JP3108023B2 - セルロースアセテートフイルムの製造方法 - Google Patents

セルロースアセテートフイルムの製造方法

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JP3108023B2 JP08216626A JP21662696A JP3108023B2 JP 3108023 B2 JP3108023 B2 JP 3108023B2 JP 08216626 A JP08216626 A JP 08216626A JP 21662696 A JP21662696 A JP 21662696A JP 3108023 B2 JP3108023 B2 JP 3108023B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーおよび
1.0μm以下の平均粒子径を有する微粒子を含む塗布
層が設けられたセルロースアセテートフイルムの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアセテート、特に58.0乃
至62.5%の平均酢化度を有するセルロースアセテー
ト(一般にセルローストリアセテートに分類されるも
の)は、その強靭性と難燃性から様々な分野で使用され
ている。セルロースアセテートフイルムは、代表的な写
真感光材料の支持体である。また、セルロースアセテー
トフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡大
している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示装
置における具体的な用途しては、偏光板の保護フイルム
およびカラーフィルターが代表的である。写真材料の支
持体や光学材料としての用途においては、フイルムの光
学的性質や物性に関する要求が厳しい。具体的には、光
学的等方性、透明性、機械的強度、耐久性や寸度安定性
に関して、非常に優れた値が要求されている。
【0003】セルロースアセテートは古くから利用され
ている材料であるから、従来から多くのセルロースアセ
テートフイルムの改良手段が提案されている。例えば、
ポリマーおよび酸化物微粒子(滑り剤粒子)を含む塗布
層をフイルムに設けて、フイルムの耐傷性を改善する方
法が知られている。また、特開昭61−127740号
公報には、N−メチルピロリドンを溶媒として使用して
製造したセルローストリアセテートフイルムが記載され
ている。さらに、特開平2−69532号公報には、ポ
リオールを添加剤として含むセルローストリアセテート
フイルムが記載されている。これらの公報に記載のフイ
ルムでは、光学的性質や物性についての改良が認められ
る。しかし、これらの従来の改良手段を採用しても、最
近の光学的性質や物性に関する厳しい要求には不充分で
あった。従来の方法の範疇でのセルロースアセテートフ
イルムの改良は、ほぼ限界に達しているとも言える。
【0004】セルロースアセテートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法により製造する。ソルベントキャ
スト法では、セルロースアセテートを溶媒中に溶解した
溶液(ドープ)を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させて
フイルムを形成する。従来のセルロースアセテートフイ
ルムの改良手段は、通常のソルベントキャスト法の範疇
での改良であった。これに対して、特表平6−5010
40号公報には、ソルベントキャスト法に代えて、メル
トキャスト法により製造したセルロースアセテートフイ
ルムが記載されている。メルトキャスト法では、セルロ
ースアセテートを加熱により溶融したもの(メルト)を
支持体上に流延し、冷却してフイルムを形成する。しか
し、ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法よ
りも光学的性質や物性が優れたフイルムを製造すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の通常のソルベン
トキャスト法により製造するセルロースアセテートフイ
ルムでは、光学的性質や物性の改良が既に限界に近づい
ている。従来の方法とは全く異なるメルトキャスト法も
提案されているが、それにより得られたフイルムは、従
来のソルベントキャスト法により製造したフイルムより
も、光学的性質や物性が劣っていた。本発明の目的は、
従来の方法では製造することができなかった、優れた光
学的性質や物性を有するセルロースアセテートフイルム
を製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(4)のセルロースアセテートフイルムの製造
方法により達成された。 (1)−10乃至55℃にて平均酢化度が58.0乃至
62.0%のセルロースアセテートを有機溶媒で膨潤さ
せる工程; 膨潤混合物を−100乃至−10℃に冷却する工程; 冷却した混合物を0乃至120℃に加温してセルロース
アセテートを有機溶媒に溶解する工程; 得られたセルロースアセテート溶液を支持体上に塗布し
て、セルロースアセテートフイルムを形成する工程;そ
して、形成したセルロースアセテートフイルムに、ポリ
マーおよび1.0μm以下の平均粒子径を有する微粒子
を含む塗布液を塗布して塗布層を設ける工程を、この順
序で実施することを特徴とする、80μmの厚さに換算
したヘイズが2.0%以下であるか、あるいは、80μ
mの厚さに換算した引裂強度が18g以上であり、かつ
塗布層が設けられた面の動摩擦係数が0.40以下であ
セルロースアセテートフイルムの製造方法。 (2)セルロースアセテートと有機溶媒との混合物を1
0乃至150分攪拌することによりセルロースアセテー
トを有機溶媒で膨潤させる(1)に記載のセルロースア
セテートフイルムの製造方法。 (3)有機溶媒が、酢酸メチルを50重量%以上含む
(1)に記載のセルロースアセテートフイルムの製造方
法。 (4)有機溶媒が、酢酸メチルに加えてアルコール類を
含む(3)に記載のセルロースアセテートフイルムの製
造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】[フイルムの特性] 本発明の方法によれば、80μmの厚さに換算したヘイ
ズが2.0%以下であるセルロースアセテートフイルム
を製造することができる。ヘイズは、1.5%以下であ
ることが好ましく、1.0%以下であることがより好ま
しく、0.5%以下であることがさらに好ましく、0.
