JP3105784B2 - 可撓性コンクリート管 - Google Patents

可撓性コンクリート管

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JP3105784B2 JP08116983A JP11698396A JP3105784B2 JP 3105784 B2 JP3105784 B2 JP 3105784B2 JP 08116983 A JP08116983 A JP 08116983A JP 11698396 A JP11698396 A JP 11698396A JP 3105784 B2 JP3105784 B2 JP 3105784B2
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孝正 真坂
公彦 佐々木
勇治 後藤
威 服巻
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西武ポリマ化成株式会社
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L57/00Protection of pipes or objects of similar shape against external or internal damage or wear

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  • Joints With Sleeves (AREA)
  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Joints Allowing Movement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は地下に埋設される
可撓性コンクリート管に関し、地震や地盤変動等による
大きな変位にも対応でき、しかも可撓性継手部の内周側
への撓みを小さくできるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】推進工法や開削工法などでによって埋設
施工されるヒューム管などのコンクリート管は、地盤変
動にともなう沈下量の相違や地震などの土圧による外力
によって接続部からの漏水が生じたり、コンクリート管
の折損などが生じることがある。
【0003】このため従来からコンクリート管の途中に
予め可撓性継手部を一体に設けた可撓性コンクリート管
が提案され、所定間隔ごとに用いることで、可撓性継手
部の可撓性(弾性変形及び形状変形)によって地震や地
盤変動等による外力や沈下量の相違を許容するようにし
ている。
【0004】このような可撓性コンクリート管として
は、例えば実公平4−10468号公報に開示されたも
のを図13に示すように、2つのヒューム管部材2a,
2bの端面間にゴムなどの目地緩衝材3を挾み、端部外
周を囲んで連結するようにゴム状物質でアンカー4aを
備えた可撓筒体4を設け、さらに外周に薄鋼板製で多数
の打ち抜き穴5aが形成された環体5が設けられ、これ
らが遠心力を利用した型枠内でコンクリートと一体化さ
れている。
【0005】この可撓性コンクリート管1では、土圧等
の外力が所定値に達するまでは、薄鋼板製の環体5で外
力を受け、外力が所定値を越えた場合には、環体5に形
成した打ち抜き穴5a部分で塑性変形や破断を生じさせ
て可撓筒体4の可撓性を利用して変位などを吸収する。
【0006】また、実公平4−12150号公報に開示
された可撓性コンクリート管6は、図14に示すよう
に、2つのヒューム管部材7a,7bの端部外周にそれ
ぞれ段差部を形成し、この段差部と端面とに金属製のつ
ば付円筒8をアンカーボルト8aによって取付け、これ
らつば付き円筒8のつばの間および円筒外周に跨るよう
にゴム可撓部9を加硫接着して一体化されている。
【0007】この可撓性コンクリート管6では、土圧等
の外力や変位に対してゴム可撓部9の可撓性を利用して
吸収するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薄鋼板
製で打ち抜き穴5aが形成された環体5と可撓筒体4と
を備えた可撓性コンクリート管1では、土圧等の外力が
所定値を越えると、環体5の打ち抜き穴5a部分から切
断されるため、切断された後は外力や変位に対しては可
撓筒体4だけで受けなければならず、しかも大きな変位
量を吸収することができない。
【0009】また、つば付き円筒8にゴム可撓部9を接
着した可撓性コンクリート管6では、土圧などの外力に
対応してゴム可撓部9を伸縮させて変位を吸収するが、
ゴム可撓部9の変形代に限界があり、大きな変位量を吸
収することができない。
【0010】一方、土圧などの外力に対応して大きな変
位に対応できるようにするため、目地緩衝材3やゴム可
撓部9を軸方向に大きくして変形代を大きくすると、土
圧などの外力が加わった場合にこの部分が内周側に大き
く撓み、特に底部分では、下水汚物の堆積や滞水流によ
る腐敗を生ずるなどの問題が生じる。
【0011】この発明は、かかる従来技術の課題に鑑み
てなされたもので、地震や地盤変動等によって大きく変
位する場合にも対応して大きな変位量を吸収することが
でき、しかも撓みを防止して下水汚物の堆積などを防止
することができる可撓性コンクリート管を提供しようと
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明の請求項1記載の可撓性コンクリート管は、コ
ンクリート製の前後管部材との間に可撓性継手部を備え
た可撓性コンクリート管であって、前記前管部材の後端
面及び前記後管部材の前端面に当られる環状の枠体と、
これら2つの枠体の間に平行に一対設けられ前記前後管
部材より小径の環状の押え板と、前記枠体と前記押え板
との間に挾まれる両端部の環状の取付部およびこれら環
状の取付部を内周側で連結して前記前後管部材の内周面
に沿う中間部の環状の連結部を備えるとともに、この環
状の連結部の中間外周側に突き出した環状中空補強部を
備えた筒状の可撓性の伸縮部材と、この伸縮部材の前記
環状中空補強部の中空部分に入れられて前記環状の連結
部の内周側への撓みを防止する補強部材と、前記前後管
部材に埋設され前記枠体および前記伸縮部材の前記環状
の取付部を貫通して前記押え板にねじ込まれて当該伸縮
部材の環状の取付部を締め付ける複数の取付ボルトと、
前記前後管部材の間に設けられこれら前後管部材の外周
面に沿う環状の保護カバーとでなることを特徴とするも
のである。
【0013】この可撓性コンクリート管によれば、コン
クリート製の前管部材と後管部材の対向する端面に環状
の枠体を当て、この間に平行に一対の押え板を配置し、
中間の環状の連結部の外周側に補強部材が入れられた環
状中空補強部を備えた筒状の伸縮部材の両端部の環状の
取付部を押え板に埋め込んだ取付ボルトで枠体と押え板
との間で締め付けて固定するとともに、この取付ボルト
を枠体を貫通させてコンクリート中に埋設し、さらに枠
体の外側を保護カバーで覆うようにしており、保護カバ
ーで伸縮部材を保護しながら伸縮部材の環状の連結部で
大きな変位量の吸収を可能とすると同時に、環状中空補
強部と補強部材によって内周側への撓みを防止するよう
にしている。
【0014】さらに、この発明の請求項2記載の可撓性
コンクリート管は、コンクリート製の前後管部材との間
に可撓性継手部を備えた可撓性コンクリート管であっ
て、前記前管部材の後端面及び前記後管部材の前端面に
当られる環状の枠体と、これら2つの枠体の間に平行に
一対設けられ前記前後管部材より小径の環状の押え板
と、前記一対の押え板をそれぞれ外周側から覆う両端部
の環状凸状部分およびこれら環状凸状部分を連結して前
記前後管部材の内周面に沿う環状の連結部を備えるとと
もに、この環状の連結部の中間外周側に突き出した環状
中空補強部を備えた筒状の可撓性の伸縮部材と、この伸
縮部材の前記環状中空補強部の中空部分に入れられて前
記環状の連結部の内周側への撓みを防止する補強部材
と、前記前後管部材に埋設され前記枠体および前記伸縮
部材の当該枠体当接部分を貫通して前記押え板にねじ込
まれて当該伸縮部材の取付部分を締め付ける複数の取付
ボルトと、前記前後管部材の間に設けられこれら前後管
部材の外周面に沿う環状の保護カバーとでなることを特
徴とするものである。
【0015】この可撓性コンクリート管によれば、コン
クリート製の前管部材と後管部材の対向する端面に環状
の枠体を当て、この間に平行に一対の押え板を配置し、
中間の環状の連結部の外周側に補強部材が入れられた環
状中空補強部を備えた筒状の伸縮部材の両端部の環状凸
状部分で外側から覆うようにし、押え板に埋め込んだ取
付ボルトで枠体との間で伸縮部材を締め付けて固定する
とともに、この取付ボルトを枠体を貫通させてコンクリ
ート中に埋設し、さらに枠体の外側を保護カバーで覆う
ようにしており、保護カバーで伸縮部材を保護しながら
伸縮部材の環状凸状部分と環状の連結部とで大きな変位
量の吸収を可能とすると同時に、環状中空補強部と補強
部材によって内周側への撓みを防止するようにしてい
る。
【0016】また、この発明の請求項3記載の可撓性コ
ンクリート管は、請求項1または2記載の構成に加え、
前記保護カバーに前記前後管部材の軸方向と平行なスリ
ットを複数形成してなることを特徴とするものである。
【0017】この可撓性コンクリート管によれば、保護
カバーに軸方向のスリットを複数形成するようにしてお
り、保護カバーを切断させること無く土圧などの外力に
対してスムーズに変形させて伸縮部材の保護ができるよ
うにしている。
【0018】さらに、この発明の請求項4記載の可撓性
コンクリート管は、請求項1〜3のいずれかに記載の構
成に加え、前記保護カバーの前記一対の枠体との接合部
をいずれか一方とは断続溶接とするとともに、いずれか
他方とは点溶接してなることを特徴とするものである。
【0019】この可撓性コンクリート管によれば、保護
カバーと枠体の接合部を一方は断続溶接にし、他方を点
溶接にするようにしており、保護カバーに軸方向の大き
な力が加わった場合には、点溶接部を破断させて対応さ
せ、しかも保護カバーで伸縮部材を覆った状態は保持で
きるようにしている。
【0020】また、この発明の請求項5記載の可撓性コ
ンクリート管は、請求項〜4のいずれかに記載の構成
に加え、前記伸縮部材の環状の連結部の外周側に環状の
凹部用目地材を設けるとともに、この凹部用目地材の外
周側及び前記伸縮部材の環状凸状部分の外周側に外周用
目地材を設けてなることを特徴とするものである。
【0021】この可撓性コンクリート管によれば、伸縮
部材と保護カバーとの間の空間に凹部用目地材と外周用
目地材を設置するようにしており、保護カバーと協働し
て一層確実に伸縮部材の環状の連結部外周側などへの土
砂の浸入を防止できるようにしている。
【0022】さらに、この発明の請求項6記載の可撓性
コンクリート管は、請求項1〜5のいずれかに記載の構
成に加え、前記枠体と前記前後管部材の端面との当接部
に環状の止水部材を設けてなることを特徴とするもので
ある。
【0023】この可撓性コンクリート管によれば、枠体
とコンクリート製の管部材の端面との間に止水部材を設
けるようにしており、この部分のシール性の向上を図り
漏水や浸水などを防止するようにしている。
【0024】なお、大変位量とは、従来品に比較して変
位量を増大することの意であり、例えば従来品が伸び3
