JP3108721U - 誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具 - Google Patents

誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な操作で針先が露出させない安全状態とできる誤刺防止装置等を提供する。
【解決手段】誤刺防止装置は、注射針1の針基2に装着される本体部10と、注射針1を挿通するための挿通口22を開口し、注射針1の延長方向に沿って摺動自在に連結されたカバー部20と、カバー部20を注射針1の先端に突出するよう付勢する弾性体30と、弾性体30の付勢に抗してカバー部20を本体部10側に保持するためのロック機構40と、ロック機構のロック状態を手動で解除するためのロック解除部とを備える。ロック機構40を解除すると、弾性体30によりカバー部20を針先端に向かって突出させ、注射針1の先端部分をカバー部20で覆う安全状態とする。また弾性体30がロック機構40により収縮されカバー部20が本体部10側に保持される使用状態では、カバー部20と本体部10との間に収納されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、人体に穿刺する針に取り付ける誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具に関する。
従来より、使用済み注射針を看護婦や医師等の医療従事者が自分に刺して、肝炎やエイズ等に感染してしまう、いわゆる「針刺し」が問題となっている。このような背景から医療従事者の安全のため「針刺し事故防止機構のついた鋭利器材」が強く求められている。このような器材としては従来、使用後の注射針の先端を覆うプラスチック製のキャップが利用されていた。しかしながら、このキャップの取り付けは作業者が指で行うため、針に付着している血液が人体に付いたり、あるいはキャップを取り付けようとして誤って指先が針先に触れてしまうといった汚染・誤刺の問題が依然としてあり、使用後の針を廃棄処理するには多大な手間を要するという問題があった。
そこで近年、手動でキャップを被せる仕様に代わって、使用後に針全体を自動的に覆うプロテクタが開発されている。例えば、特許文献1に記載される感染防止用注射針90は、図5に示すように蛇腹状の筒体92で注射針91の全体を覆い、使用時には筒体92が収縮して穿刺が可能となる。しかしながら、この構成では使用後の注射針を他者に誤って再使用してしまう問題があった。
これに対して、特許文献2及び3に記載されるように、穿刺後に針を再び覆う部材の針先側に、針を2度以上通さない構成を有した注射針が開発されている。特許文献2に示す保護装置93は、図6に示すようにベロー部94で針の全体を覆うと共に、先端に通孔95を開口している。しかしながら、特許文献2の構成では、穿刺前にも針先がベロー部94によって覆われているため、針先が視認し難く、穿刺時に狙いを定めるのが困難で使い難いという問題があった。また特許文献3に示す注射器プロテクタ96は、図7に示すように形状記憶合金製ワイヤ97で注射器プロテクタ本体98を移動させるものであるが、使用状態でこのワイヤ97が側面に環状に突出するため、この部分が当接しないように使用する必要があり注射器の角度が制限され、またサイズが大きくなるため保管の際にスペースを要する、さらに環状部分が引っ掛かりやすくなる、露出したワイヤが包装時や搬送時に他のものに触れて誤作動したり破損するおそれがあるといった、取り扱い上の不利な問題があった。また一方で、他者に対する再使用でなく、同一人に対して穿刺してから血管を探したり、穿刺ミス等のため穿刺のやり直しを行うことは医療現場では通常行われることであり、このような場合にも上記特許文献の構成では穿刺後、プロテクタが自動的に針全体を覆うため二度目の穿刺もしづらいという問題があった。
特開平8−182761号公報 特開平6−15002号公報 特開2001−79085号公報
