JP3106618U - 構造物振動可視化実験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構造で、学習者自らの手で共振現象を発生させることができると同時に、耐震・制振・免震などの振動抵抗技術の効果を視覚的に認識することができる安価な振動実験装置を提供する。
【解決手段】 構造物振動可視化実験装置100は、載置台1と、構造物の模型2と、重り3と、筋交い4と、水槽5と、ボール6と、コロ7と、積層ゴム8と、バネ9などから構成されている。構造物の模型2は、それぞれ高さの異なる複数の模型で構成されている。手動で取手19を揺らすことで、共振現象を発生させ、高さ及び質量が固有周期に与える影響を調べることができる。また、筋交い4と、水槽5と、ボール6と、コロ7と、積層ゴム8と、バネ9を取り付けて対比実験を行うことにより、耐震・制振・免震などの振動抵抗技術の効果を視覚的に認識することができる。
【選択図】 図1

Description

本考案は、構造物振動可視化実験装置、特に、外部から振動が与えられた際の、構造物に発生する共振現象と耐震、制振、免震対策の効果とを視覚的に把握できる学習のための実験装置に関する。
外部からの構造物に与えられる振動の周期が構造物の固有周期と等しい場合、構造物の振動幅が急激に大きくなるいわゆる共振現象が発生する。共振現象は地震発生時の土木構造物、建築物の倒壊及び大破などの地震災害の主な原因となっている。このような地震災害を最小限にするため、様々な耐震技術、免震技術、制振技術が開発され、これらの技術効果を評価するための振動実験装置なども開発されている。
一方、構造物の共振及び耐震・制振・免震などの振動抵抗技術については中等及び高等教育課程でも学習されているが、共振現象及び振動抵抗技術の効果などについては、通常図解や計算によって確認することが行われている。
特開平7−113721号公報に記載の構造物の振動実験装置は、軽量の振動台を油圧ジャッキ等で空中に浮かせた状態とし、さらに地震を模擬した振動を振動台に実現させるため、アクチュエータのような油圧制御装置により振動台を振動させるものである。このような振動実験装置は、巨大で高価な装置を必要とし、振動実験に高度な技術を要すると同時に、振動台装置の保守整備などにも莫大な費用がかかるものであり、学習器具としては適さない。また、共振及び振動抵抗技術の効果などは目に見えないものであるため、図解や計算のみによっては直感的に理解しにくい面がある。
本考案の目的は、簡単な構造で、学習者自らの手で共振現象を発生させることで耐震工学に興味を持たせることができると同時に、耐震・制振・免震などの振動抵抗技術の効果を視覚的に認識することができる安価な振動実験装置を提供することである。
請求項1に係る構造物振動可視化実験装置は、外部から振動が与えられた際の、構造物に発生する振動と振動抵抗対策の効果を視覚的に表す振動実験装置であって、複数の構造物の模型と、載置台と、加振構造とを備えている。複数の構造物の模型は、それぞれ高さが異なっている。載置台は、複数の構造物の模型を並列にかつ着脱可能に載置できるものである。加振構造は、載置台に取り付けられ、構造物模型に振動を与えるためのものである。
構造物に与える振動が構造物の模型の固有周期と一致すると、構造物の模型に共振現象が起きる。一般的に、構造物の固有周期は高さにほぼ比例しており、高さの高い構造物の固有周期が長い。この装置を用いて振動実験を行う際、載置台の上に高さの異なる複数の構造物の模型を並列に載置し、加振構造により載置台に振動を与える。周期の長い振動を与えると、高さの低い構造物は振動しないが、高い構造物の模型に共振現象が発生する。次第に振動周期を短くすると、高い構造物の模型は停止する。ただし、高さの低い構造物の模型に共振現象が発生する。すなわち、この装置では、構造物固有周期と共振との関係を視覚的に認識することができるだけでなく、振動の種類などを変更することにより、異なる種類の振動が異なる高さの構造物に与える影響を視覚的に認識することもできる。
請求項2に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、構造物の模型は、弾性材からなる同じ高さのフレームを複数個重ねて高さの異なる模型に変更できる組立機構を備えている。
この装置では、組立構造により同じ高さのフレームを重ね合わせることで、高さの異なる構造物の模型に変更することができる。したがって、それぞれ異なる高さの構造物の模型を用意する必要が無く、同じ高さのフレームを重ねることで、振動実験に必要な構造物模型の高さを実現することができる。
