JP3109144U - 野菜、果物類の握示器 - Google Patents

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Abstract

【課題】野菜、果物類握示器において、野菜、果物類がそれをおろし金に押す力でずれたり、滑ったりするおそれをなくし、更には、おろし金上の摺り下ろした野菜、果物類を皿等の容器或いは調理済み料理上に掻き出すことにも用いることができるようにする。
【解決手段】2枚の押さえ板4a、4bを、各々の一方の側辺の両端部にて、その一方の側辺間に野菜、果物類を通す間隙8ができるように、連結手段6を介して回動自在に連結し、押さえ板4a、4bの内側の面に棘状体12を形成し、上記一方又は両方の押さえ板の上記一方の側辺に、そこから他方の側辺側と反対側に延びるハケ16を形成してなる。更には、押さえ板4a、4bの外面に、親指ホルダ14bと他の指ホルダ14aを設ける。
【選択図】図1

Description

本考案は、大根、山芋、にんじん等の野菜や、果物(本願明細書及び実用新案登録請求の範囲において、野菜や果物を「野菜、果物類」と称する)をおろし金等により摺り下ろすときにその野菜、果物類を握示するのに用いる野菜、果物類握示器に関するものである。
大根、山芋、にんじん等の野菜は、おろし金等を用いて摺り下ろして調理に供されることが少なくない。その場合、おろし金での摺り下ろしは、通常は、手でその野菜を握示して行われる。
しかし、それでは、手、指がその野菜に触れるので、不衛生であるという問題がある。下ろされた野菜に手、指の汚れ、汗等が混ざる可能性がある。最近は、指の爪にマニュキュアを塗る人が多く、そのマニュキュア成分が調理品中に混ざってしまうこともある。
また、野菜が手、指に触れて手が汚れ、更にはかぶれることもある。特に、山芋が触れるとかぶれやすい。
そこで、摺り下ろすときに山芋等の野菜を握示する握示器を作り、その握示器で例えば大根等を握示しながら摺り下ろすことが昭和3年実用新案出願公告第9362号公報によって提案された。
このような握示器によれば、野菜に握示器を介して触れ、直接触れることがないので、衛生的であり、下ろされた野菜中に手、指の汚れが混ざったり、野菜が手、指に触れたり、触れることによってかぶれたりするおそれがない。
昭和3年実用新案出願公告第9362号
ところで、上記従来の技術によれば、上述したように、野菜に握示器を介して触れ、直接触れることなく摺り下ろすことができるので、優れているといえる。
しかし、上記昭和3年実用新案出願公告第9362号公報に記載された握示器によれば、野菜がそれをおろし金に押す力でずれたり、滑ったりするという問題があった。そこで、強くつかむと、ずれたり、滑ったりはしにくくなるが、その代わり疲れやすいという問題が起きる。特に、調理するのが女性の場合が多く、女性は男性に比較して非力なので、疲れやすく、家族全員の食事を調理する場合、野菜を摺り下ろす量も無視できず、この問題は看過できない。
また、上記従来の技術の握示器によれば、単に、摺り下ろすとき掴む機能しかなく、おろし終えた後に、おろし金上の野菜、例えばおろし大根、おろし山芋等をお椀、お皿等に盛るときは、その握示器を外し、それをどこかに置き、箸或いはフォーク等に持ちかえてその持ちかえたものでおろし金上の摺り下ろした野菜を皿等の器上に、或いは既に調理済み料理の上に摺り下ろすという作業が必要であり、面倒であった。
本考案は、このような問題を解決すべく為されたものであり、野菜、果物類を、それに直接手、指を触れることなく握示して摺り下ろすのに用いる野菜、果物類握示器において、野菜、果物類がそれをおろし金に押す力でずれたり、滑ったりするおそれをなくし、更には、おろし金上の摺り下ろした野菜、果物類を皿等の容器或いは調理済み料理上に掻き出すことにも用いることができるようにすることを目的とする。
請求項1の野菜、果物類の握示器は、2枚の押さえ板を、各々の一方の側辺の両端部にて、その一方の側辺間に野菜、果物類を通す間隙ができるように、連結手段を介して回動自在に連結し、上記押さえ板(一方又は両方)の内側の面に棘状体を一又は複数形成し、上記一方又は両方の押さえ板の上記一方の側辺に、そこから他方の側辺側と反対側に延びるハケを形成してなることを特徴とする。
請求項2の野菜、果物類の握示器は、請求項1記載の野菜、果物類の握示器において、前記押さえ板のうちの一方の押さえ板の外側の面に、指ホルダ片の両端を該指ホルダ片と押さえ板とで親指を通す空間ができるように固定して、親指ホルダを形成し、前記押さえ板のうちの他方の押さえ板の外側の面に、指ホルダ片の両端を該指ホルダ片と押さえ板とで一又は複数の他の指を通す空間ができるように固定して、他の指ホルダを形成したことを特徴とする。
請求項1の野菜、果物類の握示器によれば、2枚の押さえ板を、各々の一方の側辺の両端部にて、その一方の側辺間に野菜、果物類を通す間隙ができるように、ヒンジ手段を介して回動自在に連結したので、その間隙に野菜、果物類を通し、手指でその2枚の押さえ板を押すことにより野菜、果物類を、それに直接触れることなく握示することができ、延いては、野菜、果物類を摺り下ろすことができる。
そして、上記押さえ板の内側の面に、棘状体を一又は複数形成したので、野菜、果物類を摺り下ろすためにそれをおろし金に押したときその棘状体が野菜、果物類に食い込むので、野菜、果物類がその押す力でずれたり、滑ったりするというおそれがなく、スムーズに摺り下ろしができる。
また、上記一方又は両方の押さえ板の上記一方の側辺にそこから他方の側辺側と反対側に延びるハケを形成したので、おろし金上の摺り下ろした野菜、果物類を、そのハケを用いて皿等の容器或いは調理済み料理上に掻き出すことができる。
従って、摺り下ろしが終わったら、握示器をどこかに置き、箸或いはフォーク等に持ちかえてその持ちかえたものでおろし金上の摺り下ろした野菜を皿等の器上に、或いは既に調理済み料理の上に摺り下ろすという面倒な作業が必要でなくなり、単に握示器をその向きを変えるように持ち代えることにより、摺り下ろしと掻き出しを連続的に行うことができる。
請求項2の野菜、果物類の握示器によれば、請求項1の野菜、果物類の握示器の押さえ板の外面に、親指ホルダと他の指ホルダを設けたので、摺り下ろすときに親指及び他の指をそれ等ホルダを通すことにより、野菜、果物類をおろし金に押す力で親指や他の指が押さえ板外面上を滑るというおそれがなく、摺り下ろす力を握示器を介して野菜、果物類に有効に加え、スムーズに摺り下ろしを行うことができる。
本考案野菜、果物類の握示器においては、押さえ板、棘状体、ハケ及びホルダ(親指ホルダ及び他の指ホルダ)はプラスチックで形成すると良い。値段が安く、加工性が良く、適度な弾力が得られるからである。
上記押さえ板同士の回動可能な連結は、例えば、押さえ板の互いに連結される部分に孔を形成し、その孔に通した軸、糸乃至紐により為すことができる。
ホルダについては、親指ホルダは親指1本を通す大きさがあればそれで充分であるが、他の指ホルダは人差し指、中指、薬指の3本の指を通すようにした方がよいので、それを通せるよう親指ホルダよりも適宜大きく形成する方がよい。
上記棘状体は、それが形成される押さえ板と一体に形成するようにしても良いし、押さえ板と棘状体を別体に形成しておき、押さえ板の内面に棘状体を固定摺るようにしても良い。
野菜、果物類の握示器の大きさは、一種類ではなく、数種類用意し、摺り下ろす対象となる野菜、果物類の種類に応じて使い分けることができるようにすると良い。比較的大型のものは、大根、人参、山芋等の野菜の摺り下ろしに最適で、大型のものでも山芋、長芋等細いものの摺り下ろしに用いることができる。というのは、細いものに対しては2枚の押さえ板をより強く押さえてその間隔を狭くすることによって充分に握示が可能だからである。
また、小さい野菜、果物類の握示器は、ニンニクやショウガ等の摺り下ろしに使えるし、果物に属するリンゴを適宜小片に切り分けておいた上でそれを摺り下ろすのにも使える。
更に、山芋等の表面の皮を皮剥きで剥くときに握示するのにも本考案の野菜、果物類の握示器を用いることができる。
以下、本考案の詳細を図示実施例に基いて説明する。
図1(A)、(B)は、本考案野菜、果物類の握示器の第1の実施例を示すもので、(A)は斜視図、(B)は底面図である。以下に、図1を参照して本野菜、果物類の握示器(2)の構造を説明する。
2は本野菜、果物類の握示器、4a、4bは一対の押さえ板で、例えばプラスチックによる薄い板からなり、弾性を有し、略長方形乃至正方形であるが、後で述べる連結具6、6により連結される側の辺と反対側の辺の両端にアール(R)がつけられているが、斯かるアール(R)はどのような大きさであっても良く、また、つけなくても良い。
押さえ板4a、4bとは互いに略同じ形状で同じ大きさを有するが、必ずしも完全に同じ形状である必要はなく、デザイン的見地から種々の形状を採り得る。また、その大きさは、野菜、果物類の握示器の摺り下ろす野菜、果物類の対象の大きさに応じて決めると良い。例えば、野菜、果物類の握示器として大タイプ、中タイプ、小タイプの三つのタイプを用意する場合、押さえ板4a、4bとして大タイプ用、中タイプ用、小タイプ用の順で小さなものを用いることになる。
該1対の押さえ板4aと4bとは、その一つの側片の両端部にて連結具6、6により回動自在に連結され、その連結具6、6により連結された押さえ板4a、4bの間に野菜、果物類を通す空隙8ができる。
この空隙8の大きさは、押さえ板4a、4bが弾力を有するが故に、一対の連結具6、6乃至その近傍に指で押す力を加えることによって、或いはその空隙8に強引に通す野菜、果物類によって変化し得る。
尚、連結具6、6による押さえ板4a、4bの一つの側辺にての連結は、その側片の両端部に孔10、10、10、10を開け、その孔10・10、10・10にその連結具6、6を通すことにより行われており、連結具6、6は軸状のものであっても良いし、糸や紐であっても良い。
12、12、・・・は上記押さえ板4a、4bの内側の面に形成された棘状体で、野菜、果物類を摺り下ろすためにそれをおろし金に押したとき野菜、果物類に食い込んで、野菜、果物類がその押す力でずれたり、滑ったりすることを防止する役割を果たす。該棘状体12、12、・・・は一個でも、多数でも良いが、小さな棘状体12を多数個設ける方が良い。また、棘状体12は押さえ板4a、4bのいずれか一方に設けるようにしても良いし、両方に設けるようにしても良いが、バランス良く握示するためには両面に設けるようにすると良い。
14a、14bは指を通すホルダで、押さえ板4a、4bの外側の面に帯状体の両端を該帯状体と押さえ板4a、4bとの間に指を通す間隙ができるように固定してなる。材料は例えばプラスチックで良いが、他の材料、例えば皮革でも良い。
一方のホルダ14aは例えば人指し指及び中指、或いは人指し指、中指及び薬指というように親指以外の指のうちの何本かを通すホルダ(他の指ホルダ)、14bは親指を通すホルダ(親指ホルダ)であり、親指ホルダ14bより他の指ホルダ14aの方が適宜大きくなっている。
そのホルダ14a、14は、摺り下ろすときに親指及び他の指をそれ等ホルダを通すことにより、野菜、果物類をおろし金に押す力で親指や他の指が押さえ板外面上を滑るのを防止し、摺り下ろす力を握示器2を介して野菜、果物類に有効に加え、スムーズに摺り下ろしを行うことができるようにする働きをする。
16、16、・・・は、各押さえ板4a、4bの連結された側の側辺に、そこから他方の側辺側と反対側に延びるように形成されたハケであり、例えばプラスチックからなる。該ハケ16、16、・・・は、摺り下ろし終えたおろし金上の野菜、果物類を皿等の容器或いは調理済み料理上に掻き出すものである。