本考案は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本考案の主な目的は、簡単な操作で針先が露出しないようにでき、かつコンパクトで扱いの容易な誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本考案の第1の側面に係る誤刺防止装置は、注射針を備える医療器具に装着されて使用される誤刺防止装置であって、注射針の針基に装着される本体部と、注射針を挿通するための挿通口を開口すると共に、該挿通口に注射針を挿通した状態で注射針の延長方向に沿って摺動自在に連結されたカバー部と、本体部とカバー部とを連結すると共に、カバー部を注射針の先端に突出するよう付勢する弾性体と、弾性体の付勢に抗してカバー部を本体部側に保持してロック状態とするためのロック機構と、ロック機構のロック状態を手動で解除するためのロック解除部とを備えており、ロック機構を解除することで、弾性体の付勢力によりカバー部を本体部側から注射針先端に向かって突出させ、注射針を挿通口から押し出すと共に注射針の先端部分をカバー部で覆う安全状態とし、かつ弾性体がロック機構により収縮されカバー部が本体部側に保持される使用状態で、カバー部と本体部との間に収納されている。この構成により、注射針の使用後にロック機構を解除して注射針先端をカバー部で覆い針刺し事故を防止すると共に、使用前の状態では弾性体が外部に突出しないので、外形をコンパクトにして保管や取り扱いの容易にできる利点が得られる。また、使用者が自らの意志でロック解除部を操作してロック状態を解除し注射針を保護できるため、穿刺ミスによる穿刺し直しの際には複数回の穿刺を可能とし、穿刺終了後にロック解除部を操作してロック状態を解除し、安全状態に移行させることができ、注射針を無駄なく利用できる。
また本考案の第2の側面に係る誤刺防止装置は、カバー部が、本体部と対向する面に本体部を挿入可能な開口端を開口し、該開口端の中心と偏心させた位置に挿通口を形成している。これにより、注射針の使用後にカバー部を針先の前方に突出させた状態で、再度カバー部を本体部側に押し戻す力が作用しても、針先が挿通口を通り難くなるため、針先がカバー部から突出するおそれを極減できる。
さらにまた本考案の第3の側面に係る誤刺防止装置は、カバー部が、安全状態において注射針の針先を収納するための針ポケット部を突出させている。これにより、カバー部から突出された針ポケット部に注射針の先端を収納でき、より安全に針先を保護できる。
さらにまた本考案の第4の側面に係る誤刺防止装置は、ロック解除部が、先端をフック状に構成された部材を備え、かつ該フック状先端を係止位置と係止解除位置に切り替え可能であり、一方ロック機構が、本体部とカバー部との間でロック解除部と対向する位置に、フック状を係止可能な係止部を設けてなり、フック状先端を係止部に係止する係止位置とすることで、弾性体の付勢力に抗してカバー部を本体部に保持するロック状態とでき、フック状先端を係止部との係止状態をを解除する係止解除位置とすることで、ロック状態を解除するよう構成されている。この構成により、ロック解除部を操作して簡単にロック状態を解除でき、確実にカバー部を突出させて安全状態に切り替えることができる。例えば、フック状が本体部に設けられた回動軸を中心に回動自在に固定され、係止部がカバー部の側面でフック状と対向する位置に突出された凸状係止部である場合、回動軸を中心にロック解除部を回動させる操作によってロック状態を簡単かつ確実に解除できる。
さらにまた本考案の第5の側面に係る誤刺防止装置は、係止部が、カバー部の側面に形成された鍔であり、フック状が、本体部の側面からカバー部の界面まで延長され、鍔の上端を係止可能な段差部を形成した鍔係止片であり、鍔係止片は弾性部材で形成され、鍔係止片を弾性的に変形させることで段差部と鍔の係止状態を解除するよう構成されている。この構成により、鍔係止片を操作して鍔と段差部との係止状態を解除して簡単にロック状態を解除でき、確実にカバー部を突出させて安全状態に切り替えることができる。
さらにまた本考案の第6の側面に係る誤刺防止装置は、カバー部は内部に保護板を備えてなり、カバー部が押し出されて挿通口から注射針が抜けると、保護板が注射針の先端に対向して末広がりに開放して、針先を覆うように構成されている。この構成により、注射針の使用後にさらに保護板で注射針の先端を保護できるため、カバー部に加えて保護部で針先の鋭利な先鋭部分を確実に保護でき、安全性を向上できる利点が得られる。
