波信号の振幅に比例した電圧信
号に変換する第1の検波回路33aと、該検波回路33
aの出力を予め設定した判定基準と比較し、人体着座を
判定する第1の判定回路34aと、前記発振回路30の
出力が1次コイルに接続され、2次コイルの一方が前記
アルミニウム箔11bに接続されて成る第2の結合トラ
ンス31bと、該結合トランス31bの1次コイルに接
続される第2のインダクタンス32bと、該インダクタ
ンス32bの両端から高周波信号の振幅に比例した電圧
信号に変換する第2の検波回路33bと、該検波回路3
3bの出力を予め設定した判定基準と比較し、人体着座
を判定する第2の判定回路34bと、前記第1および第
2の検波回路の出力が入力されるAND回路35とから
構成される検出回路3aと、前記ヒータ12を交流電源
ラインから高周波的に遮断するために挿入するインダク
タ4と、前記検出回路3の信号アースと大地アースとな
る前記交流電源ラインとを静電結合すべく結合手段5と
から構成されて成る。
【0030】かかる構成によれば、便座内のアルミニウ
ム箔を2分割の電極構造としてあるため、アルミニウム
箔−大地間静電容量が2組形成される。したがって、両
電極へのAND判定すなわち便座へ両腿をかけた確実な
着座状態を判定し着座信号とすることにより、便座清掃
時の片手の便座への接触による誤動作を防止でき、ヒー
タ作動時に、安定した着座信号が得られ、大幅な信頼性
向上を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】便座の断面構造と便座着座時に形成される静電
容量の状態の概略を示した図である。
【図2】実施例1にかかる便座用着座検出装置の回路の
概略を示した図である。
【図3】発明の原理を説明するための共振特性を示した
図である。
【図4】実施例1の便座用着座検出装置による人体着座
検出例を示した図である。
【図5】実施例2にかかる便座用着座検出装置の回路の
概略を示した図である。
【符号の説明】
1・・・便座 2・・・人体 3、3a・・・検出回路 4・・・インダクタ 5・・・静電結合手段 10・・・樹脂製プレート 11、11a、11b・・・アルミニウム箔 12・・・ヒータ 30・・・高周波発振器 31、31a、31b・・・結合トランス 32、32a、32b・・・インダクタンス 33、33a・・・検波回路 34、34a・・・判定回路 35・・・AND回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 健一 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイ シン精機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−93428(JP,A) 実開 平4−53579(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01V 3/08 E03D 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便器内部に便座に沿って配設する大面積の
    伝熱性導電体と、該伝熱性導電体の表面部に配設される
    ヒータ線と、高周波信号を発生する発振回路と、該発振
    回路の出力が1次コイルに接続され、2次コイルが前記
    伝熱性導電体に接続されて成る結合トランスと、前記結
    合トランスの1次コイルに接続されるインダクタンス
    と、該インダクタンスの両端から高周波信号の振幅に比
    例した電圧信号に変換する検波回路と、該検波回路の出
    力を予め設定した判定基準と比較し、人体着座を判定す
    る判定回路と、前記ヒータを交流電源ラインから高周波
    的に遮断し、フローティング状態とするために挿入する
    インダクタと、前記発振回路の信号アースと、大地アー
    スとなる前記交流電源ラインとを静電容量結合するため
    の結合手段とから構成されて成り、人体の便座への着座
    検知にあたり、該伝熱性導電体−大地間静電容量が基準
    とされていることを特徴とする便座用着座検出装置。
  2. 【請求項2】便座内部に便座に沿って配設する大面積で
    面状の伝熱性導電体と、該伝熱性導電体の表面部に配設
    されるヒータ線と、高周波信号を発生する発振回路と、
    該発振回路の出力が1次コイルに接続され、2次コイル
    が前記伝熱性導電体に接続されて成る結合トランスと、
    前記結合トランスの1次コイルに接続されるインダクタ
    ンスと、該インダクタンスの両端から高周波信号の振幅
    に比例した電圧信号に変換する検波回路と、該検波回路
    の出力を予め設定した判定基準と比較し、人体着座を判
    定する判定回路と、前記ヒータを交流電源ラインから高
    周波的に遮断し、フローティング状態とするために挿入
    するインダクタと、前記発振回路の信号アースと、大地
    アースとなる前記交流電源ラインとを静電容量結合する
    ための結合手段とから構成されて成り、人体の便座への
    着座検知にあたり、該伝熱性導電体−大地間静電容量が
    基準とされていることを特徴とする便座用着座検出装
    置。
  3. 【請求項3】便座内部に配設されるヒータ線と、便座に
    沿って該ヒータ線に併設される2分割の伝熱性導電体
    と、高周波信号を発生する発振回路と、該発振回路の出
    力が1次コイルに接続され、2次コイルが前記伝熱性導
    電体の一方に接続されて成る第1の結合トランスと、該
    第1の結合トランスの1次コイルに接続される第1のイ
    ンダクタンスと、該第1のインダクタンスの両端から高
    周波信号の振幅に比例した電圧信号に変換する第1の検
    波回路と、該第1の検波回路の出力を予め設定した判定
    基準と比較し、人体着座を判定する第1の判定回路と、
    前記発振回路の出力が1次コイルに接続され、2次コイ
    ルが前記伝熱性導電体の他方に接続されて成る第2の結
    合トランスと、該第2の結合トランスの1次コイルに接
