JP3107380B2 - 液晶透過率を計算するシミュレーション方法 - Google Patents
液晶透過率を計算するシミュレーション方法Info
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Description
(以下、TFTとも略記する)を駆動素子とするアクティ
ブマトリクス方式液晶ディスプレイの表示特性計算方法
に関するものである。
会で報告された、従来のTFTを駆動素子とするアクティ
ブマトリクス方式液晶ディスプレイの1画素の表示特性
計算方法を示す等価回路図である。第7図において、
(1)は薄膜トランジスタ、(2)は薄膜トランジスタ
のゲート電極とソース電極間に生じる寄生容量(Cg
s)、(3)は薄膜トランジスタのドレイン電極とソー
ス電極間に生じる寄生容量(Cds)、(4a)、(4b)は
それぞれ表面保護膜の容量(CSiN)および抵抗(RSi
N)、(5a)、(5b)はそれぞれTFT側配向膜の容量(C
PI1)および抵抗(RPI1)、(6a)、(6b)はそれぞれ
液晶の容量(CLC)および抵抗(RLC)、(7a)、(7
b)はそれぞれ対向電極側配向膜の容量(CPI2)および
抵抗(RPI2)である。また、IdsはTFTを流れるドレイ
ン電流、Vgは薄膜トランジスタのゲート電圧、Vdは薄膜
トランジスタのドレイン電圧、Vcomは対向電極の電圧、
VSは画素電位、VPI1は保護膜とTFT側配向膜間の電
位、VLCはTFT側配向膜と液晶間の電位、VPI2は液晶と
対向電極側配向膜間の電位をそれぞれ表している。
クス方式液晶ディスプレイの表示特性計算方法について
説明する。第7図の等価回路から、(1)式に示す電圧
の時間に関する微分方程式が得られる。
電界に依らず一定として、計算においては一定容量とし
て(1)式を計算している。(1)式は数値計算によっ
て解くことが可能であり、(1)式を解くことにより液
晶に加わる電圧の時間変化が計算できる。この電圧の時
間変化を積分して求められる実効電圧からディスプレイ
の透過率を計算する。以上のようにして、TFTを駆動素
子とするアクティブマトリクス方式液晶ディスプレイの
表示特性計算が可能となる。
ブマトリクス方式液晶ディスプレイの表示特性計算方法
は、液晶の誘電率は電界に依らず一定として計算してい
る。液晶の誘電率は、液晶の分子長軸方向の誘電率ε
と、これと直交する方向の誘電率ε⊥が異なる。Δε=
ε−ε⊥を液晶の誘電率異方性と呼ぶ。棒状分子のネ
マチック液晶では常にε>ε⊥である。誘電率異方性
Δεをもつ液晶に電場を印加すると電気的エネルギー密
度を生じ、そのエネルギーが最小になるように液晶分子
が再配列する。Δεが正の液晶では、分子長軸方向の平
均ベクトル(ディレクタ)が電場ベクトルに平行になる
ように配向する。電場の強さによって誘電率が連続的に
変化するため、液晶分子の配向角度も連続的に変化す
る。ツイスティッドネマティック(TN)形液晶セルは、
液晶分子の長軸が2枚の基板間で90゜連続的にねじれる
ように作られ、TN形液晶セルを通過する光は、電場無印
加時には90゜旋光し、電場印加時には誘電率異方性によ
り液晶分子が再配列し、旋光性が消失する。このTN形液
晶セルの両側に、平行偏光子をつけた場合には電場印加
時に光を透過し、直交偏光子をつけた場合には電場無印
加時に光を透過する。このように、液晶の誘電率異方性
により、液晶の電気光学的特性は変化し、これを考慮し
なければ液晶表示装置の透過率変化は計算できない。す
なわち、従来のTFTを駆動素子とするアクティブマトリ
クス方式液晶ディスプレイの表示特性計算方法では、液
晶の誘電率異方性を考慮していないため、液晶の特性を
反映した計算ができない。また、透過率を計算する際
に、液晶に加わる実効電圧を一定時間積分してから計算
するため、透過率がフレーム毎に変化するフリッカ現象
などの透過率の過渡的な変化は計算できなかった。この
ため、従来のTFTを駆動素子とするアクティブマトリク
ス方式液晶ディスプレイの表示特性計算方法では、十分
な表示特性の解析ができなかった。