さらにまた本考案の第7の側面に係る誤刺防止装置は、さらに使用状態において、注射針がカバー部の挿通口から27mm以上突出する。この構成によって、注射針の長さをある程度確保し、誤刺防止機能を付加したまま注射針の穿刺作業を容易に行うことができる。
さらにまた本考案の第8の側面に係る誤刺防止装置は、カバー部の端部で本体部と面する側の端部の周囲に、弾性体を配置している。
さらにまた本考案の第9の側面に係る誤刺防止機能付注射針は、医療器具に装着されて使用される誤刺防止機能付注射針であって、注射針と、注射針の針基に装着される本体部と、注射針を挿通するための挿通口を開口すると共に、該挿通口に注射針を挿通した状態で注射針の延長方向に沿って摺動自在に連結されたカバー部と、本体部とカバー部とを連結すると共に、カバー部を注射針の先端に突出するよう付勢する弾性体と、弾性体の付勢に抗してカバー部を本体部側に保持するためのロック機構とを備えており、ロック機構を解除することで、弾性体の付勢力によりカバー部を本体部側から注射針先端に向かって突出させ、注射針を挿通口から押し出すと共に注射針の先端部分をカバー部で覆う安全状態とし、かつ弾性体がロック機構により収縮されカバー部が本体部側に保持される使用状態で、カバー部と本体部との間に収納されている。この構成により、注射針の使用後にロック機構を解除して注射針先端をカバー部で覆い針刺し事故を防止すると共に、使用前の状態では弾性体が外部に突出しないので、外形をコンパクトにして保管や取り扱いの容易にできる利点が得られる。
さらにまた本考案の第10の側面に係る誤刺防止機能付注射針を備える医療器具は、医療器具に固定される注射針と、注射針の針基に装着される本体部と、注射針を挿通するための挿通口を開口すると共に、該挿通口に注射針を挿通した状態で注射針の延長方向に沿って摺動自在に連結されたカバー部と、本体部とカバー部とを連結すると共に、カバー部を注射針の先端に突出するよう付勢する弾性体と、弾性体の付勢に抗してカバー部を本体部側に保持するためのロック機構とを備えており、ロック機構を解除することで、弾性体の付勢力によりカバー部を本体部側から注射針先端に向かって突出させ、注射針を挿通口から押し出すと共に注射針の先端部分をカバー部で覆う安全状態とし、かつ弾性体がロック機構により収縮されカバー部が本体部側に保持される使用状態で、カバー部と本体部との間に収納されている。この構成により、注射針の使用後にロック機構を解除して注射針先端をカバー部で覆い針刺し事故を防止すると共に、使用前の状態では弾性体が外部に突出しないので、外形をコンパクトにして保管や取り扱いの容易にできる利点が得られる。
本考案の誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具は、カバー部のロック状態を簡単に解除でき、カバー部を突出させて確実に安全状態に切り替えて針刺し事故を防止し作業者の安全を確保すると共に、全体をコンパクトにして使用や保管を容易にして扱いやすいという特長を実現する。特に誤刺防止装置は安価な構造で、しかも既存の注射針に誤刺防止機能を付加できるので、極めて実用性は高い。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本考案の技術思想を具体化するための誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具を例示するものであって、本考案は誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具を以下のものに特定しない。また、本明細書は実用新案登録請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本考案の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本考案を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
(実施の形態1)
図1に、本考案の実施の形態1に係る誤刺防止装置を、注射針を備える医療器具に装着した状態を示す。図1において、(a)は使用状態、(b)は安全状態をそれぞれ示している。この図に示す誤刺防止装置100は、本体部10と、注射針1の使用後に針先を保護するためのカバー部20と、カバー部20と本体部10とを連結して注射針1の使用後にカバー部20を注射針1の先端に向けて押し出すための弾性体30と、使用時にカバー部20を本体部10に保持するためのロック機構40とを備える。この構成の誤刺防止装置は、使用時すなわち穿刺の際はロック機構40でカバー部20を本体部10側に保持しロック状態とし、使用後にロック状態を解除して弾性体30でカバー部20を押し出し、注射針1の先端を保護して針刺し事故を防止する。
またロック機構40は、ロック状態を手動で解除するためのロック解除部70を備えている。図1に示すロック解除部70は、先端を鎌状に折曲したフック状に形成され、後端を本体部10に回動自在に回動軸で固定されている。さらにカバー部20側にはフック状先端と対向する位置に、これを係止可能な係止部として凸状係止部72を設けている。凸状係止部72はカバー部20の側面から突出しており、ここにフック状先端を係止することでロック機構40が構成される。また図1のカバー部20は、ドーム型のキャップに形成されており、側面の一部にロック解除部70の回動軸を挿入可能な切り込み28を形成している。これによって図1(a)に示すようにロック解除部70と凸状係止部72とを接近でき、ロック解除部70を小型化して操作し易くしている。このロック解除部70は、図1(b)に示すように回動軸を中心に回動させてロック状態を解除できるので、作業者の意志で簡単かつ確実に使用状態から安全状態に切り替え可能である。図1の誤刺防止装置100も、カバー部20に注射針1を挿通するための挿通口22を中心から偏心させた位置に開口させ、弾性体30でカバー部20を突出させると共に回転させて、挿通口22への注射針1の再挿通を防止している。
(本体部10)
本体部10は、誤刺防止装置100を注射針1の針基2に装着するための装着機構を備える。装着機構は例えば誤刺防止装置100を回転して注射器等にねじ込むネジ式、嵌め込み式のスナップ方式等とする。このように本体部10の装着機構で注射針1に装着可能な構成とすることで、既存の注射器等の注射針を備える医療器具に誤刺防止機能を付加でき、既存設備を有効活用してより安全性を高めて使用することができる。あるいは、注射針と誤刺防止装置とを一体化し、この誤刺防止機能付注射針を注射器その他の医療器具に装着して使用する形態とすることもできる。使用される注射針1は、公知の形態、材質等が利用できる。特に本実施の形態では、従来使用されている38mmの長さの注射針が使用できる。
図1に示す本体部10は、全体を円錐のキャップ状に形成し、底面を注射器の先端にセットできる大きさに開口している。また中心に注射針1を通す貫通孔を形成している。なお、誤刺防止装置を注射針1に装着した状態で、注射針1が突出する長さを一定以上確保するように、本体部の大きさ及び形状は設計される。注射針の突出長さが短くなると、穿刺作業が行い難くなるからである。好ましくは、誤刺防止装置を装着した状態で注射針1をカバー部20の挿通口22から27mm以上突出させる。一般的に使用される38mmの注射針を使用しても27mm以上の突出量を確保するために、本体部10は注射器等の先端に被せるようにして装着し、底面の中空部分に注射器を挿入させることで注射針の突出量を可能な限り損なわないように構成している。また、予め長めに設計された注射針を使用することもできる。
(カバー部20)
カバー部20は、注射針1を挿通する挿通口22を開口し、ここに注射針1を挿通した状態で注射針1の延長方向に沿って摺動自在に連結されている。カバー部20と本体部10との間には弾性体30が設けられ、弾性体30の付勢力によってカバー部20は針先に向かって突出するよう付勢される。カバー部20は、使用状態においてはロック機構40により本体部10の上面にセットされた状態を維持し、弾性体30の付勢力に抗してこの使用位置に保たれる。また使用後にはロック状態を解除し、安全位置として図1(b)に示すように注射針1の先端まで押し出されて針先を被覆し、この部分が作業者に触れるのを防止する。図1に示すカバー部20は、下端を開口端とし、この開口端に本体部10の先端を挿入した状態でロック機構40によりロック状態に維持される。
