JP3103280U - 採尿容器 - Google Patents

Abstract

【課題】紙製のホルダーとカップが分離できるので、運搬や保管にかさばらず、女性や介護を要する老人が尿を採取するときに洋式トイレの便座に腰掛けて容易に且つ確実に採尿することができ、また紙製であるので安価で廃棄も容易な採尿容器を提供するものである。
【解決手段】先端側にリング状部分４を形成し、後端側をＶ形に谷折りすると共に、上方に傾斜した把持部５を形成した紙製のホルダー２の、前記リング状部分４に、紙製のカップ３を着脱自在に挿着して、カップ３の上縁カール部８をリング状部分４に係止させたものである。
【選択図】 図１

Description

本考案は、女性や介護を要する老人が尿検査に必要な採尿をする際に、洋式トイレの便座に腰掛けて使用する採尿容器に関するものである。

一般に尿検査をする時には、紙製のカップに尿を採取して、これに尿試験紙を浸漬して、その色の変化状態から種々の検査を行なっている。しかしながら紙製のカップは男性が採尿する場合には立ったまま使用して容易に採取できるが、女性や介護を要する老人の場合には、立ったまま使用できず、特に妊婦の場合には、洋式トイレの便座に腰掛けてカップを手に持って挿入しようとすると、カップが尿器まで十分に届かず採尿が難しい問題があった。また介護を要する老人の場合には、補助サークルにつかまらせて不安定な中腰で立たせた状態で、介助する人がカップを持って採尿しているが、老人が緊張するため手間がかかる問題があった。

このため、紙製のカップの上縁に２本のミシン目を縦に入れて、使用する時に２本のミシン目を破いて倒しこれを把持部としてカップを持ち易くしたものが提案されている（特許文献１）。しかしながら、これはカップの縁を切り起こして把持部としたもので、この把持部は不安定であり、大量に尿を採取した場合にはこぼしてしまう恐れがあった。

また上面を開口した箱形の尿採取部の側面に把持部を一体に接合し、把持部の後端部の底面を尿採取部の底面と同一の高さにしたプラスチックの採尿容器も提案されている（特許文献２）。しかしながら、この採尿容器は、プラスチック製で運搬や保管にかさばる上、価格が高く、しかも廃棄処分が面倒であり実用化されていない。
特開２０００−２２１１２２号公報 特開平１１ー２９５３０７号公報

本考案は上記問題を改善し、紙製のホルダーとカップが分離できるので、運搬や保管にかさばらず、女性や介護を要する老人が尿を採取するときに洋式トイレの便座に腰掛けて容易に且つ確実に採尿することができ、また紙製であるので安価で廃棄も容易な採尿容器を提供するものである。

本考案の請求項１記載の採尿容器は、先端側にリング状部分を形成し、後端側をＶ形に谷折りすると共に、上方に傾斜した把持部を形成した紙製のホルダーの、前記リング状部分に、紙製のカップを着脱自在に挿着したことを特徴とするものである。

本考案の請求項２記載の採尿容器は、紙製のカップの上縁カール部を、リング状部分に係合させてカップを支持したことを特徴とするものである。

本考案に係る請求項１記載の採尿容器によれば、洋式トイレの便座に腰掛けて、片手で採尿容器の上方に長く傾斜している把持部を持って、股の間からカップを差し込んで尿器の下に当てがって採尿するので、便座に腰掛けた状態で挿入や採尿、引出しが容易である。また把持部はＶ形に谷折りされているので紙製でも強度が高く、カップに採尿して重量が重くなっても下側に撓むことがなく確実に保持することができる。

また採尿容器は紙製で安価であり、コストも余り高くならず、カップとホルダーが着脱自在となっているので、工場から出荷する時には、カップとホルダーを別々に複数個重ねて、梱包できるので運搬や保管にも余りかさばることはない。

また請求項２記載の採尿容器によれば、紙製のカップの上縁カール部をリング状部分に、係合させてカップを支持したので、カップに採尿して重量が重くなってもリング状部分から抜け落ちるのを防止することができる。