3%以下であることが最も好ましい。ヘイズの値は低い
ほど好ましいが、0.1%程度が下限値である。ヘイズ
は、ヘイズ計(例えば、1001DP型、日本電色工業
(株)製)を用いて簡単に測定できる。その測定結果か
ら、フイルムの厚さが80μmの場合のヘイズの値に換
算する。また、本発明の方法によれば、80μmの厚さ
に換算した引裂強度が18g以上であるセルロースアセ
テートフイルムを製造することができる。引裂強度は、
19g以上であることがより好ましく、20g以上であ
ることがさらに好ましく、20.5g以上であることが
最も好ましい。引裂強度の値は、大きいほど好ましいが
40g程度が上限値である。引裂強度は、50mm×6
4mmに切り出したサンプルを、ISO6383/2−
1983の規格に従い、引裂に要する加重を求める。フ
イルムの流延方向と、それに垂直な方向とで測定し、そ
れらの平均値を引裂強度とする。その測定結果から、フ
イルムの厚さが80μmの場合の引裂強度の値に換算す
る。さらに、塗布層を設けた側のフイルムの面の動摩擦
係数は、0.40以下であることが好ましい。動摩擦係
数は、0.35以下であることがより好ましく、0.3
0以下であることがさらに好ましく、0.25以下であ
ることが最も好ましい。動摩擦係数は、低いほど好まし
いが0.10程度が下限値である。動摩擦係数は、JI
SやASTMが規定する方法に従い、鋼球を用いて容易
に測定できる。
【0008】さらに、セルロースアセテートフイルム
は、80μmの厚さに換算した光透過率が75%以上で
あることが好ましく、80%以上であることがより好ま
しく、85%以上であることがさらに好ましく、90%
以上であることが最も好ましい。光透過率は、透明度測
定機(例えば、KOTAKI製作所製)を用いて可視光
線の透過率を測定できる
【0009】以上のような優れた光学的性質および物性
を有するセルロースアセテートフイルムは、本発明の方
法により製造することができる。本発明の製造方法は、
広い意味でのソルベントキャスト法に属する。しかし、
通常の方法では、セルロースアセテートの有機溶媒溶液
(ドープ)を常温または高温での攪拌により製造するの
に対して、この方法では、低温処理を利用してドープを
製造する。具体的には、−10乃至55℃にてセルロー
スアセテートを有機溶媒中に膨潤させた膨潤混合物を、
−100乃至−10℃に冷却してから0至120℃に加
温して、セルロースアセテートの有機溶媒溶液(ドー
プ)を得る。以下、この方法を冷却溶解法と称する。冷
却溶解法を使用すると、従来の方法、すなわち通常のソ
ルベントキャスト法やメルトキャスト法では達成するこ
とが実質的に不可能であった、前記の光学的性質および
物性を有するセルロースアセテートフイルムを製造する
ことができる。
【0010】[セルロースアセテート] 本発明に用いるセルロースアセテートは、平均酢化度
(アセチル化度)が58.0から62.5%である。酢
化度とは、セルロース単位重量当りの結合酢酸量を意味
する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロ
ースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の
測定および計算に従う。本明細書において、「セルロー
スアセテートフイルム」とは、フイルムを構成するポリ
マー成分が実質的に上記のセルロースアセテートからな
ることを意味する。『実質的に』とは、ポリマー成分の
90重量%以上(好ましくは95重量%以上、さらに好
ましくは98重量%以上、最も好ましくは99重量%以
上)を意味する。フイルムの製造の原料としては、セル
ロースアセテート粒子を使用することが好ましい。使用
する粒子の90重量%以上は、1乃至4mmの粒子径を
有することが好ましい。また、使用する粒子の50重量
%以上が2乃至3mmの粒子径を有することが好まし
い。セルロースアセテート粒子は、なるべく球形に近い
形状を有することが好ましい。
【0011】[微粒子]本発明のセルロースアセテート
フイルムは、ポリマーおよび1.0μm以下の平均粒子
径を有する微粒子を含む塗布層を有する。微粒子は滑り
剤として機能して、フイルムの動摩擦係数を改善する。
微粒子としては、無機化合物を用いることが好ましい。
無機化合物の例には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、
炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成
ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アル
ミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウム
が含まれる。二酸化ケイ素、二酸化チタンおよび酸化ジ
ルコニウムが好ましく、二酸化ケイ素が特に好ましい。
無機化合物の微粒子は、表面処理により粒子表面にメチ
ル基を導入することができる。例えば、酸化ケイ素の微