(挿通口22)
またカバー部20は使用状態において注射針1を挿通するための挿通口22を形成している。挿通口22は、使用する注射針に応じて、これを挿通できる大きさ及び形状に形成される。挿通口22の開口面積は、例えば針の直径に+0.5mm程度のマージンを加えた直径とすることで、誤刺防止装置を付加しても容易に注射針を通過させることができ、また挿通口22から塵等の異物が侵入することも回避できる。
挿通口22は、好ましくはカバー部20の中心でなく、中心から偏心した位置に開口する。ここでカバー部20の中心とは、カバー部20の開口端の中心とする。中心からずらした位置に注射針1を挿通することで、一端挿通口22から針先が抜けて安全状態に切り替えられた後、再度意図せず挿通口22に注射針1が入り込み挿通口22を介して針先が外部に突出する事態を回避するためである。中心からずれた位置に挿通口22が開口されておれば、意図せず針先がこの挿通口22を通ってしまうおそれを低減できる。
なお、弾性体30の応力によりカバー部20は本体部10側に戻らないので、通常は針先は表出しない。万一バネが切れたとしても、注射針1を挿通する挿通口22が中心からずれた位置に開口されていると、注射針1をカバー部20の挿通口22に通し難くなるので、カバー部20を介して注射針1が突出するおそれを低減できる。
さらにカバー部20を回転する方向に付勢することで、このような意図しない挿通口22への針先の再挿入をさらに抑止できる。また回転力を付加すると共に、後述する図2に示すように針ポケット部24をカバー部20の中心から離れた円周近傍に設けることで、回転運動により針先を針ポケット部24に誘導する効果が得られる。
回転力の付勢は、カバー部20を針先に押し出す弾性体30で兼用することもできる。これにより、スプリングコイル等を利用して、カバー部20を回転しながら押し出す力を弾性体30から付勢し、部品点数を減らし構成を簡素化できる。ただ、カバー部を押し出す弾性体と回転させる弾性体を個別に用意することも可能であることはいうまでもない。
カバー部20は、針先が簡単に貫通せず、穿刺されない程度の硬度を備えることが望ましい。例えば樹脂やプラスチック製とし、特にポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂であれば、安価であり所望の形状に成形することが容易であり望ましい。また本体部10やカバー部20は、好ましくは透明、半透明といった透光性のある材質で構成することが好ましい。特にカバー部20に透光性を備えることで、穿刺の際に針基2を視認でき、作業を安全かつ容易に行うことができる。
(弾性体30)
弾性体30は、カバー部20を本体部10から針先端まで押し出す力を備える。この例では、カバー部20と本体部10とを弾性体30で連結しており、弾性体30が伸びた状態でカバー部20が針先を完全に覆うことのできる長さとする。好ましくは、針先を覆う安全位置にあるカバー部20と本体部10との距離と伸びた弾性体30の長さを一致させるよう、最短の長さとする。弾性体30は、例えば金属製のワイヤースプリングや板状バネ、丸棒状等とする。ステンレス製のコイルスプリングは、バネ性が強く、錆を防止でき機械的動作不良を軽減できるので好ましい。コイルスプリングは収縮された状態で本体部10の周囲で螺旋状に巻かれ、外部に突出することなくカバー部20と本体部10の間に収納される。図1の例では、コイルスプリングは本体部10の端面上に固定されているが、本体部10の周囲とカバー部20との間にコイルスプリングを配置することもできる。これにより、スプリングが表出することなく、誤刺防止装置100の外形をコンパクトに維持できる。さらにコイルスプリングの中心に注射針1を通すことにより、図1(b)に示すようにカバー部20を突出させた安全状態では、注射針1の先端をカバー部20で保護すると共に、注射針1の側面はコイルスプリングで保護でき、作業者が使用済み注射針1に接触し難くできる。加えてコイルスプリングを採用すれば、カバー部20を回転させる力を同時に作用させることもでき、上述の通り挿通口22から意図しない表出の抑止することができる。
