JP3108626B2 - インバータブリッジのゲート駆動信号発生方法 - Google Patents

インバータブリッジのゲート駆動信号発生方法

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JP3108626B2
JP3108626B2 JP08070020A JP7002096A JP3108626B2 JP 3108626 B2 JP3108626 B2 JP 3108626B2 JP 08070020 A JP08070020 A JP 08070020A JP 7002096 A JP7002096 A JP 7002096A JP 3108626 B2 JP3108626 B2 JP 3108626B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力変換器や回転
機駆動等に用いられるインバータの制御方法に関し、特
にインバータブリッジのゲート駆動信号発生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インバータブリッジのゲート駆動
はPWM(Pulse WidthModulatio
n)方式を用いられてきた。その代表的な方式は、三角
波や鋸波等の時間に対して直線的に変化するキャリア信
号とインバータ駆動信号(変調信号)とを比較してPW
M出力を得る方式である。図7に、従来のPWM変調器
の構成を示す。図7では、キャリア信号ebと変調信号
esを入力とするコンパレータ71がPWM変調器を構
成しており、変調信号esがキャリア信号ebより大き
ければ1を、小さければ0を出力してPWMパルスを発
生する。図8は三角波キャリア信号ebによって変調信
号esをPWMパルスに変調する様子を示している。こ
のようなPWMパルスに基づいて、図9(a)に示すよ
うなフルブリッジインバータの制御を行えば、図9
(b)に示す様な出力電圧波形Eiを得ることができ
る。なお、図9(b)には、図9(a)に示されるIG
BTのスイッチング素子Q1〜Q4のゲート駆動パルス
例を示しておく。ただし、実際にはインバータブリッジ
のアーム短絡を防止するためデッドタイムと呼ばれるス
イッチングオフの区間が付加される。近年ではディジタ
ル・シグナル・プロセッサ(DSP)や、マイクロプロ
セッサ等によりディジタル的にPWMパルスを発生させ
る方式も多く用いられているが、原理的には上述の手法
と同じである。DSP等を用いてPWMパルスを発生さ
せる場合、図9(a)に示すように、DSP92におい
てキャリア信号と電流検出器91で検出された電流値と
所望の基準信号の差分値からなる変調信号とを比較し
て、スイッチング素子Q1〜Q4のゲートオン時間とゲ
ートオフ時間を算出するPWM演算を行い、これを外部
ロジック回路93に出力する。外部ロジック回路93で
は、タイマおよびやカウンタを利用してスイッチング素
子Q1〜Q4に与えるゲートパルス信号を作成する。
【0003】一方、シグマデルタ変調技術は、ディジタ
ル信号処理の分野において、ADコンバータや、DAコ
ンバータに広く利用されている技術である。図10に、
1次のシグマデルタ変調の基本構成を示す。1次のシグ
マデルタ変調は、量子化器1、単位遅延素子2、減算器
3、加算器4から構成される。ここで図10の量子化器
1で入力と無相関な量子化雑音Naが発生するとすれ
ば、1次のシグマデルタ変調の入力Xに対する出力Y
は、
【0004】
【数1】
【0005】となり、量子化雑音Nqは、
【0006】
【数2】
【0007】で表される。ここで量子化雑音Naは白色
雑音であり、量子化ステップをσ、サンプリング周波数
をfsとすると、そのスペクトル密度は、σ2/6fs
となる。従って量子化雑音NqのパワースペクトルPN
q(f)は、
【0008】
【数3】
【0009】となる。従って、f=fs/6を境にし
て、低周波数側では量子化雑音のパワーは小さく、高域
側では大きくなるという特性をもっている.シグマデル
タ変調の次数を増やせば、さらにこの特徴は顕著にな
り、低域側での雑音が小さくなり、かつ量子化雑音のパ
ワーは非常に高い周波数に集まる特徴をもつため1ビッ
ト型のDAコンバータとして利用されている。
【0010】さらに、シグマデルタ変調をインバータの
スイッチング素子のオン・オフ制御に利用した例として
特開平6−141552号公報があり、その構成を図1
1に示す。図11における制御構成は、共振形方形波イ
ンバータに対する制御回路である。ここで、スイッチン
グ素子のゲート駆動パルス信号の元となるパルス信号を
出力共振電流のゼロクロスを基にPLL回路111によ
って作成し、このパルスを出力電力指令(PDM指令信
号)に応じて、PDM回路112の論理積回路113に
よって間引いている。PDM回路112のシグマデルタ
変調器は、ラッチ回路114、積分器115、及びコン
パレータ116のループで構成され、このパルスの間引
き間隔をシグマデルタ変調器で作成するというシステム
である。従って、図11の構成は出力電流の正弦波波形
の形状を制御するものではなく、数周期分の出力をマク
ロにとらえた平均的な出力電力を制御するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年、DSP等を用い
てディジタル的にインバータ制御を行う例が徐々に増え
つつあるが、キャリア信号と変調信号を比較してPWM
パルスを作成するという従来のPWM方式をそのまま適
用する場合、DSPの処理速度が不十分なため直接PW
MパルスをDSP出力することができない。そこで、従
来はDSPによってゲートオン・オフ時間をキャリア信
号と変調信号の比較により算出して、これらの時間デー
タを外部ロジック回路に出力し、外部ロジック回路のタ
イマやカウンタ回路において、DSPから受け取った時
間データに基づいたゲート駆動パルスの作成を行ってい
た。このように、従来技術では、DSPによるPWM演
算、およびDSPから出力される時間データに基づくパ
ルス作成と2段回の構成をとっている。そのため、処理
が複雑で、インバータ装置のコンパクト化をはかれない
という問題点があった。
【0012】また、インバータブリッジのスイッチング
素子のゲート駆動にシグマデルタ変調を単に適用して
も、シグマデルタ変調して得られたパルス信号は、数式
3からも明かなように、非常に高い周波数を多く含んで
いるため、そのまま利用したのでは、インバータブリッ
ジにおいてアーム短絡を生じ、スイッチング素子が破壊
してしまうという問題点があった。
【0013】さらに、シグマデルタ変調して得られたパ
ルス信号は高周波成分を含んでおり、インバータブリッ
ジのスイッチングが非常に高周波となってスイッチング
回数が多くなるため、インバータ装置の変換効率が低下
するという問題点があった。
【0014】また、高周波リンク方式の系統連係インバ
ータ制御では、高周波トランスへのゲートオン時間が長
くなりすぎると、高周波トランスのコアの磁束が飽和
し、過電流が流れる悪影響が発生するという問題点があ
った。
【0015】本発明の目的は、上記問題点を解決するた
めに、インバータ制御のための変調信号をシグマデルタ
変調して得られるパルス信号を、インバータ装置のディ
ジタル制御に適したインバータブリッジのゲート駆動信
号発生方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のインバ
ータブリッジのゲート駆動信号発生方法は、インバータ
装置を構成するインバータブリッジのゲート駆動信号発
生方法において、上記インバータ装置を駆動するための
インバータ駆動信号をシグマデルタ変調して得られる1
ビット信号に、上記インバータブリッジの最小ゲートオ
フ時間の制約が付加されて生成された出力パルス信号に
基づいて上記インバータブリッジのゲート駆動信号を作
成すると共に、上記出力パルス信号がシグマデルタ変調
の際の量子化誤差演算のためにフィードバックされるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項2に記載のインバータブリッジのゲ
ート駆動信号発生方法は、インバータ装置を構成するイ
ンバータブリッジのゲート駆動信号発生方法において、
上記インバータ装置を駆動するためのインバータ駆動信
号をシグマデルタ変調して得られる1ビット信号に、上
記インバータブリッジの最小ゲートオフ時間の制約及び
最大ゲートオン時間の制約が付加されて生成された出力
パルス信号に基づいて上記インバータブリッジのゲート
駆動信号を作成すると共に、上記出力パルス信号がシグ