粒子をジクロロジメチルシランやビス(トリメチルシリ
ル)アミンで処理すればよい。
【0012】二酸化ケイ素の微粒子は、既に市販されて
いる(例、アエロジルR972TM、R972DTM、R9
74TM、R812TM、日本アエロジル(株)製)。ま
た、酸化ジルコニウムの微粒子にも市販品がある(例、
アエロジルR976TM、R811TM、日本アエロジル
(株)製)。微粒子の平均粒径は、1.0μm以下であ
ることが好ましい。平均粒径は0.1乃至1.0μmで
あることがさらに好ましく、0.1乃至0.5μmであ
ることが最も好ましい。微粒子は、セルロースアセテー
トに対して、0.005乃至0.3重量%の量で使用す
ることが好ましく、0.01乃至0.1重量%の量で使
用することがさらに好ましい。
【0013】[塗布層]塗布層を構成するポリマーは、
上記微粒子のバインダーとしても機能することができ
る。塗布層のポリマーとしては、親水性ポリマーと疎水
性ポリマーのいずれも用いることができる。なお、親水
性と疎水性は相対的な概念であって、特に厳密な境界は
ない。親水性ポリマーの例には、タンパク質(例、ゼラ
チン、ゼラチン誘導体)、多糖類(例、セルロース誘導
体、寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん)、ポリビニル
アルコール、アクリル酸系ポリマーおよび無水マレイン
酸系ポリマーが含まれる。セルロース誘導体は、カルボ
キシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロースを
含む。疎水性バインダーの例には、セルロースエステル
(例えば、ニトロセルロース、ジアセチルセルロース、
トリアセチルセルロース、メチルセルロース)、ビニル
系ポリマー(例、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニル
アクリレート)、ポリアミドおよびポリエステルが含ま
れる。
【0014】ゼラチン、ゼラチン誘導体、アクリル酸系
ポリマー、セルロース誘導体およびセルロースエステル
が好ましく用いられる。ゼラチン、ゼラチン誘導体およ
びセルロースエステルが特に好ましい。ポリマーの塗布
量は、10mg/m2 乃至10g/m2 の範囲であるこ
とが好ましい。塗布層は、フイルム上に直接設けてもよ
いし、他の層(例えば、帯電防止層)の上に設けてもよ
い。また、フイルムの片面のみに塗布層を設けてもよい
し、両面に設けてもよい。
【0015】[脂肪族エステル]塗布層には、脂肪族エ
ステルを添加することができる。脂肪族エステルの炭素
原子数は、32以上であることが好ましく、32乃至1
40であることがより好ましく、41乃至140である
ことがさらに好ましく、48乃至140であることが最
も好ましい。また、エステルを構成する脂肪酸とアルコ
ールの炭素原子数は、それぞれ10以上であることが好
ましく、12乃至70であることがさらに好ましい。脂
肪酸とアルコールのいずれか一方は、分岐を有している
ことが好ましい。また、分岐は、エステル結合に隣接す
る炭素原子のさらに隣の(二番目の)炭素原子の位置で
あることが好ましい。脂肪族エステルの添加量は、ポリ
マーの量の10乃至100重量%であることが好まし
い。塗布層に添加する脂肪族エステルについては、特開
平3−23438号公報に記載がある。
【0016】[可塑剤]セルロースアセテートフイルム
には、一般に可塑剤を添加する。可塑剤としては、リン
酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リ
ン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート、
トリクレジルホスフェート、オクチルジフェニルホスフ
ェート、トリエチルホスフェートおよびトリブチルホス
フェートが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フ
タル酸エステル、クエン酸エステル、オレイン酸エステ
ルおよびリノール酸エステルが代表的である。フタル酸
エステルの例には、ジメチルフタレート、ジエチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレ
ート、ジオクチルフタレートおよびジエチルヘキシルフ
タレートが含まれる。クエン酸エステルの例には、クエ
ン酸アセチルトリエチルおよびクエン酸アセチルトリブ
チルが含まれる。オレイン酸エステルの例には、オレイ
ン酸ブチルが含まれる。その他のカルボン酸エステルの
例には、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフ
タリルブチルグリコレート、トリアセチン、リシノール
酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチルおよび種々のト
リメリット酸エステルが含まれる。可塑剤の添加量は、
