JP3107544U - 移動式スラグ整粒設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】製鉄所で発生する原料スラグの集積場所に配置し、所定粒度範囲にある製品スラグを高効率かつ低コストで製造することが可能な移動式スラグ整粒設備を提供する。
【解決手段】移動式スラグ整粒設備10は、第1のトレーラに取付けられたホッパー26と、製品スラグを選別する分級手段12と、ホッパー26からスラグを分級手段12に供給する第1のコンベア28と、分級手段12の篩下げスラグを排出する第2及び第3のコンベア47、48と、第2のトレーラに取付けられ、分級手段12の篩上げスラグを破砕するコーンクラッシャ16と、破砕スラグを分級手段12に搬送する第4及び第7のコンベア75、76と、分級手段12から篩上げスラグをコーンクラッシャ16に搬送する第5のコンベア58と、分級手段12から製品スラグを搬送する第6のコンベア54とを有する。
【選択図】図7

Description

本考案は、製鉄所で発生し集積場所に集積された原料スラグから所定粒度範囲にある製品スラグを製造する移動式スラグ整粒設備に関する。
製鉄所で発生するスラグの一例である高炉スラグは、例えば、コンクリートやモルタル用の細骨及び道路の路盤材等に利用されている。しかし、高炉スラグ中には硫黄が含まれるため、高炉スラグに雨水がかかるとスラグ中より硫黄イオンが溶出して黄水を発生させるという問題があった。そこで、特許文献1に示すように、粉砕して整粒した高炉スラグを、例えば、高さ5m程度の高さに山積みして、数週間間隔で山の切り崩し及び積み替えを繰り返しながら長期間風雨に曝すことにより、硫黄を酸化させて黄水が発生しないようにしていた。
このため、従来は、高炉スラグを集積している集積場所からダンプトラック等の搬送車輛で高炉スラグの粉砕及び整粒の各処理を行なう処理場まで運搬し、処理場で粉砕及び整粒を行なった後、整粒された高炉スラグをダンプトラック等の搬送車輛に積載して集積場所まで運搬し、山積みしていた。
特開2004−75451号公報
このように、高炉スラグの粉砕及び整粒の各処理を集積場所とは別の処理場で行なって、再び集積場所に運搬するという作業形態を採用する場合、粉砕及び整粒の処理を行なう前後で高炉スラグを運搬するという付帯作業が必ず発生するため、粉砕及び整粒の各処理作業が分断されて作業効率が低下するという問題が生じていた。また、粉砕及び整粒の各処理コストに加えて運搬コストが余分に発生するため、総処理コストが上昇するという問題が生じていた。更に、粉砕及び整粒の各処理を行なう場合、集積場所から運搬してきた高炉スラグを貯蔵する場所、及び整粒された高炉スラグを一旦保管する場所の確保が必要となり、広い処理場と貯蔵及び保管の各設備を整備しなければならないという問題が生じていた。
本考案はかかる事情に鑑みてなされたもので、製鉄所で発生し集積場所に集積された原料スラグから所定粒度範囲にある製品スラグを高効率かつ低コストで製造することが可能な移動式スラグ整粒設備を提供することを目的とする。
本考案に係る移動式スラグ整粒設備は、製鉄所で発生し集積場所に集積された原料スラグから所定粒度範囲にある製品スラグを製造するための設備であって、
前記集積場所まで牽引される第1及び第2のトレーラと、
前記第1のトレーラに第1の架台を介して取付けられ、集積されている前記原料スラグを受入れるホッパーと、
前記第1のトレーラに第2の架台を介して取付けられ、前記原料スラグを含むスラグから所定粒度範囲の前記製品スラグを選別する少なくとも2段の篩を備えた分級手段と、
前記ホッパーの底部から排出される前記原料スラグを徐々に切り出すフィーダ及び該フィーダから切り出された前記原料スラグを前記分級手段に供給する第1のコンベアと、
前記第2の架台に取付けられ、前記分級手段の篩下げスラグを受ける第2のコンベア及び該第2のコンベアから排出される前記篩下げスラグを前記第1のトレーラ外に排出する第3のコンベアと、
前記第2のトレーラに第3の架台を介して取付けられ、前記分級手段の篩上げスラグを破砕するコーンクラッシャと、
前記第3の架台にその一部又は全部が支持され、前記コーンクラッシャによって破砕された破砕スラグを搬出する第4のコンベアと、
