JP3109894B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子(有機EL素子)に関し、詳しくは、高輝
度で発光効率が高く、青色発光が可能であるとともに、
すぐれた薄膜維持能を有するポリカーボネートを用いた
有機EL素子に関する。
ッセンス素子(有機EL素子)に関し、詳しくは、高輝
度で発光効率が高く、青色発光が可能であるとともに、
すぐれた薄膜維持能を有するポリカーボネートを用いた
有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】最
近、Friend R.H.らにより、ポリフェニレン
ビニレン(PPV)を発光材料とする発光層を有した有
機EL素子が開示された(国際公開WO90/1314
8)。この有機EL素子は、全共役系ポリマー(con
jugated polymer)に、適当な注入電極
から電荷が注入されることによりエレクトロルミネッセ
ンス効果を奏するものである。彼らは、この有機EL素
子の特徴として、酸素,水分に対して安定であり高温
下でも劣化しない、発光層が下部電極等に付着性を持
つことにより、熱的にまたは機械的に生じるクラックに
対して耐性がある、再結晶化を防ぐ、高結晶性また
は高融点により、イオンや原子の移行を防ぐことを挙げ
ている。しかし、この有機EL素子は、PPVの伸長し
た共役性により青色発光が困難であり発光効率が小さい
という欠点を有している。この欠点は、PPVの蛍光性
が小さいためであり、Friend R.H.により
J.Phys.D20,1367(1987)および
J.Mol.Electronics;5,19,(1
989)において明らかにされている。上記PPVの蛍
光収率は1%以下である。このように蛍光収率が低けれ
ば、エレクトロルミネッセンス効率(EL効率)は蛍光
収率より小さくなるので、高輝度を得ることは不可能で
ある。ポリフェニレンビニレン薄膜の作成は、可溶前駆
体をスピンコート後、熱処理することによって簡易に得
られる。しかし、この熱処理条件は、容易に判明するも
のではなく、主鎖共役の中に欠陥が容易に入り、EL効
率を減少させることとなる。したがって、ポリフェニレ
ンビニレン等の全共役系ポリマーの薄膜を発光層として
用いることは、実用上不可能ないし困難である。
近、Friend R.H.らにより、ポリフェニレン
ビニレン(PPV)を発光材料とする発光層を有した有
機EL素子が開示された(国際公開WO90/1314
8)。この有機EL素子は、全共役系ポリマー(con
jugated polymer)に、適当な注入電極
から電荷が注入されることによりエレクトロルミネッセ
ンス効果を奏するものである。彼らは、この有機EL素
子の特徴として、酸素,水分に対して安定であり高温
下でも劣化しない、発光層が下部電極等に付着性を持
つことにより、熱的にまたは機械的に生じるクラックに
対して耐性がある、再結晶化を防ぐ、高結晶性また
は高融点により、イオンや原子の移行を防ぐことを挙げ
ている。しかし、この有機EL素子は、PPVの伸長し
た共役性により青色発光が困難であり発光効率が小さい
という欠点を有している。この欠点は、PPVの蛍光性
が小さいためであり、Friend R.H.により
J.Phys.D20,1367(1987)および
J.Mol.Electronics;5,19,(1
989)において明らかにされている。上記PPVの蛍
光収率は1%以下である。このように蛍光収率が低けれ
ば、エレクトロルミネッセンス効率(EL効率)は蛍光
収率より小さくなるので、高輝度を得ることは不可能で
ある。ポリフェニレンビニレン薄膜の作成は、可溶前駆
体をスピンコート後、熱処理することによって簡易に得
られる。しかし、この熱処理条件は、容易に判明するも
のではなく、主鎖共役の中に欠陥が容易に入り、EL効
率を減少させることとなる。したがって、ポリフェニレ
ンビニレン等の全共役系ポリマーの薄膜を発光層として
用いることは、実用上不可能ないし困難である。
【0003】また、D.BraunらによりPPVに長
鎖アルコキシキ置換基を導入した可溶性誘導体をスピン
コート法にて製膜し発光層とした素子が開示された(A
ppl.Phys.Lett.58,1982(199
1))。しかし、このPPVの蛍光収率(量子収率)が
小さいため、EL量子収率は、In陰極を用いた場合は
5×10-4、Ca陰極を用いた場合は10-2と小さいも
のであり、発光色も橙色に限定されていた。また、細川
らによりアリーレンビニレン構造を有する低分子を発光
層とする有機EL素子が開示されている(EP第037
3582号,EP第0388768号等)。この有機E
L素子は、僅か5Vを印加するだけで、緑味青色発光を
300cd/m2 の高輝度で実現することができる。こ
のときの発光効率は2.9ルーメン/Wであった。さら
に、彼らは類似構造の化合物を発光層として1000c
d/m2 以上の高輝度青色発光も実現しており、青紫〜
緑色領域にわたる様々な発光色を高輝度かつ高効率で出
すことを可能とした。しかし、発光層を形成するには蒸
着法を用いる必要があり、この方法はスピンコート法よ
り時間がかかり、生産性に劣る。また、有機低分子の蒸
着膜は、経時による変化または動作時の発熱により再結
晶が生じ易く発光層または正孔注入層として機能しなく
なる、すなわち薄膜維持能力がないという問題がある。
鎖アルコキシキ置換基を導入した可溶性誘導体をスピン
コート法にて製膜し発光層とした素子が開示された(A
ppl.Phys.Lett.58,1982(199
1))。しかし、このPPVの蛍光収率(量子収率)が
小さいため、EL量子収率は、In陰極を用いた場合は
5×10-4、Ca陰極を用いた場合は10-2と小さいも
のであり、発光色も橙色に限定されていた。また、細川
らによりアリーレンビニレン構造を有する低分子を発光
層とする有機EL素子が開示されている(EP第037
3582号,EP第0388768号等)。この有機E
L素子は、僅か5Vを印加するだけで、緑味青色発光を
300cd/m2 の高輝度で実現することができる。こ
のときの発光効率は2.9ルーメン/Wであった。さら
に、彼らは類似構造の化合物を発光層として1000c
d/m2 以上の高輝度青色発光も実現しており、青紫〜
緑色領域にわたる様々な発光色を高輝度かつ高効率で出
すことを可能とした。しかし、発光層を形成するには蒸
着法を用いる必要があり、この方法はスピンコート法よ
り時間がかかり、生産性に劣る。また、有機低分子の蒸
着膜は、経時による変化または動作時の発熱により再結
晶が生じ易く発光層または正孔注入層として機能しなく
なる、すなわち薄膜維持能力がないという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記従来技術の欠点を解消し、発光層がスピンコート方法
により簡易に薄膜化が可能であり、この発光層を用い、
低電圧にもかかわらず高輝度であって、しかも青色系発
光をする有機EL素子を開発すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、ジアリーレンビニレンアリーレン骨格を繰り
返し単位として有することにより、有機低分子に比較し
て卓越した薄膜維持能を有したポリカーボネートからな
る重合体を用いることにより、従来のPPV等の全共役
ポリマーを用いた素子に比べ、発光効率を著しく向上さ
せることができ、上記目的が充分に達成できることを見
出した。また本発明のポリカーボネートは、薄膜維持能
をもつ正孔注入層にも成り得ることも同時に見出した。
本発明はかかる知見に基いて完成したものである。
記従来技術の欠点を解消し、発光層がスピンコート方法
により簡易に薄膜化が可能であり、この発光層を用い、
低電圧にもかかわらず高輝度であって、しかも青色系発
光をする有機EL素子を開発すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、ジアリーレンビニレンアリーレン骨格を繰り
返し単位として有することにより、有機低分子に比較し
て卓越した薄膜維持能を有したポリカーボネートからな
る重合体を用いることにより、従来のPPV等の全共役
ポリマーを用いた素子に比べ、発光効率を著しく向上さ
せることができ、上記目的が充分に達成できることを見
出した。また本発明のポリカーボネートは、薄膜維持能
をもつ正孔注入層にも成り得ることも同時に見出した。
本発明はかかる知見に基いて完成したものである。
【0005】すなわち本発明は、一般式(I)
【0006】
【化10】
【0007】(式中、Ar1 ,Ar2 およびAr3 はそ
れぞれ独立に置換または無置換の炭素数6〜20のアリ
ーレン基,
れぞれ独立に置換または無置換の炭素数6〜20のアリ
ーレン基,
【0008】
【化11】
【0009】(式中、R3 およびR4 はそれぞれ独立に
水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜6のアルキル基,
炭素数6〜12のアリール基のいずれかを示し、Yは単
結合,
水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜6のアルキル基,
炭素数6〜12のアリール基のいずれかを示し、Yは単
結合,
【0010】
【化12】
【0011】(式中、R5 およびR6 はそれぞれ独立に
水素原子,トリフルオロメチル基,炭素数1〜6のアル
キル基,炭素数6〜12のアリール基を示し、sは2〜
10の整数である。)を示す。),
水素原子,トリフルオロメチル基,炭素数1〜6のアル
キル基,炭素数6〜12のアリール基を示し、sは2〜
10の整数である。)を示す。),
【0012】
【化13】
【0013】(式中、rは4〜10の整数を示す。)ま
たは
たは
【0014】
【化14】
【0015】(式中、sは前記と同じである。)を表
し、R1 およびR2 はそれぞれ独立に炭素数1〜6のア
ルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜20の
アリール基を表わす。)で表される繰り返し単位Aを有
するポリカーボネート重合体、好ましくは塩化メチレン
を溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における
還元粘度が0.2dl/g以上であるポリカーボネート重
合体を発光材料および/または正孔注入材料として用い
ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
を提供し、さらに一般式(I)で表される繰り返し単位
Aと一般式(II)
し、R1 およびR2 はそれぞれ独立に炭素数1〜6のア
ルキル基、または置換または無置換の炭素数6〜20の
アリール基を表わす。)で表される繰り返し単位Aを有
するポリカーボネート重合体、好ましくは塩化メチレン
を溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における
還元粘度が0.2dl/g以上であるポリカーボネート重
合体を発光材料および/または正孔注入材料として用い
ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
を提供し、さらに一般式(I)で表される繰り返し単位
Aと一般式(II)
【0016】
【化15】
【0017】(式中、R8 およびR9 はそれぞれ独立に
水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜6のアルキル基ま
たは炭素数6〜12のアリール基を示し、pおよびqは
それぞれ独立に1〜4の整数を示し、Xは単結合,
水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜6のアルキル基ま
たは炭素数6〜12のアリール基を示し、pおよびqは
それぞれ独立に1〜4の整数を示し、Xは単結合,
【0018】
【化16】
【0019】(式中、R10およびR11はそれぞれ独立に
水素原子,トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアル
キル基または炭素数6〜12のアリール基を示し、sは
前記と同じである。)
水素原子,トリフルオロメチル基、炭素数1〜6のアル
キル基または炭素数6〜12のアリール基を示し、sは
前記と同じである。)
【0020】
【化17】
【0021】(式中、tは4〜10の整数)または
【0022】
【化18】
【0023】(式中、uは2〜10の整数)を表す。)
で表される繰り返し単位Bを有するポリカーボネート共
重合体、好ましくは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5
g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.2dl/
g以上であるポリカーボネート共重合体を発光材料およ
び/または正孔注入材料として用いることを特徴とする
有機エレクトロルミネッセンス素子を提供するものであ
る。
で表される繰り返し単位Bを有するポリカーボネート共
重合体、好ましくは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5
g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.2dl/
g以上であるポリカーボネート共重合体を発光材料およ
び/または正孔注入材料として用いることを特徴とする
有機エレクトロルミネッセンス素子を提供するものであ
る。
【0024】本発明では、エレクトロルミネッセンス
(EL)機能を有するジアリーレンビニレンアリーレン
骨格を含有するポリカーボネート(共)重合体を、発光
材料および/または正孔注入材料として用いる。ここ
で、EL機能とは、電荷注入輸送機能および発光機能の
ことをいう。すなわち、EL機能を有するとは、例えば
化合物を蒸着法,スピンコート法,キャスト法,LB法
などの公知の方法により薄膜化し、これを発光層として
用いた場合に、電界印加時に陽極または正孔注入輸送
層より正孔を注入することができ、かつ陰極または電子
注入輸送層より電子を注入することができる注入機能、
注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる
輸送機能、電子と正孔の再結合の場を提供し、これを
発光につなげる発光機能等を有していることである。
(EL)機能を有するジアリーレンビニレンアリーレン
骨格を含有するポリカーボネート(共)重合体を、発光
材料および/または正孔注入材料として用いる。ここ
で、EL機能とは、電荷注入輸送機能および発光機能の
ことをいう。すなわち、EL機能を有するとは、例えば
化合物を蒸着法,スピンコート法,キャスト法,LB法
などの公知の方法により薄膜化し、これを発光層として
用いた場合に、電界印加時に陽極または正孔注入輸送
層より正孔を注入することができ、かつ陰極または電子
注入輸送層より電子を注入することができる注入機能、
注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる
輸送機能、電子と正孔の再結合の場を提供し、これを
発光につなげる発光機能等を有していることである。
【0025】本発明において、EL機能を有する箇所は
ジアリーレンビニレンアリーレン骨格である。本発明で
用いられるポリカーボネート(共)重合体は、特定のジ
アリーレンビニレンアリーレン骨格が共役系を切る
ジアリーレンビニレンアリーレン骨格である。本発明で
用いられるポリカーボネート(共)重合体は、特定のジ
アリーレンビニレンアリーレン骨格が共役系を切る
【0026】
【化19】
【0027】を含有する2価の基で結合している。これ
により、本発明で用いられる特定のジアリーレンビニレ
ンアリーレン骨格を保有する分子は、優れたEL性能を
有すると共に薄膜性に優れ、それからなるEL素子は高
輝度の青色発光を呈することが可能である。ここで、青
色発光が可能であれば、赤,オレンジ,緑,黄,白等の
種々の発光が、公知技術、例えば蛍光色素のドープ方法
や蛍光フィルムによる蛍光変換方法等により可能とな
る。上記特定のジアリーレンビニレンアリーレン骨格
は、一般式(I)で表される繰り返し単位Aに含まれる
ものである。本発明で用いられるポリカーボネート