請求項3に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、組立機構は、前記構造物の模型の積層方向のフレームに取り付けられた永久磁石である。
この装置は、構造物の模型のフレームに永久磁石が取り付けられている。この永久磁石が取り付けられた方向にフレームを重ね合わせるまたは取り外すことで、手軽に構造物の模型の高さを変更させることができ、学習振動実験の際に便利である。
請求項4に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、載置台の構造物の模型との取り付け部分には、永久磁石が取り付けられている。
この装置は、載置台に永久磁石が取り付けられており、構造物の模型を磁石の磁力により載置台に取り付けたり、取り外したりすることができる。したがって、載置台上に並べる構造物の数を簡単に変えることができ、振動実験の際に便利である。
請求項5に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、構造物の模型の質量を変化させ、模型の固有周期を変化させる手段をさらに備えている。
一般的に、構造物の固有周期は重さにほぼ比例しており、高さと構造が同じである場合、質量が重い模型の固有周期は比較的に長い。この装置を用いて振動実験を行う際、高さと構造が同じ模型を二つ用意し、その内の一の構造物の模型の質量を変化させた後、加振構造により振動を与える。このとき、周期の長い振動を与えると、質量が軽い構造物は振動しないが、質量が重い構造物の模型に共振現象が発生する。次第に振動周期を短くすると、質量が重い構造物の模型は停止する。ただし、質量が低い構造物の模型に共振現象が発生する。すなわち、この装置では、振動の種類などを変更させることにより、質量が構造物の固有周期に与える影響を視覚的に認識することができる。
請求項6に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、構造物の模型の剛性を変化させ、模型の耐震性を変化させる耐震手段をさらに備えている。
構造物の剛性を高めると、外部からの振動に対する耐震性が高くなる。この装置を用いて振動実験を行う際、高さと重さがほぼ同じ模型を二つ用意し、その内の一の構造物の模型に耐震手段を用いて剛性を高めた後、加振構造により振動を与える。耐震手段を用いていない構造物の模型は、耐震手段を用いて剛性を高めた模型に比べて弱い振動で揺れることがわかる。すなわち、この装置では、構造物の剛性を高める耐震手段による効果を視覚的に認識することができる。
請求項7に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、加振構造から与えられる振動エネルギーを吸収できる制振手段をさらに備えている。
外部から構造物に振動が加えられる際、制振手段により振動エネルギーを吸収することにより、構造物の振動を抑えることができる。この装置を用いて振動実験を行う際、制振手段を用いた模型と制振手段を用いてない通常の模型をそれぞれ一つずつ用意し、加振構造により振動を与える。制振手段を用いていない構造物の模型は、制振手段を用いて振動エネルギーを吸収している模型に比べて弱い振動で揺れることがわかる。すなわち、この装置では、振動エネルギーを吸収する制振手段による効果を視覚的に認識することができる。
請求項8に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、加振構造による振動を前記構造物の模型に伝えないための免震手段をさらに備えている。
構造物に免震手段を用いると、加振構造による振動が構造物に伝えることを抑制することができるため、構造物の振動を抑制することができる。この装置を用いて振動実験を行う際、免震手段を用いた模型と免震手段を用いてない通常の模型をそれぞれ一つずつ用意し、加振構造により振動を与える。免震手段を用いていない構造物の模型は、免震手段を用いて振動を模型に伝えないようにした模型に比べて弱い振動で揺れることがわかる。すなわち、この装置では、免震手段による効果を視覚的に認識することができる。
請求項9に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、構造物の模型の固有周期を変化させる手段は、前記模型に着脱可能に取り付けられる重りである。
構造物の模型の質量を変化させることにより、構造物の固有周期を変化させることができる。この装置では、重りを構造物の模型に取り付けまたは模型から取り外すことにより、構造物の模型の質量を簡単に変えることができ、振動実験の際に便利である。