前記分級手段から排出される前記篩上げスラグを前記コーンクラッシャに搬送する第5のコンベアと、
前記第1のトレーラに固定されて、前記分級手段から排出される前記製品スラグを外部に搬送する第6のコンベアと、
前記第4のコンベアによって搬出された前記破砕スラグを前記分級手段に搬送する第7のコンベアとを有する。
本考案に係る移動式スラグ整粒設備においては、集積場所にある原料スラグから所定粒度範囲にある製品スラグを製造するのに必要な各機器を集積場所まで移動させて集積場所で作業を行なうことができるので、従来のように原料スラグ及び製品スラグの移動作業で製品スラグの製造作業が分断されることがなく、製品スラグを高効率で製造することが可能になる。そして、原料スラグ及び製品スラグの移動作業が伴わないため製造コストを低減することが可能になる。
特に、第1及び第2のトレーラに取付けられた機器の高さを3.8m以内に納め、第3、第6のコンベア及び引出しコンベアの機体を伸縮式として、各コンベアの縮小時の長さを第1のトレーラの幅を2.65m以内に納めるようにした場合では、公道を自由に走行することが可能になる。また、第8のコンベア及び第9のコンベアを更に備えるようにした場合、集積場所内の所望の位置に篩下げスラグ及び製品スラグを集積することができる。第1及び第2のトレーラの他に、第7、第8及び第9のコンベア並びに主コンベアを搬送する貨物車を使用する場合では、製品スラグを含むスラグをコンベアで高所に搬送する際に、各コンベアの傾斜角度がコンベア上でスラグの滑落が開始する角度未満になるように各コンベアとして必要な長さのものを運搬することができる。更に、第1及び第2のトレーラにそれぞれ第1及び第2の発電機を取付けた場合では、集積場所に移動して直ちに作業を開始することが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を具体化した実施の形態につき説明し、本考案の理解に供する。
ここで、図1は本考案の一実施の形態に係る移動式スラグ整粒設備の稼動時の配置状況を示す平面図、図2は同移動式スラグ整粒設備の第1のトレーラの側面図、図3は同移動式スラグ整粒設備の第2のトレーラの側面図、図4は同移動式スラグ整粒設備に設けられた第5、第6、及び第9のコンベアの設置状況を示す側面図、図5は同移動式スラグ整粒設備に設けられた第1、第4、及び第7のコンベアの設置状況を示す側面図、図6は同移動式スラグ整粒設備に設けられた第3及び第8のコンベアの設置状況を示す平面図、図7は同移動式スラグ整粒設備の稼動時におけるスラグの移動を示すフロー図である。
図1に示すように、本考案の一実施の形態に係る移動式スラグ整粒設備10は、製鉄所で発生し集積場所に集積された原料スラグの一例である高炉スラグを受け入れる原料スラグ受入れ系統11と、原料スラグ受入れ系統11から供給される高炉スラグを含むスラグから製品スラグを分級する分級手段12と、分級手段12から排出される製品スラグ、製品スラグより小さな粒度を有する篩下げスラグ、及び製品スラグより大きな粒度を有する篩上げスラグをそれぞれ搬送する第1のスラグ搬送系統13の一部と、原料スラグ受入れ系統11、分級手段12、及び第1のスラグ搬送系統13にそれぞれ電力を供給する第1の発電機14とを取付けて高炉スラグが集積されている集積場所まで牽引される第1のトレーラ15を有している。
更に、移動式スラグ整粒設備10は、第1のスラグ搬送系統13から搬送される篩上げスラグを受け入れて破砕するコーンクラッシャ16と、コーンクラッシャ16から排出される破砕スラグを分級手段12に搬送する第2のスラグ搬送系統17と、コーンクラッシャ16及び第2のスラグ搬送系統17にそれぞれ電力を供給する第2の発電機18とを取付けて高炉スラグが集積されている集積場所まで牽引される第2のトレーラ19を有している。以下これらについて、詳細に説明する。
図1、図2、図4、図6に示すように、第1のトレーラ15は積載台20と、牽引車が接続される連結部20aを有し、積載台20の下側には積載台20の幅方向に平行に複数(図2では2本)の車軸21が設けられ、各車軸21の両側にはそれぞれ車輪22が取付けられている。
更に、積載台20の両側面の前部及び後部にはそれぞれアウトリガー23が取付けられている。アウトリガー23を設けることにより、集積場所の地面24に凹凸が存在したり、地面24が傾斜していても、停車した第1のトレーラ15の積載台20の上面を水平に保持することができる。