    続されて第2のインダクタンスと、該第2のインダクタ
    ンスの両端から高周波信号の振幅に比例した電圧信号に
    変換する第2の検波回路と、該第2の検波回路の出力を
    予め設定した判定基準と比較し、人体着座を判定する第
    2の判定回路と、前記第1および第2の判定回路の出力
    が入力されるAND回路と、前記ヒータを交流電源ライ
    ンから高周波的に遮断し、フローティング状態とする
    めに挿入するインダクタと、前記発振回路の信号アース
    と、大地アースとなる前記交流電源ラインとを静電容量
    結合するための結合手段とから構成されて成り、人体の
    便座への着座検知にあたり、該伝熱性導電体−大地間静
    電容量が基準とされていることを特徴とする便座用着座
    検出装置。
JP31296092A 1992-10-27 1992-10-27 便座用着座検出装置 Expired - Fee Related JP3110175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31296092A JP3110175B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 便座用着座検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31296092A JP3110175B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 便座用着座検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06138247A JPH06138247A (ja) 1994-05-20
JP3110175B2 true JP3110175B2 (ja) 2000-11-20

Family

ID=18035559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31296092A Expired - Fee Related JP3110175B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 便座用着座検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3110175B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1301800B1 (en) * 2000-05-26 2006-08-09 Automotive Systems Laboratory Inc. Occupant sensor
JP4191027B2 (ja) * 2003-12-26 2008-12-03 シャープ株式会社 生ゴミ処理機
JP4721058B2 (ja) 2006-07-11 2011-07-13 株式会社デンソー 車両用座席装置及びその製造方法
JP6476712B2 (ja) * 2014-10-07 2019-03-06 アイシン精機株式会社 便座装置
JP7085117B2 (ja) * 2018-03-23 2022-06-16 Toto株式会社 便座装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06138247A (ja) 1994-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7098674B2 (en) Occupant sensor
EP2572929B1 (en) Capacitive sensing system using a heating element as antenna electrode
US8698511B2 (en) Capacitive occupant detection system with interference detection
US7656169B2 (en) Capacitive occupant detection system
EP2572942B1 (en) Capacitive sensing system using heating element as antenna electrode
US9332592B2 (en) Seat heater and capacitive occupancy sensor combination
KR19990087047A (ko) 차량 승객 감지 시스템 및 방법
JP3110175B2 (ja) 便座用着座検出装置
JP3588259B2 (ja) 静電容量式人体局部洗浄装置用着座センサー
JP2002036929A (ja) 乗員検知システムおよびそれを使用した乗員検知方法
JP2007175163A (ja) 静電式着座センサ
JPH07140258A (ja) 便座用着座検出装置
JPH05196743A (ja) 着座センサ
EP0581605A1 (en) Apparatus for detecting a person seated on a toilet seat
JPH06138246A (ja) 便座用着座検出装置
JPH08160150A (ja) 着座検出装置
JP2548797Y2 (ja) 着座センサを具備する便座
WO2013007540A1 (en) Seat heater and capacitive occupancy sensor combination
JPH09301119A (ja) 着座検出装置
KR100625117B1 (ko) 비데의 착좌 감지장치
JP3632311B2 (ja) 便座用着座検出装置
JPH04258423A (ja) 衛生洗浄装置における静電式着座センサの検出方法
JPH09210745A (ja) 容量式電磁流量計
JP3465636B2 (ja) 物体検知装置及び物体検知方法
JP3054300B2 (ja) 便座用着座検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees