JP3109782B2 - 超音速空気取入装置 - Google Patents
超音速空気取入装置Info
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Description
トにおいて、超音速の空気流を亜音速の空気流に変換し
て燃料室に導入するのに利用される超音速空気取入装置
に関するものである。
置としては、例えば、図4に示すものがあった。
プ52をカウリング53で覆ってなるもので、空気取入
口51aと、この空気取入口51aに連通しかつランプ
52の傾斜面52aにより空気取入口51aの流路面積
よりも漸次流路面積が大きくなるようにしたディフュー
ザ部51bを備えている。
は、空気取入口51aから流入する超音波の空気流をデ
ィフューザ部51bで圧縮減速して亜音速の空気流に変
換し、この超音速空気取入装置51に接続する図示しな
い燃焼室に導入する。
入装置51のほかに、図5に示す超音速空気取入装置が
あった。
じくランプ62をカウリング63で覆ってなるもので、
図示左端を空気取入口61aとして形成していると共に
この空気取入口61aから図示右端側にかけて流路面積
を漸次大きくなるようにしたディフューザ部61bとし
て形成している。
2の傾斜面62aに、アクチュエータ64,65,66
により作動する可動板62b,62cを設けていると共
に、ランプ62の傾斜面62aとは反対側に、可動板6
2b,62cと連動するダンプドア62dを設けてい
る。これらの可動板62b,62cおよびダンプドア6
2dは、空気取入口61aから流入する空気流の速さが
亜音速ないしは遷音速の段階において、仮想線で示す位
置ないしその近傍で固定され、空気流が超音速となった
段階において、アクチュエータ64,65,66の作動
によって実線で示す位置に各々回動し、これにより生じ
た隙間から空気流の一部を流出させることにより、この
空気取入装置61に接続する図示しない燃焼室に導入す
る空気量を制御して、垂直衝撃波の位置をコントロール
するようにしている。
関しては、「増補版 航空宇宙工学便覧」 社団法人
日本航空宇宙学会編 昭和58年4月25日 丸善発行
の第655頁〜第656頁や、Jane´s Publ
ishing Inc. 発行の 「DESIGN F
OR AIR COMBAT」 に若干の説明がある。
空気取入装置において、この超音速空気取入装置に接続
する燃焼室での燃焼効率を良いものとするためには、超
音速空気取入装置内に発生する垂直衝撃波を空気取入装
置内に留めて超臨界状態を保つ必要がある。
気取入装置51にあっては、飛翔体の姿勢変化などに起
因して燃焼室内の圧力が上昇し、その圧力が空気取入口
51aから流入する空気流の総圧を上廻ってしまうと、
垂直衝撃波Wが空気取入口51の前方に移動してしま
い、振動流によりバズが発生したり空気抵抗が大幅に増
加したりするのに加えて、推力の制御も困難になってし
まうことがあるという問題があった。
1では、アクチュエータ64,65,66の作動によ
り、可動板62b,62cおよびダンプドア62dを回
動させて垂直衝撃波の位置制御を行うことはできるもの
の、構造が複雑になって重量が増大してしまうという問
題を有しており、これらの問題を解決することが従来の
課題となっていた。
してなされたもので、構造を複雑にすることなくかつま
た重量を増大させることなく、垂直衝撃波の位置制御を
行うことが可能である超音速空気取入装置を提供するこ
とを目的としている。
と、前記空気取入口に連通しかつ前記空気取入口よりも
内部側に傾斜面を設けたディフューザ部を備えた超音速
空気取入装置において、前記空気取入口近傍の前記傾斜
面に連続する部分で開口する取入口側吸い込み孔と、前
記ディフューザ部の前記傾斜面で開口するディフューザ
側吸い込み孔と、前記取入口側吸い込み孔に連通しかつ
外部に連通する外部連通孔を設け、前記取入口側吸い込
み孔が開口する空気取入口近傍での静圧と前記ディフュ
ーザ側吸い込み孔が開口するディフューザ部での静圧と
により、前記取入口側吸い込み孔に流入して前記外部連
通孔から外部に流出する空気の量を制御する空気流出量
制御手段を設けた構成としたことを特徴としており、こ
の超音速空気取入装置の構成を前述した従来の課題を解
決するための手段としている。
は、垂直衝撃波がほぼ空気取入口の位置ないし僅かに内
側にある場合、取入口側吸い込み孔およびディフューザ
側吸い込み孔の各内部圧力は、いずれも空気取入口に流
入する空気流の静圧にほぼ等しくなることから、空気流