請求項10に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、耐震手段は模型のフレームに着脱可能に取り付けられる筋交いである。
構造物の剛性を高めることにより、外部からの振動に対する構造物の耐震性を高めることができる。この装置では、耐震手段として、構造物の模型のフレームに筋交いを着脱可能に設けている。フレームに筋交いを設けることで、構造物の模型の剛性を簡単に変えることができ、振動実験の際に便利である。
請求項11に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、制振手段は模型の上部に着脱可能に取り付けられる液体が充填された水槽である。
この装置では、構造物の模型の上部に水槽を配置することができる。この状態で加振構造により振動が与えられると、振動エネルギーにより水槽の中の液体の液面が移動する。この液面移動の際に振動エネルギーが吸収され、構造物の模型の振動を抑制することができる。また、水槽を着脱可能に取り付けられる構造にすることで、制振手段を有する模型を別途設ける必要が無く、実験装置の部品数を削減することができる。
請求項12に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、制振手段は、前記模型の上部に揺動可能に取り付けられるボールである。
この装置では、構造物の模型の上部にボールを揺動可能に設けることができる。この状態で加振構造により振動が与えられると、振動エネルギーによりボールが揺動する。このボール揺動の際に振動エネルギーが吸収され、構造物の模型の振動を抑制することができる。また、ボールを着脱可能に取り付けられる構造にすることで、制振手段を有する模型を別途設ける必要が無く、実験装置の部品数を削減することができる。
請求項13に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、免震手段は、前記構造物の模型の下部と前記載置台との間に着脱可能に取り付けられる弾性部材である。
この装置では、免震手段として構造物の模型の下部に弾性部材を取り付けることができる。この弾性部材により、加振構造から与えられた振動を構造物の模型に伝えないようにすることができる。また、弾性部材を着脱可能に取り付けられる構造にすることで、免震手段を有する模型を別途設ける必要が無く、実験装置の部品数を削減することができる。
請求項14に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、免震手段は、前記模型の下部と前記載置台との間に着脱可能に取り付けられるコロである。
この装置では、免震手段として構造物の模型の下部にコロを取り付けることができる。このコロにより、加振構造から与えられた振動を構造物の模型に伝えないようにすることができる。また、コロを着脱可能に取り付けられる構造にすることで、免震手段を有する模型を別途設ける必要が無く、実験装置の部品数を削減することができる。
請求項15に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、加振構造は、前記載置台の下部に取り付けられたキャスターと、前記載置台に取り付けられる取手である。
この装置では、載置台の下部にキャスターを取り付け、取手を取り付けることで、載置台を一定方向に移動させながら振動させることができる。このような載置台に構造物の模型を載置させて、手動で取手を動かすことで載置台に振動を与えることができる。従って、非常に簡単な構造で、外部から振動を与える状態を実現することができる。
請求項16に係る構造物振動可視化実験装置は、請求項1の装置において、加振構造は、載置台に装着され、載置台に振動を与えるための電動モータである。
この装置では、載置台に電動モータを取り付け、載置台に振動を与えるようにしている。電動モータの回転数を制御することにより、種種の振動状態を実現することができる。
本考案の構造物振動可視化実験装置では、安価で簡単な構造の装置により、外部からの振動による構造物の共振現象を視覚的に認識することができると同時に、耐震・制振・免震などの振動抵抗技術の効果を視覚的に認識することができる。
(1)構造