れたもので、TFTを駆動素子とするアクティブマトリク
ス方式液晶ディスプレイの表示特性計算において、液晶
の電気光学的特性を反映し、かつ、透過率の過渡応答特
性も計算できる方法を得る事により、詳細な表示特性解
析を可能にすることを目的とする。
ョン方法は、 TFTを駆動素子とするアクティブマトリックス方式の
液晶表示装置において、 一方の基板上の上記薄膜トランジスタと、他方の基板
側の対向電極との間に、配向膜及び上記液晶を有し、上
記薄膜トランジスタは寄生容量を有しており、上記配向
膜及び液晶をそれぞれ電気容量および電気抵抗の並列回
路として、上記液晶表示装置の等価回路を表し、 上記等価回路において、 上記液晶の誘電率εLCは異方性がありかつ次式で表記
され、 εLC(Va,t)=εLC(Va,0) +{εLC(Va,∞)−εLC(Va,0)} {1−EXP(−k・t/τ)} 但し Va=|VLC−VPI2| εLC(Va,∞)>εLC(Va,0)の時τ=τr εLC(Va,∞)<εLC(Va,0)の時τ=τd τrは立ち上がり時間、τdは立ち下がり時間 εLC(Va,∞)は液晶に印加される電圧から計算され
る誘電率 εLC(Va,∞)およびεLC(Va,0)の値は境界条件と
して与えられる値 kは定数 VLCはTFT側配向膜と液晶間の電位 VPI2は液晶と対向電極側配向膜間の電位、 さらに、上記液晶の誘電率変化の応答時間は透過率の応
答時間と一致する、として上記等価回路の液晶の電気容
量の印加電圧依存性を用いて液晶透過率を計算するの
で、液晶の誘電率の時間変化を計算可能にし、透過率の
過渡応答特性が計算できるようにしたものである。
とにより、液晶の電気光学的特性を反映し、さらに、液
晶の誘電率変化の応答時間は透過率の応答時間と一致す
るとすることにより、液晶の誘電率の時間変化を計算可
能にし、透過率の過渡応答特性が計算できるようにな
る。これにより、TFTを駆動素子とするアクティブマト
リクス方式液晶ディスプレイの表示特性の詳細な解析が
可能となる。
1図は、TFTを駆動素子とするアクティブマトリクス方
式液晶ディスプレイの1画素の断面図の一例であり、第
2図は第1図の断面図から得られる1画素の表示特性計
算方法を示す等価回路図である。第1図において、(1
1)は透明絶縁基板、(12)はゲート電極、(13)はゲ
ート絶縁膜、(14)はa−Si活性層、(15)はチャネル
保護膜、(16)はソース・ドレイン領域、(17)はソー
ス・ドレイン電極、(18)は画素電極、(19)は保護
膜、(20)は配向膜、(21)は液晶、(22)は対向電
極、(23)はフィルタである。また、第2図において、
(1)は薄膜トランジスタ、(2)は薄膜トランジスタ
のゲート電極とソース電極間に生じる寄生容量(Cg
s)、(3)は薄膜トランジスタのドレイン電極とソー
ス電極間に生じる寄生容量(Cds)、(4a)、(4b)は
それぞれ表面保護膜の容量(CSiN)および抵抗(RSi
N)、(5a)、(5b)はそれぞれTFT側配向膜の容量(C
PI1)および抵抗(RPI1)、(6a)、(6b)はそれぞれ
液晶の容量(CLC)および抵抗(RLC)、(7a)、(7
b)はそれぞれ対向電極側配向膜の容量(CPI2)および
抵抗(RPI2)である。また、IdsはTFTを流れるドレイ
ン電流、Vgは薄膜トランジスタのゲート電圧、Vdは薄膜
トランジスタのドレイン電圧、V comは対向電極の電
圧、VSは画素電位、VPI1は保護膜とTFT側配向膜間の
電位、VLCはTFT側配向膜と液晶間の電位、VPI2は液晶
と対向電極側配向膜間の電位をそれぞれ表している。
するアクティブマトリクス方式液晶ディスプレイの表示
特性計算方法について詳細に説明する。
られる。
方性により液晶に加わる電界によって変化するとした。
具体的には次に示す液晶の電気光学特性測定結果を用い
て、液晶の誘電率を液晶に加わる電圧の関数とし、ま
た、誘電率が変化する際の時定数は、液晶の透過率の応
答時間と一致するとして計算を行った。第3図に液晶の
誘電率の印加電圧依存性測定結果の一例を示す。また、
第4図に液晶の透過率の印加電圧依存性測定結果の一例