原料スラグ受入れ系統11は、第1のトレーラ15に第1の架台25を介して取付けられ、集積されている高炉スラグを受入れるホッパー26と、ホッパー26の底部から排出される高炉スラグを徐々に切り出すフィーダ27と、フィーダ27から切り出された高炉スラグを分級手段12に供給する第1のコンベア28を有している。ここで、ホッパー26は第1の架台25に連結し高炉スラグを貯留するホッパー本体29と、ホッパー本体29の上部に取り外し可能に設けられた受入れガイド30を備えている。このような構成とすることにより、受入れガイド30を取り外すことで第1のトレーラ15に取付けられたホッパー本体29の高さを3.8m以内にすることができる。
分級手段12は、第1のトレーラ15に第2の架台31を介して取付けられ、高炉スラグを含むスラグから、例えば、5mmを超えかつ10mm以下の粒度範囲に整粒された製品スラグを分級する少なくとも2段の篩の一例である2段式振動篩32を有している。
そして、2段式振動篩32は、高炉スラグの受入れ側に配置され網目間隔が実質的に10mmに調整された上篩網33を備えた上部篩部34と、上篩網33の下方に隙間を設けて配置され網目間隔が実質的に5mmに調整された下篩網35を備えた下部篩部36と、上部篩部34及び下部篩部36の側部を一体的に覆うと共に第2の架台31に連結したケーシング37を有している。また、2段式振動篩32は、ケーシング37の上部に設けられ回転駆動力を振動駆動力に変換して上部篩部34及び下部篩部36に振動を加える振動発生部38と、第2の架台31に固定され振動発生部38にベルト39を介して回転駆動力を与える電動機40を有している。
ここで、2段式振動篩32には、上篩網33上の篩上げスラグ(10mmを超える粒度範囲)を上篩網33上から排出するケーシング37に形成された上部取出し口41に接続された篩上げスラグシュート42が設けられている。更に、2段式振動篩32には、下篩網35上の製品スラグ(5mmを超えかつ10mm以下の粒度範囲)を下篩網35上から排出するケーシング37に形成された中間部取出し口43に接続された製品スラグシュート44と、下篩網35を通過する篩下げスラグ(5mm以下の粒度範囲)を誘導する篩下げスラグシュート45と、第1のコンベア28の下流側を除く領域とケーシング37周囲を一体的に覆う第1のカバー46が設けられている。
第1のスラグ搬送系統13は、第2の架台31に取付けられ、分級手段12の篩下げスラグを受ける第2のコンベア47と、第2のコンベア47から排出される篩下げスラグを第1のトレーラ15外に排出する第3のコンベア48と、第3のコンベア48によって外部に排出された篩下げスラグを第1の山積み場所Qに搬送する第8のコンベア49を備えた篩下げスラグ搬送部50を有している。また、第2のコンベア47と第3のコンベア48とは第1のフード51を介して接続され、第3のコンベア48と第8のコンベア49とは第2のフード52を介して接続されている。
なお、図6中符号53は第8のコンベア49を傾斜状態で支持する地面24に立設した支柱で、第8のコンベア49の傾斜角度αは18°以下に調整されている。これによって、篩下げスラグが搬送中に第8のコンベア49上で滑るのを防止して篩下げスラグを確実に搬送することができる。
また、第1のスラグ搬送系統13は、図4に示すように、第1のトレーラ15に固定されて、分級手段12から排出される製品スラグを製品スラグシュート44を介して受入れ外部に搬送する第6のコンベア54と、支柱55で18°以下の傾斜角度βで支えられ第6のコンベア54によって外部に排出された製品スラグを第2の山積み場所Pに搬送する第9のコンベア56とを備えた製品スラグ搬送部57を有している。
更に、第1のスラグ搬送系統13は、分級手段12から排出される篩上げスラグをコーンクラッシャ16に搬送する第5のコンベア58を有している。ここで、第5のコンベア58は、第1のトレーラ15に固定されて、分級手段12から排出された篩上げスラグを篩上げスラグシュート42を介して直接受けて横送りする引出しコンベア59と、引出しコンベア59によって搬送された篩上げスラグを第3のフード60を介して受入れ、コーンクラッシャ16に送る主コンベア61を有している。