0mm、縮み0mm、沈下剪断30mm程度であるのに対し、
それ以上例えば上記の各値を50〜200mm程度とする
ことをいう。
【0025】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態につい
て図面に基づき詳細に説明する。図1〜図3はこの発明
の可撓性コンクリート管の一実施の形態にかかり、図1
は可撓性継手部の拡大断面図、図2は上半分のみを切断
した縦断面図、図3は伸縮部材のみの図1中のIII −II
I 断面図である。
【0026】この可撓性コンクリート管10は、それぞ
れ遠心力鉄筋コンクリート管(ヒューム管)によって形
成される前管部材11および後管部材12と、これら前
後管部材11,12の間に設けられて両者を接続する可
撓性継手部13とで構成されており、これらが遠心成形
用の型枠内で一体化される。
【0027】この可撓性コンクリート管10の可撓性継
手部13は、前管部材11の後端面に当られる金属板製
の環状の前枠体14および後管部材12の前端面に当ら
れる環状の後枠体15とで構成される2つの枠体を備え
ており、これら2つの前後枠体14,15が間隔をあけ
て配置される。これら2つの環状の枠体である前枠体1
4および後枠体15は、外径が前後管部材11,12の
外径よりわずかに小さく(後述する保護カバーの厚さ
分)、内径は前後管部材11,12の内径とほぼ同一に
形成してあり、中間部に固定用の貫通穴16が円周方向
等間隔に複数形成してある。
【0028】このような2つの前後枠体14,15の間
には、これら前後枠体14,15と平行に環状の前押え
板17と後押え板18とが配置され、これら前後押え板
17,18で1対の押え板が構成されている。これら1
対の押え板17,18は金属板で作られ、外径が前後管
部材11,12の内外径の中間部の大きさとされ、内径
が前後管部材11,12の内径より伸縮部材(後述す
る)の厚さ分だけ小さく形成してある。そして、これら
前後押え板17,18には、前後枠体14,15側から
それぞれ雌ねじ部17a,18aが板厚の中間部まで底
付きの状態で前後枠体14,15の貫通穴16と同一の
配置で円周上に複数形成してある。
【0029】このような前後枠体14,15および前後
押え板17,18の間に可撓性のある筒状の伸縮部材1
9の両端部の環状の取付部20,21が挟持されてい
る。
【0030】この筒状の伸縮部材19は両端部(前後
部)に円盤状(環状)の取付部20,21が形成され、
これら前後の環状の取付部20,21の内周側を連結し
て断面形状が凹状となるよう円筒状の連結部22が一体
に形成されている。そして、筒状の伸縮部材19の環状
の前後の取付部20,21の外径が前後押え板17,1
8の外径とほぼ同一の大きさとされ、伸縮部材19の環
状の前後の取付部20,21の内周側端および連結部2
2の内径が前後管部材11,12の内径とほぼ同一とな
るように形成してある。
【0031】また、この伸縮部材19の連結部22の中
間外周側には、外周側に突き出して環状に中空補強部2
3が形成してあり、連結部22と同一素材または別素材
で連結部22と一体に形成してある。
【0032】この環状中空補強部23は、図3に示すよ
うに、環状の少なくとも1か所に切欠部23aが形成さ
れ、中空部内と連通するようになっており、図示例で
は、6か所の切欠部23aが円周等間隔に形成してあ
る。
【0033】この環状中空補強部23には、その中空部
に金属製または合成樹脂製等のパイプで構成された補強
部材24が入れられて環状となっている。この補強部材
24は伸縮部材19の成形完了後に環状中空補強部23
の切欠部23aを利用して入れて環状に連結するほか、
伸縮部材19の成形過程で一体に形成するようにして入
れられる。
【0034】この伸縮部材19としては、例えば耐候性
等に優れるクロロプレンゴム(CR)、EPDMなどが
用いられる。
【0035】さらに、この伸縮部材19の環状の取付部
20,21に前後枠体14,15の貫通穴16と同一の
配置で円周上に複数の取付用の貫通穴が形成してある。
【0036】このような伸縮部材19は、補強部材24
を後でいれる場合には、伸縮部材19の環状中空補強部
23に補強部材24を入れて環状に連結した状態にす
る。
【0037】そして、伸縮部材19の環状の前後の取付
部20,21の内側にその可撓性を利用して環状の前後
押え板17,18を装着する。
【0038】次いで、前枠体14の固定用の貫通穴1
6、伸縮部材19の取付部20の貫通穴と前押え板17
の雌ねじ部17aとを一致させ、前枠体14側から取付
用ボルトであるスタッドボルト25を入れて前押え板1
7の雌ねじ部17aにねじ込んで固定した後、スタッド
ボルト25に予めねじ込んだナット26により、前枠体
14と前押え板17との間で伸縮部材19の取付部20
を挾んで締め付けて固定する。
【0039】こうして円周上の複数箇所でのスタッドボ
ルト25およびナット26による締め付けを行うことで
伸縮部材19の前方側の取付けが完了する。
【0040】同様にして伸縮部材19の後方側もスタッ
ドボルト25に予めねじ込んだナット26により、後枠
体15と後押え板18との間で伸縮部材19の取付部2
1を挾んで締め付けて固定する。
【0041】こうして前枠体14及び前押え板17の間
と後枠体15及び後押え板18の間とで伸縮部材19の
前後の取付部20,21を固定した状態では、それぞれ
の取付用ボルトであるスタッドボルト25が前方側また
は後方側に突き出ているが、この部分がコンクリートへ
のアンカー部25aとなるようにしている。
【0042】このような伸縮部材19を介して連結され
た前後枠体14,15の外周側を塞ぐように金属製の円
筒状の保護カバー27が取付けられる。