洋式トイレの便座に腰掛けて採尿することができ、また紙製であるので安価で廃棄も容易な採尿容器を実現した。

以下本考案の実施例を図１ないし図３を参照して詳細に説明する。図において１は採尿容器を示すもので、これは紙製のホルダー２と紙製のカップ３とを組み合わせて構成されている。紙製のホルダー２は、先端側にリング状部分４が形成され、この後端側が上方に傾斜すると共に、Ｖ形に谷折りした把持部５が形成されている。また紙製のカップ３は、図２に示すように、紙を巻回して上方に向かって直径が拡大した中空円筒体６の、下部に底蓋７が取付けられ、上縁部を外側に巻回した上縁カール部８が形成されたものである。

この紙製のカップ３は直径が６〜８ｃｍ、高さが３〜５ｃｍ程度のものが好ましく、これをホルダー２のリング状部分４の上から挿着して、上縁カール部８を係合させて着脱自在に取付けたものである。

上記構成の採尿容器１を使用する方法は、洋式トイレの便座に腰掛けて、片手で採尿容器１の把持部５を持って、股の間からカップ３を差し込んで尿器の下にあてがって採尿する。把持部５は上方に長く傾斜しているので、特に妊婦のように腹部が張り出していても、便座に腰掛けた状態で挿入や引出しが容易である。また紙製のカップ３の上縁カール部８をリング状部分４に、係合させて支持したので、カップ３に採尿して重量が重くなっても、リング状部分４から抜け落ちるのを防止することができる。更に把持部５はＶ形に谷折りされているので紙製でも強度が高く、カップ３に採尿して重量が重くなっても下側に撓むことがなく確実に保持することができる。

採取する尿９は検査のためには１０ｃｃ程度で十分であり、採尿した採尿容器１は、図２に示すようにカップ３を床１０に置いても、把持部５は紙製で軽いので転倒して尿９がこぼれることがない。この後、カップ３をリング状部分４から引き抜いて、運搬ケースなどに入れておけば良い。この後、従来と同様に運搬ケースに入れて検査部門に運んで、ここで尿試験紙を浸漬して、その色の変化状態から検査を行なう。また運搬ケースとして専用のものを用いれば、把持部５からカップ３を取外さずそのまま入れることができる。

また介護を要する老人の尿を採取するときには、同様に洋式トイレの便座に腰掛けさせて、前方から介護する人が採尿容器１のホルダー２を手に持って、股の間からカップ３を差し込んで尿器の下に当てがって採尿する。従って、従来のように補助サークルにつかまらせて不安定な中腰で立たせた状態で採尿する場合のように、緊張せずに楽な姿勢で採尿できるので、短時間で確実に採尿することができる。

また本考案の採尿容器１は紙製であるので軽量で、またカップ３の高さが従来の採尿カップに比べて低いので、コストも余り高くならない。またカップ３とホルダー２とは着脱自在となっているので、工場から出荷する時には、カップ３とホルダー２を別々に複数個重ねて梱包できるので、運搬や保管にも余りかさばることはない。

図４は本考案の他の実施例を示すもので、カップ３の上部を斜めにカットし、この上縁部に上縁カール部８を形成し、これを傾斜したホルダー２の先端側のリング状部分４に着脱自在に挿着し、ホルダー２の後部側をＶ形に谷折りして把持部５としたものである。

本考案の実施例による採尿容器の斜視図である。 図１の採尿容器を床に置いた状態を示す断面図である。 図２に示す採尿容器のＡーＡ線断面図である。 本考案の他の実施例による採尿容器を床に置いた状態を示す断面図である。

符号の説明

１ 採尿容器
２ ホルダー
３ カップ
４ リング状部分
５ 把持部
６ 中空円筒体
７ 底蓋
８ 上縁カール部
９ 尿
１０ 床

Claims (2)

1. 先端側にリング状部分を形成し、後端側をＶ形に谷折りすると共に、上方に傾斜した把持部を形成した紙製のホルダーの、前記リング状部分に、紙製のカップを着脱自在に挿着したことを特徴とする採尿容器。
2. 紙製のカップの上縁カール部を、リング状部分に係合させてカップを支持したことを特徴とする請求項１記載の採尿容器。