なお、主コンベア61の第1のトレーラ15寄り下部は地面24に立設した支柱62で支持され、主コンベア61のコーンクラッシャ16寄りの下部は第2のトレーラ19上に立設され支柱62より長い支柱63で支持されている。そして、各支柱62、63の長さを調節して傾斜角度γを18°以下にしている。
また、第3、第6のコンベア48、54及び引出しコンベア59は、機体が伸縮式となって、これらのコンベアの縮小時には、第1のトレーラ15の幅が2.65m以内に納まるようになっている。
図1、図3〜図6に示すように、第2のトレーラ19は積載台64と、牽引車が接続される連結部64aを有し、積載台64の下側には積載台64の幅方向に平行に複数(図3では2本)の車軸65が設けられ、各車軸65の両側にはそれぞれ車輪66が取付けられている。更に、積載台64の両側面の前部、中央部、及び後部にはそれぞれアウトリガー67が取付けられている。アウトリガー67を設けることにより、集積場所の地面24に凹凸が存在したり、地面24が傾斜していても、停車した第2のトレーラ19の積載台64の上面を水平に保持することができる。
コーンクラッシャ16は、第2のトレーラ19に第3の架台68を介して取付けられている。ここで、コーンクラッシャ16は、第5のコンベア58で搬送される分級手段12の篩上げスラグが投入される上部受入れ口69と、第3の架台68により外周部を支えられ上部受入れ口69から落下した篩上げスラグを受け入れる本体部70と、本体部70の中央位置で回転し投入された篩上げスラグを破砕する図示しない破砕部を有している。
更に、本体部70の側部には、破砕部に連結して回転力を伝達する駆動軸71の先端部が突出して設けられ、駆動軸71はベルト72を介して第3の架台68上に設置された電動機73と接続している。また、本体部70の周囲には駆動軸71、ベルト72、及び電動機73を一体的に覆うカバー74が設けられている。なお、コーンクラッシャ16の上部受入れ口69は取り外し可能となっており、上部受入れ口69を取り外すことで第2のトレーラ19に取付けられた本体部70の高さを3.8m以内にすることができる。
第2のスラグ搬送系統17は、第3の架台68にその一部又は全部が支持され(図3では、第3の架台68にその一部が支持されている)、コーンクラッシャ16によって破砕された破砕スラグを搬出する第4のコンベア75と、第4のコンベア75によって搬出された破砕スラグを分級手段12に搬送する第7のコンベア76を有している。
ここで、第4のコンベア75と第7のコンベア76は第4のフード77を介して接続され、第7のコンベア76の第2のトレーラ19寄りの下部は地面24に立設した支柱78で支持され、第1のトレーラ15寄りの下部は第1のトレーラ15上に立設され支柱78より長い支柱79で支持されている。そして、各支柱78、79の長さを調節して傾斜角度δを18°以下にしている。
なお、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61は図示しない貨物車の一例であるトラックで搬送される。第1及び第2のトレーラ15、19の他に貨物車を使用して、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61を搬送するようにすることで、各スラグをそれぞれコンベア76、49、56、61で高所に搬送する際に、各コンベア76、49、56、61の傾斜角度がコンベア76、49、56、61上でスラグの滑落が開始する角度未満、例えば、18°になるように各コンベア76、49、56、61として必要な長さのものを運搬することができる。
また、図1に示すように、第1のトレーラ15には分級手段12、フィーダ27、引出しコンベア59、主コンベア61、並びに第1、第2、第3、第6、第8、及び第9のコンベア28、47、48、54、49、56にそれぞれ電力を供給する第1の発電機14が取付けられ、第2のトレーラ19にはコーンクラッシャ16、並びに第4及び第7のコンベア75、76にそれぞれ電力を供給する第2の発電機18が取付けられている。更に、第2のトレーラ19には、アウトリガー23、67を駆動する油圧ユニット80と、第1及び第2の発電機14、18、分級手段12、フィーダ27、引出しコンベア59、主コンベア61、第1、第2、第3、第6、第8、及び第9のコンベア28、47、48、54、49、56、コーンクラッシャ16、第4及び第7のコンベア75、76、並びに油圧ユニット80の駆動及び停止を操作する操作盤81が取付けられている。
このように、第1及び第2のトレーラ15、19にそれぞれ第1及び第2の発電機14、18を取付けているので、高炉スラグの集積場所まで移動し、製品スラグの第2の山積み場所P及び篩下げスラグの第1の山積み場所Qに応じて第1及び第2のトレーラ15、19を配置て作業を行なうことができる。
次に、本考案の一実施の形態に係る移動式スラグ整粒設備10の使用方法について説明する。
先ず、第1のトレーラ15に第1の架台25を介して取付けられているホッパー26の上部から受入れガイド30を取り外し、第1のトレーラ15に取付けられたホッパー本体29の高さを3.8m以内にする。また、第2のトレーラ19に第3の架台68を介して取付けられているコーンクラッシャ16の上部受入れ口69を取り外して、第2のトレーラ19に取付けられた本体部70の高さを3.8m以内にする。これによって、第1、第2のトレーラ15、19に取付けられている機器の高さが3.8m以内に納まることになる。なお、取り外した受入れガイド30と上部受入れ口69はそれぞれ第1及び第2のトレーラ15、19に積載する。
更に、第1のトレーラ15に固定されている第3、第6のコンベア48、54及び引出しコンベア59の機体を縮小する。これによって、第1のトレーラ15の幅が2.65m以下に納まることになる。また、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61をトラックに積載する。
次いで、第1及び第2のトレーラ15、19をそれぞれ図示しない牽引車で牽引し、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61を積載したトラックと共に、高炉スラグを集積している集積場所内の整粒作業位置まで移動する。
そして、整粒作業位置において、図1に示すように、製品スラグの第2の山積み場所P及び篩下げスラグの第1の山積み場所Qに応じて第1及び第2のトレーラ15、19を配置する。
次いで、第1及び第2のトレーラ15、19間を図示しない油圧ケーブル及び信号ケーブルで接続し、操作盤81を操作して第1及び第2の発電機14、18の運転を開始する。そして、操作盤81より油圧ユニット80を駆動させ、アウトリガー23、67を作動させて、第1及び第2のトレーラ15、19の各載置台20、64の上面を地面24に対して水平に保持する。
続いて、第1のトレーラ15に積載している受入れガイド30をホッパー本体29の上部に取付け、第3、第6のコンベア48、54及び引出しコンベア59の機体をそれぞれ引き伸ばして稼動可能な状態にする。また、第2のトレーラ19に積載している上部受入れ口69を本体部70の上部に取付ける。
また、トラックに積載した第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61を下ろす。
そして、図5に示すように、第7のコンベア76の一端側を第1のトレーラ15上に立設された支柱79で支えると共に、第7のコンベア76の他端側を地面24に立設した支柱78で支持しながら、第7のコンベア76の他端側が第4のフード77を介して第4のコンベア75に接続されると共に、第7のコンベア76の一端側が分級手段12に設けられた2段式振動篩32の上部篩部34の上方に配置されるように位置を調整する。このとき、第7のコンベア76の傾斜角度δが、例えば、18°となるように各支柱78、79の長さを調節する。
同様に、図4に示すように、主コンベア61の一端側を第2のトレーラ19上に立設された支柱63で支えると共に、主コンベア61の他端側を地面24に立設した支柱62で支持しながら、主コンベア61の他端側が第3のフード60を介して引出しコンベア59に接続されると共に、主コンベア61の一端側がコーンクラッシャ16の上部受入れ口69の上方に配置されるように位置を調整する。このとき、主コンベア61の傾斜角度γが、例えば、18°となるように各支柱62、63の長さを調節する。
更に、図6に示すように、第8のコンベア49の一端側を地面24に立設した支柱53で支持しながら、第8のコンベア49の他端側が第2のフード52を介して第3のコンベア48に接続されると共に、第8のコンベア49の一端側が第1の山積み場所Qの上方に配置されるように位置を調整する。
このとき、第8のコンベア49の傾斜角度αが、例えば、18°となるように支柱53の長さを調節する。同様に、図4に示すように、第9のコンベア56の一端側を地面24に立設した支柱55で支持しながら、第9のコンベア56の他端側が第6のコンベア54に接続されると共に、第9のコンベア56の一端側が第2の山積み場所Pの上方に配置されるように位置を調整する。このとき、第9のコンベア56の傾斜角度βが、例えば、18°となるように支柱55の長さを調節する。
第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61の配置が完了すると、操作盤81を操作して第1及び第2のトレーラ15、19にそれぞれ取付けられた機器と、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61の運転を開始する。
続いて、図7に示すように、例えば、ホイルローダ82により集積場所にある高炉スラグをすくい上げてホッパー26に投入する。投入された高炉スラグは、フィーダ27によりホッパー26の底部から徐々に切り出されて第1のコンベア28上に排出される。第1のコンベア28上に排出された高炉スラグは、分級手段12に設けられた2段式振動篩32の上部篩部34に備えられた上篩網33上に落下する。
ここで、10mm以下のサイズの高炉スラグは上篩網33を通過して下部篩部36に備えられた下篩網35上に排出され、5mmを超えて10mm以下(以下、5−10mmと記載)のサイズの高炉スラグは下篩網35上を移動して中間部篩取出し口43からに製品スラグシュート44を介して第6のコンベア54上に排出される。
これによって、5−10mmに整粒された製品スラグを分離することがでる。そして、分離された製品スラグは第6のコンベア54の下流側に配置された第9のコンベア56上に排出され第2の山積み場所Pまで搬送されて排出される。
また、下篩網35上に排出された高炉スラグの中で5mm以下のサイズの高炉スラグ、すなわち、篩下げスラグは下篩網35を通過し篩下げスラグシュート45に誘導されて第2のコンベア47上に排出される。
これによって、5mm以下の篩下げスラグを分離することがでる。第2のコンベア47上に排出された篩下げスラグは、第2のコンベア47の下流側に第1のフード51を介して接続された第3のコンベア48上に排出されて第1のトレーラ15外に排出される。そして、排出された篩下げスラグは、第3のコンベア48の下流側に第2のフード52を介して接続された第8のコンベア49上に排出され第1の山積み場所Qまで搬送されて排出される。
一方、上篩網33上に落下した高炉スラグの中で10mmを超える篩上げスラグは上篩網33上を移動して上部取出し口41から篩上げスラグシュート42を介して引出しコンベア59上に排出される。これによって、篩上げスラグを分離することがでる。
そして、引出しコンベア59上に排出された篩上げスラグは横送りされて第1のトレーラ15外に排出され、引出しコンベア59の下流側に第3のフード60を介して接続された主コンベア61上に排出される。そして、主コンベア61上に排出された篩上げスラグは、コーンクラッシャ16の上部受入れ口69の上方位置まで搬送されて上部受入れ口69内に落下する。
上部受入れ口69内に落下した篩上げスラグは本体部70内に導入され、本体部70の中央位置で回転している破砕部に巻き込まれて破砕される。破砕されたスラグは、本体部70の下部に形成された排出口に取付けられた排出シュート83に誘導されて第4のコンベア75上に排出される。そして、排出された破砕スラグは第4のコンベア75の下流側に第4のフード77を介して接続された第7のコンベア76上に排出され、2段式振動篩32の上部篩部34の上方位置まで搬送され、ホッパー26から供給される高炉スラグと共に上部篩部34内に落下する。これによって、ホッパー26内に投入された高炉スラグから分級により製品スラグを製造しながら、製品スラグと篩下げスラグをそれぞれ分離して回収することができる。