を、第5図に液晶の透過率の応答時間の印加電圧依存性
測定結果の一例を示す。第5図において、○および△は
実測値、実線および点線は計算値を示す。液晶の透過率
応答時間の印加電圧依存性測定結果から、液晶の誘電率
εLCを例えば(3)式のように表す。
間を表す。また、εLC(Va,∞)は液晶に印加される電
圧から計算される誘電率の値であり、εLC(Va,∞)お
よびεLC(Va,0)の値は境界条件として与えられる。k
は透過率の印加電圧依存性から得られる定数である。液
晶の電気光学特性測定結果から得られる特性値を、
(2)式、(3)式に入れ、数値計算によって(2)式
の連立微分方程式を解くことにより、透過率の過渡応答
特性が計算でき、TFTを駆動素子とするアクティブマト
リクス方式液晶ディスプレイの表示特性を計算できる。
計算結果の一例として、第6図(a)に示すような信号
を液晶セルに加えた場合の透過率の過渡応答特性を計算
した。計算結果を実測結果と共に第6図(b)に示す。
計算結果(破線)は実測結果(実線)をよく再現してお
り、本発明における表示特性の計算方法が透過率の過渡
応答特性計算に有効であり、TFTを駆動素子とするアク
ティブマトリクス方式液晶ディスプレイの表示特性を計
算できる事が判明した。
用いたものについて示したが、poly−Siを用いたもので
も、本計算方法を用いてTFTを駆動素子とするアクティ
ブマトリクス方式液晶ディスプレイの表示特性を計算で
きる。
アクティブマトリクス方式液晶ディスプレイの表示特性
を計算できるだけでなく、TFTを使わない、単純マトリ
クス方式液晶ディスプレイの表示特性計算も可能であ
る。
たが、時間変化を考慮した式であれば同様の計算が可能
であることはいうまでもないことである。
性を考慮することにより、液晶の電気光学的特性を反映
し、さらに、液晶の誘電率変化を応答時間は透過率の応
答時間と一致するとしたことにより、液晶の誘電率の時
間変化の計算可能にし、透過率の過渡応答特性が計算で
きるようになった。このことにより、精度の高いTFTを
駆動素子とするアクティブマトリクス方式液晶ディスプ
レイの表示特性計算方法が得られた。
るアクティブマトリクス方式液晶ディスプレイの1画素
を示す断面図、第2図は第1図のものから得られるこの
発明の一実施例による1画素の表示特性計算方法を示す
等価回路図、第3図は液晶の誘電率の印加電圧依存成測
定結果の一例を示す特性図、第4図は液晶の透過率の印
加電圧依存性測定結果の一例を示す特性図、第5図は液
晶の透過率応答時間の印加電圧依存性測定結果の一例を
示す特性図、第6図(b)は本発明の計算方法を用いて
透過率の過渡応答特性を計算した結果の一例を示す特性
図、(a)は駆動信号を示す特性図、第7図は従来のTF
Tを駆動素子とするアクティブマトリクス方式液晶ディ
スプレイの1画素の表示特性計算方法を示す等価回路図
である。 図において、(1)は薄膜トランジスタ、(2)は薄膜
トランジスタのゲート電極とソース電極間に生じる寄生
容量(Cgs)、(3)は薄膜トランジスタのドレイン電
極とソース電極間に生じる寄生容量(Cds)、(4a)、
(4b)はそれぞれ表面保護膜の容量(CSiN)および抵
抗(RSiN)、(5a)、(5b)はそれぞれTFT側配向膜の
容量(CPI1)および抵抗(RPI1)、(6a)、(6b)は
それぞれ液晶の容量(CLC)および抵抗(RLC)、(7
a)、(7b)はそれぞれ対向電極側配向膜の容量(CPI
2)および抵抗(RPI2)、(11)は透明絶縁基板、(1
2)はゲート電極、(13)はゲート絶縁膜、(14)はa
−Si活性層、(15)はソース・ドレイン領域、(16)は
チャネル保護膜、(17)はドレイン電極、(18)はソー
ス電極、(19)は保護膜、(20)は配向膜、(21)は液
晶、(22)は対向電極である。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】一対の透明絶縁基板の内部に液晶を封入
し、薄膜のトランジスタを用いて駆動され液晶の電気光
学効果によって画像を表示する液晶表示装置の上記液晶
