JP3106406B2 - ゲルの改質方法 - Google Patents
ゲルの改質方法Info
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- JP3106406B2 JP3106406B2 JP03029046A JP2904691A JP3106406B2 JP 3106406 B2 JP3106406 B2 JP 3106406B2 JP 03029046 A JP03029046 A JP 03029046A JP 2904691 A JP2904691 A JP 2904691A JP 3106406 B2 JP3106406 B2 JP 3106406B2
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- Japan
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- gel
- pressure
- elastic modulus
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- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品、医薬品、培養用
基材などに適したゲルの改質方法に関する。
基材などに適したゲルの改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルギン酸やペクチンなどの多糖類のゲ
ルは食品分野や医薬品分野で広範に用いられている。一
般にこれらのゲルは、ゲル化剤の溶液に金属イオンを作
用させてゲル化させるなどの方法により調製することが
できる。このようにして得られたゲルは、用途によって
弾性率や破壊強度の異なるものの調製が必要となるが、
これらのゲルの物性を変えるためには、ゲル化剤の濃度
を変える、あるいはイオン強度を調節するなどの方法が
行われている。
ルは食品分野や医薬品分野で広範に用いられている。一
般にこれらのゲルは、ゲル化剤の溶液に金属イオンを作
用させてゲル化させるなどの方法により調製することが
できる。このようにして得られたゲルは、用途によって
弾性率や破壊強度の異なるものの調製が必要となるが、
これらのゲルの物性を変えるためには、ゲル化剤の濃度
を変える、あるいはイオン強度を調節するなどの方法が
行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】弾性率や破壊強度の大
きいゲルを作るためにゲル化剤の濃度を高くした場合、
溶液の粘度が上がりすぎ、溶液に気泡が混入したり、ゲ
ル化剤がままこになるなど溶液の調製が難しくなる。従
ってこのような溶液をゲル化しても均質なゲルが得られ
ない。またイオン強度を調節した場合は、ゲル化反応が
速くなり局部的にゲル化しやすくなるので、均質なゲル
を得るのは難しい。
きいゲルを作るためにゲル化剤の濃度を高くした場合、
溶液の粘度が上がりすぎ、溶液に気泡が混入したり、ゲ
ル化剤がままこになるなど溶液の調製が難しくなる。従
ってこのような溶液をゲル化しても均質なゲルが得られ
ない。またイオン強度を調節した場合は、ゲル化反応が
速くなり局部的にゲル化しやすくなるので、均質なゲル
を得るのは難しい。
【0004】本発明は、従来、困難であったゲルの物性
を調整することを目的とする。
を調整することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するためにゲルを高圧処理することにより物性を調
整する。すなわち、本発明はアルギン酸またはペクチン
の多価金属イオンのゲルを処理圧100MPa以上で高
圧処理し、ゲルの弾性率及び破壊強度を高めることを特
徴とするゲルの改質方法である。
達成するためにゲルを高圧処理することにより物性を調
整する。すなわち、本発明はアルギン酸またはペクチン
の多価金属イオンのゲルを処理圧100MPa以上で高
圧処理し、ゲルの弾性率及び破壊強度を高めることを特
徴とするゲルの改質方法である。
【0006】本発明に用いる多糖類としては、アルギン
酸、ペクチン、ジェランガム、セルロース誘導体などが
挙げられる。これらは水溶液に金属イオンを含む溶液ま
たは塩を添加することによって、ゲル化させることがで
きる。金属イオンとしてはカルシウムやアルミニウム、
バリウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、ストロンチウムな
どの多価金属イオンが用いられる。
酸、ペクチン、ジェランガム、セルロース誘導体などが
挙げられる。これらは水溶液に金属イオンを含む溶液ま
たは塩を添加することによって、ゲル化させることがで
きる。金属イオンとしてはカルシウムやアルミニウム、
バリウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、ストロンチウムな
どの多価金属イオンが用いられる。
【0007】高圧処理には、通常の高圧容器を使用する
ことができ、これを常圧以上に加圧する。ゲルを高圧処
理すると、弾性率は圧力に比例して高くなる。また、ゲ
ル濃度をあまり高くしなくても高圧処理で充分に高い弾
性率が得られる。例えば、アルギン酸カルシウムゲルを
2%濃度で900 MPaの高圧処理を行った場合、4.5 %濃
度で常圧で調製したゲルと、ほぼ等しい弾性率が得られ
る。一般に4.5 %という高い濃度では、溶液の粘度が上
がりすぎ操作性が困難になるが、本発明によれば低い濃
度で高い弾性率が得られる。処理圧は100 MPa以上が好
ましい。これよりも低い処理圧では得られる製品にバラ
ツキが出やすい。
ことができ、これを常圧以上に加圧する。ゲルを高圧処
理すると、弾性率は圧力に比例して高くなる。また、ゲ
ル濃度をあまり高くしなくても高圧処理で充分に高い弾
性率が得られる。例えば、アルギン酸カルシウムゲルを
2%濃度で900 MPaの高圧処理を行った場合、4.5 %濃
度で常圧で調製したゲルと、ほぼ等しい弾性率が得られ
る。一般に4.5 %という高い濃度では、溶液の粘度が上
がりすぎ操作性が困難になるが、本発明によれば低い濃
度で高い弾性率が得られる。処理圧は100 MPa以上が好