出量制御手段の制御によって、取入口側吸い込み孔およ
び外部連通孔を介して多量の空気が外部に流出すること
となる。
れる空気の量が減少し、ディフューザ部に接続して設け
られる例えばラム燃焼室内の燃焼が僅かに弱まって圧力
が低下するので、垂直衝撃波は取入口吸い込み孔の開口
部分を通過してディフューザ部側に移動する。
孔の開口部分とディフューザ側吸い込み孔の開口部分と
の間に位置すると、この状態では、取入口側吸い込み孔
が開口する部分での静圧よりも、ディフューザ側吸い込
み孔が開口する部分での静圧の方がかなり高いので、こ
の差圧により空気流出量制御手段が作動して、取入口側
吸い込み孔に流入して外部連通孔から外部に流出する空
気の量を少なく制限することとなる。
ザ部の下流側へ多くの空気が流れることにより、ラム燃
焼室内の圧力が再び上昇し、垂直衝撃波は、その前後の
総圧が釣り合った位置で留まることとなる。
空気取入装置の一実施例を示し、この実施例では、この
発明に係わる超音速空気取入装置をラムジェットに適用
した場合を例示する。
ースタ推進薬2を装填した主燃焼室3と、ブースタ推進
薬2の燃焼終了後に燃焼して燃料過多の可燃ガスを発生
するサステーナ推進薬4を装填した可燃ガス発生室5を
備えており、可燃ガス発生室5は主燃焼室3の前方に設
けられて、ガスノズル6を介して主燃焼室3に連通して
いる。
数ケ所にポート3aを備えており、これらのポート3a
は、ブースタ推進薬2の燃焼時においてポートカバー8
により閉塞されると共にブースタ推進薬2の燃焼終了に
合わせてポートカバー解除機構9を作動させてポートカ
バー8を除去することにより開放されるようになってい
る。そして、これらのポート3aには超音速空気取入装
置10が各々接続してあり、サステーナ推進薬4の燃焼
により生じてガスノズル6から噴出する可燃ガスの燃焼
(2次燃焼)に必要な空気を圧縮して主燃焼室3に導入
するようにしている。
1をカウリング12で覆ってなるもので、一方(図示左
方)の開口端を空気取入口10aとして形成していると
共に、他方(図示右方)の開口端をポート3aに接続し
ている。そして、この超音速空気取入装置10は、空気
取入口10aに連通してかつランプ11の傾斜面11a
によって流路面積が空気取入口10aの流路面積よりも
漸次大きくなるようにしたディフューザ部10bを備え
ており、空気取入口10aから流入する超音速の空気流
をこのディフューザ部10bで亜音速の空気流とするよ
うにしている。
プ11には、取入口側吸い込み孔13とディフューザ側
吸い込み孔14が設けてある。そして、取入口側吸い込
み孔13は、空気取入口10a近傍の傾斜面11aに連
続する部分で開口するように形成してある。一方、ディ
フューザ側吸い込み孔14は、ディフューザ部10bの
傾斜面11aで開口するように形成してあり、これらの
吸い込み孔13,14は、この実施例において外部連通
孔15に連通するものとなっている。
3,14に連通しかつ空気流出量制御手段の一部を構成
するピストン16を摺動可能に設けたピストン摺動孔1
5aと、このピストン摺動孔15aに連通しかつランプ
11の傾斜面11aとは反対側で開口する流出孔15b
とからなるもので、ピストン16は、ディフューザ側吸
い込み孔14とこの流出孔15bとの間にシールされた
状態で設けてあり、ディフューザ側吸い込み孔14と流
出孔15bとの間においては、空気の流通がなされない
ようにしてある。そして、このピストン16は、そのデ
ィフューザ側吸い込み孔14側に設けた空気流出量制御
手段の一部を構成するコイルばね17によって、その摺
動動作が規制されるようになっている。
7よりなる空気流出量制御手段は、取入口側吸い込み孔
13の開口部分の静圧と、ディフューザ側吸い込み孔1
4の開口部分の静圧とがほぼ等しい場合には、ピストン
16の両端面での受圧力とコイルばね17の反発力との
力関係により、図2に示すように、コイルばね17が圧
縮する方向にピストン16を摺動させ、ピストン16の
両面での受圧力とコイルばね17の反発力とがバランス
したところで停止させるように作動する。すなわち、流
出孔15bの流路を全開とし、これにより取入口側吸い
込み孔13に流入した多量の空気を流出孔15bから外
部に流出させるように作動する。
示すように、ディフューザ部10bで生じた垂直衝撃波
Wが、取入口側吸い込み孔13の開口部分とディフュー
ザ側吸い込み孔14の開口部分との間に位置した場合に
は、ディフューザ側吸い込み孔14の開口部分での静圧
が非常に大きいことに加えてコイルばね17の反発力も