(実施の形態2)
図2に、本考案の実施の形態2としてカバー部に針ポケット部を形成した実施の形態2に係る誤刺防止装置200を示す。この図に示すカバー部20Bは、先端の一部に針ポケット部24を突出させて形成しており、安全位置にカバー部20Bが位置するとき、針ポケット部24に注射針1Bの針先が収納されるように構成される。これにより、収まりよく針先を保護し、安全性を高めることができる。針ポケット部24の大きさは、使用される針の種類や用途に応じて決定され、針先部分が外部に表出しない長さを確実に被覆できるように設計される。針ポケット部24は、好ましくは十分な強度を備えるようにカバー部20Bよりも硬度を高める。例えば針ポケット部の内面に金属板を配置あるいはカバー部と一体成形する。これにより、針先が針ポケット部を貫通して表出するおそれを極減できる。図1の誤刺防止装置100も、カバー部20Bに注射針1Bを挿通するための挿通口22Bを中心から偏心させた位置に開口させ、弾性体30Bでカバー部20Bを突出させると共に回転させて、挿通口22Bへの注射針1Bの再挿通を防止している。またカバー部20Bを透光性部材とすることで、穿刺の際に針基2Bを視認でき、作業を安全かつ容易に行うことができる。さらにロック解除部70Bは、先端を鎌状に折曲したフック状に形成され、後端を本体部10Bに回動自在に回動軸で固定され、一方カバー部20B側にはフック状先端と対向する位置に、これを係止可能な係止部として凸状係止部72Bを設けている。凸状係止部72Bはカバー部20Bの側面から突出しており、ここにフック状先端を係止することでロック機構が構成される。その他の構成も、図1の同様の構成が採用できる。
(実施の形態3)
さらに図3〜図4に、本考案の実施の形態3に係る誤刺防止装置の断面図を示す。図3は、使用状態と、カバー部20Cが波線で示す安全位置に移動された安全状態とを示す断面図であり、図4はカバー部20Cが安全状態に移行して保護板80が解放される状態を連続的に示す断面図である。これらの図に示す誤刺防止装置300は、ロック機構40Cとしてカバー部20Cの側面に鍔29を形成し、ロック解除部70Cとして本体部10Cにこの鍔29を係止する段差部76を形成した鍔係止片74を形成している。鍔29は、好ましくはカバー部20Cの側面に沿って一周するように形成される。また鍔係止片74は、鍔29の上端に段差部76を引っかけてカバー部20Cが飛び出さないように係止している。鍔係止片74は弾性変形するプラスチック等の部材で形成され、外側に弾性変形させて係止状態を解除し、ロック状態を解除できる。このため鍔係止片74は、外側にボタン状操作部78を形成し、作業者はこのボタン状操作部78を手前に起こすことにより簡単にロック状態を解除できる。ロック状態を解除されたカバー部20Cは、弾性体30Cであるコイルスプリングによって針先に突出する。弾性体30Cは、カバー部20Cの後端開口部の周囲に配置される。これによってカバー部20Cのぐらつきが抑えられ、注射針1Cがカバー部20Cから外れることが防止される。
(保護板80)
さらにこの誤刺防止装置300は、カバー部20C内部に注射針1Cの針先を保護する保護板80を備えている。保護板80は鋭利な針先がカバー部20Cを貫通することを阻止する。図3の例では、保護板80はV字状に折曲され、V字が開く方向に付勢された板バネで、安全状態になると板バネを開いてV字状の谷間に針先を位置させてこれを保護する。板バネは、針先で貫通されない十分な強度として、好ましくはステンレス等の金属製とする。また、上記実施の形態1と同様に、挿通口22Cをカバー部20Cの中心から偏心した位置に開口できる。