(共)重合体は、様々な構造のものがあるが、好ましく
は繰り返し単位Aのみからなるもの、または繰り返し単
位Aおよび一般式(II)で表される繰り返し単位Bから
なるものが挙げられる。上述の一般式(I)におけるA
r1 〜Ar3 は、それぞれ独立に置換あるいは無置換の
炭素数6〜20のアリーレン基(例えば、フェニレン
基,ビフェニレン基,ナフチレン基,ターフェニレン基
など)である。該置換基としては、例えば、メチル基,
エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキ
ル基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキ
シ基などのアルコキシ基、シアノ基が挙げられる。Ar
4 およびAr5 は、それぞれ独立に置換あるいは無置換
の炭素数6〜20のアリーレン基(例えば、フェニレン
基,ビフェニレン基,ナフチレン基,ターフェニレン基
など)である。該置換基としては、例えば、メチル基,
エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキ
ル基,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキ
シ基などのアルコキシ基が挙げられる。また、R1 およ
びR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基,
置換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリール基(例
えば、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基など)で
ある。該置換基としては、例えば、メチル基,エチル
基,イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキル基、
メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基な
どのアルコキシ基、シアノ基が挙げられる。R3 および
R4 は、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子(I,
Cl,Br,Fなど),炭素数1〜6のアルキル基,置
換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリール基(例え
ば、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基など)であ
る。該置換基としては、例えば、メチル基,エチル基,
イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキル基,メト
キシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などの
アルコキシ基が挙げられる。また、R5 およびR6 は、
それぞれ独立に水素原子,トリフルオロメチル基,炭素
数1〜6のアルキル基,置換あるいは無置換の炭素数6
〜12のアリール基(例えば、フェニル基,ビフェニル
基など)である。該置換基としては、例えば、メチル
基,エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基などのア
ルキル基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブ
トキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。R7 は、置
換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリール基(例え
ば、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基など)であ
る。該置換基としては、例えば、メチル基,エチル基,
イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキル基、メト
キシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などの
アルコキシ基が挙げられる。さらに、rは4〜10の整
数であり、好ましくは5〜7である。sは2〜10の整
数であり、好ましくは2〜6の整数である。
により、本発明で用いられる特定のジアリーレンビニレ
ンアリーレン骨格を保有する分子は、優れたEL性能を
有すると共に薄膜性に優れ、それからなるEL素子は高
輝度の青色発光を呈することが可能である。ここで、青
色発光が可能であれば、赤,オレンジ,緑,黄,白等の
種々の発光が、公知技術、例えば蛍光色素のドープ方法
や蛍光フィルムによる蛍光変換方法等により可能とな
る。上記特定のジアリーレンビニレンアリーレン骨格
は、一般式(I)で表される繰り返し単位Aに含まれる
ものである。本発明で用いられるポリカーボネート
(共)重合体は、様々な構造のものがあるが、好ましく
は繰り返し単位Aのみからなるもの、または繰り返し単
位Aおよび一般式(II)で表される繰り返し単位Bから
なるものが挙げられる。上述の一般式(I)におけるA
r1 〜Ar3 は、それぞれ独立に置換あるいは無置換の
炭素数6〜20のアリーレン基(例えば、フェニレン
基,ビフェニレン基,ナフチレン基,ターフェニレン基
など)である。該置換基としては、例えば、メチル基,
エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキ
ル基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキ
シ基などのアルコキシ基、シアノ基が挙げられる。Ar
4 およびAr5 は、それぞれ独立に置換あるいは無置換
の炭素数6〜20のアリーレン基(例えば、フェニレン
基,ビフェニレン基,ナフチレン基,ターフェニレン基
など)である。該置換基としては、例えば、メチル基,
エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキ
ル基,メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキ
シ基などのアルコキシ基が挙げられる。また、R1 およ
びR2 は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基,
置換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリール基(例
えば、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基など)で
ある。該置換基としては、例えば、メチル基,エチル
基,イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキル基、
メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基な
どのアルコキシ基、シアノ基が挙げられる。R3 および
R4 は、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子(I,
Cl,Br,Fなど),炭素数1〜6のアルキル基,置
換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリール基(例え
ば、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基など)であ
る。該置換基としては、例えば、メチル基,エチル基,
イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキル基,メト
キシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などの
アルコキシ基が挙げられる。また、R5 およびR6 は、
それぞれ独立に水素原子,トリフルオロメチル基,炭素
数1〜6のアルキル基,置換あるいは無置換の炭素数6
〜12のアリール基(例えば、フェニル基,ビフェニル
基など)である。該置換基としては、例えば、メチル
基,エチル基,イソプロピル基,t−ブチル基などのア
ルキル基、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブ
トキシ基などのアルコキシ基が挙げられる。R7 は、置
換あるいは無置換の炭素数6〜20のアリール基(例え
ば、フェニル基,ビフェニル基,ナフチル基など)であ
る。該置換基としては、例えば、メチル基,エチル基,
イソプロピル基,t−ブチル基などのアルキル基、メト
キシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などの
アルコキシ基が挙げられる。さらに、rは4〜10の整
数であり、好ましくは5〜7である。sは2〜10の整
数であり、好ましくは2〜6の整数である。
【0028】上述の一般式(II)におけるR8 およびR
9 は、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子(I,C
l,Br,Fなど),炭素数1〜6のアルキル基,置換
あるいは無置換の炭素数6〜12のアリール基(例え
ば、フェニル基,ビフェニル基など)である。該置換基
としては、例えば、メチル基,エチル基,イソプロピル
基,t−ブチル基などのアルキル基,メトキシ基,エト
キシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアルコキシ基
が挙げられる。R10およびR11は、それぞれ独立に水素
原子,トリフルオロメチル基,炭素数1〜6のアルキル
基,置換あるいは無置換の炭素数6〜12のアリール基
(例えば、フェニル基,ビフェニル基など)である。該
置換基としては、例えば、メチル基,エチル基,イソプ
ロピル基,t−ブチル基などのアルキル基、メトキシ
基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアル
コキシ基が挙げられる。R7 は、置換あるいは無置換の
炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基,ビ
フェニル基,ナフチル基など)である。該置換基として
は、例えば、メチル基,エチル基,イソプロピル基,t
−ブチル基などのアルキル基,メトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアルコキシ基が挙
げられる。さらに、tは4〜10の整数であり、好まし
くは5〜7である。uは2〜10の整数であり、好まし
くは2〜6の整数である。この繰り返し単位Aを構成す
るものは、下記一般式(III)
9 は、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子(I,C
l,Br,Fなど),炭素数1〜6のアルキル基,置換
あるいは無置換の炭素数6〜12のアリール基(例え
ば、フェニル基,ビフェニル基など)である。該置換基
としては、例えば、メチル基,エチル基,イソプロピル
基,t−ブチル基などのアルキル基,メトキシ基,エト
キシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアルコキシ基
が挙げられる。R10およびR11は、それぞれ独立に水素
原子,トリフルオロメチル基,炭素数1〜6のアルキル
基,置換あるいは無置換の炭素数6〜12のアリール基
(例えば、フェニル基,ビフェニル基など)である。該
置換基としては、例えば、メチル基,エチル基,イソプ
ロピル基,t−ブチル基などのアルキル基、メトキシ
基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアル
コキシ基が挙げられる。R7 は、置換あるいは無置換の
炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基,ビ
フェニル基,ナフチル基など)である。該置換基として
は、例えば、メチル基,エチル基,イソプロピル基,t
−ブチル基などのアルキル基,メトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基などのアルコキシ基が挙
げられる。さらに、tは4〜10の整数であり、好まし
くは5〜7である。uは2〜10の整数であり、好まし
くは2〜6の整数である。この繰り返し単位Aを構成す
るものは、下記一般式(III)
【0029】
【化20】
【0030】(式中、Ar1 〜Ar3 ,R1 およびR2
は前記と同じである。)で表されるジヒドロキシ化合物
である。このジヒドロキシ化合物としては、種々あるが
以下の具体例を挙げることができる。
は前記と同じである。)で表されるジヒドロキシ化合物
である。このジヒドロキシ化合物としては、種々あるが
以下の具体例を挙げることができる。
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】また、繰り返し単位Bを構成するものは、
下記一般式(IV)
下記一般式(IV)
【0035】
【化24】
【0036】(式中、R8 ,R9 ,pおよびqは前記と
同じである。)で表されるジヒドロキシ化合物である。
このジヒドロキシ化合物としては、種々あるが以下の具
体例を挙げることができる。ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン;4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタ
ン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン;2−(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン;1,1−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;4,4’−ジヒ
ドロキシフェニル;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(2−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)エタン;1,1−ビス(2−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロパン;1,1−ビス(2−tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;1,1
−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)イソブタン;1,1−ビス(2−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
ヘプタン;1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタ
ン;1,1−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ブタン;ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;2,2−ビ
ス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジフ
ルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−
4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン;2,
2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン;1−フェニル−1,1−ビ
ス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン;
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル;4,4’−ジヒドロキシビフェニル;3,3’−ジ
フルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル;1,1
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン;2,2−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1
−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−ジフェニルメタンなどを挙げることがで
きる。このうち好適なものとしては、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン;4,4’−ジヒドロ
キシテトラフェニルメタン;1−フェニル−1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン;1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン;2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;4,4’−
ジヒドロキシビフェニル;2,2−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。また、得
られるポリカーボネート(共)重合体の還元粘度(η
SP/C)は、0.2dl/g(溶媒:塩化メチレン,濃度:
0.5g/dl,20℃)以上、好ましくは0.2〜2.5d
l/gである。ここで、0.2未満の場合は、機械的強度
が低下する。
同じである。)で表されるジヒドロキシ化合物である。
このジヒドロキシ化合物としては、種々あるが以下の具
体例を挙げることができる。ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン;4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタ
ン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン;2−(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン;ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン;1,1−ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;4,4’−ジヒ
ドロキシフェニル;2,2−ビス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(2−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)エタン;1,1−ビス(2−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロパン;1,1−ビス(2−tert−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン;1,1
−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)イソブタン;1,1−ビス(2−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
ヘプタン;1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタ
ン;1,1−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)ブタン;ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;2,2−ビ
ス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジフ
ルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−ブロモ−
4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン;2,
2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン;1−フェニル−1,1−ビ
ス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン;
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル;4,4’−ジヒドロキシビフェニル;3,3’−ジ
フルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル;1,1
−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン;2,2−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1
−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン;ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−ジフェニルメタンなどを挙げることがで
きる。このうち好適なものとしては、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン;4,4’−ジヒドロ
キシテトラフェニルメタン;1−フェニル−1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン;1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン;2,2−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;4,4’−
ジヒドロキシビフェニル;2,2−ビス(3−フェニル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。また、得
られるポリカーボネート(共)重合体の還元粘度(η
SP/C)は、0.2dl/g(溶媒:塩化メチレン,濃度:
0.5g/dl,20℃)以上、好ましくは0.2〜2.5d
l/gである。ここで、0.2未満の場合は、機械的強度
が低下する。
【0037】本発明で用いられるポリカーボネート
(共)重合体の製造方法としては、特に制限はなく公知
の方法に準じて各種の方法によって製造することができ
る。好ましい方法としては、上記一般式(III)で表され
るジアリーレンルビニレンアリーレン骨格を有するジヒ
ドロキシ化合物またはこのジヒドロキシ化合物と上記一
般式(IV)で表されるジヒドロキシ化合物を炭酸エステ
ル形成性化合物とを反応させることにより行われる。こ
こで、炭酸エステル形成性化合物としては、通常のポリ
カーボネートの製造分野において使用される種々のもの
を用いることができる。例えば、ホスゲン等のジハロゲ
ン化カルボニル、クロロホルメート化合物等のハロホル
メート類、炭酸エステル化合物等を挙げることができ
る。これらの中で、特に好ましいものはホスゲンであ
る。
(共)重合体の製造方法としては、特に制限はなく公知
の方法に準じて各種の方法によって製造することができ
る。好ましい方法としては、上記一般式(III)で表され
るジアリーレンルビニレンアリーレン骨格を有するジヒ
ドロキシ化合物またはこのジヒドロキシ化合物と上記一
般式(IV)で表されるジヒドロキシ化合物を炭酸エステ
ル形成性化合物とを反応させることにより行われる。こ
こで、炭酸エステル形成性化合物としては、通常のポリ
カーボネートの製造分野において使用される種々のもの
を用いることができる。例えば、ホスゲン等のジハロゲ
ン化カルボニル、クロロホルメート化合物等のハロホル
メート類、炭酸エステル化合物等を挙げることができ
る。これらの中で、特に好ましいものはホスゲンであ
る。
【0038】本発明で用いるポリカーボネート(共)重
合体は、例えば上記一般式(III)で表されるジヒドロキ
シ化合物の1種または2種以上と前記炭酸エステル形成
性化合物の少なくとも1種と反応させ、あるいは、前記
一般式(III)で表されるジヒドロキシ化合物の1種また
は2種以上と前記一般式(IV)で表されるジヒドロキシ
化合物の1種または2種以上と前記炭酸エステル形成性
化合物の少なくとも1種と反応させることによって製造
することができる。ここで、用いる一般式(III)で表さ
れるジヒドロキシ化合物と一般式(IV)で表されるジヒ
ドロキシ化合物の割合を適宜選定することにより、繰り
返し単位AとBの割合(モル比)を調節することができ
る。本発明で用いるポリカーボネート(共)重合体には
ジアリーレンビニレンアリーレン骨格を有する繰り返し
単位Aは必須であり、その含有量は通常1〜100モル
%であり、好ましくは10〜80モル%である。反応条
件は、特に制限はなく、例えば炭酸エステル形成性化合
物としてホスゲン等のジハロゲン化カルボニルまたはク
ロロホルメート等のハロメート類を用いる場合、反応は
適当な溶媒中、酸受容体(例えば、アルカリ金属水酸化
物やアルカリ金属炭酸塩等の水溶性アルカリ金属化合物
あるいは有機塩基等)の存在下で行うことができる。ア
ルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩においては、
種々のものを用いることができるが、経済的な面から、
通常、水酸化ナトリウム水溶液,水酸化カリウム水溶
液,炭酸ナトリウム水溶液,炭酸カリウム水溶液等が好
適に用いられる。また、上記炭酸エステル形成性化合物
の使用割合は、反応の化学量論比を考慮して適宜調製す
ればよい。ホスゲン等のガス状炭酸エステル形成性化合
物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適
である。同様に前記酸受容体の使用割合も、反応の化学
量論比を考慮して適宜調製すればよい。具体的には、一
般式(III)および(IV)で表されるジヒドロキシ化合物
の合計モル数に対して2当量若しくはこれより若干過剰
量の酸受容体を用いるのが好ましい。
合体は、例えば上記一般式(III)で表されるジヒドロキ
シ化合物の1種または2種以上と前記炭酸エステル形成
性化合物の少なくとも1種と反応させ、あるいは、前記
一般式(III)で表されるジヒドロキシ化合物の1種また
は2種以上と前記一般式(IV)で表されるジヒドロキシ
化合物の1種または2種以上と前記炭酸エステル形成性
化合物の少なくとも1種と反応させることによって製造
することができる。ここで、用いる一般式(III)で表さ
れるジヒドロキシ化合物と一般式(IV)で表されるジヒ
ドロキシ化合物の割合を適宜選定することにより、繰り
返し単位AとBの割合(モル比)を調節することができ
る。本発明で用いるポリカーボネート(共)重合体には
ジアリーレンビニレンアリーレン骨格を有する繰り返し
単位Aは必須であり、その含有量は通常1〜100モル
%であり、好ましくは10〜80モル%である。反応条
件は、特に制限はなく、例えば炭酸エステル形成性化合
物としてホスゲン等のジハロゲン化カルボニルまたはク
ロロホルメート等のハロメート類を用いる場合、反応は
適当な溶媒中、酸受容体(例えば、アルカリ金属水酸化
物やアルカリ金属炭酸塩等の水溶性アルカリ金属化合物
あるいは有機塩基等)の存在下で行うことができる。ア
ルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩においては、
種々のものを用いることができるが、経済的な面から、
通常、水酸化ナトリウム水溶液,水酸化カリウム水溶
液,炭酸ナトリウム水溶液,炭酸カリウム水溶液等が好
適に用いられる。また、上記炭酸エステル形成性化合物
の使用割合は、反応の化学量論比を考慮して適宜調製す
ればよい。ホスゲン等のガス状炭酸エステル形成性化合
物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適
である。同様に前記酸受容体の使用割合も、反応の化学
量論比を考慮して適宜調製すればよい。具体的には、一
般式(III)および(IV)で表されるジヒドロキシ化合物
の合計モル数に対して2当量若しくはこれより若干過剰
量の酸受容体を用いるのが好ましい。
【0039】前記溶媒としては、公知のポリカーボネー
トの製造の際に用いられる各種の溶媒を1種単独である
いは混合溶媒として用いればよい。代表的な例として
は、塩化メチレン等のハロゲン化合物炭化水素,テトラ
ヒドロフラン(THF)等の溶媒が好ましい。さらに、
この反応を行うに際して、所望に応じて分子量調節剤
(モノフェノール類等の架橋剤等)や反応促進剤(アル
キルアミン等)を添加し分子量および反応速度の調節を
行ってもよい。この反応における反応温度は、通常0〜
150℃、好ましくは0〜40℃である。反応圧力は、
減圧,常圧,加圧のいずれでも可能であるが、通常は常
圧若しくは反応系の自圧程度がよい。反応時間は、通常
0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間程度であ
る。反応方式は、連続法,半連続法,回分法のいずれで
もよい。
トの製造の際に用いられる各種の溶媒を1種単独である
いは混合溶媒として用いればよい。代表的な例として
は、塩化メチレン等のハロゲン化合物炭化水素,テトラ
ヒドロフラン(THF)等の溶媒が好ましい。さらに、
この反応を行うに際して、所望に応じて分子量調節剤
(モノフェノール類等の架橋剤等)や反応促進剤(アル
キルアミン等)を添加し分子量および反応速度の調節を
行ってもよい。この反応における反応温度は、通常0〜
150℃、好ましくは0〜40℃である。反応圧力は、
減圧,常圧,加圧のいずれでも可能であるが、通常は常
圧若しくは反応系の自圧程度がよい。反応時間は、通常
0.5分〜10時間、好ましくは1分〜2時間程度であ
る。反応方式は、連続法,半連続法,回分法のいずれで
もよい。
【0040】以上のようにして薄膜化されたポリカーボ
ネート(共)重合体は、EL機能を有するジアリーレン
ビニレンアリーレン骨格とジヒドロキシ化合物を結合さ
せ重合体化したことにより、優れたEL機能を有すると
ともに薄膜性および熱安定性の改良が達成されている。
すなわち、結晶化などにより薄膜が破壊されることな
く、経時変化が極めて少ない。
ネート(共)重合体は、EL機能を有するジアリーレン
ビニレンアリーレン骨格とジヒドロキシ化合物を結合さ
せ重合体化したことにより、優れたEL機能を有すると
ともに薄膜性および熱安定性の改良が達成されている。
すなわち、結晶化などにより薄膜が破壊されることな
く、経時変化が極めて少ない。
【0041】このような薄膜維持能を有したポリカーボ
ネート(共)重合体は、有機EL素子において発光層お
よび/または正孔注入層として用いることができる。こ
こで、ポリカーボネートを正孔注入層として用いた場合
は、ポリカーボネート層よりEL発光は起こらない。一
方、発光層として用いる場合は、ポリカーボネート層よ
りEL発光をする。これは次のような事情による。電子
注入層として、陽極側より輸送される正孔を通さない正
孔障壁性を有する化合物をポリカーボネート層と陰極の
間に挿入して用いた場合、上記ポリカーボネート(共)
重合体よりなる発光層内に正孔が蓄積され、電子注入層
より供給される電子と結合することによりEL発光が生
じることになる。一方、蛍光性を有し、正孔障壁性を持
たず、電子輸送性の化合物を該ポリカーボネート(共)
重合体に積層した場合、該ポリカーボネート(共)重合
体は正孔注入層となり積層した化合物が発光層となる。
従って本発明の有機EL素子において、このポリカーボ
ネート(共)重合体は、適宜、発光層にも正孔注入層に
も用いることができる。すなわち、エレクトロルミネッ
センス機能を有する発光材料にも、正孔注入材料(正孔
伝達化合物)にも用いることができる。
ネート(共)重合体は、有機EL素子において発光層お
よび/または正孔注入層として用いることができる。こ
こで、ポリカーボネートを正孔注入層として用いた場合
は、ポリカーボネート層よりEL発光は起こらない。一
方、発光層として用いる場合は、ポリカーボネート層よ
りEL発光をする。これは次のような事情による。電子
注入層として、陽極側より輸送される正孔を通さない正
孔障壁性を有する化合物をポリカーボネート層と陰極の