【0043】この保護カバー27は前後管部材11,1
2の外周面と面一となるように配置され、前後管部材1
1,12の端部分も覆う長さとされ、前後枠部材14,
15の外径が前後管部材11,12の外径よりわずかに
小さくしてある部分に当られる。
【0044】そして、保護カバー27と前枠部材14の
前方側の隅部が点溶接された点溶接部28で連結される
とともに、保護カバー27と後枠部材15の後方側の隅
部が断続溶接された断続溶接部29で連結され、溶接強
度に差ができるように溶接してあり、いずれを点溶接ま
たは断続溶接にするかは適宜選択すれば良い。
【0045】これら保護カバー27と前後枠部材14,
15とのいずれか一方の連結に用いる断続溶接は、周方
向に所定間隔ごとに所定長さの溶接を行う溶接をいい、
例えば100mm程度の間隔で溶接長さを30mm程度にす
る。
【0046】また、これら保護カバー27と前後枠部材
14,15とのいずれか一方の連結に用いる点溶接は、
断続溶接より溶接長さが短い溶接をいい、例えば150
mm程度の間隔で溶接長さを5mm程度にする。以上で可撓
性継手部13の組み立てが完了する。
【0047】このようにして組み立てられた可撓性継手
部13は前後管部材11,12の補強用の鉄筋30とと
もに遠心成形用の型枠内に設置され、通常のヒューム管
と同様にしてコンクリートにより前後管部材11,12
が製造されると同時に前後管部材11,12の中間部に
可撓性継手部13が一体化された状態になる。
【0048】さらに、この可撓性コンクリート管10で
は、図2に示すように、保護カバー27に前後管部材1
1,12の軸方向(直線状に連結された状態の軸方向)
と平行にスリット31が複数形成してある。これらスリ
ット31は前後枠体14,15の間にわたる長さとさ
れ、両端の丸穴とこれらを結ぶ切り込みとで構成されて
いる。
【0049】また、この可撓性コンクリート管10で
は、伸縮部材19の連結部22の外周部と保護カバー2
7とで囲まれる環状の空間に環状の目地材41が圧縮状
態で装着してある。この目地材41は外部からの土砂や
水の侵入を防止すると同時に伸縮部材19の補強を兼ね
るものであり、伸縮部材19の連結部22外周との間お
よび前後押え板17,18との接触面との間を接着剤で
接着して取付けるようにしても良い。
【0050】この目地材41としては、例えば独立気泡
で気泡の小さいスポンヂゴムで造られたものが用いられ
る。
【0051】さらに、この可撓性コンクリート管10で
は、前後枠体14,15のコンクリートと接する部分に
環状に止水部材51が取付けてある。この止水部材51
は、例えば水膨張ゴムまたは非加硫ブチルゴムで作られ
たものが用いられる。
【0052】このように構成した可撓性コンクリート管
10は、通常のコンクリート管の所定間隔ごとに介装さ
れて地下に埋設されて管路等として使用される。
【0053】この可撓性コンクリート管10を用いるこ
とで、前後管部材11,12の間に土圧等の外力が加わ
った場合の伸縮部材19の連結部22の撓みを極力防止
することができるとともに、伸び、縮み等の変位に対し
ても可撓性継手部13が変位して吸収することができ
る。
【0054】例えば、保護カバー27の外周から土圧等
の外力が加わる場合には、図4に示すように、可撓性継
手部13の外周に設けた保護カバー27自体の剛性によ
って外力が受けられるが、大きな外力に対しては保護カ
バー27が内側に撓み、これに伴って目地材41を介し
て伸縮部材19の連結部22にも外力が加わる。
【0055】このような外力が伸縮部材19の連結部2
2に加わっても連結部22の外周側に環状中空補強部2
3が形成されて内部に補強部材24が入れられて連結部
22が吊られた状態になっていることから、連結部22
の内周側への変形(撓み)を極力抑えることができる。
【0056】これにより、可撓性コンクリート管10の
底部分に下水汚物が堆積したり滞水流による水腐敗を生
ずることを防止することができる。
【0057】次に、前後管部材11,12間に伸びによ
る大変位が生じた場合を示す図5のように、伸縮部材1
9の両端部の取付部20,21が前後枠体14,15及
び前後押え板17,18で挾まれて強固に固定された状
態で連結部22が伸びるように変形するとともに、圧縮
状態の目地材41が膨脹し、外部からの浸水や内部から
の漏水を防止する。
【0058】また、土圧等の外力に対しては、保護カバ
ー27と前後枠体14,15との接合部のいずれか一方
の点溶接された弱い方の点溶接部28が破断され、保護
カバー27自体が壊れること無く可撓性継手部13の外
周を覆った状態で保護カバー27によって受けられる。
【0059】さらに、前後管部材11,12間に縮みに
よる大変位が生じた場合を示す図6のように、伸縮部材
19の両端部の環状の取付部20,21が前後枠体1
4,15及び前後押え板17,18で挾まれて強固に固
定された状態で内側部分の連結部22が前後押え板1
7,18で縮むように押されて変形し、外部からの浸水
や内部からの漏水を防止する。
【0060】そして、土圧等の外力に対しても、伸びの
場合と同様に、保護カバー27と前後枠体14,15と
の接合部のいずれか一方の点溶接された弱い方の点溶接
部28が破断され、可撓性継手部13の外周を覆った状
態で保護カバー27によって受けられる。
【0061】また、前後管部材11,12の間に沈下に
よる変位が生じるだけでなく、前後管部材11,12の
間でねじれ(軸方向回りの回転)による変位が生じるよ
うな場合でも保護カバー27にスリット31が形成して
あるので、図7に示すように、ねじれ変形が許容され、
土圧等を受けることができる状態を保持することができ
る。
【0062】さらに強いねじれ変化が生じたときは保護
カバー27と前後枠体14,15との接合部のいずれか