マデルタ変調の際の量子化誤差演算のためにフィードバ
ックされることを特徴とする。
【0018】請求項3に記載のインバータブリッジのゲ
ート駆動信号発生方法は、請求項1または請求項2に記
載のインバータブリッジのゲート駆動信号発生方法にお
いて、上記最小ゲートオフ時間を可変にすることにより
上記出力パルス信号の最大周波数を抑制することを特徴
とする。
【0019】請求項4に記載のインバータブリッジのゲ
ート駆動信号発生方法は、請求項3に記載のインバータ
ブリッジのゲート駆動信号発生方法において、上記イン
バータ駆動信号の瞬時値の大きさに応じて上記最小ゲー
トオフ時間を可変にすることを特徴とする。
【0020】請求項5に記載のインバータブリッジのゲ
ート駆動信号発生方法は、請求項1乃至請求項3に記載
のインバータブリッジのゲート駆動信号発生方法におい
て、上記1ビット信号はユニポーラ信号であり、該ユニ
ポーラ信号をゲートオン・オフ区間と対応させて上記出
力パルス信号とし、上記インバータ駆動信号の正負を表
す符号信号と上記出力パルス信号とに基づいて上記ゲー
ト駆動信号を作成することを特徴とする。
【0021】請求項6に記載のインバータブリッジのゲ
ート駆動信号発生方法は、請求項1乃至請求項3に記載
のインバータブリッジのゲート駆動信号発生方法におい
て、上記1ビット信号はバイポーラ信号であり、該バイ
ポーラ信号の一方極と他方極を正側出力と負側出力のゲ
ートオン区間と対応させると共に、上記バイポーラ信号
が一方極から他方極へ変化する区間を上記最小ゲートオ
フ時間として上記出力パルス信号とすることを特徴とす
る。
【0022】請求項1に記載の本発明によれば、インバ
ータ駆動信号をシグマデルタ変調することにより、1ビ
ットのパルス信号が順次得られる。このパルス信号は2
値の信号であり、低周波の変調信号成分と変調信号に比
べて十分高周波の量子化歪成分で構成される。ここで得
られるパルス信号の波形は、従来のPWMパルス波形と
はその高調波歪成分の分布の上で異なる。従来のPWM
制御では、高調波歪はキャリア周波数のサイドバンドと
してピーク状に現れるが、シグマデルタ変調の場合は、
数式3で示したように高周波側により大きくなる形で連
続して現れることになる。
【0023】また、シグマデルタ変調して得られる1ビ
ットのパルス信号に対して最小ゲートオフ時間の制約を
付加した出力パルス信号をデコードしてゲート駆動信号
を作成すると共に、上記出力パルス信号がシグマデルタ
変調の際の量子化誤差演算のためにフィードバックされ
るため、最小ゲートオフ時間の付加によって加わった歪
も量子化歪として、シグマデルタ変調の際に取り扱われ
るので、最小ゲートオフ時間の設定によって加わった低
周波域の歪が除去される。
【0024】請求項2に記載の本発明によれば、インバ
ータ駆動信号をシグマデルタ変調して順次得られる1ビ
ットのパルス信号に対して最小ゲートオフ時間の制約及
び最大ゲートオン時間の制約を付加した出力パルス信号
が得られる。ここで、出力パルス信号の0の区間の最小
継続時間が規定されるのに加え、1の区間の最大継続時
間も規定されている。従って、この場合、最大出力時に
は1の区間が最大ゲートオン時間、0の区間が最小ゲー
トオフ時間となる出力パルス信号が得られる。さらに、
これらの制限を加えられた出力パルス信号をシグマデル
タ変調の際の量子化誤差演算のためにフィィードバック
されるため、これらの制限に起因する歪みも量子化歪と
して、シグマデルタ変調の際に取り扱われるので、低周
波域の歪は除去される。
【0025】請求項3または請求項4に記載の本発明に
よれば、インバータ駆動信号の瞬時値の大きさに応じて
最小ゲートオフ時間を可変にする、特に、インバータ駆
動信号が小さいときは最小ゲートオフ時間を長く、イン
バータ駆動信号が大きいときは最小ゲートオフ時間を短
くなるように設定することにより、これに応じてゲート
オン時間がシグマデルタ変調により適切に調整されるた
め、出力パルスの最大周波数が抑制される。つまり、シ
グマデルタ変調して得られる1ビット信号のパルス信号
の最大周波数を抑制する抑制手段を備えることにより、
インバータブリッジのスイッチング素子のスイッチング
性能に合わせて、最大スイッチング周波数を設定するこ
とができる。
【0026】請求項5に記載の本発明によれば、インバ
ータ駆動信号を全波整流波形とし、かつインバータ駆動
信号の正負を表す符号信号を用意し、前記全波整流波形
をシグマデルタ変調して得られる1ビットのパルス信号
をユニポーラ信号としてゲートのオン・オフ区間と対応
させる。つまり、スイッチング素子のゲートオン区間お
よびゲートオフ区間を1ビットのパルス信号の1の区間
と0の区間としてそれぞれ対応させ符号信号によってゲ
ートオンするスイッチング素子の組み合わせを変更する
ことによって、逆極性の出力が得られるようになる。
【0027】請求項6に記載の本発明によれば、インバ
ータ駆動信号をシグマデルタ変調して得られる1ビット
信号をバイポーラ信号とし、そのバイポーラ信号1,−
1を正側出力時と負側出力時のスイッチング素子のゲー
トオン区間に対応させて、1から−1、または−1から
1に変化する0区間を最小ゲートオフ時間とし、実質的
に3値の出力パルス信号を出力してゲート駆動信号を作
成する。
【0028】以上のようにして得られたゲート駆動信号
により、インバータブリッジの駆動制御を行うことがで
きる。
【0029】
【発明の実施の形態】図9(a)に示したフルブリッジ
インバータの制御に本発明を適用した場合について図1
及び図2を用いて説明する。なお、以下の説明で特に断
らない限り、同一符号は同一機能を有する。
【0030】0〜1の範囲で値を有する全波整流波形状
のインバータ駆動信号(変調信号)Xは、ディジタルフ
ィルタ5により補間されて1次のシグマデルタ変調器1
0と最小ゲートオフ時間設定回路11に入力される。変
調信号Xは、マイコン等で発生され、変調信号の瞬時値
(半周期以内の波高値)に対応した2ビット以上のディ
ジタル信号で、0〜1の範囲の数値を表す。なお、変調
信号Xは、本実施の形態では、所望の周期でインバータ
駆動を行う正弦波そのものを用いたが、基準信号とイン
バータの出力電流または電圧信号との差分としてもよ
い。また、変調信号Xは、多ビットのため、通常、シグ
マデルタ変調器10にパラレルで入力され、その入力周
波数は、シグマデルタ変調器10のサンプリング周波数
よりはるかに低周波数である。
【0031】シグマデルタ変調器10は、図10と同じ
構成であり、量子化器1は、加算器4の出力が0.5よ
り大きい場合は1を出力し、小さい場合は0を出力する
ように構成され、この1ビットの出力パルスUは、最小
ゲートオフ時間設定回路11により0区間の最小継続時
間の制約を付加されて出力パルスYを得る。一方、0か
1かどちらかの値を持つ出力パルスYはシグマデルタ変
調器10にフィードバックされ、減算器3において、量
子化器1の入力Vから減算され、量子化器1および最小
ゲートオフ設定回路11によって生じる量子化誤差−N
a=V−Yが算出され、単位遅延素子2に出力される。
単位遅延素子2において1サンプリング期間遅延された
量子化誤差Naは加算器4においてディジタルフィルタ
5の出力と加算され、量子化器1への入力Vが作成され
る。
【0032】最小ゲートオフ時間設定回路11は、量子
化器1の出力パルスUの立ち下がりエッジに同期して定
められた期間0を出力するワンショットパルス発生回路
7と、ワンショットパルス発生回路7からのワンショッ
トパルスと量子化器1の出力パルスUとの論理積をとり
出力パルスYを出力するAND回路8と、前記ワンショ
ットパルスの0期間を設定するオフ時間設定回路6から
構成される。オフ時間設定回路6では、変調信号Xの値
に応じてワンショットパルスの0期間である最小ゲート
オフ時間Toffが決定される。例えば図2に示すよう
に変調信号Xが0〜0.5の間はToff=t0の一定
値、Xが0.5〜1の区間はToff=2t0(1−
X)となるように設定する。このシグマデルタ変調器で
は変調信号Xの値が0.5近辺で量子化器1の出力が最
も高周波となるため、この近辺でToff=t0と定め
たとするならば、その近辺での量子化器1の出力パルス
Uの周波数はほぼ1/2t0となり、出力パルスUの最
大周波数が抑制される。
【0033】デコーダ回路12は、AND回路8と、N
OT回路9と、Dフリップフロップ13と、クリア端子
付きDフリップフロップ14とから構成され、出力パル
スYは、変調信号Xと同期されて入力されるインバータ
駆動信号の正弦波の正負に対応した符号信号Sと共にデ
コーダ回路12に入力され、デコーダ回路12で、出力