一般にセルロースアセテートの量の0.1乃至40重量
%の範囲であり、1乃至20重量%の範囲であることが
さらに好ましい。
【0017】[劣化防止剤]劣化防止剤をセルロースア
セテートフイルムに添加してもよい。劣化防止剤の例に
は、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤
および酸捕獲剤が含まれる。劣化防止剤については、特
開平5−197073号公報に記載がある。
【0018】[紫外線吸収剤]セルロースアセテートフ
イルム中に、紫外線吸収剤を練り込んでもよい。紫外線
吸収剤は、セルロースアセテートフイルムの経時安定性
を向上させる。紫外線吸収剤は、可視領域に吸収を持た
ないことが望ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾフ
ェノン系化合物(例、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、
4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベ
ンゾフェノン)、ベントトリアゾール系化合物(例、2
−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ3’,5’−ジ−
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−
ヒドロキシ−3’−ジ−t−ブチル−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール)およびサリチル酸系化合物
(例、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル)が用い
られる。紫外線吸収剤の添加量は、セルロースアセテー
トフイルムに対して0.5乃至20重量%の範囲である
ことが好ましく、1乃至10重量%の範囲であることが
さらに好ましい。
【0019】[染料]セルロースアセテートフイルムに
染料を添加して、ライトパイピング現象を防止してもよ
い。染色の色相はグレーが好ましい。セルロースアセテ
ートフイルムの製造温度域での耐熱性に優れ、かつセル
ロースアセテートとの相溶性に優れた化合物を、染料と
して用いることが好ましい。二種類以上の染料を混合し
て用いてもよい。
【0020】[有機溶媒]フイルムの製造に使用する有
機溶媒の例には、ケトン類(例、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン)、エステル類(例、蟻酸
メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブ
チル)、エーテル類(例、ジオキサン、ジオキソラン、
THF、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテ
ル)、炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ヘキサン)およびアルコール類(例、メタノール、エタ
ノール)が含まれる。なお、通常のソルベントキャスト
法で普通に用いられているメチレンクロライドのような
ハロゲン化炭化水素は、使用しないことが好ましい。具
体的には、セルロースアセテートフイルムには、メチレ
ンクロライドのようなハロゲン化炭化水素系溶媒の残留
物が全く検出されないことが好ましい。ハロゲン化炭化
水素は、地球環境や人体への影響の問題に加えて、本発
明の優れた光学的性質または物性を有するセルロースア
セテートフイルムを製造するためにも、使用しないこと
が好ましい。
【0021】酢酸メチルを50重量%以上含む酢酸メチ
ル系溶媒が特に好ましく用いられる。有機溶媒中の酢酸
メチルの割合は、60重量%以上であることが好まし
く、70重量%以上であることがさらに好ましい。酢酸
メチルのみ(100重量%)を溶媒として使用すること
もできる。また、他の溶媒と酢酸メチルとを併用するこ
とで、製造する溶液の性質(例えば粘度)を調整しても
よい。前述した有機溶媒は、酢酸メチルと併用できる。
併用する溶媒としては炭化水素およびアルコール類が特
に好ましい。二種類以上の有機溶媒を酢酸メチルと併用
してもよい。溶媒の沸点は、20乃至300℃であるこ
とが好ましく、30乃至200℃であることがより好ま
しく、40乃至100℃であることがさらに好ましく、
50乃至80℃であることが最も好ましい。
【0022】[膨潤工程] 膨潤工程においては、セルロースアセテートと有機溶媒
とを混合し、セルロースアセテートを溶媒により膨潤さ
せる。膨潤工程の温度は、−10乃至55℃である。通
常は室温で実施する。セルロースアセテートと有機溶媒
との比率は、最終的に得られる溶液の濃度に応じて決定
する。一般に、混合物中のセルロースアセテートの量
は、5乃至30重量%であることが好ましく、8乃至2
0重量%であることがさらに好ましく、10乃至15重
量%であることが最も好ましい。溶媒とセルロースアセ
