JP3108767B1 - chib2型キチナーゼの製造法 - Google Patents
chib2型キチナーゼの製造法Info
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Abstract
リーに属し、新規なクラスであるchib2型のキチナーゼ
を、簡便なカラム操作で、短時間に効率よく分離、精製
する方法を開発すること。 【解決手段】 脱脂大豆粉を脱イオン水又は酢酸緩衝液
で抽出し、得られた抽出液からタンパク質画分を分離し
た後、該タンパク質画分を透析処理し、次いで疎水性ク
ロマトグラフィーを行い、得られた溶出液からキチナー
ゼ活性を有する画分を分離し、再度疎水性クロマトグラ
フィーを行うことを特徴とする精製chib2型キチナーゼ
の製造法、および、得られた精製chib2型キチナーゼ
を、マンノース結合性レクチンを不溶性担体に結合させ
たカラムに通すことにより、糖鎖のあるものとないもの
とに分離することを特徴とする精製chib2型キチナーゼ
の製造法。
Description
ダイズ粉などからPR−8キチナーゼファミリーに属す
るchib2型のキチナーゼを簡便に、且つ大量に製造する
方法に関する。
は、N−アセチル−D−グルコサミンのポリマーである
キチンのβ−1,4結合に作用する加水分解酵素であ
る。キチナーゼは、4つのファミリーに分類され、この
うちのクラスI(chia1型)、クラスII(chia2型)およ
びクラスIV(chia4型)は共通の性質を有し、PR−3
キチナーゼファミリーに属している。一方、クラスIII
は上記3クラスの酵素とは異なる性質を示し、PR−8
キチナーゼファミリーに属する。
型キチナーゼの存在のみが確認されていたが、本発明者
らの研究の結果、ダイズにおいて、chib2型のキチナー
ゼの存在が確認された(Yeboah, N. A., Arahira, M.,
Nong, V. H., Zhang, D., Kadokura, K., Watanabe, A.
and Fukazawa, C. (1998) A class III acidic endoch
itinase is specifically expressed in the developin
g seeds of soybean (Glycine max [L.] Merr.) Plant
Molecular Biology, 36, 407-415) 。
ゼと相同性が高いことから、同じクラスIIIのPR−8
キチナーゼファミリーに分類されている。構造的には、
C末端部分の配列が明らかに長いことにおいて、chib1
型キチナーゼと相違している。また、この酵素には糖鎖
を有しているものと有していないものとがある。chib2
型のキチナーゼは、種子の成長初期から終期までの長期
間にわたり分泌されており、ダイズの成長期の防御のみ
ならず、休眠期の防御にも深く関係していることが分か
っている。
に、本発明者らによって初めて見出されたものである。
ダイズから該酵素を分離、精製するための操作は、上記
文献に記載されているように、極めて複雑で長時間を要
する上に、酵素の収率が低く、実用性に欠けるものであ
る。
ズからPR−8キチナーゼファミリーに属し、新規なク
ラスであるchib2型のキチナーゼを、簡便なカラム操作
で、短時間に効率よく分離、精製する方法を開発するこ
とを目的とするものである。
を達成すべく鋭意検討の結果、原料のダイズから得たタ
ンパク質画分を透析した後、疎水性クロマトグラフィー
(hydrophobic interaction chromatography) を行うこ
とにより、目的とするchib2型のキチナーゼのみを特異
的に分離、精製することができることを見出した。さら
に、精製されたキチナーゼについて、マンノースを認識
できるレクチンを用いたカラム処理を行うことにより、
キチナーゼを糖鎖の有無で識別できることを見出した。
このようにして得られる、高度に精製されたchib2型キ
チナーゼから該酵素をコードする遺伝子を取得して該酵
素の性質を解明し、さらには該酵素の工業的な大量生産
に結び付けることができる。本発明は、かかる知見に基
づいて完成されたものである。
イオン水又は酢酸緩衝液で抽出し、得られた抽出液から
タンパク質画分を分離した後、該タンパク質画分を透析
処理し、次いで疎水性クロマトグラフィーを行い、得ら
れた溶出液からキチナーゼ活性を有する画分を分離し、
再度疎水性クロマトグラフィーを行うことを特徴とする
精製chib2型キチナーゼの製造法である。
方法によって得られた精製chib2型キチナーゼを、マン
ノース結合性レクチンを不溶性担体に結合させたカラム
に通すことにより、糖鎖のあるものとないものとに分離
することを特徴とする精製chib2型キチナーゼの製造法
である。
チナーゼファミリーに属し、新規なクラスであるchib2
型のキチナーゼを製造するために用いる原料ダイズとし
ては、ダイズ種子の他に市販の脱脂ダイズ粉などが好ま
しい。ダイズ種子を用いる場合は、該ダイズ種子を液体
窒素中で冷却粉砕後に、ヘキサン等で脱脂を行ったもの
を原料として用いる。市販の脱脂ダイズ粉は、そのまま
使用することができる。なお、本酵素は、キュウリにも
若干含まれていることが分かっているので、これを原料
として本酵素を製造することも可能である。
種子あるいは脱脂ダイズ粉に脱イオン水またはpH5.
0〜7.0程度の希酢酸緩衝液を加えて抽出を行う。こ
の抽出は、原料を抽出溶媒に懸濁し攪拌後、室温で一晩
静置することにより行う。これにより、目的とする酵素
を含むタンパク質を抽出する。ここで、希酢酸緩衝液の
具体例としては、例えば実施例で用いているβ−メルカ
プトエタノールを含む酢酸緩衝液(pH5.0)等が挙
げられる。抽出時に溶媒のpHが5.0〜7.0の範囲
外となった場合には、酢酸あるいは酢酸ナトリウムなど
の適当な物質を用いてpHを調整することが望ましい。
過することにより、大部分の固形分を取り除いて得た粗
抽出液を遠心分離等の固−液分離を行って上清を集め、
抽出液とする。得られた抽出液に硫酸アンモニウムを添
加して塩析を行い、タンパク質を沈澱させる。具体的に
は、抽出液に硫酸アンモニウムをゆっくり加え、低温
(例えば2〜6℃)で30〜60分間程静置することに
より沈澱を生成させる。このとき用いる硫酸アンモニウ
ムとしては、40%飽和となるようにパウダー状のもの
が好適である。
液分離を行って回収する。集めた沈澱を脱イオン水また
は希酢酸緩衝液(例えばβ−メルカプトエタノールを含
む酢酸緩衝液)に懸濁し、流水中で一晩透析を行う。透
析処理後、遠心分離等の固−液分離を行って透析中に生
じた沈澱物を除去する。次に、得られた上清に、終濃度
が0.5〜1.0Mとなるように硫酸アンモニウムを加
え、さらに終濃度が1〜2mM程度となるようにβ−メ
ルカプトエタノールを加える。このとき沈澱が生じたな
らば、固−液分離を行って除去する。このようにして試
料溶液を得る。
供する。この時用いるカラムや溶媒等の種類、抽出時
間、その他の条件については、通常の疎水性クロマトグ
ラフィーの場合と同様にすればよく、特に制限はない。
例えば、試料をカラムに供した後、β−メルカプトエタ
ノールを含む硫酸アンモニウム溶液から硫酸アンモニウ
ム溶液を含まないβ−メルカプトエタノール溶液に直線
的に濃度勾配をかけ、同溶液でしばらく溶出する。
で、溶出液に含まれるキチナーゼ活性を測定すると、キ
チナーゼ活性が認められるが、その活性は低く、未だ精
製度が低いことが分かる(図1参照)。そこで、本発明
においては、該溶出液中のキチナーゼ活性を有する画分
を集めて、再び疎水性クロマトグラフィーを行うことに
より、精製された活性の高いキチナーゼを取得する。
より得られる溶出液中のキチナーゼ活性を測定する。キ
チナーゼ活性の測定は、可溶性のエチレングリコールキ
チンを基質として用い、酢酸緩衝液中で保温した後、ソ
モギー−ネルソン法〔Nelson, N. (1944) Photometric
adaptation of the determination of glucose. J. Bio
l. Chem., 153, 375-380〕、吸光度法〔Imoto, T. and
Yagishita, K. (1971)A simple activity measurement
of lysozyme. Agr. Biol. Chem., 35, 1154-1156 〕等
により行う。なお、還元糖の標準物質として、キチナー
ゼの作用するN−アセチルグルコサミンを用いることが
できる。
画分を集めて、終濃度が0.5〜1.0Mとなるように
硫酸アンモニウムを加え、さらに終濃度が1〜2mM程
度となるようにβ−メルカプトエタノールを加える。そ
の後、該画分を含む試料を、上記と同様に疎水性クロマ
トグラフィーカラムに供して溶出を行う。すなわち、再
び疎水性クロマトグラフィーを行う。このときのクロマ
トグラフィーの条件についても特に制限はなく、前回の
クロマトグラフィーと同様にして行えばよい。
れる溶出液から、緩衝液を除去することにより、高度に
精製されたchib2型キチナーゼが得られる。すなわち、
前記と同様にして、溶出液のキチナーゼ活性を測定し、
活性を有する画分を集める。この活性画分に対し、前記
と同様に硫酸アンモニウムを加えて沈澱させ、遠心分離
等の固−液分離操作により沈澱を回収する。次いで、集
めた沈澱を希酢酸緩衝液に懸濁し、同緩衝液で透析す
る。
chib2型のキチナーゼを簡便な操作によって得ることが
できる。本発明の方法により、chib2型のキチナーゼが
得られたことは、次のようにして確認することができ
る。すなわち、透析後の試料をSDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法により分析することにより行われ
る。試料をこの電気泳動にかけ、得られたバンドを確認
すると、見かけの分子量が15kDa、29kDaおよ
び31kDaを示す3本のバンドが見られる。さらに、
chib2型酵素に対する抗体を用いてWestern blottingを
行うことによって、本酵素がchib2型のキチナーゼであ
ることを確認することができる。
法(PAGE)の結果得られる3本のバンドのうち、見
かけの分子量が29kDaおよび31kDaの2種の酵
素タンパク質は、共通のN−末端およびC−末端配列を
持っているが、前者には糖鎖がないのに対し、後者は糖
鎖を有していることがわかっている。両者の分子量は、
イオンスプレー質量分析法による分析の結果、前者、す
なわち糖鎖がない酵素タンパク質の分子量は31,34
8であり、糖鎖を有する酵素タンパク質の分子量は、3
2,684であった。糖鎖については、現在明らかにさ
れている糖鎖の基本骨格(Voet, D. and Voet, J. D.
著、田宮信雄、村松正美、八木選彦、吉田 浩 訳、ヴ
ォート生化学(上)第2版、pp231、東京化学同人
(1996))を基にして、上記イオンスプレー質量分
析法による分析および糖組成分析の結果から、マンノー
ス6個とN−アセチルグルコサミンが2個結合したもの
であると推測される。
ドは、解析の結果、N−末端配列が他の2つのバンドと
共通であるが、C−末端配列が異なるものであることが
判明した。また、このものは糖鎖を有していないこと以
外は、他の2つのバンドと疏水的な相互作用を有してい
る。
ンパク質を、糖鎖の付いたchib2型のキチナーゼ(分子
量:31kDa)と糖鎖を持たないchib2型のキチナー
ゼ(分子量:15kDaおよび分子量:29kDa)と
に分離することができる。糖鎖を有する酵素タンパク質
と糖鎖を持たない酵素タンパク質を分離するには、これ
らを含む試料をコンカナバリンA(Con A)などのマンノ
ース結合性レクチンを不溶性担体に結合させたカラムに
通すこと(アフィニティークロマトグラフィー)によ
り、容易に行うことができる。
記の方法で製造したchib2型キチナーゼを希酢酸緩衝液
(pH5.0〜7.0)に溶解し、これをレクチンを付
けたアフィニティー担体に供したのち、同じ緩衝液でカ
ラムを洗浄し、続いて同緩衝液で溶出することにより行
う。その結果、アフィニティー担体の非吸着画分および
洗浄画分には、糖鎖が除去された2種類のchib2型酵素
が見出され、一方、緩衝液で溶出した画分には、糖鎖が
ついたchib2型酵素が溶出される。
ろ、糖鎖のないchib2型酵素と糖鎖を有するchib2型酵素
は、比活性、活性pH、耐熱性等の点で殆ど共通した性
質を有している。
結果、登熟初期から中期前半(開花後18日目〜28日
目頃)までは、chib2型のキチナーゼの大部分は糖鎖が
付いているが、登熟が進むにつれて糖鎖が除去され、完
熟時には5%以下となることが明らかとなった。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
0Lの1mM β−メルカプトエタノールを含む20m
M 酢酸緩衝液(pH5.0)と混合し、よく攪拌した
後、室温で一晩静置することによりタンパク質を抽出し
た。なお、抽出時にpH値が上記範囲よりずれた場合に
は、20mMの酢酸溶液を用いてpHを5.0に調整し
た。
して大部分の残渣を取り除いた。その後に、この粗抽出
液を8000×g、4℃、10分の条件で遠心分離し、
上清を集めて抽出液とした。この抽出液に40%飽和と
なるようにパウダー状にした硫酸アンモニウムをゆっく
り加えて4℃、30分で沈澱させた。生じた沈殿を80
00×g、4℃、15分の条件で遠心分離を行って集め
た。得られた沈澱を200mLの1mM β−メルカプ
トエタノールを含む20mM 酢酸緩衝液(pH5.
0)に懸濁し、流水中で一晩透析を行った。
5分の条件で遠心分離を行い、透析中に沈澱したものを
除去した。このようにして得た上清に対して終濃度が
0.5Mとなるように硫酸アンモニウムを加え、さらに
終濃度1mMとなるようにβ−メルカプトエタノールを
加えた。この時点で沈澱を生じた場合には、8000×
g、4℃、15分の条件で遠心分離し、沈澱したものを
除去した。
マトグラフィーのカラム(東ソー社製、ブチルトーヨー
パール650M:カラムサイズφ5.0cm×90c
m)に供した。試料をカラムに供した後に、1mM β
−メルカプトエタノールを含む0.5Mの硫酸アンモニ
ウム溶液から硫酸アンモニウム溶液を含まない1mMβ
−メルカプトエタノール溶液に直線的に濃度勾配(6.
4L)をかけて溶出した後に、1mM β−メルカプト
エタノール溶液2Lで溶出を行った(第1回目の疎水性
クロマトグラフィー)。この溶出は、ポンプとして、フ
ァルマシア社製のFPLCに付属のポンプ(P−50
0)を用いて流速8mL/minの条件で行った。溶出
液は30mLずつ集めた(図1)。
性は、以下の方法で測定した。2%(w/v)の可溶性
エチレングリコールキチンを基質として用い、100m
M 酢酸緩衝液(pH4.5)中で40℃にて15分間
保温した。その後に、前述のソモギー・ネルソン法また
は吸光度法を用いて、生じた還元糖の量を測定すること
により酵素活性を求めた。還元糖の標準物質は、N−ア
セチルグルコサミンを用いた。
集めて、終濃度が0.5Mとなるように硫酸アンモニウ
ムを加え、さらに終濃度が1mMとなるようにβ−メル
カプトエタノールを加えた。その後に、上記の疎水性ク
ロマトグラフィーと同様の条件で、試料をカラムに再度
供して溶出した(第2回目の疎水性クロマトグラフィ
ー)。
出液を、第1回目の溶出液と同様の方法でキチナーゼ活
性を測定した。結果を図2に示す。図2から明らかなよ
うに、第1回目の疎水性クロマトグラフィーの溶出液の
測定結果と比較して、約3倍も強い酵素活性を示した。
溶出液のうち、高いキチナーゼ活性を示す画分に、40
%飽和になるようにパウダー状にした硫酸アンモニウム
をゆっくり加え、4℃で30分間かけて沈澱させ、生じ
た沈殿を8000×g、4℃、15分の条件で遠心分離
を行うことにより回収した。集めた沈澱を10mLの1
mM β−メルカプトエタノールを含む20mM酢酸緩
衝液(pH5.0)に懸濁し、同緩衝液で一晩透析し
た。
ドゲル電気泳動にかけ、バンドを確認したところ、見か
けの分子量15kDa、29kDaおよび31kDaを
示す3本のバンドが得られた(図3)。さらに、chib2
型酵素に対する抗体を用いてWestern blottingを行った
結果、これらはchib2型酵素であることが確認された。
また、精製したchib2型キチナーゼの比活性は、133
units/mg(1unit=1分間に1μmolの
N−アセチルグルコサミンを生じる活性)であった。
タンパク質は、N−末端およびC−末端解析の結果、い
ずれも同じN−末端およびC−末端配列を持つことが明
らかとなった。易動度が遅い分子種は、糖鎖の付いたも
のであると考えられた。また、3つのバンドを示す酵素
タンパク質について、イオンスプレーマススペクトロメ
トリーを行った結果、糖鎖が除去されているバンドの分
子量は、31,348であり、糖鎖が付いているバンド
の分子量は、32,684であった。なお、糖鎖はマン
ノース6個とN−アセチルグルコサミンが2個結合した
ものであると考えられた。さらに、15kDaのバンド
は、N−末端配列は、他の2つのバンドと同じものであ
ったが、C−末端配列は異なっていた。
により分離すべく、以下の操作を行った。試料を20m
M 酢酸緩衝液(pH6.5)に溶解し、糖鎖に対する
アフィニティー担体(ファルマシア社製、Con A セファ
ロース:カラムサイズφ1.0cm×5cm)に供し
た。その後、同緩衝液でカラムを洗浄した。洗浄後に
0.5Mのα−メチルマンノピラノシドを含む20mM
酢酸緩衝液(pH6.5)で溶出した。
浄画分並びに上記の酢酸緩衝液で溶出した画分につい
て、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動を行った。そ
の結果、酢酸緩衝液で溶出した画分である易動度が遅い
分子種(31kDa)は、糖鎖のついたものであった。
また、非吸着画分および洗浄画分に含まれていた15k
Daおよび29kDaのバンドには糖鎖がなかった(図
4)。さらに、15kDaのバンドは、Native−
PAGEの結果、他の2つのバンドと疎水的な相互作用
があることが明らかとなった(図5)。
が酵素活性に与える影響について検討した。その結果、
比活性はいずれも133units/mgであった。ま
た、活性pH曲線を作製したところ、図6に示すよう
に、pHが3.0と8.15の2点で活性が最大となっ
た。また、耐熱性についても、両者共に70℃まで安定
であった。このことから、糖鎖の有無は、酵素活性には
影響しないことが明らかとなった。
キチナーゼの糖鎖の有無について、本発明の方法により
検討した。登熟初期から中期前半の各期のダイズ種子か
ら、実施例1と同様の条件で精製chib2型のキチナーゼ
を得た。さらに、得られたchib2型のキチナーゼを、実
施例2と同様の条件で糖鎖の有無を確認した。その結
果、登熟初期から中期前半(開花後18日目〜28日目
頃)までのダイズ種子に含まれるchib2型のキチナーゼ
の大部分は糖鎖が付いているが、登熟が進むにつれて糖
鎖が除去され、完熟時には、糖鎖の付いているchib2型
のキチナーゼは全体の5%以下となった。この結果よ
り、糖鎖の有無は、何らかの形で種子の成長に係わって
いるものと推測される。
よび脱脂ダイズ粉から、簡便にPR−8ファミリーの新
規なキチナーゼクラスであるchib2型のキチナーゼを分
離、精製することができる。
によれば、疎水性クロマトグラフィーを2回使用するだ
けの簡便な操作によってchib2型のキチナーゼを得るこ
とができる。
り、Con A セファロースなどのアフィニティーカラムを
通すことで、糖鎖の付いた酵素と糖鎖を持たない酵素を
容易に分離することができる。
ナーゼを分離、精製するときや、将来微生物や植物、動
物等で本酵素を発現させたときにも応用することが可能
であると考えられることから、利用範囲は広い。
chib2型のキチナーゼの吸光度および酵素活性を示すグ
ラフである。
chib2型のキチナーゼの吸光度および酵素活性を示すグ
ラフである。
(unit/mL)を示す。一点破線は硫酸アンモニウ
ム濃度(M)を示す。
抽出液のSDS−PAGE泳動写真である。
キチナーゼであることを示し、左部の数字は、分子量
(kDa)を示す。
た後の抽出液のSDS−PAGE泳動写真である。
キチナーゼであることを、2は吸着画分を、3は非吸着
画分を示す。左部の数字は、分子量(kDa)を示す。
チナーゼの解析結果を示す。
hib2型酵素全体の合計量を(15+29+31kD
a)、レーン2は、糖鎖のあるchib2型のキチナーゼ
(31kDa)を、レーン3は、糖鎖のないchib2型の
キチナーゼ(15+29kDa)を示す。
である。
いchib2型のキチナーゼの活性を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 脱脂大豆粉を脱イオン水又は酢酸緩衝液
で抽出し、得られた抽出液からタンパク質画分を分離し
た後、該タンパク質画分を透析処理し、次いで疎水性ク
ロマトグラフィーを行い、得られた溶出液からキチナー
ゼ活性を有する画分を分離し、再度疎水性クロマトグラ
フィーを行うことを特徴とする精製chib2型キチナーゼ
の製造法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法によって得られた精
製chib2型キチナーゼを、マンノース結合性レクチンを
不溶性担体に結合させたカラムに通すことにより、糖鎖
のあるものとないものとに分離することを特徴とする精
製chib2型キチナーゼの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11298255A JP3108767B1 (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | chib2型キチナーゼの製造法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11298255A JP3108767B1 (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | chib2型キチナーゼの製造法 |
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---|---|
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Family Applications (1)
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JP11298255A Expired - Lifetime JP3108767B1 (ja) | 1999-10-20 | 1999-10-20 | chib2型キチナーゼの製造法 |
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EP3731872B1 (en) * | 2017-12-29 | 2021-11-24 | F. Hoffmann-La Roche AG | Process for providing pegylated protein composition |
-
1999
- 1999-10-20 JP JP11298255A patent/JP3108767B1/ja not_active Expired - Lifetime
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Title |
---|
Plant Molecular Biology,Vol.36,No.3,(1998),p.407−415 |
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.86,(1989),P.896−900 |
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