パルスYから図9(a)のスイッチング素子Q1〜Q4
のゲート駆動信号が作成される。
【0034】次に、高周波リンク方式の系統連系インバ
ータの制御に本発明を適用した場合について図3及び図
4を用いて説明する。
【0035】図3に、高周波リンク方式の系統連系イン
バータ装置の主回路構成を示す。このインバータ装置
は、太陽電池30から出力された直流電力を商用電力系
統39と同一の位相、および周波数50/60Hzをも
つ交流電力に変換し、商用電力系統39に供給するもの
である。このインバータ装置は、太陽電池30から入力
される直流電流の変動を抑制するコンデンサ31と、イ
ンバータ装置に入力された直流電力を高周波交流(十〜
数百KHz)に変換する高周波インバータブリッジ32
と、太陽電池30(一次側)と商用電力系統39(二次
側)とを絶縁する役割を持つ高周波トランス33と、絶
縁された高周波交流を整流するダイオードブリッジ34
と、整流波形に含まれる高周波成分を除去し平滑化する
ためのDCリアクトル35とコンデンサ36で構成され
るフィルタ回路と、フィルタ回路の直流出力を低周波
(50/60〜数百Hz)で折返し制御を行い、低周波
の交流を得る低周波インバータブリッジ37と、ACフ
ィルタ38とから構成される。
【0036】図4に、図3の高周波インバータブリッジ
32のゲート駆動のための構成を示す。図3のインバー
タは高周波リンク方式のため、高周波トランス33のコ
アの磁束が飽和し、過電流が流れる悪影響を除去するた
め、高周波インバータブリッジ32のゲートオン時間を
制限する必要がある。このため図4では、図1に示した
構成に最大ゲートオン時間の制約を付加するために、シ
グマデルタ変調器10の後に最大ゲートオン時間設定回
路20を加えた構成になっている。最大ゲートオン時間
設定回路20は、量子化器1の出力パルスUの立ち上が
りエッジで出力が1にセットされ最大ゲートオン時間が
経過するかもしくは量子化器1の出力パルスUが0にな
ればリセットされるタイマー回路21と、タイマ回路2
1の出力の立ち下がりエッジに同期して設定した時間の
間0を出力するワンショットパルス発生回路22と、ワ
ンショットパルス発生回路22からのワンショットパル
スと量子化器1の出力パルスUとの論理積を出力するA
ND回路8から構成される。
【0037】AND回路8の出力は、図1と同じ構成の
最小ゲートオフ時間設定回路11によって最小ゲートオ
フ時間の制約が付加され、デコーダ回路12に出力パル
スYが出力される。デコーダ回路12は、スイッチング
素子Q1とQ4の組、およびQ2とQ3の組を交互にオ
ンさせるため、AND回路8の出力パルスYを交互に振
り分ける回路構成としている。図3のインバータ装置で
は、ダイオードブリッジ34において一旦整流され、出
力電圧の極性は低周波インバータブリッジ37によって
制御される。このため、高周波インバータブリッジ32
の制御においては変調信号の極性は考慮の必要がないた
め、デコーダ回路12の構成を簡単にできる。
【0038】なお、その他の信号処理は、図1と同じで
あるので説明は省略する。
【0039】また、上記説明では、変調信号Xを補間す
るためのディジタルフィルタ5を使用しているが、この
ディタルフィルタ5は省略しても構わない。また、最小
ゲートオフ時間設定回路11では、最小ゲートオフ時間
Toffをオフ時間設定回路6により可変にしている
が、高周波スイッチングの可能なMOSFETを使用す
る場合などは、必要とされるデッドタイム時間に固定さ
れていても構わない。さらに、本実施の形態では1次の
シグマデルタ変調器を使用しているが、2次や3次の高
次のシグマデルタ変調を使用しても構わない。さらにシ
グマデルタ変調において量子化誤差Naをフィードバッ
クする際、量子化雑音Nqが低周波域と高周波域におい
て小さく、中域において大きくなるように高次のシグマ
デルタ変調を構成しても構わない。このようにすれば、
最小ゲートオフ時間を可変に制御しなくても出力パルス
Yの最大周波数を抑制することができる。
【0040】次に、ハーフブリッジインバータの制御に
本発明を適用した場合について図5を用いて説明する。
【0041】図5に、ハーフブリッジインバータのゲー
ト駆動のための構成を示す。基本的には、図1と同じで
あるが、シグマデルタ変調器10内の量子化器1は、加
算器4の出力が0より大きい場合は1を出力し、小さい
場合は−1を出力するように構成されている点が異な
る。この出力パルスUに、最小ゲートオフ時間設定回路
50により、−1から1、および−1から1に変化する
間に0区間が挿入される。この0区間は、変調信号Xに
応じて設定される最小ゲートオフ時間である。最小ゲー
トオフ時間設定回路50は−1、0、1の3値の出力パ
ルスYをシグマデルタ変調器10にフィードバックする
とともに、符号ビット信号aと0区間信号bをデコーダ
回路51に出力する。デコーダ回路31は符号ビット信
号aによりハーフブリッジインバータの2つのスイッチ
ング素子のどちらをオンにするかを決定し、0区間信号
bによりゲート駆動信号をマスクする。また、このよう
に3値の出力パルスYを用いても、フルブリッジインバ
ータのゲートを駆動できる。
【0042】なお、上記実施の態様では、変調信号Xを
ディジタル信号としていたが、変調信号Xをアナログ信
号とする場合には、図6に示すようなシグマデルタ方式
のADコンバータを用いればよい。図6のADコンバー
タにおいて、抵抗61とコンデンサ62により変調信号
Xとフィードバックされてきた出力パルス信号−Yの加
算と積分を行い、Dフリップフロップ63で量子化と単
位遅延が実行される。Dフリップフロップ63の出力パ
ルスUが変調後のパルス信号であり、このパルス信号に
対し、上述したのと同様に、最小ゲートオフ時間や最大
ゲートオン時間の制約を付加することによって、出力パ
ルスYを得る。出力パルスYはデコーダ回路に出力され
ると共に、図6のADコンバータにフィードバックされ
る。ADコンバータ内で出力パルスYは、反転アンプ6
4で反転されて、抵抗61を介して変調信号と加算され
る。このような構成とすることにより、変調信号Xにア
ナログ信号を用いることができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、イン
バータ制御においてDSP等によるPWM演算をなく
し、かつ外部ロジック回路をシンプルな構成としてイン
バータ装置のコンパクト化を可能にする。また、シグマ
デルタ変調によって得られたパルスに対し、最小ゲート
オフ時間を設定することによりインバータブリッジにお
けるアーム短絡を防止できる。また、シグマデルタ変調
によって作成されたパルスに対して最小ゲートオフ時間
の設定によって生じた出力パルスの低周波歪を大幅に削
減できる。
【0044】請求項2に記載の本発明によれば、シグマ
デルタ変調によって得られたパルスに対し、最大ゲート
オン時間を設定することにより高周波リンク方式のイン
バータ装置の制御が可能となる。また、最大ゲートオン
時間の設定によって生じた出力パルスの低周波歪を大幅
に削減できる。
【0045】請求項3または請求項4に記載の本発明に
よれば、シグマデルタ変調によって得られたパルスの最
大周数を抑制することができるため、スイッチング速度
の遅い素子への適用が可能になると共に、必要以上に高
周波のスイッチングを避けることができるため、インバ
ータ装置の変換効率を向上できる。
【0046】請求項5または請求項6に記載の本発明に
よれば、インバータ装置の構成を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフルブリッジインバータ制御のた
めのブロック図である。
【図2】本発明のインバータ制御で設定される最小ゲー
トオフ時間Toffと変調信号Xとの関係を示す図であ
る。
【図3】本発明に係る高周波リンク方式の系統連系イン
バータのブロック図である。
【図4】本発明に係る高周波リンク方式の系統連系イン
バータ制御のためのブロック図である。
【図5】本発明に係るハーフブリッジインバータの制御
のためのブロック図である。
【図6】本発明に係る変調信号Xがアナログ信号の場合
のシグマデルタ変調器の回路図である。
【図7】従来のPWM変調器の基本構成を示す図であ
る。
【図8】従来のPWM変調の原理を説明するための図で
ある。
【図9】従来のPWMインバータ制御の基本構成を示す
図である。
【図10】, 従来のシグマデルタ変調器の基本構成を
示す図である。
【図11】シグマデルタ変調器を用いた従来のインバー