テートとの混合物は、セルロースアセテートが充分に膨
潤するまで攪拌することが好ましい。攪拌時間は、10
乃至150分であることが好ましく、20乃至120分
であることがさらに好ましい。膨潤工程において、溶媒
とセルロースアセテート以外の成分、すなわち前述した
可塑剤、劣化防止剤、染料や紫外線吸収剤を添加しても
よい。
【0023】[冷却工程]冷却工程においては、膨潤混
合物を−100乃至−10℃に冷却する。冷却温度は、
膨潤混合物が固化する温度であることが好ましい。冷却
速度は、1℃/分以上であることが好ましく、2℃/分
以上であることがより好ましく、4℃/分以上であるこ
とがさらに好ましく、8℃/分以上であることが最も好
ましい。冷却速度は、速いほど好ましいが、10000
℃/秒が理論的な上限であり、1000℃秒が技術的な
上限であり、そして100℃/秒が実用的な上限であ
る。なお、冷却速度は、冷却を開始する時の温度と最終
的な冷却温度との差を、冷却を開始してから最終的な冷
却温度に達するまでの時間で割った値である。冷却工程
においては、冷却時の結露による水分混入を避けるた
め、密閉容器を用いることが望ましい。また、冷却時に
減圧すると、冷却時間を短縮することができる。減圧を
実施するためには、耐圧性容器を用いることが望まし
い。具体的な冷却手段としては、様々な方法または装置
が採用できる。
【0024】例えば、膨潤混合物を攪拌しながら筒状の
容器内を搬送し、その容器の周囲から膨潤混合物を冷却
すると、迅速に且つ均一に膨潤混合物を冷却することが
できる。そのためには、筒状の容器、膨潤混合物を攪拌
しながら筒状の容器内を搬送するため容器内に設けられ
ている螺旋状の搬送機構、および容器内の膨潤混合物を
冷却するため容器の周囲に設けられている冷却機構から
なる冷却装置が好ましく用いられる。また、−105乃
至−15℃に冷却した溶媒を膨潤混合物に添加して、よ
り迅速に冷却することもできる。
【0025】さらに、−100乃至−10℃に冷却され
た液体中へ、膨潤混合物を直径が0.1乃至20.0m
mの糸状に押し出すことにより膨潤混合物することで、
さらに迅速に膨潤混合物を冷却することも可能である。
冷却に使用する液体については、特に制限はない。冷却
された液体中へ膨潤混合物を糸状に押し出すことにより
膨潤混合物を冷却する方法を用いる場合、冷却工程と加
温工程の間で、糸状の膨潤混合物と冷却用の液体とを分
離する工程を行なうことが好ましい。冷却工程におい
て、膨潤混合物が糸状にゲル化しているため、膨潤混合
物と冷却用の液体とを分離は簡単に実施できる。例え
ば、網を用いて、糸状の膨潤混合物を液体から取り出す
ことが可能である。網の代わりに、スリットまたは穴の
開いた板状物を用いてもよい。網や板状物の材料は、液
体に溶解しない材質であれば、特に制限はない。網や板
状物は、各種金属や各種プラスチック材料から製造する
ことができる。網の目の大きさ、スリットの巾や穴の大
きさは、糸状物の直径に応じて、糸状物が通過しないよ
うに調整する。また、糸状の膨潤混合物を冷却装置から
加温装置へ搬送するためのベルトを網状にして、分離と
搬送を同時に実施することもできる。
【0026】[加温工程]加温工程においては、冷却し
た膨潤混合物を加温する。加温工程の最終温度は、通常
は室温である。加温速度は、1℃/分以上であることが
好ましく、2℃/分以上であることがより好ましく、4
℃/分以上であることがさらに好ましく、8℃/分以上
であることが最も好ましい。加温速度は、速いほど好ま
しいが、10000℃/秒が理論的な上限であり、10
00℃秒が技術的な上限であり、そして100℃/秒が
実用的な上限である。なお、加温速度は、加温を開始す
る時の温度と最終的な加温温度との差を、加温を開始し
てから最終的な加温温度に達するまでの時間で割った値
である。加圧しながら加温すると、加温時間を短縮する
ことができる。加圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、溶解が不充分である場合
は、冷却工程から加温工程までを繰り返して実施しても
よい。溶解が充分であるかどうかは、目視により溶液の
外観を観察するだけで判断することができる。具体的な
加温手段としては、様々な方法または装置が採用でき
る。
【0027】例えば、膨潤混合物を攪拌しながら筒状の
容器内を搬送し、その容器の周囲から膨潤混合物を加温
すると、迅速に且つ均一に膨潤混合物を加温することが
できる。そのためには、筒状の容器、膨潤混合物を攪拌
しながら筒状の容器内を搬送するため容器内に設けられ
ている螺旋状の搬送機構、および容器内の膨潤混合物を
加温するため容器の周囲に設けられている加温機構から
なる加温装置が好ましく用いられる。
【0028】また、0乃至55℃に加温された液体中
へ、直径が0.1乃至20.0mmの糸状の膨潤混合物
を入れることにより膨潤混合物を加温することで、さら
に迅速に膨潤混合物を加温することも可能である。冷却
工程において、膨潤混合物を糸状に押し出す方法を採用