一方の点溶接された弱い方の点溶接部28が破断され摺
動回転変位して土圧等を受けることができる状態を保持
することができる。
【0063】以上のように、この可撓性コンクリート管
10によれば、外力が伸縮部材19の連結部22に加わ
っても連結部22の内周側への変形(撓み)を極力抑え
ることができ、可撓性コンクリート管10の底部分に下
水汚物が堆積したり滞水流による水腐敗を生ずることを
防止することができるとともに、前後管部材11,12
間に伸びや縮み等による大変位が生じても伸縮部材19
の変位でこれらを許容することができる。
【0064】また、伸縮部材19の取付けのためにスタ
ッドボルト25及びナット26を用いて締め付けるよう
にしたので、取付ボルトが押え板17,18の外側まで
貫通しない状態で締め付けることができ、取付ボルトで
あるスタッドボルト25のねじ部分からの浸水や漏水を
完全に防止することができる。
【0065】さらに、伸縮部材19を固定するための前
後押え板17,18が管内を流れる下水などの流体と接
することがなく、腐蝕等の問題もない。
【0066】また、保護カバー27により土圧や土砂な
どによる伸縮部材19の外傷を防止することができると
ともに、施工時の初期沈下に対抗させて前後管部材1
1,12の流下勾配を確保することができる。
【0067】さらに、前後管部材11,12及び可撓性
継手部13の前後枠体14,15、前後押え板17,1
8、伸縮部材19、環状中空補強部23および補強部材
24、スタッドボルト25、ナット26、保護カバー2
7が予め一体に組み立てられているので、現場での施工
が容易であり、特に伸縮部材19の損傷を防止すること
ができる。
【0068】また、保護カバー27にスリット31が形
成してあるので、前後管部材11,12の変位により可
撓性継手部13がスムーズに変形することができ、特に
前後管部材11,12の自重をわずかに上回る程度の外
部荷重に対してはほとんど変形しない状態にでき、不等
沈下や地震時などには、大きな変位をとることができ
る。
【0069】次に、この発明の他の実施の形態について
図面に基づき詳細に説明する。図8および図9はこの発
明の可撓性コンクリート管の他の一実施の形態にかか
り、図8は可撓性継手部の拡大断面図であり、図9は上
半分のみを切断した縦断面図である。
【0070】この可撓性コンクリート管60は、主とし
て既に説明した可撓性コンクリート管10の可撓性継手
部13を構成する伸縮部材19の形状を変えるととも
に、伸縮部材19の外周に圧縮充填される目地材41を
2つに分割して構成した点で異なるものであることか
ら、これらの相違する構成について説明し、既に説明し
た可撓性コンクリート管10と同一部分には同一番号を
記し説明は省略する。
【0071】この可撓性コンクリート管60では、可撓
性継手部13を構成する伸縮部材61の形状を変えるこ
とにともない、前後押え板62,63の大きさが変えて
ある。
【0072】前後枠体14,15の間に配置される前後
1対の押え板62,63は金属板で作られ、外径が前後
管部材11,12の内外径の中間部の大きさでこれまで
よりも伸縮部材61の厚さ分だけ小さくされ、内径が前
後管部材11,12の内径とほぼ同一の伸縮部材61の
厚さ分だけ小さく形成してある。これら前後押え板6
2,63の他の構成は押え板17,18と同一である。
【0073】このような前後押え板62,63と前後枠
体14,15の間に両端部の取付部64,65が挟持さ
れる可撓性の筒状の伸縮部材61は次のように構成され
ている。
【0074】この筒状の伸縮部材61は両端部(前後
部)に横断面がU字状で内周側が開口した環状凸状部分
である前後環状凸状部分66,67が形成され、外側部
分が取付部64,65とされるとともに、これら前後の
環状凸状部分66,67の内側部分を連結して内周側に
凹状となるよう円筒状の連結部68が一体に形成されて
いる。そして、筒状の伸縮部材61の前後環状凸状部分
66,67の外径が前後押え板62,63の外径に伸縮
部材61の厚さを加えた大きさとされ、伸縮部材61の
前後環状凸状部分66,67の内周側端および連結部6
8の内径が前後管部材11,12の内径とほぼ同一とな
るように形成してある。
【0075】さらに、この伸縮部材61の両端の取付部
64,65に前後枠体14,15の貫通穴16と同一の
配置で円周状に複数の取付用の貫通穴が形成してある。
【0076】また、この伸縮部材61の連結部68の中
間外周側には、外周側に突き出して環状に中空補強部6
9が形成してあり、連結部68と同一素材または別素材
で連結部68と一体に形成してある。
【0077】この環状中空補強部69は、既に説明した
ものと同様に、環状の少なくとも1か所に切欠部が形成
され、中空部内と連通するようになっており、その中空
部に金属製または合成樹脂製等のパイプで構成された補
強部材24が入れられて環状とされ、連結部68を外周
側から吊るようになっている。
【0078】このような伸縮部材61の前環状凸状部分
66がその可撓性を利用して環状の前押え板62に外周
側から被せるように取付けられるとともに、後環状凸状
部分67もその可撓性を利用して環状の後押え板63に
外周側から被せるように取付けられる。
【0079】そして、前枠体14の固定用の貫通穴1
6、伸縮部材61の前側の取付部64の貫通穴と前押え
板62の雌ねじ部17aとを一致させ、前枠体14側か
ら取付用ボルトであるスタッドボルト25を入れて前押
え板62の雌ねじ部17aにねじ込んで固定した後、ス
タッドボルト25に予めねじ込んだナット26により、
前枠体14と前押え板62との間で伸縮部材61の取付
部64を挾んで締め付けて固定する。
【0080】こうして円周状複数箇所でのスタッドボル