図1は本考案の一実施形態が採用された構造物振動可視化実験装置の概略図であり、図2は載置台の斜視図、図3は実験装置の分解図である。本実験装置100は、載置台1と、構造物の模型2と、重り3と、筋交い4と、水槽5と、ボール6と、コロ7と、積層ゴム8と、バネ9などから構成されている。ここで、載置台1は、300mm×500mmの長方形のアルミ製の板であり、載置台1の上部には模型を取り付けるための磁石が取り付けられた鉄板11〜16が設けられている。また、載置台1の上部には、取手18,19が取り付けられ、載置台1の下部には一組のキャスター17が取り付けられ、手動で載置台に振動を与え易くしている。
構造物の模型2は、高さが105mm、幅が115mmのバネ鋼で組み立てられた四角のフレームを1ユニットとする模型で構成されている。フレームの底辺aと上辺bに磁石が取り付けられ、このようなフレームを組み立てて高さの異なる構造物の模型を構成することができる。この実験装置では、フレーム1個で構成された模型21、フレーム2個を高さ方向に組み立てた模型22、フレーム3個を高さ方向に組み立てた23(a,b)、フレーム4個を高さ方向に組み立てた模型24、フレーム5個を高さ方向に組み立てた模型25を用意し、それぞれ1階建て、2階建て、3階建て、4階建て、5階建ての建築物の模型としている。また、フレームの組立個数を変更することにより、模型の高さを任意に変更させることができる。なお、模型の高さを変更させるためには、模型ユニットをビスで連結してもよい。
重り3は、磁石が取り付けられ、重さがそれぞれ5g,10g,18gの3組を用意している。耐震手段としての筋交い4はストローを用いることにしている。制振手段としての水槽5の底面にも磁石が取り付けられ、フレームに着脱容易にしている。
(2)動作
1)共振実験
a.固有周期
固有周期とは、振り子が一往復するのに要する時間をさし、構造物の固有周期は高さに比例して長くなることは知られている。この実験では、構造物の高さと固有周期との関係を視覚的に確認することができる。まず、片手で載置台1を固定させ、もう一方の片手で模型21〜25を同じ方向、かつ同じ間隔で軽く押す。その結果、模型25は最も長い周期で振動するが、模型24は模型25よりは短い周期で振動する。模型23は模型24よりは短い周期で振動するが、模型22よりは長い周期で振動する。模型22は模型23よりは短い周期で振動するが、模型21よりは長い周期で振動する。模型21は最も短い周期で振動する。すなわち、本実験により、模型の高さが高いほど固有周期が長いことを視覚的に確認することができる。
b.共振現象
図4(a)に示すように、模型21,22,23(a)、24,25をそれぞれ載置台1上の鉄板11〜15上に一列に載置させる。この列の右側に対比実験用の模型23(b)を載置台1上の鉄板16上に配置させる。外部から載置台1に与える振動を実現させるため、載置台1上の取手19を手動で揺らすことにする。図4(b)に示すように、取手19を遅いスピードで揺らし、載置台に振動周期の長い揺れを与えると、模型25には大きな揺れが発生して共振現象が観測されるが、一列に並んでいる模型24〜21には共振現象が観測されない。対比実験用の模型23(b)にも共振現象は観測されない。すなわち、固有周期の長い模型25に、外部から振動周期の長い振動が与えられると共振現象が発生するが、固有周期の短い模型には共振現象が発生しない。次に取手19を揺らすスピードを上げ、構造物の模型に与える振動周期を短くさせる。すると、模型24に大きな揺れが発生し、共振現象が観測されるが、模型25及び模型23〜21には共振現象が観測されない。対比実験用の模型23(b)にも共振現象は観測されない。次に取手19を揺らすスピードをさらに上げ、構造物の模型に与える振動周期を短くさせる。すると、模型23(a)および対比実験用の模型23(b)に大きな揺れが発生し、共振現象が観測されるが、模型25、模型24、模型22及び模型21には共振現象が観測されない。ここでは、同じ構造で同じ高さの模型23(a)及び23(b)には同時に共振現象が発生することがわかる。取手19を揺らすスピードをさらに上げ、構造物の模型に与える振動周期を短くさせると、次第に模型22,21に大きな揺れが発生する。すなわち、固有周期の短い模型21に、外部から振動周期の短い振動が与えられると、共振現象が発生する。
c.質量の影響
構造物の固有周期は質量に比例して長くなることが知られている。図5は、構造物の模型の質量を変化させた場合、模型の固有周期の変化とそれに伴う共振現象を視覚的に確認するための実験を表すものである。ここでは、対比実験用の模型23(b)の上に、重さ10gの重り3を1個取り付け、模型21の上に重さ10gの重り3を2個取り付けている。