図4に、保護板80の動作を説明する。図4(a)〜(d)はロック解除部70を操作して使用状態から安全状態に移行する状態を連続的に示している。図4(a)は、誤刺防止装置300の使用状態を示している。この位置では、保護板80はカバー部20Cの内壁と注射針1Cに遮られてV字状に維持され、開かれない。この状態から、ボタン状操作部78を手前に倒して段差部76を上昇させ、鍔29との係止状態を解除する。すると図4(b)に示すようにカバー部20Cと本体部10Cとのロック状態が解除されて、カバー部20Cが針先に向かって突出する。そして図4(c)のようにカバー部20Cの挿通口22Cから針先が抜けると、針先とカバー部20C内壁との間で阻害されていた保護板80の制限が無くなり、保護板80のV字が開く。保護板80は図4(d)に示すように90°程度開いた状態となり、この開放部分で針先の先端を保護する。また保護板80が開かれることによって挿通口22Cを閉塞し、注射針1Cの再挿通を防止できる。この状態では、弾性体30Cが伸びきって逆方向の本体部10C側にカバー部20Cが戻ろうとしたり、外力によってカバー部20Cが本体部10C側に押圧されても、図4(d)のように、開いた保護板80で注射針1Cの先端を覆い表出が阻止される。
本考案の誤刺防止装置及び誤刺防止機能付注射針並びに誤刺防止機能付注射針を備える医療器具は、使用済み注射針の針刺し事故を防止する機能を注射器等に付加して好適に使用できる。
本考案の実施の形態1に係る誤刺防止装置を示す側面図である。 本考案の実施の形態2に係る誤刺防止装置を示す側面図である。 本考案の実施の形態3に係る誤刺防止装置を示す断面図である。 図3の誤刺防止装置が使用状態から安全状態に移行する様子を示す側面断面図である。 従来の感染防止用注射針の一例を示す断面図である。 従来の感染防止用注射針の他の例を示す断面図である。 従来の感染防止用注射針の他の例を示す断面図である。
符号の説明
100、200、300…誤刺防止装置
1、1B、1C…注射針
2…針基
10、10B、10C…本体部
20、20B、20C…カバー部
22、22B、22C…挿通口
24…針ポケット部
28…切り込み
29…鍔
30、30C…弾性体
40、40C…ロック機構
70、70B、70C…ロック解除部
72、72B…凸状係止部
74…鍔係止片
76…段差部
78…ボタン状操作部
80…保護板
90…感染防止用注射針
91…注射針
92…筒体
93…保護装置
94…ベロー部
95…通孔
96…注射器プロテクタ
97…形状記憶合金製ワイヤ
98…注射器プロテクタ本体

Claims (10)

  1. 注射針を備える医療器具に装着されて使用される誤刺防止装置であって、
    注射針の針基に装着される本体部と、
    注射針を挿通するための挿通口を開口すると共に、該挿通口に注射針を挿通した状態で注射針の延長方向に沿って摺動自在に連結されたカバー部と、
    前記本体部とカバー部とを連結すると共に、前記カバー部を注射針の先端に突出するよう付勢する弾性体と、
    前記弾性体の付勢に抗して前記カバー部を前記本体部側に保持してロック状態とするためのロック機構と、
    前記ロック機構のロック状態を手動で解除するためのロック解除部と、
    を備えており、
    前記ロック機構を解除することで、弾性体の付勢力により前記カバー部を本体部側から注射針先端に向かって突出させ、注射針を挿通口から押し出すと共に注射針の先端部分をカバー部で覆う安全状態とし、
    かつ前記弾性体が前記ロック機構により収縮され前記カバー部が前記本体部側に保持される使用状態で、前記カバー部と本体部との間に収納されてなることを特徴とする誤刺防止装置。
  2. 請求項1に記載の誤刺防止装置であって、
    前記カバー部が、前記本体部と対向する面に本体部を挿入可能な開口端を開口し、該開口端の中心と偏心させた位置に前記挿通口を形成してなることを特徴とする誤刺防止装置。
  3. 請求項1又は2に記載の誤刺防止装置であって、
    前記カバー部が、安全状態において注射針の針先を収納するための針ポケット部を突出させてなることを特徴とする誤刺防止装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の誤刺防止装置であって、
    前記ロック解除部が、先端をフック状に構成された部材を備え、かつ該フック状先端を係止位置と係止解除位置に切り替え可能であり、
    一方前記ロック機構が、前記本体部と前記カバー部との間で前記ロック解除部と対向する位置に、フック状を係止可能な係止部を設けてなり、