ト25およびナット26による締め付けを行うことで伸
縮部材61の前方側の取付けが完了する。
【0081】同様にして伸縮部材61の後方側もスタッ
ドボルト25に予めねじ込んだナット26により、後枠
体15と後押え板63との間で伸縮部材61の取付部6
5を挾んで締め付けて固定する。
【0082】また、この可撓性コンクリート管60で
は、伸縮部材61の連結部68の外周部に形成される保
護カバー27との環状の空間に2つの環状の凹部用目地
材71と外周用目地材72とが圧縮状態で充填してあ
る。
【0083】内周側に配置される凹部用目地材71は、
伸縮部材61の両端部の環状凸状部分66,67の外周
側とほぼ面一となるように充填され、ほぼ面一とされた
伸縮部材61の両端部の環状凸状部分66,67の外周
側および凹部用目地材71の外周側に外周用目地材72
が圧縮充填され、これら凹部用目地材71および外周用
目地材72で伸縮部材61と保護カバー27で囲まれた
環状の空間を埋めるようにしてある。これら凹部用目地
材71および外周用目地材72も、例えば独立気泡で気
泡の小さいスポンヂゴムで造られたものが用いられる。
【0084】これらの目地材71,72は外部からの土
砂や水の侵入を防止すると同時に伸縮部材61の補強を
兼ねるものであり、伸縮部材61の連結部68外周との
間および前後の環状凸状部分66,67の内側との間を
接着剤で接着して取付けるようにしても良い。
【0085】これ以外の構成は既に説明した可撓性コン
クリート管10と同一の構成になっている。
【0086】このように構成した可撓性コンクリート管
60は、通常のコンクリート管の所定間隔ごとに介装さ
れて地下に埋設されて管路等として使用される。
【0087】この可撓性コンクリート管60を用いるこ
とで、前後管部材11,12の間に土圧等の外力が加わ
った場合の伸縮部材61の連結部68の撓みを極力防止
することができるとともに、伸び、縮み等の変位に対し
ても可撓性継手部13が変位して吸収することができ
る。
【0088】例えば、保護カバー27の外周から土圧等
の外力が加わる場合には、図10に示すように、可撓性
継手部13の外周に設けた保護カバー27自体の剛性に
よって外力が受けられるが、大きな外力に対しては保護
カバー27が内側に撓み、これに伴って目地材71,7
2を介して伸縮部材61の連結部68にも外力が加わ
る。
【0089】このような外力が伸縮部材61の連結部6
8に加わっても連結部68の外周側に環状中空補強部6
9が形成されて内部に補強部材24が入れられて連結部
68が吊られた状態になっていることから、連結部68
の内周側への変形(撓み)を極力抑えることができる。
【0090】これにより、可撓性コンクリート管60の
底部分に下水汚物が堆積したり滞水流による水腐敗を生
ずることを防止することができる。
【0091】次に、前後管部材11,12間に伸びによ
る大変位が生じた場合を示す図11のように、伸縮部材
61の両端部の環状凸状部分66,67の外側の取付部
64,65が前後枠体14,15及び前後押え板62,
63で挾まれて強固に固定された状態で内側部分の環状
凸状部分66,67が前後押え板62,63から離れて
目地材71を縮めるとともに、連結部68も伸びるよう
に変形し、外部からの浸水や内部からの漏水を防止す
る。
【0092】また、土圧等の外力に対しても、沈下や縮
みの場合と同様に、保護カバー27と前後枠体14,1
5との接合部のいずれか一方の点溶接された弱い方の点
溶接部28が破断され、可撓性継手部13の外周を覆っ
た状態で保護カバー27によって受けられる。
【0093】さらに、前後管部材11,12間に縮みに
よる大変位が生じた場合を示す図12のように、伸縮部
材61の両端部の環状凸状部分66,67の外側の取付
部64,65が前後枠体14,15及び前後押え板6
2,63で挾まれて強固に固定された状態で内側部分の
環状凸状部分66,67が前後押え板62,63で押さ
れ、目地材71,72を縮めるとともに、連結部68も
縮むように変形し、外部からの浸水や内部からの漏水を
防止する。
【0094】また、土圧等の外力に対しても、沈下や伸
びの場合と同様に、保護カバー27と前後枠体14,1
5との接合部のいずれか一方の点溶接された弱い方の点
溶接部28が破断され、可撓性継手部13の外周を覆っ
た状態で保護カバー27によって受けられる。
【0095】さらに、この可撓性コンクリート管60で
は、目地材を凹部用目地材71と外周用目地材72との
2つで構成するようにしているので、その性質を変える
ことができ、例えば圧縮のヤング率は外水圧に対する補
強という点からは高い方が良く、可撓性継手部13の縮
み変位を阻害しないためには低い方が良いことから、外
周側で外水圧が直接作用する外周用目地材72のヤング
率を高くし、縮み変位に影響を及ぼす凹部用目地材71
のヤング率を低くすることが可能となる。
【0096】以上のように、この可撓性コンクリート管
60によれば、既に説明した可撓性コンクリート管10
と同様の効果を奏するほか、前後管部材11,12間に
伸びによる大変位が生じても伸縮部材61の環状凸状部
分66,67が前後押え板62,63から離れるように
変形することで変位量を大きくすることができ、吸収で
きる伸び変位の許容できる範囲を大きくすることができ
る。
【0097】なお、前後枠体や前後押え板、あるいは保
護カバーは、金属製とする場合に限らずFRPなどの合
成樹脂などで構成するようにしても良く、必要強度に応
じて材料を選択すれば良い。そして、前後枠体と保護カ
バーとの連続接合、断続接合および点接合は溶接や接着
剤や他の接合方法を適用すれば良い。
【0098】また、金属製の前後枠体、前後押え板、保
護カバーなどは型枠への取付け前に塗装処理を行い、例