間に挿入して用いた場合、上記ポリカーボネート(共)
重合体よりなる発光層内に正孔が蓄積され、電子注入層
より供給される電子と結合することによりEL発光が生
じることになる。一方、蛍光性を有し、正孔障壁性を持
たず、電子輸送性の化合物を該ポリカーボネート(共)
重合体に積層した場合、該ポリカーボネート(共)重合
体は正孔注入層となり積層した化合物が発光層となる。
従って本発明の有機EL素子において、このポリカーボ
ネート(共)重合体は、適宜、発光層にも正孔注入層に
も用いることができる。すなわち、エレクトロルミネッ
センス機能を有する発光材料にも、正孔注入材料(正孔
伝達化合物)にも用いることができる。
【0042】上記正孔障壁性を有する電子注入層とし
て、好ましく用いられる化合物は、一般式(V)または
(VI)
て、好ましく用いられる化合物は、一般式(V)または
(VI)
【0043】
【化25】
【0044】(式中、Ar6 〜Ar10はそれぞれ独立に
置換または無置換のアリール基を示し、Ar9 は置換ま
たは無置換のアリーレン基を示す。)で表される電子伝
達化合物が挙げられる。ここで、アリール基としてはフ
ェニル基,ナフチル基,ビフェニル基,アントラニル
基,ペリレニル基,ピレニル基等が挙げられ、アリーレ
ン基としてはフェニレン基,ナフチレン基,ビフェニレ
ン基,アントラセニレン基,ペリレニレン基,ピレニレ
ン基等が挙げられる。また、置換基としては炭素数1〜
10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基また
はシアノ基等が挙げられる。この一般式(V)または
(VI)で表される化合物は、薄膜形成性のものが好まし
い。
置換または無置換のアリール基を示し、Ar9 は置換ま
たは無置換のアリーレン基を示す。)で表される電子伝
達化合物が挙げられる。ここで、アリール基としてはフ
ェニル基,ナフチル基,ビフェニル基,アントラニル
基,ペリレニル基,ピレニル基等が挙げられ、アリーレ
ン基としてはフェニレン基,ナフチレン基,ビフェニレ
ン基,アントラセニレン基,ペリレニレン基,ピレニレ
ン基等が挙げられる。また、置換基としては炭素数1〜
10のアルキル基,炭素数1〜10のアルコキシ基また
はシアノ基等が挙げられる。この一般式(V)または
(VI)で表される化合物は、薄膜形成性のものが好まし
い。
【0045】一般式(V)または(VI)で表される化合
物の具体例としては、
物の具体例としては、
【0046】
【化26】
【0047】
【化27】
【0048】
【化28】
【0049】等が挙げられる。
【0050】本発明の有機EL素子の構成は各種の態様
があるが、基本的には、一対の電極(陽極と陰極)間
に、発光層を挟持した構成とし、これに必要に応じて、
正孔注入輸送層(正孔注入層)や電子注入輸送層(電子
注入層)を介在させればよい。具体的には(1)陽極/
発光層/陰極,(2)陽極/正孔注入輸送層/発光層/
陰極,(3)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入
輸送層/陰極,(4)陽極/発光層/電子注入輸送層/
陰極などの構成を挙げることができる。該正孔注入輸送
層や電子注入輸送層は必ずしも必要ではないが、これら
の層があると、発光性能が一段と向上する。また、前記
構成の素子においては、いずれも基板に支持されている
ことが好ましく、該基板については特に制限はなく、従
来有機EL素子に慣用されているもの、例えばガラス,
透明プラスチック,石英などから成るものを用いること
ができる。
があるが、基本的には、一対の電極(陽極と陰極)間
に、発光層を挟持した構成とし、これに必要に応じて、
正孔注入輸送層(正孔注入層)や電子注入輸送層(電子
注入層)を介在させればよい。具体的には(1)陽極/
発光層/陰極,(2)陽極/正孔注入輸送層/発光層/
陰極,(3)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入
輸送層/陰極,(4)陽極/発光層/電子注入輸送層/
陰極などの構成を挙げることができる。該正孔注入輸送
層や電子注入輸送層は必ずしも必要ではないが、これら
の層があると、発光性能が一段と向上する。また、前記
構成の素子においては、いずれも基板に支持されている
ことが好ましく、該基板については特に制限はなく、従
来有機EL素子に慣用されているもの、例えばガラス,
透明プラスチック,石英などから成るものを用いること
ができる。
【0051】本発明の有機EL素子における陽極として
は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気
伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするも
のが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例
としては、Auなどの金属,Cu,I,ITO,SnO
2 ,ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。該陽極
は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方
法により、膜厚を形成させることにより作製することが
できる。この電極より発光を取り出す場合には、透過率
を10%より大きくすることが望ましく、また、電極と
してのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに
膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm,特に5
0〜150nmの範囲が好ましい。
は、仕事関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気
伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするも
のが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例
としては、Auなどの金属,Cu,I,ITO,SnO
2 ,ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。該陽極
は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方
法により、膜厚を形成させることにより作製することが
できる。この電極より発光を取り出す場合には、透過率
を10%より大きくすることが望ましく、また、電極と
してのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに
膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm,特に5
0〜150nmの範囲が好ましい。
【0052】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物およびこ
れらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この
ような電極物質の具体例としては、ナトリウム,ナトリ
ウム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネ
シウム/銅混合物,Al/AlO2 ,インジウム,希土
類金属などが挙げられる。該陰極はこれらの電極物質を
蒸着やスパッタリングなどの方法により、膜厚を形成さ
せることにより、作製することができる。また、電極と
してのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は
通常10nm〜1μm,特に50〜200nmの範囲が
好ましい。なお、本発明の素子においては、特に規定し
ないが、該陽極または陰極のいずれか一方が透明または
半透明であることが発光を透過し、取り出す効率がよい
ので好ましい。
(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物およびこ
れらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この
ような電極物質の具体例としては、ナトリウム,ナトリ
ウム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネ
シウム/銅混合物,Al/AlO2 ,インジウム,希土
類金属などが挙げられる。該陰極はこれらの電極物質を
蒸着やスパッタリングなどの方法により、膜厚を形成さ
せることにより、作製することができる。また、電極と
してのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は
通常10nm〜1μm,特に50〜200nmの範囲が
好ましい。なお、本発明の素子においては、特に規定し
ないが、該陽極または陰極のいずれか一方が透明または
半透明であることが発光を透過し、取り出す効率がよい
ので好ましい。
【0053】前記正孔注入輸送層に用いられる正孔伝達
化合物は、電界を与えられた2個の電極間に配置されて
陽極から正孔が注入された場合、該正孔を適切に発光層
へ伝達しうる化合物であって、例えば104 〜106 V
/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2 /V・秒の
正孔移動度をもつものが好適である。このような正孔伝
達化合物については、前記の好ましい性質を有するもの
であれば特に制限はなく、本発明で用いられるポリカー
ボネート(共)重合体の他に、従来、光導伝材料におい
て、正孔の電荷輸送材として慣用されているものやEL
素子の正孔注入輸送層に使用される公知のものの中から
任意のものを選択して用いることができる。
化合物は、電界を与えられた2個の電極間に配置されて
陽極から正孔が注入された場合、該正孔を適切に発光層
へ伝達しうる化合物であって、例えば104 〜106 V
/cmの電界印加時に、少なくとも10-6cm2 /V・秒の
正孔移動度をもつものが好適である。このような正孔伝
達化合物については、前記の好ましい性質を有するもの
であれば特に制限はなく、本発明で用いられるポリカー
ボネート(共)重合体の他に、従来、光導伝材料におい
て、正孔の電荷輸送材として慣用されているものやEL
素子の正孔注入輸送層に使用される公知のものの中から
任意のものを選択して用いることができる。
【0054】該電荷輸送材としては、例えばトリアゾー
ル誘導体(米国特許第3,112,197 号明細書等参照),オ
キサジアゾール誘導体(米国特許第3,189,447 号明細書
等参照),イミダゾール誘導体(特公昭37−1609
6号公報等参照),ポリアリールアルカン誘導体(米国
特許第3,615,402 号明細書,同3,820,989 号明細書,同
3,542,544 号明細書,特公昭45−555号公報,同5
1−10983号公報,特開昭51−93224号公
報,同55−17105号公報,同56−4148号公
報,同55−108667号公報,同55−15695
3号公報,同56−36656号公報等参照),ピラゾ
リン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,
729 号明細書,同4,278,746 号明細書,特開昭55−8
8064号公報,同55−88065号公報,同49−
105537号公報,同55−51086号公報,同5
6−80051号公報,同56−88141号公報,同
57−45545号公報,同54−112637号公
報,同55−74546号公報等参照),フェニレンジ
アミン誘導体(米国特許第3,615,404 号明細書,特公昭
51−10105号公報,同46−3712号公報,同
47−25336号公報,特開昭54−53435号公
報,同54−110536号公報,同54−11992
5号公報等参照),アリールアミン誘導体(米国特許第
3,567,450 号明細書,同3,180,703 号明細書,同3,240,
597 号明細書,同3,658,520 号明細書,同4,232,103 号
明細書,同4,175,961 号明細書,同4,012,376 号明細
書,特公昭49−35702号公報,同39−2757
7号公報,特開昭55−144250号公報,同56−
119132号公報,同56−22437号公報,西独
特許第1,110,518 号明細書等参照),アミノ置換カルコ
ン誘導体(米国特許第3,526,501 号明細書等参照),オ
キサゾール誘導体(米国特許第3,257,203 号明細書など
に記載のもの),スチリルアントラセン誘導体(特開昭
56−46234号公報等参照),フルオレノン誘導体
(特開昭54−110837号公報等参照),ヒドラゾ
ン誘導体(米国特許第3,717,462 号明細書,特開昭54
−59143号公報,同55−52063号公報,同5
5−52064号公報,同55−46760号公報,同
55−85495号公報,同57−11350号公報,
同57−148749号公報等参照),スチルベン誘導
体(特開昭61−210363号公報,同61−228
451号公報,同61−14642号公報,同61−7
2255号公報,同62−47646号公報,同62−
36674号公報,同62−10652号公報,同62
−30255号公報,同60−93445号公報,同6
0−94462号公報,同60−174749号公報,
同60−175052号公報等参照)などを挙げること
ができる。
ル誘導体(米国特許第3,112,197 号明細書等参照),オ
キサジアゾール誘導体(米国特許第3,189,447 号明細書
等参照),イミダゾール誘導体(特公昭37−1609
6号公報等参照),ポリアリールアルカン誘導体(米国
特許第3,615,402 号明細書,同3,820,989 号明細書,同
3,542,544 号明細書,特公昭45−555号公報,同5
1−10983号公報,特開昭51−93224号公
報,同55−17105号公報,同56−4148号公
報,同55−108667号公報,同55−15695
3号公報,同56−36656号公報等参照),ピラゾ
リン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,
729 号明細書,同4,278,746 号明細書,特開昭55−8
8064号公報,同55−88065号公報,同49−
105537号公報,同55−51086号公報,同5
6−80051号公報,同56−88141号公報,同
57−45545号公報,同54−112637号公
報,同55−74546号公報等参照),フェニレンジ
アミン誘導体(米国特許第3,615,404 号明細書,特公昭
51−10105号公報,同46−3712号公報,同
47−25336号公報,特開昭54−53435号公
報,同54−110536号公報,同54−11992
5号公報等参照),アリールアミン誘導体(米国特許第
3,567,450 号明細書,同3,180,703 号明細書,同3,240,
597 号明細書,同3,658,520 号明細書,同4,232,103 号
明細書,同4,175,961 号明細書,同4,012,376 号明細
書,特公昭49−35702号公報,同39−2757
7号公報,特開昭55−144250号公報,同56−
119132号公報,同56−22437号公報,西独
特許第1,110,518 号明細書等参照),アミノ置換カルコ
ン誘導体(米国特許第3,526,501 号明細書等参照),オ
キサゾール誘導体(米国特許第3,257,203 号明細書など
に記載のもの),スチリルアントラセン誘導体(特開昭
56−46234号公報等参照),フルオレノン誘導体
(特開昭54−110837号公報等参照),ヒドラゾ
ン誘導体(米国特許第3,717,462 号明細書,特開昭54
−59143号公報,同55−52063号公報,同5
5−52064号公報,同55−46760号公報,同
55−85495号公報,同57−11350号公報,
同57−148749号公報等参照),スチルベン誘導
体(特開昭61−210363号公報,同61−228
451号公報,同61−14642号公報,同61−7
2255号公報,同62−47646号公報,同62−
36674号公報,同62−10652号公報,同62
−30255号公報,同60−93445号公報,同6
0−94462号公報,同60−174749号公報,
同60−175052号公報等参照)などを挙げること
ができる。
【0055】本発明においては、これらの化合物を正孔
伝達化合物として使用することができるが、次に示すポ
リフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報
などに記載のもの)および芳香族第三級アミン化合物お
よびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412 号明
細書,特開昭53−27033号公報,同54−584
45号公報,同54−149634号公報,同54−6
4299号公報,同55−79450号公報,同55−
144250号公報,同56−119132号公報,同
61−295558号公報,同61−98353号公
報,同63−295695号公報等参照),特に該芳香
族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
伝達化合物として使用することができるが、次に示すポ
リフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報
などに記載のもの)および芳香族第三級アミン化合物お
よびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412 号明
細書,特開昭53−27033号公報,同54−584
45号公報,同54−149634号公報,同54−6
4299号公報,同55−79450号公報,同55−
144250号公報,同56−119132号公報,同
61−295558号公報,同61−98353号公
報,同63−295695号公報等参照),特に該芳香
族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0056】該ポリフィリン化合物の代表例としては、
ポルフィン,1,10,15,20−テトラフェニル−
21H,23H−ポルフィン銅(II),1,10,1
5,20−テトラフェニル21H,23H−ポルフィン
亜銅(II),5,10,15,20−テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィン,
シリコンフタロシアニンオキシド,アルミニウムフタロ
シアニンクロリド,フタロシアニン(無金属),ジリチ
ウムフタロシアニン,銅テトラメチルフタロシアニン,
銅フタロシアニン,クロムフタロシアニン,亜鉛フタロ
シアニン,鉛フタロシアニン,チタニウムフタロシアニ
ンオキシド,マグネシウムフタロシアニン,銅オクタメ
チルフタロシアニンなどが挙げられる。
ポルフィン,1,10,15,20−テトラフェニル−
21H,23H−ポルフィン銅(II),1,10,1
5,20−テトラフェニル21H,23H−ポルフィン
亜銅(II),5,10,15,20−テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィン,
シリコンフタロシアニンオキシド,アルミニウムフタロ
シアニンクロリド,フタロシアニン(無金属),ジリチ
ウムフタロシアニン,銅テトラメチルフタロシアニン,
銅フタロシアニン,クロムフタロシアニン,亜鉛フタロ
シアニン,鉛フタロシアニン,チタニウムフタロシアニ
ンオキシド,マグネシウムフタロシアニン,銅オクタメ
チルフタロシアニンなどが挙げられる。
【0057】また該芳香族第三級アミン化合物およびス
チリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,
N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル,
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェ
ニル)−4,4’−ジアミノビフェニル,2,2−ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロ
ヘキサン,N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−
4,4’−ジアミノビフェニル,1,1−ビス(4−ジ
−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘ
キサン,ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)フェニルメタン,ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)フェニルメタン,N,N’−ジフェニル−
N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジ
アミノビフェニル,N,N,N’,N’−テトラフェニ
ル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル,4,4’
−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル,N,
N,N−トリ(p−トリル)アミン,4−(ジ−p−ト
リルアミノ)−4’−〔4(ジ−p−トリルアミノ)ス
チリル〕スチルベン,4−N,N−ジフェニルアミノ−
(2−ジフェニルビニル)ベンゼン,3−メトキシ−
4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン,N−
フェニルカルバゾールなどが挙げられる。
チリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,
N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル,
N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェ
ニル)−4,4’−ジアミノビフェニル,2,2−ビス
(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン,1,
1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロ
ヘキサン,N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−
4,4’−ジアミノビフェニル,1,1−ビス(4−ジ
−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘ
キサン,ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)フェニルメタン,ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)フェニルメタン,N,N’−ジフェニル−
N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジ
アミノビフェニル,N,N,N’,N’−テトラフェニ
ル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル,4,4’
−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル,N,
N,N−トリ(p−トリル)アミン,4−(ジ−p−ト
リルアミノ)−4’−〔4(ジ−p−トリルアミノ)ス
チリル〕スチルベン,4−N,N−ジフェニルアミノ−
(2−ジフェニルビニル)ベンゼン,3−メトキシ−
4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン,N−
フェニルカルバゾールなどが挙げられる。
【0058】本発明のEL素子における前記正孔注入輸
送層は、これらの正孔伝達化合物1種または2種以上か
ら成る一層で構成されていてもよいし、あるいは、前記
層とは別種の化合物から成る正孔注入輸送層を積層した
ものであってもよい。一方、前記(3)の構成のEL素
子における電子注入輸送層は、電子伝達化合物から成る
ものであって、陰極より注入された電子を発光層に伝達
する機能を有している。このような電子伝達化合物につ
いて特に制限はなく、従来公知の化合物の中から任意の
ものを選択して用いることができる。該電子伝達化合物
の好ましい例としては、
送層は、これらの正孔伝達化合物1種または2種以上か
ら成る一層で構成されていてもよいし、あるいは、前記
層とは別種の化合物から成る正孔注入輸送層を積層した
ものであってもよい。一方、前記(3)の構成のEL素
子における電子注入輸送層は、電子伝達化合物から成る
ものであって、陰極より注入された電子を発光層に伝達
する機能を有している。このような電子伝達化合物につ
いて特に制限はなく、従来公知の化合物の中から任意の
ものを選択して用いることができる。該電子伝達化合物
の好ましい例としては、
【0059】
【化29】
【0060】などのチオピランジオキシド誘導体、
【0061】
【化30】
【0062】などのジフェニルキノン誘導体〔「ポリマ
ー・プレプリント(Polymer Preprints ),ジャパン」
第37巻,第3号,第681ページ(1988年)など
に記載のもの〕,あるいは
ー・プレプリント(Polymer Preprints ),ジャパン」
第37巻,第3号,第681ページ(1988年)など
に記載のもの〕,あるいは
【0063】
【化31】
【0064】などの化合物〔「ジャパニーズ・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィヂィクス(J.J.Appl.Phy
s.) 」第27巻,L269(1988年)等参照〕や、
アントラキノジメタン誘導体(特開昭57−14925
9号公報,同58−55450号公報,同61−225
151号公報,同61−233750号公報,同63−
104061号公報等参照),フレオレニリデンメタン
誘導体(特開昭60−69657号公報,同61−14
3764号公報,同61−148159号公報等参
照),アントロン誘導体(特開昭61−225151号
公報,同61−233750号公報等参照)
ル・オブ・アプライド・フィヂィクス(J.J.Appl.Phy
s.) 」第27巻,L269(1988年)等参照〕や、
アントラキノジメタン誘導体(特開昭57−14925
9号公報,同58−55450号公報,同61−225
151号公報,同61−233750号公報,同63−
104061号公報等参照),フレオレニリデンメタン
誘導体(特開昭60−69657号公報,同61−14
3764号公報,同61−148159号公報等参
照),アントロン誘導体(特開昭61−225151号
公報,同61−233750号公報等参照)
【0065】
【化32】
【0066】「Appl.Phys.Lett. 」第55巻,第148
9ページ(1989年)に開示されているオキサジアソ
ール誘導体などを挙げることができる。特に好ましい例
としては、前記正孔障壁性を有する電子注入層用の化合
物である一般式(VI)または一般式(VII)の化合物であ
る。次に、本発明の有機EL素子を作製する好適な方法
の例を、各構成の素子それぞれについて説明する。前記
の陽極/発光層/陰極から成るEL素子の作製法につい
て説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質,
例えば陽極用物質から成る薄膜を、1μm以下,好まし
くは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着
やスパッタリングなどの方法により、形成させ、陽極を
作製したのち、この上に発光材料である化合物の薄膜を
形成させ、発光層を設ける。該発光材料の薄膜化の方法
としては、例えばスピンコート法,キャスト法,LB
法,蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、か
つピンホールが生成しにくいなどの点から、本発明のポ
リカーボネート重合体に対してはスピンコート法が好ま
しい。次にこの発光層の形成後、その上に陰極用物質か
ら成る薄膜を、1μm以下、好ましくは50〜200n
mの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリ
ングなどの方法により、形成させ、陰極を設けることに
より、所望の有機EL素子が得られる。なお、このEL
素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極,発
光層,陽極の順に作製することも可能である。
9ページ(1989年)に開示されているオキサジアソ
ール誘導体などを挙げることができる。特に好ましい例
としては、前記正孔障壁性を有する電子注入層用の化合
物である一般式(VI)または一般式(VII)の化合物であ
る。次に、本発明の有機EL素子を作製する好適な方法
の例を、各構成の素子それぞれについて説明する。前記
の陽極/発光層/陰極から成るEL素子の作製法につい
て説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質,
例えば陽極用物質から成る薄膜を、1μm以下,好まし
くは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着
やスパッタリングなどの方法により、形成させ、陽極を
作製したのち、この上に発光材料である化合物の薄膜を
形成させ、発光層を設ける。該発光材料の薄膜化の方法
としては、例えばスピンコート法,キャスト法,LB
法,蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、か
つピンホールが生成しにくいなどの点から、本発明のポ
リカーボネート重合体に対してはスピンコート法が好ま
しい。次にこの発光層の形成後、その上に陰極用物質か
ら成る薄膜を、1μm以下、好ましくは50〜200n
mの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリ
ングなどの方法により、形成させ、陰極を設けることに
より、所望の有機EL素子が得られる。なお、このEL
素子の作製においては、作製順序を逆にして、陰極,発
光層,陽極の順に作製することも可能である。
【0067】次に、陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰
極から成るEL素子の作製法について説明すると、ま
ず、陽極を前記のEL素子の場合と同様にして形成した
のち、その上に、正孔伝達化合物から成る薄膜をスピン
コート法,蒸着法などにより形成し、正孔注入輸送層を
設ける。この際の条件は、前記発光材料の薄膜形成の条
件に準じればよい。次に、この正孔注入輸送層の上に、
順次発光層および陰極を、前記EL素子の作製の場合と
同様にして設けることにより、所望のEL素子が得られ
る。なお、このEL素子の作製においても、作製順序を
逆にして、陰極,発光層,正孔注入輸送層,陽極の順に
作製することも可能である。さらに、陽極/正孔注入輸
送層/発光層/電子注入輸送層/陰極から成るEL素子
の作製法について説明すると、まず、前記のEL素子の
作製の場合と同様にして、陽極,正孔注入輸送層,発光
層を順次設けたのち、この発光層の上に、電子伝達化合
物から成る薄膜をスピンコート法,蒸着法などにより形
成して、電子注入輸送層を設け、次いでこの上に、陰極
を前記EL素子の作製の場合と同様にして設けることに
より、所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子
の作製においても、作製順序を逆にして、陽極,電子注
入輸送層,発光層,正孔注入輸送層,陽極の順に作製し
てもよい。
極から成るEL素子の作製法について説明すると、ま
ず、陽極を前記のEL素子の場合と同様にして形成した
のち、その上に、正孔伝達化合物から成る薄膜をスピン
コート法,蒸着法などにより形成し、正孔注入輸送層を
設ける。この際の条件は、前記発光材料の薄膜形成の条
件に準じればよい。次に、この正孔注入輸送層の上に、
順次発光層および陰極を、前記EL素子の作製の場合と
同様にして設けることにより、所望のEL素子が得られ
る。なお、このEL素子の作製においても、作製順序を