タ制御の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 量子化器 2 単位遅延素子 3 減算器 4 加算器 5 ディジタルフィルタ 6 オフ時間設定回路 7 ワンショットパルス発生回路 8 AND回路 9 NOT回路 10 シグマデルタ変調器 11,50 最小ゲートオフ時間設定回路 12,51 デコーダ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 浩史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−129334(JP,A) 特開 平4−197081(JP,A) 特開 平4−289782(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02M 7/537

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータ装置を構成するインバータブ
    リッジのゲート駆動信号発生方法において、 上記インバータ装置を駆動するためのインバータ駆動信
    号をシグマデルタ変調して得られる1ビット信号に、上
    記インバータブリッジの最小ゲートオフ時間の制約が付
    加されて生成された出力パルス信号に基づいて上記イン
    バータブリッジのゲート駆動信号を作成すると共に、上
    記出力パルス信号がシグマデルタ変調の際の量子化誤差
    演算のためにフィードバックされることを特徴とするイ
    ンバータブリッジのゲート駆動信号発生方法。
  2. 【請求項2】 インバータ装置を構成するインバータブ
    リッジのゲート駆動信号発生方法において、 上記インバータ装置を駆動するためのインバータ駆動信
    号をシグマデルタ変調して得られる1ビット信号に、上
    記インバータブリッジの最小ゲートオフ時間の制約及び
    最大ゲートオン時間の制約が付加されて生成された出力
    パルス信号に基づいて上記インバータブリッジのゲート
    駆動信号を作成すると共に、上記出力パルス信号がシグ
    マデルタ変調の際の量子化誤差演算のためにフィードバ
    ックされることを特徴とするインバータブリッジのゲー
    ト駆動信号発生方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のインバ
    ータブリッジのゲート駆動信号発生方法において、 上記最小ゲートオフ時間を可変にすることにより上記出
    力パルス信号の最大周波数を抑制することを特徴とする
    インバータブリッジのゲート駆動信号発生方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインバータブリッジの
    ゲート駆動信号発生方法において、 上記インバータ駆動信号の瞬時値の大きさに応じて上記
    最小ゲートオフ時間を可変にすることを特徴とするイン
    バータブリッジのゲート駆動信号発生方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4に記載のインバー
    タブリッジのゲート駆動信号発生方法において、 上記1ビット信号はユニポーラ信号であり、該ユニポー
    ラ信号をゲートオン・オフ区間と対応させて上記出力パ
    ルス信号とし、上記インバータ駆動信号の正負を表す符
    号信号と上記出力パルス信号とに基づいて上記ゲート駆
    動信号を作成することを特徴とするインバータブリッジ
    のゲート駆動信号発生方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4に記載のインバー
    タブリッジのゲート駆動信号発生方法において、 上記1ビット信号はバイポーラ信号であり、該バイポー
    ラ信号の一方極と他方極を正側出力と負側出力のゲート
    オン区間と対応させると共に、上記バイポーラ信号が一
    方極から他方極へ変化する区間を上記最小ゲートオフ時
    間として上記出力パルス信号とすることを特徴とするイ
    ンバータブリッジのゲート駆動信号発生方法。
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