まず、対比実験用の模型23(b)及び模型21の上に重りを取り付けていない状態で、取手19を一定の周期で揺らすと、同じ構造で同じ高さの模型23(a)及び23(b)に同時に共振現象が発生する。この際、模型21には共振現象が発生しない。その後、対比実験用の模型23(b)及び模型21の上に重りを取り付けてから載置台を同じ周期で振動させる。重りを取り付けてない模型23(a)には共振現象が発生する際、重りを取り付けた模型23(b)には共振現象が発生しない。一方、模型23(a)より高さが低い模型21には共振現象が発生する。すなわち、模型23(a)及び23(b)は高さと構造が同じであるが、模型23(b)の質量が大きくなると模型23(a)及び23(b)の固有周期は異なるようになる。また、高さが模型23(a)より低い模型21の固有周期は模型23(a)より短かったが、模型21の質量を大きくさせると、模型21の固有周期が長くなり、高さが模型23(a)と同じくなっている。
この実験では、学習者自ら手動で高さの異なる構造物の模型の固有周期の違いを確認することができる。また、自らの手で、外部から構造物に与える振動が構造物の固有周期と等しい場合、構造物には大きな揺れが発生するいわゆる共振現象を起こすことができる。さらに、構造物の質量が構造物の固有周期に与える影響とこれに伴う共振現象も視覚的に確認することができ、耐震工学に興味を持たせる助けになれる。
2)耐震実験
剛性が高い構造物は耐震性に優れていることは知られている。図6は、模型の剛性を高めた場合の耐震効果を視覚的に確認するための実験を表すものである。図6(a)では、対比実験用模型23(b)に剛性を高めるための筋交い4を取り付けている。筋交い4の材料はストローを採用し、対比実験用模型23(b)がトラス構造になるように、四角形フレームの対角線上に筋交いを取り付けている。
まず、対比実験用の模型23(b)に筋交い4を取り付けていない状態で、取手19を一定の周期で揺らすと、同じ構造で同じ高さの模型23(a)及び23(b)に同時に共振現象が発生する。その後、模型23(b)がトラス構造になるように四角形フレームの対角線上に筋交い4を取り付けたてから載置台を同じ周期で振動させると、重りを取り付けてない模型23(a)には共振現象が発生するが、筋交い4を取り付けた模型23(b)には共振現象が発生しない。すなわち、構造物の剛性を高めると、外部からの振動による変形を抑えていることが直感的に確認できる。
なお、この実施形態では構造物の模型の剛性を高めるため、フレームの対角線上に筋交いを取り付けているが、構造物模型の耐震性を高める方法として、模型のフレームに耐震壁となるように紙などを取り付け、構造物の模型の剛性を高めることもきる。
3)制振実験
図7及び図8は、外部からの振動エネルギーを吸収できる制振手段を有した場合の制振効果を視覚的に確認するための制振実験1,2を表すものである。図7では、対比実験用模型23(b)の上部に液体を充填させた水槽5を磁石で取り付けており、図8では、対比実験用模型23(b)にボール6をクリップで揺動可能に取り付けている。
まず、対比実験用の模型23(b)に水槽5またはボール6を取り付けていない状態で、取手19を一定の周期で揺らすと、同じ構造で同じ高さの模型23(a)及び23(b)に同時に共振現象が発生する。その後、図8のように模型23(b)の上部に水槽5を取り付けてから載置台を同じ周期で振動させる。すると、水槽5を取り付けてない模型23(a)には共振現象が発生するが、水槽5を取り付けた模型23(b)には共振現象が発生しない。ここでは、水槽5に充填されている液体の液面が、振動方向と反対方向に波打ちしている。図9のようにボール6を取り付けてから載置台を振動させた場合も同様である。ボール6を取り付けてない模型23(a)には共振現象が発生するが、ボール6を取り付けた模型23(b)には共振現象が発生しない。ここではボール6自身が振動方向と反対方向に揺動している。すなわち、構造物に制振手段を設けると、制振手段が外部からの振動エネルギーを吸収しているため、構造物の振動を抑制していることが直感的に確認できる。
4)免震実験
図9、図10及び図11は、外部からの振動を構造物に伝えない免震手段を有した場合の免震効果を視覚的に確認するための免震実験1,2,3を表すものである。図9では、対比実験用模型23(b)の下部にコロ7を取り付けている。図10では、対比実験用模型23(b)の下部に積層ゴム8を取り付けている。図11では、対比実験用模型23(b)の下部にバネ9を取り付けている。
まず、対比実験用の模型23(b)の下部に免震手段を取り付けていない状態で、取手19を一定の周期で揺らすと、同じ構造で同じ高さの模型23(a)及び23(b)に同時に共振現象が発生する。その後、図9、図10、図11のように模型23(b)の下部にそれぞれコロ7,積層ゴム8,バネ9を取り付けてから載置台を同じ周期で振動させる。すると、何も取り付けてない模型23(a)には共振現象が発生するが、コロ7,積層ゴム8,バネ9を取り付けた模型23(b)には共振現象が発生しない。すなわち、構造物に免震手段を設けると、免震手段自身が外部からの振動を吸収し、外部の振動を構造物に伝えないようにするため、構造物の振動を抑制していることが直感的に確認できる。
この実施形態では、手動で取手を揺らす方法で載置台に振動を与えているが、載置台に電動モータを取り付け、モータの回転により載置台に振動を与えることも可能である。
実験装置の概略図。 載置台の斜視図。 実験装置の分解図。 共振実験の説明図。 質量の固有周期に与える影響の説明図。 耐震実験の説明図。 制振実験1の説明図。 制振実験2の説明図。 免震実験1の説明図。 免震実験2の説明図。 免震実験3の説明図。
符号の説明
1 載置台
2 構造物の模型
3 重り
4 筋交い
5 水槽
6 ボール
7 コロ
8 積層ゴム
9 バネ
17 キャスター
19 取手
21 1階建物の模型
22 2階建物の模型
23(a),23(b) 3階建物の模型
24 4階建物の模型
25 5階建物の模型
100 実験装置

Claims (16)

  1. 外部から振動が与えられた際の、構造物に発生する振動と振動抵抗対策の効果を視覚的に表す実験装置であって、
    高さが異なる複数の構造物の模型と、
    前記複数の構造物の模型を並列にかつ着脱可能に載置する載置台と、
    前記載置台に取り付けられ、前記構造物模型に振動を与えるための加振構造と、
    を備えた構造物振動可視化実験装置。
  2. 前記構造物の模型は、弾性材からなる同じ高さのフレームを複数個重ねて高さの異なる模型に変更できる組立機構を備えた、請求項1に記載の構造物振動可視化実験装置。
  3. 前記組立機構は、前記構造物の模型の積層方向のフレームに取り付けられた永久磁石である、請求項1または2に記載の構造物振動可視化実験装置。
  4. 前記載置台の前記構造物の模型との取り付け部分には、永久磁石が取り付けられている、請求項1から3のいずれかに記載の構造物振動可視化実験装置。
  5. 前記構造物の模型の質量を変化させ、模型の固有周期を変化させる手段をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載の構造物振動可視化実験装置置。
  6. 前記構造物の模型の剛性を変化させ、模型の耐震性を変化させる耐震手段をさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の構造物振動可視化実験装置。
  7. 前記加振構造から与えられる振動エネルギーを吸収できる制振手段をさらに備えた、請求項1から6のいずれかに記載の構造物振動可視化実験装置。
  8. 前記加振構造による振動を前記構造物の模型に伝えないための免震手段をさらに備えた、請求項1から7のいずれかに記載の構造物振動可視化実験装置。
  9. 前記構造物の模型の固有周期を変化させる手段は、前記模型に着脱可能に取り付けられる重りである、請求項5に記載の構造物振動可視化実験装置。
  10. 前記耐震手段は、前記模型のフレームに着脱可能に取り付けられる筋交いである、請求項6に記載の構造物振動可視化実験装置。
  11. 前記制振手段は、前記模型の上部に着脱可能に取り付けられる液体が充填された水槽である、請求項7に記載の構造物振動可視化実験装置。
  12. 前記制振手段は、前記模型の上部に揺動可能に取り付けられるボールである、請求項7に記載の構造物振動可視化実験装置。
  13. 前記免震手段は、前記模型の下部と前記載置台との間に着脱可能に取り付けられる弾性部材である、請求項9に記載の構造物振動可視化実験装置置。
  14. 前記免震手段は、前記模型の下部と前記載置台との間に着脱可能に取り付けられるコロである、請求項9に記載の構造物振動可視化実験装置。
  15. 前記加振構造は、前記載置台の下部に取り付けられたキャスターと、前記載置台に取り付けられる取手である、請求項1に記載の構造物振動可視化実験装置。
  16. 前記加振構造は、前記載置台に装着され、前記載置台に振動を与えるための電動モータである、請求項15に記載の構造物振動可視化実験装置。
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