作用して、ピストン16を取入口側吸い込み孔13の方
向に摺動させ、ピストン16の両端面での受圧力とコイ
ルばね17の反発力とがバランスしたところで停止させ
るように作動する。すなわち、流出孔15bの流路を狭
めることによって、流出孔15bから外部に流出する空
気の量を減らすように作動する。
推進薬2の燃焼時にノズルとして機能しかつ燃焼終了と
同時に主燃焼室3から切り離されるブースタノズル18
と、2次燃焼時にノズルとして機能するラムノズル19
とが同心状に設けてある。
備えたラムジェット1は、まず、主燃焼室3内のブース
タ推進薬2に点火すると、ブースタ推進薬2が燃焼し、
この燃焼により生じた燃焼ガスをブースタノズル18か
ら噴出させることによって、推力を得る。そして、この
ラムジェット1を搭載した飛翔体は発進し、そして、ラ
ム圧による作動に必要な設定マッハ数に到達するまで加
速する。
推進薬2の燃焼が終了する時点では、ポートカバー解除
機構9が作動してポートカバー8をポート3aから除去
するので、ポート3aは開放されることとなり、超音速
空気取入装置10およびポート3aを介して主燃焼室3
内に圧縮された空気が導入されるようになる。
テーナ推進薬4が点火され、このサステーナ推進薬の燃
焼により生じた可燃ガスがガスノズル6から主燃焼室3
内に噴出すると、主燃焼室3では、この可燃ガスと、超
音速空気取入装置10から導入された圧縮空気とが混合
して2次燃焼するようになり、この燃焼により生じた燃
焼ガスをラムノズル19から噴射して推力を発生する。
では、垂直衝撃波Wが生じているが、飛翔体の姿勢変化
や超音速空気取入装置10の個々の特性の差に起因し
て、主燃焼室3内の圧力が変化(例えば上昇)すること
により、垂直衝撃波Wが、図2に示すように、空気取入
口10aの位置ないしその近傍に移動すると、取入口側
吸い込み孔13およびディフューザ側吸い込み孔14の
内部圧力は、いずれも空気取入口10aに流入する空気
流の静圧にほぼ等しくなることから、空気流出量制御手
段の一部であるピストン16は、このピストン16の両
端面での受圧力と同じく空気流出量制御手段の一部であ
るコイルばね11の反発力との力関係によって、コイル
ばね17を圧縮する方向に摺動し、前記ピストン16の
両端面での受圧力とコイルばね17の反発力とがバラン
スすることによってピストン16が外部連通孔15の流
出孔15bの流路を全開とした状態でこの位置において
保持されることとなり、結局、取入口側吸い込み孔13
および外部連通孔15を介して多量の空気が外部に流出
する。
流側へ流れる空気量が減少し、主燃焼室3での燃焼が僅
かに弱まって圧力が低下するので、垂直衝撃波Wは、取
入口側吸い込み孔13の開口部分を通過してディフュー
ザ部10b側に移動する。
ように、取入口側吸い込み孔13の開口部分とディフュ
ーザ側吸い込み孔14の開口部分との間に位置するよう
になると、ディフューザ側吸い込み孔14が傾斜面11
aで開口する部分での静圧が、取入口側吸い込み孔13
が傾斜面11aに連続する面で開口する部分での静圧よ
りも遥かに高いものとなるので、この差圧およびコイル
ばね17の反発力によって、ピストン16は取入口側吸
い込み孔13の方向に向けて摺動し、ピストン16の両
端面での受圧力とコイルばね17の反発力による力関係
がバランスしたところで停止して、外部連通孔15の流
出孔15bの流路を狭めることとなり、これによって、
取入口側吸い込み孔13および外部連通孔15を介して
外部に流出する空気の量は少なく制限される。
流れる空気の量が再び増加することにより、主燃焼室3
内の圧力が上昇し、垂直衝撃波Wの下流側への移動は停
止して前後の総圧が釣り合う位置で留まるようになる。
では、垂直衝撃波Wを常に超音速空気取入装置10内に
留めておくことができ、取入口側吸い込み孔13および
ディフューザ側吸い込み孔14の開口位置や、使用する
コイルばね17のばね定数等を適宜変更することによっ
て、垂直衝撃波Wの安定する位置を任意に設定すること
ができる。
空気取入口10aから超音速の空気流が流入する際に
は、ほとんどの場合、両吸い込み孔13,14に空気が
流れ込むことから、定常的ではないが、エネルギを失い
かけた境界層を吸い込んで抵抗を減少させると共に空気
流の傾斜面11aからのはく離を防止し、機体の加熱を
もやわらげることが可能である。
置の詳細な構成は、上記した実施例に限定されるもので
はない。
超音速空気取入装置によれば、上記した構成としたか
ら、構造が複雑なものとなることなくかつ重量が増大す
ることなく、垂直衝撃波の位置制御を行うことが可能と
なり、常に垂直衝撃波を装置内に留めておくことができ
るという非常に優れた効果がもたらされる。
例を示す部分拡大断面説明図である。
が空気取入口近傍に位置する状態を示す部分拡大断面説
明図である。
ットを示す断面説明図である。
説明図である。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 空気取入口と、前記空気取入口に連通し
かつ前記空気取入口よりも内部側に傾斜面を設けたディ
フューザ部を備えた超音速空気取入装置において、前記
空気取入口近傍の前記傾斜面に連続する部分で開口する
取入口側吸い込み孔と、前記ディフューザ部の前記傾斜
面で開口するディフューザ側吸い込み孔と、前記取入口
側吸い込み孔に連通しかつ外部に連通する外部連通孔を
設け、前記取入口側吸い込み孔が開口する空気取入口近
傍での静圧と前記ディフューザ側吸い込み孔が開口する
ディフューザ部での静圧とにより、前記取入口側吸い込
み孔に流入して前記外部連通孔から外部に流出する空気
の量を制御する空気流出量制御手段を設けたことを特徴
とする超音速空気取入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05162642A JP3109782B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 超音速空気取入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05162642A JP3109782B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 超音速空気取入装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0719116A JPH0719116A (ja) | 1995-01-20 |
JP3109782B2 true JP3109782B2 (ja) | 2000-11-20 |
Family
ID=15758506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05162642A Expired - Lifetime JP3109782B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 超音速空気取入装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3109782B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7318752B2 (en) | 2005-08-26 | 2008-01-15 | Matsushita Electric Works, Ltd. | Connector |
KR102459628B1 (ko) | 2022-04-15 | 2022-10-28 | 국방과학연구소 | 비행체 흡입구의 불시동 방지 장치, 그것을 구비한 비행체 및 그것의 제어 방법 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109533356A (zh) * | 2018-11-21 | 2019-03-29 | 南京航空航天大学 | 一种激波边界层干扰控制器 |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP05162642A patent/JP3109782B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7318752B2 (en) | 2005-08-26 | 2008-01-15 | Matsushita Electric Works, Ltd. | Connector |
KR102459628B1 (ko) | 2022-04-15 | 2022-10-28 | 국방과학연구소 | 비행체 흡입구의 불시동 방지 장치, 그것을 구비한 비행체 및 그것의 제어 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0719116A (ja) | 1995-01-20 |
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