このようにハケ16、16、・・・を有するが故に、摺り下ろしが終わったら、握示器をどこかに置き、箸或いはフォーク等に持ちかえてその持ちかえたものでおろし金上の摺り下ろした野菜を皿等の器上に、或いは既に調理済み料理の上に摺り下ろすという面倒な作業が必要でなくなり、単に握示器をその向きを変えるように持ち代えることにより、摺り下ろしと掻き出しを連続的に行うことができるのである。
尚、ハケ16、16、・・・は押さえ板4a、4bの両方に設けても良いし、片方4a或いは4bに設けるようにしても良い。
図2(A)〜(C)は図1(A)、(B)に示した野菜、果物類の握示器2の各別の典型的使用態様例を示す斜視図である。図2(A)は野菜、果物類の握示器2にて野菜、果物類、例えば山芋20を握示し、その山芋20をおろし金22で摺り下ろすという使用態様を示しており、図2(B)は例えば山芋20を握示し、皮むき器24を用いて山芋20の皮26を剥くという使用態様を示しており、図2(C)は摺り下ろし終えた野菜、果物類、例えば山芋20aを野菜、果物類の握示器2のハケ16、16、・・・でおろし金22上から器28に掻き出すという使用態様を示している。
図3(A)、(B)は野菜、果物類の握示器の別の使用態様例(二つの野菜、果物類の握示器を用いた使用態様例)を示す斜視図である。図3(A)は或る一つの野菜、果物類の握示器2aと皮むき器24を用いて例えば山芋20の皮26を剥いている状態を示している。この(A)で山芋20の皮26を或る程度、例えば剥けるだけ剥いたら、次は、別の野菜、果物類の握示器2bで剥いた部分を握示し、剥き残しの部分を皮剥きする。図3(B)は当該別の野菜、果物類の握示器2bによる皮剥きを終えた状態を示している。
その後、この野菜、果物類の握示器2bにより摺り下ろしを進めれば、皮を剥いた例えば山芋20を摺り下ろすことができ、その間、手、指を一切山芋20に触れることなく、皮剥き及び摺り下ろしを連続的にスムーズに行うことができる。
本考案は、大根、山芋、にんじん、蓮根、生姜、ニンニク等の野菜や、リンゴ等の果物をおろし金等により摺り下ろすときにその野菜、果物類を握示するのに用いる野菜、果物類握示器に広く適用できる。
(A)、(B)は、本考案野菜、果物類の握示器の第1の実施例を示すもので、(A)は斜視図、(B)は底面図である。 (A)〜(C)は図1(A)、(B)に示した野菜、果物類の握示器2の各別の典型的使用態様例を示す斜視図である。 (A)、(B)は野菜、果物類の握示器の別の使用態様例(二つの野菜、果物類の握示器を用いた使用態様例)を示す斜視図である。
符号の説明
2、2a、2b・・・野菜、果物類の握示器、4a、4b・・・押さえ板、
6・・・連結手段(連結具)、8・・・間隙、12・・・棘状体、14・・・指ホルダ、
14a・・・他の指ホルダ、14b・・・親指ホルダ、16・・・ハケ、
20・・・摺り下ろし対象物(例えば山芋)、22・・・おろし金、24・・・皮剥き器、
26・・・皮、28・・・器。

Claims (2)

  1. 2枚の押さえ板を、各々の一方の側辺の両端部にて、その一方の側辺間に野菜、果物類を通す間隙ができるように、連結手段を介して回動自在に連結し、
    上記押さえ板の一方又は両方の内側の面に棘状体を一又は複数形成し、
    上記一方又は両方の押さえ板の上記一方の側辺に、そこから他方の側辺側と反対側に延びるハケを形成してなる
    ことを特徴とする野菜、果物類の握示器。
  2. 前記押さえ板のうちの一方の押さえ板の外側の面に、指ホルダ片の両端を該指ホルダ片と押さえ板とで親指を通す空間ができるように固定して、親指ホルダを形成し、
    前記押さえ板のうちの他方の押さえ板の外側の面に、指ホルダ片の両端を該指ホルダ片と押さえ板とで一又は複数の他の指を通す空間ができるように固定して、他の指ホルダを形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の野菜、果物類の握示器。
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