    前記フック状先端を前記係止部に係止する係止位置とすることで、前記弾性体の付勢力に抗して前記カバー部を本体部に保持するロック状態とでき、
    前記フック状先端を係止部との係止状態をを解除する係止解除位置とすることで、ロック状態を解除するよう構成されてなることを特徴とする誤刺防止装置。
  5. 請求項4に記載の誤刺防止装置であって、
    前記係止部が、前記カバー部の側面に形成された鍔であり、
    前記フック状が、前記本体部の側面から前記カバー部の界面まで延長され、前記鍔の上端を係止可能な段差部を形成した鍔係止片であり、
    前記鍔係止片は弾性部材で形成され、前記鍔係止片を弾性的に変形させることで段差部と鍔の係止状態を解除するよう構成されてなることを特徴とする誤刺防止装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の誤刺防止装置であって、
    前記カバー部は内部に保護板を備えてなり、
    前記カバー部が押し出されて挿通口から注射針が抜けると、前記保護板が注射針の先端に対向して末広がりに開放して、針先を覆うように構成されてなることを特徴とする誤刺防止装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の誤刺防止装置であって、
    使用状態において、注射針が前記カバー部の挿通口から27mm以上突出することを特徴とする誤刺防止装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の誤刺防止装置であって、
    前記弾性体が、前記カバー部の端部で本体部と面する側の周囲に配置してなることを特徴とする誤刺防止装置。
  9. 医療器具に装着されて使用される誤刺防止機能付注射針であって、
    注射針と、
    前記注射針の針基に装着される本体部と、
    前記注射針を挿通するための挿通口を開口すると共に、該挿通口に前記注射針を挿通した状態で前記注射針の延長方向に沿って摺動自在に連結されたカバー部と、
    前記本体部とカバー部とを連結すると共に、前記カバー部を前記注射針の先端に突出するよう付勢する弾性体と、
    前記弾性体の付勢に抗して前記カバー部を前記本体部側に保持するためのロック機構と、
    を備えており、
    前記ロック機構を解除することで、弾性体の付勢力により前記カバー部を本体部側から前記注射針先端に向かって突出させ、前記注射針を挿通口から押し出すと共に前記注射針の先端部分をカバー部で覆う安全状態とし、
    かつ前記弾性体が前記ロック機構により収縮され前記カバー部が前記本体部側に保持される使用状態で、前記カバー部と本体部との間に収納されてなることを特徴とする誤刺防止機能付注射針。
  10. 誤刺防止機能付注射針を備える医療器具であって、
    医療器具に固定される注射針と、
    前記注射針の針基に装着される本体部と、
    前記注射針を挿通するための挿通口を開口すると共に、該挿通口に前記注射針を挿通した状態で前記注射針の延長方向に沿って摺動自在に連結されたカバー部と、
    前記本体部とカバー部とを連結すると共に、前記カバー部を前記注射針の先端に突出するよう付勢する弾性体と、
    前記弾性体の付勢に抗して前記カバー部を前記本体部側に保持するためのロック機構と、
    を備えており、
    前記ロック機構を解除することで、弾性体の付勢力により前記カバー部を本体部側から前記注射針先端に向かって突出させ、前記注射針を挿通口から押し出すと共に前記注射針の先端部分をカバー部で覆う安全状態とし、
    かつ前記弾性体が前記ロック機構により収縮され前記カバー部が前記本体部側に保持される使用状態で、前記カバー部と本体部との間に収納されてなることを特徴とする誤刺防止機能付注射針。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022224517A1 (ja) * 2021-04-23 2022-10-27 ソニーグループ株式会社 保護カバー、注入器具及び注射針セット方法

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