逆にして、陰極,発光層,正孔注入輸送層,陽極の順に
作製することも可能である。さらに、陽極/正孔注入輸
送層/発光層/電子注入輸送層/陰極から成るEL素子
の作製法について説明すると、まず、前記のEL素子の
作製の場合と同様にして、陽極,正孔注入輸送層,発光
層を順次設けたのち、この発光層の上に、電子伝達化合
物から成る薄膜をスピンコート法,蒸着法などにより形
成して、電子注入輸送層を設け、次いでこの上に、陰極
を前記EL素子の作製の場合と同様にして設けることに
より、所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子
の作製においても、作製順序を逆にして、陽極,電子注
入輸送層,発光層,正孔注入輸送層,陽極の順に作製し
てもよい。
【0068】このようにして得られた本発明の有機EL
素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+,陰極
を−の極性として電圧1〜30V程度を印加すると、発
光が透明または半透明の電極側より観測できる。また、
逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず発光は全く生
じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が
+,陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、
印加する交流の波形は任意でよい。
素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+,陰極
を−の極性として電圧1〜30V程度を印加すると、発
光が透明または半透明の電極側より観測できる。また、
逆の極性で電圧を印加しても電流は流れず発光は全く生
じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が
+,陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、
印加する交流の波形は任意でよい。
【0069】
【実施例】本発明を参考例,合成例,実施例および比較
例を用いて、さらに詳しく説明する。 参考例
例を用いて、さらに詳しく説明する。 参考例
【0070】
【化33】
【0071】の合成 アリーレン基含有リン化合物の合成 4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル9.0gと亜
リン酸トリエチル11gを、アルゴン気流下オイルバス
で、温度140℃で6時間加熱攪拌を行った。その後、
過剰の亜リン酸トリエチルおよび副生した臭化エチルを
減圧留去した。一晩放置後、白色結晶9.5g(収率80
%)を得た。このものの融点は97.0〜100.0℃であ
った。また、プロトン核磁気共鳴( 1H−NMR,溶
媒:CDCl3 )の分析結果は以下の通りである。 δ=7.0〜7.6ppm(m;8H,ビフェニレン環−
H) δ=4.0ppm(q;8H,エトキシ基メチレン−C
H) δ=3.1ppm(d;4H,J=20Hz(31P− 1H
カップリング)P−CH 2 ) δ=1.3ppm(t;12H,エトキシ基メチル−CH
3 ) 以上の結果から、上述の生成物は、下記式で表されるア
リーレン基含有リン化合物(ホスホン酸エステル)であ
ることが確認された。
リン酸トリエチル11gを、アルゴン気流下オイルバス
で、温度140℃で6時間加熱攪拌を行った。その後、
過剰の亜リン酸トリエチルおよび副生した臭化エチルを
減圧留去した。一晩放置後、白色結晶9.5g(収率80
%)を得た。このものの融点は97.0〜100.0℃であ
った。また、プロトン核磁気共鳴( 1H−NMR,溶
媒:CDCl3 )の分析結果は以下の通りである。 δ=7.0〜7.6ppm(m;8H,ビフェニレン環−
H) δ=4.0ppm(q;8H,エトキシ基メチレン−C
H) δ=3.1ppm(d;4H,J=20Hz(31P− 1H
カップリング)P−CH 2 ) δ=1.3ppm(t;12H,エトキシ基メチル−CH
3 ) 以上の結果から、上述の生成物は、下記式で表されるア
リーレン基含有リン化合物(ホスホン酸エステル)であ
ることが確認された。
【0072】
【化34】
【0073】
【0074】
【化35】
【0075】の合成 で合成したホスホン酸エステル6.2g( 0.016モ
ル)とカリウム−t−ブトキシド3.6( 0.03モル)と
4−メトキシベンゾフェノン6.3g( 0.03モル)を無
水ジメチルスルホキシド100ミリリットルに懸濁さ
せ、アルゴンガス雰囲気下、室温にて攪拌した。反応物
は赤色懸濁液を呈した。4時間攪拌した後、メタノール
50ミリリットル,水50ミリリットルを加えると黄色
沈澱が生じた。これをろ取し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し、3.2g(収率40%)の淡黄
色粉末を得た。,プロトン核磁気共鳴( 1H−NMR)
分析結果より目的物であることを確認した。
ル)とカリウム−t−ブトキシド3.6( 0.03モル)と
4−メトキシベンゾフェノン6.3g( 0.03モル)を無
水ジメチルスルホキシド100ミリリットルに懸濁さ
せ、アルゴンガス雰囲気下、室温にて攪拌した。反応物
は赤色懸濁液を呈した。4時間攪拌した後、メタノール
50ミリリットル,水50ミリリットルを加えると黄色
沈澱が生じた。これをろ取し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにて精製し、3.2g(収率40%)の淡黄
色粉末を得た。,プロトン核磁気共鳴( 1H−NMR)
分析結果より目的物であることを確認した。
【0076】
【化36】
【0077】の合成 で得られた化合物3.0g( 0.006モル)を、窒素導
入管を有する200ミリリットルフラスコへ入れ、塩化
メチレン50ミリリットルを導入した。溶液を冷却しな
がら、50ミリリットルの塩化メチレンに溶解した。三
臭化ホウ素1.2ミリリットル( 0.012モル)をゆっく
りと滴下した。滴下終了後、反応液を室温で3時間攪拌
した後、再び、冷却しながら、水50ミリリットルを少
量ずつ加えた。有機層を水50ミリリットルで3回洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過
後、溶媒を留去すると目的とする化合物3.0g(収率9
0%)が得られた。構造は 1H−NMR分析結果より確
認した。
入管を有する200ミリリットルフラスコへ入れ、塩化
メチレン50ミリリットルを導入した。溶液を冷却しな
がら、50ミリリットルの塩化メチレンに溶解した。三
臭化ホウ素1.2ミリリットル( 0.012モル)をゆっく
りと滴下した。滴下終了後、反応液を室温で3時間攪拌
した後、再び、冷却しながら、水50ミリリットルを少
量ずつ加えた。有機層を水50ミリリットルで3回洗浄
し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過
後、溶媒を留去すると目的とする化合物3.0g(収率9
0%)が得られた。構造は 1H−NMR分析結果より確
認した。
【0078】合成例1 濃度3規定の水酸化ナトリウム水溶液600ミリリット
ルに参考例と同様にして得られたジヒドロキシ化合物6
7.8g(0.125モル)と2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン28.5g(0.125モル)の溶液
および塩化メチレン250ミリリットルを1リットルの
フラスコに導入した。外部冷却により液温を10℃付近
に保持しながら反応液を激しく攪拌し、ホスゲンを34
0ミリリットル/分の割合で30分間吹き込んだ。その
後、1時間攪拌を続け重合を終了させた。反応終了後、
有機層に塩化メチレン500ミリリットルを加えて稀釈
し、水,稀塩酸,水の順に洗浄した後、メタノール中に
投入してポリカーボネート重合体を得た。得られた重合
体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶
液温度20℃における還元粘度(ηSP/C)が0.89dl
/gであった。また、この重合体の 1H−NMR,IR
スペクトルの結果を次に示す。1 H−NMR(溶媒:CD2 Cl2 ) δ(ppm)=1.70(6H,s),6.8〜7.5(34
H,m) この重合体の構造および組成は、以上のNMRスペクト
ル分析およびIRスペクトル分析より下記の繰り返し単
位および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
ルに参考例と同様にして得られたジヒドロキシ化合物6
7.8g(0.125モル)と2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン28.5g(0.125モル)の溶液
および塩化メチレン250ミリリットルを1リットルの
フラスコに導入した。外部冷却により液温を10℃付近
に保持しながら反応液を激しく攪拌し、ホスゲンを34
0ミリリットル/分の割合で30分間吹き込んだ。その
後、1時間攪拌を続け重合を終了させた。反応終了後、
有機層に塩化メチレン500ミリリットルを加えて稀釈
し、水,稀塩酸,水の順に洗浄した後、メタノール中に
投入してポリカーボネート重合体を得た。得られた重合
体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶
液温度20℃における還元粘度(ηSP/C)が0.89dl
/gであった。また、この重合体の 1H−NMR,IR
スペクトルの結果を次に示す。1 H−NMR(溶媒:CD2 Cl2 ) δ(ppm)=1.70(6H,s),6.8〜7.5(34
H,m) この重合体の構造および組成は、以上のNMRスペクト
ル分析およびIRスペクトル分析より下記の繰り返し単
位および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0079】
【化37】
【0080】合成例2 ホスホン酸エステルとして
【0081】
【化38】
【0082】を用いた以外は、参考例と同様にして下記
のジヒドロキシ化合物を合成した。
のジヒドロキシ化合物を合成した。
【0083】
【化39】
【0084】このジアリーレンビニレンアリーレン骨格
を有するジヒドロキシ化合物65.8g(0.125モル)
と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン33.5g(0.125モル)の溶液および塩化メチレ
ン250ミリリットルを1リットルのフラスコに導入し
た。外部冷却により液温を10℃付近に保持しながら反
応液を激しく攪拌し、ホスゲンを340ミリリットル/
分の割合で30分間吹き込んだ。その後、1時間攪拌を
続け重合を終了させた。反応終了後、有機層に塩化メチ
レン520ミリリットルを加えて稀釈し、水,稀塩酸,
水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポリカー
ボネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレ
ンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃にお
けるηSP/Cが0.6dl/gであった。ゲル浸透クロマト
グフィー(GPC)の測定により、得られたポリカーボ
ネート重合体の平均分子量(Mw)は25000であっ
た。また、この重合体の 1H−NMRスペクトルのグラ
フを図4に、IRのグラフを図5に、MSスペクトルの
グラフを図6にそれぞれ示す。この重合体の構造および
組成は、以上のスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
を有するジヒドロキシ化合物65.8g(0.125モル)
と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン33.5g(0.125モル)の溶液および塩化メチレ
ン250ミリリットルを1リットルのフラスコに導入し
た。外部冷却により液温を10℃付近に保持しながら反
応液を激しく攪拌し、ホスゲンを340ミリリットル/
分の割合で30分間吹き込んだ。その後、1時間攪拌を
続け重合を終了させた。反応終了後、有機層に塩化メチ
レン520ミリリットルを加えて稀釈し、水,稀塩酸,
水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポリカー
ボネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレ
ンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃にお
けるηSP/Cが0.6dl/gであった。ゲル浸透クロマト
グフィー(GPC)の測定により、得られたポリカーボ
ネート重合体の平均分子量(Mw)は25000であっ
た。また、この重合体の 1H−NMRスペクトルのグラ
フを図4に、IRのグラフを図5に、MSスペクトルの
グラフを図6にそれぞれ示す。この重合体の構造および
組成は、以上のスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0085】
【化40】
【0086】合成例3
【0087】
【化41】
【0088】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物95.6g(0.2モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン12.8g(0.05モル)を
用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート
重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒
とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるη
SP/Cが0.45dl/gであった。GPCの測定により、
得られたポリカーボネート重合体のMwは15000で
あった。この重合体の構造および組成は、 1H−NM
R,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物95.6g(0.2モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン12.8g(0.05モル)を
用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート
重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒
とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるη
SP/Cが0.45dl/gであった。GPCの測定により、
得られたポリカーボネート重合体のMwは15000で
あった。この重合体の構造および組成は、 1H−NM
R,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位
および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0089】
【化42】
【0090】合成例4
【0091】
【化43】
【0092】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物15.1モルと1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代
わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
1−ジフェニルメタン70.4g(0.20モル)を用いた
以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体
を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする
濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.