製品スラグの製造が終了すると、第1及び第2のトレーラ15、19にそれぞれ取付けられた機器と、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61の運転を停止する。そして、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61を取り外してトラックに積載する。
次いで、第3、第6のコンベア48、54及び引出しコンベア59の機体を縮小して各コンベアの長さを2.65m以下にし、更に、ホッパー本体29から受入れガイド30を取り外し、取り外した受入れガイド30を第1のトレーラ15に積載する。また、コーンクラッシャ16の本体部70から上部受入れ口69を取り外し、取り外した上部受入れ口69を第2のトレーラ19に積載する。
続いて、油圧ユニット80を駆動させてアウトリガー23、67を収納し、第1及び第2の発電機14、18の運転を停止する。そして、第1及び第2のトレーラ15、19間を接続していた油圧ケーブル及び信号ケーブルを回収し、第1及び第2のトレーラ15、19をそれぞれ牽引車で牽引して、第7、第8及び第9のコンベア76、49、56並びに主コンベア61を積載しているトラックと共に集積場所から撤収する。
以上、本考案の実施の形態を説明したが、本考案は、この実施の形態に限定されるものではなく、考案の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本考案の移動式スラグ整粒設備を構成する場合も本考案の権利範囲に含まれる。
例えば、選別手段として2段式の振動篩を使用したが、製品スラグの粒度範囲の種類に応じて3段以上の段数を有する振動篩を使用することもできる。また、製鉄所で発生する原料スラグを高炉スラグとしたが、例えば転炉スラグに対しても適用できる。
更に、岩石、コンクリート等の塊を含む粉粒体を集積している集積場所まで移動して、そこで所定粒度範囲に整粒された整粒物を製造する設備としても利用することができる。
本考案の一実施の形態に係る移動式スラグ整粒設備の稼動時の配置状況を示す平面図である。 同移動式スラグ整粒設備の第1のトレーラの側面図である。 同移動式スラグ整粒設備の第2のトレーラの側面図である。 同移動式スラグ整粒設備に設けられた第5、第6、及び第9のコンベアの設置状況を示す側面図である。 同移動式スラグ整粒設備に設けられた第1、第4、及び第7のコンベアの設置状況を示す側面図である。 同移動式スラグ整粒設備に設けられた第3及び第8のコンベアの設置状況を示す平面図である。 同移動式スラグ整粒設備の稼動時におけるスラグの移動を示すフロー図である。
符号の説明
10:移動式スラグ整粒設備、11:原料スラグ受入れ系統、12:分級手段、13:第1のスラグ搬送系統、14:第1の発電機、15:第1のトレーラ、16:コーンクラッシャ、17:第2のスラグ搬送系統、18:第2の発電機、19:第2のトレーラ、20:積載台、20a:連結部、21:車軸、22:車輪、23:アウトリガー、24:地面、25:第1の架台、26:ホッパー、27:フィーダ、28:第1のコンベア、29:ホッパー本体、30:受入れガイド、31:第2の架台、32:2段式振動篩、33:上篩網、34:上部篩部、35:下篩網、36:下部篩部、37:ケーシング、38:振動発生部、39:ベルト、40:電動機、41:上部取出し口、42:篩上げスラグシュート、43:中間部取出し口、44:製品スラグシュート、45:篩下げスラグシュート、46:第1のカバー、47:第2のコンベア、48:第3のコンベア、49:第8のコンベア、50:篩下げスラグ搬送部、51:第1のフード、52:第2のフード、53:支柱、54:第6のコンベア、55:支柱、56:第9のコンベア、57:製品スラグ搬送部、58:第5のコンベア、59:引出しコンベア、60:第3のフード、61:主コンベア、62、63:支柱、64:積載台、64a:連結部、65:車軸、66:車輪、67:アウトリガー、68:第3の架台、69:上部受入れ口、70:本体部、71:駆動軸、72:ベルト、73:電動機、74:カバー、75:第4のコンベア、76:第7のコンベア、77:第4のフード、78、79:支柱、80:油圧ユニット、81:操作盤、82:ホイールローダ、83:排出シュート

Claims (5)

