JP3109013B2 - インクジェット記録ヘッド、及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、及びその製造方法

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JP3109013B2
JP3109013B2 JP19922492A JP19922492A JP3109013B2 JP 3109013 B2 JP3109013 B2 JP 3109013B2 JP 19922492 A JP19922492 A JP 19922492A JP 19922492 A JP19922492 A JP 19922492A JP 3109013 B2 JP3109013 B2 JP 3109013B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電振動体の縦振動を
利用してノズル開口からインク滴を噴射させるインクジ
ェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】ノズル開口を備えたインク室の一部を弾
性プレ−トにより構成し、弾性プレ−トに圧電振動子の
縦振動を伝達させてインク滴を噴射させる記録ヘッド
は、特開昭58−119870号公報に見られるごとく
広く知られている。このタイプの記録ヘッドは、板状圧
電振動子のバイモルフ振動を利用するインクジェット記
録ヘッドに比べてインクを押圧する圧力室が小さく、小
型化が可能であるいう利点を有する反面、圧電振動子と
弾性プレ−トとの接合に特別な結合手段を必要として構
造や組み立て作業が複雑化するという問題がある。この
ような問題を解消するために本出願人等は先に構造が簡
単で、しかも組立作業を簡素化することができる圧電素
子の縦振動を利用するインクジェット記録ヘッドを提案
した(特開平4−1052号公報)。この発明によれ
ば、複数の振動子を基台に固定してユニットにまとめ上
げた後、記録ヘッドとして組み立てるため、製造工程の
簡素化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、印字品質の
一層の向上を図るために従来90ドット/インチ程度の
記録密度であったものを更にその記録密度を上げて18
0ドット/インチでのドット形成が可能なインクジェッ
ト記録ヘッドが求められている。このような要望に添う
には構成要素の小型化に伴って解決せねばならない構造
上、製造上の色々な問題がある。本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであってその目的とするところ
は、記録密度の向上を図るのに適した新規なインクジェ
ット記録ヘッドの構造を提案することにある。本発明の
他の目的は、上記インクジェット記録ヘッドの製造方法
を提案することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、圧電材料と電極材を交互に
積層して形成された圧電振動プレ−トを所定のサイズで
切り出して振動子を構成するとともに、前記振動子の自
由端側に振動伝達部材を固定し、また他端を所定のピッ
チで固定板に固着してなる振動子ユニットと、該振動子
ユニットを保持収容するための貫通孔として形成され、
両端に開口を備えた振動子ユニット収容室を有する基台
と、振動子ユニットの振動伝達部材に対向して前記収容
室の一方の開口を封止するように前記基台に固定された
流路形成ユニットとを備えている
【0005】
【作用】極めて小さな要素である振動子や、圧力室など
をそれぞれ振動子ユニットやインク流路形成ユニットと
してユニット化されているため、基台の一方の開口から
振動子ユニットを挿入して基台を基準として組み付ける
ことにより流路形成ユニット個々の圧力室と振動子と
が正確に位置合せした状態で固定できる
【0006】
【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図1、図2は、それぞれ本発明の
記録ヘッドの一実施例を示すものであって、図中符号
1、1は、振動子ユニットで、縦振動モ−ドで動作する
圧電振動子2,2を複数個列状に、その振動を阻害しな
いように一端を固定板3,3に取り付けて構成されてい
る。この実施例では2組の振動子ユニット1,1をその
自由端側が基台4のユニット収容室5の開口6に対向す
るように収容して、基台4の表面7にインク流路形成ユ
ニット10、つまり振動プレ−ト11、スぺ−サ12,
及びノズルプレ−ト13を液密に重ね合わせたものを取
り付けて記録ヘッドに構成されている。これにより各振
動子2,2は、振動伝達部材23,23を介して振動プ
レ−ト11に当接し、振動プレ−ト11、スぺ−サ1
2、及びノズルプレ−ト13により形成される圧力室を
押圧してノズル開口からインクを飛翔させることなる。
15は、インク供給管で、基台4に穿設された通孔16
に嵌挿されて、接続部材17、及び振動プレ−ト11の
通孔18を介して共通のインク室19、及び圧力室2
0,20に連通し、印刷に必要なインクを供給するもの
である。
【0007】振動ユニット1,1を構成している各振動
子2,2は、その表面に電極24,25が形成されてい
て、一方の電極24にはそれぞれの振動子2,2に独立
して信号を印加するためのリ−ド線21,21‥‥が、
また他方の電極255は固定板3,3の表面に形成され
た共通電極26,26を介してリ−ド線27に接続され
ている。
【0008】リ−ド線21,27を介して駆動信号が記
録ヘッドに印加されると、選択された振動子2がその軸
方向(図中垂直方向)に伸長して、振動伝達部材23,
23を介して振動プレ−ト11を押圧する。これにより
振動伝達部材23,23のサイズに対応した領域の振動
プレ−トが撓んで圧力室20が収縮することになり、圧
力室20に収容されているインクがノズル開口13a,
13aから液滴となって外部に飛翔する。
【0009】図3は、前述した振動ユニットの一実施例
を示すものであって、図中符号は、固定板で一半の中央
部に切欠部3aを有するように両側に基台4との当接部
3b、3bが形成され、また一方の先端には基台4との
位置決め基準となる凹部3cが設けられている。2,2
は振動子で、一端が当接部3b,3bの先端から予め定
められた長さ突出させた状態で固定板3の他半に接着剤
により固定されている。固定板3の表面には後述するよ
うに蒸着などにより形成した導電層に、スリットを入れ
て各振動子2,2‥‥に対応させた電極が形成されてい
る。
【0010】圧電振動子2,2‥‥の自由端には剛性の
大きな材料、例えば金属等により構成された振動伝達部
材23,23‥‥が固定されている。この振動伝達部材
23,23‥‥は、断面「コ」の字状に形成されてい
て、その凹部23aに振動子2,2‥‥の先端を嵌挿し
て接着剤で固定されている。
【0011】図4乃至図6は、前述した振動子ユニット
の製造方法の一実施例を示すものであって、一側先端側
の中央部に切欠部30aを形成して両側に当接部30
b、30bを有し、少なくとも一方の当接部30bの先
端に位置決め用の凹部30cを備えた基板30を用意し
(図4i)、基部30d側を露出させるようにマスキン
グ材31を載置して(図4ii)スパッタリングや蒸着
などにより導電層32を形成する(図4iii)。
【0012】一方、図中符号40で示す圧電振動プレ−
トは、図7に示したように圧電材料33と電極形成材料
34,35とを交互に積層するとともに、固定板30に
固定される領域には一方の電極形成材料34が到達しな
いようにして不活性領域を設けるように焼結し、一方の
電極形成材料34により形成される電極を端部で並列に
接続する電極面36と、他方の電極形成材料35により
形成される電極を並列に接続する電極面37を形成して
積層型として構成されている。このような積層型圧電振
動プレ−トは、電極間距離が極めて小さいため、駆動電
圧を大体30ボルト程度に下げることができる効果があ
る。
【0013】このように構成された圧電振動プレ−ト
と、一側の中央に圧電素子振動プレ−ト40の先端が嵌
入する溝42aが形成された振動伝達部材形成材42
と、前述の固定板30とを用意する(図5iv)。この
振動伝達部材形成材42は、快削性セラミックスを切削
加工したり、シリコン結晶や金属をエッチング加工した
り、高分子樹脂を射出成形したりして構成されている。
これら3つの部材30,40,42は、図8に示したよ
うに固定板30の下面と振動伝達部材形成材42の先端
面を基準面として直角ブロックゲ−ジ45に当接させて
圧電振動プレ−ト40の先端に振動伝達部材形成材42
の表面が直角となるように位置合わせした状態で、圧電
振動プレ−ト30の一方の電極36と固定板30の導電
層32とを導電性接着剤により、また圧電振動プレ−ト
40と振動伝達部材形成材42とは通常の接着剤により
三者を同時に固着して中間体50を構成する(図5
v)。圧電振動プレ−ト40と固定板30とは、圧電振
動プレ−ト40の振動波長の1/4以上の長さで重なる
ようにして接着されていて、インク噴出時の反力に十分
耐えるように固定されている。
【0014】ところで、図9(イ)に示したように振動
伝達部材形成材42の凹部42aには、側壁と底面とが
接する領域にさらに浅い、例えば0。03乃至0。05
ミリメ−トル程度の第二の溝42b、42bが形成され
ているため、圧接時に圧電振動プレ−ト40のエッジが
凹部42aの側壁に乗り上げることなく、その先端面4
0bを凹部42aの底面42cに密接させることができ
る。また固定のために圧電振動プレ−ト先端に塗布され
た接着剤の内、余分なものを第二の溝42b、42bで
吸収して外部にはみ出すのを防止できる。
【0015】この中間体50を図10に示したように複
数個一定のピッチで基台51に固定配置し、振動伝達部
材形成材だけを切断手段52 、例えばダイシングソウ
やワイヤカッタ−により一定のピッチで切断して(図5
vi)スリット55,55‥‥を形成する(図6vi
i)。
【0016】ついで、切断手段52を振動伝達部材形成
材42のスリット55,55‥‥に合わせて位置決め
し、振動伝達部材形成材42の側から固定板30の他端
に向けて圧電振動プレ−ト40と固定板30の電極面3
2をカットできる程度の深度に切断手段52をセットし
て相対的に移動させる(図6viii)。
【0017】これにより自由端に振動伝達部材56,5
6‥‥が固定され、また他端が固定板30の導電層32
と導電関係形成して固定された短冊型の振動子58,5
8,58が形成されることになる。これら振動子58,
58,58‥‥を形成するために設けられたスリットの
内、振動に関わりのない部分、つまり固定板30に対向
する領域に必要に応じて接着剤59を充填することによ
り振動子58,58,58‥‥の補強がなされる(図6
xi)。
【0018】なお、上述の実施例においては切断作業時
に切断手段により振動伝達部材形成材42にスリット5
5,55,55‥‥を入れるようにしているが、図11
に示したように圧電振動プレ−トと対向する部分70a
を残すようにして一方の面に圧電振動プレ−トが係合す
る溝70bを形成し、また側面に切り出すべき圧電振動
子の切断ピッチに合わせて凹部71,71を形成した振
動伝達部材形成材70を用いると、この凹部71,71
‥‥を切断手段の位置合せ基準として利用できるから、
凹部71,71‥‥の加工精度と同等の精度で振動子を
切り分けることができるばかりでなく、振動伝達部材形
成材の切削量が少なくなって切断手段の摩耗を可及的に
減らし、もって切断手段の交換期間を延長して作業能率
の向上を図ることができる。
【0019】次にインク流路形成ユニットの一実施例に
ついて説明する。図12、図13は、それぞれインク流
路形成ユニットの製造方法の一実施例を示すものであっ
て、予めノズル開口列81,81‥‥が穿設されたノズ
ルプレ−ト80を用意し(図12 i)、これのインク
流路側となる表面に露光により硬化する感光性樹脂フィ
ルム82を溶着する(図12ii)。ついで振動プレ−
トとの間隙を確保するとともに隔壁となるスペ−サ部8
3,及び共通のインク室と圧力室との流路抵抗部を構成
するインク制限部84に一致させて窓85,86が形成
された露光マスク87を介して感光性樹脂フィルム82
を露光する(図12iii)。これにより光照射を受け
なかった領域が未硬化状態のまま残ってエッチングが可
能であるから、現像を行なうと光照射を受けた部分だけ
が選択的に残され、ノズルプレ−ト80にスペ−サ部8
3、インク制限部84が形成されることになる(図12
iv)。
【0020】一方、前述と同様に振動プレ−ト構成基板
90に感光性樹脂フィルムを溶着し、これを所定のパタ
−ンで露光してスペ−サ部91を形成した振動プレ−ト
93を用意し、ノズルプレ−ト80のスペ−サ部材83
と振動プレ−ト93のスペ−サ部材91とが突き合わさ
るように位置合わせした上で(図13v)、ノズルプレ
−ト80と振動プレ−ト93に平均に圧力を掛けて熱溶
着する。これによりスペ−サ部材83,91を挟んで圧
力室93が、また共通インク室94と圧力室93との間
に連絡流路95,95が形成されることになる(図13
vi)。
【0021】図14は、ノズルプレ−トに感光性樹脂フ
ィルムによって形成されたスぺ−サのパタ−ンの一例を
示すもので、隔壁部100により取り囲まれた内側には
共通のインク室となる空所101と、中央部には各ノズ
ル開口の配列ピッチに合わせて一端で空所101と連通
する圧力室を形成する空所102,102,102‥‥
が設けられている。そして全体としては圧着時に印加さ
れる力を全体、特に圧力室形成領域では均一となるよう
にスぺ−サ部となる領域(図中ハッチングを施した領
域)は、軸断面各位置での全面積がほぼ一定となるよう
に、たとえば空所103を設けるなどのパタ−ンを選択
されており、接着時の圧力を分散させて均一に圧着でき
るようになっている。
【0022】なお、上述の実施例では2枚の感光性樹脂
フィルムを使用しているが、更に多くの枚数、例えば図
15に示したようにノズルプレ−ト110に4枚の感光
性樹脂フィルム112乃至115を、また振動プレ−ト
111側に2枚の感光性樹脂フィルム116,117を
積層圧着して、ノズルプレ−ト110の圧力室となる領
域では表面側の1枚の感光性樹脂フィルム115だけ
を、またノズル開口110aに対向する領域と共通イン
ク室119の領域では全部のフィルム112乃至115
をエッチングし、振動プレ−ト111の共通のインク室
119,及び圧力室118となる領域では2枚のフィル
ム116,117を、または共通のインク室119と圧
力室118とを結ぶ連絡流路118bの領域では表面の
1枚のフィルム117だけをエッチングし、そして両方
のプレ−トを前述と同様に熱溶着する。
【0023】この実施例によれば枚数でギャップ長を稼
ぐことができるため、薄い感光性樹脂フィルムの使用が
可能となって、露光時におけるフィルム間での光拡散を
小さくすることができて精密なパタ−ンの形成が可能と
なるばかりでなく、共通のインク室119の容積と圧力
室118との容積比を大きく取ることが可能となってク
ロスト−クを可及的に防止することができ、また圧力室
の容積や、圧力室118とノズル開口110aとの接続
流路118aや、共通インク室119との連絡流路11
8bを可及的に理想に近い形に構成することが可能とな
る。
【0024】図16は本発明の振動子ユニットの他の実
施例を示すものであって、この実施例では複数個分の振
動子ユニットのサイズを有する1枚の圧電振動板120
を用意し、その先端に予め振動伝達部材形成材121を
固定しておき(同図イ)、振動子に適したピッチで合成
部材形成材121側から圧電振動板120の他端までス
リット122,122を入れて圧電振動板120を短冊
状に切断することにより、先端に振動伝達部材124,
124‥‥を有する振動子123,123,123‥‥
に切分けたものである。このようにして形成された振動
子を必要な個数だけ予め各振動子の配列位置に合わせて
それぞれ切り離された電極層を有する固定板に導電性接
着剤により一定ピッチで固定することにより振動子ユニ
ットを構成することができる。
【0025】また同図(ハ)は、上記圧電振動プレ−ト
120に固定されている振動伝達部材形成材の一端から
圧電振動板120の中央部付近まで一定のピッチでスリ
ット125,125,125‥‥を形成して、圧電振動
プレ−ト120aの端部領域を連結部とし、ユニットを
形成するのに必要な個数分のところで、圧電振動プレ−
トの端部までスリット127を延長して切り離すように
したもので、固定板への取り付け作業が簡素化できる。
これらの実施例によれば、複数個分ユニットを形成する
に必要な振動子を連続的に切り出すことができるため、
切断手段を一定の条件で駆動できて加工精度の向上を図
ることができる。
【0026】このようにして前述の振動子ユニット、及
びインク流路形成ユニットが構成された段階で、流路形
成ユニット10を基台4に形成されている振動子ユニッ
ト収容室5の開口部6に接着し、収容室5の他方の開口
から、振動子ユニットの振動伝達部材23,23,23
‥‥の先端部に微量の接着剤を塗布して、振動伝達部材
23,23,23‥‥を先端として挿入する。振動伝達
部材23,23,23‥‥が流路形成ユニット10の近
傍まで接近した段階で、図17に示したように振動子ユ
ニット30の位置決め孔30cが、位置決め用凸部、例
えば流路形成ユニット10の裏面に突出させたピン10
aに対向するように振動子ユニット30の挿入位置を微
調整しながら更に挿入する。この結果、各振動伝達部材
23が流路形成ユニット10の各振動領域に当接した状
態で、振動子ユニット30とインク流路形成ユニット1
0とが接着固定されることになる。なお、この位置決め
用凸部10aは、振動ユニット30と流路形成部材10
との接着固定が完了した段階では不要な部材であるか
ら、流路形成部材10の所定位置に通孔を形成してお
き、この通孔から着脱可能なピンを挿入し、接着が終了
した段階で抜き取るようにしてもよく、また基台4から
腕を位置決め孔10に対向する位置まで延長させて、こ
れにピンを設けるようにしても同様の作用を奏する。
【0027】図18は、上述の工程により製造されたイ
ンクジェット記録ヘッドの圧力室近傍の階層構造を示す
ものであって、振動子2は、その先端に固定された振動
伝達部材23を介して振動プレ−ト11に固定されてい
るため、振動子2が直接に当接する場合に比較して、圧
力室20の広い領域を押圧することが可能となる。これ
により、ドット密度180DP程度の極めて高いドット
配列密度を実現する場合に必要となる圧力室20の幅D
を100μmに抑え、かつ必要な容積を確保するために
長さを2mm程度に拡大しても、振動伝達部材23の長
さL’を1.7mm程度に延長することによって圧力室
のほぼ全域を均等に押圧するから、ドットを形成するに
十分な量のインクが液滴としてノズル開口13aから飛
翔することになる。一方、圧電振動板は、低電圧で駆動
するためには積層数を多くする必要があり、また切断作
業時の作業性からはなるべく薄いものが求められるた
め、通常0.3乃至0.6ミリ程度のものが用いられる
ことになる。この結果、振動伝達部材23と振動子2と
の先端面の長さの比は、大体2乃至5.5程度に選択さ
れ、望ましくは3乃至4倍程度のものが採用されてい
る。
【0028】図19は、振動子ユニットの他の実施例を
示すものであって、図中符号130は、圧電振動プレ−
トで、少なくともその一方の側面130aを固定板13
1の凹部131aの側壁131bからはみ出させ、かつ
固定板131の側面131cとの距離Gが一定となるよ
うに位置決めされている。この実施例によれば圧電振動
子の側面130cを位置決め基準として使用することが
できて、前述した位置決め用の凹部30cが不要とな
る。
【0029】図20は振動子ユニットの他の実施例を示
すものであって、この実施例においては固定板に重なっ
ている部分にもスリット130bを設け、このスリット
130bを前述した位置決め用の凹部として利用するよ
うにしたものである。この位置決め用に形成された振動
子も電極を備えているが、この領域のものには信号を印
加せずにダミーとして使用される。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては
振動子ユニットと振動子ユニットを保持収容するため
の貫通孔として形成され、両端に開口を備えた振動子ユ
ニット収容室を有する基台と、流路形成ユニットとを備
えたので、基台の一方の開口に流路ユニットを、また他
方の開口から振動子ユニットを挿入固定することによ
、振動子と圧力室との相対位置を正確に決定すること
ができ180ドット/インチという極めて高い密度で
の印刷可能なインクジェット記録ヘッドを簡単な組立作
業で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ヘッドに使用する振動ユニットの
一実施例を示す図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
を示す組み立て分解図である。
【図3】同上記録ヘッドにおける振動子ユニットを拡大
して示す断面図である。
【図4】振動子ユニットの製造工程の一部を示す図であ
る。
【図5】振動子ユニットの製造工程の一部を示す図であ
る。
【図6】振動子ユニットの製造工程の一部を示す図であ
る。
【図7】圧電振動プレ−トの一実施例を示す断面図であ
る。
【図8】圧電振動プレ−ト、振動伝達部材形成材、及び
固定板の取り付け方法に一実施例を示す図である。
【図9】(イ)、(ロ)はそれぞれ振動伝達部材形成材
の一実施例、及び圧電振動プレ−トとの当接状態を示す
図である。
【図10】切断作業前における中間体の配置形態を示す
図である。
【図11】振動伝達部材形成材の他の実施例を示す斜視
図である。
【図12】流路形成部材の製造行程の一部を示す図であ
る。
【図13】流路形成部材の製造工程の一部を示す図であ
る。
【図14】流路形成用感光樹脂フィルムのパタ−ンを示
す上面図
【図15】流路形成部材の他の実施例を製造行程でもっ
て示す図である。
【図16】(イ)、(ロ)、及び(ハ)は、それぞれ振
動子ユニットを構成する振動子の他の製造方法を示す図
である。
【図17】(イ)、(ロ)はそれぞれ流路形成板近傍に
おける振動子ユニットの取り付け構造を示す断面図であ
る。
【図18】圧力室近傍の構造を拡大して示す断面図であ
る。
【図19】(イ)、(ロ)は、それぞれ振動子ユニット
の第二実施例を示す正面図と側面図である。
【図20】(イ)、(ロ)は、それぞれ振動子ユニット
の第三実施例を示す正面図と側面図である。
【符号の説明】
1 振動子ユニット 2 振動子 3 固定板 4 基台 5 振動子収容室 10 流路形成部材 11 振動プレ−ト 12 インク室形成基板 13 ノズルプレ−ト 15 インク供給管 19 共通のインク室 20 圧力室 21 リ−ド線 23 振動伝達部材 24,25 電極 27 リ−ド線 30 ノズル開口列
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電材料と電極材を交互に積層して形成
    された圧電振動プレ−トを所定のサイズで切り出して振
    動子を構成するとともに、前記振動子の自由端側に振動
    伝達部材を固定し、また他端を所定のピッチで固定板に
    固着してなる振動子ユニットと、該振動子ユニットを保
    持収容するための貫通孔として形成され、両端に開口を
    備えた振動子ユニット収容室を有する基台と、振動子ユ
    ニットの振動伝達部材に対向して前記収容室の一方の
    を封止するように前記基台に固定された流路形成ユニ
    ットとからなるインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記基台には振動子ユニットが平行に2
    つ収容され、また流路形成ユニットには2列のノズル開
    口列が形成されていて、各ノズル開口列が1/2ピッチ
    ずらされている請求項1のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記振動伝達部材は、その長手方向の長
    さが前記振動子の先端の長さの3倍以上4倍以下である
    請求項1のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記振動子ユニットはその先端に前記基
    台または流路形成ユニットと相対的に位置決めを行う位
    置決め部材を備えた請求項1のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記位置決め部材が固定板に形成されて
    いる請求項4のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記位置決め部材が振動子を構成する圧
    電振動プレ−トに形成されている請求項1のインクジェ
    ット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記振動伝達部材には圧電振動プレ−ト
    の先端に係合する溝が形成されている請求項1のインク
    ジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記溝にはそのエッジ部にさらに第二の
    溝が形成されている請求項7のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 圧電材料と電極材を交互に積層して形成
    された圧電振動プレ−トの一端に振動伝達部材を、また
    他端を固定板に固定して、所定のサイズで切り出して複
    数の振動子を備えた振動子ユニットを構成する工程と、
    前記振動子ユニットを保持収容するための貫通孔として
    形成され、両端に開口を備えた振動子ユニット収容室を
    有する基台の一方の開口に流路形成ユニットを固定する
    工程と、前記振動子ユニットを前記収容室に挿入する工
    程とからなるインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記振動伝達部材は、予めノズル開口
    の配列ピッチに合わせて溝が形成されており、前記溝を
    切断手段の位置決め手段に利用して圧電振動プレ−トを
    切り出す請求項9のインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記振動子ユニットは、固定板及び振
    動伝達部材とを直角ブロックに当接しながら、前記固定
    板、振動プレ−ト、及び振動伝達部材を接着剤により固
    定する請求項9のインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
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