した場合は、その糸状の膨潤混合物を加温用の液体に投
入すればよい。冷却工程を糸状押し出し以外の方法で実
施した場合は、加温工程において冷却した膨潤混合物を
加温用液体中へ糸状に押し出す。なお、糸状押し出しを
連続して実施する場合は、製造したセルロースアセテー
ト溶液を次の膨潤混合物の加温用の液体として順次利用
することができる。すなわち、製造し加温された状態の
セルロースアセテート溶液中に、糸状の膨潤混合物を投
入し、混合物を迅速に加温してセルロースアセテート溶
液を得る。
【0029】さらに、冷却した膨潤混合物を筒状の容器
内に導入し、容器内で膨潤混合物の流れを複数に分割
し、分割された混合物の流れの向きを容器内で回転さ
せ、この分割と回転とを繰り返しながら、容器の周囲か
ら膨潤混合物を加温することもできる。上記のように、
物質の流れを分割および回転させる仕切りが設けられた
容器は、一般に静止型の混合器として知られている。代
表的な静止型混合器であるスタチックミキサーTM(ケニ
ックス社)では、物質の流れを二つに分割して右回りに
180度回転させる右回りエレメントと、物質の流れを
二つに分割して左回りに180度回転させる左回りエレ
メントとが、容器内で交互に90度ずらして配列されて
いる。さらにまた、溶媒が沸騰しないように調整された
圧力下で、溶媒の沸点以上の温度まで膨潤混合物を加温
してもよい。温度は、溶媒の種類に応じて決定するが一
般に60乃至200℃である。圧力は、温度と溶媒の沸
点との関係で決定するが、一般に1.2乃至20kgw
/cm2 である。
【0030】[溶液製造後の処理]製造した溶液は、必
要に応じて濃度の調整(濃縮または希釈)、濾過、温度
調整、成分添加などの処理を実施することができる。添
加する成分は、セルロースアセテートフイルムの用途に
応じて決定する。代表的な添加剤は、前述した可塑剤、
劣化防止剤、染料および紫外線吸収剤である。
【0031】[フイルム製膜]以上の冷却溶解法による
セルロースアセテートの有機溶媒溶液(ドープ)の調製
は、通常のソルベントキャスト法における溶液調製(常
温または高温での攪拌)と全く異なるが、得られた溶液
からフイルムを製膜する工程は、通常のソルベントキャ
クト法と同様に実施できる。セルロースアセテート溶液
は、支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形
成する。流延前の溶液は、固形分量が18乃至35%と
なるように濃度を調整することが好ましい。支持体表面
は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。支持体と
しては、ドラムまたはバンドが用いられる。通常のソル
ベントキャスト法における流延および乾燥方法について
は、米国特許2336310号、同2367603号、
同2492078号、同2492977号、同2492
978号、同2607704号、同2739069号、
同2739070号、英国特許640731号、同73
6892号の各明細書、特公昭45−4554号、同4
9−5614号、特開昭60−176834号、同60
−203430号、同62−115035号の各公報に
記載がある。
【0032】セルロースアセテート溶液は、表面温度が
10℃以下の支持体上に流延することが好ましい。流延
した後2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得
られたフイルムを支持体から剥ぎ取り、さらに100か
ら160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留
溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平
5−17844号公報に記載がある。この方法による
と、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能
である。
【0033】[塗布層の形成]製造したフイルムの上
に、ポリマーおよび微粒子のような成分を含む塗布液を
塗布して塗布層を設ける。塗布液の溶媒は、ポリマーの
種類に応じて決定する。セルロース系のポリマー(例、
ジアセチルセルロース)を用いる場合は、前述したフイ
ルムの製造に用いるものと同様の有機溶媒が使用でき
る。塗布は、公知のディップ塗布法、ローラー塗布法、
カーテン塗布法や押出塗布法を用いて実施できる。本発
明のフイルムは、様々な用途に用いられるが、ハロゲン
化銀写真感光材料の支持体として利用すると、特に効果
がある。
【0034】
【実施例】
[実施例1]下記の組成の混合物を、30℃においてデ
ィゾルバー溶解機で2000rpmにて20分間攪拌し
た。混合物を−75℃まで冷却した(冷却速度:2℃/
分)後、45℃まで昇温して透明なドープを得た。