透過率を計算するシミュレーション方法であって、 上記液晶表示装置において、 一方の基板上の上記薄膜トランジスタと、他方の基板側
の対向電極との間に、配向膜及び上記液晶を有し、上記
薄膜トランジスタは寄生容量を有しており、上記配向膜
及び液晶をそれぞれ電気容量および電気抵抗の並列回路
として、上記液晶表示装置の等価回路を表し、 上記等価回路において、 上記液晶の誘電率εLCは異方性がありかつ次式で表記さ
れ、 εLC(Va,t)=εLC(Va,0) +{εLC(Va,∞)−εLC(Va,0)} {1−EXP(−k・t/τ)} 但し Va=|VLC−VPI2| εLC(Va,∞)>εLC(Va,0)の時τ=τr εLC(Va,∞)<εLC(Va,0)の時τ=τd τrは立ち上がり時間、τdは立ち下がり時間 εLC(Va,∞)は液晶に印加される電圧から計算される
誘電率 εLC(Va,∞)およびεLC(Va,0)の値は境界条件とし
て与えられる値 kは定数 VLCはTFT側配向膜と液晶間の電位 VPI2は液晶と対向電極側配向膜間の電位、 さらに、上記液晶の誘電率変化の応答時間は透過率の応
答時間と一致する、として上記等価回路の液晶の電気容
量の印加電圧依存性を用いて液晶透過率を計算するシミ
ュレーション方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01072612A JP3107380B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 液晶透過率を計算するシミュレーション方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01072612A JP3107380B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 液晶透過率を計算するシミュレーション方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02251888A JPH02251888A (ja) | 1990-10-09 |
JP3107380B2 true JP3107380B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=13494390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01072612A Expired - Lifetime JP3107380B2 (ja) | 1989-03-24 | 1989-03-24 | 液晶透過率を計算するシミュレーション方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3107380B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9244309B2 (en) | 2011-02-01 | 2016-01-26 | Samsung Display Co., Ltd. | Vertical alignment layer and liquid crystal display including the same |
-
1989
- 1989-03-24 JP JP01072612A patent/JP3107380B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9244309B2 (en) | 2011-02-01 | 2016-01-26 | Samsung Display Co., Ltd. | Vertical alignment layer and liquid crystal display including the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02251888A (ja) | 1990-10-09 |
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