75dl/gであった。ゲル浸透クロマトグフィー(G
PC)の測定により、得られたポリカーボネート重合体
のMwは28000であった。この重合体の構造および
組成は、 1H−NMR,IR,MSスペクトル分析より
下記の繰り返し単位および組成からなるポリカーボネー
ト共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物15.1モルと1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代
わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
1−ジフェニルメタン70.4g(0.20モル)を用いた
以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体
を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする
濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.
75dl/gであった。ゲル浸透クロマトグフィー(G
PC)の測定により、得られたポリカーボネート重合体
のMwは28000であった。この重合体の構造および
組成は、 1H−NMR,IR,MSスペクトル分析より
下記の繰り返し単位および組成からなるポリカーボネー
ト共重合体であった。
【0093】
【化44】
【0094】合成例5
【0095】
【化45】
【0096】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物82.1g(0.125
モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンの代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン28.5g(0.125モル)を用いた以
外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体得
た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.4d
l/gであった。GPCの測定により、得られたポリカ
ーボネート重合体のMwは13000であった。この重
合体の構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSス
ペクトル分析より下記の繰り返し単位および組成からな
るポリカーボネート共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物82.1g(0.125
モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンの代わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン28.5g(0.125モル)を用いた以
外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体得
た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.4d
l/gであった。GPCの測定により、得られたポリカ
ーボネート重合体のMwは13000であった。この重
合体の構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSス
ペクトル分析より下記の繰り返し単位および組成からな
るポリカーボネート共重合体であった。
【0097】
【化46】
【0098】合成例6
【0099】
【化47】
【0100】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物71.2g(0.2モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン13.4g(0.05モル)を用いた以外は、合成
例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得た。得ら
れた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/
dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.79dl/g
であった。GPCの測定により、得られたポリカーボネ
ート重合体のMwは32000であった。この重合体の
構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSスペクト
ル分析より下記の繰り返し単位および組成からなるポリ
カーボネート共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物71.2g(0.2モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン13.4g(0.05モル)を用いた以外は、合成
例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得た。得ら
れた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/
dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.79dl/g
であった。GPCの測定により、得られたポリカーボネ
ート重合体のMwは32000であった。この重合体の
構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSスペクト
ル分析より下記の繰り返し単位および組成からなるポリ
カーボネート共重合体であった。
【0101】
【化48】
【0102】合成例7
【0103】
【化49】
【0104】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物13.7g(0.05モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサンの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1−ジフェニルメタン70.4g(0.20モ
ル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカーボ
ネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレン
を溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけ
るηSP/Cが0.4dl/gであった。GPCの測定によ
り、得られたポリカーボネート重合体のMwは1800
0であった。この重合体の構造および組成は、 1H−N
MR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単
位および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物13.7g(0.05モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサンの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1−ジフェニルメタン70.4g(0.20モ
ル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカーボ
ネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレン
を溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけ
るηSP/Cが0.4dl/gであった。GPCの測定によ
り、得られたポリカーボネート重合体のMwは1800
0であった。この重合体の構造および組成は、 1H−N
MR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単
位および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0105】
【化50】
【0106】合成例8
【0107】
【化51】
【0108】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物74.4g(0.2モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン44.6g(0.2モル)を用
いた以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重
合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒と
する濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/C
が0.7dl/gであった。GPCの測定により、得られ
たポリカーボネート重合体のMwは32000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物74.4g(0.2モ
ル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン44.6g(0.2モル)を用
いた以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重
合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒と
する濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/C
が0.7dl/gであった。GPCの測定により、得られ
たポリカーボネート重合体のMwは32000であっ
た。この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,I
R,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および
組成からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0109】
【化52】
【0110】合成例9
【0111】
【化53】
【0112】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物122.25g(0.1
25モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン32.25g(0.12
5モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカ
ーボネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチ
レンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃に
おけるηSP/Cが0.6dl/gであった。GPCの測定に
より、得られたポリカーボネート重合体のMwは240
00であった。この重合体の構造および組成は、 1H−
NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し
単位および組成からなるポリカーボネート共重合体であ
った。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物122.25g(0.1
25モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン32.25g(0.12
5モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカ
ーボネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチ
レンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃に
おけるηSP/Cが0.6dl/gであった。GPCの測定に
より、得られたポリカーボネート重合体のMwは240
00であった。この重合体の構造および組成は、 1H−
NMR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し
単位および組成からなるポリカーボネート共重合体であ
った。
【0113】
【化54】
【0114】合成例10
【0115】
【化55】
【0116】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物109.5g(0.12
5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン32.25g(0.125
モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカー
ボネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレ
ンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃にお
けるηSP/Cが0.4dl/gであった。GPCの測定によ
り、得られたポリカーボネート重合体のMwは1300
0であった。この重合体の構造および組成は、 1H−N
MR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単
位および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物109.5g(0.12
5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサンの代わりに2,2−ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン32.25g(0.125
モル)を用いた以外は、合成例1と同様にしてポリカー
ボネート重合体を得た。得られた重合体は、塩化メチレ
ンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液温度20℃にお
けるηSP/Cが0.4dl/gであった。GPCの測定によ
り、得られたポリカーボネート重合体のMwは1300
0であった。この重合体の構造および組成は、 1H−N
MR,IR,MSスペクトル分析より下記の繰り返し単
位および組成からなるポリカーボネート共重合体であっ
た。
【0117】
【化56】
【0118】合成例11
【0119】
【化57】
【0120】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物107g(0.125
モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)
エーテル25.3g(0.125モル)を用いた以外は、合
成例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得た。得
られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g
/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.61dl/
gであった。GPCの測定により、得られたポリカーボ
ネート重合体のMwは21000であった。この重合体
の構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSスペク
トル分析より下記の繰り返し単位および組成からなるポ
リカーボネート共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物107g(0.125
モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンの代わりにビス(4−ヒドロキシフェニル)
エーテル25.3g(0.125モル)を用いた以外は、合
成例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得た。得
られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g
/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.61dl/
gであった。GPCの測定により、得られたポリカーボ
ネート重合体のMwは21000であった。この重合体
の構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSスペク
トル分析より下記の繰り返し単位および組成からなるポ
リカーボネート共重合体であった。
【0121】
【化58】
【0122】合成例12
【0123】
【化59】
【0124】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物122.3g(0.12
5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサンの代わりに1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン25.25g(0.125モル)を用いた
以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体
を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする
濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.
45dl/gであった。GPCの測定により、得られた
ポリカーボネート重合体のMwは15000であった。
この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,IR,
MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および組成
からなるポリカーボネート共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物122.3g(0.12
5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサンの代わりに1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン25.25g(0.125モル)を用いた
以外は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体
を得た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする
濃度0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.
45dl/gであった。GPCの測定により、得られた
ポリカーボネート重合体のMwは15000であった。
この重合体の構造および組成は、 1H−NMR,IR,
MSスペクトル分析より下記の繰り返し単位および組成
からなるポリカーボネート共重合体であった。
【0125】
【化60】
【0126】合成例13
【0127】
【化61】
【0128】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物87.75g(0.12
5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサンの代わりに4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル26.75g(0.125モル)を用いた以外は、合成
例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得た。得ら
れた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/
dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.65dl/g
であった。GPCの測定により、得られたポリカーボネ
ート重合体のMwは26000であった。この重合体の
構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSスペクト
ル分析より下記の繰り返し単位および組成からなるポリ
カーボネート共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物87.75g(0.12
5モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサンの代わりに4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル26.75g(0.125モル)を用いた以外は、合成
例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得た。得ら
れた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/
dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.65dl/g
であった。GPCの測定により、得られたポリカーボネ
ート重合体のMwは26000であった。この重合体の
構造および組成は、 1H−NMR,IR,MSスペクト
ル分析より下記の繰り返し単位および組成からなるポリ
カーボネート共重合体であった。
【0129】
【化62】
【0130】合成例14
【0131】
【化63】
【0132】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物103g(0.125
モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンの代わりに3,3−ビス(ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン31.7g(0.125モル)を用いた以外
は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得
た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.45
dl/gであった。GPCの測定により、得られたポリ
カーボネート重合体のMwは17000であった。この
重合体の構造および組成は、 1H−NMR,IR,MS
スペクトル分析より下記の繰り返し単位および組成から
なるポリカーボネート共重合体であった。
ン骨格を有するジヒドロキシ化合物103g(0.125
モル)と1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンの代わりに3,3−ビス(ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン31.7g(0.125モル)を用いた以外
は、合成例1と同様にしてポリカーボネート重合体を得
た。得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度
0.5g/dlの溶液温度20℃におけるηSP/Cが0.45
dl/gであった。GPCの測定により、得られたポリ
カーボネート重合体のMwは17000であった。この
重合体の構造および組成は、 1H−NMR,IR,MS
スペクトル分析より下記の繰り返し単位および組成から
なるポリカーボネート共重合体であった。
【0133】
【化64】
【0134】実施例1 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上に、ITOを蒸
着法にて100nmの厚さで製膜したもの(HOYA
製)を透明支持基板とした。なお、この基板は、イソプ
ロピルアルコールで超音波洗浄後、窒素を吹きつけて乾
燥し、UVオゾン洗浄(サムコインターナショナルUV
300)を8分間行ったものである。この透明支持基板
上に、合成例2で得られたポリカーボネート200mg
をジクロロメタン20gに溶解して得た0.9重量%の溶
液をスピンコーティングし、発光層とした。このときの
スピンコーティングは、7000rpmで50秒間行
い、得られた膜厚は600±150Å*1(表面形状測定
器:Sloan社製,DEKTAK3030)であっ
た。次いで、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置
(日本真空技術(株)製)の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置には、3種の抵抗加熱ボートを取り付けて
おり、1つには電子注入材料であるPBD200mg、
1つにはマグネシウム2g、残りの1つには銀200m
gを入れて真空槽を2×10-3Paまで減圧した。その
後PBDの入った前記ボートを加熱し、PBDを蒸着速
度0.3〜0.5nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜
厚20nmの電子注入層を製膜させた。この時の基板温
度は室温であった。次に、マグネシウム入りのボートと
銀入りのボートを同時に通電し、蒸着速度の比(マグネ
シウム:銀)が1:7〜1:10になるようにしてマグ
ネシウム:銀電極を120nm積層蒸着(膜厚は水晶振
動子式膜厚センサーで感知)して対向電極とし、素子を
形成した。次に、直流電圧6Vを印加すると、電流が7
5mA/cm2 程度流れ、発光色は色度座標で Blue Gr
een を得た。ピーク波長は分光測定より、485nmで
あり、発光輝度は350cd/m2 であった。 *1:この薄膜は、5ケ月後も光学顕微鏡で感知しうる
結晶化はなく薄膜を維持していた。
着法にて100nmの厚さで製膜したもの(HOYA
製)を透明支持基板とした。なお、この基板は、イソプ
ロピルアルコールで超音波洗浄後、窒素を吹きつけて乾
燥し、UVオゾン洗浄(サムコインターナショナルUV
300)を8分間行ったものである。この透明支持基板
上に、合成例2で得られたポリカーボネート200mg
をジクロロメタン20gに溶解して得た0.9重量%の溶
液をスピンコーティングし、発光層とした。このときの
スピンコーティングは、7000rpmで50秒間行
い、得られた膜厚は600±150Å*1(表面形状測定
器:Sloan社製,DEKTAK3030)であっ
た。次いで、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置
(日本真空技術(株)製)の基板ホルダーに固定した。
真空蒸着装置には、3種の抵抗加熱ボートを取り付けて
おり、1つには電子注入材料であるPBD200mg、
1つにはマグネシウム2g、残りの1つには銀200m
gを入れて真空槽を2×10-3Paまで減圧した。その
後PBDの入った前記ボートを加熱し、PBDを蒸着速
度0.3〜0.5nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜
厚20nmの電子注入層を製膜させた。この時の基板温
度は室温であった。次に、マグネシウム入りのボートと
銀入りのボートを同時に通電し、蒸着速度の比(マグネ
シウム:銀)が1:7〜1:10になるようにしてマグ
ネシウム:銀電極を120nm積層蒸着(膜厚は水晶振
動子式膜厚センサーで感知)して対向電極とし、素子を
形成した。次に、直流電圧6Vを印加すると、電流が7
5mA/cm2 程度流れ、発光色は色度座標で Blue Gr
een を得た。ピーク波長は分光測定より、485nmで
あり、発光輝度は350cd/m2 であった。 *1:この薄膜は、5ケ月後も光学顕微鏡で感知しうる
結晶化はなく薄膜を維持していた。
【0135】参考例1 アルゴン雰囲気下でジメチルスルホキシド(DMSO)
20ミリリットルに、構造式
20ミリリットルに、構造式
【0136】
【化65】
【0137】で表されるホスホン酸エステルを溶解し、
カリウム−t−ブトキシド(t−BuOK)1.0gを加
えた。その後、構造式
カリウム−t−ブトキシド(t−BuOK)1.0gを加
えた。その後、構造式
【0138】
【化66】
【0139】で表される化合物を加え5時間攪拌した。
得られた反応物にメタノール100ミリリットル加えた
結果、淡黄色の粉末が析出した。この粉末に沃素を含む
ベンゼン溶液を加え再結晶させたところ0.8gの淡黄色
の粉末を得た。得られた淡黄色の粉末の構造および組成
は、 1H−NMR分析した結果、下記のジヒドロキシ化
合物であることが確認された。
得られた反応物にメタノール100ミリリットル加えた
結果、淡黄色の粉末が析出した。この粉末に沃素を含む
ベンゼン溶液を加え再結晶させたところ0.8gの淡黄色
の粉末を得た。得られた淡黄色の粉末の構造および組成
は、 1H−NMR分析した結果、下記のジヒドロキシ化
合物であることが確認された。
【0140】
【化67】
【0141】この透明支持基板上に、実施例1と同様に
して、この化合物200mgをジクロロメタン20gに
溶解して得た0.9重量%の溶液をスピンコーティングし
た。このときのスピンコーティングは、7000rpm
で50秒間行った。得られた膜厚を前記DEKTAK3
030で測定したところ、得られた膜厚は600±50
0Åの凹凸の激しい薄膜状態であることが確認された。
して、この化合物200mgをジクロロメタン20gに
溶解して得た0.9重量%の溶液をスピンコーティングし
た。このときのスピンコーティングは、7000rpm
で50秒間行った。得られた膜厚を前記DEKTAK3
030で測定したところ、得られた膜厚は600±50
0Åの凹凸の激しい薄膜状態であることが確認された。
【0142】このような凹凸が激しい、有機低分子単独
では通常、スピンコート法によって薄膜を形成すること
はできず、発光層,正孔注入層として用いることは不可
能である。
では通常、スピンコート法によって薄膜を形成すること
はできず、発光層,正孔注入層として用いることは不可
能である。
【0143】比較例1 参考例1と同様にして、
【0144】
【化68】
【0145】で表されるジアリーレンビニレンアリーレ
ン骨格を有する化合物を合成した。また、発光層として
上記化合物(膜厚50nm)を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして、有機EL素子を作成した。ITO電
極を陽極,マグネシウムと銀の混合金属電極を陰極とし
て、得られた素子に、直流電圧10Vを印加してもEL
素子は短絡しており発光は生じなかった。これは、低分
子化合物は、スピンコート法により薄膜形成ができず、
素子が短絡したためである。
ン骨格を有する化合物を合成した。また、発光層として
上記化合物(膜厚50nm)を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして、有機EL素子を作成した。ITO電
極を陽極,マグネシウムと銀の混合金属電極を陰極とし
て、得られた素子に、直流電圧10Vを印加してもEL
素子は短絡しており発光は生じなかった。これは、低分
子化合物は、スピンコート法により薄膜形成ができず、
素子が短絡したためである。
【0146】実施例2 実施例1と同様にして得られたポリカーボネート200
mgをジクロロメタン20gに溶解して得た0.9重量%
の溶液をスピンコーティングし、正孔注入層とした。こ
のときのスピンコーティングは、7000rpmで50
秒間行い、得られた膜厚は600±150Å(表面形状
測定器:DEKTAK3030)であった。次いで、こ
の透明支持基板を市販の真空蒸着装置(日本真空技術
(株)製)の基板ホルダーに固定した。真空蒸着装置に
は、3種の抵抗加熱ボートを取り付けており、1つには
発光材料である8−ヒドロキシキノリンを3配位したア
ルミニウム錯体(Alq)200mg、1つにはマグネ
シウム2g、残りの1つには銀200mgを入れて真空
槽を10-3Paまで減圧した。その後Alqの入った前
記ボートを、250〜270℃まで加熱し、Alqを蒸
着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し
て、膜厚50nmの電子伝達性の発光層を製膜させた。
この時の基板温度は室温であった。次に、マグネシウム
入りのボートと銀入りのボートを同時に通電し、蒸着速
度の比(マグネシウム:銀)が1:7〜1:10になる
ようにしてマグネシウム:銀電極を120nm積層蒸着
(水晶振動子式膜厚センサー)して対向電極とし、素子
を形成した。ITO電極を陽極,マグネシウムと銀の混
合金属電極を陰極として、得られた素子に、直流電圧1
2Vを印加すると、電流が76mA/cm2 程度流れ、
発光色は色度座標でGreen を得た。ピーク波長は分光測
定より、513nmであり、発光輝度は1000cd/m
2 であった。
mgをジクロロメタン20gに溶解して得た0.9重量%
の溶液をスピンコーティングし、正孔注入層とした。こ
のときのスピンコーティングは、7000rpmで50
秒間行い、得られた膜厚は600±150Å(表面形状
測定器:DEKTAK3030)であった。次いで、こ
の透明支持基板を市販の真空蒸着装置(日本真空技術
(株)製)の基板ホルダーに固定した。真空蒸着装置に
は、3種の抵抗加熱ボートを取り付けており、1つには
発光材料である8−ヒドロキシキノリンを3配位したア
ルミニウム錯体(Alq)200mg、1つにはマグネ
シウム2g、残りの1つには銀200mgを入れて真空
槽を10-3Paまで減圧した。その後Alqの入った前
記ボートを、250〜270℃まで加熱し、Alqを蒸
着速度0.1〜0.3nm/秒で透明支持基板上に蒸着し
て、膜厚50nmの電子伝達性の発光層を製膜させた。
この時の基板温度は室温であった。次に、マグネシウム
入りのボートと銀入りのボートを同時に通電し、蒸着速
度の比(マグネシウム:銀)が1:7〜1:10になる
ようにしてマグネシウム:銀電極を120nm積層蒸着
(水晶振動子式膜厚センサー)して対向電極とし、素子
を形成した。ITO電極を陽極,マグネシウムと銀の混
合金属電極を陰極として、得られた素子に、直流電圧1
2Vを印加すると、電流が76mA/cm2 程度流れ、
発光色は色度座標でGreen を得た。ピーク波長は分光測
定より、513nmであり、発光輝度は1000cd/m
2 であった。
【0147】比較例2 正孔注入層としたポリカーボネート層を除いた以外は、
実施例2と同様にしてEL素子を作成した。ITO電極
を陽極,マグネシウムと銀の混合金属電極を陰極とし
て、得られた素子に、直流電圧17Vを印加すると、電
流が20mA/cm2 程度流れ、発光色は色度座標でGr
een を得た。ピーク波長は分光測定より、513nmで
あり、発光輝度は20cd/m2 であった。著しく印加電
圧が上昇しており、発光輝度も小さい。従って、実施例
2ではポリカーボネート層は十分に正孔注入層として機
能した。
実施例2と同様にしてEL素子を作成した。ITO電極
を陽極,マグネシウムと銀の混合金属電極を陰極とし
て、得られた素子に、直流電圧17Vを印加すると、電
流が20mA/cm2 程度流れ、発光色は色度座標でGr
een を得た。ピーク波長は分光測定より、513nmで
あり、発光輝度は20cd/m2 であった。著しく印加電
圧が上昇しており、発光輝度も小さい。従って、実施例
2ではポリカーボネート層は十分に正孔注入層として機
能した。
【0148】実施例3〜8 第1表に記載したポリカーボネートを発光層として用い
て、実施例1と同様にEL素子を作成した。得られた結
果を第1表に示す。従来のポリマー発光層によるEL発
光が困難な青色領域で高輝度かつ高い発光効率が得られ
ている。
て、実施例1と同様にEL素子を作成した。得られた結
果を第1表に示す。従来のポリマー発光層によるEL発
光が困難な青色領域で高輝度かつ高い発光効率が得られ
ている。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】
【発明の効果】以上の如く、本発明の有機EL素子は、
スピンコート法等で素子の発光層および/または正孔注
入層を容易に製膜でき、発光層および/または正孔注入
層に薄膜維持能をもたらした。さらに、本発明の有機E
L素子は、本発明のポリカーボネートを発光層とした場
合、青色発光を可能とし、低電圧で高輝度および高い発
光効率を得るとともに、長寿命化が実現した。したがっ
て、本発明の有機EL素子は、実用的価値の高いものと
して、様々な分野で有効な利用が期待される。
スピンコート法等で素子の発光層および/または正孔注
入層を容易に製膜でき、発光層および/または正孔注入
層に薄膜維持能をもたらした。さらに、本発明の有機E
L素子は、本発明のポリカーボネートを発光層とした場
合、青色発光を可能とし、低電圧で高輝度および高い発
光効率を得るとともに、長寿命化が実現した。したがっ
て、本発明の有機EL素子は、実用的価値の高いものと
して、様々な分野で有効な利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/06 680 CA(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Ar1 ,Ar2 およびAr3 はそれぞれ独立に
置換または無置換の炭素数6〜20のアリーレン基, 【化2】 (式中、R3 およびR4 はそれぞれ独立に水素原子,ハ
ロゲン原子,炭素数1〜6のアルキル基,炭素数6〜1
2のアリール基のいずれかを示し、Yは単結合, 【化3】 (式中、R5 およびR6 はそれぞれ独立に水素原子,ト
リフルオロメチル基,炭素数1〜6のアルキル基,炭素
数6〜12のアリール基を示し、sは2〜10の整数で
ある。)を示す。), 【化4】 (式中、rは4〜10の整数を示す。)または 【化5】 (式中、sは前記と同じである。)を表し、R1 および
R2 はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、また
は置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基を表
わす。)で表される繰り返し単位Aを有するポリカーボ
ネート重合体を発光材料および/または正孔注入材料と
して用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
ンス素子。 - 【請求項2】 ポリカーボネート重合体が、塩化メチレ
ンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃におけ
る還元粘度が0.2dl/g以上である請求項1記載の有
機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項3】 一般式(I)で表される繰り返し単位A
と一般式(II) 【化6】 (式中、R8 およびR9 はそれぞれ独立に水素原子,ハ
ロゲン原子,炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6
〜12のアリール基を示し、pおよびqはそれぞれ独立
に1〜4の整数を示し、Xは単結合, 【化7】 (式中、R10およびR11はそれぞれ独立に水素原子,ト
リフルオロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基または
炭素数6〜12のアリール基を示し、sは前記と同じで
ある。) 【化8】 (式中、tは4〜10の整数)または 【化9】 (式中、uは2〜10の整数)を表す。)で表される繰
り返し単位Bを有するポリカーボネート共重合体を発光
材料および/または正孔注入材料として用いることを特
徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 【請求項4】 ポリカーボネート共重合体が、塩化メチ
レンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃にお
ける還元粘度が0.2dl/g以上である請求項3記載の
有機エレクトロルミネッセンス素子。
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