【0035】 ──────────────────────────────────── 混合物組成(1) ──────────────────────────────────── 平均酢化度59.5%、平均重合度320のトリアセチルセルロース 15重量部 トリフェニルホスフェート 2.25重量部 酢酸メチル 66.2重量部 エタノール 16.55重量部 ────────────────────────────────────
【0036】ドープを濾過した後、表面温度が20℃の
ステンレス支持体上に流延した。流延量は、乾燥後の厚
さが80μmになるように調整した。60℃の乾燥風で
乾燥し、揮発分量が30重量%の段階で、支持体からフ
イルムを剥離した。剥離したフイルムを100℃で60
分乾燥し、フイルムを得た。フイルムの乾燥では、自由
収縮させた。フイルムの上に下記の組成の塗布液を25
ml/m2 となるように塗布し、100℃で3分間乾燥
して、塗布層を設けたフイルムサンプルを得た。
【0037】 ──────────────────────────────────── 塗布層組成 ──────────────────────────────────── メタノール 150ml アセトン 850ml ジアセチルセルロース 6g 二酸化珪素微粒子(平均粒径:0.1μm) 0.7g ────────────────────────────────────
【0038】フイルムサンプルのヘイズ、引裂強度、表
面層の動摩擦係数および光透過率を測定した。具体的な
測定条件は、前述した通りである。以上の結果は、後述
する第1表にまとめて示す。
【0039】[比較例1] 下記の組成の混合物を、30℃においてディゾルバー溶
解機で2000rpmにて3時間攪拌して透明なドープ
を得た。ドープを濾過した後、表面温度が20℃のステ
ンレス支持体上に流延した。流延量は、乾燥後の厚さが
80μmになるように調整した。60℃の乾燥風で乾燥
し、揮発分量が30重量%の段階で、支持体からフイル
ムを剥離した。剥離したフイルムを100℃で60分乾
燥し、フイルムを得た。フイルムの乾燥では、自由収縮
させた。フイルムの上に実施例1と同様に塗布層を設け
て、フイルムサンプルを得た。フイルムサンプルのヘ
ズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および光透過率を実
施例1と同様に評価した。結果は、後述する第1表にま
とめて示す。
【0040】 ──────────────────────────────────── 混合物組成(2) ──────────────────────────────────── 平均酢化度59.5%、平均重合度320のトリアセチルセルロース 15重量部 トリフェニルホスフェート 2.25重量部 メチレンクロリド 66.2重量部 エタノール 16.55重量部 ────────────────────────────────────
【0041】[比較例2] 比較例1の混合物組成(2)を用いた以外は、実施例1
と同様に処理してフイルムサンプルを得た。フイルムサ
ンプルのヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および
光透過率を実施例1と同様に評価した。結果は、後述す
る第1表にまとめて示す。
【0042】[実施例2] 下記の混合物組成(3)を用いた以外は、実施例1と同
様に処理してフイルムサンプルを得た。フイルムサンプ
のヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および光透
過率を実施例1と同様に評価した。結果は、後述する第
1表にまとめて示す。
【0043】 ──────────────────────────────────── 混合物組成(3) ──────────────────────────────────── 平均酢化度60.2%、平均重合度320のトリアセチルセルロース 15重量部 トリフェニルホスフェート 2.25重量部 酢酸メチル 74.5重量部 エタノール 8.25重量部 ────────────────────────────────────
【0044】[比較例3] 下記の混合物組成(4)を用いた以外は、比較例1と同
様に処理してフイルムサンプルを得た。フイルムサンプ
のヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および光透
過率を実施例1と同様に評価した。結果は、後述する第
1表にまとめて示す。
【0045】 ──────────────────────────────────── 混合物組成(4) ──────────────────────────────────── 平均酢化度60.2%、平均重合度320のトリアセチルセルロース 15重量部 トリフェニルホスフェート 2.25重量部 メチレンクロリド 74.5重量部 エタノール 8.25重量部 ────────────────────────────────────
【0046】[比較例4] 比較例3の混合物組成(4)を用いた以外は、実施例1
と同様に処理してフイルムサンプルを得た。フイルムサ
ンプルのヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および
光透過率を実施例1と同様に評価した。結果は、後述す
る第1表にまとめて示す。
【0047】[実施例3] 下記の混合物組成(5)を用いた以外は、実施例1と同
様に処理してフイルムサンプルを得た。フイルムサンプ
のヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および光透
過率を実施例1と同様に評価した。結果は、後述する第
1表にまとめて示す。
【0048】 ──────────────────────────────────── 混合物組成(5) ──────────────────────────────────── 平均酢化度60.9%、平均重合度320のトリアセチルセルロース 15重量部 ジエチルフタレート 2.25重量部 酢酸メチル 66.2重量部 エタノール 16.55重量部 ────────────────────────────────────
【0049】[比較例5] 下記の混合物組成(6)を用いた以外は、比較例1と同
様に処理してフイルムサンプルを得た。フイルムサンプ
のヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および光透
過率を実施例1と同様に評価した。結果は、後述する第
1表にまとめて示す。
【0050】 ──────────────────────────────────── 混合物組成(6) ──────────────────────────────────── 平均酢化度60.9%、平均重合度320のトリアセチルセルロース 15重量部 ジエチルフタレート 2.25重量部 メチレンクロリド 66.2重量部 エタノール 16.55重量部 ────────────────────────────────────
【0051】[比較例6] 比較例5の混合物組成(6)を用いた以外は、実施例1
と同様に処理してフイルムサンプルを得た。フイルムサ
ンプルのヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係数および
光透過率を実施例1と同様に評価した。結果は、後述す
る第1表にまとめて示す。
【0052】[実施例4] 実施例3のフイルム製膜において、ステンレス支持体の
温度を−10℃とし、揮発分が55重量%でフイルムを
支持体から剥離し、100℃で60分乾燥した以外は、
実施例1と同様に処理してフイルムサンプルを得た。フ
イルムサンプルのヘイズ、引裂強度、表面層の動摩擦係
数および光透過率を実施例1と同様に評価した。結果
は、下記第1表にまとめて示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明により、従来の方法では製造する
ことができなかった、優れた光学的性質や物性を有する
セルロースアセテートフイルムが得られた。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −10乃至55℃にて平均酢化度が5
    8.0乃至62.0%のセルロースアセテートを有機溶
    媒で膨潤させる工程; 膨潤混合物を−100乃至−10℃に冷却する工程; 冷却した混合物を0乃至120℃に加温してセルロース
    アセテートを有機溶媒に溶解する工程; 得られたセルロースアセテート溶液を支持体上に塗布し
    て、セルロースアセテートフイルムを形成する工程;そ
    して、 形成したセルロースアセテートフイルムに、ポリマーお
    よび1.0μm以下の平均粒子径を有する微粒子を含む
    塗布液を塗布して塗布層を設ける工程を、この順序で実
    施することを特徴とする、80μmの厚さに換算したヘ
    イズが2.0%以下であるか、あるいは、80μmの厚
    さに換算した引裂強度が18g以上であり、かつ塗布層
    が設けられた面の動摩擦係数が0.40以下であるセル
    ロースアセテートフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 セルロースアセテートと有機溶媒との混
    合物を10乃至150分攪拌することによりセルロース
    アセテートを有機溶媒で膨潤させる請求項1に記載のセ
    ルロースアセテートフイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒が、酢酸メチルを50重量%以
    上含む請求項1に記載のセルロースアセテートフイルム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒が、酢酸メチルに加えてアルコ
    ール類を含む請求項3に記載のセルロースアセテートフ
    イルムの製造方法。
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