えばタールエポキシ樹脂塗装を行うが、前後枠体及び保
護カバーのコンクリートとの接触面は無塗装で良い。
【0099】
【実施例】
(実施例1)次のような可撓性コンクリート管を造り、
外力に対する伸縮部材の撓み試験や曲げ試験などを行な
い大きな変位量を何等損傷を生じること無く吸収するこ
とができるとともに、伸縮部材の撓みを極力抑えること
できることを確認した。
【0100】呼び径1000mm(内径1000mm)のヒ
ューム管の中間部に140mmの間隔をあけて前後枠体を
配置するとともに、前後押え板を90mmの間隔で配置し
た。そして、伸縮部材としてクロロプレンンゴムで両端
の取付部の高さが62mm、連結部の間隔が約110mmで
肉厚が10mmのものを作り、この連結部の中央外周側に
一体の環状中空補強部を形成し、中にPVC製の直径が
約25mmのパイプを入れて環状に連結した。そして、こ
の伸縮部材の取付部を片側20本のスタッドボルトで締
め付けて固定するとともに、アンカー部の長さが50mm
となるようにした。さらに、発砲ゴムの目地材を伸縮部
材の外周にいれ、軸方向長さが540mmの保護カバーで
覆い、断続溶接と点溶接で接合した。
【0101】このような可撓性コンクリート管では、沈
下量100mm、伸び量50mm、縮み量50mmの変位量に
対して損傷を生じるなどの支障がなく、さらに外水圧
0.05MPa でも伸縮部材の内周側への撓みはほとんど
生じなかった。
【0102】
【発明の効果】以上、実施の形態とともに具体的に説明
したように、この発明の請求項1記載の可撓性コンクリ
ート管によれば、コンクリート製の前管部材と後管部材
の対向する端面に環状の枠体を当て、この間に平行に一
対の押え板を配置し、中間の環状の連結部の外周側に補
強部材が入れられた環状中空補強部を備えた筒状の伸縮
部材の両端部の環状の取付部を押え板に埋め込んだ取付
ボルトで枠体と押え板との間で締め付けて固定するとと
もに、この取付ボルトを枠体を貫通させてコンクリート
中に埋設し、さらに枠体の外側を保護カバーで覆うよう
にしたので、保護カバーで伸縮部材を保護しながら伸縮
部材の環状の連結部で大きな変位量の吸収を可能とする
と同時に、環状中空補強部と補強部材によって伸縮部材
の内周側への撓みを防止することができる。
【0103】これにより、可撓性コンクリート管60の
底部分に下水汚物が堆積したり滞水流による水腐敗を生
ずることを防止することができる。
【0104】さらに、この発明の請求項2記載の可撓性
コンクリート管によれば、コンクリート製の前管部材と
後管部材の対向する端面に環状の枠体を当て、この間に
平行に一対の押え板を配置し、中間の環状の連結部の外
周側に補強部材が入れられた環状中空補強部を備えた筒
状の伸縮部材の両端部の環状凸状部分で外側から覆うよ
うにし、押え板に埋め込んだ取付ボルトで枠体との間で
伸縮部材を締め付けて固定するとともに、この取付ボル
トを枠体を貫通させてコンクリート中に埋設し、さらに
枠体の外側を保護カバーで覆うようにしたので、保護カ
バーで伸縮部材を保護しながら伸縮部材の環状凸状部分
と環状の連結部とで大きな変位量の吸収を可能とすると
同時に、環状中空補強部と補強部材によって内周側への
撓みを防止することができる。
【0105】これにより、可撓性コンクリート管60の
底部分に下水汚物が堆積したり滞水流による水腐敗を生
ずることを防止することができる。
【0106】また、この発明の請求項3記載の可撓性コ
ンクリート管によれば、保護カバーに軸方向のスリット
を複数形成したので、保護カバーを切断させること無く
土圧などの外力に対してスムーズに変形させて伸縮部材
の保護を行うことができる。
【0107】さらに、この発明の請求項4記載の可撓性
コンクリート管によれば、保護カバーと枠体の接合部を
一方は断続溶接にし、他方を点溶接にしたので、保護カ
バーに軸方向の大きな力が加わった場合には、点溶接接
合部を破断させて対応させ、しかも保護カバーで伸縮部
材を覆った状態を保持することができる。
【0108】また、この発明の請求項5記載の可撓性コ
ンクリート管によれば、伸縮部材と保護カバーとの間の
空間に凹部用目地材と外周用目地材を設置したので、保
護カバーと協働して一層確実に伸縮部材の連結部外周側
などへの土砂の浸入を防止することができる。
【0109】さらに、この発明の請求項6記載の可撓性
コンクリート管によれば、枠体とコンクリート製の管部
材の端面との間に止水部材を設けたので、この部分のシ
ール性の向上を図り漏水や浸水などを一層確実に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の形
態にかかる可撓性継手部の拡大断面図である。
【図2】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の形
態にかかる上半分のみを切断した縦断面図である。
【図3】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の形
態にかかる伸縮部材のみの図1中のIII −III 断面図で
ある。
【図4】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の形
態にかかる外水圧が作用した状態を示す拡大断面図であ
る。
【図5】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の形
態にかかる伸びによる大変位が生じた状態を示す拡大断
面図である。
【図6】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の形
態にかかる縮みによる大変位が生じた状態を示す拡大断
面図である。
【図7】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の形
態にかかるねじれによる大変位が生じた状態を示す斜視
図である。
【図8】この発明の可撓性コンクリート管の他の一実施
の形態にかかる可撓性継手部の拡大断面図である。
【図9】この発明の可撓性コンクリート管の他の一実施
の形態にかかる上半分のみを切断した縦断面図である。
【図10】この発明の可撓性コンクリート管の他の一実
施の形態にかかる外水圧が作用した状態を示す拡大断面
図である。
【図11】この発明の可撓性コンクリート管の他の一実
施の形態にかかる伸びによる大変位が生じた状態を示す
拡大断面図である。
【図12】この発明の可撓性コンクリート管の一実施の
形態にかかる縮みによる大変位が生じた状態を示す拡大
断面図である。
【図13】従来の可撓性コンクリート管の上半分のみを
切断した縦断面図である。
【図14】従来の他の可撓性コンクリート管の上半分の
みを切断した縦断面図である。
【符号の説明】
10 可撓性コンクリート管 11 前管部材 12 後管部材 13 可撓性継手部 14 前枠体 15 後枠体 17 前押え板 18 後押え板 19 伸縮部材 20 前取付部 21 後取付部 22 連結部 23 環状中空補強部 24 補強部材 25 スタッドボルト 26 ナット 27 保護カバー 28 断続溶接部 29 点溶接部 31 スリット 41 目地材 51 止水部材 60 可撓性コンクリート管 61 伸縮部材 62 前押え板 63 後押え板 66 前環状凸状部分 67 後環状凸状部分 68 連結部 69 環状中空補強部 71 凹部用目地材 72 外周用目地材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−257691(JP,A) 特開 平7−109763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03F 3/04 F16L 21/02 E21D 11/04 F16L 27/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製の前後管部材との間に可
    撓性継手部を備えた可撓性コンクリート管であって、 前記前管部材の後端面及び前記後管部材の前端面に当ら
    れる環状の枠体と、 これら2つの枠体の間に平行に一対設けられ前記前後管
    部材より小径の環状の押え板と、 前記枠体と前記押え板との間に挾まれる両端部の環状の
    取付部およびこれら環状の取付部を内周側で連結して前
    記前後管部材の内周面に沿う中間部の環状の連結部を備
    えるとともに、この環状の連結部の中間外周側に突き出
    した環状中空補強部を備えた筒状の可撓性の伸縮部材
    と、 この伸縮部材の前記環状中空補強部の中空部分に入れら
    れて前記環状の連結部の内周側への撓みを防止する補強
    部材と、 前記前後管部材に埋設され前記枠体および前記伸縮部材
    の前記環状の取付部を貫通して前記押え板にねじ込まれ
    て当該伸縮部材の環状の取付部を締め付ける複数の取付
    ボルトと、 前記前後管部材の間に設けられこれら前後管部材の外周
    面に沿う環状の保護カバーと、 でなることを特徴とする可撓性コンクリート管。
  2. 【請求項2】 コンクリート製の前後管部材との間に可
    撓性継手部を備えた可撓性コンクリート管であって、 前記前管部材の後端面及び前記後管部材の前端面に当ら
    れる環状の枠体と、 これら2つの枠体の間に平行に一対設けられ前記前後管
    部材より小径の環状の押え板と、 前記一対の押え板をそれぞれ外周側から覆う両端部の環
    状凸状部分およびこれら環状凸状部分を連結して前記前
    後管部材の内周面に沿う環状の連結部を備えるととも
    に、この環状の連結部の中間外周側に突き出した環状中
    空補強部を備えた筒状の可撓性の伸縮部材と、 この伸縮部材の前記環状中空補強部の中空部分に入れら
    れて前記環状の連結部の内周側への撓みを防止する補強
    部材と、 前記前後管部材に埋設され前記枠体および前記伸縮部材
    の当該枠体当接部分を貫通して前記押え板にねじ込まれ
    て当該伸縮部材の取付部分を締め付ける複数の取付ボル
    トと、 前記前後管部材の間に設けられこれら前後管部材の外周
    面に沿う環状の保護カバーと、 でなることを特徴とする可撓性コンクリート管。
  3. 【請求項3】前記保護カバーに前記前後管部材の軸方向
    と平行なスリットを複数形成してなることを特徴とする
    請求項1または2記載の可撓性コンクリート管。
  4. 【請求項4】前記保護カバーの前記一対の枠体との接合
    部をいずれか一方とは断続溶接とするとともに、いずれ
    か他方とは点溶接してなることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の可撓性コンクリート管。
  5. 【請求項5】前記伸縮部材の環状の連結部の外周側に環
    状の凹部用目地材を設けるとともに、この凹部用目地材
    の外周側及び前記伸縮部材の環状凸状部分の外周側に外
    周用目地材を設けてなることを特徴とする請求項〜4
    のいずれかに記載の可撓性コンクリート管。
  6. 【請求項6】前記枠体と前記前後管部材の端面との当接
    部に環状の止水部材を設けてなることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の可撓性コンクリート管。
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