  1. 製鉄所で発生し集積場所に集積された原料スラグから所定粒度範囲にある製品スラグを製造するための設備であって、
    前記集積場所まで牽引される第1及び第2のトレーラと、
    前記第1のトレーラに第1の架台を介して取付けられ、集積されている前記原料スラグを受入れるホッパーと、
    前記第1のトレーラに第2の架台を介して取付けられ、前記原料スラグを含むスラグから所定粒度範囲の前記製品スラグを選別する少なくとも2段の篩を備えた分級手段と、
    前記ホッパーの底部から排出される前記原料スラグを徐々に切り出すフィーダ及び該フィーダから切り出された前記原料スラグを前記分級手段に供給する第1のコンベアと、
    前記第2の架台に取付けられ、前記分級手段の篩下げスラグを受ける第2のコンベア及び該第2のコンベアから排出される前記篩下げスラグを前記第1のトレーラ外に排出する第3のコンベアと、
    前記第2のトレーラに第3の架台を介して取付けられ、前記分級手段の篩上げスラグを破砕するコーンクラッシャと、
    前記第3の架台にその一部又は全部が支持され、前記コーンクラッシャによって破砕された破砕スラグを搬出する第4のコンベアと、
    前記分級手段から排出される前記篩上げスラグを前記コーンクラッシャに搬送する第5のコンベアと、
    前記第1のトレーラに固定されて、前記分級手段から排出される前記製品スラグを外部に搬送する第6のコンベアと、
    前記第4のコンベアによって搬出された前記破砕スラグを前記分級手段に搬送する第7のコンベアとを有することを特徴とする移動式スラグ整粒設備。
  2. 請求項1記載の移動式スラグ整粒設備において、前記ホッパーの上部は取り外し可能、かつ前記コーンクラッシャの上部受入れ口が取り外し可能となって、前記第1及び第2のトレーラに取付けられた機器の高さが3.8m以内に納まり、
    更に、前記第5のコンベアは、前記第1のトレーラに固定されて、前記分級手段から排出された前記篩上げスラグを直接受けて横送りする引出しコンベアと、該引出しコンベアによって搬送された前記篩上げスラグを前記コーンクラッシャに送る主コンベアとを有し、
    前記第3、第6のコンベア及び前記引出しコンベアは、機体が伸縮式となって、これらのコンベアの縮小時には、前記第1のトレーラの幅が2.65m以内に納まることを特徴とする移動式スラグ整粒設備。
  3. 請求項2記載の移動式スラグ整粒設備において、前記第3のコンベアによって外部に排出された前記篩下げスラグを第1の山積み場所に搬送する第8のコンベアと、前記第6のコンベアによって外部に排出された前記製品スラグを第2の山積み場所に搬送する第9のコンベアとを、更に備えることを特徴とする移動式スラグ整粒設備。
  4. 請求項3記載の移動式スラグ整粒設備において、前記第1及び第2のトレーラの他に、前記第7、第8及び第9のコンベア並びに前記主コンベアを搬送する貨物車を備えることを特徴とする移動式スラグ整粒設備。
  5. 請求項3記載の移動式スラグ整粒設備において、前記第1のトレーラには前記分級手段、前記フィーダ、前記引出しコンベア、前記主コンベア、並びに前記第1、第2、第3、第6、第8、及び第9のコンベアにそれぞれ電力を供給する第1の発電機が取付けられ、前記第2のトレーラには前記コーンクラッシャ、並びに前記第4及び第7のコンベアにそれぞれ電力を供給する第2の発電機が取付けられていることを特徴とする移動式スラグ整粒設備。
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JP2017154943A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 宇部興産機械株式会社 トンネル掘削ずりを用いた建築材料の製造方法及び製造装置
JP2020176042A (ja) * 2019-04-23 2020-10-29 鹿児島菱光コンクリート株式会社 シラス細骨材を用いた建築構造用コンクリートの製造方法
CN115198098A (zh) * 2022-07-15 2022-10-18 中环联(广州)环境保护有限公司 一种静音防尘炉渣铁分料装置

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