ましい。これよりも低い処理圧では得られる製品にバラ
ツキが出やすい。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、アルギン酸やペクチン
などの多糖類のゲルの物性の調整が高圧処理により容易
になり、ゲルの弾性率や破壊強度を高めることができ
る。これにより、デザート用ゼリーやグミなど、広く食
品分野で応用できるゲルを提供できる。
などの多糖類のゲルの物性の調整が高圧処理により容易
になり、ゲルの弾性率や破壊強度を高めることができ
る。これにより、デザート用ゼリーやグミなど、広く食
品分野で応用できるゲルを提供できる。
【0009】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 2%アルギン酸ナトリウム水溶液を透析チューブに封入
し、2%塩化カルシウム水溶液に浸漬してゲル化させ
た。得られたゲルは、直径1.3mm の円柱状であった。こ
のゲルを高圧容器に入れ、間隙を2%塩化カルシウム水
溶液で満たし、静水圧下で30秒の加圧を行った。除圧後
1時間放置し、弾性率を測定した結果、処理圧力と弾性
率の関係は表1のようになった。
る。 実施例1 2%アルギン酸ナトリウム水溶液を透析チューブに封入
し、2%塩化カルシウム水溶液に浸漬してゲル化させ
た。得られたゲルは、直径1.3mm の円柱状であった。こ
のゲルを高圧容器に入れ、間隙を2%塩化カルシウム水
溶液で満たし、静水圧下で30秒の加圧を行った。除圧後
1時間放置し、弾性率を測定した結果、処理圧力と弾性
率の関係は表1のようになった。
【0010】 実施例2 2%低メトキシルペクチン水溶液を透析チューブに封入
し、2%塩化カルシウム水溶液に浸漬してゲル化させ
た。得られたゲルは、直径1.3mm の円柱状であった。こ
のゲルを高圧容器に入れ、間隙を2%塩化カルシウム水
溶液で満たし、静水圧下で30秒の加圧を行った。その結
果、処理圧力と弾性率の関係は表2のようになった。
し、2%塩化カルシウム水溶液に浸漬してゲル化させ
た。得られたゲルは、直径1.3mm の円柱状であった。こ
のゲルを高圧容器に入れ、間隙を2%塩化カルシウム水
溶液で満たし、静水圧下で30秒の加圧を行った。その結
果、処理圧力と弾性率の関係は表2のようになった。
【0011】 これら実施例の結果から、処理圧力が高くなると、弾性
率も高くなることがわかる。
率も高くなることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−267257(JP,A) 特開 平2−49555(JP,A) 特開 平4−121151(JP,A) 特開 平4−148650(JP,A) 特開 平4−158752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/05 - 1/09 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】アルギン酸またはペクチンの多価金属イオ
ンのゲルを処理圧100MPa以上で高圧処理し、ゲル
の弾性率及び破壊強度を高めることを特徴とするゲルの
改質方法。 - 【請求項2】多価金属イオンがカルシウム、アルミニウ
ム、バリウム、銅、鉄、亜鉛、ストロンチウム、ニッケ
ルから選ばれる請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03029046A JP3106406B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | ゲルの改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03029046A JP3106406B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | ゲルの改質方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05211847A JPH05211847A (ja) | 1993-08-24 |
JP3106406B2 true JP3106406B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=12265449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03029046A Expired - Fee Related JP3106406B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | ゲルの改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3106406B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6564480B1 (en) | 1999-03-30 | 2003-05-20 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | Working apparatus for construction machine |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP03029046A patent/JP3106406B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6564480B1 (en) | 1999-03-30 | 2003-05-20 | Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. | Working apparatus for construction machine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05211847A (ja) | 1993-08-24 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |