JP3105011B2 - 培養癌組織 - Google Patents

培養癌組織

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JP3105011B2 JP03042449A JP4244991A JP3105011B2 JP 3105011 B2 JP3105011 B2 JP 3105011B2 JP 03042449 A JP03042449 A JP 03042449A JP 4244991 A JP4244991 A JP 4244991A JP 3105011 B2 JP3105011 B2 JP 3105011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌細胞と正常細胞とを
含み、且つ生体内の癌組織と酷似した腺管構造を有する
培養癌組織およびその製造方法に関する。
【0002】本発明の培養癌組織は生体内の癌組織と形
態および機能が酷似しているため、本発明の培養癌組織
を用いれば、抗癌剤を用いる化学療法あるいは放射線,
温熱などの物理療法の生体内の癌組織に与える効果をイ
ンビトロ(in vitro)で高感度に測定することが可能と
なる。
【0003】
【従来の技術】細胞培養技術を用いて癌組織を製造する
方法として、従来より開発されて来た方法としては、
1)最も一般的な方法として、培養基材表面で癌細胞を
平面培養する方法;2)コラーゲン、寒天などのゲル中
に癌細胞を包埋し、立体培養する方法(たとえば榎並淳
平ら、組織培養研究、,76,1985); 3)スピ
ナーカルチャーすることにより癌細胞同志の凝集性を利
用して癌細胞凝集体を形成する方法(Sutherland,R.
M. ,et al., J.Nat. Cancer Inst.,46,113,
1971); および細胞非接着性の寒天などをコーティ
ングした基材表面で癌細胞を培養し、自然に癌細胞同志
が凝集し寒天表面から脱着することによって癌細胞集合
体を形成する方法(Yuhas, J. M.et al.,Cancer Res.,
37,3639,1977);などがあげられる。
【0004】一方、生体癌組織から得られた癌細胞を用
いた培養癌組織を、抗癌剤などの薬剤感受性、あるいは
放射線、温熱などの感受性の測定に応用するためには、
該培養癌組織が生体癌組織と質的にも形態的にも類似し
ていることが重要な要件である。これは、薬剤感受性な
どは癌細胞固有の性質に依存するばかりでなく、癌細胞
周辺の正常細胞の分布、すなわち間質組織および血管な
どの構造といった環境に著しく依存するからである。
【0005】上述した従来の方法によって得られる培養
癌組織をこのような生体内癌組織との類似性という観点
からみてみると、1)の平面培養の場合には、得られる
組織は人工基材によって裏打ちされているために平面的
な構造しかとれず、生体内の立体的な癌組織とは大きく
異なっている。したがって生体内では腺管構造を形成す
る癌細胞も、平面培養法では敷石状となり生体内と同様
の高次構造の形成は全く不可能である。2)のゲル内培
養の場合は、上記平面培養とは異なり生体内と類似の立
体的な構造の形成が可能である。しかしながら、この培
養法においては、上記ゲルの外側からゲルの内部の細胞
に対して栄養素の供給および老廃物の除去が困難であ
り、平面培養の様に癌細胞を効率良く増殖させて所望の
癌組織を形成させることが大変困難であるという大きな
欠点がある。3)のスピナーカルチャーあるいは寒天上
での培養により癌細胞同志の凝集性を利用して自然に癌
細胞凝集体を形成させる方法は、比較的、生体内癌組織
と類似した固形物を形成させることに適している。しか
しながらこれらの方法においては、上記癌細胞凝集体は
偶然に形成されたものであり、凝集する癌細胞数、即ち
癌細胞凝集体の大きさを制御すること、さらには所望の
大きさの凝集体を大量に製造することは非常に困難であ
るという重大な欠点がある。また、この方法では、癌細
胞と正常細胞との混合凝集体を製造することは原理的に
は可能であるが、上述したように偶然に凝集体が形成さ
れること、および一般的に癌細胞同志の凝集性が正常細
胞同志の凝集性よりも強いために、凝集体中の癌細胞と
正常細胞との混合比を所望の値にコントロールすること
が非常に困難という大きな問題点もある。
【0006】一方、寒天上培養法により、癌細胞のモデ
ルとしてのHeLa細胞と正常細胞として線維芽細胞と
からなる混合凝集体を形成し、放射線感受性および薬剤
感受性の測定に供したことも報告されている(佐々木武
仁,国病誌,55,515,1988)。しかしこの方
法では、HeLa細胞と線維芽細胞との混合比を制御す
ることは非常に難しく、この方法により得られた凝集体
中には線維芽細胞がほとんど認められず、またこれらの
凝集体中には癌組織特有の高次構造は全く認められてい
ない。特に、癌細胞と正常細胞の混合比を所望の値にコ
ントロールすることは、癌細胞と正常細胞の薬剤感受性
あるいは放射線感受性の差異を明確に測定するための重
要な要素技術である。
【0007】以上に概観したように、従来の培養技術で
は、生体内癌組織と類似の腺管構造を有し且つ癌細胞と
正常細胞とから形成される培養癌組織の製造は大変困難
であった。したがって、従来の培養癌組織を用いて得ら
れた抗癌剤などの薬剤感受性、あるいは放射線、温熱療
法等の効果の判定は、実際の癌組織に対するものとは大
きな隔たりがあるという重大な欠点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、(上
述した従来の細胞培養技術で得られる培養癌組織を用い
た場合には困難であったところの)実際の癌組織の薬剤
感受性、放射線等の効果の測定が可能となるように、生
体内の癌組織と形態的にも機能的にも極めて類似した培
養癌組織、およびその製造法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、癌細胞
と正常細胞とを含み、且つ腺管構造を有する培養癌組織
が提供される。更に、本発明によれば、癌細胞と正常細
胞とを含み且つ前記癌細胞と正常細胞とが実質的に混合
されている培養癌組織が提供される。更に、本発明によ
れば、温度感応性高分子化合物を少なくとも含む培養用
基材上において、該温度感応性高分子化合物のLCST
より高い温度で、正常細胞を該正常細胞が上記基材表面
を覆うまで培養して正常細胞シートを上記基材表面上に
形成し;該正常細胞シート上に癌細胞を播種し接着させ
た後に上記LCSTより低い温度に下げることにより、
該癌細胞が接着した正常細胞シートを基材表面から完全
に脱着させて、培養液中に浮遊する細胞シートを形成さ
せ;該浮遊細胞シートを細胞非接着性基材上で培養する
ことを特徴とする培養癌組織の製造方法が提供される。
ここに、本発明の培養癌組織において、「癌細胞と正常
細胞が実質的に混合されている」とは、後述するよう
に、培養基材から剥離後3時間培養した時点で、後述す
る比率A(培養後の正常細胞数/癌細胞数の比)と比率
0 (癌細胞播種時の正常細胞数/癌細胞数の比)との
比(A/A0 )が A/A0 ≧0.05 であることを言う。これに対して、本発明者の検討によ
れば、従来の癌細胞と正常細胞とからなる培養癌組織に
おいては、A/A0 <0.01であった。換言すれば、
従来の癌細胞と正常細胞とからなる培養癌組織において
は、癌細胞と正常細胞は実質的に混合されていなかっ
た。
【0010】以下、本発明の培養癌組織について詳細に
説明する。 (腺管構造)本発明において、腺管構造の有無は、以下
のようにして判定することが好ましい。細胞シートを培
養基材から剥離後少なくとも1日以上培養して得られる
培養癌組織を固定化して、得られた組織切片(厚さ:約
4〜6μm、培養組織のほぼ中央部を採取することが好
ましい)をヘマトキシリン、エオジン染色して光学顕微
鏡(400倍)下に観察した際に、下記及びをとも
に満たす腺管構造が認められる場合、本発明において
は、『腺管構造あり』と判定する。 顕微鏡の500μm×500μmの視野内に、下記
の条件を満たす腺管構造が少なくとも1個以上存在する
こと。 該腺管構造の内腔の長径と短径の平均値(R0 )が
0. 5μm≦R0 ≦100μmであること。
【0011】(癌細胞)本発明において、癌細胞(ない
し腫瘍細胞)とは、正常細胞が悪性トランスフォーメー
ションしたものをいい、より具体的には、G−Band核型
分析(M.E.Drets,et al.,Proc. Natl. Acad. Sci.,U.S.
A., 68, 2073 (1971) )において染色体異常を示す動物
細胞をいう。癌細胞は一般的に接触阻止(contact inhib
ition)を示さないため、本発明においては、この接触阻
止の有無を細胞の悪性トランスフォーメーションの有無
の指標として用いることも可能である。接触阻止の有無
は、細胞を単層培養(monolayer culture )して集密的
(confluent )な状態となった場合に、細胞が更に増殖
するか否かで判定することが可能である(今堀・山川
『生化学辞典(第2版)』東京化学同人(1990)の
第640頁及び第808頁を参照)。本発明において好
ましく用いられる癌細胞は、生体内(in vivo )で腺管
構造を与える癌細胞(すなわち、腺管構造形成性を有す
る癌細胞)である。この癌細胞は、所定条件下でヒト線
維芽細胞と(in vitroで)培養した場合に腺管構造を与
える細胞であることが好ましい。
【0012】(in vitroでの腺管構造形成性の判定)後
述する「実施例」の方法に従い、ディッシュ底面に、コ
ラーゲンとポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(P
NIPAAm)の1:1混合物が約2μmの厚さでコー
ティングされたディッシュを得る。一方、ヒト真皮線維
芽細胞(細胞濃度:約2×105 細胞/ml)分散液2
mlを37℃に保温した後、37℃にあらかじめ保温さ
れた上記(コラーゲン/PNIPAAm混合物がコーテ
ィングされた)ディッシュ中に注入し、37℃で空気/
5%炭酸ガスインキュベータ中で5日間培養し、ディッ
シュ底面を線維芽細胞によって完全に被覆する。次に試
料細胞(判定の対象となる細胞、細胞濃度:約2×10
5 細胞/ml)分散液0.5mlを37℃に保温した
後、上記線維芽細胞増殖ディッシュ中に注入し、37℃
で空気/5%炭酸ガスインキュベータ中に約2時間放置
し、上記癌細胞を線維芽細胞シート上に完全に付着させ
る。その後、該ディッシュをインキュベータから取り出
し、常温に放置することによって癌細胞が付着した線維
芽細胞シートをディッシュ底面から剥離させ、培養液中
に浮遊させる。必要に応じ、リン酸緩衝液で該シートを
2〜3回洗浄した後、細胞非接着性ディッシュ(アガー
をコーティングしたディッシュ、35mmφ)に移し、
37℃で空気/5%炭酸ガスインキュベータ中で7日間
培養する。培養により得た塊状体を10%ホルマリン緩
衝液によって固定しパラフィン包埋した組織切片を作製
し、この塊状体切片をヘマトキシリン・エオジン染色
し、顕微鏡用試料とする。この試料を用い、前記した基
準に従い、光学顕微鏡で該塊状体内部の腺管構造の有無
を判定する。 上述したin vitro試験方法は、本発明に
おいて「好ましく用いられる癌細胞」の判定のためにの
み用いるものであり、上記した培養条件等の条件は、本
発明の範囲を何ら制限しない。
【0013】本発明においては、癌細胞として、上記し
たような腺管構造を形成する癌細胞を用いることが好ま
しく、より具体的には例えば、生体内で腺管構造を形成
する胃癌、大腸癌、膵臓癌、胆ノウ癌、胆管癌、肝癌、
乳癌、肺癌、食道癌などの癌細胞が好ましく用いられ
る。
【0014】(正常細胞)本発明において、「正常細
胞」とは前記癌細胞以外の動物細胞をいう。すなわち、
悪性トランスフォーメーションを起こしていない状態の
動物細胞をいう。本発明においては、正常細胞として、
生体内に汎く存在し、採取が比較的簡単な線維芽細胞を
用いることが特に好ましい。本発明においては、必要に
応じ、正常細胞として2種以上の細胞を用いてもよい。
このように2種以上の正常細胞を用いることにより、生
体内(in vivo) における癌周辺の構造のより好適な近似
が可能となる場合がある。
【0015】(正常細胞数/癌細胞数の比)本発明の培
養癌組織においては、後述する所定時点における該組織
(培養後の組織)中の癌細胞と正常細胞の組成比をA
(正常細胞数/癌細胞数)と定義し、癌細胞の正常細胞
上への播種時における癌細胞と正常細胞の組成比をA0
(シ−ト状の正常細胞数/播種癌細胞数)と定義する
と、A≧0.05であることが好ましい。また、癌細胞
播種時と培養後所定時点における上記組成比に関して
は、0. 5≦A/A0 ≦1. 5であることが好ましい。
前述したように、正常細胞と癌細胞とから得られた従来
の培養癌組織においては、正常細胞が効果的に培養され
ず、実質的に癌細胞のみが培養されてしまうため、本発
明者らの検討によれば、従来の培養癌組織では上記A/
0 の値は0.01未満であったと推定される。すなわ
ち、従来の培養度組織においては正常細胞と癌細胞とが
『実質的に混合された状態』で培養されているとは言え
なかった。これに対して、本発明の培養癌組織において
は正常細胞と癌細胞とが実質的に混合されているため、
上記A/A0 の値は、前述したように0. 05以上とな
る。換言すれば、上記A/A0 の値が0. 05以上とい
うことが、本発明の培養癌組織において正常細胞と癌細
胞とが『実質的に混合されている』ことの指標となる。
【0016】(A0 及びAの測定)本発明においては、
上記A0 の値は、例えば、播種時の正常細胞数(N)を
位相差顕微鏡を用いて計測し、癌細胞数(Nc)を位相
差顕微鏡により計測して、N/Nc=A0 を計算すれば
よい。一方、上記Aの値は例えば、後述するように培養
した癌組織をホルマリンなどで固定化して組織切片を作
製し、ヘマトキシリン・エオジン染色して、顕微鏡下に
染色性あるいは形態変化を利用して該培養癌組織中の正
常細胞数および癌細胞をそれぞれ計測しAを算出すれば
よい。また、試料(培養基材から剥離後3時間の培養癌
組織)をトリプシン0. 25%、EDTA1ミリモル含
有のリン酸緩衡液中に約30分間侵漬し、該培養組織を
形成する正常細胞と癌細胞とにバラバラに分離し、得ら
れた該両細胞混合分散液中の正常細胞数と癌細胞数と
を、位相差顕微鏡下に、形態の相異を利用してそれぞれ
計測し正常細胞数/癌細胞数の比(A)を算出すること
も可能である。 (温度感応性ポリマーを用いた場合のA及びA0 )より
具体的には、例えば、本発明において後述する温度感応
性ポリマ−を用いて培養を行う場合には、以下のように
してA0 およびAを算出することが好ましい。 A0 :一定の面積を有する培養基材上を被履した正常細
胞数(N)を位相差顕微鏡下に計測する。次に該細胞シ
−ト上に播種する癌細胞分散液濃度の細胞数を計測する
ことによって播種した癌細胞数(Nc)を算出し、N/
Nc=A0 を算出する。 A:培養基材上を被履した正常細胞シ−ト上に癌細胞を
播種し、該シ−ト表面に該癌細胞を付着させた後、温度
を後述するLCSTより低くすることにより、該細胞シ
−トを基材表面から脱離させ、完全に培養液中に浮遊さ
せた後、該細胞シ−トを細胞非接着性基材上に移し該細
胞シ−ト剥離後3時間培養し培養癌組織を得る。次に上
記により得られた培養癌組織をトリプシン0. 25%、
EDTA1ミリモル含有のリン酸緩衝液中に約30分間
浸漬し、該培養癌組織を形成する正常細胞と癌細胞とに
バラバラに分離する。得られた該両細胞混合分散液中の
正常細胞数と癌細胞数を位相差顕微鏡下に形態の相異を
利用してそれぞれ計測しAを算出する。又、Aの算出方
法の別法として、上記と同様、培養基材から剥離後3時
間、培養した癌組織をホルマリンなどで固定化し組織切
片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色して、顕微
鏡下に染色性あるいは形態変化を利用して該培養癌組織
中の正常細胞数および癌細胞数をそれぞれ計測し、前記
Aを算出する方法も可能である。
【0017】(正常細胞/癌細胞の混合比)本発明の培
養癌組織においては、上述した比率Aと同様に測定され
る(培養後の)正常細胞数/癌細胞数の混合比(B)
は、0.01以上、更には0.05以上であることが好
ましい(培養基材から剥離後3時間の特定の時点でのこ
の「混合比B」の値が、前記した比率Aに相当する)。
本発明の培養癌組織においては上記Bの値は時間ととも
に変化する可能性がある。従って、上記Bの好適な値
は、本発明の培養癌組織を実際に用いる時点(例えば、
該培養癌組織を薬剤耐性テスト等に供する時点)で満た
されていれば足り、製品としての出荷時には必ずしも上
記Bの範囲内になくともよい。
【0018】(温度感応性高分子化合物)本発明の培養
癌組織を製造する方法は特に限定されないが、この製造
に際しては、温度感応性高分子化合物を用いることが、
細胞の不必要な損傷を効果的に防止する上で好ましい。
ここに「温度感応性高分子化合物」とは、LCST(Lo
wer Critical Solution Temperature )を有する高分子
化合物をいう。LCSTとは、温度感応性高分子化合物
の水和と脱水和の転移温度をいう(例えば、Hanskins,
M.,et al.,J. Macromol. Sci.-Chem.,A2(8),1441(1968)
を参照)。本発明においては、上記温度感応性高分子化
合物は、上記LCSTが0〜80℃(更には10〜45
℃)であることが好ましい。このLCSTは、例えば、
以下のようにして測定することができる。
【0019】温度感応性高分子を所定の水溶液(例えば
培養液)に溶解し、融点測定装置を用いて1分間に約3
℃の速度で昇温させた際に、濁りが初めて生じる温度を
目視で判定し、この温度をLCSTとする(このLCS
Tの詳細については、T.Takezawa et al.,Bio/Technolo
gy,8,854(1990)を参照することができる)。本発明に好
ましく用いられる温度感応性高分子化合物は、LCST
より高い温度では固体状態であり、温度をLCSTより
低く下げることによって可逆的に水可溶性となる。LC
STより高い温度においては温度感応性高分子化合物は
固体状態であるため、細胞は該高分子化合物を足場とし
て利用しながら増殖することができる。一方、増殖した
細胞の脱離が必要とされる際には、温度をLCSTより
低くすれば、温度感応性高分子化合物は水可溶性の状態
になるため、細胞間の結合を損なうことなく、容易に増
殖細胞を脱離することができる。
【0020】本発明に好ましく使用することのできる温
度感応性高分子化合物としては、ポリN−置換アクリル
アミド誘導体、ポリN−置換メタアクリルアミド誘導体
およびこれらの共重合体、ポリビニルメチルエ−テル、
ポリエチレンオキサイド、エ−テル化メチルセルロ−
ス、ポリビニルアルコ−ル部分酸化物などが挙げられ
る。特に好ましいものは、ポリN−置換アクリルアミド
誘導体またはポリN−置換メタアクリルアミド誘導体ま
たはこれらの共重合体、ポリビニルメチルエ−テル、ポ
リビニルアルコ−ル部分酸化物である。好ましい高分子
化合物を以下にLCSTが低い順に列挙する。ポリ−N
−アクロイルピペリジン;ポリ−N−n−プロピルメタ
アクリルアミド;ポリ−N−イソプロピルアクリルアミ
ド;ポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド;ポリ−N
−イソプロピルメタアクリルアミド;ポリ−N−シクロ
プロピルアクリルアミド;ポリ−N−アクリロイルピロ
リジン;ポリ−N,N−エチルメチルアクリルアミド;
ポリ−N−シクロプロピルメタアクリルアミド;ポリ−
N−エチルアクリルアミド
【0021】上記の高分子は単独でも、他の単量体と共
重合してもよい。共重合する単量体としては、親水性単
量体、疎水性単量体のいずれも用いることができる。一
般的には親水性単量体と共重合するとLCSTは上昇
し、疎水性単量体と共重合するとLCSTは下降する。
従って、これらを選択することによっても所望のLCS
Tを有する高分子化合物を得ることができる。親水性単
量体としては、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジ
ン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチル
アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタアクリレ−ト、
ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ヒドロキシメチルメタ
アクリレ−ト、ヒドロキシメチルアクリレート、酸性基
を有するアクリル酸、メタアクリル酸およびそれらの
塩、ビニルスルホン酸、スチルスルホン酸など、並びに
塩基性基を有するN,N−ジメチルアミノエチルメタク
リレ−ト、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリ−
ト、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドお
よびそれらの塩などが挙げられる。細胞膜は通常、陰性
に荷電しているので、静電的相互作用による基質に対す
る細胞の接着性を向上させるために、塩基性を有する単
量体との共重合体を用いることが好ましい。一方、疎水
性単量体としては、エチルアクリレ−ト、メチルメタク
リレ−ト、グリジルメタクリレ−ト等のアクリレ−ト誘
導体およびメタクリレ−ト誘導体、N−n−ブチルメタ
アクリルアミドなどのN−置換アルキルメタアクリルア
ミド誘導体、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレ
ン、酢酸ビニルなどが挙げられる。なお、上記した温度
感応性化合物の詳細については、特願平2−49155
号出願明細書を参照することができる。
【0022】(培養癌組織の製造方法)本発明の培養癌
組織の好適な製造方法(すなわち、本発明の製造方法)
を以下に詳述する。本発明の製造方法の好ましい態様に
おいては、まず上述した温度感応性高分子化合物を含む
培養用基材(より好ましくは温度感応性高分子化合物お
よびコラ−ゲンを含む培養基材)上で、該温度感応性高
分子のLCST(Lower Critical Solution Temperatur
e) より高い温度(好ましくはLCSTより1〜40℃
高い温度、更に好ましくは3〜20℃高い温度)で正常
細胞を培養し、該基材表面上で正常細胞の単層シートを
形成する。本発明に用いる上記培養用基材においては、
温度感応性高分子化合物1(重量)部に対して、コラ−
ゲン0.1〜3部(より好ましくは0.5〜2部)を用
いることが好ましい。次に、該細胞シート上に癌細胞を
播種し接着させる。該癌細胞が正常細胞シートの表面に
完全に付着した後に、該培養系の温度をLCSTより低
く(好ましくはLCSTより1〜40℃低い温度、更に
好ましくは3〜20℃低い温度に)することにより、培
養基材表面にコーティングされた温度感応性高分子化合
物が培養液中に溶解し、癌細胞が付着した正常細胞シー
トが基材表面から剥離する。該癌細胞が付着した正常細
胞シートを細胞非接着性の基材(アガー等)上に移し浮
遊培養することにより、本発明の培養癌組織を好適に製
造することができる。
【0023】本発明の重要な特徴の1つは、すでに述べ
たように、生体内と類似の形態形成には極めて不適な基
材上での平面培養系から、細胞を遊離、開放することに
よって、該細胞が有している本来の機能発現を誘導し、
生体内の形態と極めて類似の形態の構築を可能にするこ
とである。更に、本発明の上記温度感応性ポリマーを用
いる態様においては、細胞の基材からの遊離、開放に
は、従来の細胞脱離剤である蛋白分解酵素あるいはカル
シウムキレート剤などの使用が不要であるために、細胞
が1個1個バラバラになることがないと同時に、細胞表
面に存在する各種のリセプターへの損傷が著しく抑制さ
れる。この結果、細胞の機能分化がより一層誘導される
ことも本発明の重要な特徴である。また、本発明の培養
癌組織中の癌細胞と正常細胞との混合比が、例えば、既
に述べた製造工程上の正常細胞シート上に癌細胞を播種
する際に両細胞数を調整することによって、容易に制御
できる点も本発明の重要な特徴である。
【0024】一方、上記した温度感応性高分子化合物を
含む培養用基材を用いる代わりに、癌細胞が付着した正
常細胞シートをセルスクレイパーなどによって基材表面
から機械的に剥離させて、本発明の培養癌組織を製造す
ることも可能であるが、細胞への傷害性という点では、
前者の温度感応性高分子化合物を用いる方法がより好ま
しい。なお、本発明の培養癌組織は、通常、いわゆる多
細胞系スフェロイドから構成されており、通常は比較的
大きな細胞塊となっているため凍結保存には適しない。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明の範囲は特許請求の範囲の記載により定まる
ものであり、以下の実施例により制限を受けるものでは
ない。
【0025】
【実施例】胆管癌患者の癌性胸水を無菌的に採取し、比
重遠心法によって赤血球分画およびリンパ球層を除去し
た後、細胞成分をRPMI1640を培地として37
℃、5%炭酸ガスインキュベータ中で培養を行った。培
養初期には浮遊細胞の混在が認められたものの、継代を
重ねることによって胆管癌細胞を単離、増殖させること
ができた。一方、正常細胞としては、後述するヒト真皮
の線維芽細胞を用いた。典型的な温度感応性高分子であ
るポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PNIPA
Am)を蒸留水に溶解して0.5W/V%水溶液を作製
し、滅菌フィルターにより濾過滅菌した。該高分子水溶
液とウシの真皮ペプシン可溶化タイプIコラーゲンの
0.5W/V%水溶液を等量混合して、PNIPAAm
とコラーゲンの混合溶液を作製した。この混合溶液のL
CSTを濁度変化によって測定した結果、約32℃であ
った。次に上記混合溶液400μlを市販の組織培養用
プラスチックディッシュ(ファルコン社製、35mm
φ)の底面に注入し、クリーンベンチ内で常温で無菌的
に風乾した。上記の方法により、ディッシュ底面にはコ
ラーゲンとPNIPAAmの1:1混合物が約2μmの
厚さでコーティングされたディッシュを得た。ヒト真皮
の線維芽細胞(細胞濃度:約2×105 細胞/ml)を
培地としてのDMEM培地(10%ウシ胎児血清含有)
に分散した液2mlを37℃に保温した後、37℃にあ
らかじめ保温された上記(コラーゲン/PNIPAAm
混合物がコーティングされた)ディッシュ中に注入し、
37℃で空気/5%炭酸ガスインキュベータ中で5日間
培養した。この培養により、ディッシュ底面は線維芽細
胞によって完全に被覆されていた。
【0026】次に上述した胆管癌細胞(細胞濃度:約2
×105 細胞/ml)を上記と同様のDMEM培地に分
散した液0.5mlを37℃に保温した後、上記により
得た線維芽細胞増殖ディッシュ中に注入し、37℃で空
気/5%炭酸ガスインキュベータ中に約2時間放置し、
上記癌細胞を線維芽細胞シート上に完全に付着させた。
その後、該ディッシュをインキュベータから取り出し、
室温に放置することによって、癌細胞が付着した線維芽
細胞シートをディッシュ底面から剥離させた。該細胞シ
ートの剥離過程を位相差顕微鏡で観察すると、細胞シー
トはディッシュ端から中央部に向って徐々に剥離し、剥
離したシートは上面に付着した癌細胞を巻き込みながら
包み込む様子が確認された。またこのシート剥離過程
で、癌細胞の線維芽細胞シートからの脱着は全く認めら
れなかった。
【0027】37℃のインキュベータから取り出した後
約10分間で細胞シートはディッシュ底面から完全に脱
離し、培養液(上記と同様のDMEM培地)中に浮遊し
た。浮遊した該細胞シートから溶解したPNIPAAm
およびコラーゲンを除去するために、リン酸緩衝液で該
シートを2〜3回洗浄した後、細胞非接着性ディッシュ
(アガーをコーティングしたディッシュ35mmφ)上
に移し、37℃で空気/5%炭酸ガスインキュベータ中
で培養した。該細胞シートは細胞非接着性ディッシュ中
での浮遊培養過程でシート状から塊状に変化した。培養
7日目に該塊状体を10%ホルマリン緩衝液によって固
定し、パラフィン包埋した組織切片を作製した。該塊状
体切片をヘマトキシリン・エオジン染色を行ったとこ
ろ、該塊状体内部に明確な腺管構造が観察された(図
1、対応する色彩写真を「参考写真1」に示す)。この
図1においては、上記参考写真1に示したように、明瞭
な腺管構造の形成が認められる。
【0028】一方、上記塊状体切片を抗Carbohydrate A
ntigen19−9(CA・19−9、フランスCIS社
製)および抗 Carcino embryonic Antigen(CEA、ア
メリカDAKO社製)をそれぞれ一次抗体とした免疫染
色法によって染色したところ、該塊状体内部の癌細胞の
細胞質のみが明瞭に染色された(図2および図3、対応
する色彩写真をそれぞれ「参考写真2」および「参考写
真3」に示す)。これら図2および図3においては、驚
くべきことに、上記腺管構造は免疫染色に陽性な癌細胞
によって主に形成されていた。図4(a)に前記癌患者
の原発巣組織のヘマトキシリン・エオジン染色像を示す
(対応する色彩写真を「参考写真4」に示す)が、図4
(b)に示したような腺管構造は、第1図の本発明の培
養癌組織中に形成されたものと酷似していた。また該癌
患者の血清中には高濃度のCA19−9およびCEAが
検出されていることから類推して、本胆管癌組織はCA
19−9およびCEAに対して陽性であると考えられ、
この点でも、図2および図3に示した本発明の培養癌組
織が原発巣組織に酷似していることが判明した。
【0029】
【発明の効果】本発明の培養癌組織は癌細胞と正常細胞
から構成され、且つ腺管構造を有しているため、上記癌
細胞が由来する癌原発巣組織と形態および機能が酷似し
ている。従って、抗癌剤の薬剤感受性あるいは放射線、
温熱などの治療効果を高感度に測定する方法に汎く応用
することができ、その技術的価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】胆管癌細胞と正常線維芽細胞からなる本発明の
培養癌組織の一例のヘマトキシリン・エオジン染色像
(倍率:650倍)であり、腺管構造の形成が認められ
る。
【図2】胆管癌細胞と正常線維芽細胞からなる本発明の
培養癌組織の一例の抗CA19−9抗体による免疫染色
像(倍率:650倍)であり、癌細胞のみが染色されて
いて、腺管構造が主として癌細胞によって形成されてい
ることがわかる。
【図3】胆管癌細胞と正常線維芽細胞からなる本発明の
培養癌組織の一例の抗CEA抗体による免疫染色像(倍
率:400倍)であり、癌細胞のみが染色されていて、
腺菅構造が主として癌細胞によって形成されていること
がわかる。
【図4】該胆管癌の原発巣組織のヘマトキシリン・エオ
ジン染色像(図4(a)、倍率:400倍)であり、図
4(a)を模式的に示した図4(b)に示すように、腺
管構造が認められる。
【符号の説明】
1 壁 2 内腔

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌細胞と正常細胞とを含み、且つ腺管構
    造を有することを特徴とする培養癌組織。
  2. 【請求項2】 培養基材から剥離後3時間培養した時点
    で、比率A(培養後の正常細胞数/癌細胞数の比)と比
    率A 0 (癌細胞播種時の正常細胞数/癌細胞数の比)と
    の比(A/A 0 )が0.05以上である請求項1に記載
    の培養癌組織。
  3. 【請求項3】 培養後の正常細胞数/癌細胞数の混合比
    (B)が0.01以上である請求項1または2に記載の
    培養癌組織。
  4. 【請求項4】 多細胞系スフェロイドから構成されてい
    る請求項1〜3のいずれかに記載の培養癌組織。
  5. 【請求項5】 前記癌細胞が、胃癌、大腸癌、膵臓癌、
    胆ノウ癌、胆管癌、肝癌、乳癌、肺癌および食道癌の群
    から選ばれる腺管構造形成性を有する癌細胞である請求
    1〜4のいずれかに記載の培養癌組織。
  6. 【請求項6】 前記正常細胞が線維芽細胞である請求項
    〜5のいずれかに記載の培養癌組織。
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